JP2020052130A - クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されるクリーニングブレードを提供すること。【解決手段】金属酸化物を含む第一層と、ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層と、永久伸びが2%未満の弾性層である第三層と、がこの順に設けられたクリーニングブレード。【選択図】図1

Description

本発明は、クリーニングブレード、クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等において、像保持体等の被クリーニング部材の表面を清掃して残存トナー等の清掃対象を清掃するためのクリーニング手段として、クリーニングブレードが用いられている。
例えば、特許文献1には、「被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体をクリーニングするクリーニングブレードにおいて、短冊形状の弾性体ブレードと、前記弾性体ブレードの先端稜線部を覆い、鉛筆硬度が7H以上、摩擦係数が0.1以上0.3以下の表面層とで構成したことを特徴とするクリーニングブレード。」が記載されている。
また、特許文献2には、「画像形成装置に備えられ、回転駆動される像担持体の表面よりトナーを除去するクリーニング装置であって、像担持体の表面にエッジ部分を当接させてトナーを除去するブレードが備えられると共に、該ブレードにおける像担持体の回転方向上流側に、像担持体の表面にブラシの先端を接触させて潤滑剤を供給する回転ブラシが備えられ、上記ブレードのブレード材質は反発弾性10〜45%で、ヤング率5〜11MPaであることを特徴とするクリーニング装置。」が記載されている。
また、特許文献3には、「ゴム状弾性体からなる板状基材の表面の少なくとも一部に、酸素とガリウム元素を含んで構成される表面層を有し、且つ、該表面層の酸素の含有量が15原子%以上であることを特徴とする画像形成装置用ブレード。」が記載されている。
特開2009−223071号公報 特開2007−163708号公報 特開2009−237158号公報
クリーニングブレードを用いたクリーニング手段においては、例えば、クリーニングブレードを被クリーニング部材(例えば像保持体)の表面に押し当て、被クリーニング部材上に存在する清掃対象物(例えば残留トナー)を堰き止めて掻き落とすことで除去する。
ここで、例えば、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近い重合トナーが用いられることがある。そして、像保持体の表面に残留した重合トナーをクリーニングブレードで除去する場合、クリーニングブレードと像保持体の表面との間の隙間を重合トナーがすり抜け、クリーニング不良が発生することがある。
上記すり抜けによるクリーニング不良を抑制する方法として、クリーニングブレードの硬度を下げつつ被クリーニング部材に対する圧力を高める方法が挙げられる。しかし、上記方法では、被クリーニング部材に対するクリーニングブレードの摺擦力が上がることでクリーニングブレード及び被クリーニング部材の摩耗が促進されることがある。
一方、被クリーニング部材への摺擦力を低下させる方法として、金属酸化物を含む表面層をクリーニングブレードの表面に設ける方法が挙げられる。上記表面層が設けられたクリーニング部材を用いると、被クリーニング部材への摺擦力が低下し摩耗が抑制されるものの、クリーニングブレードの硬度が上がることで初期のクリーニング性が得られにくくなることがある。
そこで、本発明の課題は、金属酸化物を含む第一層と永久伸びが2%以下の弾性層である第三層とが直接接して設けられたクリーニングブレードに比べ、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されるクリーニングブレードを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
金属酸化物を含む第一層と、
ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層と、
永久伸びが2%未満の弾性層である第三層と、
がこの順に設けられたクリーニングブレード。
<2>
前記第一層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下である<1>に記載のクリーニングブレード。
<3>
前記第一層の厚みが0.5μm以上5.0μm以下である<2>に記載のクリーニングブレード。
<4>
前記第二層の厚みは、前記第一層の厚みの20倍以上10000倍以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のクリーニングブレード。
<5>
前記金属酸化物は、第13族元素の酸化物である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のクリーニングブレード。
<6>
前記金属酸化物は、酸化ガリウムである<5>に記載のクリーニングブレード。
<7>
前記第二層のヤング率は、4MPa以上5.5MPa以下である<1>〜<6>のいずれか1つに記載のクリーニングブレード。
<8>
動摩擦係数が0.05以上0.5以下であり、ヤング率が10MPa以上200,000MPa以下である第一層と、
ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層と、
永久伸びが2%未満の弾性層である第三層と、
がこの順に設けられたクリーニングブレード。
<9>
<1>〜<8>のいずれか1つに記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
<10>
<9>に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジ。
<11>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面をクリーニングする、<9>に記載のクリーニング装置と、
を備える画像形成装置。
<1>、<5>、又は<6>に係る発明によれば、金属酸化物を含む第一層と永久伸びが2%未満の弾性層である第三層とが直接接して設けられたクリーニングブレードに比べ、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されるクリーニングブレードが提供される。
<2>に係る発明によれば、第一層の厚みが5.0μmを超える場合に比べ、第一層の割れに起因するクリーニング性の低下が抑制されるクリーニングブレードが提供される。
<3>に係る発明によれば、第一層の厚みが0.5μm以上5.0μm以下であっても、金属酸化物を含む第一層と永久伸びが2%未満の弾性層である第三層とが直接接して設けられたクリーニングブレードに比べ、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されるクリーニングブレードが提供される。
<4>に係る発明によれば、第二層の厚みが第一層の厚みの10000倍を超える場合に比べ、第一層の割れに起因するクリーニング性の低下が抑制されるクリーニングブレードが提供される。
<7>に係る発明によれば、第二層のヤング率が5.5MPaを超える場合に比べ、初期のクリーニング性に優れたクリーニングブレードが提供される。
<8>に係る発明によれば、動摩擦係数が0.05以上0.5以下であり、ヤング率が10MPa以上200,000MPa以下である第一層と永久伸びが2%未満の弾性層である第三層とが直接接して設けられたクリーニングブレードに比べ、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されるクリーニングブレードが提供される。
<9>、<10>、又は<11>に係る発明によれば、金属酸化物を含む第一層と永久伸びが2%未満の弾性層である第三層とが直接接して設けられたクリーニングブレードを備えた場合に比べ、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されるクリーニングブレードを備えたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
第1の態様に係るクリーニングブレードの層構成の一例を示す概略図である。 第1の態様に係るクリーニングブレードの使用時における配置の一例を示す模式図である。 第一層の形成に用いられる成膜装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態に係るクリーニング装置の一例を示す模式断面図である。 クリーニングブレードの押し付け力NFの算出方法を説明するための図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、「質量部」及び「質量%」との記載は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」と同義である。
[クリーニングブレード]
<第1の態様>
第1の態様に係るクリーニングブレードは、金属酸化物を含む第一層と、ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層と、永久伸びが2%未満の弾性層である第三層と、がこの順に設けられたものである。
図1に、第1の態様に係るクリーニングブレードの層構成の一例を示す。図1に示すクリーニングブレード10は、金属酸化物を含む第一層14と、ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層16と、永久伸びが2%未満の弾性層である第三層18と、で構成されている。
なお、図1に示すクリーニングブレード10は、第一層14、第二層16、及び第三層18が互いに直接接して配置されているが、これに限られるものではない。第1の態様に係るクリーニングブレードは、少なくとも上記第一層、第二層、第三層をこの順に有していればよく、必要に応じて他の層(例えば接着層等)をさらに有していてもよい。
