JP2020051565A - ブレーキディスク及びブレーキディスクの製造方法 - Google Patents

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Kyoko Kosaka
享子 小坂
勝弥 岡山
Katsuya Okayama
勝弥 岡山
安井 由行
Yoshiyuki Yasui
由行 安井
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Abstract

【課題】微細な摩耗粉の大気中への飛散を抑制することができるブレーキディスクを提供すること。【解決手段】ブレーキディスク10は、鋳造工程を含む複数の工程を経て円盤状に製造される。ブレーキディスク10は、ブレーキパッド21と接触する第一摺動面11o及び第二摺動面11iに、鋳造工程にて形成された鋳肌面を有し、且つ、径方向に延設された溝部13が形成される。又、ブレーキディスク10がベンチレーティッド型の場合には、第一摺動面11o及び第二摺動面11iに、鋳造工程にて形成された鋳肌面を有する通気路11dに連通する孔部14が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキディスク及びブレーキディスクの製造方法に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示されたブレーキディスクが知られている。この従来のブレーキディスクは、ブレーキディスク本体に設けられていて、挿入空間に向かって歪められた主要羽根を横切って延びる通過チャンネルを有している。又、従来のブレーキディスクは、ブレーキディスク本体の少なくとも一部には固定カバーが設けられており、固定カバーの中に二次羽根のシステムが配置されるようになっている。通過チャンネルは、列をなして配置されており、ブレーキディスクの中心からの距離が増加するにつれて増加する穴部を有している。二次羽根は少なくとも主要羽根と同数とされ、二次羽根の衝突表面は冷却気流の方向に対して向けられるようになっている。そして、従来のブレーキディスクにおいては、ブレーキディスク本体を中心とする空間が通過チャンネルと相互連結され、ホイールディスクを通ってホイールの外側に冷却空気が引き出されるようになっている。
特表2013−534604号公報
ところで、ディスクブレーキ装置は、ブレーキディスクに対してブレーキパッドを接触させることにより、制動力を発生させる。上記従来のブレーキディスクは、通過チャンネルを介して冷却空気をホイールの外側に引き出すようになっている。このため、ブレーキディスクとブレーキパッドとの接触によってブレーキパッドから発生した微細な摩耗粉は、冷却空気と共にホイールの外側即ち大気中に飛散する。摩耗粉の大気中への飛散は、環境保全の観点から抑制することが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、微細な摩耗粉の大気中への飛散を抑制することができるブレーキディスクを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係るブレーキディスクは、摩擦部材と接触する摺動面に、鋳肌面を有し、且つ、径方向に延設された溝部を有する。
又、本発明に係るブレーキディスクは、第一ディスク部材、第二ディスク部材、及び、第一ディスク部材と第二ディスク部材との間に配置されたフィンによって構成されて鋳肌面を有する通気路と、第一ディスク部材及び第二ディスク部材に設けられていて、第一摩擦部材と接触する第一摺動面及び第二摩擦部材と接触する第二摺動面と、を有するブレーキディスクであって、第一ディスク部材及び第二ディスク部材は、第一摺動面及び第二摺動面のうちの一方から通気路に貫通し、且つ、第一摺動面及び第二摺動面のうちの他方には貫通しない孔部が設けられる。
又、本発明に係るブレーキディスクの製造方法は、鋳造工程を含むブレーキディスクの製造方法であって、鋳造工程において、摩擦部材と接触する摺動面に、鋳肌面を有し、且つ、径方向に延設された溝部を形成する。
更に、本発明に係るブレーキディスクの製造方法は、鋳造工程を含む複数の工程を経て円盤状に形成された第一ディスク部材、第二ディスク部材、及び、第一ディスク部材と第二ディスク部材との間に配置されたフィンによって構成されて鋳造工程にて形成された鋳肌面を有する通気路と、第一ディスク部材及び第二ディスク部材に設けられていて、第一摩擦部材と接触する第一摺動面及び第二摩擦部材と接触する第二摺動面と、を有するブレーキディスクを製造するブレーキディスクの製造方法であって、第一ディスク部材及び第二ディスク部材に、第一摺動面及び第二摺動面のうちの一方から通気路に貫通し、且つ、第一摺動面及び第二摺動面のうちの他方には貫通しない孔部を設ける孔形成工程を有する。
