JP2020053348A - 導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents

導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 経時的な粘度変化が非常に少なく、粘度安定性により優れ、かつ、積層体を形成した際にグリーンシートとの接着性に優れた導電性ペーストを提供する。【解決手段】 導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂、及び有機溶剤を含む導電性ペーストであって、分散剤が3.5以上7.0以下のHLB値を有する第1の分散剤を含有し、第1の分散剤の含有量が、導電性ペースト100質量%に対して、0.4質量%以上1質量%以下であり、かつ、分散剤の総含有量が、導電性ペースト100質量%に対して、0.4質量%以上2質量%以下であることを特徴とする導電性ペースト【選択図】なし

Description

本発明は導電性ペースト、及びその導電性ペーストを用いて形成された電子部品及び積層セラミックコンデンサに関する。
電子部品の軽薄短小化が進み、チップ部品である積層セラミックコンデンサについても小型、大容量化の要求がますます高まりつつある。積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体層と複数の内部電極層とが交互に積層した構造を有しており、内部電極層と誘電体層を薄くすることにより、積層セラミックコンデンサの小型、大容量化を図ることができる。
積層セラミックコンデンサは、例えば、次のような工程を経て製造される。まず、チタン酸バリウム(BaTiO)等の誘電体粉末と、ポリビニルブチラール、アクリル等の有機バインダーとを含有するグリーンシートの表面上に、導電粉末を含有する内部電極用の導電性ペーストを所定のパターンで印刷し、これを乾燥して乾燥膜を形成する。次に、乾燥膜とグリーンシートとが交互に重なるよう、乾燥膜を有するグリーンシートを積層した後、熱圧着し、圧着体を形成する。この圧着体を目的の大きさに切断した後、所定の温度および雰囲気で脱バインダー処理を行い、続いて内部電極と誘電体の焼結を目的として焼成する。焼成後に得られる素体の両端部に、積層セラミックコンデンサと外部デバイスを接合するための外部電極が取り付け、積層セラミックコンデンサが得られる。
内部電極用の導電性ペーストは、例えば、導電性粉末、セラミック粉末、有機バインダー樹脂、有機溶剤を含む。さらに、導電性ペーストに所定のレオロジー特性を付与し、無機物の安定分散を行わせる目的で有機添加剤等を含有させてもよい。これらの材料は、例えば、ボールミル、ビーズミル、3本ロールミル等によって分散処理され、最終的に目的の粘度に合わせ込むため希釈剤と呼ばれる有機溶剤が加えられて完成する。希釈剤に用いる有機溶剤は、導電性ペースト作製時に使用した有機溶剤と同じものを用いても良いし、別の有機溶剤を用いても良い。
近年の電子部品の小型化による、内部電極の薄膜化に伴い、導電性粉末も小粒径化する傾向がある。導電性粉末の粒径が小さくなると、その粒子表面の比表面積が大きくなるため、導電性粉末の表面活性が高くなり、導電性ペーストの分散性の低下や、粘度特性の低下を生じてしまったり、その粘度が経時的に変化してしまったりする場合がある。
そこで、導電性ペーストの経時的な粘度特性の改善の試みがなされている。例えば、特許文献1には、少なくとも金属成分と、酸化物と、分散剤と、バインダー樹脂とを含有する導電性ペーストであって、金属成分は、その表面組成が、特定の組成比を有するNi粉末であり、分散剤の酸点量は、500〜2000μmol/gであり、バインダー樹脂の酸点量は、15〜100μmol/gである導電性ペーストが記載されている。そして、特許文献1によれば、この導電性ペーストは、良好な分散性と粘度安定性を有するとされている。
また、特許文献2には、導電性粉末、樹脂、有機溶剤、TiBaOを主とするセラミックス粉末の共材、および凝集抑制剤からなる内部電極用導電ペーストであって、前記凝集抑制剤の含有量が0.1重量%以上5重量%以下であり、前記凝集抑制剤が、特定の構造式で示される3級アミン又は2級アミンである内部電極用導電ペーストが記載されている。特許文献2によれば、この内部電極用導電ペーストは、共材成分の凝集を抑制し、長期保管性に優れ、積層セラミックコンデンサの薄膜化を可能とできるとされている。
特開2015−216244号公報 特開2013−149457号公報
しかしながら、近年の電子部品の小型化による内部電極の薄膜化に伴い、印刷精度にも高い精度が要求されつつあり、印刷時期の差による変化が極力起きない様、経時的な粘度特性のさらなる安定性向上が求められている。
本発明は、この様な状況に鑑み、経時的な粘度変化が非常に少なく、粘度安定性により優れ、かつ、積層体(圧着体)を形成した際にグリーンシートとの接着性に優れた導電性ペーストを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様では、導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂、及び有機溶剤を含む導電性ペーストであって、分散剤が3.5以上7.0以下のHLB値を有する第1の分散剤を含有し、第1の分散剤の含有量が、導電性ペースト100質量%に対して、0.4質量%以上1質量%以下であり、かつ、分散剤の総含有量が、導電性ペースト100質量%に対して、0.4質量%以上2質量%以下であることを特徴とする導電性ペーストが提供される。
また、第1の分散剤が、下記一般式(1)で示されるアミン系分散剤であることが好ましい。
