JP2020054970A - 噴霧装置、噴霧装置の使用及び噴霧装置の使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造で例えば次亜塩素酸を含む電解水を空間中に噴霧することができるとともに、原料液を希釈せず、電気分解により生じる副生成物を外部に放出することができる噴霧装置を提供する。【解決手段】原料液2の電気分解により生成される電解水を噴霧する噴霧装置1であって、上部に開口30を有しかつ内部に原料液2を収容可能な容器3と、容器3内に挿入され、容器3内から原料液2を吸い上げる吸液芯材4と、吸液芯材4の開口30から突き出る部分に互いに間隔をあけて設けられ、吸液芯材4が吸い上げた原料液2を電気分解する一対の電極5と、電気分解後の電解水を噴霧させる噴霧手段6と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、原料液の電気分解により生成する例えば次亜塩素酸などを含む電解水を噴霧する噴霧装置、該噴霧装置の使用、及び、該噴霧装置の使用方法に関する。
次亜塩素酸は、殺菌、消毒、消臭、洗浄に効果があるとともに人体に安全であるため、農業、食品、医療、介護、工業、水処理施設などの様々な分野で使用されている。また、近年では、水道水や塩酸などの電気分解により生成される次亜塩素酸を含む電解水を用いて、室内空間に浮遊する菌やウイルスの除去や空間の脱臭を図った装置が提供されている。
従来の次亜塩素酸を用いた除菌脱臭装置は、原料液タンクと、原料液の電気分解を行う電解槽と、原料液タンクから電解槽に原料液を供給するポンプと、電気分解により生成した次亜塩素酸を含む電解水が浸潤した気液接触部材と、気液接触部材に室内空間の空気を送風することで次亜塩素酸と接触させるファンとを備えている。従来の噴霧装置は、原料液タンク以外に、ポンプや、気液接触部材及び気液接触部材に空気を送り込むファンを備えているため、装置全体が大型及び高重量であり、コストも高い。
これに対して、特許文献1に記載の装置は、装置内にポンプを設けず、また、電気分解により生成した次亜塩素酸を含む電解水を室内空間に噴霧する構造とすることで、装置全体を小型化及び低重量化している。特許文献1に記載の装置では、噴霧部にピエゾ振動子及び多孔噴霧プレートを用いており、電気分解により生成した電解液体を吸液媒体に含浸させ、吸液媒体に含浸させた電解液体をピエゾ振動子の振動により多孔噴霧プレートの微細孔から空間中に噴霧させている。
しかし、特許文献1に記載の装置は、電動ポンプを省略したことにより、原料液タンクの原料液が吸液媒体に円滑に導かれるように、原料液タンクを吸液媒体の配置位置より高い高さ位置に配置し、圧力水頭の作用によって原料液タンク内の原料液が吸液媒体へ導かれるようにするなど、装置の構造に特別な設計を必要とする。また、電解水は、液出口部材において原料液が棒状電極を用いた電気分解により生じた後、液出口通路を介して吸液媒体に含浸されるが、電気分解により生じた電解水により原料液が希釈されるため、原料液の濃度やpH、導電率などの溶液特性を変化させるおそれもある。さらに、電気分解により生じる副生成物(例えば水素など)が装置外に完全に放出されないという課題もある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な構造で例えば次亜塩素酸を含む電解水を空間中に噴霧することができるとともに、原料液を希釈せず、電気分解により生じる副生成物を外部に放出することができる噴霧装置を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す構成を有する噴霧装置により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。本発明は、以下の噴霧装置を提供する。
項1.原料液の電気分解により生成される電解水を噴霧する噴霧装置であって、上部に開口を有しかつ内部に前記原料液を収容可能な容器と、前記容器内に挿入され、前記容器内から前記原料液を吸い上げる吸液芯材と、前記吸液芯材の前記開口から突き出る部分に互いに間隔をあけて設けられ、前記吸液芯材が吸い上げた前記原料液を電気分解する一対の電極と、電気分解後の前記電解水を噴霧させる噴霧手段と、を備える噴霧装置。
項2.前記一対の電極は、陽極が陰極よりも前記開口から遠くに位置するように前記吸液芯材に対して配置される、上記項1に記載の噴霧装置。
項3.前記噴霧手段は、前記吸液芯材に保持された電気分解後の前記電解水に超音波振動を与える、上記項1又は2に記載の噴霧装置。
項4.前記一対の電極はメッシュ状又は多孔板状に形成されている、上記項1〜3のいずれかに記載の噴霧装置。
