JP2020052187A - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
[1]表示素子と、表示素子の光出射面側に配置された偏光子とを有する画像表示装置であって、前記画像表示装置は、前記偏光子の光出射面側に、ポリカーボネートを主成分とする面内位相差が300nm以下の樹脂板と、面内位相差が6000nm以上の光学フィルムとを有してなり、前記画像表示装置の画像表示時の表面温度を測定した際に、表面温度の平均より表面温度が5℃以上異なる領域を有する、画像表示装置。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、表示素子と、表示素子の光出射面側に配置された偏光子とを有する画像表示装置であって、前記画像表示装置は、前記偏光子の光出射面側に、ポリカーボネートを主成分とする面内位相差が300nm以下の樹脂板と、面内位相差が6000nm以上の光学フィルムとを有してなり、前記画像表示装置の画像表示時の表面温度を測定した際に、表面温度の平均より表面温度が5℃以上異なる領域を有するものである。
図1及び図2の画像表示装置100は、表示素子10の光出射面側に偏光子20を有し、さらに、偏光子20の光出射面側にポリカーボネートを主成分とする面内位相差が300nm以下の樹脂板30と、面内位相差が6000nm以上の光学フィルム40とを有している。なお、図1の画像表示装置100は、樹脂板30よりも光学フィルム40が光出射側(視認者側)に配置されており、図2の画像表示装置100は、光学フィルム40よりも樹脂板30が光出射側(視認者側)に配置されている。
以下、ポリカーボネートを主成分とする面内位相差が300nm以下の樹脂板のことを「低位相差PC樹脂板」、面内位相差が6000nm以上の光学フィルムのことを「高位相差フィルム」と略称する場合がある。
表示素子としては、特に限定されず、液晶表示素子、EL(無機EL、有機EL)表示素子、プラズマ表示素子及びLED表示素子(マイクロLEDなど)等が挙げられる。なお、液晶表示素子は、タッチパネル機能を素子内に備えたインセルタッチパネル液晶表示素子であってもよい。
表示素子が液晶表示素子の場合、画像表示装置は、液晶表示素子の背面にバックライトが配置される。
バックライトとしては、エッジライト型バックライト、直下型バックライトの何れも用いることができる。
光源として量子ドットを用いたバックライトは、少なくとも、一次光を放出する一次光源と、一次光を吸収して二次光を放出する量子ドットからなる二次光源から構成される。
一次光源が青に相当する波長の一次光を放出する場合、二次光源である量子ドットは、一次光を吸収して赤に相当する波長の二次光を放出する第1量子ドット、及び一次光を吸収して緑に相当する波長の二次光を放出する第2量子ドットの少なくとも一種を含むことが好ましく、前記第1量子ドット及び前記第2量子ドットの両方を含むことがより好ましい。
量子ドットは、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる材料であれば特に限定されない。
量子ドットは、バックライトを構成する光学部材中に含有させればよい。
偏光子は、表示素子の出射面側であって、低位相差PC樹脂板及び高位相差フィルムよりも表示素子側に配置される。
偏光子としては、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等のシート型偏光子、平行に並べられた多数の金属ワイヤからなるワイヤーグリッド型偏光子、リオトロピック液晶や二色性ゲスト−ホスト材料を塗布した塗布型偏光子、多層薄膜型偏光子等が挙げられる。なお、これらの偏光子は、透過しない偏光成分を反射する機能を備えた反射型偏光子であってもよい。
偏光子の両面は、プラスチックフィルム、ガラス等の透明保護板で覆うことが好ましい。該透明保護板として、低位相差PC樹脂板又は高位相差フィルムを用いることも可能である。
また、表示素子が液晶表示素子の場合、液晶表示素子の光入射面側には背面偏光子が配置され、液晶表示素子の光出射面側に配置された偏光子の吸収軸と、背面側偏光子の吸収軸とを直交して配置することにより、液晶シャッターの機能を付与するために使用される。
本発明の画像表示装置は、偏光子の光出射面側に、ポリカーボネートを主成分とする面内位相差が300nm以下の樹脂板(低位相差PC樹脂板)を有する。
