JP2020051798A - X線検査装置 - Google Patents

X線検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020051798A
JP2020051798A JP2018179054A JP2018179054A JP2020051798A JP 2020051798 A JP2020051798 A JP 2020051798A JP 2018179054 A JP2018179054 A JP 2018179054A JP 2018179054 A JP2018179054 A JP 2018179054A JP 2020051798 A JP2020051798 A JP 2020051798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inspection
ray
pushing
inspection object
out member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018179054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7065742B2 (ja
Inventor
健吾 山口
Kengo Yamaguchi
健吾 山口
翔平 橋本
Shohei Hashimoto
翔平 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Infivis Co Ltd
Original Assignee
Anritsu Infivis Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Infivis Co Ltd filed Critical Anritsu Infivis Co Ltd
Priority to JP2018179054A priority Critical patent/JP7065742B2/ja
Publication of JP2020051798A publication Critical patent/JP2020051798A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7065742B2 publication Critical patent/JP7065742B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】軽量な被検査物であっても遮蔽カーテンによる引っ掛かりや転倒、姿勢変化を生じさせることなく、安定した検査を可能とすることができるX線検査装置を提供する。【解決手段】搬送手段5によって検査空間3内に搬入した被検査物WにX線を照射するX線発生器と、被検査物を透過するX線を検出して透過量に応じた濃度データを出力するX線検出器と、X線発生器が照射するX線が検査空間の外部に漏洩することを防止する遮蔽カーテン8と、を備え、X線検出器から出力される濃度データに基づいたX線画像を処理して被検査物Wの検査を行うX線検査装置1において、被検査物Wの少なくとも搬送方向下流側に位置して被検査物Wの代わりに遮蔽カーテン8を押し退ける押し退け部材9と被検査物Wとが一緒に検査空間に搬入されて得られる押し退け部材9を含んだ検査X線画像に対し、押し退け部材9に対応する検査X線画像の縁部を検査対象領域外としてマスク設定して検査を行う画像処理部を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、X線検査装置に関する。
X線検査装置は、検査空間内に搬入した被検査物にX線を照射し、X線検出器から出力される濃度データに基づいたX線画像を処理して被検査物の検査を行う。検査空間内や検査空間の搬入開口には、X線が外部に漏洩することを防止するための遮蔽カーテンが備えられている。遮蔽カーテンは、鉛等の遮蔽物質を練り込んだゴム等により複数の短冊状に形成される。そのため、軽量の被検査物は、遮蔽カーテンを押し退けて検査空間内に入ろうとすると、遮蔽カーテンから受ける反力で引っ掛かりや転倒、姿勢変化などが生じる。
そこで、特許文献1には、被検査物の外形に合せて、被検査物の通過する開口部が任意の形状に設定できるX線検査装置が提案されている。この開口部には、横方向に移動可能とされた一対の第1遮蔽材と、縦方向に開閉可能な第2遮蔽材とから構成された遮蔽ゲートが設けられている。これにより、遮蔽カーテンを不要としている。