鋳造工程において形成された溝部を有するブレーキディスクによれば、摩擦部材と第一摺動面及び第二摺動面との接触(摺動)に伴って発生した微細な摩耗粉を、鋳造工程において形成されて面粗度の粗い鋳肌面に付着(固着)させることができる。これにより、本発明に係るブレーキディスクは、溝部の鋳肌面に付着(固着)された微細な摩耗粉を溝部の内部にて雨や大気中の水分によって固めて粒子の集合体とすることができるため、微細な摩耗粉が大気中に飛散することを抑制することができる。
又、鋳造工程において形成された通気路を有し且つ通気路に連通する孔部を有するブレーキディスクによれば、孔部は、第一摩擦部材及び第二摩擦部材と第一摺動面及び第二摺動面との接触(摺動)に伴って発生した微細な摩耗粉を含む空気を鋳肌面を有する通気路に流すことができる。通気路は、鋳造工程において面粗度の粗い鋳肌面を有するため、空気に含まれる微細な摩耗粉を鋳肌面に付着(固着)させることができる。従って、本発明に係るブレーキディスクは、通気路の内部にて微細な摩耗粉を雨や大気中の水分によって粒子の集合体とすることができ、微細な摩耗粉が大気中に飛散することを抑制することができる。
本発明に係るブレーキディスクを備え、第一実施形態及び第二実施形態に共通するディスクブレーキ装置の概略的な全体図である。 第一実施形態に係り、図1のブレーキディスク(ソリッド型)の構成を示す断面図である。 第一実施形態に係り、図1のブレーキディスク(ベンチレーティッド型)の構成を示す断面図である。 ブレーキディスクの溝部を説明するための拡大図である。 図4のV−V断面を示す断面図である。 溝部の断面形状を説明するための断面図である。 溝部の断面形状を説明するための断面図である。 第一実施形態の第一変形例を示す拡大図である。 第一実施形態の第二変形例を示す拡大図である。 第二実施形態に係り、図1のブレーキディスク(ベンチレーティッド型)の構成を示す断面図である。 ブレーキディスクの孔部を説明するための拡大図である。 図11のXII−XII断面を示す断面図である。 孔部の断面形状を説明するための断面図である。 孔部の断面形状を説明するための断面図である。 第二実施形態の第一変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び変形例の相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
(第一実施形態)
ディスクブレーキ装置Bは、図1に示すように、ブレーキディスク10と、キャリパ20と、を備えている。ブレーキディスク10は、車両の車輪と一体に回転可能に設けられており、円盤状のディスク部11と、図2に示すように車両の回転部分であるハブHUにボルトBT及びナットNTにより締結される円筒状のハット部12と、から構成される。尚、ブレーキディスク10の軸線Jdに沿った方向(以下、「ディスク軸方向」とも称呼する。)において、ハット部12の車両外側には、ボルトBT及びナットNTによってホイールディスクWHが締結される。
ここで、ディスクブレーキ装置Bは、ソリッド型及びベンチレーティッド型のうちの少なくとも一方とすることができる。ソリッド型の場合、図2に示すように、ブレーキディスク10のディスク部11が中実円盤状であり、摺動面として、ディスク軸方向において車両外側となる第一摺動面11o(アウタ側摺動面)と車両内側となる第二摺動面11i(インナ側摺動面)とを有する。
又、ベンチレーティッド型の場合は、図3に示すように、ブレーキディスク10のディスク部11がディスク軸方向において車両外側となる第一ディスク部材としてのアウタ側ディスク部材11a及び車両内側となる第二ディスク部材としてのインナ側ディスク部材11bと、アウタ側ディスク部材11aとインナ側ディスク部材11bとの間に配置されたフィン11cと、を有している。そして、ベンチレーティッド型のブレーキディスク10は、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bとフィン11cとによって構成される通気路11dを有している。そして、ベンチレーティッド型の場合は、摺動面として、アウタ側ディスク部材11aが第一摺動面11oを有すると共にインナ側ディスク部材11bが第二摺動面11iを有する。尚、ディスク部11の構成については、後に詳述する。
キャリパ20は、図1に示すように、浮動式や対向型キャリパであり、二点鎖線により示すように、摩擦部材としてのブレーキパッド21を収容してブレーキディスク10を跨ぐように設けられる。キャリパ20は、車両の非回転部分(例えば、図示省略の車体側)に固定されるようになっている。キャリパ20は、ブレーキディスク10(より詳しくは、ディスク部11)の周方向(以下、この周方向を「ディスク周方向」とも称呼する。)にて相対変位不能に支持する。又、キャリパ20は、図2及び図3にて二点鎖線により示すように、ブレーキパッド21をディスク軸方向に沿ってディスク部11に向けて押動して変位可能に支持する。