(A)個々のポリカーボネート分子は固有複屈折が大きいが、低位相差PC樹脂板内では、個々のポリカーボネート分子がランダムな方向を向くことで、面全体としての複屈折を小さくして、面内位相差を300nm以下としている。
(B)低位相差PC樹脂板の面内で局所的に温度が異なる領域が生じることで、該局所的な領域とそれ以外の領域とでポリカーボネート分子が異なる挙動を示す。該局所的な領域とそれ以外の領域とでは、ポリカーボネート分子の挙動はそれほど大きく違わないと推測される。しかし、ポリカーボネート分子は固有複屈折が大きいため、該局所的な領域とそれ以外の領域とで複屈折に差が生じる。
(C)該局所的な領域とそれ以外の領域との複屈折の違いが僅かでも、低位相差PC樹脂板は初期の面内位相差が小さいため、2つの領域の面内位相差の比をとった場合、該比は1.0から大きく外れた値となる。さらに、面内位相差が小さい範囲では、面内位相差の少しの違いによっても透過光の性質が大きく変化することから、該局所的な領域と周辺領域とで異なる色味を呈するようになる。
位相差PC樹脂板の面内位相差は250nm以下であることが好ましく、230nm以下であることがより好ましい。位相差PC樹脂板の面内位相差の下限は特に限定されないが10nm程度である。
面内位相差=(nx−ny)×d(nm)
なお、本明細書において、面内位相差は、25℃、波長589nmにおける面内位相差のことをいう。
本明細書において、面内位相差は、16箇所の面内位相差の測定値の平均値とすることが好ましい。
16の測定箇所は、測定サンプルの外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域に関して、縦方向及び横方向を5等分する線を引いた際の、交点の16箇所を測定の中心とすることが好ましい。例えば、測定サンプルが四角形の場合、四角形の外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域を縦方向及び横方向に5等分した点線の交点の16箇所を中心として面内位相差を測定することが好ましい。なお、測定サンプルが円形、楕円形、三角形、五角形等の四角形以外の形状の場合、これら形状に内接する四角形を描き、該四角形に関して、上記手法による16箇所の測定を行うことが好ましい。
低位相差PC樹脂板の厚みを0.5mm以上とすることにより、耐衝撃性を良好にすることができ、また、本発明の課題(局所的に温度が相違することによる、局所的な色味の相違)が生じやすくなる。
なお、低位相差PC樹脂板の必要以上に厚くすると、画像表示装置全体の厚みが増す一方で、耐衝撃性を向上する効果は飽和する。このため、低位相差PC樹脂板の厚みは、10.0mm以下であることが好ましく、7.0mm以下であることがより好ましく、5.0mm以下であることがさらに好ましい。
ポリカーボネートの含有量を50質量%以上とすることにより、耐衝撃性を良好にすることができ、また、本発明の課題(局所的に温度が相違することによる、局所的な色味の相違)が生じやすくなる。
なお、低位相差PC樹脂板の面内位相差を300nm以下とするために、射出成形の場合は、ゲートから射出される組成物の流動を緩やかにしたり、ゲートを複数の箇所としたり、型の温度を高くしたりすることが好ましい。
また、低位相差PC樹脂板の面内位相差を300nm以下とするために、押出成形の場合は、組成物の押出速度を緩やかにしたり、MD方向及びTD方向のテンションを低くしたりすることが好ましい。
本発明の画像表示装置は、偏光子の光出射面側に、上述した低位相差PC樹脂板に加えて、面内位相差が6000nm以上の光学フィルム(高位相差フィルム)を有する。
画像表示装置が高位相差フィルムを含まない場合、画像表示装置に局所的に表面温度が異なる領域が生じた際に、画像表示装置の面内に局所的に異なる色味が視認されてしまう。特に、偏光サングラスを介して画像表示装置を視認した際に、局所的に異なる色味が視認されやすい。一方、画像表示装置が高位相差フィルムを含む場合、画像表示装置の表面温度に局所的に異なる領域が生じたとしても、画像表示装置の面内に局所的に異なる色味が視認されることを抑制できる。
なお、画像表示装置の面内に局所的に異なる表面温度領域を生じさせる熱源の位置及び熱分布は様々であるため、局所的な領域に生じた面内位相差の方向も様々なものになると考えられる。本発明では、高位相差フィルムの面内位相差を6000nm以上と高く設定しておくことにより、低位相差PC樹脂板の局所的な領域に生じた面内位相差の方向性に関わらず、局所的に異なる色味が生じることを抑制している。