項1.原料液の電気分解により生成される電解水を噴霧する噴霧装置であって、上部に開口を有しかつ内部に前記原料液を収容可能な容器と、前記容器内に挿入され、前記容器内から前記原料液を吸い上げる吸液芯材と、前記吸液芯材の前記開口から突き出る部分に互いに間隔をあけて設けられ、前記吸液芯材が吸い上げた前記原料液を電気分解する一対の電極と、電気分解後の前記電解水を噴霧させる噴霧手段と、を備える噴霧装置。
項2.前記一対の電極は、陽極が陰極よりも前記開口から遠くに位置するように前記吸液芯材に対して配置される、上記項1に記載の噴霧装置。
項3.前記噴霧手段は、前記吸液芯材に保持された電気分解後の前記電解水に超音波振動を与える、上記項1又は2に記載の噴霧装置。
項4.前記一対の電極はメッシュ状又は多孔板状に形成されている、上記項1〜3のいずれかに記載の噴霧装置。
また、本発明は、以下の噴霧装置の使用及び噴霧装置の使用方法を提供する。
項5.室内空間の除菌及び/又は脱臭を行うための上記項1〜4のいずれかに記載の噴霧装置の使用。
項6.上記項1〜4のいずれかに記載の噴霧装置を用いて室内空間の除菌及び/又は脱臭を行う噴霧装置の使用方法。
項5.室内空間の除菌及び/又は脱臭を行うための上記項1〜4のいずれかに記載の噴霧装置の使用。
項6.上記項1〜4のいずれかに記載の噴霧装置を用いて室内空間の除菌及び/又は脱臭を行う噴霧装置の使用方法。
本発明の噴霧装置においては、容器内に供給された原料液は、吸液芯材により吸い上げられ、吸液芯材内を一対の電極に向かって浸透していく。原料液が一対の電極の間に到達すると、吸液芯材内で電気分解されることで電解水が生成し、生成した電解水は、吸液芯材の吸い上げ機能により吸液芯材に保持された状態で、噴霧手段により装置外に噴霧される。
本発明の噴霧装置によれば、原料液を収容する容器から原料液を電気分解する一対の電極まで原料液を送液するポンプや、電気分解により生成された電解水を室内空間の空気に接触させるための気液接触部材及びファンを必要としないため、装置の全体サイズ、総重量、製造コストなどを低減することができる。
また、本発明の噴霧装置によれば、吸液芯材を容器内に挿入して原料液に浸漬させるとともに、吸液芯材の容器から突き出た部分に一対の電極を設けて、吸液芯材が容器内から吸い上げた原料液を吸液芯材内で一対の電極により電気分解して電解水を生成しているので、装置の構造を簡易化することができる。よって、従来技術のように、原料液タンクの原料液が吸液媒体に円滑に導かれるように、原料液タンクを吸液媒体の配置位置より高い高さ位置に配置するなどの特別な設計を不要とすることができる。
また、本発明の噴霧装置によれば、電気分解により生成された電解水は、吸液芯材による吸い上げにより吸液芯材に保持された状態で噴霧手段により室内空間に噴霧される。よって、電気分解により生成された電解水により容器内の原料液が希釈することを防止できる。
また、本発明の噴霧装置によれば、電気分解により生成された電解水が装置外に噴霧されるとともに、副生成物として生成される水素などのガスも吸液芯材から装置外に放出されるため、従来技術のように、副生成物が装置外に完全に放出されないということがない。
本発明に係る噴霧装置は、室内空間に設置され、原料液を電気分解して得られる例えば次亜塩素酸を含む電解水を室内空間に直ちに噴霧することで、次亜塩素酸による室内空間の除菌(菌やウイルスの除去)及び/又は脱臭を行うために使用されるものである。以下、本発明に係る噴霧装置の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態の噴霧装置1の概略構造を示す。噴霧装置1は、原料液2を収容する容器3と、容器3内から原料液2を吸い上げる吸液芯材4と、吸液芯材4が吸い上げた原料液2を電気分解する一対の電極5と、電気分解により生成された電解水を噴霧させる噴霧手段6とを備える。以下、噴霧装置1の各構成について説明する。
原料液2は、本実施形態では、電気分解により次亜塩素酸を生成する水溶液である。この原料液2としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウムなどの塩の水溶液;塩酸;上記塩の水溶液と塩酸との混合溶液などを挙げることができる。上記塩の水溶液の濃度としては、特に限定されるものではないが0.01%〜10%であることが好ましい。また、塩酸の濃度としては、特に限定されるものではないが0.00001%〜6%であることが好ましい。
次に、容器3は、上部に開口30を有し内部に原料液2の収容空間31を有する。容器3の開口30は、栓部材7(又は蓋)により塞がれている。栓部材7(又は蓋)は、吸液芯材4の差込口を有しており、吸液芯材4は、栓部材7(又は蓋)の差込口に差し込まれることで、容器3内に挿入されるとともに、吸液芯材4によって容器3内において上下方向に起立するように保持される。容器3の材質は、原料液2に対する耐性を有していれば特に限定されるものではなく、例えばガラス製やプラスチック製とすることができる。
