JP2020054752A - 布搬送システムと制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】縫製データに基づく縫製位置に応じた受渡位置の調整を容易に行うことができる布搬送システムと制御方法を提供する。【解決手段】CPUは、基準布8Lを撮影した基準画像Aに重ね、基準布8Lの輪郭8A、縫製データに基づく縫製画像Jをディスプレイ28に表示する。作業者は、輪郭8Aの表示位置を変更し、縫製画像Jをもとに布の縫目の形成予定位置を調整する。CPUは、設定情報に基づいて輪郭8Aの大きさを変更した設定画像Zを基準画像Aに重ねた場合に、縫製画像Jと重なる部分を特定部分ZJとして特定する。布の縁に沿って布の内側に縫目を形成する場合の設定画像Zは、例えば輪郭8Aを縮小した画像である。CPUは、特定部分ZJの表示色を、縫製画像Jの表示色とは変更して表示する。故に作業者は、布に縫目を形成する目安の位置が、縫製データに基づく縫製位置と一致するか否かを、縫製画像Jの表示色によって容易に判断できる。【選択図】図15

Description

本発明は、布をミシンに搬送する搬送装置を備えた布搬送システムと制御方法に関する。
特許文献1に記載の搬送システムは、搬送装置が布を布箱から受渡位置に搬送する過程で布を撮影し、画像解析を行う。搬送システムは、撮影画像において搬送装置が布を保持する保持位置と、予め設定した基準位置とのずれを演算する。基準位置は、例えば布を受渡位置に正確に配置可能な場合に、搬送装置が布を保持した状態で撮影した基準画像における布の保持位置に基づき設定する。搬送装置は布を受渡位置に搬送する時、基準位置とのずれを修正し、布を正確に受渡位置に配置する。ミシンは受渡位置で受取った布を押え部材で押える。ミシンは縫製データに従って押え部材を移動し、縫製位置に縫製を行う。
特開2017−169760号公報
しかしながら、ミシンが受渡位置で受取った布に対し、縫製しようとする縫製位置がずれている場合がある。該時、搬送装置が布を正確に受渡位置に配置しても、ミシンは適切に布を縫製できない。各布を適切に縫製できるよう、受渡位置を適切な位置に調整するには、調整の都度、ミシンによる縫製物を得て、縫製結果に基づく調整作業を繰り返す必要があり、手間がかかった。
本発明の目的は、縫製データに基づく縫製位置に応じた受渡位置の調整を容易に行うことができる布搬送システムと制御方法を提供することである。
本発明の第一態様によれば、ミシンが縫製する布を保持可能な保持機構、及び前記保持機構を移動可能な移動機構を備える搬送装置と、前記保持機構が保持する前記布に対向し、所定の撮影範囲を撮影する撮影装置と、前記搬送装置と前記撮影装置の駆動を制御する制御装置とを備え、前記撮影装置により撮影した撮影画像に基づいて前記移動機構による前記保持機構の移動を制御し、前記布を前記ミシンに受け渡す受渡位置に搬送する布搬送システムにおいて、前記制御装置は、情報を表示可能な表示装置と、前記受渡位置との位置関係に基づき、予め、前記撮影範囲内における前記布の基準位置の設定に用いる基準布を前記保持機構が保持した状態で、前記撮影装置により撮影した基準画像を、前記表示装置に表示する基準表示手段と、前記ミシンが前記布の縫製に用いる縫製データに基づいて前記布に縫製する縫製内容を表す縫製画像を生成し、縫製時に前記ミシンが前記布に針を落とす位置の基準となる原点位置と前記受渡位置との位置関係と、前記受渡位置と前記基準位置との位置関係とに基づき、前記基準画像に重ねて前記縫製画像を前記表示装置に表示する縫製表示手段と、前記基準画像における前記基準布の位置を示す識別画像を取得する識別取得手段と、前記ミシンが前記縫製データに従って前記布に縫製する位置を前記識別画像に基づいて設定するために用いる設定情報を取得する設定取得手段と、前記設定取得手段が取得した前記設定情報に基づく設定画像と前記縫製画像とが重なる部分を特定する特定手段と、前記表示装置に表示する前記縫製画像のうち、前記特定手段が特定した部分の表示態様を変更して前記表示装置に表示する変更表示手段とを備えたことを特徴とする布搬送システムが提供される。
第一態様に係る搬送装置は、基準布が示す基準位置に基づき、布を受渡位置に正確に搬送することができる。表示装置は、布を受渡位置に搬送するときの基準となる基準布を撮影した基準画像と、縫製データから生成する縫製画像とを重ねて表示する。設定生成手段は、識別取得手段が基準画像から取得した識別画像を設定情報に基づいて変更した設定画像を生成する。識別画像は基準布の輪郭線を示し、設定画像の示す位置は、縫製時にミシンが布に縫製する目安となる位置である。変更表示手段は、設定画像と縫製画像とが重なる部分の表示態様を変更して表示する。故に作業者は、基準布が示す基準位置に基づき縫製時にミシンによって縫製する目安の位置の設定が、縫製データに基づく縫製位置と一致するか否かを、縫製画像の表示態様によって容易に判断することができる。
第一態様の前記制御装置は、前記識別画像を前記表示装置に表示する識別表示手段と、前記表示装置における前記識別画像の表示位置を変更する入力を受け付ける入力装置と、前記基準画像に対する前記識別画像の相対的な位置座標と回転角度を含む補正量を演算する演算手段と、前記移動機構が前記保持機構を制御し前記布を前記受渡位置に搬送するときの移動量に前記演算手段が演算した前記補正量を加え、前記移動量を調整する調整手段と、前記調整手段が調整した前記移動量を前記搬送装置に出力する出力手段とを備えてもよい。表示装置は、基準布の位置を示す識別画像を表示する。識別画像の表示位置は、変更することができる。設定画像は識別画像に重ねて配置するので、識別画像の表示位置を変更した場合、設定画像と縫製画像とが重なる部分が変化する。故に作業者は、縫製画像の表示態様が変化する部分が、より多くなる位置に識別画像の表示位置を変更することができる。搬送装置は、表示位置変更後の識別画像と基準画像との位置ずれに応じた受渡位置に、布を搬送する。故にミシンは、縫製する目安の位置に、より近い位置に、縫製データに基づく縫製を行うことができる。
第一態様の前記入力装置は、前記設定情報の変更の入力を受け付けてもよい。作業者は、設定情報の変更により、布の位置に対する縫製する目安となる位置の設定を適宜変更することができる。
本発明の第二態様によれば、ミシンが縫製する布を保持可能な保持機構、及び前記保持機構を移動可能な移動機構を備える搬送装置と、前記保持機構が保持する前記布に対向し、所定の撮影範囲を撮影する撮影装置と、前記搬送装置と前記撮影装置の駆動を制御する制御装置とを備え、前記撮影装置により撮影した撮影画像に基づいて前記移動機構による前記保持機構の移動を制御し、前記布を前記ミシンに受け渡す受渡位置に搬送する布搬送システムにおいて、前記制御装置が実行する制御方法であって、前記制御装置は、前記受渡位置との位置関係に基づき、予め、前記撮影範囲内における前記布の基準位置の設定に用いる基準布を前記保持機構が保持した状態で、前記撮影装置により撮影した基準画像を、情報を表示可能な表示装置に表示する基準表示ステップと、前記ミシンが前記布の縫製に用いる縫製データに基づいて前記布に縫製する縫製内容を表す縫製画像を生成し、縫製時に前記ミシンが前記布に針を落とす位置の基準となる原点位置と前記受渡位置との位置関係と、前記受渡位置と前記基準位置との位置関係とに基づき、前記基準画像に重ねて前記縫製画像を前記表示装置に表示する縫製表示ステップと、前記基準画像における前記基準布の位置を示す識別画像を取得する識別取得ステップと、前記ミシンが前記縫製データに従って前記布に縫製する位置を前記識別画像に基づいて設定するために用いる設定情報を取得する設定取得ステップと、前記設定取得ステップにて取得した前記設定情報に基づく設定画像と前記縫製画像とが重なる部分を特定する特定ステップと、前記表示装置に表示する前記縫製画像のうち、前記特定ステップが特定した部分の表示態様を変更して前記表示装置に表示する変更表示ステップとを実行することを特徴とする制御方法が提供される。
