以下、本発明の第1の実施の形態による電動工具であるジグソー1について図1〜16を参照しながら説明する。図1は、ジグソー1の外観を示す側面図であり、図2は、ジグソー1の内部構造を示す部分断面側面図である。以下の説明において、角度について「90°」、回転数について「2000rpm」、時間について「20ms」等の具体的な数値に言及した場合、当該数値と完全に一致する場合だけでなく、当該数値と略同一である場合も含む概念である。
図1及び図2に示されるようにジグソー1は、ハウジング2、モータ3、制御部4、運動変換機構5、プランジャ6及びベース9を備えており、ベース9を被切断材に摺動させてプランジャ6に保持されたブレード8の往復動により被切断材を切断する、言い換えれば加工作業を行う切断工具である。また、ジグソー1はモータ3の駆動モードとして「変速モード」及び「AUTOモード」を備えており、制御部4は当該駆動モードに応じたモータ3の制御を行う。「変速モード」は、モータ3を後述のダイヤル26の被操作位置に応じた回転数で回転するよう制御する駆動モードであり、「AUTOモード」はプランジャ6が作業状態(駆動状態)でない場合は、モータ3を作業状態である場合よりも低い回転数で回転するよう制御する駆動モードである。以下、モータ3に対して運動変換機構5が設けられている方向を前方向と定義し、逆を後方向と定義する。また、ベース9からブレード8が延出している方向を下方向と定義し、逆を上方向と定義する。ブレード8の前側には、被切断材を切断する刃部8Aが設けられており、後から前に向かう方向が切断方向となる。
ハウジング2は樹脂等から構成されたジグソー1の外郭をなす部分であって、モータハウジング21と、ギヤハウジング22と、ハンドルハウジング23とを備えている。
図2に示されるようにモータハウジング21は、前後方向に延び、その内部にはモータ3と、制御部4とが収容されている。また、モータハウジング21は電源ケーブル21Aを備え、モータハウジング21の後部には複数の吸気孔21aが上下方向に並んで形成されている。
モータ3は、前後方向に延びる出力軸31と、ファン32とを備えている。出力軸31の前方向の先端部分には、ピニオンギヤ31Aが設けられている。ファン32は、ピニオンギヤ31Aの後方に設けられ、出力軸31に同軸固定されている。ファン32は、複数の吸気孔21aからファン風をモータハウジング21の内部に導入し、モータ3、制御部4及び運動変換機構5の冷却を行う。
制御部4は、モータハウジング21の後部に収容されており、モータ3と接続されている。制御部4は、モータ3の駆動モード、回転数等を制御する。制御部4、駆動モード及び回転数の制御についての詳細は後述する。
電源ケーブル21Aは、モータハウジング21の後部から後方に延出しており、その先端部は、後述の商用交流電源P(図6)に代表される外部電源に接続可能に構成されている。電源ケーブル21Aを外部電源に接続することでジグソー1に電源が供給される。
ギヤハウジング22は、モータハウジング21の前側に上下方向に延びるように形成されており、その内部には運動変換機構5と、プランジャ6と、モータ3の回転に連動してブレード8を揺動させる所謂オービタル動作を実現するためのオービタル機構部7とを備えている。また、ギヤハウジング22の下部にはベース9が設けられている。
運動変換機構5は、支持軸51と、ギヤ部52と、ウェイト部53と、係合ピン54とを備えている。支持軸51は、ギヤハウジング22内部の上下方向略中央に前後方向に延びるように設けられている。ギヤ部52は、支持軸51によってギヤハウジング22に回転可能に支承されており、ピニオンギヤ31Aと噛合している。ウェイト部53は、ギヤ部52の前方に配置され支持軸51に支持されている。ウェイト部53は、プランジャ6の動作方向と反対方向に動くことによりカウンターウェイトとしての役割を果たし、ジグソー1の動作時の振動を低減する。係合ピン54は、ウェイト部53の前方に設けられ、ギヤ部52と共に支持軸51を中心に回転する。係合ピン54は、出力軸31と異軸かつ平行な状態で前方に向けて突出している。
プランジャ6は、略円柱形状をなし、出力軸31と直交する方向(上下方向)に延び、ギヤハウジング22に対して上下方向に往復動可能且つ揺動可能に支持されている。また、プランジャ6は、ピン受け部6A及びブレード保持部6Bを備えている。プランジャ6は、作業部の一例である。
ピン受け部6Aは、プランジャ6の上下方向略中央に設けられ、側面視略コ字状をなし、コ字状の開口が後方を向くように配置されている。また、ピン受け部6Aは、左右方向に延出しており、係合ピン54が挿入されている。係合ピン54は、ピン受け部6Aの溝内で、左右方向の動きは許容され、上下方向の動きが規制されているため、ピン受け部6Aは係合ピン54の動きに応じて上下動のみを行う。これにより、運動変換機構5は、出力軸31の回転運動を上下動に変換することができる。ピン受け部6Aは、後述するように、プランジャ6が揺動軸62を中心に揺動した場合であっても、係合ピン54を保持可能な程度の深さを備えている。
ブレード保持部6Bは、プランジャ6の下端部に設けられ、ブレード8を着脱可能に保持している。ブレード8は、被切断材を切断するための先端工具であり、ブレード8の前部には上下方向に延びた刃部8Aが形成されている。
プランジャ6は、ブレード8が取付けられた状態で切断作業(加工作業)を行う部材であって、上下方向略中央部分において、プランジャガイド61によって上下方向に摺動可能に支持されている。プランジャガイド61は、その上部において、左右方向に延びる揺動軸62を中心にギヤハウジング22に揺動可能に支持されている。プランジャガイド61が揺動軸62を中心に揺動すると、プランジャ6及びブレード8も揺動軸62を中心に揺動する。これにより、プランジャ6及びブレード8が、オービタル機構部7のオービタル動作に追従することができる。
オービタル機構部7は、ローラホルダ71と、ローラ72と、切替部73とを備えている。ローラホルダ71は、側面視略L字状であって、支持部74を中心に回転可能にギヤハウジング22に支承されている。ローラ72は、ローラホルダ71の前端部に位置していて、ローラ72を回転可能に支承している。ローラ72は、半径方向内方に窪んだ溝が円周方向全周に亘って形成されていて、当該溝でブレード8の後面と当接している。切替部73を操作することにより、オービタル機構部7の動作量を調整することができる。
ベース9は、長手方向が切断方向と一致するように、ボルト91を介してギヤハウジング22の底面側に固定されている。ベース9の反ハウジング2側には、被切断材と対向するベース面9Aが規定されている。ベース面9Aと被切断材とを摺接させた状態でプランジャ6に取付けられたブレード8の往復動により被切断材を切断する。ブレード8は、モータ3の駆動により往復動を行う。具体的には、モータ3が駆動することにより出力軸31が回転し、出力軸の回転力が運動変換機構5によって上下方向の往復動に変換されてプランジャ6に伝達され、往復動を行うプランジャ6と共にブレード8も往復動を行う。
図1及び図2に示されるようにハンドルハウジング23は、ユーザによって把持される部分であり、モータハウジング21の後部とギヤハウジング22の上部とを接続している。ハンドルハウジング23は、トリガスイッチ23Aと、スイッチ機構23Bと、トリガ保持機構24と、設定機構25とを備えている。また、ハンドルハウジング23の前側上部には、前後方向に延びる長孔23aが形成されている。
トリガスイッチ23Aは、ハンドルハウジング23の前部下側に設けられており、ユーザがハンドルハウジング23を把持した状態で操作可能に構成されている。スイッチ機構23Bは、ハンドルハウジング23の内部に収容されており、トリガスイッチ23A及び制御部4と接続されている。スイッチ機構23Bは、トリガスイッチ23Aがオンされたことを検出して制御部4に信号を出力する。
図1に示されるようにトリガ保持機構24は、ハンドルハウジング23の左部に設けられており、ハンドルハウジング23の左側面から左方に突出する押ボタンを有している。ユーザによってトリガスイッチ23Aが引かれた状態で当該押ボタンがハンドルハウジング23方向(右方向)に押し込まれることで、トリガ保持機構24はトリガスイッチ23Aが引かれた状態を保持する。
設定機構25は、モータ3の駆動モード及び回転数(回転速度)を設定するための機構であり、ハンドルハウジング23の内部においてスイッチ機構23Bの前方に収容されている。設定機構25は、ユーザによって手動操作可能なダイヤル26と、ダイヤル26の回動位置すなわちユーザによって操作された被操作位置を検出する位置検出部27とを備えている。設定機構25は、切換手段として機能する。
図3(a)、図3(b)及び図4に示されるように、ダイヤル26は、位置検出部27に回動可能に設けられており、ハウジング2に対して回動可能(回転可能)である。ダイヤル26は、円板部26Aと、環状部26Bと、嵌合部26Cと、突起部26Dとを備えている。図2に示されるようにダイヤル26の外周部の一部は、ハンドルハウジング23の長孔23aから露出している。なお、図3(a)は、設定機構25を示す左側面図であり、図3(b)は、ダイヤル26の右側面(裏面)を示す右側面図であり、図4は、設定機構25を示すIV−IV断面図である。ダイヤル26は、被操作部の一例である。
図3(a)に示されるように円板部26Aは、側面視略円形状をなし、円板部26Aの左側面にはモータ3の回転数(回転速度)の程度を表わす数字と駆動モードを表わす文字とが刻印されている。数字「1」〜「5」は、「変速モード」の回転数の程度を示しており、「AUTO」は「AUTOモード」を示している。回転数の程度が最も小さいことを示す数字は「1」であり、図3(a)の状態は回転数が最も小さく設定されている状態である。図3(a)の状態において数字「1」は、円板部26Aの左側面上部の前後方向略中央に刻印されており、円板部26Aの左側面には数字「1」を基準として左側面視において時計回りに45°間隔で「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「AUTO」の順で刻印されている。