特開2018−77091号公報
しかしながら、特許文献1のX線検査装置は、通過する被検査物に応じ開口部の形状を設定できるが、複雑な構造の遮蔽ゲートを設置する分、装置コストが増大する。また、遮蔽ゲートは、通過する被検査物に応じ開口部の形状が決まっていることから、その被検査物の形状が一定でない場合には使用できない場合もある。そのため、X線検査装置においては、安価な構成で、安定した検査を実現させたい要請がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、軽量な被検査物であっても遮蔽カーテンによる引っ掛かりや転倒、姿勢変化を生じさせることなく、安定した検査を可能とすることができるX線検査装置を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のX線検査装置1は、搬送手段5によって検査空間3内に搬入した被検査物WにX線を照射するX線発生器と、前記被検査物Wを透過するX線を検出して透過量に応じた濃度データを出力するX線検出器と、前記X線発生器が照射するX線が前記検査空間3の外部に漏洩することを防止する遮蔽カーテン8と、を備え、前記X線検出器から出力される濃度データに基づいたX線画像を処理して前記被検査物Wの検査を行うX線検査装置1において、
前記被検査物Wの少なくとも搬送方向下流側に位置して前記被検査物Wの代わりに前記遮蔽カーテン8を押し退ける押し退け部材9と前記被検査物Wとが一緒に前記検査空間3に搬入されて得られる前記押し退け部材9を含んだ検査X線画像に対し、前記押し退け部材9に対応する該検査X線画像の縁部を検査対象領域外としてマスク設定して検査を行う画像処理部を備えることを特徴とする。
このX線検査装置1では、搬送面Sに、被検査物Wとともに押し退け部材9が載置され搬送される。押し退け部材9は、搬送方向下流側に位置することで被検査物Wの代わりに遮蔽カーテン8の所定枚数の短冊片14を押し退ける。押し退け部材9は、鉛入りの遮蔽カーテン8に対して、押し戻されることのない最大摩擦力を有する。押し退け部材9は、この最大摩擦力が得られる例えば十分な質量を有して形成される。これにより、被検査物Wは、搬送面Sに対して押し戻されたり、転倒したり、姿勢が変わるようなことなく、検査空間3内へと搬送される。押し退け部材9により遮蔽カーテン8を通過して検査空間3に進入した被検査物Wは、X線発生器によりX線が照射される。X線の照射された被検査物Wと押し退け部材9とは、透過したX線の透過量に応じた濃度データがX線検出器により検出される。このとき、X線検査装置1は、画像処理部が、押し退け部材9に対応する検査X線画像の縁部を検査対象領域外としてマスク設定して検査を行う。これにより、X線検査装置1は、押し退け部材9が異物として検出されてしまうことがない。
本発明の請求項2記載のX線検査装置1は、請求項1に記載のX線検査装置であって、前記押し退け部材9は、上下が開放された枠体構造であることを特徴とする。
このX線検査装置1では、押し退け部材9が、上下を開放させた枠体構造で形成される。押し退け部材9は、例えば軸線が搬送面Sに垂直な角筒や円筒等とすることができる。この場合においても、押し退け部材9は、最大摩擦力が得られる例えば十分な質量を有して形成される。これにより、枠体構造の押し退け部材9は、被検査物Wの代わりに遮蔽カーテン8を押し退けることができる。また、押し退け部材9は、搬送面Sに載せられた被検査物Wを包囲するので、撓んだ後、被検査物Wの側部に接触しようとする短冊片14を遮ることもできる。
本発明の請求項3記載のX線検査装置1は、請求項1または2記載のX線検査装置1であって、前記押し退け部材9には、前記被検査物Wと前記押し退け部材9の内側面9aとの間に所定距離の隙間12を形成するための位置決め部材11が備えられることを特徴とする。
このX線検査装置1では、押し退け部材9が位置決め部材11を有する。位置決め部材11は、押し退け部材9の内側面9aに設けられ、押し退け部材内側面9aと被検査物Wとの間に、所定距離の隙間12を形成する。X線検査装置1は、位置決め部材11が設けられていることにより、押し退け部材内側面9aが所定距離を有して被検査物Wから離間する。これにより、押し退け部材9に応じたマスク領域13を設定する際のマスク領域設定精度を緩和することができる。