第二態様に係る搬送装置は、基準布が示す基準位置に基づき、布を受渡位置に正確に搬送することができる。表示装置は、布を受渡位置に搬送するときの基準となる基準布を撮影した基準画像と、縫製データから生成する縫製画像とを重ねて表示する。設定生成ステップでは、識別取得ステップにて基準画像から取得した識別画像の大きさを設定情報に基づいて変更した設定画像を生成する。識別画像は基準布の輪郭線を示し、設定画像の示す位置は、縫製時にミシンが布に縫製する目安となる位置である。変更表示ステップでは、設定画像と縫製画像とが重なる部分の表示態様を変更して表示する。故に作業者は、基準布が示す基準位置に基づき縫製時にミシンによって縫製する目安の位置の設定が、縫製データに基づく縫製位置と一致するか否かを、縫製画像の表示態様によって容易に判断することができる。
縫製システム100の斜視図である。 縫製システム100の平面図である。 縫製システム100の要部を拡大した平面図である。 PC10の電気的構成を示すブロック図である。 アーム装置4の電気的構成を示すブロック図である。 ミシン7の電気的構成を示すブロック図である。 基準画像Aに基づく解析画像Bの図である。 撮影画像Cに基づく解析画像Dの図である。 縫製処理のフローチャートである。 保持装置45が布9Lを受渡位置に配置する図である。 保持装置45が布9Rを受渡位置に配置する図である。 右挟持部66が布9L、9Rを押える図である。 補正情報編集処理のフローチャートである。 縫目の形成位置を編集する前の編集画面の一例である。 縫目の形成位置を編集した後の編集画面の一例である。
図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。図1〜図3を参照し、本発明に係る布搬送システム1の構成を説明する。布搬送システム1は、アーム装置4、カメラ5(図2参照)、パーソナルコンピュータ(「PC」と称す)10(図4参照)を備え、縫製システム100のフレーム2に組み付ける。布搬送システム1は、縫製システム100の一部を構成する。縫製システム100は、フレーム2、ストッカー3、運搬装置6、ミシン7、及び布搬送システム1を備える。
フレーム2は鉄又はアルミ製の棒材を矩形に組んで構成する。設置板12は、フレーム2上面の前端側に設置し、左右方向と前後方向に延びる。供給口13は、設置板12の前部に形成する。供給口13は、平面視で左右方向に延びる矩形状であり、設置板12を上下方向に貫通する。
ストッカー3は、供給口13の下方、且つフレーム2内部に設ける。ストッカー3は、二つのストッカー3L、3Rを左右に併設する。ストッカー3L、3Rは、布9L、9Rを載置台18、19上に夫々複数積載可能である。ストッカー3L、3Rは、載置台18、19を上昇し、布9L、9Rの夫々を供給口13上方の「供給位置」に供給する(図3参照)。以下、ストッカー3L、3Rを総称する場合は、ストッカー3と称する。以下、布9L、9Rを総称する場合は、布9と称する。アーム装置4、運搬装置6、ミシン7は、ストッカー3の後方で、前側から順に並べて設ける。
アーム装置4は、保持装置45を備える。アーム装置4は、ストッカー3Lが供給位置に供給した布9L、及びストッカー3Rが供給位置に供給した布9Rを選択的に保持可能であり、例えば交互に保持することも可能である。アーム装置4は、ストッカー3が供給位置に供給した布9を保持装置45で保持し、カメラ5上方に位置する「撮影位置」を経由し(図3参照)、後述の作業台61上の「受渡位置」に搬送する(図3参照)。
カメラ5は、アーム装置4の右側に設け、保持装置45の下面よりも下方に配置する。枠状部材16(図2参照)は、フレーム2におけるカメラ5の上方で且つ設置板12の後側に設ける。枠状部材16は、略中央に矩形状の開口部17を備える。カメラ5は、開口部17を介して撮影位置に位置決めした保持装置45の下面を下方から撮影する。カメラ5が撮影する領域を「撮影領域」と称す。保持装置45が撮影位置に在る時、保持装置45の保持部36は、少なくとも布9を保持する部分が撮影領域内に在る。
運搬装置6は、アーム装置4が作業台61上の受渡位置に搬送した布9を挟持し、後方に移動することでミシン7に運搬する。ミシン7は、運搬装置6が運搬した布9を受取り縫製する。縫製後、ミシン7は、縫製後の布9を運搬装置6に再度受け渡す。運搬装置6はミシン7から受取った縫製後の布9を挟持して前方に移動し、作業台61上の通過孔62に運搬する。縫製後の布9は通過孔62にて落下し、通過孔62下方に設けた積載台68に積載する。
PC10(図4参照)は、例えばノート型のPCであり、フレーム2内部に配置する。PC10は、アーム装置4、カメラ5、運搬装置6、ミシン7と電気的に接続し、夫々の動作を制御する。本実施形態のPC10は、カメラ5で撮影した撮影画像C(図8参照)の画像解析を行い、保持装置45の下面における布9の「保持位置」を演算する。PC10は、後述する基準情報に基づき、演算した布9の保持位置を、予め撮影した基準画像Aにおける基準布8(図7参照)の保持位置と比較することで、基準布8に対する布9のずれ量を演算する。PC10はアーム装置4を制御し、布9の保持位置のずれ量を補正するように、布9を作業台61上の受渡位置に載置する。
アーム装置4の構造を説明する。アーム装置4は、多関節ロボットアームであり、例えば公知のスカラ型ロボットを適用できる。アーム装置4は、支柱部41、第一アーム部42、第二アーム部43、ボール螺子44、保持装置45等を備える。支柱部41は、土台部15から上方に延び、筒状である。土台部15は、フレーム2の設置板12の後側に隣接して固定し、略水平に延びる。支柱部41は、第一駆動モータ46(図5参照)を内部に収容する。第一駆動モータ46の出力軸は上方に向けて突出し、支柱部41と同軸である。
第一アーム部42は、支柱部41の上端から水平方向に延び、第一駆動モータ46の出力軸に連結する。第一アーム部42は、第一駆動モータ46の駆動により、支柱部41の軸線T1を中心に回動可能である。第二アーム部43は、第一アーム部42よりも上側で水平方向に延びる。第二アーム部43の一端部は、上下方向を軸方向とする連結軸を介して、第一アーム部42に回動可能に連結する。ボール螺子44は上下方向に延び、第二アーム部43の他端部に挿通して螺合する。ボール螺子44は所謂ボール螺子スプライン軸である。第二アーム部43は内部に、第二駆動モータ47、第三駆動モータ48、第四駆動モータ49を収容する。第二駆動モータ47は連結軸と連結する。第二アーム部43は第二駆動モータ47の駆動により、連結軸の軸線T2を中心に回動する。第三駆動モータ48は、上下伝動機構を介してボール螺子44に連結する。第三駆動モータ48が駆動することで、上下伝動機構はボール螺子44を上下動する。保持装置45は、ボール螺子44の下端部に固定する。故に保持装置45は、ボール螺子44と共に上下動する。第四駆動モータ49は、回転伝動機構を介してボール螺子44に連結する。第四駆動モータ49が駆動することで、回転伝動機構はボール螺子44を回転し、保持装置45は、ボール螺子44と共にボール螺子44の軸線T3を中心に回動する。
保持装置45は、基部35、流路(図示略)を備える。基部35は平面視略矩形状の部材であり、ボール螺子44下端に固定する。基部35の下面は保持部36であり、シート状の布9を保持する。流路は基部35に設け、保持部36に設けた孔(図示略)と連通する。流路はエアチューブ(図示略)を介してエアコンプレッサ(図示略)に接続する。電磁弁50(図5参照)は、エアコンプレッサが供給する空気の供給経路に設ける。電磁弁50が開くと、保持装置45は流路に供給した空気を孔から噴出し、保持部36と布9の間に生じる負圧により布9を吸着して保持する。電磁弁50が閉じると、保持装置45は空気の噴出を停止し、布9が自重により保持部36から離れる。