図3(b)及び図4に示されるように環状部26Bは、円板部26Aの外周縁から右方向に延出した右側面視において環形状をなす部分である。環状部26Bの外周面には、円板部26Aの左側面に刻印された数字及び文字と同一の数字及び文字が刻印されている。図3(a)の状態は、ダイヤル26が基準位置(初期位置)にある状態であり、当該状態において環状部26Bの外周面の最も上部の面Aには「1」、面Aから時計回りに45°の位置にある面Bには「2」、同様にそれぞれ45°間隔の位置にある面Cには「3」、面Dには「4」、面Eには「5」、面Fには「AUTO」と刻印されている。図3(a)の状態においてユーザは、ハンドルハウジング23の長孔23aから環状部26Bの外周面に刻印された数字「1」を視認することができ、回転数が最も小さく設定されている状態であることを認識することができる。また、環状部26Bの外周部には凹凸が形成されており、ダイヤル26を操作するユーザの指と環状部26Bの外周面との摩擦係数が大きくなるよう構成されている。これにより、ユーザがダイヤル26を操作する場合にダイヤル26に対してユーザの指が滑ることが抑制されるため、操作性が良好となる。
図3(b)及び図4に示されるように嵌合部26Cは、円板部26Aの右側面の略中央から右方に突出して設けられており、位置検出部27と嵌合している。嵌合部26Cの右側面視略中央には、嵌合部26Cの右側面から左方向に窪んだ嵌合孔26aが形成されている。
突起部26Dは、環状部26Bの面Aの反対面(環状部26Bの内面)から内方に向かって突出し、且つ円板部26Aの右側面と連続するように形成されている。図4に示されるように突起部26Dの右端面は、環状部26Bの右端面よりも僅かに左方に位置している。
図4、図5(a)及び図5(b)に示されるように位置検出部27は、回路基板部27Aと、可変抵抗機構28と、検出スイッチ27Bと、リブ部29とを備えている。なお、図5(a)は位置検出部27を示す左側面図であり、位置検出部27の可変抵抗機構28の抵抗値が最大の状態である。また、図5(b)は位置検出部27を示す左側面図であり、位置検出部27の可変抵抗機構28の抵抗値が最小の状態である。
回路基板部27Aは、制御部4に接続されており、第1信号出力回路27C及び第2信号出力回路27D(図6)を備えている。
可変抵抗機構28は、回路基板部27Aの左側面の前後方向略中央に設けられており、回動部28Aと、抵抗28Bとを備えている。
回動部28Aは、回路基板部27Aに対して所定の角度範囲において回動可能に設けられている。また、回動部28Aは、ダイヤル26の嵌合孔26aに嵌合した状態でネジ25Aによってダイヤル26に対して相対移動不能に固定されている。回動部28Aは、ダイヤル26を回路基板部27Aに対して回動させることで、ダイヤル26と共に回動する。また、回動部28Aは接点28Cを備えている。
図4及び図5(a)の状態は、ダイヤル26及び回動部28Aが基準位置(初期位置)にある状態であり、当該状態において接点28Cは、回動部28Aに対して相対移動不能且つ回動部28Aの右端部から上方に延出するように設けられている。また、接点28Cの先端部は抵抗28Bに当接しており、接点28Cの基部は、第1信号出力回路27Cに接続されている。
抵抗28Bは、回路基板部27Aの左側面に回動部28Aを中心とした扇形状をなすように設けられている。また、抵抗28Bの周方向における端部28Dは、第1信号出力回路27Cに接続されている。扇形状をなした抵抗28Bは、回動部28Aが図5(a)の状態から反時計回りに回動し、図5(b)の状態となるまでのいずれの位置であっても、抵抗28Bと接点28Cとが当接した状態を維持できるように構成されている。
可変抵抗機構28の抵抗値は、抵抗28Bと接点28Cとの当接位置に応じて変化する、詳細には抵抗28Bの端部28Dと当該当接位置との周方向における距離に応じて変化する。本実施の形態における可変抵抗機構28の抵抗値は、回動部28Aを図5(a)の状態から図5(b)の状態に反時計回りで回動させることで、最大値から最小値に無段階で変化する。
図4、図5(a)及び図5(b)に示されるように検出スイッチ27Bは、ダイヤル26の被操作位置が所定の領域内であるか否かを検出するタクタイルスイッチであり、第2信号出力回路27Dに接続されている。検出スイッチ27Bは、回路基板部27Aの左側面において前後方向略中央且つ可変抵抗機構28の下方に設けられており、ダイヤル26が回動する際の突起部26Dの移動軌跡上に位置している。また、検出スイッチ27Bは、回路基板部27Aの左側面から左方に突出しており、右方に押圧されることでオン状態となる。
図4に示されるように検出スイッチ27Bの左端は、ダイヤル26の突起部26Dの右端面よりも左方に位置している。これにより、検出スイッチ27Bは、ダイヤル26の被操作位置が所定の領域内にある場合に突起部26Dによって右方に押圧されてオン状態となる。なお、検出スイッチ27Bは、突起部26Dに押圧されていない状態ではオフ状態である。
リブ部29は、回路基板部27Aの左側面から左方に延出する第1リブ29A及び第2リブ29Bを備えている。第1リブ29Aは、検出スイッチ27Bの前方に上下方向に延びるように設けられ、第2リブ29Bは、検出スイッチ27Bの後方に上下方向に延びるように設けられている。また、第1リブ29A及び第2リブ29Bは、ダイヤル26の回動に伴って突起部26Dが移動する際の軌跡上に位置している。
図4に示されるように第1リブ29A及び第2リブ29Bのそれぞれの左端面は、検出スイッチ27Bの左端よりも右方且つ突起部26Dの右端面よりも僅かに左方に位置している。これにより、ダイヤル26の回動に伴って突起部26Dがリブ部29を通過する際に、僅かにリブ部29と突起部26Dとが引っ掛かるため、ユーザは操作している手の触覚等によって当該引っ掛かりを感知することができ、ダイヤル26の被操作位置を把握することができる。また、リブ部29を突起部26Dが通過する際には引っ掛かりとともに通過音が発生するため、ユーザは当該通過音によってもダイヤル26の被操作位置を把握することができる。
次に図6に基づいて、ジグソー1の電気的構成について説明する。図6は、ジグソー1の電気的構成を示すブロック図を含む回路図である。ジグソー1は、整流平滑回路10と、スイッチング回路11と、電流検出抵抗12と、電流検出回路13と、電圧検出回路14と、回転子位置検出回路15と、回転数検出回路16と、制御信号出力回路17と、制御部4と、上記の各回路及び制御部4に基準電圧を供給する図示せぬ基準電圧出力部とを備えており、モータ3の駆動モード及び回転数(回転速度)を制御可能に構成されている。なお、本実施の形態においては、基準電圧出力部は、基準電圧として5Vを制御部4及び各回路に供給している。
図6に示されるように上述のモータ3は、ステータ33と、ロータ34とを備える3相ブラシレスDCモータである。ステータ33はスター結線された3相のコイルU、V、Wにより構成され、コイルU、V、Wはそれぞれスイッチング回路11に接続されている。ロータ34はN極、S極を1組とした永久磁石を2組含んで構成され、永久磁石に対向する位置にはホール素子34Aが配置されている。ホール素子34Aは、ロータ34の位置信号を回転子位置検出回路15に出力している。
整流平滑回路10は、ダイオードブリッジ回路10Aと、平滑コンデンサ10Bとを備え、スイッチング回路11のそれぞれに接続されており、外部電源である商用交流電源Pに電源ケーブル21Aを介して接続可能に構成されている。ダイオードブリッジ回路10Aは、商用交流電源Pから入力された交流電圧を全波整流する回路である。平滑コンデンサ10Bは、全波整流された電圧を平滑化する回路である。整流平滑回路10は、商用交流電源Pから入力された交流電圧をダイオードブリッジ回路10Aによって全波整流し、平滑コンデンサ10Bによって平滑化してスイッチング回路11に出力する。
スイッチング回路11は、3相ブリッジ形式に接続された6個のFETQ1〜Q6から構成されている。6個のFETQ1〜Q6の各ゲートは制御信号出力回路17に接続され、6個のFETQ1〜Q6の各ドレイン又は各ソースは、スター結線されたコイルU、V、Wに接続されている。6個のFETQ1〜Q6は、制御信号出力回路17から入力された駆動信号によってオン/オフを繰り返すスイッチング動作を行い、整流平滑回路10によって全波整流された直流電圧を3相電圧としてコイルU、V、Wに供給する。FETQ1〜Q6は、スイッチング素子の一例である。
電流検出抵抗12は、モータ3に流れる電流を検出するための抵抗であり、整流平滑回路10とスイッチング回路11との間に接続されている。
電流検出回路13は、電流検出抵抗12の電圧降下値を取り込んでモータ3に流れる電流を検出し、モータ3に流れる電流を示す信号を制御部4に出力する回路である。電圧検出回路14は、整流平滑回路10のプラスラインに接続されており、モータ3に印加される電圧を検出して当該電圧を示す信号を制御部4に出力する回路である。電流検出回路13は、電流検出手段として機能する。
回転子位置検出回路15は、ホール素子34Aから入力されたロータ34の位置信号を制御部4及び回転数検出回路16に出力する。回転数検出回路16は、回転子位置検出回路15から入力された位置信号に基づいたモータ3の回転数(出力軸31の回転数)を示す信号を制御部4に出力する。回転数検出回路16は、回転数検出手段として機能する。
第1信号出力回路27Cは、回路基板部27Aに設けられており、可変抵抗機構28と接続されている。また、第1信号出力回路27Cは、分圧抵抗を備えており、基準電圧出力部から供給された基準電圧を可変抵抗機構28と当該分圧抵抗とによって分圧し、当該分圧した電圧を電圧信号として制御部4に出力する回路である。本実施の形態において、第1信号出力回路27Cは、可変抵抗機構28の抵抗値が最大値から最小値まで無段階に変化するに従って1Vから5Vまでの無段階の電圧信号を制御部4に出力する。
第2信号出力回路27Dは、回路基板部27Aに設けられており、検出スイッチ27Bと接続されている。また、第2信号出力回路27Dは、検出スイッチ27Bがオン状態の場合に基準電圧であるハイ信号(5V)を電圧信号として制御部4に出力し、検出スイッチ27Bがオフ状態の場合にはロー信号(0V)を制御部4に出力する回路である。