これにより、一対のブレーキパッド21のうちディスク軸方向にて車両外側の第一摩擦部材(アウタ側摩擦部材)であるブレーキパッド21oは、回転するディスク部11(アウタ側ディスク部材11a)の第一摺動面11oと摺動する。又、一対のブレーキパッドのうちディスク軸方向にて車両内側の第二摩擦部材(インナ側摩擦部材)であるブレーキパッド21iは、回転するディスク部11(インナ側ディスク部材11b)の第二摺動面11iと摺動する。このようにブレーキパッド21がディスク部11と摺動することにより、車輪に制動力を発生させる。
(ディスク部11の構成について)
ブレーキディスク10のうち、少なくともディスク部11は、鋳造工程を含む複数の加工工程を経ることにより製造される。先ず、鋳造工程において、円盤状のディスク部11(第一実施形態においてはハット部12も含む)が形成される。加えて、鋳造工程において、ディスク部11に第一摺動面11o及び第二摺動面11iに、図2〜図4に示すように、ブレーキディスク10(ディスク部11)の軸線Jdから外周に向けた径方向(以下、単に、「径方向」とも称呼する。)に沿って、例えば、放射状に延設された溝部13が形成される。尚、以下の説明において、ディスク軸方向にて車両外側の第一摺動面11oに形成される溝部13を第一溝部としての溝部13oとし、ディスク軸方向にて車両内側の第二摺動面11iに形成される溝部13を第二溝部としての溝部13iとする。
ここで、鋳造工程においては、鋳型(砂型)に溶融された金属(例えば、鋳鉄やアルミニウム等)が鋳込まれてディスク部11が製造される。このため、鋳造工程を経た第一摺動面11o及び第二摺動面11iや溝部13、ベンチレーティッド型のアウタ側ディスク部材11a、インナ側ディスク部材11b及びフィン11cは、鋳型(溝部13については鋳型の凸部)の表面が転写されている。従って、第一摺動面11o、第二摺動面11i及び溝部13等は、表面の粗さが粗い状態、即ち、鋳肌を有した状態になっている。
ディスク部11は、鋳造工程の後、機械加工工程を経て仕上げられる。具体的に、機械加工工程においては、未だ鋳肌を有するディスク部11の第一摺動面11o及び第二摺動面11iを、例えば、切削や研削加工等の機械加工により平滑な面とし、最終的にディスク部11が完成される。即ち、完成されたディスク部11においては、第一摺動面11o及び第二摺動面11iのみが機械加工によって平滑な面とされる一方で、図5に示すように、溝部13o,13iの内面は鋳造工程において形成された鋳肌面13hを有したままとされる。ここで、平滑な面である第一摺動面11o及び第二摺動面11iの面粗度(表面粗さ)は0.5〜10S(「S」は最大高さRmaxを表す)とされ、鋳造工程によって形成された通気路11dの鋳肌面11hの面粗度(表面粗さ)は40〜100Sとされる。尚、ベンチレーティッド型のディスク部11においては、溝部13o,13iに加えて、通気路11dを構成するアウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bの対向面及びフィン11c即ち通気路11dの内周面が鋳肌面を有したままとされる。
溝部13o,13iは、図2及び図3に示すように、径方向における寸法Lzがブレーキパッド21o,21iの寸法Lpとほぼ同じとなるように設けられる。これにより、図4に示すように、ブレーキパッド21o,21iのそれぞれが第一摺動面11o及び第二摺動面11iと摺動する摺動領域Sを横切るように延設される。具体的に、ブレーキディスク10の径方向においてブレーキパッド21o,21iの上端Ssと下端Suとによって区画される領域を横切るように延設される。
又、図4にて実線により示す溝部13oと、図4にて破線により示す溝部13iは、ディスク周方向に沿って、交互に設けられる。第一摺動面11o及び第二摺動面11iに溝部13o,13iが設けられると、ディスク部11(アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11b)の板厚が減少し、強度が低下する。そこで、溝部13o,13iをディスク周方向において交互に設けることにより、図5に示すように、溝部13oと溝部13iとがディスク周方向において重なって設けられることがない。これにより、ブレーキディスク10の強度が十分に確保される。
尚、溝部13o,13iの溝深さは、ディスク部11(アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11b)の板厚に対して、例えば、10%以下に設定されると良い。特に、ディスク部11(アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11b)の強度が必要な場合には、ディスク部11(アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11b)の板厚に対して、例えば、5%以下に設定されると良い。