次に、第1の態様に係るクリーニングブレードの使用時における配置について説明する。クリーニングブレードの使用時には、例えば、クリーニングブレードの端部を被クリーニング部材(例えば像保持体)の表面に押し当て、被クリーニング部材上の清掃対象物(例えば残留トナー)を堰き止めて掻き落とすことで除去する。つまり、クリーニングブレードは、使用時において、被クリーニング部材の表面に接触するよう配置されて用いられる。
図2に、第1の態様に係るクリーニングブレードの使用時における配置の一例を模式的に示す。
図2に示すように、クリーニングブレード10の使用時は、クリーニングブレード10の第一層14における端部12が、局所的に反った状態(すなわちタックした状態)で被クリーニング部材20に接触している。そして、端部12が被クリーニング部材20に接触したまま、被クリーニング部材20が矢印G方向に移動することで、被クリーニング部材20の表面に存在する清掃対象物Tが、クリーニングブレード10の端部12によって掻き取られ、除去される。
第1の態様に係るクリーニングブレードは、前記構成であることにより、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立される。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
例えば、重合法等により形成された小粒径で球形に近い重合トナーを用いて画像形成を行った後、像保持体の表面に残留した重合トナーをクリーニングブレードで除去する場合、クリーニングブレードと像保持体の表面との間の隙間を重合トナーがすり抜け、クリーニング不良が発生することがある。
上記すり抜けによるクリーニング不良を抑制する方法として、クリーニングブレードの硬度を下げつつ被クリーニング部材に対する圧力を高める方法が挙げられる。上記方法では、上記すり抜けが抑制され初期には良好なクリーニング性が得られるものの、被クリーニング部材に対するクリーニングブレードの摺擦力が上がることで、クリーニングブレード及び被クリーニング部材の摩耗が促進されることがある。そして、前記摩耗が促進されると、良好なクリーニング性が維持されにくいことがある。
一方、被クリーニング部材への摺擦力を低下させる方法として、金属酸化物を含む表面層をクリーニングブレードの表面に設ける方法が挙げられる。上記表面層が設けられたクリーニング部材を用いると、クリーニングブレードの硬度が上がることで、クリーニングブレードの端部が局所的に反りにくく、被クリーニング部材への接触面積が小さくなることで、初期のクリーニング性が得られにくくなることがある。
これに対して、第1の態様では、金属酸化物を含む第一層と永久伸びが前記範囲の弾性層である第三層との間に、ヤング率が前記範囲の弾性層である第二層を設けている。
そのため、第一層を被クリーニング部材に接触させて残留物の除去を行うと、第一層の低い摩擦係数により被クリーニング部材への摺擦力が低下しつつ、第二層の低いヤング率により被クリーニング部材への接触面積が大きくなると考えられる。つまり、第1の態様におけるクリーニングブレードは、ヤング率の低い第二層を備えることで、被クリーニング部材に接触する表面(すなわち第一層)の硬度が高くても、端部における局所的な反りが起こりやすく、接触面積が大きくなると考えられる。それにより、すり抜けに伴うクリーニング不良が起こりにくく、かつ、被クリーニング部材及びクリーニングブレードの摩耗に伴うクリーニング性の低下も起こりにくくなるため、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立される。
加えて、第三層の永久伸びが低いことにより、長期に亘ってクリーニングブレードを使用し、使用時にクリーニングブレードの先端が局所的に反っても、へたりに起因する清掃対象物のすり抜けが起こりにくい。つまり、長期使用によりクリーニングブレードのへたりが生じると、被クリーニング部材への接触圧力が低下することで、清掃対象物のすり抜けが起こりやすくなることがあるが、本実施形態ではクリーニングブレードのへたりが生じにくいため、経時のクリーニング維持性が良好になると考えられる。
以上のことから、第1の態様では、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されると推測される。
<第2の態様>
第2の態様に係るクリーニングブレードは、動摩擦係数が0.05以上0.5以下であり、ヤング率が10MPa以上200,000MPa以下である第一層と、ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層と、永久伸びが2%未満の弾性層である第三層と、がこの順に設けられたものである。
第2の態様に係るクリーニングブレードは、上記第一層、第二層、及び第三層が互いに直接接して配置されていてもよく、必要に応じて他の層(例えば接着層等)をさらに有していてもよい。
第2の態様に係るクリーニングブレードの層構成及び使用時における配置等については、第1の態様と同様であるため、説明を省略する。
第2の態様に係るクリーニングブレードは、上記構成であることにより、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立される。その理由は定かではないが、第1の態様と同じ作用によるものであると推測される。
具体的には、第一層と第三層との間にヤング率が前記範囲の弾性層である第二層を設けることで、第一層の低い摩擦係数により被クリーニング部材への摺擦力が低下しつつ、第二層の低いヤング率により被クリーニング部材への接触面積が大きくなると考えられる。それにより、すり抜けに伴うクリーニング不良が起こりにくく、かつ、被クリーニング部材及びクリーニングブレードの摩耗に伴うクリーニング性の低下も起こりにくくなるため、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立される。加えて、第三層の永久伸びが低いことにより、長期にわたってクリーニングブレードを使用し、使用時にクリーニングブレードの先端が局所的に反っても、へたりに起因する清掃対象物のすり抜けが起こりにくく、経時のクリーニング維持性が良好になると考えられる。
以上のことから、第2の態様では、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されると推測される。
以下、第1の態様及び第2の態様の総称として、「本実施形態」という場合がある。
本実施形態におけるクリーニングブレードを構成する各層について、詳細に説明する。
<第一層>
第1の態様においては、第一層が少なくとも金属酸化物を含み、第2の態様においては、第一層が金属酸化物を含むことが好ましい。また、第一層は、金属酸化物を主成分(すなわち最も含有量の多い成分)として含む層であることが好ましく、金属酸化物の層状物であることがより好ましい。
金属酸化物の層状物としては、例えば、金属酸化物のCVD膜、金属酸化物の蒸着膜、金属酸化物のスパッタ膜等が挙げられる。金属酸化物の層状物は、必要に応じて、水素原子及び炭素原子から選ばれる少なくとも一種を含む層であってもよい。
金属酸化物としては、第13族元素及び酸素を含有する金属酸化物(すなわち、第13族元素の酸化物)が好ましい。
第13族元素及び酸素を含有する金属酸化物としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられ、その中でも特に酸化ガリウムが好ましい。
第13族元素及び酸素を含有する金属酸化物の層状物は、必要に応じて、他の元素(例えば、Zn、C、Si、Ge、Sn、N、Be、Mg、Ca、Sr等)を含んでもよい。
第13族元素及び酸素を含有する金属酸化物の層状物は、前記層状物を構成する全元素に対する、第13族元素、酸素、及び水素の元素構成比率の和が90原子%以上であることが好ましい。また、上記元素構成比率の和は、95原子%以上が好ましく、96原子%以上がより好ましく、97原子%以上が更に好ましい。
ここで、前記層状物における各元素の確認、元素構成比率等は、ラザフォードバックスキャタリング(以下、「RBS」と称する)により求められる
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは109°とする。
RBS測定は、具体的には以下のように行う
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
なお、水素の元素構成比率は、ハイドロジェンフォワードスキャタリング(以下、「HFS」と称する)により求められる。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
HFS測定は、He++イオンビームに対して検出器が30°に、試料が法線から75°になるようにセットすることにより、試料の前方に散乱する水素のシグナルを拾う。この時検出器をアルミ箔で覆い、水素とともに散乱するHe原子を取り除くことがよい。定量は参照用試料と被測定試料との水素のカウントを阻止能で規格化した後に比較することによって行う。参照用試料としてSi中にHをイオン注入した試料と白雲母を使用する。
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
第一層の厚みは、例えば0.1μm以上5.0μm以下の範囲が挙げられる。第一層の割れ抑制の観点からは、0.1μm以上3.0μm以下が好ましく、0.1μm以上1.0μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.5μm以下がさらに好ましい。
なお、第一層が厚すぎると、端部が反った状態になりにくく、被クリーニング部材との接触面積が少なくなることがある。しかし、本実施形態では前記第二層を有するため、第二層を有さない場合に比べて第一層が厚くても端部が反りやすく、被クリーニング部材に対する接触面積が確保され、クリーニング性が良好となりやすい。その観点から、第一層の厚みは、0.5μm以上5.0μm以下であってもよく、0.6μm以上5.0μm以下であってもよく、1.0μm超え5.0μm以下であってもよい。