ミシン7の構造を説明する。ミシン7は、ベッド部71、脚柱部72、アーム部73、縫製機構、水平動機構を備える。ベッド部71は、フレーム2の後方に配置した配置台70に設置する。ベッド部71は前後方向に延び、上面前側に保持板75を固定する。保持板75は針板76(図2参照)を装着する。針板76上面と保持板75上面は面一である。針板76は針穴を有する。脚柱部72は、ベッド部71後側から上方に延びる。アーム部73は、脚柱部72上端からベッド部71上面に対向して前方に延び、前端に前端部74を備える。
縫製機構は、主モータ31(図6参照)、図示しない主軸、針棒駆動機構、針棒、垂直釜等を備える。主モータ31は脚柱部72内部に設ける。主軸は、アーム部73内部で前後方向に延び、且つ主モータ31に連結する。針棒駆動機構は前端部74内部に設け、主軸前端部に連結する。針棒は針棒駆動機構と連結し、且つ前端部74から下方へ延びる。針棒は下端部に縫針を装着する。針棒駆動機構は、主軸の回転に伴い針棒を上下動し、縫針は針穴を通過する。垂直釜は、針板76下方且つベッド部71内部に設け、下糸を巻いたボビンを収容する。垂直釜は、ベッド部71と脚柱部72内部に設けた連結機構を介して主軸と連結し、主モータ31の駆動に伴い回転する。
水平動機構は、Y軸モータ33(図6参照)、X軸モータ32(図6参照)、押え腕77等を備える。Y軸モータ33は、押え腕77をY軸方向(前後方向)に移動し、X軸モータ32は、押え腕77をX軸方向(左右方向)に移動する。押え腕77は、左右方向に並ぶ一対のエアシリンダ78を備える。押え腕77は、前端部にて、左右方向に並ぶ押え板79L、79Rを上下動可能に支持する。押え板79L、79Rは、側面視L字状の板状部材であり、保持板75上方に在る。押え板79L、79Rは、一対のエアシリンダ78の駆動で夫々上下動する。エアシリンダ78は、押え板79L、79Rを押え位置と解放位置の間で上下動する。「押え位置」は、保持板75との間で布9L、9Rの夫々を押える押え板79L、79Rの上下位置である。「解放位置」は、保持板75上の布9L、9Rの夫々から上方に離隔する押え板79L、79Rの上下位置である。以下、押え板79L、79Rを総称する場合は、押え板79と称する。
押え腕77の可動範囲は、開始位置、終了位置、待機位置を含む。「開始位置」は、押え腕77の可動範囲右前端である(図3参照)。押え腕77が開始位置に在る場合、押え板79は、針棒よりも右方に在る。「終了位置」は、押え腕77の可動範囲左前端である(図3参照)。押え腕77が終了位置に在る場合、押え板79は、針棒よりも左方に在る。「待機位置」は、アーム部73下方に在る押え腕77の位置である。押え腕77が待機位置に在る場合、押え板79は平面視で針棒の近傍に在る。
運搬装置6の構造を説明する。運搬装置6は、作業台61、通過孔62、運搬機構63等を備える。作業台61は、左右方向と前後方向に延びる台であり、フレーム2上端にて支持する。作業台61は、アーム装置4の支柱部41後方、且つミシン7の保持板75前方に配置する。作業台61上面は保持板75上面と略面一である。作業台61上面は布9を支持可能である。通過孔62は平面視矩形状であり、作業台61左後部を上下方向に貫通する。通過孔62は、保持板75の左部と前後方向に並び、終了位置に在る時の押え腕77前方に在る。通過孔62は縫製後の布9が通過可能である。
運搬機構63は、アーム装置4が作業台61に載置した布9をミシン7に搬送し、且つミシン7が縫製した縫製後の布9を通過孔62に運搬可能である。運搬機構63は、一対の支持部64、移動体65、右挟持部66、左挟持部67等を備える。
一対の支持部64は、作業台61に固定し、運搬機構63が運搬する布9の運搬領域を間にして左右方向に並ぶ。各支持部64は、案内部81、一対の支持壁部82、運搬エアシリンダ83等を備える。一対の支持壁部82は、前後方向に間隔を空けて配置する。案内部81は、一対の支持壁部82にて支持した前後方向に延びる円柱状である。案内部81は、運搬エアシリンダ83を前後動可能に支持する。運搬エアシリンダ83は、案内部81に挿通したロッドレスシリンダである。運搬エアシリンダ83は移動体65の左右両端に接続する。運搬エアシリンダ83は駆動することで案内部81に沿って前後動し、移動体65は前後動する。
移動体65は、左右方向に延びる板状部材である。移動体65は、運搬エアシリンダ83と一体的に前後動可能である。故に一対の案内部81は、移動体65を前後動可能に支持する。移動体65は上面に、右エアシリンダ84と左エアシリンダ85を備える。右エアシリンダ84は移動体65上面右側、左エアシリンダ85は移動体65上面左側に配置する。
右挟持部66は、前後方向と左右方向に延びる板状であり、右エアシリンダ84に連結する。右挟持部66は、開始位置に在る時の押え腕77と前後方向に並ぶ位置に在る。右エアシリンダ84の駆動により、右挟持部66は、挟持位置と離隔位置の間を上下動する。「挟持位置」は、作業台61又は保持板75の間で布9を挟む右挟持部66の上下位置である。「離隔位置」は、作業台61又は保持板75が支持する布9から上方に退避する右挟持部66の上下位置である。離隔位置に在る右挟持部66は、解放位置に在る押え板79よりも上方に在る。
左挟持部67は、右挟持部66と同様に、前後方向と左右方向に延びる板状であり、左エアシリンダ85に連結する。左挟持部67は、開始位置に在る時の押え腕77と前後方向に並ぶ位置に在る。左エアシリンダ85の駆動により、左挟持部67は、挟持位置と離隔位置の間を上下動する。「挟持位置」は、作業台61又は保持板75の間で布9を挟む左挟持部67の上下位置である。「離隔位置」は、作業台61又は保持板75が支持する布9から上方に退避する左挟持部67の上下位置である。離隔位置に在る左挟持部67は、解放位置に在る押え板79よりも上方に在る。
運搬エアシリンダ83が駆動すると、移動体65は、前位置と後位置の間を前後動する。「前位置」は、移動体65の可動範囲前端である(図3の二点鎖線参照)。前位置に在る移動体65は、作業台61上方に在る。移動体65が前位置に在る時の右挟持部66は、受渡位置に在る時の保持装置45の保持部36と平面視で重なる。「後位置」は、移動体65の可動範囲後端である(図3の実線参照)。後位置に在る移動体65は、保持板75上方に在る。移動体65が後位置に在る時の右挟持部66は、押え腕77が開始位置に在る時の押え板79と平面視で重なる。移動体65が後位置に在る時の左挟持部67は、押え腕77が終了位置に在る時の押え板79と平面視で重なる。また、移動体65は前位置と後位置の間の中位置にて停止する。「中位置」は、移動体65の可動範囲略中央である(図3の一点鎖線参照)。移動体65が中位置に在る時の左挟持部67は、作業台61上の通過孔62上方に在る。
図4を参照し、PC10の電気的構成を説明する。PC10はCPU21を備える。CPU21はPC10の制御を司る。CPU21は表示制御部24を内蔵する。表示制御部24はディスプレイ28と電気的に接続し、ディスプレイ28への映像の表示を制御する。CPU21はメモリコントローラ(図示略)を内蔵し、RAM23と電気的に接続する。RAM23は、種々の一時データを記憶する。
CPU21はチップセット27を介し、フラッシュROM22、記憶装置25、入力部26、通信I/F29と電気的に接続する。チップセット27は、CPU21と、フラッシュROM22、記憶装置25、入力部26、通信I/F29との間でデータの送受信を管理する一連の回路群である。フラッシュROM22はBIOS等を記憶する。記憶装置25は、例えばハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等、不揮発性の記憶装置である。記憶装置25は、OS、プログラム、データ等を記憶する。記憶装置25は、PC10に対して着脱可能なメモリカードであってもよい。入力部26は、例えばキーボード、マウス等である。入力部26は、作業者からの各種指示を検出し、検出した各種指示をCPU21に出力する。通信I/F29は、例えばシリアル通信用のインターフェースである。通信I/F29は、アーム装置4、カメラ5、運搬装置6、ミシン7に電気的に接続する。