本発明に係る請求項1記載のX線検査装置によれば、軽量な被検査物であっても、押し退け部材によって遮蔽カーテンによる引っ掛かりや転倒、姿勢変化を生じさせることなく、押し退け部材をマスク処理することで、被検査物のみを検査対象とすることができ、安定した検査を可能とすることができる。
本発明に係る請求項2記載のX線検査装置によれば、搬送方向下流側だけでなく、側方から遮蔽カーテンが撓んで被検査物に接触することも抑制できる。
本発明に係る請求項3記載のX線検査装置によれば、被検査物が押し退け部材に接近、或いは接触してしまい、被検査物の一部が押し退け部材と一緒にマスクされてしまうことを確実に防止できる。
実施の形態に係るX線検査装置の外観を搬送方向上流側の斜め上方より見た斜視図である。 図1に示した押し退け部材の斜視図である。 搬送時において押し退け部材により囲われた搬送面上の被検査物を表す平面図である。 (a)は遮蔽カーテンに到達する前の被検査物及び押し退け部材の側面図、(b)は遮蔽カーテンを通過途中の被検査物及び押し退け部材の側面図である。 被検査物の周囲に設定されるマスク領域を表す模式図である。 側面視L字形に構成される変形例に係る押し退け部材の側面図である。 樹脂製の底板を有する変形例に係る押し退け部材の側面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施の形態に係るX線検査装置1の外観を搬送方向上流側の斜め上方より見た斜視図である。
本実施形態に係るX線検査装置1は、装置本体として筐体2を備えている。筐体2は、装置の各部が取り付けられるフレームであるとともに、外部へのX線の漏洩が防止された遮蔽空間である検査空間3を区画する構造体でもある。また、この筐体2には、内部の検査空間3に被検査物Wを搬入する搬入口4と、内部の検査空間3から被検査物Wを搬出する搬出口(不図示)とが設けられており、搬入口4及び搬出口は連通している。
筐体2の内部には、搬入口4と、検査空間3と、搬出口との間で被検査物Wを搬送する搬送手段としてコンベア5が配置されている。
X線検査装置1のコンベア5は、図1の左手前側から右手奥側に被検査物Wを搬送する。その搬送方向の上流側に当たるX線検査装置1の一方の隣部には、図1中に矢印A1で搬送方向を示すように、X線検査装置1のコンベア5に被検査物Wを搬入する搬送手段としての搬入コンベア6を具備している。この搬入コンベア6は、被検査物Wの製造ライン等に連続しており、製造された製品を被検査物WとしてX線検査装置1に搬入する。
また、コンベア5の搬送方向の下流側に当たるX線検査装置1の他方の隣部には、図1中に矢印A2で搬送方向を示すように、X線検査装置1のコンベア5から被検査物Wを搬出する搬送手段としての搬出コンベア7を具備している。この搬出コンベア7は、検査後の被検査物Wの処理ライン等に連続しており、この処理ライン等では検査済みの被検査物Wを検査結果に応じて振り分け、対応する後工程に搬送する。なお、この実施の形態では、被検査物Wは、搬入コンベア6の幅方向の中央に位置決めされ、所定間隔でX線検査装置1に搬入されることになっている。
図示を省略するが、図1に示す筐体2の内部には、検査空間3の上方にX線発生器が下向きに配置されている。X線発生器は、搬入コンベア6、コンベア5によって検査空間W内に搬入した被検査物WにX線を照射する。
また、図示を省略するが、図1に示す筐体2の内部には、検査空間3の下方であってコンベア5が搬送する被検査物Wより下方の位置に、X線検出器が配置されている。X線検出器は、被検査物Wを透過するX線を検出して透過量に応じた濃度データを出力する。X線検査装置1は、X線検出器から出力される濃度データによる検出結果に基づき、制御部(不図示)が判定を行う。すなわち、制御部は、被検査物Wに異物が含まれるか否かといった異常の有無を判定する。
筐体2の内部の検査空間3は、搬入口4と搬出口の2つの開口によって被検査物Wの搬送方向の前後で外部に開放されている。これら2つの開口には、X線を遮蔽する遮蔽カーテン8がそれぞれ設けられている。遮蔽カーテン8は、X線発生器により照射されるX線が検査空間3の外部に漏洩することを防止する。X線検査装置1は、検査空間3から搬入口4及び搬出口を通して外部に漏洩するX線が、遮蔽カーテン8により可及的に減少せしめられる。すなわち、X線検査装置1は、外部に対する必要な遮蔽性能を備えている。なお、図1では、搬入口4側の遮蔽カーテン8のみが表され、搬出口側の遮蔽カーテン8は図示されていない。
図2は図1に示した押し退け部材9の斜視図である。