第一層の厚みは、例えば、クリーニングブレードの断面をマイクロスコープ(キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−200)で観察し、5箇所の測定値を平均することで算出される。
なお、第一層は、少なくとも被クリーニング部材との接触領域に設けられていればよいが、製造容易性の観点から、第二層における第三層と反対側の面全体を覆うように設けられていてもよい。
(第一層の特性)
第1の態様においては、第一層の動摩擦係数が0.05以上0.5以下、かつ、第一層のヤング率が10MPa以上200,000MPa以下であることが好ましい。また、第2の態様においては、第一層の動摩擦係数が0.05以上0.5以下、かつ、第一層のヤング率が10MPa以上200,000MPa以下である。
動摩擦係数及びヤング率がいずれも上記範囲である層としては、例えば、前述の金属酸化物を含む層が挙げられる。
第一層の動摩擦係数は、0.1以上0.4以下であることがより好ましく、0.1以上0.2以下であることがさらに好ましい。第一層の動摩擦係数が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べ、被クリーニング部材への摺擦力が低下し、クリーニングブレードの摩耗が抑制され、経時のクリーニング維持性が良好となる。
また、第一層のヤング率は、20MPa以上200,000MPa以下であることがより好ましく、50MPa以上200,000MPa以下であることがさらに好ましい。本実施形態では、第二層を有するため、第一層のヤング率が上記範囲であっても、クリーニングブレードの端部が局所的に反りやすく、被クリーニング部材への接触面積が小さくなりにくい。
なお、第一層の動摩擦係数は、第一層における第二層と反対側の面の動摩擦係数であり、上記動摩擦係数は、ヘイドン式摩擦係数測定機(ヘイドン社製)によって、温度22℃、湿度55%の環境で測定した値が用いられる。
また、上記ヤング率は、ナノインデンテーション法を用いて測定される。具体的には、(株)フィッシャー・インストルメンツ製、PICODENTOR HM500、及び、Berkovich型ダイヤモンド圧子を用い、押込み深さ−荷重曲線を測定し、負荷を最大押込み深さ1000nmで与え、続いて除荷をした場合の除荷曲線の傾きをヤング率として求める。
(第一層の形成方法)
第一層の形成には、例えば、各種蒸着法(例えば、PVD:物理気相成長法、CVD:化学気相成長法)が用いられる。具体的には、例えば、プラズマCVD法(例えば、マイクロ波プラズマCVD法、直流プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、有磁場プラズマCVD法等)、イオンビーム・スパッタ法、イオンビーム蒸着法、反応性プラズマ・スパッタ法、アンバランスドマグネトロンスパッタ法、分子線エキタピシー法、等が挙げられる。これらの中でも、製膜速度が速く、被覆性が高いという観点から、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法が好ましい。
第一層は、例えば、第二層及び第三層が積層した基材(例えば板状基材)における第二層側の表面に、上記気相成膜法等によって形成される。
以下、第一層の形成に用いる成膜装置の一例を図面に示しつつ具体例を挙げて説明する。なお、以下の説明は、ガリウム、酸素、及び水素を含んで構成された層の形成方法について示すが、これに限られず、目的とする層の組成に応じて、周知の形成方法を適用すればよい。
図3は、上記第一層の形成に用いられる成膜装置の一例を示す概略模式図である。
図3に示されるように、成膜装置100は、仕切り部101aを有する真空容器101と、板状基材112を保持する成膜ジグ103と、高周波電源部105a及び放電電極105bからなる放電部105と、プロセスガスを供給する供給口107aと接続するプロセスガス供給部107と、材料ガスを供給する供給口109aを接続する材料ガス供給部109と、排気口111aと接続する排気装置111と、を有する。
図3に示される成膜装置において、真空容器101の一端には、排気口111aを介して排気装置111が設けられており、また、真空容器101の排気装置111(排気口111a)が設けられた側と反対側に、プロセスガスを供給する供給口107a、材料ガスを供給する供給口109a、及び放電部105が設けられている。
また、真空容器101内には、板状基材112を保持する成膜ジグ103が設けられている。この成膜ジグ103は、多角形断面を有しており、この辺に板状基材112を保持する機能を有する。また、成膜ジグ103は、図示されない回転装置により、板状基材112を保持したまま矢印方向に回転される。
放電部105は、放電面が排気装置111(排気口111a)側に設けられた放電電極105bと、放電電極105bの放電面と反対側の面に接続された高周波電源部105aとから構成されている。
また、放電電極105bに近接して、プロセスガスを供給するための供給口107aが設けられており、この供給口107aはプロセスガス供給部107に接続されている。
更に、仕切り部101aに対して、供給口107aとは反対の箇所には、材料ガスを供給するための供給口109aが設けられており、この供給口109aは材料ガス供給部109に接続されている。
真空容器101は、一端が真空容器101の内壁に固定され、他端が回転する成膜ジグ103とこれに保持される板状基材112と接触しないよう微小な間隔をもって成膜ジグ103に対向する仕切り部101aを有する。
この仕切り部101aは、真空容器101内部の放電電極105b及びプロセスガスが供給口107aより供給される領域と、材料ガスが供給口109aより供給される領域とを、前記微小な間隔を除いて空間的に分離することに用いられる。なお、この仕切り部101aの位置は、成膜ジグ103の一辺の長さ(板状基材112の大きさ)に応じて設定され、真空容器101の中央である必要はない。
第一層の形成は、例えば、以下のように実施する。
まず、プロセスガスを供給口107aからに導入すると共に、高周波電源部105aから放電電極105bに、例えば、周波数13.56MHzの高周波電力を供給する。この際、放電電極105bの放電面側から排気口111a側へと発光領域が放射状に広がるようにプラズマが形成される。ここで、供給口107aから導入されたプロセスガスは真空容器101内を、放電電極105bを含む領域から排気口111a側へと流れる。
なお、放電電極105bは電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
ここで、プロセスガスには、少なくとも酸素を含み、窒素、水素、ヘリウムやアルゴンなどの希ガスが用いられる。
次に、例えば、水素をキャリアガスとして用いて希釈したトリメチルガリウム(材料ガス)を供給口109aから導入することによって、板状基材112表面にガリウムと酸素を含む非単結晶膜が成膜される。
成膜時の表面層の形成温度は特に限定されないが、板状基材112表面の温度が、10℃〜100℃の範囲が好ましく、20℃〜60℃の範囲内で形成することが好ましい。
板状基材112表面の温度は加熱及び冷却手段の少なくとも一方(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。板状基材112を加熱する場合にはヒータを板状基材112の隣接した箇所に設置してもよい。板状基材112を冷却する場合には板状基材112を保持する成膜ジグ103の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による板状基材112表面の温度の上昇を避けたい場合には、板状基材112表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。また、放電による放電電極105b自体の温度上昇にともなう板状基材112の温度上昇を防ぐため、放電電極の内部に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
ここで、材料ガスとしては、ガリウムを含む有機金属化合物として、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、t−ブチルガリウムなどが用いられる。
これらの液体や固体を気化して単独又はキャリアガスでバブリングすることによる混合状態で使用する。
また、これらを2種類以上混合してもよい。
なお、ガリウムと酸素とを主に含む表面層を形成する場合、真空容器101内には活性水素が存在することが好ましい。活性水素は、キャリアガスとして使用する水素ガスや有機金属化合物に含まれる水素原子から供給されるものでもよい。
図3に示される成膜装置100のプラズマ発生手段は、高周波電源部を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いてもよく、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
更に、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、例えば、プロセスガス供給口107aより活性水素を供給するリモートプラズマ装置を付加してもよい。また、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射による板状基材112表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が好ましいが、熱の照射を防止する装置を設けてもよい。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起するようにしてもよい。また、放電する領域と、成膜する領域(板状基材が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えてもよく、膜質の制御がしやすくなる。また、放電は大気圧近傍(300〜1200hPaの範囲)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