次に、吸液芯材4は、容器3内の原料液2を吸い上げ可能である。吸液芯材4は、上下方向に長い長手形状を呈しており、下側の一部が原料液2に浸漬して下端が容器3の底に到達しており、上側の一部が容器3の開口30から突き出て上端が開口30上に位置している。吸液芯材4は、毛細管現象により原料液2を吸い上げ可能とするために多孔質体であることが好ましい。多孔質体としては、天然繊維又は合成繊維の集束物(繊維束);織布;不織布;合成樹脂粉末の集合物又は焼結体;スポンジなどの合成樹脂発泡体などを挙げることができる。
吸液芯材4の形状は、本実施形態では棒状であるが、原料液2を吸い上げ可能であれば形状は特に限定されず、板状、筒状、ハニカム状など任意の形状とすることができる。なお、吸液芯材4は、原料液2の吸い上げ性の向上、後述する振動プレート61との接触性の向上などを目的として、複数の部材で構成されていてもよい。例えば、原料液2を吸い上げる棒状の吸上部材と、当該吸上部材よりも横断面積(水平面で切断したときの切り口の面積)が大きく、電気分解により生成された電解水を含浸保持する保持部材の2つの部材で構成することができる。
次に、一対の電極5は、原料液2を電気分解するものであり、陽極5A及び陰極5Bよりなる。一対の電極5は、吸液芯材4の容器3の開口30から突き出る部分に互いに間隔をあけて設けられている。一対の電極5の材質は、特に限定されるものではなく、従来から電気分解により次亜塩素酸を生成する際に用いられている電極と同じ材料を用いることができる。例えば、陽極5Aの材質としては、白金、ステンレス、カーボンなどを挙げることができ、陰極5Bの材質としては、白金、カーボン、銅などを挙げることができる。
一対の電極5は、例えば、(1)平板状又は湾曲板状に形成して吸液芯材4の外周面を覆う、(2)平板状又はメッシュ状に形成して吸液芯材4の中に突き入れる、(3)筒状に形成して吸液芯材4の周囲を囲む、(4)線状に形成して吸液芯材4の周囲に巻き付ける、(5)ブロック状に形成して吸液芯材4内に埋設する、などの方法で吸液芯材4に設けることができる。なお、一対の電極5は同じ形状を呈していてもよいし、異なる形状を呈していてもよい。
上記(2)の一対の電極5を平板状に形成して吸液芯材4に差し込む場合には、一対の電極5は、微細孔が複数均一に形成された多孔板状に形成することが好ましい。一対の電極5を多孔板状又はメッシュ状に形成して吸液芯材4に差し込むことで、吸液芯材4内の原料液2又は電気分解後の次亜塩素酸を含む電解水の吸い上げ流路を確保しながらも一対の電極5と吸液芯材4との接触面積を増やすことができ、効率よく電気分解により電解水を生成することができる。一対の電極5を多孔板状又はメッシュ状に形成して吸液芯材4に差し込む場合には、一対の電極5が互いに平行に対向するように、一対の電極5を吸液芯材4に差し込む、例えば一対の電極5を水平にして吸液芯材4に対して垂直に差し込むことが好ましい。これにより、電気分解の効率を向上することができる。なお、一対の電極5は、互いに平行に対向していれば、必ずしも水平にして吸液芯材4に差し込まれている必要はなく、例えば斜めに傾いた状態で吸液芯材4に差し込まれていてもよい。また、一対の電極5は、必ずしも互いに平行に対向するように吸液芯材4に差し込まれている必要はない。
一対の電極5の配置は、吸液芯材4の上下方向に互いに間隔をあけた配置であってもよいし、吸液芯材4の周方向に互いに間隔をあけた配置であってもよい。本実施形態では、一対の電極5は、吸液芯材4の上下方向に互いに間隔をあけて互いに平行に対向するよう配置されているとともに、陽極5Aが陰極5Bよりも上方に位置する、言い換えれば陽極5Aが陰極5Bよりも容器3の開口30から遠くに位置するように配置されている。一対の電極5の間隔は、吸液芯材4の太さや空隙率とともに一対の電極5により電気分解される原料液2の量を規定する。そのため、吸液芯材4の太さや空隙率に応じて前記間隔を調整することで、電気分解に適切な量の原料液2を一対の電極5の間に供給することができる。
一対の電極5には、図示を省略するが制御スイッチを有する電気回路が接続されている。制御スイッチは、図示しないマイクロコンピュータなどの制御部に接続されており、制御部により制御スイッチのオンオフが制御されている。電気回路は、図示を省略するが装置に内蔵した電池(乾電池や蓄電池)からの直流電圧や外部の交流電源からACアダプタを介して得た直流電圧を高電圧発生装置を介して一対の電極5に印加する。