図5を参照し、アーム装置4の電気的構成を説明する。アーム装置4の制御部40は、CPU51、ROM52、RAM53、記憶装置54、通信I/F55、入出力I/F60、駆動回路56〜59を備える。CPU51、ROM52、RAM53はバスを介して入出力I/F60と電気的に接続する。CPU51はアーム装置4の制御を司り、ROM52が記憶する各種プログラムに従い処理を実行する。ROM52は各種プログラム、各種初期設定パラメータ等を記憶する。RAM53はCPU51の演算結果、各種データ等を一時的に記憶する。記憶装置54は入出力I/F60と電気的に接続する。記憶装置54は、不揮発性であり、各種データ等を記憶する。通信I/F55は入出力I/F60と電気的に接続する。通信I/F55は例えばシリアル通信用のインターフェースである。通信I/F55はPC10の通信I/F29に接続する。
駆動回路56〜59は、入出力I/F60と電気的に接続する。駆動回路56〜59は夫々、第一駆動モータ46、第二駆動モータ47、第三駆動モータ48、第四駆動モータ49に接続する。入出力I/F60は、保持装置45の電磁弁50と電気的に接続する。CPU51は、電磁弁50を駆動する。
図6を参照し、ミシン7の電気的構成を説明する。ミシン7の制御部90は、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、通信I/F95、入出力I/F96、駆動回路97〜99を備える。CPU91、ROM92、RAM93は、バスを介して入出力I/F96と電気的に接続する。CPU91はミシン7の制御を司り、ROM92が記憶する各種プログラムに従い縫製に関わる各種演算と処理を実行する。ROM92は各種プログラム、各種初期設定パラメータ等を記憶する。RAM93はCPU91の演算結果、ポインタ、カウンタ等を一時的に記憶する。記憶装置94は入出力I/F96と電気的に接続する。記憶装置94は不揮発性であり、縫製データ、各種設定情報等を記憶する。「縫製データ」は、縫目を形成する為の複数の針落ち点が順に縫針の直下に位置するように、押え板79を移動する為のデータである。
通信I/F95は入出力I/F96と電気的に接続する。通信I/F95は、例えばシリアル通信用のインターフェースである。通信I/F95はPC10の通信I/F29に接続する。駆動回路97〜99は入出力I/F96と電気的に接続する。駆動回路97は主モータ31と電気的に接続する。CPU91は駆動回路97を制御することで、主モータ31を駆動制御する。駆動回路98はX軸モータ32と電気的に接続する。駆動回路99はY軸モータ33と電気的に接続する。入出力I/F96は電磁弁89と電気的に接続する。電磁弁89は、エアコンプレッサがエアシリンダ78へ供給するエアの供給経路に設ける。CPU91は電磁弁89の開閉によってエアシリンダ78を駆動制御し、押え板79を上下動する。
図1〜図3、図7〜図12を参照し、縫製システム100の一連の動作を説明する。布9の縫製時、PC10のCPU21は後述する縫製処理(図9参照)を実行し、ストッカー3、アーム装置4、運搬装置6、ミシン7に各種の制御指令を出力する。供給指令はストッカー3に対応し、載置台18、19に積載する布9を供給位置に供給する指令である。アーム装置4に対応する指令は、第一移動指令、保持指令、第二移動指令、第三移動指令、解放指令を含む。第一移動指令は、保持装置45を供給位置上方に移動する指令である。保持指令は、保持装置45で布9を保持する指令である。第二移動指令は、保持装置45を撮影位置に移動する指令である。第三移動指令は、保持装置45を受渡位置上方に移動する指令である。解放指令は、保持装置45が保持する布9を解放する指令である。
運搬装置6に対応する指令は、第一運搬指令、第二運搬指令を含む。第一運搬指令は、前位置にて右挟持部66で布9を押え、後位置に移動して解放する指令である。第二運搬指令は、後位置にて左挟持部67で布9を押え、中位置に移動して解放する指令である。ミシン7に対応する指令は、縫製指令を含む。縫製指令は、縫製データに従って布9を縫製する指令である。
CPU21は、縫製処理の実行において、布9の位置ずれを修正する処理を行う。搬送前の布9はストッカー3内で積み重なるが、整列した状態とは限らない。故に保持装置45は、供給位置で布9を保持する時、保持部36の常に同じ位置にて布9を保持するとは限らない。アーム装置4は、保持装置45を初期値に設定した移動量で供給位置の初期位置KL又はKR(図3参照)上方に移動する。初期位置KLは、ストッカー3Lに対応する供給位置の初期位置であり、初期位置KRはストッカー3Rに対応する供給位置の初期位置である。故に保持装置45は、供給位置に対して常に同じ位置関係を維持した状態で、保持部36に布9を保持する。アーム装置4は、保持装置45を初期値に設定した移動量で供給位置上方から撮影位置の初期位置KS(図3参照)に移動する。カメラ5は、布9を保持した状態で撮影位置に在る保持装置45の保持部36を撮影する。この時、カメラ5が撮影した画像は撮影画像C(図8参照)である。故に、撮影画像Cにおいて保持部36が布9を保持する保持位置は、保持装置45が布9を受渡位置に配置する時の位置のずれを生じた状態である。PC10のCPU21は縫製処理を実行し、アーム装置4が受渡位置に布9を搬送する時、布9を受渡位置に正確に配置する為、布9の位置ずれを修正する。
アーム装置4が保持装置45を撮影位置から受渡位置上方に移動する時、CPU21は、撮影画像Cに対する画像解析の結果に基づき、修正量を算出する。修正量は、受渡位置との位置関係に基づいてカメラ5の撮影領域内に設定した基準位置と、撮影画像Cの保持位置との位置関係を、撮影画像Cの解析結果から算出する。
図7に示すように、基準位置は、予め、以下のように設定する。運搬装置6の移動体65が前位置に在る時、右挟持部66が作業台61との間で布9を挟む位置に基づき、作業者は、基準布8を受渡位置に正確に配置する。基準布8は、アーム装置4による布9の搬送の基準に用いる布である。アーム装置4は保持装置45を初期値に設定した移動量で受渡位置の初期位置KP(図3参照)に移動し、基準布8を保持する。アーム装置4は、保持装置45を受渡位置上方から、移動量の初期値を用いて逆向きに、撮影位置の初期位置KSに移動する。カメラ5は、撮影位置にて基準布8を保持する保持装置45の保持部36を撮影し、基準画像Aとする。CPU21は、基準画像Aを、例えばビットマップ形式で記憶装置25に保存する。CPU21は、基準画像Aに対して画像解析を行い、基準画像Aに写る基準布8を縁取る輪郭8Aを示す解析画像Bを、例えば透過PNG形式で、記憶装置25に保存する。CPU21は、解析画像Bにおいて、例えば基準画像Aに写る枠状部材16の開口部17の内縁部の左上角部を原点Qとする画像座標系を設定する。
CPU21は、画像解析の結果に基づき基準情報を作成し、記憶装置25に保存する。基準情報は、基準布8Lと基準布8R(図3参照)を用い、布9Lと布9Rの夫々に対して個別に作成する。基準情報は、画像解析によって得た基準布8の外形形状の情報、基準位置の情報等を含む。例えば基準布8Lに対応する基準位置の情報は、輪郭8Aに基づいて算出する重心位置8B及びモーメント軸8Cの情報を含む。重心位置8Bは、基準画像A内、即ちカメラ5の撮影領域内で、基準布8Lの位置を特定する為の基準となる画像座標系の座標データである。モーメント軸8Cは、重心位置8Bを通り、撮影領域内での基準布8Lの傾きを特定する為の基準となる画像座標系の軸データである。重心位置8B及びモーメント軸8Cの計算方法は公知の方法を適宜用いればよい。基準布8Rに対応する基準位置の情報は、基準布8Lに対応する基準位置の情報と同様に作成する。
なお、縫製処理において、CPU21は、撮影画像Cから特定する布9の位置に基づいて、アーム装置4(第一駆動モータ46、第二駆動モータ47、第四駆動モータ49)の駆動条件を算出する。故にCPU21は、撮影画像Cの画像座標系と、アーム装置4の座標系(「装置座標系」と称す)とを予め対応付けておく。これにより、CPU21は、画像座標系の修正量及び後述する補正量を、装置座標系の移動量に加算し、アーム装置4の駆動を制御する。