X線検査装置1では、被検査物Wの代わりに遮蔽カーテン8を押し退ける押し退け部材9が、上方から押し退け部材9の押し退ける部位を下流側にして投入され、搬入口の手前で被検査物Wと合体するようになっている。詳細な機構の説明は省略するが、例えば、X線検査装置1の前段に設置されたコンベアの位置にて作業者等の人の手により投入して合体させ、X線検査装置1の後段に設置されたコンベアの位置にて作業者等の人の手により回収する。そして、押し退け部材9は、被検査物Wの搬送面S上における移動防止部材としての役割を有する。押し退け部材9は、被検査物Wとともに検査空間3へ搬入され、搬出される。押し退け部材9は、被検査物Wに応じた形状のものを複数揃えることができる。また、押し退け部材9は、繰り返し使用することができる。なお、押し退け部材9は、ロボットアーム等を用い、被検査物Wと合体や回収をするようにしてもよい。
押し退け部材9は、例えば上下が開放された枠体構造とすることができる。図例では、押し退け部材9が四角枠で形成される。押し退け部材9は、鉛入りの遮蔽カーテン8に対して、押し戻されることのない最大摩擦力を有する。押し退け部材9は、この最大摩擦力が得られる例えば十分な質量を有して形成される。このため、押し退け部材9は、四方の枠部を例えばステンレスよりなる板材10で形成することができる。
図3は搬送時において押し退け部材9により囲われた搬送面S上の被検査物Wを表す平面図である。
押し退け部材9は、位置決め部材11を有する。位置決め部材11は、押し退け部材9の内側面9a、本実施形態では各板材10の下縁中央位置にそれぞれ固定される。位置決め部材11は、押し退け部材9の内側に配置される被検査物Wと内側面9aとの間に所定距離の隙間12を形成する。すなわち、位置決め部材11は、被検査物Wとの距離をおくため、板材10と被検査物Wとが触れないように設けられる。位置決め部材11は、例えば樹脂製のブロック状により形成することができる。位置決め部材11は、樹脂であることでX線の影になりにくい。
なお、位置決め部材11は、押し退け部材9に対して被検査物Wが十分に小さい場合は、省略することも可能となる。つまり、位置決め部材11は、押し退け部材9に対して着脱自在な構成としてもよい。
X線検査装置1は、被検査物Wに対し、X線画像における押し退け部材9に対応する箇所である縁部を検査対象領域外としてマスク設定して検査を行う画像処理部(不図示)を備える。画像処理部は、上記異物混入による不良品判定処理時に、被検査物Wを囲った押し退け部材9を異物として誤認識しないよう画像処理により判断する。不良検出部(不図示)は、押し退け部材9を異物として検出しない。この不良検出部は、画像処理部における画像処理に関する機能の一つである。
図示を省略するが、不良検出部は、マスク領域設定部、被検査物抽出部、不良判断部を有する。マスク領域設定部には、被検査物WのX線透過画像上における押し退け部材9の座標軸位置に所定の範囲を有するマスク領域13(図5参照)を設定する。
マスク領域13は、被検査物Wを基準としてこの被検査物Wの所定の座標軸位置上に所定の範囲を有して設定される。被検査物Wは、搬送時に先端が位置検出器(不図示)を遮った開始トリガの信号入力時期を基準位置として画像展開される。マスク領域13についても、この被検査物WのX線透過画像の基準位置を基準としており、開始トリガの信号入力に同期して設定された座標軸位置上にそれぞれ所定範囲を有して設定される。
被検査物抽出部は、被検査物W内部の異物判定用としてマスク領域13を除く被検査物WのX線透過画像を抽出画像として抽出する。検査対象外である押し退け部材9は、マスク領域13に位置しており、この抽出画像に押し退け部材9は含まれない。これにより抽出画像におけるX線透過量に基づく上記処理により、被検査物Wの内部のみの異物検出が行われる。
また、上述したマスク領域13の設定については、マスク領域13をX線画像の濃度から設定するようにしてもよい。例えば、X線検出器が検出したX線の検出量を濃淡として出力される濃度データに基づいたX線画像では、被検査物Wと押し退け部材9の部分は、押し退け部材9の周囲となる背景部分より高い濃度の濃い画像となり、さらに、被検査物Wよりもその外側に位置することとなる押し退け部材9のほうが高い濃度の画像となる。これらの濃度の違いから、背景部分を除いた検査X線画像を抽出し、かつ、この検査X線画像から押し退け部材9に対応する検査X線画像の縁部を求め、この縁部をマスク領域13として設定する。
次に、上記した構成の作用を説明する。