一対の電極5に供給される電流値は、詳細は後述するが、電気分解後の電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度に大きく影響するパラメータである。電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度は、電気分解される原料液の量や濃度によって変わるため、電気分解される原料液の量や濃度に応じて一対の電極5に供給する電流値を適宜設定することで、電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度を所望の濃度とすることができる。
次に、噴霧手段6は、一対の電極5よりも上方の吸液芯材4の上端近くに設けられている。噴霧手段6が一対の電極5に接近した位置に配置されていることで、電気分解により生成した次亜塩素酸を含む電解水を室内空間に直ちに噴霧することができる。
噴霧手段6は、本実施形態では、振動子60と、振動子60に接続された振動プレート61とを備えており、振動プレート61が吸液芯材4の上端において吸液芯材4と接触している。振動プレート61は、微細孔が複数均一に形成された多孔板状又はメッシュ状に形成されている。振動子60は、例えばピエゾ素子を用いることができる。振動子60は、図示しない駆動回路を介して制御部に接続されており、制御部の制御によって電源から駆動回路を介してパルス電圧が印加されることにより超音波振動を発生させて、振動プレート61を振動させる。振動プレート61の振動により、振動プレート61に接触する吸液芯材4に保持された電解水が霧化し、霧化した電解水が振動プレート61の複数の微細孔から空間中に噴霧される。電解水の噴霧量は、振動子60の動作を制御することで調整することができる。なお、噴霧される電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度は、電解水の噴霧量によって変わるため、電解水の噴霧量に応じて一対の電極5に供給する電流値を適宜設定することで、噴霧される電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度を所望の濃度とすることができる。
上述した噴霧装置1の各構成(容器3、吸液芯材4、一対の電極5、噴霧手段6、制御部、電池など)は図示しないハウジング内に収納されている。ハウジングは、吸液芯材4の上方(及び/又は側方)に放出口が形成されている。放出口は1つ又は複数形成され、噴霧装置1は、放出口を介して噴霧手段6により噴霧された次亜塩素酸を含む電解水をハウジング外に放出している。
なお、ハウジング内に制御部の制御により駆動する送風ファンを設け、送風ファンからの送風により、放出口から外部に噴霧された次亜塩素酸を含む電解水を室内空間に広がるように放散させてもよい。
また、ハウジングには、オン/オフスイッチが設けられており、制御部がオン/オフスイッチの操作を受けて、一対の電極5や振動子60に対する電圧印加を制御することで、次亜塩素酸を含む電解水の噴霧の開始及び停止がなされる。なお、オン/オフスイッチの他に、例えば電解水の噴霧量の強弱を変更可能な設定スイッチやタイマースイッチなどの各種スイッチを設け、制御部が各種スイッチの操作を受けて、電解水の噴霧量の強弱を調節したり、電解水の噴霧時間を設定したりしてもよい。
次に、上述した構成の噴霧装置1の動作について説明する。容器3内に収容された原料液2は、容器3内に挿入されている吸液芯材4の毛細管現象により吸い上げられ、吸液芯材4内を一対の電極5に向かって上方に浸透していく。一対の電極5には所定の電圧が印加されており、原料液2が一対の電極5の間に到達すると、原料液2は吸液芯材4内で電気分解され、次亜塩素酸を含む電解水が生成される。また、副生成物として水素などが生成される。電気分解により生成した電解水は、吸液芯材4の毛細管現象により吸い上げられて振動プレート61に接触する。電解水が振動プレート61に接触すると、振動プレート61の振動により電解水が霧化し、装置外に噴霧される。
上述した構成の噴霧装置1を使用すれば、噴霧装置1を室内空間に設置することで、噴霧装置1から噴霧される電解水により室内空間の除菌及び/又は脱臭を行うことができる。
また、上述した構成の噴霧装置1によれば、原料液2を収容する容器3から原料液2を電気分解する一対の電極5まで原料液2を送液するポンプや、電気分解により得られる次亜塩素酸を室内空間の空気に接触させるための気液接触部材及びファンを必要としないため、装置の全体サイズ、総重量、製造コストなどを低減することができる。