<第二層>
第二層は、ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層であれば、特に限定されるものではない。
第二層に用いる材料としては、例えばゴム弾性体が挙げられ、具体的には、例えば、ポリウレタンゴム、ポリイミドゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。ゴム弾性体は、耐摩耗性、機械的強度、耐油性、及び耐オゾン性の観点から、ポリウレタンゴムを含むことが好ましい。
また、第二層に用いる材料と第三層に用いる材料とは、第二層と第三層との接着性の観点から、同種の材料であることが好ましい。同種の材料であることにより、第二層と第三層とが直接接触し高い接着力で両者が接着したクリーニングブレードが得られやすい。
同種の材料としては、例えば、ポリウレタンゴム同士、ポリイミドゴム同士、シリコーンゴム同士、フッ素ゴム同士、クロロプレンゴム同士、ブタジエンゴム同士が挙げられる。その中でも、第二層に用いる材料及び第三層に用いる材料のいずれもがポリウレタンゴムであることが好ましい。
ポリウレタンゴムの詳細については、後述する。
(第二層の特性)
第二層のヤング率は、4MPa以上8MPa以下であり、4MPa以上5.5MPa以下が好ましく、4MPa以上5MPa未満がより好ましい。第二層のヤング率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて被クリーニング部材との接触面積が大きくなり、上記範囲よりも小さい場合に比べて被クリーニング部材との接触面積が大きくなりすぎることによる鳴きが抑制される。
第二層のヤング率を上記範囲とする実現手段は、第二層の材料等によっても異なるが、例えば、第二層の形成時における配合比を調整する方法が挙げられる。具体的には、例えば第二層の材料が後述するポリウレタンゴムである場合、ポリイソシアネート化合物の比率を下げることで、第二層のヤング率を小さくする方法が挙げられる。
第二層の永久伸びは、特に限定されるものではなく、例えば0.1%以上5%以下が挙げられる。本実施形態では、第三層の永久伸びが小さいため、第二層の永久伸びが第三層の永久伸びよりも大きくても経時のクリーニング維持性が得られる。その観点から、第二層の永久伸びは、1%超え5%以下であってもよく、1.5%超え5%以下であってもよく、2%以上5%以下であってもよい。
ここで、上記永久伸び(%)の測定方法について説明する。
具体的には、JIS K6262(1997年)に準拠して、短冊状試験片を用い、100%引張りひずみを与えて24時間放置し、下記式の通り標線間距離より求められる。
Ts=(L2−L0)/(L1−L0)×100
Ts:永久伸び
L0:引張り前の標線間距離
L1:引張り時の標線間距離
L2:引張り後の標線間距離
尚、測定対象の試料がJIS K6262に規定の短冊状試験片の寸法以上の大きさである場合には、該試料から短冊状試験片の寸法のものを切り出すことで、上記の測定が行われる。一方、試料が短冊状試験片の寸法未満の大きさである場合には、該試料と同じ材料によって短冊状試験片を形成し、この短冊状試験片について上記の測定が行われる。
第二層の厚みは、例えば100μm以上1000μm以下が挙げられ、200μm以上800μm以下が好ましく、300μm以上500μm以下がより好ましい。第二層の厚みが上記範囲であることにより、上記範囲よりも厚い場合に比べて第一層の割れが抑制されやすく、上記範囲よりも薄い場合に比べて被クリーニング部材との接触面積が大きくクリーニング性が良好となりやすい。
第二層の厚みは、例えば、クリーニングブレードの断面をマイクロスコープ(キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−200)で観察し、5箇所の測定値を平均することで算出される。
第二層の厚みは、第一層の厚みの20倍以上200,000倍以下であることが好ましく、200倍以上100,000倍以下であることがより好ましい。第二層の厚みにおける第一層の厚みに対する比率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて第一層の割れが抑制されやすく、上記範囲よりも小さい場合に比べて被クリーニング部材との接触面積が大きくクリーニング性が良好となりやすい。
第二層の厚みは、後述する第三層の厚みよりも薄いことが好ましい。
第二層の厚みは、第三層の厚みの1.1倍以上20倍以下であることが好ましく、2倍以上10倍以下であることがより好ましく、3倍以上6倍以下であることが好ましく、
第三層の厚みも同様に、例えば、クリーニングブレードの断面をマイクロスコープ(キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−200)で観察し、5箇所の測定値を平均することで算出される。
(ポリウレタンゴム)
以下、ポリウレタンゴムについて説明する。
ポリウレタンゴムは、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを重合することで合成される。また、ポリオール以外にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。尚、ポリウレタンゴムはハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが望ましい。
ここで、「ハードセグメント」及び「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)とソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるよう公知の樹脂材料から選択し得るが、本実施形態においては、以下の組み合わせが好適である。
・ソフトセグメント材料
ソフトセグメント材料としては、ポリエーテルポリオールが好適に用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、特に制限されるものではなく、例えばポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。
ゴムの柔軟性と微小結晶の制御のし易さから、ポリオキシテトラメチレングリコールが好ましい。尚、前記ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量は、500以上5000以下の範囲が好ましい。数平均分子量が500以上であることにより、クリーニングブレードの機械的強度が得られる。また、数平均分子量が5000以下であることにより、クリーニングブレードの機械的強度が高くなりすぎず、また材料の粘度上昇による作業性の低下が抑制される。
ソフトセグメント材料としては、その他のポリオールを用いてもよく、該ポリオールとしては、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、カプロラクトン系のポリオール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
・ハードセグメント材料
ハードセグメント材料としては、鎖延長剤が好適に用いられる。
鎖延長剤としては、従来公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオールが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
またハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることも望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
ハードセグメント材料及びソフトセグメント材料を用いる場合、ハードセグメント材料及びソフトセグメント材料の総量に対するハードセグメントを構成する材料の質量比(以下「ハードセグメント材料比」と称す)が10質量%以上30質量%以下の範囲内であることが望ましく、13質量%以上23質量%以下の範囲内であることがより望ましく、15質量%以上20質量%以下の範囲内であることが更に望ましい。
ハードセグメント材料比が、上記範囲であることにより、上記範囲よりも少ない場合に比べて第一層の割れが抑制されて長期に渡って良好なクリーニング性が維持され、上記範囲よりも多い場合に比べて硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、被クリーニング部材との接触面積が大きくなりやすくなる。
・ポリイソシアネート
ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、及び3,3−ジメチルビフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
ポリイソシアネートの含有量は、ポリウレタンゴム全体に対し、10質量%以上40質量%以下が好ましく15質量%以上35質量%以下がより好ましく、20質量%以上30質量%以下がさらに好ましい。
ポリイソシアネートの含有量が、上記範囲であることにより、上記範囲よりも少ない場合に比べてウレタン結合量が確保されて求められる硬度が得られやすく、上記範囲よりも多い場合に比べて伸張性が得られ、被クリーニング部材との接触面積が大きくなりやすくなる。
・架橋剤
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。尚、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、ポリウレタンゴム全体に対し、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。架橋剤の含有量が、上記範囲であることにより、上記範囲よりも多い場合に比べて、分子運動が化学架橋で拘束されにくく、求められる硬度が得やすくなる。