Figure 2020053348
(ただし、式(1)中、Rは炭素数8〜16のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表し、Rはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、又は、メチレン基を表し、Rはオキシエチレン基、又は、オキシプロピレン基を表し、R及びRは、同一でもよく、又は、異なっていてもよい。また、式(1)中のN原子と、R及びR中のO原子とは直接結合せず、かつ、Yは0〜2の数であり、Zは1〜2の数である。)
また、分散剤が、下記一般式(2)で示されるアミノ酸系分散剤である第2の分散剤を更に含有することが好ましい。
Figure 2020053348
(ただし、式(2)中、Rは、炭素数10〜20の鎖状炭化水素基を表す。)
また、導電性粉末が、Ag、Pd、Ni、Cu、Pt、Au及びこれらの合金の中から選ばれる1種以上の導電性粉末であることが好ましい。また、導電性粉末が、導電性ペースト100質量%に対して、40質量%以上60質量%以下含有することが好ましい。また、導電性粉末の平均粒径が、0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
また、セラミック粉末がBaTiOであり、セラミック粉末100質量%に対して、BaTiOを80質量%以上含有することが好ましい。また、セラミック粉末が、導電性ペースト100質量%に対して、2質量%以上30質量%以下含有することが好ましい。また、セラミック粉末の平均粒径が0.02μm以上0.2μm以下であることが好ましい。また、バインダー樹脂が、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、及びブチラール系樹脂のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明の第2の態様では、上記導電性ペーストを用いて形成した導体を有することを特徴とする電子部品が提供される。
本発明の第3の態様では、導電性ペーストを用いて形成した内部電極層と誘電体層とを積層した積層体を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサが提供される。
本発明の導電性ペーストを用いて形成された電子部品は、導電性ペーストの粘度経時変化量が非常に少なく密着性に優れるため、同一ロットの導電性ペーストを用いて電子部品を製造する場合、その製造時期に依らず、再現性良く同じ形状、特性を有する導体を形成することができ、製品特性においてもバラツキの小さい電子部品を安定して製造することができる。また、本発明の導電性ペーストは、積層体(圧着体)を形成した際にグリーンシートとの接着性に優れる。
図1は、実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図及び断面図である。
本実施形態の導電性ペーストは、導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂及び有機溶剤を含む。以下、各成分について詳細に説明する。
(導電性粉末)
導電性粉末は、特に限定されず、金属粉末を用いることができ、例えば、Ag、Pd、Ni、Cu、Pt、Au、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属粉末を用いることができる。これらの中でも、導電性、耐食性及びコストの観点から、Ni、またはその合金の粉末が好ましい。Ni合金としては、例えば、Mn、Cr、Co、Al、Fe、Cu、Zn、Ag、Au、PtおよびPdからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素とNiとの合金(Ni合金)を用いることができる。Ni合金における母相となるNiの含有量は、例えば、50質量%以上、好ましくは80質量%以上である。また、Ni粉末等の導電性粉末は、脱バインダー処理の際、バインダー樹脂の部分的な熱分解による急激なガス発生を抑制するために、数百ppm程度のSを含んでもよい。
導電性粉末の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上1.0μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。導電性粉末の平均粒径が上記範囲である場合、薄膜化した積層セラミックコンデンサの内部電極用ペーストとして好適に用いることができ、例えば、乾燥膜の平滑性及び乾燥膜密度が向上する。
導電性粉末の平均粒径は、BET法に基づいて比表面積値から算出した値である。算出式は次の通りである。
平均粒径=6/S.A×ρ
(ρ:各粉末の真密度(ニッケルの場合は8.9)、S.A:各粉末の比表面積値)
導電性粉末の含有量は、導電性ペースト100質量%に対して、例えば、30質量%以上70質量%以下であってもよく、好ましくは40質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上50質量%以下である。導電性粉末の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(セラミック粉末)