なお、高位相差フィルムの面内位相差が大き過ぎると、高位相差フィルムの厚みが増す傾向にある。このため、高位相差フィルムの面内位相差は30000nm以下であることが好ましく、20000nm以下であることがより好ましく、15000nm以下であることがさらに好ましい。
光透過性基材としては、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、アクリルフィルム等のプラスチックフィルムを延伸したものが挙げられる。これらの中でも、複屈折率を大きくしやすいという観点から、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルムを延伸したものが好ましい。
延伸は、縦一軸延伸、テンター延伸、逐次二軸延伸及び同時二軸延伸等が挙げられる。
ポリエステルフィルムを延伸したもの(延伸ポリエステルフィルム)は、ポリカーボネートフィルムよりも正分散性が強く、上記効果を発揮しやすい点で好ましい。
ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム)等が挙げられる。
B1(450)/B1(589)<B2(450)/B2(589) (1)
B1(589)/B1(650)<B2(589)/B2(650) (2)
高位相差フィルムのガラス転移温度を55℃以上とすることにより、画像表示時に温度が上昇した際に、高位相差フィルムの面内位相差の値を維持しやすくできる。
高位相差フィルムを低位相差PC樹脂板よりも表示素子側に配置する場合、高位相差フィルムの遅相軸の方向と、表示素子上の偏光子の吸収軸の方向とが略45度となるように配置することが好ましい。高位相差フィルムの遅相軸の方向と、表示素子上の偏光子の吸収軸の方向とを前記のように配置することにより、局所的な色味の相違を抑制しやすくできる。
なお、本明細書において、略45度とは、45度±10度を意味し、好ましくは45度±5度、より好ましくは45度±3度、さらに好ましくは45度±1度である。
低位相差PC樹脂板及び高位相差フィルムは、機能層を有していてもよい。
機能層としては、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層、接着剤層、着色層及び透明導電層等が挙げられる。
本発明の画像表示装置は、表示素子上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き画像表示装置であってもよい。
タッチパネルと、低位相差PC樹脂板及び高位相差フィルムとの厚み方向における位置関係は特に限定されない。また、タッチパネルの構成部材として、低位相差PC樹脂板及び高位相差フィルムの少なくとも何れかを含んでいてもよい。タッチパネルの構成部材としては、例えば、基材上に透明導電層を有してなる透明導電性フィルムの基材が挙げられる。
本発明の画像表示装置は、画像表示時の表面温度を測定した際に、表面温度の平均より表面温度が5℃以上異なる領域を有する。
近年の画像表示装置は、画面の大型化、画像の高解像度化により、ICへの負荷が増加し、ICが発熱しやすくなっている。通常、ICは動作不良を防ぐために放熱性を高めた設計がなされているが、それでも周辺部材に比べて温度が高くなることは避けられない。そして、画像表示装置内でのICの配置の仕方によっては、表面温度が局所的に異なる領域を生じさせると考えられる。ICを原因として表面温度が局所的に異なる領域を生じる場合、該領域は画面の端部近傍であることが多い。
ポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃で4.0倍固定端一軸延伸して、面内に複屈折性を有する光学フィルムを作製した。この光学フィルムの波長589nmにおける屈折率nx=1.701、ny=1.6015であり、Δn=0.0995であった。
この光学フィルムの膜厚を調整し、以下の面内位相差(Re)を有する光学フィルムi〜viを得た。面内位相差(Re)は明細書本文の16箇所の測定値の平均値とした。
光学フィルムi :Re=3000nm
光学フィルムii :Re=4000nm
光学フィルムiii:Re=6000nm
光学フィルムiv :Re=7000nm
光学フィルムv :Re=8000nm
光学フィルムvi :Re=10000nm
ポリカーボネートを主成分とする下記の市販の樹脂板i〜iiを準備した。なお、樹脂板の大きさは後述するライトテーブルのサイズに合わせ、面内位相差(Re)は明細書本文の16箇所の測定値の平均値とした。