制御信号出力回路17は、制御部4と6個のFETQ1〜Q6の各ゲートとに接続され、制御部4から入力される駆動信号に基づいて6個のFETQ1〜Q6の各ゲートに電圧を印加している。6個のFETQ1〜Q6のうち、ゲートに電圧が印加されたFETはオン状態となりモータ3への通電を許容し、ゲートに電圧が印加されていないFETはオフ状態となりモータ3への通電を遮断する。
制御部4は、駆動モードに応じた処理プログラム、データに基づいて駆動信号を出力するための演算を行う図示せぬ中央処理装置(CPU)と、当該処理プログラム、制御データ、各種閾値等を記憶するための図示せぬROM及びデータを一時記憶するための図示せぬRAMを有する記憶部と、時間を計測するタイマとを含んで構成されている。本実施の形態において、制御部4はマイコンである。
制御部4は、回転数検出回路16から入力されたロータ34の位置信号に基づいて、所定のFETQ1〜Q6を交互にスイッチングするための駆動信号を形成し、その制御信号を制御信号出力回路17に出力する。これによってコイルU、V、Wのうちの所定のコイルに交互に通電し、ロータ34を所定の回転方向に回転させる。この場合、負電源側に接続されているFETQ4〜Q6に出力する駆動信号は、パルス幅変調信号(PWM信号)として出力される。なお、PWM信号は、FETをオン/オフさせるスイッチング周期(所定時間)における信号出力時間(パルス幅)を変更することができる信号である。
制御部4は、第1信号出力回路27C及び第2信号出力回路27Dからの信号に基づいてモータ3の駆動モード及び目標回転数を設定する。制御部4は、PWM信号のデューティ比を変化させ、FETQ4〜Q6を高速でオン/オフさせることによってモータ3への電力供給量を調整し、モータ3の回転数(回転速度)を制御する。デューティ比は、スイッチング周期(所定時間)における信号出力時間の占める割合である。また、制御部4は、トリガスイッチ23Aからの始動信号に基づいてモータ3の起動/停止と制御している。制御部4は、制御手段として機能する。
モータ3への電力供給量すなわちデューティ比は、回転数検出回路16によって検出されたモータ3の回転数(検出回転数)と設定された駆動モードに応じた目標回転数とを比較した結果に基づいて決定され、モータ3の回転数が設定された目標回転数となるように調整される。すなわち、制御部4は、検出回転数と目標回転数との比較結果に応じてデューティ比を決定し、モータ3の回転数が目標回転数になるようにフィードバック制御を行っている。
次に、図7及び図8に基づいてダイヤル26の被操作位置と第1信号出力回路27C及び第2信号出力回路27Dの出力する信号と制御部4の設定する目標回転数との関係について説明する。図7は、ダイヤル26の回動の様子を示した図であり、(a)はダイヤル26の被操作位置が0°(基準位置)である場合、(b)は被操作位置が90°の場合、(c)は被操作位置が170°の場合、(d)は被操作位置が180°の場合、(e)は被操作位置が190°の場合、(f)は被操作位置が225°の場合である。また、図8は、ダイヤル26の被操作位置と第1信号出力回路27C及び第2信号出力回路27Dの出力する信号と制御部4の設定する目標回転数及びモータ3の回転数との関係を示した図であり、(a)は第1信号出力回路27Cの出力する信号(L1)及び第2信号出力回路27Dの出力する信号(L2)を示した図であり、(b)はダイヤル26の被操作位置に応じた制御部4の設定する目標回転数及びモータ3の回転数を示した図である。
図7(a)に示されるようにダイヤル26の被操作位置が0°(ダイヤル位置は1)である場合、ユーザはハンドルハウジング23の長孔23aから数字「1」を視認可能であり、図8(a)に示されるように第1信号出力回路27Cは、制御部4に1Vを出力している。この時、検出スイッチ27Bはオフ状態であり、第2信号出力回路27Dは、基準電圧5Vを制御部4に出力していない。この場合、制御部4は駆動モードを「変速モード」に設定する。また、制御部4は、「変速モード」において第1信号出力回路27Cが出力した電圧(1V)に応じて目標回転数をN1に設定し、モータ3をN1で回転するように制御している。本実施の形態においてN1は、700rpmである。「変速モード」は第2駆動モードの一例である。
図7(a)の状態から図7(b)の状態までダイヤル26が操作されると被操作位置は90°(ダイヤル位置は3)となり、ユーザは長孔23aから数字「3」を視認可能である。この場合、第1信号出力回路27Cは、制御部4に2.6Vを出力している。この時、検出スイッチ27Bはオフ状態であり、第2信号出力回路27Dは、基準電圧5Vを制御部4に出力していない。この場合、制御部4は駆動モードを「変速モード」に設定する。また、制御部4は、「変速モード」において第1信号出力回路27Cが出力した電圧(2.6V)に応じて目標回転数をN2に設定し、モータ3をN2で回転するように制御している。なお、N2はN1よりも大きい値である。本実施の形態においてN2は、1500rpmである。
図7(b)の状態から図7(c)の状態までダイヤル26が操作されると被操作位置は170°(ダイヤル位置は4と5の間)となり、ユーザは長孔23aから数字「4」と「5」との間を視認可能である。この場合、第1信号出力回路27Cは、制御部4に4.1Vを出力している。この時、検出スイッチ27Bは、ダイヤル26の突起部26Dによって右方に押圧されてオン状態となり、第2信号出力回路27Dは、基準電圧5Vを制御部4に出力する。この場合、制御部4は駆動モードを「変速モード」に設定する。また、制御部4は、「変速モード」において基準電圧(5V)が入力されると第1信号出力回路27Cが出力した電圧には応じずに目標回転数を最大回転数であるN3に設定し、モータ3をN3で回転するように制御する。本実施の形態においてN3は、3000rpmである。
図7(c)の状態から図7(d)の状態を経て図7(e)の状態までダイヤル26が操作されると、被操作位置は190°(ダイヤル位置は5とAUTOの間)となり、検出スイッチ27Bはオン状態からオフ状態となる。ユーザは長孔23aから数字「5」と「AUTO」との間を視認可能である。この場合、制御部4は駆動モードを「AUTOモード」に設定し、プランジャ6が作業状態(駆動状態)でない場合は、モータ3を作業状態である場合よりも低い回転数で回転するよう制御する。図8(b)に示されるように、作業状態である場合の目標回転数は最大回転数であるN3であり、作業状態でない場合の目標回転数はN3よりも小さいN4である。本実施の形態において検出スイッチ27Bは、ダイヤル26の被操作位置が170°以上190°未満である場合にオン状態となる。また、本実施の形態においてN4は、1800rpmである。「AUTOモード」は第1駆動モードの一例であり、「AUTOモード」における作業状態である場合の目標回転数(N3)は、第1回転数及び第1目標回転数の一例であり、「AUTOモード」における作業状態でない場合の目標回転数(N4)は、第2回転数及び第2目標回転数の一例である。
図7(e)の状態から図7(f)の状態までダイヤル26が操作されると被操作位置は225°(ダイヤル位置はAUTO)となり、ユーザは長孔23aから文字「AUTO」を視認可能である。この場合、制御部4は駆動モードを「AUTOモード」に設定し、「AUTO」モードに従ってモータ3を制御する。
このように、制御部4は、ダイヤル26の被操作位置が0°から被操作位置が190°未満である場合は、「変速モード」に設定し、被操作位置が190°以上である場合は「AUTOモード」に設定する。また、図8(a)及び(b)に示されるように、「変速モード」において検出スイッチ27Bがオフ状態である場合は、第1信号出力回路27Cが出力する電圧に応じた目標回転数を設定し、モータ3を当該目標回転数で回転するよう制御し(無段階変速制御)、検出スイッチ27Bがオン状態である場合は、目標回転数を最大回転数に設定し、モータ3を当該最大回転数で回転するよう制御する(最大回転数制御)。第1信号出力回路27Cが出力する電圧に応じた目標回転数(N1、N2)及び最大回転数(N3)は、第4回転数の一例である。
次に、図9に基づいて制御部4による駆動モードの判別について説明する。図9は、ジグソー1の制御部4による駆動モード判別を説明するフローチャートである。
図9に示されるように、ステップ401で駆動モード判別を開始し、ステップ402において検出スイッチ27Bがオン状態であるか否かを判断する。検出スイッチ27Bがオン状態であるか否かは、第2信号出力回路27Dから制御部4に基準電圧が出力されているか否かで判断する。検出スイッチ27Bがオン状態でない場合(S402:No)、ステップ403において切換フラグを0とする(初期値は1)。このとき、ダイヤル26は、図7(a)、(b)、(e)及び(f)のいずれかの状態である。
切換フラグを0とした後に、ステップ404において第1信号出力回路27Cが出力する電圧である現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下(V0≦V1+Vα)であるか否かを判断する。電圧値V1に許容値Vαを加えた値(V1+Vα)は、駆動モードを判別するための閾値である。現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下でない場合(S404:No)、ステップ405において、駆動モードは「AUTOモード」であると判別する。現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下である場合(S405:Yes)、ステップ406において、駆動モードは「変速モード」における無段階変速制御であると判別する。
ここで、図10に基づいて電圧値V1及び許容値Vαについて説明する。図10は、図8(a)の一部を拡大したものであり、L1は第1信号出力回路27Cが出力する電圧、L2は第2信号出力回路27Dが出力する電圧、L3は温度変化等によりL1が変化した状態を示している。