図8に示すように、CPU21は、縫製処理において修正量を算出する時、撮影画像Cと基準情報を用いる。CPU21は、撮影画像Cに対して画像解析を行い、例えば撮影画像Cに写る布9Lを縁取る輪郭9Aを示す解析画像Dを、上記同様に作成する。CPU21は、輪郭9Aに基づいて布9Lの重心位置9B及びモーメント軸9Cを算出し、保持位置の情報として特定する。重心位置9B及びモーメント軸9Cの計算方法は公知の方法を適宜用いればよい。CPU21は、基準情報から基準位置の情報(基準布8Lの重心位置8B及びモーメント軸8Cの情報)を取得する。CPU21は、重心位置8Bの座標に対する重心位置9Bの座標の差分を求め、移動量に含む位置座標を修正する為の座標修正データを得る。CPU21は、モーメント軸8Cの傾きに対するモーメント軸9Cの傾きの差分を求め、移動量に含む回転角度を修正する為の角度修正データを得る。修正量は、座標修正データと角度修正データとを含む。CPU21は、第三移動指令において、移動量の初期値に修正量を加えて修正した移動量を指定する。これにより、アーム装置4は、基準布8Lの基準位置に対する布9Lの保持位置のずれを修正し、布9Lを受渡位置に正確に搬送することができる。布9Rに対する修正量の演算は、布9Lに対する修正量の演算と同様に行う。
CPU21は更に、第三移動指令において指定する移動量に補正量を加えて補正することができる。補正量は、縫製データに従い布9に形成する縫目の形成位置の調整に用いるデータである。上記のように、アーム装置4は、基準情報に基づいて移動量を修正量で修正することで、布9を受渡位置に正確に運搬することができる。基準情報の作成時、基準布8は作業者が受渡位置に配置する。故に、受渡位置と、ミシン7の針落ち点との位置関係にずれがある場合、布9に形成する縫目の形成位置は、ずれる可能性がある。後述する補正情報編集処理(図13参照)で、作業者は、布9に形成する縫目の形成位置を、ディスプレイ28の表示を見ながら入力部26による操作の入力によって、容易に調整することができる。CPU21は、作業者が入力した操作に基づき補正量を演算し、補正情報として記憶装置25に記憶する。故にCPU21は、縫製処理で第三移動指令を出力する時、補正量を加えて補正した移動量をアーム装置4に送信することができる。
図7に示すように、ミシン7が縫製データに従って縫目を形成する針落ち点は、原点位置7A、軸方向7B、7Cを基準に決定する。原点位置7Aは、縫製時に布9に針を落とす基準の位置である。軸方向7Bは、押え腕77がX軸モータ32の駆動により移動するX軸方向の正方向を示す。軸方向7Cは、押え腕77がY軸モータ33の駆動により移動するY軸方向の正方向を示す。基準画像Aに示す原点位置7A及び軸方向7B、7Cは、縫製時の基準布8と原点位置及び基準布8を移動可能な方向との相対的な位置関係を示すものである。CPU21は、受渡位置と原点位置7A及び軸方向7B、7Cとの位置関係を予め正確に対応付ける。基準位置と受渡位置は対応するので、基準情報は、基準位置と、原点位置7A及び軸方向7B、7Cとを対応付ける情報を含む。
図9〜図12を参照し、縫製処理を説明する。図9に示すように、作業者がPC10を操作し、縫製処理の実行を指示すると、CPU21は記憶装置25から縫製処理のプログラムを読込んで実行する。CPU21は、ディスプレイ28に入力画面(図示略)を表示し、作業者の操作による加工数の入力を受け付ける。加工数は、布9を縫製して作製する縫製物の数である。作業者は、予め、ストッカー3L、3Rの夫々に、加工数に応じた枚数の布9L、9Rを積み重ねて収容する。CPU21は作業者が入力した加工数をRAM93に記憶し、加工数を設定する(S10)。加工数は、予め作業者が入力し記憶装置25にパラメータとして記憶したものを読込んで設定してもよい。この時、CPU21は工程数を0に設定する。工程数は、縫製システム100が行う一連の処理の繰返し回数である。
CPU21は、アーム装置4が搬送する対象の布を、ストッカー3Lに収容する布9Lに設定する(S11)。CPU21は、ストッカー3に布9Lの供給指令を出力する(S12)。ストッカー3Lは、載置台18に積載する布9Lを供給位置に供給する。ストッカー3は布9Lの供給が完了すると、PC10に供給完了を通知する信号を出力する。CPU21は、アーム装置4に第一移動指令を出力する(S13)。アーム装置4のCPU51は、第一駆動モータ46、第二駆動モータ47、第四駆動モータ49を制御し、保持装置45をストッカー3Lの供給位置上方に移動する。CPU51は保持装置45の移動が完了すると、PC10に移動完了を通知する信号を出力する。
CPU21は、アーム装置4に保持指令を出力する(S15)。CPU51は第三駆動モータ48を制御し、保持部36が下方に在る載置台18上の布9Lと当接する位置に、ボール螺子44を下降する。CPU51は電磁弁50を開き、布9Lを保持部36に吸着して保持する。CPU51は布9Lの保持が完了すると、PC10に保持完了を通知する信号を出力する。CPU21は、アーム装置4に第二移動指令を出力する(S16)。CPU51は第三駆動モータ48を制御して保持装置45を上昇後、第一駆動モータ46、第二駆動モータ47、第四駆動モータ49を制御し、保持装置45を撮影位置に移動する。CPU51は保持装置45の移動が完了すると、PC10に移動完了を通知する信号を出力する。
CPU21は、カメラ5に撮影指令を出力する(S17)。カメラ5は撮影領域を撮影し、撮影画像CをPC10に送信する。CPU21は、撮影画像Cを受信すると、記憶装置25から基準布8Lに対応する基準情報を取得し(S18)、撮影画像Cについて画像解析処理を実行する(S20)。CPU21は、撮影画像Cに写る布9Lの輪郭9Aを示す解析画像Dを生成する。CPU21は、輪郭9Aに基づいて布9Lの重心位置9B及びモーメント軸9Cを算出し、布9Lの保持位置を特定する。CPU21は、特定した布9Lの保持位置に応じ、布9Lを受渡位置に載置する為に必要な第一駆動モータ46、第二駆動モータ47、第四駆動モータ49の駆動条件を、修正量として算出する(S21)。CPU21は、アーム装置4が保持装置45を撮影位置から受渡位置上方に移動する時の移動量の初期値に修正量を加算し、移動量を修正する(S22)。
CPU21は、記憶装置25から布9Lに対応する補正情報を取得し(S23)、S22で修正した移動量に、更に、補正情報が含む補正量を加算し、移動量を補正する(S25)。CPU21は、アーム装置4に第三移動指令を出力する(S26)。CPU51は、PC10が算出した移動量に基づいて第一駆動モータ46、第二駆動モータ47、第四駆動モータ49を駆動し、第一アーム部42、第二アーム部43、ボール螺子44を回動する。図10に示すように、アーム装置4は、受渡位置の初期位置KPに対して修正量及び補正量を移動量に加えた位置に、保持装置45を移動する。供給位置の初期位置KLで、保持装置45は保持部36の略中央に布9Lを保持する。故に保持装置45は、基準画像Aにおける基準布8Lの保持位置(図7参照)に合わせ、受渡位置の初期位置KPよりも左前方の位置に移動する。保持装置45は、布9Lを基準布8Lに対応する作業台61上の受渡位置の上方に正確に搬送する。CPU51は保持装置45の移動が完了すると、PC10に移動完了を通知する信号を出力する。
図9に示すように、CPU21は、アーム装置4に解放指令を出力する(S27)。CPU51は第三駆動モータ48を制御し、ボール螺子44を下降する。保持部36は布9Lを保持した状態で下降する。CPU51は電磁弁50を閉じ、保持部36に吸着する布9Lを解放する。布9Lは自重で保持部36から離れ、受渡位置に正確に位置する。CPU51は布9Lを解放すると、保持装置45の上昇後に、PC10に解放完了を通知する信号を出力する。