本実施形態に係るX線検査装置1では、搬送手段であるコンベア5,6によって被検査物Wが検査空間3内に搬入される。検査空間3は、筐体2によりX線の漏洩が防止される。筐体2には、被検査物Wを搬入する搬入口4と、被検査物Wを搬出する搬出口とが設けられる。搬入口4及び搬出口には、外にX線が漏洩することを防止するための遮蔽カーテン8が取り付けられている。
遮蔽カーテン8は、鉛等の遮蔽物質を練り込んだゴム等からなる複数の短冊片14を有して形成される。複数の短冊片14は、一方の短辺部が、搬入口4及び搬出口の上縁に、直線状に固定される。それぞれの短冊片14は、他方の短辺部が搬送手段の搬送面Sに近接して垂下する。複数の短冊片14は、隣接する短冊片14との間が、X線の漏洩を十分に抑制できる距離のスリットを介して搬送面Sの幅方向に面状となって並ぶ。従って、複数の短冊片14は、被検査物Wの幅方向に応じた所定枚数のものが、搬送される被検査物Wに押し退けられる。
図4(a)は遮蔽カーテン8に到達する前の被検査物W及び押し退け部材9の側面図、(b)は遮蔽カーテン8を通過途中の被検査物W及び押し退け部材9の側面図である。
押し退けられる短冊片14は、重力の作用により図4(a)に示す垂下した状態から、搬送される被検査物Wに押圧されることにより、撓められて押し退けられる。押し退け部材9が使用されない場合では、被検査物Wは、最大摩擦力が押し退け力よりも大きいと、遮蔽カーテン8を押し退けることができる。
一方、軽量な被検査物Wは、最大摩擦力が押し退け力よりも小さいと、遮蔽カーテン8から受ける反力により押し戻される。このため、必要な押し退け力を生じさせることのできない軽量な被検査物Wは、引っ掛かりや転倒、姿勢変化が生じる。
なお、本明細書において、「軽量な被検査物」とは、遮蔽カーテン8に、必要な押し退け力を生じさせることのできない被検査物Wを言う。また、「引っ掛かり」とは、短冊片14に当たった被検査物Wが押し戻され、被検査物Wの一部分が相対的に移動する搬送面Sに摺接する状態、或いは押し戻しによって搬送面Sから浮き上がってしまうような状態を言う。
そこで、X線検査装置1は、搬送面Sに、被検査物Wとともに図4(a)に示す押し退け部材9が載置される。押し退け部材9は、図4(b)に示すように、被検査物Wの代わりに遮蔽カーテン8の所定枚数の短冊片14を押し退ける。押し退け部材9は、鉛入りの遮蔽カーテン8に対して、押し戻されることのない最大摩擦力を有する。押し退け部材9は、この最大摩擦力が得られる例えば十分な質量を有して形成される。
また、押し退け部材9は、遮蔽カーテン8に対向する被検査物Wの先端面外形(輪郭)よりも大きい外形(高さ及び幅)を有して形成することができる。従って、被検査物Wは、押し退け部材9が遮蔽カーテン8を押し退けているとき、引っ掛かりや転倒、姿勢変化の生じる遮蔽カーテン8との接触がない。これにより、軽量な被検査物Wは、搬入口4を安定して通過可能となり、検査空間3に搬入される。
なお、押し退け部材9は、被検査物Wの外方を包囲できれば、先端枠面が、被検査物Wの先端面外形(輪郭)よりも小さくてもよい。このような押し退け部材9の形状としては、例えば搬送方向下流側が鋭角側となる三角筒や舟形等が挙げられ、このような形状であれば、短冊片14を左右にかき分けるような動作となる。
図5は被検査物Wの周囲に設定されるマスク領域13を表す模式図である。
押し退け部材9により遮蔽カーテン8を通過して検査空間3に進入した被検査物Wは、X線発生器によりX線が照射される。X線の照射された被検査物Wは、透過したX線の透過量に応じた濃度データがX線検出器により検出される。X線検査装置1では、この濃度データに基づいたX線画像を処理して被検査物Wの検査を行う。
このとき、X線検査装置1は、画像処理部が、押し退け部材9に対応する箇所である縁部を検査対象領域外としてマスク設定して検査を行う。画像処理部は、押し退け部材9に応じた座標軸位置に図5に示す所定範囲のマスク領域13を設定し、このマスク領域13で検出された押し退け部材9を異物として認識しないようにする。これにより、X線検査装置1は、押し退け部材9が異物として検出されてしまい、誤判定や、その後の作動不良、装置を稼働できなくなる異物検出状態への移行が回避される。
検査の終了した軽量な被検査物Wは、押し退け部材9が搬出口側の遮蔽カーテン8を押し退けることにより、搬出口を安定して通過し、検査が完了する。