図10に示されるように電圧値V1は、ダイヤル26の被操作位置が0°から170°未満(検出スイッチ27Bはオフ状態)の領域Aから170°以上190°未満(検出スイッチ27Bがオン状態)の領域Bに変位した時点の電圧値であり、製品出荷前に制御部4のROMに記憶され、且つ領域Aから領域Bへの変位毎に記憶される値である。電圧値V1の記憶については後述する。なお、図10の領域Cは、ダイヤル26の被操作位置が190°以上225°以下(検出スイッチ27Bはオフ状態)の領域を示している。
許容値Vαは、駆動モードの判別を正確に行うために電圧値V1に加えられる値である。駆動モードを判別するための閾値を仮に電圧値V1とすると、ダイヤル26の被操作位置が領域Aから領域Bに変位した後に領域Bから領域Aに戻った際の現電圧値V0が温度変化等による可変抵抗機構28の抵抗値の変化によって、電圧値V1よりも僅かに高くなる場合があり(L3)、このような場合、ステップ404において現電圧値V0>電圧値V1となり、「変速モード」と判別すべきところを「AUTOモード」であると誤判別することがある。このような誤判別を回避するために電圧値V1に許容値Vαを加えた値を駆動モードの判別に用いている。
すなわち、ステップ403において検出スイッチ27Bがオン状態でないと判断された後のステップ404においては、ダイヤル26の被操作位置は領域A又は領域Cであり、ダイヤル26の被操作位置が領域Aであるか領域Cであるかを閾値(V1+Vα)と現電圧値V0とを比較することで判断している。被操作位置が領域Aである場合は、「変速モード」の無段階変速制御(S406)、領域Cである場合は「AUTOモード」(S405)であると判別する。
図9に戻り、ステップ402において検出スイッチ27Bがオン状態であると判断された場合、すなわちダイヤル26の被操作位置が領域Bにある場合(S402:Yes)、ステップ407において切換フラグが1であるか否かを判断する。切換フラグが1でない場合(S407:No)、ステップ408において切換フラグを1とする。
切換フラグが1でない場合とは、切換フラグが0である場合であり、ステップ403で切換フラグが0とされた後に切換フラグを1とするステップ408を経由していない状態である。ステップ407の判断は、検出スイッチ27Bがオフ状態からオン状態に切り換わった直後であるか否かを判断している。言い換えれば、ダイヤル26の被操作位置が領域A又は領域Cから領域Bに変位した直後であるか否かを判断している。
ステップ408において、切換フラグを1とした後はステップ409で第1信号出力回路27Cが出力する電圧である現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下(V0≦V1+Vα)であるか否かを判断する。現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下であると判断した場合すなわち被操作位置が領域Aから領域Bに変位した場合(S409:Yes)、ステップ410で電圧値V1を現電圧値V0に更新する。すなわち、ステップ409の時点の現電圧値V0を電圧値V1として記憶して、ステップ404及びステップ409で使用される閾値を更新する。
このように被操作位置が領域Aから領域Bに変位する毎に電圧値V1を更新するため、経年、温度等に起因する第1信号出力回路27Cの出力する電圧の変化を電圧値V1に反映させることができ、正確にダイヤル26の被操作位置を特定することができる。
ステップ410において電圧値V1の更新が行われた後は、ステップ411において駆動モードは「変速モード」の最大回転数制御であると判別する。
ステップ409において現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下でないと判断した場合、すなわち被操作位置が領域Cから領域Bに変位した場合(S409:No)、電圧値V1を更新せずに、ステップ411において駆動モードは「変速モード」の最大回転数制御であると判別する。
ステップ407で切換フラグが1であると判断した場合、すなわちステップ408を一度経由しその後ステップ403を経由しておらず被操作位置が領域Bから他の領域に変位していない場合(S407のYes)、ステップ408、ステップ409及びステップ410をスキップし、ステップ411において駆動モードは「変速モード」の最大回転数制御であると判別する。
ここで、図11に基づいて本発明の第1の実施の形態よるジグソー1における駆動モードの判別と従来の電動工具における駆動モードの判別との比較を行う。図11は、比較例であり従来の電動工具における電圧信号と閾値の関係を示す図である。
図11に示されるように従来の電動工具においては、可変抵抗を用いてダイヤルの被操作位置に比例する電圧信号を制御部に出力し、当該電圧信号が閾値を超えたか否かで駆動モードを判断していた。しかし、可変抵抗の抵抗値の個体差、温度変化によって制御部に出力する電圧信号が変化するため、従来の電動工具においては駆動モードの誤判別が生じていた。図11の直線L4、直線L5、直線L6は可変抵抗の抵抗値の個体差、温度変化による電圧信号の取りうるおよその範囲である。直線L5は、電圧信号とダイヤルの被操作位置との正しい関係であるが、直線L4の場合であるとダイヤルの被操作位置(ダイヤル位置)が5で電圧信号が閾値を超えダイヤルの被操作位置が「AUTOモード」に設定されたと誤判別してしまう。また、直線L6の場合であるとダイヤルの被操作位置が「AUTO」であるにもかかわらず、電圧信号が閾値を超えていないため「変速モード」であると誤判別してしまい、「AUTOモード」に変更されない。すなわち、可変抵抗の抵抗値の個体差、温度変化によってダイヤルの被操作位置に応じた適切な駆動モードの変更ができない場合がある。
一方、本発明の第1の実施の形態によるジグソー1によれば、ダイヤル26の被操作位置を第1信号出力回路27Cの出力する信号及び第2信号出力回路27Dの出力する信号の2つ信号に基づいて判断し、且つ駆動モードの判別のための閾値(V1+Vα)を被操作位置の領域Aから領域Bへの変位毎に更新しているため、正確にダイヤル26の被操作位置を特定でき、駆動モードの誤判別を抑制し、ダイヤル26の被操作位置に応じた適切な駆動モードに変更することができる。
次に、図12及び図13に基づいてジグソー1の制御部4によるモータ3の制御について説明する。ジグソー1の制御部4によるモータ3の制御においては、駆動モードの切換後の急激なモータ3の回転数の変化を抑制するために、当該切換後における所定の場合は、当該回転数を徐々に変化させる制御を行う。図12及び図13は制御部4によるモータ3の制御を示すフローチャートである。
最初に電源ケーブル21Aを商用交流電源Pに接続すると、ステップ301において制御部4はイニシャルセットを行う。イニシャルセットが行われると、トリガスイッチ23Aがオンであるか否かを判断する。トリガスイッチ23Aがオンでない場合(S302:No)、トリガスイッチ23Aがオンされるまでステップ302を繰り返し、モータ3の駆動を開始しない。
トリガスイッチ23Aがオンである場合(S302:Yes)、ステップ303において駆動モードの判別を行う、駆動モードの判別は上述のとおりである。
ステップ303において駆動モードの判別が行われた後は、ステップ304で「AUTOモード」であるか否かを判断する。「AUTOモード」であると判断した場合(S304:Yes)、ステップ305において駆動モードを「AUTOモード」に設定し、プランジャ6が作業状態であるか否かを判断する。作業状態であるか否かの判断は、電流検出回路13からの信号によって判断する。すなわちモータ3に所定の電流閾値以上の電流が流れている場合は作業状態と判断し、モータ3に所定の電流閾値以上の電流が流れていない場合は作業状態でない(非作業状態)と判断する。
プランジャ6が作業状態であると判断した場合(S305:Yes)、ステップ306において速度フラグを1とする。速度フラグは、駆動モードが切り換わった直後であるか否かを判断するために用いられるフラグである。速度フラグを1とした後にステップ307においてデューティ比を100%に設定してモータ3をN3で回転するよう制御する。
ステップ307においてデューティ比を100%に設定した後は、ステップ308でトリガスイッチ23Aがオフであるか否かを判断する。トリガスイッチ23Aがオフである場合(S308:Yes)、ステップ309で速度フラグを0とし、ステップ310でモータ3の駆動を停止する。
トリガスイッチ23Aがオフでないと判断した場合(S308:No)、ステップ302に戻る。「AUTOモード」において作業状態であり、且つトリガスイッチ23Aがオンである限り、上述のステップを繰り返しながら、デューティ比100%でモータ3がN3で回転するよう制御する。
ステップ305においてプランジャ6が作業状態でないと判断した場合(S305:No)、ステップ311で速度フラグが1であるか否かを判断する。また、ステップ311では当該判断に先立って目標回転数を作業状態である場合のモータ3の回転数(N3)よりも低い回転数であるN4(図13のLowに相当)に設定する。速度フラグが1である場合、すなわち「AUTOモード」における作業状態から「AUTOモード」における非作業状態になった場合(S311:Yes)、モータ3を目標回転数(N4)で回転するよう制御する(低回転数制御)。このとき、制御部4は、検出回転数と目標回転数との比較結果に応じてデューティ比を決定し、モータ3の回転数が目標回転数(N4)になるようにフィードバック制御を行う。
ステップ312において、低回転数制御でモータ3を制御した後は、ステップ308でトリガスイッチ23Aがオフであるか否かを判断する。トリガスイッチ23Aがオフでないと判断した場合(S308:No)、ステップ302に戻り、「AUTOモード」且つ非作業状態でトリガスイッチ23Aがオンである限り、上述のステップを繰り返しながら、上述のフィードバック制御を用いてモータ3が目標回転数(N4)で回転するよう制御する。トリガスイッチ23Aがオフであると判断した場合(S308:No)、上述のステップ309、310と同様の処理が行われる。