・触媒
触媒としては、第三級アミン等のアミン系化合物、第四級アンモニウム塩、有機錫化合物等の有機金属化合物等が挙げられる。
上記第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール、エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン、ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体、N,N’−ジエチル−2−メチルピペラジン、N,N’−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等が挙げられる。
上記第四級アンモニウム塩としては、例えば、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム・オクチル酸塩、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)・オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)−オクチル酸塩、DBU−オレイン酸塩、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−蟻酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム・蟻酸塩等が挙げられる。
上記有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等が挙げられる。
これら触媒の中でも、耐加水分解性の点では第三級アンモニウム塩のトリエチレンジアミン(TEDA)が用いられ、加工性の点で第四級アンモニウム塩が好適に用いられる。第四級アンモニウム塩の中でも、高反応活性である1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)・オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)−オクチル酸塩、DBU−蟻酸塩が好適に用いられる。
上記触媒の含有量は、ポリウレタンゴム全体の0.0005質量%以上0.03質量%以下の範囲が好ましく、特に好ましくは0.001質量%以上0.01質量%以下である。
これらは単独で又は2種以上併せて用いられる。
・ポリウレタンゴムの製造方法
本実施形態における前記接触部材を構成するポリウレタンゴム部材の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
ポリウレタンゴムは、例えば、上述したポリオール(例えばハードセグメント材料及びソフトセグメント材料)に、イソシアネート化合物、架橋剤、及び触媒等を配合して得られる組成物を成形することで得られる。
なお、ポリオール、ポリイソシアネート、架橋剤、及び触媒の添加量、比率等は求められる範囲に調整する。
ポリウレタンゴムの重量平均分子量は、1000以上4000以下の範囲内であることが望ましく、1500以上3500以下の範囲内であることがより望ましい。
なお、重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により行われる。具体的には、測定装置として東ソー社製、HPLC1100を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒を用いて測定する。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出される。
<第三層>
第三層は、永久伸びが2%未満の弾性層であれば、特に限定されるものではない。
第三層に用いる材料としては、例えばゴム弾性体が挙げられ、具体的には、例えば、ポリウレタンゴム、ポリイミドゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、プロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。ゴム弾性体は、耐摩耗性、機械的強度、耐油性、及び耐オゾン性の観点から、ポリウレタンゴムを含むことが好ましい。
ポリウレタンゴムの詳細は、前述の通りである。
ただし、第三層がポリウレタンゴムを含む場合、第三層に含まれるポリウレタンゴムの重量平均分子量としては、例えば2000以上3500以下が挙げられ、2500以上3000以下が好ましい。また、第三層に含まれるポリウレタンゴムの架橋剤含有量は、1質量%以上2質量%未満が好ましく、1質量%以上1.5質量%未満がより好ましい。
(第三層の特性)
第三層の永久伸びは、2%未満であり、0.1%以上2%未満が好ましく、0.1%以上1.5%以下がより好ましく、0.1%以上1%以下がさらに好ましい。第三層の永久伸びが上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて、クリーニングブレードが経時的にへたることで接触圧が低下することに起因する清掃対象物のすり抜けが抑制される。第三層の永久伸びは、第二層の永久伸びよりも小さいことが好ましい。なお、第三層の永久伸びは小さいほど好ましいが、永久伸びが0.1%未満である層を形成することは困難である。
第三層の永久伸びを上記範囲とする実現手段は、第三層の材料等によっても異なるが、例えば、第三層の形成時における配合比や分子量を調整する方法が挙げられる。具体的には、例えば第三層の材料が前述のポリウレタンゴムである場合、架橋剤の含有量、ソフトセグメント材料として用いるポリオールの分子量等を変えることで、永久伸びの値が変動する傾向にある。
第三層のヤング率は、特に限定されるものではなく、例えば3MPa以上10MPa以下が挙げられ、5MPa以上8MPa以下が好ましく、5MPa以上6MPaがより好ましい。
第三層のヤング率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて感光体へ十分当接できるという利点があり、上記範囲よりも小さい場合に比べてブレード全体のめくれが防止できるという利点がある。
第三層の厚みは、例えば1000μm以1800μm以下が挙げられ、1200μm以上1700μm以下が好ましく、1300μm以上1500μm以下がより好ましい。
なお、第一層、第二層、及び第三層の合計厚みは、1.4mm以上2.5mm以下が好ましく、1.5mm以上2.2mm以下がより好ましく、1.6mm以上2.0mm以下がさらに好ましい。
<クリーニングブレードの製造方法>
本実施形態に係るクリーニングブレードは、例えば、第二層及び第三層が積層したものを基材とし、前述の方法で、基材における第二層側の表面に第一層を形成する。
第二層及び第三層が積層した基材の製造方法は、例えば、第二層と第三層とをそれぞれ製造した後に、両面テープ、各種接着剤等により相互に貼り合わせる方法が挙げられる。また、第二層を形成するための材料(例えば第二層形成用組成物)及び第三層を形成するための材料(例えば第三層形成用組成物)を、それぞれ時間差をおいて金型に流し込んだ後に成型することで、材料間で結合させ、第二層及び第三層が積層した基材を得てもよい。
<用途>
本実施形態に係るクリーニングブレードによるクリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されない。例えば、画像形成装置に用いられる場合であれば、像保持体、中間転写体、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール等が挙げられ、また像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシから更にトナーを除去するデトーニングロール等も挙げられる。本実施形態においては、被クリーニング部材が像保持体であることが特に好ましい。
[クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置]
次に、本実施形態に係るクリーニングブレードを用いたクリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置について説明する。
本実施形態のクリーニング装置は、被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、本実施形態のクリーニングブレードを備えたものであれば特に限定されない。例えば、クリーニング装置の構成例としては、被クリーニング部材側に開口部を有するクリーニングケース内に、エッジ先端が開口部側となるようクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより被クリーニング部材表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送部材を備えた構成などが挙げられる。また、本実施形態のクリーニング装置には、本実施形態のクリーニングブレードが2つ以上用いられていてもよい。
一方、本実施形態のプロセスカートリッジは、像保持体や像保持体等の1つ以上の被クリーニング部材表面に接触し、被クリーニング部材表面をクリーニングするクリーニング装置として、本実施形態のクリーニング装置を備えたものであれば特に限定されない。例えば、像保持体と、この像保持体表面をクリーニングする本実施形態のクリーニング装置とを含み、画像形成装置に対して着脱自在な態様等が挙げられる。例えば、各色のトナーに対応した像保持体を有するいわゆるタンデム機であれば、各々の像保持体毎に本実施形態のクリーニング装置を設けてもよい。加えて、本実施形態のクリーニング装置の他に、クリーニングブラシ等を併用してもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記像保持体の表面をクリーニングする、本実施形態に係るクリーニング装置と、を備える。