セラミック粉末としては、特に限定されず、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極用ペーストである場合、適用する積層セラミックコンデンサの種類により適宜、公知のセラミック粉末から選択される。セラミック粉末としては、例えば、Ba及びTiを含むペロブスカイト型酸化物が挙げられ、好ましくはチタン酸バリウム(BaTiO)である。なお、セラミック粉末としてBaTiOを用いる場合は、セラミック粉末100質量%に対してBaTiOの含有量を80質量%以上とするのが好ましい。
セラミック粉末としては、チタン酸バリウムを主成分とし、酸化物を副成分として含むセラミック粉末を用いてもよい。酸化物としては、Mn、Cr、Si、Ca、Ba、Mg、V、W、Ta、Nbおよび1種類以上の希土類元素の酸化物が挙げられる。このようなセラミック粉末としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)のBa原子やTi原子を他の原子、例えば、Sn、Pb、Zrなどで置換したペロブスカイト型酸化物強誘電体のセラミック粉末が挙げられる。
内部電極用ペーストにおいては、積層セラミックコンデンサのグリーンシートを構成する誘電体セラミック粉末と同一組成の粉末を用いてもよい。これにより、焼結工程における誘電体層と内部電極層との界面での収縮のミスマッチによるクラック発生が抑制される。このようなセラミック粉末としては、上記以外に、例えば、ZnO、フェライト、PZT、BaO、Al、Bi、R(希土類元素)、TiO、Ndなどの酸化物が挙げられる。なお、セラミック粉末は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
セラミック粉末の平均粒径は、例えば、0.01μm以上0.5μm以下であり、好ましくは0.02μm以上0.2μm以下であり、より好ましくは0.03μm以上0.1μm以下の範囲である。セラミック粉末の平均粒径が上記範囲であることにより、内部電極用ペーストとして用いた場合、十分に細く薄い均一な内部電極を形成することができる。
セラミック粉末の平均粒径は、BET法に基づいて比表面積値から算出した値である。算出式は次の通りである。
平均粒径=6/S.A×ρ
(ρ:各粉末の真密度(チタン酸バリウムの場合は6.1)、S.A:各粉末の比表面積値)
セラミック粉末の含有量は、導電性ペースト100質量%に対して、好ましくは2質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上25質量%以下である。導電性粉末の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いることができる。バインダー樹脂としては、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、及びブチラール系樹脂のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。セルロール系樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどが挙げられ、ブチラール系樹脂としては、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。中でも、溶剤への溶解性、燃焼分解性の観点などからエチルセルロースを含むことが好ましい。また、内部電極用ペーストとして用いる場合、グリーンシートとの接着強度を向上させる観点からブチラール樹脂を含む、又は、ブチラール樹脂を単独で使用してもよい。バインダー樹脂は、1種類を用いてもよく、又は、2種類以上を用いてもよい。バインダー樹脂は、例えば、セルロース系の樹脂とブチラール樹脂とを用いることができる。また、バインダー樹脂の分子量は、例えば、20000〜200000程度である。
バインダー樹脂の含有量は、導電性ペースト100質量%に対して、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上6質量%以下である。バインダー樹脂の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、特に限定されず、上記バインダー樹脂を溶解することができる公知の有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルニルプロピネート、イソボルニルブチレート及びイソボルニルイソブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのアセテート系溶剤、ターピネオール、ジヒドロターピネオールなどのテルペン系溶剤、トリデカン、ノナン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤などが挙げられる。なお、有機溶剤は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
電子部品の小型化に伴い、誘電体層を形成するグリーンシートが薄層化するに従い、導電性ペーストに含まれる有機溶剤が浸透するシートアタックが問題になる場合がある。この様な場合には、有機溶剤として、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも一種を用いるのが好ましい。また、更にジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルプロピオネート、イソボルニルブチレート、又はイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも一種を混合して用いるのが好ましい。
有機溶剤の含有量は、導電性ペースト全量に対して、20質量%以上60質量%以下が好ましく、35質量%以上55質量%以下がより好ましい。有機溶剤の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(分散剤)