そして、このX線検査装置1では、押し退け部材9が、上下を開放させた枠体構造で形成される。押し退け部材9は、例えば軸線が搬送面Sに垂直な角筒、円筒等とすることができる。また、押し退け部材9は、搬送面S側の開放面積が大きい角錐筒、円錐筒とすることができる。なお、押し退け部材9は、これらの形状には限定されない。上下が開放された枠体構造であれば、不定形であってよい。
例えば四角筒(すなわち、四角枠)で形成された押し退け部材9は、上記のように、遮蔽カーテン8に対向する被検査物Wの先端面外形(輪郭)よりも大きい外形(高さ及び幅)の先端枠面を有している。この場合においても、押し退け部材9は、最大摩擦力が得られる例えば十分な質量を有して形成される。
これにより、枠体構造の押し退け部材9は、被検査物Wの代わりに遮蔽カーテン8を押し退けることができる。また、押し退け部材9は、搬送面Sに載せられた被検査物Wを包囲するので、撓んだ後、被検査物Wの側部に接触しようとする短冊片14を遮ることもできる。その結果、搬送方向下流側だけでなく、側方から遮蔽カーテン8が撓んで被検査物Wに接触することも抑制できる。
また、このX線検査装置1では、押し退け部材9が位置決め部材11を有する。位置決め部材11は、押し退け部材内側面9aに設けられ、内側面9aと被検査物Wとの間に、所定距離の隙間12を形成する。押し退け部材9が例えば四角枠の場合には、各内側面9aに一つずつの合計4つの位置決め部材11が設けられる。内側面9aは、被検査物Wと平面視で相似形であれば、各内側面9aと被検査物Wとの隙間12は、等間隔になる。なお、押し退け部材9と被検査物Wとは、相似形でなくてもよい。この場合、各位置決め部材11は、異なる形状として設定してもよい。
X線検査装置1は、位置決め部材11が設けられていることにより、押し退け部材9の内側面9aが所定距離を有して被検査物Wから離間する。これにより、位置決め部材11を備える押し退け部材9によれば、内側面9aから離れて被検査物Wが配置されることになり、マスク処理の際に被検査物Wもマスクされ画像処理されることがない。また、マスクすべき押し退け部材9から離れて被検査物Wが位置して搬送されるので、被検査物Wのみを確実に検査できる。さらに、隙間12が確保されることにより、押し退け部材9に応じたマスク領域13を設定する際のマスク領域設定精度を緩和することができる。
その結果、位置決め部材11を備える押し退け部材9によれば、被検査物Wが押し退け部材9に接近、或いは接触してしまい、被検査物Wの一部が押し退け部材9と一緒にマスクされてしまうことを確実に防止できる。
次に、上記した構成の変形例を説明する。
図6は側面視L字形に構成される変形例に係る押し退け部材9Aの側面図である。
押し退け部材9Aは、底板15がアクリル樹脂などの樹脂材で形成され、搬送方向下流側にのみ板材10を立設した側面視L字状の構成としてもよい。底板15には、被検査物Wが載置される。また、底板15には、位置決め部材11が設けられる。位置決め部材11は、例えば底板15が四角形である場合、板材10の内側面9a、及び各辺ごとの中央部分表面の計四箇所設けられる。
この変形例に係る押し退け部材9Aによれば、形状を簡素にできる。そして、この押し退け部材9Aによれば、板材10を平行に配置した向きで、底板15を多段状に重ねることで、小さなスペースに収容することができる。また、押し退け部材9Aは、被検査物Wを挟む一対の側板部分がないため、横からのX線照射にはX線に減衰を生じにくくして、検査精度の低下を抑制することができる。
図7は樹脂製の底板15を有する変形例に係る押し退け部材9Bの側面図である。
押し退け部材9Bは、底板15がある四角枠状に形成してもよい。この場合、底板15は、X線が透過するアクリル樹脂などの樹脂製となる。周囲の枠体構造は、ステンレス製とすることができる。従って、押し退け部材9Bは、底板15がアクリル樹脂製、側部がステンレスよりなる板材10のトレイ、深トレイとも言える。
なお、図示は省略するが、横向き照射のX線検査装置の場合、底板15と、搬送方向下流側の板材10とは必須となる。この場合、搬送方向下流側の板材10は、上記同様にステンレス板より構成し、一対の側板は、樹脂製の枠板とすることにより、X線の透過を可能にすることができる。
また、同様に図示は省略するが、押し退け部材は、底板15を有し、搬送方向下流側のみに板材10を立設し、板材10を搬送方向上流側で支える三角形状の側板、すなわちリブ板状の側板を一対設けてもよい。このような板材10を支持する一対の側板を備えた押し退け部材によれば、遮蔽カーテン8から受ける反力に対する強度を確保でき、耐久性を高めることができる。