ステップ311において、速度フラグが1でない場合、すなわち「変速モード」から「AUTOモード」に切り換わった直後である場合(S311:No)、ステップ313でモータ3の回転数を検出し、検出回転数から低回転数制御における目標回転数(N4)を減じた値がαよりも小さいか否かを判断する。上記の場合(S311:No)は、例えば、ダイヤル26の被操作位置(ダイヤル位置)が「5」の状態から「AUTO」に変位した場合であり、駆動モードとしては「変速モード」の最大回転数制御(N3)から「AUTOモード」の低回転数制御(N4)に切り換わった場合である。本実施の形態において、αは50rpmであり、目標回転数と検出回転数との差がαよりも小さい状態であれば、上述のフィードバック制御を用いてモータ3を制御しても、回転数の急激な変化による振動、騒音等が発生せず作業性及び操作性を良好に保つことができると判断される値である。なお、αは一例であり、電動工具の種類、特性及びモータ特性等を考慮して適宜決定されることが望ましい。
検出回転数から低回転数制御における目標回転数(N4)を減じた値がαよりも小さい場合すなわち目標回転数と検出回転数との差が比較的小さい場合(S313:Yes)、ステップ314で速度フラグを1とし、ステップ312で上述のフィードバック制御を用いて低回転数制御を行う。ステップ312以降のステップ308、309、310は上述と同様である。
ステップ313において、検出回転数から低回転数制御における目標回転数(N4)を減じた値がαよりも小さくないと判断した場合、すなわち目標回転数と検出回転数との差が比較的大きい場合(S313:No)、ステップ315で検出回転数から所定の回転数を減じた値を予備目標回転数として設定する。本実施の形態において所定の回転数は、300rpmである。予備目標回転数は、第3回転数の一例である。
予備目標回転数が設定されると、ステップ316で検出回転数から予備目標回転数を減じた値がαよりも小さいか否かを判断する。検出回転数から予備目標回転数を減じた値がαよりも小さくないと判断した場合すなわち予備目標回転数と検出回転数との差が比較的大きい場合(S316:No)、ステップ317でデューティ比を1%減じる。例えば、デューティ比80%で制御している場合には79%とする。デューティ比を1%減じた後はステップ316に戻る。すなわち、ステップ316において検出回転数から予備目標回転数を減じた値がαよりも小さいと判断するまで、ステップ316、317を繰り返し、ステップ317を経由する毎にデューティ比を1%減じてモータ3の回転数を徐々に低下させて予備目標回転数になるよう制御する。
このように予備目標回転数と検出回転数との差が比較的大きい場合に、上述のフィードバック制御を用いてモータ3の回転数を予備目標回転数となるよう制御すると当該回転数が急激に変化し、ジグソー1の振動、騒音等が大きくなり作業性が低下してしまう。このため、上記のようにデューティ比を1%毎減じてモータ3の回転数を徐々に低下させて予備目標回転数になるよう制御することで、ジグソー1の振動、騒音等を効果的に抑制することができ、作業性をより良好に保つことができる。
ステップ316で検出回転数から予備目標回転数を減じた値がαよりも小さいと判断した場合(S316:Yes)、ステップ318において所定期間、デューティ比を固定してモータ3を制御する。本実施の形態において所定期間は、50msecである。このように、「AUTOモード」の低回転数制御における目標回転数(N4)よりも高く、且つ検出回転数よりも低い予備目標回転数を設定し、検出回転数と予備目標回転数との回転数差がαよりも小さくなった場合、所定期間デューティ比を固定してモータ3を制御することで、回転数の急激な変化をより抑制することができ、ジグソー1の振動、騒音等をより効果的に抑制することができる。
ステップ318において所定期間デューティ比固定でモータ3を制御した後は、ステップ308においてトリガスイッチ23Aがオフであるか否かを判断する。トリガスイッチ23Aがオフの場合は、上述のとおりである。
トリガスイッチ23Aがオフでない場合(S308:No)、ステップ302に戻る。その後は、「AUTOモード」において非作業状態、且つトリガスイッチ23Aがオンである状態を維持した場合、ステップ313で検出回転数から低回転数制御における目標回転数(N4)を減じた値がαよりも小さいと判断されるまで、上記のステップを繰り返しながら、上述のフィードバック制御を用いず、より低い値の予備目標回転数を順次設定し、デューティ比を1%毎減じる制御を用いてモータ3の回転数を徐々に低下させるように制御する。
ステップ304において「AUTOモード」でないと判断した場合(S304:No)、S319で駆動モードを「変速モード」に設定し、速度フラグが1であるか否かを判断する。また、同時にステップ319においては、ダイヤル26の被操作位置が領域Aである場合は第1信号出力回路27Cが出力する電圧に応じた目標回転数を設定し、被操作位置が領域Bである場合は目標回転数を最大回転数(N3)に設定する。
速度フラグが1でないと判断した場合(S319:No)、ステップ320で「変速モード」における無段階変速制御又は最大回転数制御でモータ3は制御される。その後は、「変速モード」且つトリガスイッチ23Aがオンの状態を維持する限り、上記のステップを繰り返しながら「変速モード」でモータ3を制御する。
速度フラグが1であると判断した場合、すなわち「AUTOモード」から「変速モード」に切り換わった直後である場合(S319:Yes)、ステップ321においてモータ3の回転数を検出し、ダイヤル26の被操作位置に応じた目標回転数から検出回転数を減じた値がαよりも小さいか否かを判断する。
ダイヤル26の被操作位置に応じた目標回転数から検出回転数を減じた値がαよりも小さいと判断した場合(S321:Yes)、ステップ323で速度フラグを0として、上述のフィードバック制御を用いてモータ3を当該目標回転数で回転するよう制御する。ステップ321で目標回転数から検出回転数を減じた値がαよりも小さいと判断した場合とは、当該目標回転数と検出回転数との回転数差が比較的小さく上述のフィードバック制御を用いた制御を行っても、ジグソー1に振動、騒音等があまり発生せず、作業性を良好に保つことができると判断される場合である。
ダイヤル26の被操作位置に応じた目標回転数から検出回転数を減じた値がαよりも小さくないと判断した場合(S321:No)、ステップ322でデューティ比が90%よりも大きいか否かを判断する。被操作位置に応じた目標回転数から検出回転数を減じた値がαよりも小さくない場合とは、当該目標回転数と検出回転数との回転数差が比較的大きく、上述のフィードバック制御を用いてモータ3を当該目標回転数となるよう制御すると、急激にモータ3の回転数が変化し、ジグソー1に大きな振動、騒音等が発生して作業性が低下する虞がある場合である。
デューティ比が90%よりも大きいと判断した場合(S322:Yes)、ステップ323で速度フラグを0として、上述のフィードバック制御を用いてモータ3を当該目標回転数で回転するよう制御する。デューティ比が90%よりも大きいと判断した場合とは、90%よりも大きいデューティ比でモータ3を制御しているにもかかわらず、モータ3の回転数が上昇せず、ステップ321で当該目標回転数と検出回転数との回転数差が比較的大きいと判断された場合である。このような場合、上述のフィードバック制御を用いてモータ3の制御を行っても急激な回転数の変化は起きないと考えられるため、上述のフィードバック制御を用いてモータ3を制御する。
デューティ比が90%よりも大きくないと判断した場合(S322:No)、ステップ324でデューティ比を1%増加させる。例えば、デューティ比60%で制御している場合には61%とする。デューティ比を1%増加させた後は、ステップ308でトリガスイッチ23Aがオフであるか否か判断し、オフでない場合(S308:No)はステップ302に戻る。すなわち、「変速モード」においてトリガスイッチ23Aがオンであり、且つダイヤル26の被操作位置に応じた目標回転数と検出回転数との回転数差が比較的大きくデューティ比が90%未満である状態が維持される限り、ステップ321、322、324、308、302、303、304、319の順で繰り返し、ステップ324を経由する毎にデューティ比を1%増加させてモータ3の回転数を徐々に上昇させて当該目標回転数になるよう制御する。なお、ステップ308でトリガスイッチ23Aがオフであると判断された後は、上述と同様である。
ここで、図14及び図15に基づいてジグソー1による上記のモータ3の制御を行った場合のモータ3の回転数と時間との関係について説明する。図14は、「変速モード」の最大回転数制御から「AUTOモード」の低回転数制御への切換後のモータ3の回転数と時間との関係を示す模式図である。図14において、L7はモータ3の回転数、L8、L9及びL10はモータ3の回転数がN3からN4にまで低下する前にステップ305で作業状態であると判断した場合の回転数、L11は従来の電動工具におけるモータの回転数を示している。図15は、「AUTOモード」の低回転数制御から「変速モード」の最大回転数制御への切換後のモータ3の回転数と時間との関係を示す模式図である。図15においてL12はモータ3の回転数、L13は従来の電動工具におけるモータの回転数を示している。
図14に示されるように、モータ3の回転数(L7)は、時刻t0〜時刻t1まで「変速モード」における最大回転数制御で制御されており、N3で回転している。時刻t1は、「変速モード」の最大回転数制御から「AUTOモード」の低回転数制御に切り換わった時刻である。時刻t1において、制御部4は目標回転数としてN4を設定する(S305:No、S311に相当)。また、切り換わった時点で速度フラグが0且つ検出回転数からN4を減じた値がαよりも大きいため予備目標回転数n1を設定する(S311:No、S313:Noに相当)。n1は検出回転数(N3)から300rpm減じた値である。