分散剤は、HLB値が3.5以上7.0以下である第1の分散剤を含有する。なお、分散剤は、第1の分散剤以外の分散剤を含んでもよい。
本発明者らは、導電性ペーストに用いる分散剤について、種々の分散剤を検討した結果、分散剤の種類に依らず、HLB値が3.5以上7.0以下である第1の分散剤を用いた場合に、導電性ペーストの経時的な粘度変化が少なく、粘度安定性に優れることを見出した。
HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance:親水性-親油性バランス)値は、界面活性剤の特性を示すパラメータで、下記(1)〜(6)に例示する複数の計算式で算出される値であり、0から20までの値をとる。HLB値が低い値の場合は親油性が高いことを示し、HLB値が高い場合は親水性が高いことを示す。
(1)HLB=7+11.7×log(Mw/Mo)
上記式中、Mw:親水性部の原子量の和、Mo:親油性部の原子量の和
(2)HLB=7−4.05×log(CMC)
上記式中、CMC:臨界ミセル濃度(mol/l)
(3)1価アルコールのエチレンオキシド誘導体 HLB=E/5
式中、E:エチレンオキシドの質量%
(4)多価アルコールの脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキシド誘導体
HLB=20(1−s/A)
上記式中、s:エステルのケン化価、A:原料脂肪酸の中和価
(5)多価アルコール誘導体でケン化価を求めにくい場合
HLB=(E+P)/5
上記式中、E:エチレンオキシドの質量% P:多価アルコールの質量%
(6)HLB=Σ(親水性部の基数)−Σ(親油性部の基数)+7
なお、HLBが未知のものは、いったんある油脂で乳化させ、別にHLBが既知である各種HLBの界面活性剤でその油脂を乳化させて乳化状態が同一となったときのHLBから決定することができる。
第1の分散剤のHLB値は、いずれの計算式で算出された値であっても適用することができ、3.5以上7.0以下である。第1の分散剤のHLB値を上記範囲とした場合、導電性ペーストの経時的な粘度変化が少なく、粘度安定性に優れる。
この理由の詳細は不明であるが、親水親油バランスが上記値の範囲内にあることにより、導電性粉末やセラミック粉末などの種々の固形成分に配位する分量が適切となると考えられる。また、余剰の分散剤の発生などが抑制されることにより、似た様な構造を有しながら、HLB値が本発明の範囲外の分散剤を用いた場合に比べ、分散性が向上する他、粘度安定性もより向上すると考えられる。
一方、第1の分散剤のHLB値が3.5未満である場合は、分散剤の親油性が高くなり過ぎ、ペースト中に存在する水分子とミセルを生成できなくなるため、経時粘度安定性に劣る。また、第1の分散剤のHLB値が7.0を超える場合は、分散剤の親水性が高くなり過ぎ、フィラーとの濡れ性が悪くなるため、経時粘度安定性に劣る。
第1の分散剤としては、HLB値が上記範囲である分散剤を、特に限定されることなく用いることができる。その中でも、第1の分散剤としては、下記の一般式(1)で示されるアミン系分散剤を用いるのが好ましい。このアミン系分散剤は、3級アミン、又は、2級アミンであり、アミン基と、1又は2のポリオキシエチレン基とが結合した構造を有する。
Figure 2020053348
(ただし、式(1)中、Rは炭素数8〜16のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表し、Rはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、又は、メチレン基を表し、Rはオキシエチレン基、又は、オキシプロピレン基を表し、R及びRは、同一でもよく、又は、異なっていてもよい。また、式(1)中のN原子と、R及びR中のO原子とは直接結合せず、かつ、Yは0〜2の数であり、Zは1〜2の数である。)
上記式(1)中、Rは、炭素数8〜16のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表す。Rの炭素数が上記範囲である場合、導電性ペースト中の粉末が十分な分散性を有し、溶剤への溶解度に優れる。なお、Rは、直鎖炭化水素基であることが好ましい。
上記式(1)中、R2は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、又は、メチレン基を表し、R3はオキシエチレン基、又は、オキシプロピレン基を表し、R2及びR3は、同一でもよく、又は、異なっていてもよい。また、式(1)中のN原子と、R及びR中のO原子とは直接結合せず、Yは0以上2以下の数であり、Zは1以上2以下の数である。
例えば、R2が、−(AO)Y−で示されるオキシアルキレン基である場合、オキシアルキレン基中のO原子は、R2と隣接するH原子と結合する。また、R2がメチレン基である場合、R2は、−(CH2)Y−で示され、Yが1〜2の場合、隣接するH元素とともにメチル基(−CH3)、又は、エチル基(−CH2−CH3)を形成する。また、R3が、−(AO)z−で示されるオキシアルキレン基である場合、オキシアルキレン基中のO原子は、R3と隣接するH原子と結合する。
上記式(1)中、Yが0の場合、上記アミン系分散剤は、炭素数8〜16のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基と、1つの水素基を有する2級アミンとなる。なお、Yが0で、Zが2の場合、上記アミン系分散剤は、炭素数8〜16のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基と、1つの水素基と、1つのポリオキシエチレン基またはポリオキシプロピレン基とから構成される2級アミンとなる。