従って、本実施形態に係るX線検査装置1によれば、軽量な被検査物Wであっても遮蔽カーテン8による引っ掛かりや転倒、姿勢変化を生じさせることなく、安定した検査を可能とすることができる。
1…X線検査装置
3…検査空間
5…搬送手段(コンベア)
8…遮蔽カーテン
9…押し退け部材
9a…内側面
11…位置決め部材
12…隙間
W…被検査物

Claims (3)

  1. 搬送手段(5)によって検査空間(3)内に搬入した被検査物(W)にX線を照射するX線発生器と、前記被検査物を透過するX線を検出して透過量に応じた濃度データを出力するX線検出器と、前記X線発生器が照射するX線が前記検査空間の外部に漏洩することを防止する遮蔽カーテン(8)と、を備え、前記X線検出器から出力される濃度データに基づいたX線画像を処理して前記被検査物の検査を行うX線検査装置(1)において、
    前記被検査物の少なくとも搬送方向下流側に位置して前記被検査物の代わりに前記遮蔽カーテンを押し退ける押し退け部材(9)と前記被検査物とが一緒に前記検査空間に搬入されて得られる前記押し退け部材を含んだ検査X線画像に対し、前記押し退け部材に対応する該検査X線画像の縁部を検査対象領域外としてマスク設定して検査を行う画像処理部を備えることを特徴とするX線検査装置。
  2. 前記押し退け部材は、上下が開放された枠体構造であることを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記押し退け部材には、前記被検査物と前記押し退け部材の内側面(9a)との間に所定距離の隙間(12)を形成するための位置決め部材(11)が備えられることを特徴とする請求項1または2記載のX線検査装置。
JP2018179054A 2018-09-25 2018-09-25 X線検査装置 Active JP7065742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018179054A JP7065742B2 (ja) 2018-09-25 2018-09-25 X線検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018179054A JP7065742B2 (ja) 2018-09-25 2018-09-25 X線検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020051798A true JP2020051798A (ja) 2020-04-02
JP7065742B2 JP7065742B2 (ja) 2022-05-12

Family

ID=69996627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018179054A Active JP7065742B2 (ja) 2018-09-25 2018-09-25 X線検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7065742B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022021222A (ja) * 2020-07-21 2022-02-02 トーヨーカネツ株式会社 自動適正荷姿保持システム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030062373A1 (en) * 2001-10-01 2003-04-03 Holland Steven Craig Security tray
US20040016271A1 (en) * 2002-07-23 2004-01-29 Kirti Shah Portable inspection containers
JP2004239753A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Shimadzu Corp X線異物検査装置
JP2005003480A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Ishida Co Ltd X線検査装置
JP2014048177A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Ishida Co Ltd X線検査装置