時刻t1からモータ3の回転数は、制御部4によってステップ317の処理を行うごとにデューティ比を1%減じられて時刻t2まで徐々に低下する(S316:No、S317に相当)。時刻t2でモータ3の回転数は、予備目標回転数であるn1と略同一の値となり、時刻t2から時刻t3までの間(50msecの間)、略変化しない。制御部4によってデューティ比を固定で制御されているためである(S316:Yes、S318に相当)。
時刻t3において、制御部4は、速度フラグが0且つ検出回転数からN4を減じた値がαよりも大きいため予備目標回転数としてn2を設定する(S311:No、S313:Noに相当)。n2は検出回転数(n1)から300rpm減じた値である。
時刻t3からモータ3の回転数は、制御部4によってステップ317の処理を行うごとにデューティ比を1%減じられて時刻t4まで再び徐々に低下する(S316:No、S317に相当)。時刻t4でモータ3の回転数は、予備目標回転数であるn2と略同一の値となり、時刻t4から時刻t5までの間(50msecの間)、略変化しない。
その後も同様に、制御部4によって時刻t5で予備目標回転数としてn3が設定され、モータ3の回転数は、時刻t5から時刻t6まで徐々に低下する。n3は検出回転数(n2)から300rpm減じた値である。時刻t6でモータ3の回転数は予備目標回転数であるn3と略同一の値となり、時刻t6から時刻t7は変化しない。n1、n2、n3は、第3回転数の一例である。
時刻t7では、制御部4によって予備目標回転数としてN4が設定され、モータ3の回転数は、時刻t7から時刻t8まで徐々に低下する。N4は検出回転数(n3)から300rpm減じた値である。モータ3の回転数は、時刻t7〜時刻t8にかけて徐々に低下し、時刻t8でモータ3の回転数は予備目標回転数であるN4と略同一の値となり、同時に「AUTOモード」の低回転数制御としての目標回転数であるN4と略同一の値となる。このとき、制御部4は、時刻t8において検出回転数からN4を減じた値がαよりも小さいと判断し(S313:Yesに相当)、時刻t8以降、モータ3はN4で回転するように上述のフィードバック制御を用いて制御される(S314、S312に相当)。
図14のL11は、従来の電動工具における駆動モード切換後のモータの回転数を示している。従来の電動工具におけるモータの回転数の制御は、当該切換後であっても上述したフィードバック制御を用いて制御しているため、時刻t1から時刻t3までの期間でモータの回転数はN3からN4まで急激に変化している(L11)。このため、モータの回転数の急激な変化によって従来の電動工具においては大きな振動、騒音等が発生し、作業性の低下を招いていた。
これに対し、本発明の第1の実施の形態によるジグソー1においては、「変速モード」の最大回転数制御から「AUTOモード」の低回転数制御への切換後の所定の場合は、上述のフィードバック制御を行わず、上記のように断続的にモータ3の回転数を変化させ、時刻t1〜時刻t8にかけて徐々に回転数を低下させている。このため、駆動モードの切換後においてモータ3の回転数の急激な変化を抑制でき、振動、騒音等を効果的に低減し、良好な作業性を保つことができる。
図14のL8、L9、L10は、モータ3の回転数が時刻t1でN3から徐々に低下している途中に、制御部4が作業状態であると判断した場合を示している。L8は、モータ3の回転数がn1まで低下した時刻t3の状態でプランジャ6が作業状態であると判断した場合であり、時刻t3からN3まで上昇している。この場合、制御部4は時刻t3からデューティ比を100%としてモータ3の回転数がN3になるように制御している(S305:Yes、S306、S307に相当)。同様に、L9は時刻t5で制御部4により作業状態であると判断された場合、L10は時刻t7で制御部4により作業状態であると判断された場合である。
次に、「AUTOモード」の低回転数制御から「変速モード」の最大回転数制御への切換後のモータ3の回転数について説明する。図15に示されるように、モータ3の回転数(L12)は、時刻t0〜時刻t12まで「AUTOモード」における低回転数制御で制御されており、N4で回転している。時刻t12は、「AUTOモード」の低回転数制御から「変速モード」の最大回転数制御に切り換わった時刻である。
時刻t12において、制御部4はダイヤル26の被操作位置に応じた目標回転数としてN3を設定する(S319に相当)。また、駆動モードの切換時の速度フラグが1であり、N3から検出回転数を減じた値がαよりも大きく、デューティ比が90%よりも大きくないため、制御部4はステップ324を経由する毎にデューティ比を1%増加させてモータ3の回転数を徐々に上昇させて目標回転数(N3)になるよう制御する(S321、322、324に相当)。
モータ3の回転数は、時刻t12から徐々に上昇し、時刻t14において目標回転数であるN3と略同一の値となる。
従来の電動工具における駆動モード切換後のモータの回転数(L13)は、当該切換後であっても上述したフィードバック制御を用いて制御しているため、時刻t12から時刻t13までの期間でモータの回転数がN4からN3まで急激に変化している。このため、モータの回転数の急激な変化によって従来の電動工具においては大きな振動、騒音等が発生し、作業性の低下を招いていた。
これに対し、本発明の第1の実施の形態によるジグソー1においては、「AUTOモード」の低回転数制御から「変速モード」の最大回転数制御への切換後の所定の場合は、上述のフィードバック制御を行わず、時刻t12〜時刻t14の期間すなわち時刻t12から時刻t13までの期間の略2倍以上をかけて、モータ3の回転数を徐々に上昇させている。このため、駆動モードの切換後においてモータ3の回転数の急激な変化を抑制でき、振動、騒音等を効果的に低減し、良好な作業性及び操作性を保つことができる。
上述したように、本発明の第1の実施の形態によるジグソー1は、駆動モードは、プランジャ6が作業状態である場合はモータ3を最大回転数(N3)で回転するよう制御し、プランジャ6が作業状態でない場合はモータ3を最大回転数(N3)よりも低いN4で回転するよう制御する「AUTOモード」と、「AUTOモード」と互いに切換可能な「変速モード」とを備えており、制御部4は「AUTOモード」と「変速モード」との切換後は、モータ3の回転数を除々に変化させるため、モータ3の回転数が急激に変化しない。これにより、ジグソー1に発生する振動、騒音を抑制することができ、作業性及び操作性を良好に保つことができる。
また、制御部4は、モータ3の回転数を除々に変化させる際に、モータの回転数を断続的に変化させるため(図14の時刻t1〜時刻t8)、急激な回転数の変化を効果的に抑制することができる。これにより効果的に振動、騒音を抑制することができ、作業性及び操作性を良好に保つことができる。
また、制御部4は、「AUTOモード」と「変速モード」との切換後にプランジャ6が作業状態でない場合は、モータ3の回転数を徐々に変化させるため、効果的に振動、騒音を抑制することができ、作業性及び操作性を良好に保つことができる。
また、ジグソー1の制御部4は、「変速モード」から「AUTOモード」への切換後にプランジャ6が作業状態でない場合は、当該切換後からモータ3の回転数と「AUTOモード」の低回転数制御における目標回転数(N4)との回転数差が所定回転数(α)未満になるまで、モータ3の回転数を徐々に変化させる。このため、「AUTOモード」におけるN4と「変速モード」での回転数との回転数差が所定回転数(α)以上である場合に、モータの回転数を徐々に変化させるため、効果的に振動、騒音を抑制することができ、作業性及び操作性を良好に保つことができる。
また、ジグソー1の制御部4は、「変速モード」から「AUTOモード」への切換後にプランジャ6が作業状態でない場合は、モータ3を当該切換時のモータ3の回転数よりも低く且つN4よりも高い予備目標回転数(n1、n2、n3)で回転するよう制御し、モータ3の回転数と予備目標回転数との回転数差が所定回転数(α)未満になった場合、所定期間(50msec)はモータ3の変化を停止させ、当該所定期間の経過後、モータ3をN4で回転するよう制御する。これにより、「変速モード」におけるモータの回転数から「AUTOモード」におけるN4に変化するまでの間に、モータの回転数が変化しない所定期間が存在する。このため、効果的にモータ3の急激な変化を抑制することができる。これにより、ジグソー1の振動、騒音をより抑制することができ、作業性及び操作性をより良好に保つことができる。
また、ジグソー1において「変速モード」は、モータ3をダイヤル26の操作位置に応じた目標回転数で回転するよう制御する駆動モードであり、制御部4は、「AUTOモード」から「変速モード」への切換後からモータ3の回転数と当該目標回転数との回転数差が所定回転数(α)未満になるまで、モータ3の回転数を徐々に変化させる。これにより、「AUTOモード」におけるモータ3の回転数と「変速モード」における当該目標回転数との回転数差が所定回転数(α)以上である場合に、モータの回転数を徐々に変化させるため、効果的に振動、騒音を抑制することができ、作業性及び操作性を良好に保つことができる。
また、設定機構25は、手動操作可能なダイヤル26を有し、制御部4は、ダイヤル26の被操作位置に応じて「変速モード」における目標回転数を変更可能であるため、ユーザがダイヤル26を操作することで「変速モード」における目標回転数を変更することができる。これにより、ユーザは、作業に適した所望の回転数を得ることができ、作業性及び利便性を向上させることができる。
また、制御部4は、「変速モード」から「AUTOモード」への切換後は、プランジャ6が作業状態であるか否かを断続的に判断するため、プランジャ6の作業状態に応じたモータ3の制御を行うことができる。
また、モータ3に流れる電流を検出する電流検出回路13を備えており、制御部4は、電流検出回路13が検出した電流に基づいてプランジャ6が作業状態であるか否かを判断するため、簡易な構成でプランジャ6の作業状態を判断することができる。
また、ジグソー1は、モータ3に接続されたFETQ1〜Q6を備えており、制御部4は、FETQ1〜Q6をPWM信号で制御することでモータ3の回転数を制御し、モータ3の回転数を徐々に変化させる際にはPWM信号のデューティ比を1%毎増加又は減少させて段階的に変化させている(ステップ317、324)。このため、モータ3の回転数を徐々に変化させることができ、駆動モードの切換後のモータ3の回転数の急激な変化を抑制することができる。これにより、ジグソー1の振動、騒音を効果的に抑制し、作業性をより良好に保つことができる。