また、上記式(1)中、Yが1の場合、上記アミン系分散剤は、炭素数8〜16のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を有する3級アミンとなる。そして、Yが2の場合、上記アミン系分散剤は、炭素数8〜16のアルキル基、アルケニニル基、又は、アルキニル基と、少なくとも1つのポリオキシエチレン基またはポリオキシプロピレン基を有する3級アミンとなる。
上記式(1)で示されるアミン系分散剤は、例えば、市販の製品から、上記特性を満たすものを選択して用いることができる。また、上記アミン系分散剤は、従来公知の製造方法を用いて、上記特性を満たすように製造してもよい。
第1の分散剤は、導電性ペースト100質量%に対して、0.4質量%以上1質量%以下含有される。第1の分散剤の含有量が0.4質量%未満の場合、導電性粉末を均一に分散することができず、導電性粉末の凝集などが起こり、乾燥膜密度が高くならなかったり、粘度の経時変化を抑制できなかったりする場合がある。第1の分散剤の含有量が1質量%を超える場合、乾燥膜表面へ余剰な分散剤が残留し、積層、圧着時に乾燥膜表面とグリーンシート表面との密着性を阻害して剥離を生じる場合がある。
また、本実施形態に用いられる分散剤には、第1の分散剤以外に、下記の一般式(2)に示されるアミノ酸系分散剤を第2の分散剤として含有することが更に好ましい。第2の分散剤は、N−アシルアミノ酸骨格を有し、炭素数10以上20以下の鎖状炭化水素基を有する。
Figure 2020053348
(ただし、式(2)中、Rは、炭素数10〜20の鎖状炭化水素基を表す。)
上記式(2)中、Rは、炭素数10以上20以下の鎖状炭化水素基を表す。Rは、炭素数が好ましくは15以上20以下である。また、鎖状炭化水素基は、直鎖炭化水素基でもよく、分岐炭化水素基であってもよい。また、鎖状炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基であってもよい。Rは、好ましくは直鎖炭化水素基であり、より好ましくは直鎖アルケニル基であり、二重結合を有する。
本実施形態に係る導電性ペーストは、第2の分散剤、すなわち上記式(2)で示されるアミノ酸系分散剤を更に含有させることにより、粘度経時変化をより抑えることが可能となる。よって、第1の分散剤と第2の分散剤を含む導電性ペーストは、特に高精細な印刷を要求される電子部品などに好適に用いることができる。
第2の分散剤は、例えば、市販の製品から、上記特性を満たすものを選択して用いることができる。また、第2の分散剤は、従来公知の製造方法を用いて、上記特性を満たすように製造してもよい。
導電性ペースト中、第1の分散剤と、任意に第2の分散剤を含む、分散剤の総含有量は、導電性ペースト100質量%に対して0.4質量%以上2質量%以下である。第1の分散剤と第2の分散剤は、主な分散対象が異なると考えられ、分散剤の総含有量が0.4質量%以上2質量%以下の範囲である場合、分散性が向上し、粘度の変化量も低く抑えられる。分散剤の総含有量が0.4質量%未満の場合、分散剤の効果が十分得られない場合がある。分散剤の総含有量が2質量%を超える場合は、過剰な分散剤が乾燥膜表面に残留し、積層時に導電膜表面とグリーンシート表面との密着性を阻害して剥離を生じ、積層体を形成できない場合がある。
すなわち、第1の分散剤の含有量、及び、分散剤の総含有量が上記範囲内である場合、導電性ペーストの粘度を適切な範囲に調整することができ、また、シートアタックやグリーンシートの剥離不良を抑制することができる。
なお、本発明の導電性ペーストは、上記の第1及び第2の分散剤以外の分散剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。上記以外の分散剤としては、例えば、高級脂肪酸、高分子界面活性剤などを含む酸系分散剤、酸系分散剤以外のカチオン系分散剤、ノニオン系分散剤、両性界面活性剤及び高分子系分散剤などを含んでもよい。また、これらの分散剤は、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
(その他の成分)
本実施形態の導電性ペーストは、必要に応じて、上記の成分以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、消泡剤、分散剤、可塑剤、界面活性剤、増粘剤などの従来公知の添加物を用いることができる。
(導電性ペースト)
本実施形態の導電性ペーストの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。導電性ペーストは、例えば、上記の各成分を、ボールミル、ビーズミル、3本ロールミル、ミキサーなどで攪拌・混練することにより製造することができる。その際、導電性粉末の表面に予め分散剤を塗布すると、導電性粉末が凝集することなく十分にほぐれて、その表面に分散剤が行きわたるようになり、均一な導電性ペーストを得やすい。また、予め、バインダー樹脂を有機溶剤の一部に溶解させて、有機ビヒクルを作製した後、ペースト調整用の有機溶剤へ、導電性粉末、セラミック粉末、有機ビヒクル及び分散剤を添加した後、攪拌・混練し、導電性ペーストを作製してもよい。