樹脂板i :厚み2.0mm、Re=84.75nm
樹脂板ii:厚み2.0mm、Re=321.2nm
3−1.実施例1
市販の白色光ライトテーブル(富士フィルム社製の商品名「LEDビュワープロ 4×5」、外形寸法:186×111×13mm、光源:白色LED)上に、偏光板、光学フィルムiii及び樹脂板iをこの順に配置して、実施例1の擬似画像表示装置を作製した。偏光板は、偏光子の吸収軸がライトテーブルの横方向(水平方向)と平行になるように配置した。また、偏光板の偏光子の吸収軸と、光学フィルムiの遅相軸とが成す角度は45度とした。
光学フィルム及び樹脂板の種類を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4及び比較例2〜3の擬似画像表示装置を作製した。
なお、表1の「上」及び「下」は、画像表示装置における光学フィルムと樹脂板との位置関係を意味する。
市販の白色光ライトテーブル(富士フィルム社製の商品名「LEDビュワープロ 4×5」、外形寸法:186×111×13mm、光源:白色LED)上に、偏光板、樹脂板i及び光学フィルムvをこの順に配置して、実施例5の擬似画像表示装置を作製した。偏光板は、偏光子の吸収軸がライトテーブルの横方向(水平方向)と平行になるように配置した。また、偏光板の偏光子の吸収軸と、光学フィルムvの遅相軸とが成す角度は45度とした(擬似画像表示装置の水平方向に対して、光学フィルムvの遅相軸の方向が45度)。
市販の白色光ライトテーブル(富士フィルム社製の商品名「LEDビュワープロ 4×5」、外形寸法:186×111×13mm、光源:白色LED)上に、偏光板及び樹脂板iをこの順に配置して、比較例1の擬似画像表示装置を作製した。
市販の白色光ライトテーブル(ハクバ社製の商品名「ライトビュアー5700」、照明面サイズ:W180mm×H130mm、光源:冷陰極菅)上に、偏光板及び樹脂板iiをこの順に配置して、参考例1の擬似画像表示装置を作製した。
実施例、比較例及び参考例で得られた擬似画像表示装置のライトテーブルの電源を入れた後、擬似画像表示装置の最表面に加熱した金属片を載置して、局所的な温度ムラを強制的に生じさせた。金属片を除去し、サーモグラフィで金属片が載置されていた箇所と、それ以外の箇所との温度差をチェックしながら、偏光サングラスを介して擬似画像表示装置の局所的な色ムラを下記の基準で評価した。評価は該温度差が5〜10℃の時に行った。結果を表1に示す。なお、擬似画像表示装置のライトテーブルは白表示した表示素子とみなせるため、擬似画像表示装置を用いた上記評価は、請求項の構成と対応した適切な評価であるといえる。
A:いかなる角度から観察しても局所的な色ムラが視認されない。
B:擬似画像表示装置と正対する方向の近傍から観察した際は局所的な色ムラが視認されないが、該方向から大きく外れた角度から観察した際には局所的な色ムラが視認される。
C:擬似画像表示装置と正対する方向において、局所的な色ムラがうっすらと視認される。
D:擬似画像表示装置と正対する方向において、局所的な色ムラがはっきりと視認される。
20:偏光子
30:樹脂板
40:光学フィルム
100:表示装置
Claims (6)
- 表示素子と、表示素子の光出射面側に配置された偏光子とを有する画像表示装置であって、前記画像表示装置は、前記偏光子の光出射面側に、ポリカーボネートを主成分とする面内位相差が300nm以下の樹脂板と、面内位相差が6000nm以上の光学フィルムとを有してなり、前記画像表示装置の画像表示時の表面温度を測定した際に、表面温度の平均より表面温度が5℃以上異なる領域を有する、画像表示装置。
- 前記樹脂板の厚みが0.5mm以上である、請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記樹脂板よりも前記表示素子側に前記光学フィルムを配置してなる、請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 前記表示素子上にタッチパネルが配置されてなる、請求項1〜3の何れか1項に記載の画像表示装置。
- 前記樹脂板及び前記光学フィルムの少なくとも何れかを前記タッチパネルの構成部材として含む、請求項4に記載の画像表示装置。
- 前記光学フィルムを前記タッチパネルの構成部材として含み、前記樹脂板よりも前記表示素子側に前記タッチパネルを配置してなる、請求項4に記載の画像表示装置。
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