また、上述した構成の噴霧装置1によれば、吸液芯材4を容器3内に挿入して原料液2に浸漬させるとともに、吸液芯材4の容器3から突き出た部分に一対の電極5を設けて、吸液芯材4が容器3内から吸い上げた原料液2を吸液芯材4内で一対の電極5により電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成している。よって、装置の構造を簡易化することができ、従来技術のように、原料液タンクの原料液が吸液媒体に円滑に導かれるように、原料液タンクを吸液媒体の配置位置より高い高さ位置に配置するなどの特別な設計を不要とすることができる。
また、上述した構成の噴霧装置1によれば、電気分解により生成された次亜塩素酸を含む電解水は、吸液芯材4の毛細管現象による吸い上げにより吸液芯材4に保持された状態で噴霧手段6により室内空間に噴霧されるので、電気分解により生じた電解水により容器3内の原料液2が希釈されることがない。よって、容器3内の原料液2の濃度やpH、導電率などの溶液特性が変化することがなく、所望濃度の次亜塩素酸を含む電解水の噴霧を安定して行うことができる。
また、上述した構成の噴霧装置1によれば、電気分解により生成された次亜塩素酸を含む電解水が装置外に噴霧されるとともに、副生成物として生成される水素なども吸液芯材4から装置外に放出されるため、従来技術のように、水素などの副生成物が装置外に完全に放出されないということがない。
また、上述した構成の噴霧装置1によれば、一対の電極5について、陽極5Aが陰極5Bよりも容器3の開口30から遠くに位置するように吸液芯材4に対して配置することで、詳細は後述するが、電気分解後の電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度を高濃度とすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態の噴霧装置1では、噴霧手段6として超音波振動を発生させる振動子60を用い、吸液芯材4に保持された電解水を振動により霧化することで噴霧しているが、噴霧手段6としては吸液芯材4に保持された電解水を噴霧できるものであれば特に限定されず、例えば気化器により吸液芯材4に保持された電解水を気化することで噴霧してもよい。
また、上記実施形態の噴霧装置1では、装置内に容器3を1つ備えているが、容器3の数は特に限定されるものではなく、複数の容器3を備えていてもよい。
また、上記実施形態の噴霧装置1では、吸液芯材4は容器3内に1つ挿入されているが、容器3内に挿入される急液芯材4の数は特に限定されるものではなく、複数の吸液芯材4が容器3内に挿入されていてもよい。
また、上記実施形態の噴霧装置1では、原料液2として、電気分解により次亜塩素酸を生成する水溶液が用いているが、原料液2は次亜塩素酸を生成する水溶液に限定されるものではない。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
濃度1%の塩化ナトリウム水溶液を収容したペットボトル(容積が約60ml)内に、棒状の吸液芯材(素材:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロールなど、空隙率:70%、直径:3.5mm、長さ65mm)を挿入し、吸液芯材の上端には、電気分解により生成された電解水を含浸保持する吸収材(素材:ポリエステル、セルロール、レーヨン、ナイロンなど)を介して振動子(ピエゾ素子)により振動するメッシュ状の振動プレートを設置した。また、吸液芯材の容器から突き出る部分には、カーボンよりなるメッシュ状の一対の電極を上下方向に間隔をあけた状態で吸液芯材に差し込むことで装着した。
まず、一対の電極に、それぞれ5mA、10mA、40mAの直流電流を供給することで原料液の電気分解を行うと同時に、振動子の駆動により振動プレートを振動させることで電気分解により生成された電解水の噴霧を行って、噴霧された電解水中の次亜塩素酸の濃度を測定した。次亜塩素酸の濃度測定は、噴霧された電解水を5〜10ml回収した後、よう素滴定法により電解水中の塩素濃度を測定することによって行った。電極に供給した電流値に対する噴霧された電解水中の次亜塩素酸濃度の結果を表1及び図2に示す。なお、表1及び図2中の「Positive above」は吸液芯材に対して陽極を陰極よりも上方に配置した場合の結果であり、「Negative above」は吸液芯材に対して陰極を陽極よりも上方に配置した場合の結果である。
表1及び図2によると、電極に供給する電流の強さにより、噴霧される電解水中の次亜塩素酸の濃度が変わり、電極に40mAの電流を供給することで60ppmの濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成できることが確認された。そのため、電極に供給する電流値を変更することで電解水中の次亜塩素酸の濃度を調整することができ、原料液の濃度や電解水の噴霧量などに応じて電極に供給する電流値を適切に設定することで、電解水中の次亜塩素酸の濃度を所望の濃度に設定できることが確認された。加えて、吸液芯材に対して陽極を陰極よりも上方に配置する方が、より高濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成できることが確認された。