本実施形態のクリーニングブレードを像保持体のクリーニングに利用する場合、清掃対象物である残留トナーのクリーニングを良好に行いつつかつ潤滑剤(外添剤)のすり抜けも良好に行わせクリーニングブレードの摩耗を抑制する観点から、クリーニングブレードが像保持体に押し付けられる力NF(Normal Force)は1.3gf/mm以上2.3gf/mm以下の範囲であることが好ましく、1.6gf/mm以上2.0gf/mm以下の範囲であることがより好ましい。
ここで、クリーニングブレードの押し付け力NFは、次式で算出される。
・式:N=dEt/4L
式中、dは図6に示されるクリーニングブレードの食い込み量dを、Eはクリーニングブレードのヤング率を、tは図6に示されるクリーニングブレード厚みtを、Lは図6に示されるクリーニングブレードの自由長(固定具346によって固定されていない領域の長さ)を表す。
図6に示されるクリーニングブレードの像保持体への食い込み量dは0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが好ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより好ましい。
図6に示されるクリーニングブレードと像保持体との接触部分における角度α(W/A、Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが好ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより好ましい。
図6に示されるクリーニングブレードの像保持体に対する設定角度θは、10°以上25°以下が好ましく、より好ましくは12°以上25°以下であり、さらに好ましくは15°以上25°以下である。なお、この設定角度θは、像保持体に対してクリーニングブレードを接触させた状態において、クリーニングブレードの腹面の非屈曲部に沿った仮想線と、前記仮想線が被クリーニング部材の表面と接する点の接線とが交差する角度(鋭角)を意味する。
<画像形成装置、クリーニング装置の具体例>
次に、本実施形態のクリーニングブレードを用いた画像形成装置及びクリーニング装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図4は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図4中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は被クリーニング部材としての感光体ドラム、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
図4に示すタンデム型画像形成装置は、本体ハウジング21内に四つの色(本実施形態ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の作像ユニット22(具体的には22a乃至22d)を配列し、その上方には各作像ユニット22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230が含まれるベルトモジュール23を配設する一方、本体ハウジング21の下方には用紙等の記録媒体(図示せず)が収容される記録媒体供給カセット24を配設すると共に、この記録媒体供給カセット24からの記録媒体の搬送路となる記録媒体搬送路25を垂直方向に配置したものである。
本実施形態において、各作像ユニット22(22a乃至22d)は、中間転写ベルト230の循環方向上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、各感光体ユニット30と、各現像ユニット33と、共通する一つの露光ユニット40とを備えている。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
また、現像ユニット33は、帯電された感光体ドラム31上に露光ユニット40にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(本実施形態では例えば負極性)で現像するものであり、例えば感光体ユニット30からなるサブカートリッジと一体化されてプロセスカートリッジ(所謂Customer Replaceable Unit)を構成している。
なお、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図4中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
一方、露光ユニット40は、ユニットケース41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)及び各感光体ユニット30に対応するそれぞれミラー(図示せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザからの光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体ドラム31上の露光ポイントに光像を導くよう配置したものである。
また、本実施形態において、ベルトモジュール23は、例えば一対の支持ロール(一方が駆動ロール)231,232間に中間転写ベルト230を掛け渡したものであり、各感光体ユニット30の感光体ドラム31に対応した中間転写ベルト230の裏面には一次転写装置(本例では一次転写ロール)51が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム31上のトナー像を中間転写ベルト230側に静電的に転写する。更に、中間転写ベルト230の最下流作像ユニット22dの下流側の支持ロール232に対応した部位には二次転写装置52が配設されており、中間転写ベルト230上の一次転写像を記録媒体に二次転写(一括転写)する。
本実施形態では、二次転写装置52は、中間転写ベルト230のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の裏面側に配置されて二次転写ロール521の対向電極をなす背面ロール(本例では支持ロール232を兼用)とを備えている。そして、例えば二次転写ロール521が接地されており、また、背面ロール(支持ロール232)にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加されている。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。
また、記録媒体供給カセット24には記録媒体を送り出す送出しロール61が設けられ、この送出しロール61の直後には記録媒体を送出する搬送ロール62が配設されると共に、二次転写部位の直前に位置する記録媒体搬送路25には記録媒体を定められたタイミングで二次転写部位へ供給する位置合わせロール63が配設されている。一方、二次転写部位の下流側に位置する記録媒体搬送路25には定着装置66が設けられ、この定着装置66の下流側には記録媒体排出用の排出ロール67が設けられており、本体ハウジング21の上部に形成された排紙部68に排出記録媒体が収容される。
更に、本実施形態では、本体ハウジング21の側方には手差し供給装置(MSI)71が設けられており、この手差し供給装置71上の記録媒体は送出しロール72及び搬送ロール62にて記録媒体搬送路25に向かって送出される。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
次に、図4に示すタンデム型画像形成装置内に配置されたクリーニング装置34について詳述する。
図5は、本実施形態のクリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図4中に示すクリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体ドラム31、帯電ロール32や、現像ユニット33も示した図である。
図5中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
クリーニング装置34は、残留トナーが収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口するクリーニングケース341を有し、このクリーニングケース341の開口下縁には感光体ドラム31に接触配置されるクリーニングブレード342を図示外のブラケットを介して取り付ける一方、クリーニングケース341の開口上縁には感光体ドラム31との間が気密に保たれるフィルムシール344を取り付けたものである。なお、符号345はクリーニングケース341内に収容された廃トナーを側方の廃トナー容器に導く搬送部材である。
なお、本実施形態では、各作像ユニット22(22a乃至22d)の全てのクリーニング装置34において、クリーニングブレード342として本実施形態のクリーニングブレードが用いられているほか、ベルトクリーニング装置53で用いられるクリーニングブレード531も本実施形態のクリーニングブレードが用いられてもよい。
また、本実施形態で用いられる現像ユニット(現像装置)33は、例えば図5に示すごとく、現像剤が収容され且つ感光体ドラム31に対向して開口するユニットケース331を有している。ここで、このユニットケース331の開口に面した箇所に現像ロール332が配設されると共に、ユニットケース331内には現像剤攪拌搬送のためのトナー搬送部材333が配設されている。更に、現像ロール332とトナー搬送部材333との間には搬送パドル334を配設してもよい。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体ドラム31に対向する現像領域に搬送される。
本実施形態では、現像ユニット33としては、例えばトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用しても、トナーのみからなる一成分現像剤を使用してもよい。
・トナー