CPU21は、アーム装置4が布9Rを搬送済みであるか否か判断する(S28)。布9Rが未搬送の場合(S28:NO)、CPU21は、アーム装置4が搬送する対象の布を、ストッカー3Rに収容する布9Rに設定する(S30)。処理はS12に移行する。
CPU21は、ストッカー3に布9Rの供給指令を出力する(S12)。ストッカー3Rは、載置台19に積載する布9Rを供給位置に供給し、供給完了を通知する信号をPC10に出力する。CPU21は、アーム装置4に第一移動指令を出力する(S13)。アーム装置4は、保持装置45をストッカー3Rの供給位置上方に移動し、移動完了を通知する信号をPC10に出力する。
CPU21は、アーム装置4に保持指令を出力する(S15)。アーム装置4は保持装置45を下降し、載置台19上の布9Rを保持部36に吸着して保持すると、保持完了を通知する信号をPC10に出力する。CPU21は、アーム装置4に第二移動指令を出力する(S16)。アーム装置4は保持装置45を上昇後、撮影位置に移動し、移動完了を通知する信号をPC10に出力する。
CPU21は、カメラ5に撮影指令を出力する(S17)。カメラ5は撮影領域を撮影し、撮影画像をPC10に送信する。CPU21は、撮影画像を受信すると、記憶装置25から基準布8Rに対応する基準情報を取得し(S18)、撮影画像Cについて画像解析処理を実行する(S20)。CPU21は、撮影画像に写る布9Rの輪郭を示す解析画像を生成する。CPU21は、輪郭に基づいて布9Rの重心位置及びモーメント軸を算出し、布9Rの保持位置を特定する。CPU21は、特定した布9Rの保持位置に応じ、布9Rを受渡位置に載置する為の修正量を算出する(S21)。CPU21は、アーム装置4が保持装置45を撮影位置から受渡位置上方に移動する時の移動量の初期値に修正量を加算し、移動量を修正する(S22)。
CPU21は、記憶装置25から布9Rに対応する補正情報を取得し(S23)、S22で修正した移動量に、更に、補正情報が含む補正量を加算し、移動量を補正する(S25)。CPU21は、アーム装置4に第三移動指令を出力する(S26)。図11に示すように、アーム装置4は、受渡位置の初期位置KPに対して修正量及び補正量を移動量に加えた位置に、保持装置45を移動する。供給位置の初期位置KRで、保持装置45は保持部36の略中央に布9Rを保持する。故に保持装置45は、基準画像における基準布8Rの保持位置に合わせ、受渡位置の初期位置KPよりも右前方の位置に移動する。保持装置45は、布9Rを基準布8Rに対応する作業台61上の受渡位置の上方に正確に搬送する。アーム装置4は、PC10に移動完了を通知する信号を出力する。
図9に示すように、CPU21は、アーム装置4に解放指令を出力する(S27)。アーム装置4は保持装置45を下降し、保持部36に吸着する布9Rを解放する。布9Rは自重で保持部36から離れ、受渡位置に正確に位置する。アーム装置4は、保持装置45の上昇後に、PC10に解放完了を通知する信号を出力する。
布9Rの搬送が完了したので(S28:YES)、CPU21は、運搬装置6に第一運搬指令を出力する(S31)。図12に示すように、運搬装置6は、運搬エアシリンダ83を制御し、移動体65を後位置から前位置に移動する。右挟持部66は受渡位置に載置した布9L、9Rの上方に移動する。運搬装置6は、右エアシリンダ84を制御し、右挟持部66を離隔位置から挟持位置に移動する。右挟持部66は、作業台61との間で布9Lと布9Rの双方を挟む。運搬装置6は、運搬エアシリンダ83を制御し、移動体65を前位置から後位置に移動する。右挟持部66で押えた布9Lと布9Rは、作業台61と保持板75に対して順に摺動しながら、移動体65と共に後方に移動する。移動体65が後位置に到達後、運搬装置6は、右エアシリンダ84を制御し、右挟持部66を離隔位置に移動する。布9Lと布9Rは夫々、保持板75上に位置する。運搬装置6は布9L、9Rを運搬すると、PC10に運搬完了を通知する信号を出力する。
図9に示すように、CPU21は、ミシン7に縫製指令を出力する(S32)。ミシン7のCPU91は、X軸モータ32とY軸モータ33を制御し、押え腕77を待機位置から開始位置に移動する。押え腕77が開始位置に移動することで、押え板79L、79Rは、布9L、9Rと、離隔位置に在る右挟持部66との間に移動する。CPU91はエアシリンダ78を制御し、押え板79L、79Rを解放位置から押え位置に移動する。押え板79L、79Rの夫々が保持板75との間で布9L、9Rを押えることで、布9L、9Rは押え腕77と共に移動可能となり、ミシン7は布9L、9Rを受取る。
CPU91は、縫製指令で指定する縫製データを記憶装置94から読込み、縫製データに従って縫製動作を開始する。CPU91は、X軸モータ32とY軸モータ33を制御し、布9L、9Rが針棒下方となる位置に押え腕77を移動する。布9L、9Rが針棒の下方に移動後、CPU91は、X軸モータ32とY軸モータ33と同期して主モータ31を制御する。主モータ31が駆動すると、針棒と垂直釜は同期して動作する。CPU91は、X軸モータ32、Y軸モータ33、主モータ31を同期駆動することで、布9Lに所定針数分の縫目を形成し、更に布9Rにも所定針数分の縫目を形成する。縫目形成後、CPU91は主モータ31の駆動を停止する。CPU91は、X軸モータ32とY軸モータ33を駆動して押え腕77を終了位置に移動する。縫製後の布9L、9Rは押え板79L、79Rと共に、左挟持部67の下方に移動する。CPU91は、エアシリンダを制御して押え板79L、79Rを解放位置に移動する。縫製を終えた布9L、9Rは、保持板75上に配置する。CPU91は、X軸モータ32とY軸モータ33を制御し、押え腕77を待機位置に移動する。CPU91はX軸モータ32、Y軸モータ33の駆動を停止する。CPU91は縫製動作を完了すると、PC10に縫製完了を通知する信号を出力する。
CPU21は、運搬装置6に第二運搬指令を出力する(S33)。運搬装置6は、左エアシリンダ85を制御し、左挟持部67を離隔位置から挟持位置に移動する。左挟持部67が布9L、9Rを保持板75との間で挟むことで、運搬機構63は布9L、9Rを受取る。運搬装置6は運搬エアシリンダ83を制御し、移動体65を後位置から中位置に移動する。移動体65の中位置への移動に伴い、左挟持部67は布9L、9Rを通過孔62に運搬する。布9L、9Rは通過孔62にて落下する。通過孔62にて落下した布9L、9Rは、積載台68上に積載する。運搬装置6は、左挟持部67を離隔位置に移動し、移動体65を後位置に戻す。運搬装置6は、布9L、9Rを運搬すると、PC10に運搬完了を通知する信号を出力する。
CPU21は工程数を1加算し(S35)、工程数が加工数より小さいか否か判断する(S36)。工程数が加工数より小さい場合(S36:YES)、CPU21は処理をS11に移行し、布9L、9Rを加工する一連の処理(S11〜S35)を繰返す。当該動作を繰返すことで、布9L、9Rの連続自動縫製を実行できる。工程数が加工数と等しくなれば(S36:NO)、CPU21は布9L、9Rを加工する一連の処理を終了する。
図13〜図15を参照し、補正情報編集処理を説明する。補正情報は、基準画像における基準布の位置と、縫製データに基づく縫目の形成位置とを、針落ち点の原点位置7A及び軸方向7B、7Cに基づいて対応付けた場合のずれを補正する為の補正量の情報である。
図13に示すように、作業者がPC10を操作し、補正情報編集処理の実行を指示すると、CPU21は記憶装置25から補正情報編集処理のプログラムを読込んで実行する。CPU21は、ディスプレイ28に操作画面(図示略)を表示し、縫目の補正対象とする布を指示する操作の入力を待機する(S51)。作業者が布9Lを指示する操作を入力した場合(S51:YES)、CPU21は、布9Lを縫目の補正対象に設定し(S52)、S56に移行する。作業者が布9Rを指示する操作を入力した場合(S51:NO)、CPU21は、布9Rを縫目の補正対象に設定し(S53)、S56に移行する。以下では、作業者が布9Lを縫目の補正対象に設定した場合を説明する。