JP2015102494A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 株式会社イシダ X線検査装置
JP2018131239A (ja) * 2017-02-16 2018-08-23 三甲株式会社 トレー

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030062373A1 (en) * 2001-10-01 2003-04-03 Holland Steven Craig Security tray
US20040016271A1 (en) * 2002-07-23 2004-01-29 Kirti Shah Portable inspection containers
JP2004239753A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Shimadzu Corp X線異物検査装置
JP2005003480A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Ishida Co Ltd X線検査装置
JP2014048177A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Ishida Co Ltd X線検査装置
JP2015102494A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 株式会社イシダ X線検査装置
JP2018131239A (ja) * 2017-02-16 2018-08-23 三甲株式会社 トレー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022021222A (ja) * 2020-07-21 2022-02-02 トーヨーカネツ株式会社 自動適正荷姿保持システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7065742B2 (ja) 2022-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020051798A (ja) X線検査装置
JP2008157821A (ja) X線異物検査装置
EP3745119A1 (en) Inspection line
US20160282319A1 (en) Scanning system for trace detection
JP5569972B2 (ja) X線異物検出装置
JP3932479B2 (ja) X線異物検査装置
JP2018077091A (ja) X線検査装置
KR20150134033A (ko) 소형 제품의 연속 검사를 위한 엑스레이 검사 장치
JP5601984B2 (ja) 多孔板表面検査方法及び多孔板表面検査装置
JP6332727B2 (ja) 透過式内部検査装置の被検査物搬送方法
JP2009236633A (ja) X線異物検査装置
JP5650002B2 (ja) X線異物検出装置
KR102000944B1 (ko) 교체 방식 모듈 구조의 엑스레이 검사 장치
JP2020051799A (ja) X線検査装置
JP2007322344A (ja) X線検査装置
JP6285674B2 (ja) X線検査装置
JP4690095B2 (ja) X線検査装置
JP5337084B2 (ja) X線検査装置
JP4711313B2 (ja) X線検査装置
JP5525300B2 (ja) X線異物検出装置
JP2012088291A (ja) X線検査装置
JP6830243B2 (ja) X線検査装置
JP2017075830A (ja) X線による異物検出装置
JP2008111747A (ja) 異物検査装置
KR102142036B1 (ko) 다중 연속 엑스레이 검사 방법 및 이를 위한 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201207

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20210419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7065742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150