本実施形態で用いられるトナーとしては、トナー粒子に対し、少なくとも外添剤として潤滑剤が外添されたトナーが好ましく用いられる。
また、本実施形態に用いられるトナーは、粉砕トナー等の乾式トナーであってもよいが、湿式トナーであることが好ましい。湿式トナーとしては、特に限定されず、公知の溶融懸濁法、乳化凝集・合一法、溶解懸濁法等により得られたトナーであればよい。
湿式トナーは乾式トナーよりも粒径が小さい場合が多く、また、粒子の球形度が高い場合が多い。本開示に係るクリーニングブレードによれば、めくれの発生が抑制されることにより、上記湿式トナーを用いた場合であっても、画像汚れ等の画像欠陥が抑制されやすい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vと定義する。
トナー粒子に外添される潤滑剤としては、例えば、シリカ粒子、高級脂肪酸金属塩粒子(例えばステアリン酸亜鉛粒子)、フッ素樹脂粒子(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子)、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
トナー粒子に外添される各粒子は、表面に疎水化処理が施されていてもよい。
トナー粒子に外添される潤滑剤の平均径は、50nm以上1000nm以下であることが好ましく、100nm以上500nm以下であることがより好ましく、100nm以上350nm以下であることが更に好ましい。
潤滑剤の平均径は、粒径100μmの樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)に潤滑剤を分散させた後の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)である、円相当平均径を意味する。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の作動を説明する。先ず、各作像ユニット22(22a乃至22d)が各色に対応した単色トナー像を形成すると、各色の単色トナー像は中間転写ベルト230表面に、元の原稿情報と一致するよう順次重ね合わせて一次転写される。続いて、中間転写ベルト230表面に転写されたカラートナー像は、二次転写装置52にて記録媒体表面に転写され、カラートナー像が転写された記録媒体は定着装置66による定着処理を経た後、排紙部68へと排出される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
こうした作像過程において、夫々の残留トナーはクリーニング装置34(又はベルトクリーニング装置53)によって清掃される。
なお、クリーニングブレード342は、図5に示されるごとくクリーニング装置34内のフレーム部材に直接固定するのではなく、バネ材を介して固定されてもよい。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
[実施例1]
<第三層形成用組成物1の調製>
ポリオール成分のソフトセグメント材料として、ポリオキシテトラメチレングリコール[PTMG](保土谷化学工業株式会社製、PTG2000、平均分子量2000、水酸基価56.5KOHmg/g)を用いた(表中「PTMG」と示す)。
鎖延長剤(すなわち、ハードセグメント材料)として、1,4−ブタンジオール(三菱ケミカル株式会社製)を用いた(表中「BD」と示す)。
ポリイソシアネートとして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、日本ポリウレタン工業株式会社製、ミリオネートMT)を用いた(表中「MDI」と示す)。
架橋剤として、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学株式会社製)を用いた(表中「TMP」と示す)。
触媒として、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7〕−オクチル酸塩(DBU、サンアプロ株式会社製、−U−CAT SA 102)を用いた。
上記ソフトセグメント材料(PTMG)とハードセグメント材料(1,4−ブタンジオール)との混合物に対して、ポリイソシアネート(MDI)を加えて、窒素雰囲気下において70℃で6時間反応させ、プレポリマー1を得た。
なお、ソフトセグメント材料、ハードセグメント材料、及びポリイソシアネートの各添加量は、モル比が表1に示す値となるように調整した。
次に、このプレポリマー1を100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー1に対し、架橋剤(トリメチロールプロパン)及び触媒(DBU)を加え、3分間泡を巻きこまないように混合し、第三層形成用組成物1を調製した。
なお、架橋剤の添加量は、モル比が表1に示す値となるように調整した。
また、触媒の添加量は、プレポリマー1の100部に対し0.005部とした。
<第二層形成用組成物1の調製>
ポリオール成分のソフトセグメント材料として、ポリカプロラクトンポリオール(株式会社ダイセル製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)を用いた(表中「CL」と示す)。
鎖延長剤(すなわち、ハードセグメント材料)として、1,4−ブタンジオール(三菱化学株式会社製)を用いた(表中「BD」と示す)。
ポリイソシアネートとして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、日本ポリウレタン工業株式会社製、ミリオネートMT)を用いた(表中「MDI」と示す)。
架橋剤として、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学株式会社製)を用いた(表中「TMP」と示す)。
触媒として、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7〕−オクチル酸塩(DBU、サンアプロ株式会社製、−U−CAT SA 102)を用いた。
上記ソフトセグメント材料(ポリカプロラクトンポリオール)とハードセグメント材料(1,4−ブタンジオール)との混合物に対して、ポリイソシアネート(MDI)を加えて、窒素雰囲気下において80℃で2時間反応させ、プレポリマー2を得た。
なお、ソフトセグメント材料、ハードセグメント材料、及びポリイソシアネートの各添加量は、モル比が表1に示す値となるように調整した。
その後、プレポリマー2に対し、架橋剤(トリメチロールプロパン)及び触媒(DBU)を加えて混合し、第二層形成用組成物1を調製した。
なお、架橋剤の添加量は、モル比が表1に示す値となるように調整した。
また、触媒の添加量は、プレポリマー2の100部に対し0.005部とした。
<第二層及び第三層が積層した基材の作製>
140℃に金型を調整した遠心成形機に、上記第三層形成用組成物及び第二層形成用組成物を順に、各厚みが表1に記載の通りになるように流し込み、1時間硬化反応させた。次いで、110℃で24時間熟成加熱し、冷却した後、切断して、幅8mm、厚さ2mmの板状基材1を得た。
なお、第二層におけるポリウレタンゴムの重量平均分子量は4000、第三層におけるポリウレタンゴムの重量平均分子量は3000であった。
<第一層の形成>
得られた板状基材1における第二層側の面に対し、水素を含む酸化ガリウムで構成された第一層を形成した。この第一層の形成は、成膜装置(図3に示す成膜装置100)を用いて行った。
まず、板状基材1を、成膜装置の成膜室(図3の真空容器101)の基体支持部材(図3の成膜ジグ103)に載せ、排気口を介して成膜室内を、圧力が0.1Paになるまで真空排気した。なお、この真空排気は、上記高濃度酸素含有気体の置換終了後、5分以内に行った。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量1.6sccm)、及び水素ガス(流量50sccm)を、ガス導入管(図3の供給口109a)から直径85mmの平板電極(図3の放電電極105b)が設けられた成膜室内に導入し、高周波電力供給部(図3の高周波電源部105a)及びマッチング回路(図3中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量1.9sccm)を、ガス導入管を介してシャワーノズルから成膜室に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室内の反応圧力は5.3Paであった。この状態で、板状基材1を500rpmの速度で回転させながら68分間成膜し、板状基材1の表面に膜厚0.2μmの第一層を形成した。
以上のようにして、クリーニングブレードを得た。
[実施例2〜実施例5]
第三層形成用組成物の調製及び第二層形成用組成物の調製に用いるソフトセグメント材料、ハードセグメント材料、ポリイソシアネート、及び架橋剤の種類及び添加量を表1に示す通りにし、各層の厚みが表1に示す通りになるようにした以外は、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを得た。
なお、実施例2の第二層形成用組成物の調製に用いたハードセグメント材料(鎖延長剤)は、1,3−プロパンジオール(三菱ケミカル株式会社製)を用いた(表中「PD」と示す)
[比較例1]
第一層を設けなかった以外は、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを得た。
[比較例2〜比較例4]
第三層形成用組成物の調製及び第二層形成用組成物の調製に用いるソフトセグメント材料、ハードセグメント材料、ポリイソシアネート、及び架橋剤の種類及び添加量を表2に示す通りにし、各層の厚みが表2に示す通りになるようにした以外は、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを得た。
[比較例5]
第一層を形成する代わりに、下記イソシアネート処理を行った以外は、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを得た。