また、ジグソー1の制御部4は、「AUTOモード」と「変速モード」との切換後は、駆動モードに基づいた目標回転数とモータ3の回転数との回転数差に基づいたフィードバック制御を用いずに所定の条件を満たすまでモータ3の回転数を除々に変化させるため、駆動モードの切換後のモータ3の回転数の急激な変化を抑制することができる。これにより、駆動モードの切換後のジグソー1の振動、騒音を効果的に抑制することができ、作業性を良好に保つことができる。
また、所定の条件は、回転数検出回路16が検出したモータ3の回転数と目標回転数との回転数差が所定回転数(α)未満であることであるため、駆動モードの切換後から回転数検出回路16が検出したモータ3の回転数と目標回転数との回転数差が所定回転数(α)以上である場合に、モータの回転数を徐々に変化させるため、効果的にモータ3の回転数の急激な変化を抑制することができる。これにより、ジグソー1の振動、騒音をより抑制することができ、作業性をより良好に保つことができる。
次に、図16に基づいてジグソー1の制御部4によるモータ3の制御の変形例について説明する。当該変形例においてもモータ3の駆動モードとして上述と同様の「変速モード」及び「AUTOモード」を備えており、ダイヤル26の被操作位置の特定については、上述と同様である。なお、図16は、制御部4によるモータ3の制御の変形例を示すフローチャートである。
最初に電源ケーブル21Aを商用交流電源Pに接続すると、ステップ201で制御部4はイニシャルセットを行い、切換フラグを1とする。イニシャルセットを行った後は、ステップ202でトリガスイッチ23Aがオンであるか否かを判断する。トリガスイッチ23Aがオンであるか否かは、スイッチ機構23Bから信号が出力されているか否かで判断する。トリガスイッチ23Aがオンでない場合(S202:No)、ステップ202を繰り返し、トリガスイッチ23Aがオンされるまでモータ3を駆動しない。
トリガスイッチ23Aがオンである場合(S202:Yes)、ステップ203において検出スイッチ27Bがオン状態であるか否かを判断する。検出スイッチ27Bがオン状態でない場合(S203:No)、ステップ204において切換フラグを0とする。
切換フラグを0とした後に、ステップ205において第1信号出力回路27Cが出力する電圧である現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下(V0≦V1+Vα)であるか否かを判断する。ステップ205は、駆動モードを判別するためのステップであり、電圧値V1に許容値Vαを加えた値(V1+Vα)は、駆動モードを判別するための閾値である。現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下である場合(S205:Yes)、ステップ206において「変速モード」に設定し、「変速モード」において第2信号出力回路27Dの出力する電圧値に応じた目標回転数を設定し、当該モータ3を当該目標回転数になるよう制御する(無段階変速制御)。現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下でない場合(S205:No)、ステップ207において「AUTOモード」に設定する。
ステップ206において「変速モード」における無段階変速制御が設定された後は、ステップ215でトリガスイッチ23Aがオフであるか否かを判断する。トリガスイッチ23Aがオフである場合(S215:Yes)、モータ3の駆動を停止する。一方、トリガスイッチ23Aがオンである場合(S215:No)、ステップ202に戻り、ダイヤル26の被操作位置が領域Aから領域Bに変位するまで上述のステップを繰り返しながら無段階変速制御を用いてモータ3を制御する。
ステップ207において「AUTOモード」が設定された後は、ステップ208でプランジャ6が作業状態であるか否かを判断する。作業状態であるか否かの判断は、電流検出回路13からの信号によって判断する。
ステップ208においてプランジャ6が作業状態であると判断した場合(S208:No)、ステップ209において目標回転数を作業状態である場合のN3よりも低いN4に設定し、モータ3をN4で回転するよう制御する。一方、ステップ208においてプランジャ6が作業状態であると判断した場合(S208:Yes)、ステップ212において目標回転数をN3(最大回転数)に設定し、モータ3をN3で回転するよう制御する。
ステップ209及びステップ214の後には、ステップ215においてトリガスイッチ23Aがオンであるか否かを判断する。トリガスイッチ23Aがオフである場合(S215:Yes)、モータ3の駆動を停止する。一方、トリガスイッチ23Aがオンである場合(S215:No)、ステップ202に戻り、ダイヤル26の被操作位置が領域Cから領域Bに変位するまで上述のステップを繰り返しながら「AUTOモード」でモータ3を制御する。
ステップ203において検出スイッチ27Bがオン状態であると判断された場合(S203:Yes)、ステップ210において切換フラグが1であるか否かを判断する。切換フラグが1でない場合(S210:No)、ステップ211において切換フラグを1とする。
ステップ211において、切換フラグを1とした後はステップ212で第1信号出力回路27Cが出力する電圧である現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下(V0≦V1+Vα)であるか否かを判断する。現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下であると判断した場合、(S212:Yes)、ステップ213で電圧値V1を現電圧値V0に更新する。すなわち、ステップ212の時点の現電圧値V0を電圧値V1として記憶して、ステップ205及びステップ212で使用される閾値を更新する。
このように被操作位置が領域Aから領域Bに変位する毎に電圧値V1を更新するため、経年、温度等に起因する第1信号出力回路27Cの出力する電圧の変化を電圧値V1に反映させることができ、正確にダイヤル26の被操作位置を特定することができる。
ステップ213において電圧値V1の更新が行われた後は、ステップ214において「変速モード」に設定され、「変速モード」において最大回転数制御が行われる。
現電圧値V0が電圧値V1に許容値Vαを加えた値以下でないと判断した場合(S212:No)、電圧値V1を更新せずに、ステップ214において「変速モード」に設定され、「変速モード」において最大回転数制御が行われる。
ステップ210で切換フラグが1であると判断した場合すなわちステップ211を一度経由しており、ステップ204において切換フラグが0とされていない場合(S210のYes)、ステップ211、ステップ212及びステップ213をスキップし、ステップ214において「変速モード」に設定され、「変速モード」において最大回転数制御が行われる。
上述のようにステップ210を経由してステップ214で「変速モード」において最大回転数制御が行われる場合は、ステップ215でトリガスイッチ23Aがオフと判断されるか、ステップ203で検出スイッチ27Bがオフ状態であると判断されるまでステップ202、203、210、214及び215を上記の順で繰り返す。なお、ステップ215でトリガスイッチ23Aがオフ状態であると判断した場合は、モータ3の駆動を停止する。
このように制御部4によるモータ3の制御の変形例においては、制御部4は、第1信号出力回路27C及び第2信号出力回路27Dが出力する2つの電圧信号に基づいてダイヤル26の被操作位置を特定し、モータ3の駆動モードを被操作位置に応じた「変速モード」と「AUTOモード」とのいずれかに設定するため、1つの情報のみに基づいて被操作位置を特定し、当該特定された被操作位置に応じた駆動モードを設定する場合と比較して、正確に駆動モードを設定することができる。
次に、図17及び図18に基づいて本発明の第2の実施の形態による電動工具であるジグソー101について説明する。ジグソー101の基本的な構成及び制御方法は、第1の実施の形態によるジグソー1と同様である。以下の説明において、上述した第1の実施の形態によるジグソー1の構成要素と同じ部材や要素は同じ参照番号を付して説明を省略し、相違する構成を中心に説明する。図17は、ジグソー101の外観を示す左側面図である。
図17に示されるように、ジグソー101は、モード切換スイッチ23Cを備えている。モード切換スイッチ23Cは、モータ3の駆動モードを切り換えるスイッチであって、ハンドルハウジング23の左部においてトリガ保持機構24の前方に設けられている。モード切換スイッチ23Cは、ユーザが押圧する毎に「変速モード」と「AUTOモード」とを切り換えるスイッチであり、ハウジング2内部において制御部4と接続されている。モード切換スイッチ23Cは、「変速モード」を示す信号及び「AUTOモード」を示す信号の2種類のうちのいずれか一方を制御部4に出力する。制御部4は、当該信号に基づいて駆動モードを「変速モード」及び「AUTOモード」のいずれか一方に設定する。モード切換スイッチ23Cは、切換手段として機能する。
ジグソー101はモード切換スイッチ23Cを備えているため、ジグソー101において設定機構25は、駆動モードの設定には用いられず、「変速モード」における目標回転数及び「AUTOモード」における作業状態の目標回転数の設定に用いられる。
ジグソー101において制御部4は、設定機構25のダイヤル26の被操作位置に応じて「変速モード」における目標回転数及び「AUTOモード」における作業状態の目標回転数の設定を行う。「変速モード」における目標回転数の設定は、ジグソー1と同様である。
図18に基づいてジグソー101における「AUTOモード」における作業状態の目標回転数について説明する。ジグソー101においては「AUTOモード」における作業状態の目標回転数をダイヤル26の被操作位置に略比例して設定している。なお、ジグソー101においては「AUTOモード」における作業状態の目標回転数を被操作位置に応じて変更可能としているが、「AUTOモード」における非作業状態の目標回転数をダイヤル26の被操作位置に応じて変更可能としても良い。