導電性ペーストは、導電性ペーストの製造24時間経過後の粘度を基準(0%)とした場合、その基準日から110日間静置後の粘度は、±40%以内であるのが好ましい。なお、上記導電性ペーストの粘度は、例えば、実施例に記載した方法(ブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm(ずり速度=4sec−1)の条件で測定する方法)等により測定することができる。
導電性ペーストは、積層セラミックコンデンサなどの電子部品に好適に用いることができる。積層セラミックコンデンサは、誘電体グリーンシートを用いて形成される誘電体層及び導電性ペーストを用いて形成される内部電極層を有する。
積層セラミックコンデンサは、誘電体グリーンシートに含まれる誘電体セラミック粉末と導電性ペーストに含まれるセラミック粉末とが同一組成の粉末であることが好ましい。本実施形態の導電性ペーストを用いて製造される積層セラミックコンデンサは、誘電体グリーンシートの厚さが、例えば3μm以下である場合でも、シートアタックやグリーンシートの剥離不良が抑制される。
(電子部品)
以下、本発明の電子部品等の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面においては、適宜、模式的に表現することや、縮尺を変更して表現することがある。また、部材の位置や方向などを、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照して説明する。このXYZ直交座標系において、X方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向(上下方向)である。
図1A及び図1Bは、実施形態に係る電子部品の一例である、積層セラミックコンデンサ1を示す図である。積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層12及び内部電極層11を交互に積層した積層体10と外部電極20とを備える。
以下、上記導電性ペーストを使用した積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。まず、グリーンシートからなる誘電体層上に、導電性ペーストを印刷して、乾燥し、乾燥膜を形成する。この乾燥膜を上面に有する複数の誘電体層を、圧着により積層させて積層体(圧着体)を得た後、積層体を焼成して一体化することにより、内部電極層11と誘電体層12とが交互に積層したセラミック積層体10(積層体10)を作製する。その後、セラミック積層体10の両端部に一対の外部電極20を形成することにより積層セラミックコンデンサ1が製造される。以下に、より詳細に説明する。
まず、未焼成のセラミックシートであるグリーンシートを用意する。このグリーンシートとしては、例えば、チタン酸バリウム等の所定のセラミックの原料粉末に、ポリビニルブチラール等の有機バインダーとターピネオール等の溶剤とを加えて得た誘電体層用ペーストを、PETフィルム等の支持フィルム上にシート状に塗布し、乾燥させて溶剤を除去したもの等が挙げられる。なお、グリーンシートからなる誘電体層の厚みは、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサの小型化の要請の観点から、0.05μm以上3μm以下が好ましい。
次いで、このグリーンシートの片面に、スクリーン印刷法等の公知の方法によって、上述の導電性ペーストを印刷(塗布)して乾燥し、乾燥膜を形成したものを複数枚、用意する。なお、印刷後の導電性ペースト(乾燥膜)の厚みは、内部電極層11の薄層化の要請の観点から、乾燥後1μm以下とすることが好ましい。
次いで、支持フィルムから、グリーンシートを剥離するとともに、グリーンシートからなる誘電体層とその片面に形成された乾燥膜とが交互に配置されるように積層した後、加熱・加圧処理により積層体を得る。なお、積層体の両面に、導電性ペーストを塗布していない保護用のグリーンシートを更に配置する構成としても良い。
次いで、積層体を所定サイズに切断してグリーンチップを形成した後、当該グリーンチップに対して脱バインダー処理を施し、還元雰囲気下において焼成することにより、セラミック積層体10を製造する。なお、脱バインダー処理における雰囲気は、大気またはNガス雰囲気にすることが好ましい。脱バインダー処理を行う際の温度は、例えば200℃以上400℃以下である。また、脱バインダー処理を行う際の、上記温度の保持時間を0.5時間以上24時間以下とすることが好ましい。また、焼成は、内部電極層に用いる金属の酸化を抑制するために還元雰囲気で行われ、また、積層体の焼成を行う際の温度は、例えば、1000℃以上1350℃以下であり、焼成を行う際の、温度の保持時間は、例えば、0.5時間以上8時間以下である。
グリーンチップの焼成を行うことにより、グリーンシート中の有機バインダーが完全に除去されるとともに、セラミックの原料粉末が焼成されて、セラッミック製の誘電体層12が形成される。また乾燥膜中の有機ビヒクルが除去されるとともに、ニッケル粉末またはニッケルを主成分とする合金粉末が焼結もしくは溶融、一体化されて、内部電極が形成され、誘電体層12と内部電極層11とが複数枚、交互に積層された積層セラミック焼成体が形成される。なお、酸素を誘電体層の内部に取り込んで信頼性を高めるとともに、内部電極の再酸化を抑制するとの観点から、焼成後の積層セラミック焼成体に対して、アニール処理を施してもよい。
そして、作製した積層セラミック焼成体に対して、一対の外部電極20を設けることにより、積層セラミックコンデンサ1が製造される。例えば、外部電極20は、外部電極層21及びメッキ層22を備える。外部電極層21は、内部電極層11と電気的に接続される。なお、外部電極20の材料としては、例えば、銅やニッケル、またはこれらの合金が好適に使用できる。なお、電子部品は、積層セラミックコンデンサに限定されず、積層セラミックコンデンサ以外の電子部品であってもよい。