CPU21は、補正対象に設定した布9Lに対応する基準布8Lが写る基準画像Aを記憶装置25から取得する(S56)。CPU21は、ディスプレイ28に基準画像Aを表示する(S57、図14参照)。CPU21は、ミシン7から、布9L、9Rの縫製において指定する縫製データを取得する(S58)。CPU21は、縫製データが示す針落ち点の座標を画像座標系に変換し、各座標を所定幅の線で描画する縫製画像Jを生成する(S60)。縫製画像Jの線幅は、作業者が線の色を見分けられる幅であるとよい。CPU21は、基準布8Lに対応する基準情報を記憶装置25から取得する(S61)。CPU21は、基準情報において対応付けた原点位置7A及び軸方向7B、7Cと受渡位置との位置関係に基づき、縫製画像Jを基準画像Aに重ねて表示する(S62、図14参照)。図14において、線画画像JLは布9Lに形成する縫目に基づく画像であり、線画画像JRは布9Rに形成する縫目に基づく画像である。
CPU21は、記憶装置25から解析画像Bを取得し(S63)、基準布8Lの輪郭8Aを基準画像Aに重ねて表示する(S65、図14参照)。輪郭8Aは、例えばPNG形式の画像であり、縫製画像Jの線幅に相当するドット数の幅を有する。CPU21は、基準情報が含む基準布8Lに対応する基準位置の情報(重心位置8B及びモーメント軸8Cの情報)を、輪郭8Aの初期位置としてRAM23に記憶する(S66)。
CPU21は、記憶装置25に記憶する設定情報を取得する(S67)。設定情報は、布9Lの縫目の形成位置を設定する為の情報である。例えば布9Lの縁に沿って縁から所定距離離れた位置に縫目を形成する場合、縫目の形成位置は、基準布8Lの輪郭8Aの大きさを変更し、変更後の輪郭8Aの位置を目安として用いることができる。この場合、設定情報は、輪郭8Aの大きさを変更する倍率の情報である。例えば、布9Lの縁に沿って縁から0.5mm内側に縫目を形成する場合、設定情報は、輪郭8Aを、例えば0.95倍に縮小する倍率情報である。設定情報は、後述するS76、S77の処理において変更することができる。
CPU21は、設定情報に基づき、輪郭8Aの大きさを変更した設定画像Zを生成する(S71)。CPU21は、設定画像Zを基準画像Aに重ねて配置した場合に(図14参照)、設定画像Zと縫製画像Jとが重なる部分を特定する(S72)。設定画像Zと縫製画像Jとが重なる部分を、特定部分ZJとする(図14参照)。CPU21は、特定部分ZJにおける縫製画像Jの表示色を変更して表示する(S73)。例えば、CPU21は、縫製画像Jを黒色で描画し、特定部分ZJの表示色を赤色に変更する。
CPU21は、作業者による操作の入力を待機する(S75:NO、S76:NO、S78:NO、S75)。作業者は、入力部26による操作で、輪郭8Aの表示位置を変更できる(図15参照)。作業者が輪郭8Aの表示位置を変更した場合(S75:YES)、CPU21はS71に移行し、位置変更後の輪郭8Aに基づく設定画像Zを生成する(S71)。CPU21は、位置変更後の輪郭8Aに基づく設定画像Zと、縫製画像Jとが重なる特定部分ZJを特定し(S72)、特定部分ZJの表示色を変更して表示する(S73、図15参照)。特定部分ZJは、作業者が変更する輪郭8Aの位置に応じて増減する。設定画像Zと縫製画像Jとが重なる部分が多くなれば、特定部分ZJは増え、設定画像Zと縫製画像Jとが重なる部分が少なくなれば、特定部分ZJは減る。故に、図15に示すように、特定部分ZJが最も多くなる輪郭8Aの位置は、布9Lに形成する縫目の形成予定位置と、布9Lの位置との位置関係が、最も設定情報に沿う位置である。作業者は、輪郭8Aの位置を、特定部分ZJの多さに応じて最適な位置に変更する。
作業者は、入力部26による操作で、設定情報を変更することができる(S76:YES)。作業者は、設定画像Zを生成する為の輪郭8Aの大きさを変更する倍率を、入力部26による操作で入力することができる。CPU21は、記憶装置25に記憶する倍率情報を、作業者が入力した倍率情報で上書きして記憶する。CPU21はS71に移行し、作業者が入力した倍率情報に基づいて輪郭8Aの大きさを変更した設定画像Zを生成する(S71)。CPU21は、設定情報変更後の設定画像Zと、縫製画像Jとが重なる特定部分ZJを特定し(S72)、特定部分ZJの表示色を変更して表示すると(S73)、作業者による操作の入力を待機する。
作業者が入力部26の操作により、補正対象の布9Lに対する縫目形成位置の補正の完了を指示すると(S78:YES)、CPU21は、画像座標系における輪郭8Aの現在位置を取得する(S81)。CPU21は、輪郭8Aに基づいて、輪郭8Aの現在位置における重心位置及びモーメント軸を公知の計算方法によって求める。CPU21は、S81で求めた現在位置を、RAM23に記憶する輪郭8Aの初期位置に補正する為の補正量を算出する(S82)。CPU21は、現在位置の重心位置を初期位置の重心位置8Bに補正する為の座標補正データ(ΔX、ΔY)を演算する。CPU21は、現在位置のモーメント軸を初期位置のモーメント軸8Cに補正する為の角度補正データ(Δθ)を演算する。座標補正データ及び角度補正データは、基準布8Lの位置と、縫製データに基づく縫目の形成位置とのずれを補正する為の補正量である。CPU21は、演算によって求めた補正量を、補正情報として記憶装置25に保存し(S83)、補正情報編集処理を終了する。布9Rの縫目の形成位置を補正する場合、CPU21は、S53で布9Rを縫目の補正対象に設定し、S56〜S83の処理を上記同様に行うことで、布9Rに対応する補正情報を生成する。
以上説明したように、アーム装置4は、基準布8が示す基準位置に基づき、布9を受渡位置に正確に搬送することができる。ディスプレイ28は、布9を受渡位置に搬送するときの基準となる基準布8を撮影した基準画像Aと、縫製データから生成する縫製画像Jとを重ねて表示する。PC10のCPU21は、基準画像Aから取得した輪郭8Aを設定情報に基づいて変更した設定画像Zを生成する。輪郭8Aは基準布8の輪郭線を示し、設定画像Zの示す位置は、縫製時にミシン7が布9に縫製する目安となる位置である。CPU21は、設定画像Zと縫製画像Jとが重なる部分の表示色を変更して表示する。故に作業者は、基準布8が示す基準位置に基づき縫製時にミシン7によって縫製する目安の位置の設定が、縫製データに基づく縫製位置と一致するか否かを、縫製画像Jの表示色によって容易に判断することができる。
ディスプレイ28は、基準布8の位置を示す輪郭8Aを表示する。輪郭8Aの表示位置は、変更することができる。設定画像Zは輪郭8Aに重ねて配置するので、輪郭8Aの表示位置を変更した場合、設定画像Zと縫製画像Jとが重なる部分が変化する。故に作業者は、縫製画像Jの表示色が変化する部分が、より多くなる位置に輪郭8Aの表示位置を変更することができる。アーム装置4は、表示位置変更後の輪郭8Aと基準画像Aとの位置ずれに応じた受渡位置に、布9を搬送する。故にミシン7は、縫製する目安の位置に、より近い位置に、縫製データに基づく縫製を行うことができる。
作業者は、設定情報の変更により、布9の位置に対する縫製する目安となる位置の設定を適宜変更することができる。