次に、実施例3について、60分間連続して電解水の噴霧を行い、60分間の連続噴霧中において、噴霧された電解水中の次亜塩素酸の濃度と、ペットボトル内の原料液中の次亜塩素酸濃度とを経時的に測定した。その結果を表2及び図3に示す。なお、ペットボトル内の原料液の残量が少なくなると、随時、原料液を補充しながら測定を行った。
表2及び図3によると、噴霧された電解水中の次亜塩素酸濃度は50ppm以上で一定であった一方、ペットボトル内の原料液からは次亜塩素酸は検出されなかった。このように、長時間連続して電解水を噴霧させても、また、ペットボトル内の原料液の残量が減ったり補充により増えたりして大きく変化したにも関わらず、噴霧される電解水中の次亜塩素酸の濃度を安定的に維持できることが確認された。加えて、電気分解により生じた電解水によりペットボトル内の原料液が希釈されないことも確認された。
1 噴霧装置
2 原料液
3 容器
4 吸液芯材
5 電極
5A 陽極
5B 陰極
6 噴霧手段
30 開口
2 原料液
3 容器
4 吸液芯材
5 電極
5A 陽極
5B 陰極
6 噴霧手段
30 開口
Claims (6)
- 原料液の電気分解により生成される電解水を噴霧する噴霧装置であって、
上部に開口を有しかつ内部に前記原料液を収容可能な容器と、
前記容器内に挿入され、前記容器内から前記原料液を吸い上げる吸液芯材と、
前記吸液芯材の前記開口から突き出る部分に互いに間隔をあけて設けられ、前記吸液芯材が吸い上げた前記原料液を電気分解する一対の電極と、
電気分解後の前記電解水を噴霧させる噴霧手段と、を備える噴霧装置。 - 前記一対の電極は、陽極が陰極よりも前記開口から遠くに位置するように前記吸液芯材に対して配置される、請求項1に記載の噴霧装置。
- 前記噴霧手段は、前記吸液芯材に保持された電気分解後の前記電解水に超音波振動を与える、請求項1又は2に記載の噴霧装置。
- 前記一対の電極はメッシュ状又は多孔板状に形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の噴霧装置。
- 室内空間の除菌及び/又は脱臭を行うための、請求項1〜4のいずれかに記載の噴霧装置の使用。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の噴霧装置を用いて室内空間の除菌及び/又は脱臭を行う、噴霧装置の使用方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018188380A Pending JP2020054970A (ja) | 2018-10-03 | 2018-10-03 | 噴霧装置、噴霧装置の使用及び噴霧装置の使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020054970A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102390224B1 (ko) * | 2021-08-02 | 2022-04-25 | 안종한 | Cnt 전극을 이용한 공기 살균 정화장치 |
WO2023017810A1 (ja) * | 2021-08-11 | 2023-02-16 | ニプロ株式会社 | 次亜塩素酸水噴霧装置 |
KR102510847B1 (ko) * | 2022-05-11 | 2023-03-16 | 주식회사 한새 | 모듈식 살균장치 |
KR102529059B1 (ko) * | 2022-05-11 | 2023-05-04 | 주식회사 한새 | 살균장치 |
-
2018
- 2018-10-03 JP JP2018188380A patent/JP2020054970A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102390224B1 (ko) * | 2021-08-02 | 2022-04-25 | 안종한 | Cnt 전극을 이용한 공기 살균 정화장치 |
WO2023017810A1 (ja) * | 2021-08-11 | 2023-02-16 | ニプロ株式会社 | 次亜塩素酸水噴霧装置 |
KR102510847B1 (ko) * | 2022-05-11 | 2023-03-16 | 주식회사 한새 | 모듈식 살균장치 |
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