以下、本発明を実施例と比較例に基づき詳細に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
[使用材料]
(導電性粉末)
導電性粉末としては、CVD法で作製された市販の平均粒径0.3μmのNi粉末を使用した。
(セラミック粉末)
セラミック粉末としては、市販の平均粒径0.1μmのチタン酸バリウム(BaTiO)を使用した。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、市販のエチルセルロース樹脂(ダウケミカル社製STD−100)を使用した。
(分散剤)
(1)アミン系分散剤として、下記の分散剤A1〜A3を用いた。
分散剤A1:上記一般式(1)中、R=C1225、R=なし、R=CO、Y=0、Z=1で示され、HLB値が3.8のアミン系分散剤。
分散剤A2:上記一般式(1)中、R=C1225、R=CO、R=CO、Y=1、Z=1で示され、HLB値が6.4のアミン系分散剤。
分散剤A3:上記一般式(1)中、R=C1225、R=CO、R=CO、Y=1以上、Z=1以上で示され、HLB値が12.5のポリオキシエチレン基を有するアミン系分散剤(比較例として使用)。
(2)アミノ酸系分散剤として、上記一般式(2)中、R=C1733(直鎖炭化水素基)で示される分散剤Bを用いた。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、イソボルニルアセテートとエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを混合したものを使用した。
[実施例1]
Ni粉末46質量%、セラミック粉末6.9質量%、ビヒクル中のバインダー樹脂3.2質量%、アミン系分散剤(分散剤A1)を0.6質量%、アミノ酸系分散剤(分散剤B)を0.2質量%、及び、残部として有機溶剤を加え、全体として100質量%となるよう配合し、これらの材料を混合して導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度安定性、及び密着性を下記の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[評価方法]
(粘度安定性:導電性ペーストの粘度の変化量)
導電性ペーストの製造24時間経過後を基準時点とし、その基準時点と、室温(25℃)で基準時点より14日、28日、110日静置後における、それぞれのサンプルの粘度を下記の方法で測定した。そして、製造24時間経過後(基準時点)の粘度を基準(0%)とした場合の、各静置後のサンプルの粘度の変化量を百分率(%)で表した値([(静置後の粘度−製造24時間経過後の粘度)/製造24時間経過後の粘度]×100)を求め、粘度の変化量とした。
導電性ペーストの粘度は、ブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm(ずり速度=4sec−1)の条件で測定した。なお、導電性ペーストの粘度の変化量は少ないほど好ましい。110日静置後の導電性ペーストの粘度の変化量が40%以下である場合を「○」とし、40%を超える場合を「×」として、導電性ペーストの粘度安定性を評価した。
(密着性)
作製した導電性ペーストをグリーンシート上に、スクリーン印刷法にて印刷(塗布)し、乾燥させて、グリーンシート上に乾燥膜を形成したものを複数作製した。これらのシートを5枚積層し、80℃、100kg/cmの圧力で3分間、熱圧着処理を行い、積層体(圧着体)を形成した。得られた積層体において、密着性を以下の基準で評価した。
乾燥膜表面(電極層表面)と、上に積層させたグリーンシート底面との間に1か所でも剥離を生じた場合は、この間の密着性が弱いと判断して「×」とし、剥離を生じなかった場合は、「○」とした。
[実施例2]
アミン系分散剤として、分散剤A2を用いた以外は、実施例1と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度安定性、及び密着性を上記方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
セラミック粉末の含有量を11.5質量%とした以外は、実施例2と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度安定性、及び密着性を上記方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
アミン系分散剤として、分散剤A3を用いた以外は、実施例1と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度安定性、及び密着性を上記方法で評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例4〜6、比較例2〜4]
アミン系分散剤とアミノ酸系分散剤との含有量を、表2に示した様に変更させた以外は、実施例3と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度の変化量、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さ、及び密着性を上記方法で評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2020053348
Figure 2020053348