上記説明で、保持装置45は本発明の「保持機構」の一例である。支柱部41、第一アーム部42、第二アーム部43、ボール螺子44は本発明の「移動機構」の一例である。アーム装置4は本発明の「搬送装置」の一例である。撮影領域は本発明の「所定の撮影範囲」の一例である。カメラ5は本発明の「撮影装置」の一例である。PC10は本発明の「制御装置」の一例である。ディスプレイ28は本発明の「表示装置」の一例である。S57の処理を実行するCPU21は本発明の「基準表示手段」の一例である。S62の処理を実行するCPU21は本発明の「縫製表示手段」の一例である。輪郭8Aは本発明の「識別画像」の一例である。S63の処理を実行するCPU21は本発明の「識別取得手段」の一例である。S67の処理を実行するCPU21は本発明の「設定取得手段」の一例である。S72の処理を実行するCPU21は本発明の「特定手段」の一例である。S73の処理を実行するCPU21は本発明の「変更表示手段」の一例である。S65の処理を実行するCPU21は本発明の「識別表示手段」の一例である。S82の処理を実行するCPU21は本発明の「演算手段」の一例である。S25の処理を実行するCPU21は本発明の「調整手段」の一例である。S26の処理を実行するCPU21は本発明の「出力手段」の一例である。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更が可能である。S75でCPU21は輪郭8Aの表示位置を変更したが、表示位置を変更できず、単に特定部分ZJを表示する処理としてもよい。S76でCPU21は設定情報を変更したが、設定情報を変更できなくてもよい。S65でCPU21は基準布8Lの輪郭8Aを基準画像Aに重ねて表示したが、基準画像Aに輪郭8Aを追加した画像を生成してもよい。該時、生成した画像の形式は例えばビットマップ形式の画像でもよい。
S73でCPU21は特定部分ZJの表示色を変更したが、表示態様の変更は表示色の変更に限らず、例えば特定部分ZJを線状に表示する場合の線種を変更してもよいし、特定部分ZJを点滅状態に表示してもよい。或いは、CPU21は、縫製画像Jに対する特定部分ZJの割合を数値化して示してもよい。
本実施形態の設定情報は倍率情報であり、布9の内側に縫目を形成する為、CPU21は、輪郭を縮小した設定画像を生成したが、布9の外側に縫目を形成する場合は輪郭を拡大した設定画像を生成してもよい。例えばジグザグ縫いを行う場合、CPU21は、輪郭を縮小した設定画像と、輪郭を拡大した設定画像の二つの設定画像を生成してもよい。或いは、予め、縫目の形成予定位置を示す画像を作成し、設定情報として用いてもよい。設定情報は倍率情報でなく、例えば布9の輪郭の一部を輪郭に対して内側又は外側に移動したものを設定情報として用い、設定画像を生成してもよい。
縫製システム100は、アーム装置4とミシン7の間に運搬装置6を備えるが、例えば運搬装置6を省略し、アーム装置4が所定の受渡位置に搬送した布9を、ミシン7が直接受取るようにしてもよい。アーム装置4は、多関節ロボットアームを有する「スカラ型ロボット」であるが、その他の構造を有するロボットアームであってもよい。ストッカー3は、二つのストッカー3L、3Rを備えるが、一つでもよく、三つ以上であってもよい。保持装置45における布9を保持する仕組みは、上記実施形態以外でもよい。縫製システム100では、PC10が、アーム装置4、運搬装置6、ミシン7の夫々の動作を統括制御するが、例えば、PC10を省略し、アーム装置4のCPU51、運搬装置6のCPU、ミシン7のCPU91の何れかが、縫製システム100の動作を統括制御してもよい。
1 布搬送システム
4 アーム装置
5 カメラ
7 ミシン
7A 原点位置
7B、7C 軸方向
8、8L、8R 基準布
8A 輪郭
9、9L、9R 布
10 PC
21 CPU
26 入力部
28 ディスプレイ
41 支柱部
42 第一アーム部
43 第二アーム部
44 ボール螺子
45 保持装置
A 基準画像
C 撮影画像
J 縫製画像
Z 設定画像

Claims (4)

  1. ミシンが縫製する布を保持可能な保持機構、及び前記保持機構を移動可能な移動機構を備える搬送装置と、
    前記保持機構が保持する前記布に対向し、所定の撮影範囲を撮影する撮影装置と、
    前記搬送装置と前記撮影装置の駆動を制御する制御装置と
    を備え、
    前記撮影装置により撮影した撮影画像に基づいて前記移動機構による前記保持機構の移動を制御し、前記布を前記ミシンに受け渡す受渡位置に搬送する布搬送システムにおいて、
    前記制御装置は、
    情報を表示可能な表示装置と、
    前記受渡位置との位置関係に基づき、予め、前記撮影範囲内における前記布の基準位置の設定に用いる基準布を前記保持機構が保持した状態で、前記撮影装置により撮影した基準画像を、前記表示装置に表示する基準表示手段と、
    前記ミシンが前記布の縫製に用いる縫製データに基づいて前記布に縫製する縫製内容を表す縫製画像を生成し、縫製時に前記ミシンが前記布に針を落とす位置の基準となる原点位置と前記受渡位置との位置関係と、前記受渡位置と前記基準位置との位置関係とに基づき、前記基準画像に重ねて前記縫製画像を前記表示装置に表示する縫製表示手段と、
    前記基準画像における前記基準布の位置を示す識別画像を取得する識別取得手段と、
    前記ミシンが前記縫製データに従って前記布に縫製する位置を前記識別画像に基づいて設定するために用いる設定情報を取得する設定取得手段と、
    前記設定取得手段が取得した前記設定情報に基づく設定画像と前記縫製画像とが重なる部分を特定する特定手段と、
    前記表示装置に表示する前記縫製画像のうち、前記特定手段が特定した部分の表示態様を変更して前記表示装置に表示する変更表示手段と
    を備えたことを特徴とする布搬送システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記識別画像を前記表示装置に表示する識別表示手段と、
    前記表示装置における前記識別画像の表示位置を変更する入力を受け付ける入力装置と、
    前記基準画像に対する前記識別画像の相対的な位置座標と回転角度を含む補正量を演算する演算手段と、
    前記移動機構が前記保持機構を制御し前記布を前記受渡位置に搬送するときの移動量に前記演算手段が演算した前記補正量を加え、前記移動量を調整する調整手段と、
    前記調整手段が調整した前記移動量を前記搬送装置に出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の布搬送システム。
  3. 前記入力装置は、前記設定情報の変更の入力を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の布搬送システム。
  4. ミシンが縫製する布を保持可能な保持機構、及び前記保持機構を移動可能な移動機構を備える搬送装置と、
    前記保持機構が保持する前記布に対向し、所定の撮影範囲を撮影する撮影装置と、
    前記搬送装置と前記撮影装置の駆動を制御する制御装置と
    を備え、
    前記撮影装置により撮影した撮影画像に基づいて前記移動機構による前記保持機構の移動を制御し、前記布を前記ミシンに受け渡す受渡位置に搬送する布搬送システムにおいて、前記制御装置が実行する制御方法であって、
    前記制御装置は、
    前記受渡位置との位置関係に基づき、予め、前記撮影範囲内における前記布の基準位置の設定に用いる基準布を前記保持機構が保持した状態で、前記撮影装置により撮影した基準画像を、情報を表示可能な表示装置に表示する基準表示ステップと、
    前記ミシンが前記布の縫製に用いる縫製データに基づいて前記布に縫製する縫製内容を表す縫製画像を生成し、縫製時に前記ミシンが前記布に針を落とす位置の基準となる原点位置と前記受渡位置との位置関係と、前記受渡位置と前記基準位置との位置関係とに基づき、前記基準画像に重ねて前記縫製画像を前記表示装置に表示する縫製表示ステップと、
    前記基準画像における前記基準布の位置を示す識別画像を取得する識別取得ステップと、
    前記ミシンが前記縫製データに従って前記布に縫製する位置を前記識別画像に基づいて設定するために用いる設定情報を取得する設定取得ステップと、
    前記設定取得ステップにて取得した前記設定情報に基づく設定画像と前記縫製画像とが重なる部分を特定する特定ステップと、
    前記表示装置に表示する前記縫製画像のうち、前記特定ステップが特定した部分の表示態様を変更して前記表示装置に表示する変更表示ステップと
    を実行することを特徴とする制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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