<イソシアネート処理>
得られた板状基材1を、80℃に溶融したMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)に10分間浸漬させることでイソシアネート処理を行い、板状基材1における第二層側の面にイソシアネート処理層を形成した。
[比較例6]
第二層形成用組成物を用いずに第三層からなる基材を作製し、板状基材1に代えて第三層からなる基材に第一層を設けた以外は、実施例1と同様にしてクリーニングブレードを得た。
[測定]
第一層、第二層、及び第三層の各厚みを、前述の方法により求めた。
第一層の動摩擦係数を、前述の方法により求めた。
第一層、第二層、及び第三層のヤング率を、前述の方法により求めた。
第二層及び第3層の永久伸びを、前述の方法により求めた。
得られた結果を、表3及び表4に示す。
[評価]
<クリーニング性の評価>
得られたクリーニングブレードを富士ゼロックス社製白黒画像形成装置Docu Centre III C3300に装着し、押し付け力NF(Normal Force)を2.0gf/mm、角度W/A(Working Angle)を10°に設定した。
また、現像剤として、トナー粒子の体積平均粒径が6μmのトナーを含む現像剤を使用した。
高温高湿環境下(温度28℃、湿度85%RH)において、A4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)に画像濃度40%の全面ハーフトーン画像を1000枚形成した後の感光体の表面及び1000枚目の画像、並びに画像濃度40%の全面ハーフトーン画像を10000枚形成した後の感光体の表面及び10000枚目の画像を、それぞれ目視にて観察し、下記基準で評価した。結果を表3及び表4に示す。
−評価基準−
A:クリーニング性問題なし
B:微細なトナーすり抜けがあるが画質上問題なし
C:トナーすり抜けがあり、画像の白抜けがわずかに生じているが、画質上許容範囲
D:トナーすり抜けがあり、画質上筋が発生
<ブレード摩耗評価>
得られたクリーニングブレードを富士ゼロックス社製白黒画像形成装置Docu Centre III C3300に装着し、押し付け力NF(Normal Force)を2.0gf/mm、角度W/A(Working Angle)を10°に設定した。
また、現像剤として、高分子樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びシリカ粒子がトナー粒子に外添されたトナーを含む現像剤を使用した。
高温高湿環境下(温度28℃、湿度85%RH)において、A4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用い、テストプリント(1色当たりの面積率5%)の画像の印刷を10,000枚行った。クリーニングブレードの端部における摩耗深さをクリーニングブレードの断面側からキーエンス社製、レーザ顕微鏡VK−8510により観察し、感光体表面側のエッジ欠落部最大深さを測定し、下記評価基準で評価した。尚、許容範囲はA及びBである。結果を表3及び表4に示す。
−評価基準−
A:先端部摩耗深さ :3μm以下且つ摩耗跡無し
クリーニング不良:未発生
B:先端部摩耗深さ :3μmを超え、5μm以下
クリーニング不良:未発生
C:先端部摩耗深さ :5μmを超える
クリーニング不良:発生
<ブレード鳴き評価>
得られたクリーニングブレードを富士ゼロックス社製白黒画像形成装置Docu Centre III C3300に装着し、押し付け力NF(Normal Force)を2.0gf/mm、角度W/A(Working Angle)を10°に設定、28℃/85%RHの環境下において、A4サイズの用紙に、ハーフトーン画像(画像濃度1%)を100枚出力し、その際のクリーニングブレードが振動することにより発生する高周波の異音の大きさを、以下の基準に従って評価した。結果を表3及び表4に示す。
−評価基準−
A:装置駆動音のみ聞こえる
B:装置駆動音以外わずかにクリーニングブレードの鳴きが聞こえる程度
C:クリーニングブレードの鳴きがひどく誰が確認しても耳障りと判断される水準
<経時のクリーニング維持性評価>
得られたクリーニングブレードを富士ゼロックス社製白黒画像形成装置Docu Centre III C3300に装着し、押し付け力NF(Normal Force)を2.0gf/mm、角度W/A(Working Angle)を10°に設定した。
また、現像剤として、高分子樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びシリカ粒子がトナー粒子に外添されたトナーを含む現像剤を使用した。
高温高湿環境下(温度28℃、湿度85%RH)において、A4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用い、テストプリント(1色当たりの面積率5%)の画像の印刷を10,000枚行った。
その後におけるクリーニングブレードの永久変形量(μm)を次のようにして測定した。具体的には、感光体(像保持体)の表面に前記各例のクリーニングブレードを食い込ませて接触配置するよう取り付けたプロセスカートリッジを、高温・高湿環境(45℃、95%RH)の恒温・恒湿槽に1週間放置し、放置前後のクリーニングブレードの食込み量の差を永久変形量とした。なお、食込み量の測定は、感光体の中心からクリーニングブレードのエッジ先端までの距離を計測可能な非接触のレーザー変位計(キーエンス社製、商品名:LK−035)にて測定し、食込み量の変化を求めた。
また、10000目の画像における色スジの画質欠陥の発生状態(画質)を、下記の基準で目視により評価した。
−評価基準−
A:スジが確認されない
B:画像にスジが僅かに確認されるが許容範囲
C:画像にスジが確認され、許容し得ない
以上の結果から、実施例では、比較例に比べ、初期のクリーニング性と経時のクリーニング維持性とが両立されることがわかる。
10 クリーニングブレード、12 端部、14 第一層、16 第二層、18 第三層、20 被クリーニング部材、21 本体ハウジング、22、22a乃至22d 作像ユニット、23 ベルトモジュール、24 記録媒体供給カセット、25 記録媒体搬送路、30 感光体ユニット、31 感光体ドラム(像保持体/被クリーニング部材)、32 帯電ロール、33 現像ユニット、34 クリーニング装置、35、35a乃至35d トナーカートリッジ、40 露光ユニット、41 ユニットケース、42 ポリゴンミラー、51 一次転写装置、52 二次転写装置、53 ベルトクリーニング装置、61 送出しロール、62 搬送ロール、63 位置合わせロール、66 定着装置、67 排出ロール、68 排紙部、71 手差し供給装置、72 送出しロール、73 両面記録用ユニット、74 案内ロール、76 搬送路、77 搬送ロール、100 成膜装置、101 真空容器、101a 仕切り部、103 成膜ジグ、105 放電部、105a 高周波電源部、105b 放電電極、107 プロセスガス供給部、107a プロセスガスを供給する供給口、109 材料ガス供給部、109a 材料ガスを供給する供給口、111 排気装置、111a 排気口、112 板状基材、230 中間転写ベルト、231、232 支持ロール、331 ユニットケース、332 現像ロール、333 トナー搬送部材、334 搬送パドル、335 トリミング部材、341 クリーニングケース、342 クリーニングブレード、344 フィルムシール、345 搬送部材、346 固定具、521 二次転写ロール、531 クリーニングブレード、T 清掃対象物

Claims (11)

  1. 金属酸化物を含む第一層と、
    ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層と、
    永久伸びが2%未満の弾性層である第三層と、
    がこの順に設けられたクリーニングブレード。
  2. 前記第一層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下である請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記第一層の厚みが0.5μm以上5.0μm以下である請求項2に記載のクリーニングブレード。
  4. 前記第二層の厚みは、前記第一層の厚みの20倍以上10000倍以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  5. 前記金属酸化物は、第13族元素の酸化物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  6. 前記金属酸化物は、酸化ガリウムである請求項5に記載のクリーニングブレード。
  7. 前記第二層のヤング率は、4MPa以上5.5MPa以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のクリーニングブレード。
  8. 動摩擦係数が0.05以上0.5以下であり、ヤング率が10MPa以上200,000MPa以下である第一層と、
    ヤング率が4MPa以上8MPa以下の弾性層である第二層と、
    永久伸びが2%未満の弾性層である第三層と、
    がこの順に設けられたクリーニングブレード。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置。
  10. 請求項9に記載のクリーニング装置を備え、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジ。
  11. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記像保持体の表面をクリーニングする、請求項9に記載のクリーニング装置と、
    を備える画像形成装置。
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