[評価結果]
実施例の導電性ペーストは、表1および2の結果に示されるように、110日後の粘度変化量が35%以下であり、積層体に剥離も観察されず、良好な粘度安定性や密着性を示した。
これに対し、HLB値が本発明の範囲よりも高い比較例1の導電性ペーストは、粘度安定性に劣り、14日後の粘度変化量が130%と大幅に変化しており、110日後には280%となり、同一の製造条件で導体を形成するのが困難であることが分かる。
また、アミン系分散剤の含有量が本発明の範囲よりも少ない比較例2の導電性ペーストは、構成材料の分散性が低く粘度安定性に劣り、14日後の粘度変化量が36%となり、110日後の粘度変化量が94%と粘度の変化が大きいことが分かる。アミン系分散剤の含有量が本発明の範囲より多い比較例3、及び分散剤の総含有量が本発明の範囲より多い比較例4の導電しペーストは、余剰な分散剤成分が導体表面に残留し、製造された積層体に剥離が生じ、密着性が低下した。
本実施形態に係る導電性ペーストは、分散性に優れるため、経時的な粘度安定性に非常に優れており、かつ積層体において十分な密着性を有しているため、同一ロットでの製造タイミングに差が生じても、同一製造条件でほぼ同じ状態の製品を歩留りよく製造することができる。よって、本実施形態に係る導電性ペーストは、特に携帯電話やデジタル機器などの電子機器のチップ部品(電子部品)である積層セラミックコンデンサの内部電極用の原料として好適に用いることができる。
1 積層セラミックコンデンサ
10 セラミック積層体
11 内部電極層
12 誘電体層
20 外部電極
21 外部電極層
22 メッキ層

Claims (12)

  1. 導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂、及び有機溶剤を含む導電性ペーストであって、
    前記分散剤が3.5以上7.0以下のHLB値を有する第1の分散剤を含有し、
    前記第1の分散剤の含有量が、導電性ペースト100質量%に対して、0.4質量%以上1質量%以下であり、
    かつ、前記分散剤の総含有量が、導電性ペースト100質量%に対して、0.4質量%以上2質量%以下である
    ことを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記第1の分散剤が、下記一般式(1)で示されるアミン系分散剤であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
    Figure 2020053348
    (ただし、式(1)中、Rは炭素数8〜16のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表し、Rはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、又は、メチレン基を表し、Rはオキシエチレン基、又は、オキシプロピレン基を表し、R及びRは、同一でもよく、又は、異なっていてもよい。また、式(1)中のN原子と、R及びR中のO原子とは直接結合せず、かつ、Yは0〜2の数であり、Zは1〜2の数である。)
  3. 前記分散剤が、下記一般式(2)で示されるアミノ酸系分散剤である第2の分散剤を更に含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性ペースト。
    Figure 2020053348
    (ただし、式(2)中、Rは、炭素数10〜20の鎖状炭化水素基を表す。)
  4. 前記導電性粉末が、Ag、Pd、Ni、Cu、Pt、Au、及び、これらの合金の中から選ばれる1種以上の粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  5. 前記導電性粉末を、導電性ペースト100質量%に対して、40質量%以上60質量%以下含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  6. 前記導電性粉末の平均粒径が、0.01μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  7. 前記セラミック粉末がBaTiOであり、セラミック粉末100質量%に対して、BaTiOを80質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  8. 前記セラミック粉末が、導電性ペースト100質量%に対して、2質量%以上30質量%以下含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  9. 前記セラミック粉末の平均粒径が0.02μm以上0.2μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  10. 前記バインダー樹脂が、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、及びブチラール系樹脂のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成した導体を有することを特徴とする電子部品。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電性ペーストを用いて形成した内部電極層と誘電体層とを積層した積層体を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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