図18は、ジグソー101における目標回転数及びモータ3の回転数と時間との関係を示す模式図であり、ジグソー101において「AUTOモード」でモータ3が駆動中に作業状態から非作業状態に移行した場合である。また、図18のL14は、ダイヤル26の被操作位置が0°の場合、L15は112.5°の場合、L16は225°の場合である。
図18に示されるように、ダイヤル26が被操作位置0°の場合(L14)は、「AUTOモード」における作業状態の目標回転数がN6であり、本実施の形態においては、例えば2400rpmである。時刻t0〜時刻t15までモータ3はN6で回転するよう制御されており、時刻t15で制御部4によって作業状態から非作業状態であると判断され、時刻t15〜時刻t17までの期間をかけてモータ3の回転数は、N6から非作業状態の目標回転数であるN4まで徐々に低下している。
ダイヤル26が被操作位置112.5°の場合(L15)は、「AUTOモード」における作業状態の目標回転数がN5であり、本実施の形態においては、例えば2700rpmである。時刻t0〜時刻t16までモータ3はN5で回転するよう制御されており、時刻t16で制御部4によって作業状態から非作業状態であると判断され、時刻t16〜時刻t19までの期間をかけてモータ3の回転数は、N6から非作業状態の目標回転数であるN4まで徐々に低下している。
ダイヤル26が被操作位置225°の場合(L16)は、「AUTOモード」における作業状態の目標回転数がN3であり、ジグソー1の「AUTOモード」における作業状態の目標回転数同一の値となっている。また、時刻t18で制御部4によって作業状態から非作業状態であると判断され、時刻t18〜時刻t20までの期間をかけてモータ3の回転数は、N3から非作業状態の目標回転数であるN4まで徐々に低下している。「AUTOモード」における作業状態の目標回転数(N3、N5、N6)は、第1回転数及び第1目標回転数の一例である。
このように本発明の第2の実施の形態によるジグソー101は、ハウジング2にモード切換スイッチ23Cとは別体に設けられた手動操作可能なダイヤル26を備えており、制御部4は、ダイヤル26の被操作位置に応じて「変速モード」における目標回転数を変更可能である。このため、駆動モードの切換と「変速モード」における目標回転数の変更とを個別に行うことができる。これにより、ダイヤル26がモード切換スイッチ23Cと一体に設けられている場合と比較して、ユーザによる誤操作を抑制することができる。
また、ジグソー101において制御部4は、被操作位置に応じて「AUTOモード」における作業状態の目標回転数を変更可能である。このため、ユーザがダイヤル26を操作することで「AUTO」モードにおける作業状態の目標回転数を変更することができる。これにより、より作業に適した所望の回転数を得ることができ、作業性及び利便性をより向上させることができる。
なお、本発明による電動工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、上述の電動工具としてジグソー1で説明したが、本発明は、ジグソー1だけでなく、他の電動工具、特にトリガスイッチとは別にモータ3の回転数を設定する被操作部材を備えた電動工具に適用可能である。
また、「AUTOモード」における作業状態の検出は、電流値による検出に限らず、モータ3の回転数の変動、定速度制御のために回転数の変動を受けて変更されるデューティ比の変動、振動値や騒音値等でも良い。また、上述した実施の形態では、デューティ比を変更することでモータ3の回転数を制御する構成としたが、導通角を変更することでモータ3の回転数を制御する構成としても良い。
このような構成によると、駆動モードの切換後から回転数検出手段が検出したモータの回転数と目標回転数との回転数差が所定回転数以上である場合に、モータの回転数を徐々に変化させるため、効果的にモータの回転数の急激な変化を抑制することができる。これにより、電動工具の振動、騒音をより抑制することができ、作業性及び操作性をより良好に保つことができる。
上記課題を解決するために本発明はさらに、ハウジングと、前記ハウジングに収容されたモータと、前記モータの駆動により加工作業を行う作業部と、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記モータの駆動モードを変更するために操作される被操作部と、前記駆動モードに応じて前記モータを制御する制御手段と、を備える電動工具であって、前記駆動モードは、前記モータの目標回転数を第1回転数とする第1モードと、前記モータへの負荷が小さい場合には前記目標回転数を前記第1回転数よりも低い第2回転数とし且つ前記負荷が大きい場合には前記目標回転数を前記第2回転数から上昇させる第2モードと、を含み、前記駆動モードは、前記被操作部が操作されることによって、前記第2モードから前記第1モードに変更可能であり、前記制御手段は、前記モータへの負荷が小さい状態で前記駆動モードが前記第2モードから前記第1モードに変更された際には、前記モータの回転数が徐々に変化するように前記モータを制御するように構成されていることを特徴とする電動工具を提供する。
上記課題を解決するために本発明はさらに、ハウジングと、前記ハウジングに収容されたモータと、前記モータの駆動により加工作業を行う作業部と、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記モータの駆動モードを変更するために操作される被操作部と、前記駆動モードに応じて前記モータを制御する制御手段と、を備える電動工具であって、前記駆動モードは、前記モータの目標回転数を第1回転数とする第1モードと、前記目標回転数を前記第1回転数よりも高い第2回転数とする第2モードと、前記モータへの負荷が小さい場合には前記目標回転数を前記第1回転数よりも低い第3回転数とし且つ前記負荷が大きい場合には前記目標回転数を前記第3回転数よりも高い第4回転数とする第3モードと、を含み、前記駆動モードは、前記被操作部が操作されることによって、前記第3モード、前記第2モード、前記第1モードの順に変更可能であり、前記制御手段は、前記モータへの負荷が小さい状態で前記駆動モードが前記第3モードから前記第2モードに変更された際には、前記モータの回転数が徐々に変化するように前記モータを制御するように構成されていることを特徴とする電動工具を提供する。
上記課題を解決するために本発明はさらに、ハウジングと、前記ハウジングに収容されたモータと、前記モータの駆動により加工作業を行う作業部と、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記ハウジングに設けられ前記モータの駆動モードを変更する変更手段と、前記駆動モードに応じて前記モータを制御する制御手段と、を備える電動工具であって、前記駆動モードは、前記モータへの負荷が大きい場合は前記モータを第1回転数で回転するよう制御し、前記モータへの負荷が小さい場合は前記モータを前記第1回転数よりも低い第2回転数で回転するよう制御する第1駆動モードと、複数の回転数のうちの一の回転数で回転するよう前記モータを制御可能な第2駆動モードと、を含み、前記複数の回転数は、前記第1回転数と、前記第2回転数よりも高く前記第1回転数よりも低い第3回転数と、を含み、前記変更手段は、前記駆動モードが前記第2駆動モードである場合の前記モータの回転数を変更するために操作される被操作部を有し、前記制御手段は、前記被操作部が操作されることによって、前記第1駆動モードから、前記第1回転数で回転するよう前記モータを制御する前記第2駆動モードを経て、前記第3回転数で回転するよう前記モータを制御する前記第2駆動モードへと順番に前記駆動モードを変更可能に構成され、前記制御手段は、前記負荷が小さい状態において、前記第1駆動モードから前記第2駆動モードへの変更された場合には、前記モータの回転数が除々に変化するように前記モータを制御することを特徴とする電動工具を提供する。
上記課題を解決するために本発明はさらに、ハウジングと、前記ハウジングに収容されたモータと、前記モータの駆動により加工作業を行う作業部と、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記モータの回転数が目標回転数となるように前記モータを制御する制御手段と、前記目標回転数を変更するために操作される被操作部と、を備える電動工具であって、前記目標回転数は、第1回転数と、前記第1回転数よりも高い第2回転数と、前記第1回転数よりも低い第3回転数と、を含み、前記制御手段は、前記被操作部が操作されることによって、前記目標回転数を前記第3回転数、前記第2回転数、前記第1回転数の順に変更可能であり、前記制御手段は、前記目標回転数として前記第3回転数が設定されている状態において前記モータに対する負荷が大きくなった場合、前記目標回転数を前記第3回転数から上昇させるように構成され、前記制御手段は、前記モータへの負荷が小さい場合において、前記目標回転数が前記第3回転数から前記第2回転数に変更された際には、前記モータの回転数が徐々に変化するように前記モータを制御することを特徴とする電動工具を提供する。
上記構成において、前記第4回転数は、前記第2回転数と等しいことが好ましい。
上記構成において、前記制御手段は、前記モータの回転数を除々に変化させる際に、前記モータの回転数を断続的に変化させることが好ましい。
上記構成において、前記モータに接続されたスイッチング素子を更に備え、前記制御手段は、前記スイッチング素子をPWM信号で制御することで前記モータの回転数を制御し、前記モータの回転数を徐々に変化させる際には前記PWM信号のデューティ比を徐々に、あるいは段階的に変化させることが好ましい。
上記構成において、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した電流に基づいて前記負荷の大きさを判断することが好ましい。