又、溝部13o,13iは、鋳肌面13hを有し、軸線Jdに平行な断面における断面形状が、図5に示すような矩形状とされている。より好ましくは、溝部13o,13iの断面形状は、図6及び図7に示すようなV字状(三角形状)とされる。
特に、溝部13o,13iの断面形状が三角形状の場合、図6に二等辺三角形状の溝部13oを例示するように、斜面13zと平滑な第一摺動面11oとがなす角度Kzが鋭角(90度よりも小さい角度)に設定される。ここで、角度Kzは、ブレーキディスク10の回転方向において、ブレーキパッド21o,21iが溝部13o,13iから離れて行く側(所謂、回出側)における角度である。又、斜面13zは、溝部13o(溝部13i)の軸線Jdに平行な断面における斜面である。
このように、角度Kzを鋭角に設定することにより、ブレーキパッド21o,21iが、ディスク部11と一体に回転する溝部13o,13iを通過する際に、溝部13o,13iの回出側の角部にて不必要に削られることが抑制される。ブレーキパッド21o,21iの不必要な削りを抑制する場合、角度Kzは60度以下に設定されることが好ましく、更には、角度Kzが45度以下に設定されることがより好ましい。
又、溝部13o,13iの断面形状が三角形状の場合、図7に直角三角形状の溝部13oを例示するように、第一斜面13xと平滑な第一摺動面11oとが角度Kxをなし、第二斜面13yと平滑な第一摺動面11oとが角度Kyをなす。尚、第一斜面13x及び第二斜面13yは、溝部13o(溝部13i)の軸線Jdに平行な断面における斜面である。そして、角度Kxと角度Kyは、鋭角であって、「Kx>Ky」の関係を満たすように設定される。
ここで、角度Kxは、ブレーキディスク10の回転方向において、ブレーキパッド21o,21iが溝部13o,13iに近づいて来る側(所謂、回入側)における角度である。又、角度Kyは、ブレーキディスク10の回転方向において、ブレーキパッド21o,21iが溝部13o,13iから離れて行く側(所謂、回出側)における角度である。
このように、角度Kyが角度Kxに対して相対的に小さくなるように設定することにより、ブレーキパッド21o,21iが、ディスク部11と一体に回転する溝部13o,13iを通過する際に、溝部13o,13iの回出側の角部にて不必要に削られることが抑制される。一方、角度Kxが角度Kyに対して相対的に大きくなるように設定することにより、後述するようにブレーキパッド21o,21iから発生した摩耗粉を溝部13o,13iの内部に閉じ込める効果を高めることができる。
(溝部13による摩耗粉飛散の抑制について)
ディスクブレーキ装置Bは、制動時にブレーキパッド21o,21iがそれぞれ回転するブレーキディスク10の第一摺動面11o及び第二摺動面11iに押圧されて摺動する(接触する)。このため、ブレーキパッド21o,21iは徐々に摩耗し、その結果、微細な摩耗粉が発生する。そして、微細な摩耗粉は、大気中の湿度や雨、結露等による水分によって、複数の粒子が集合して固まり摩耗粉の集合体を形成し易い。
ところで、溝部13o,13iは、ディスク部11の摺動領域Sを横切るように形成されており、ブレーキパッド21o,21iの摩擦面の全体が溝部13o,13iと確実に接触することができ、発生した摩耗粉が溝部13o,13iの内部に侵入し易くなっている。又、溝部13o,13iの鋳肌面13hは、上述したように、機械加工された第一摺動面11o及び第二摺動面11iに比べて、表面に微細な凹凸が存在するため表面粗さを表す面粗度が粗い。そして、摩耗粉は、面粗度が粗い表面に付着(固着)し易い。
従って、第一摺動面11o及び第二摺動面11iよりも面粗度が粗い鋳肌面13hを有する溝部13o,13iには微細な摩耗粉が進入して溜まり、溝部13o,13iの内部にて微細な摩耗粉は雨や大気中の水分によって固められて集合体を形成する。そして、溝部13o,13iの内部に存在する摩耗粉の集合体が、乾燥すると共にある程度の大きさまで成長すると、溝部13o,13iの内部からブレーキディスク10の外部に脱落する。ここで、成長した摩耗粉の集合体は、大きさ(重量)が大きいため、大気中に飛散することがない。これにより、ブレーキパッド21o,21iがブレーキディスク10の第一摺動面11o及び第二摺動面11iと摺動して微細な摩耗粉が発生しても、微細な摩耗粉が大気中に飛散することが抑制され得る。
以上の説明からも理解できるように、第一実施形態のブレーキディスク10(より詳しくは、ディスク部11)は、摩擦部材としてのブレーキパッド21(ブレーキパッド21o,21i)と接触する摺動面としての第一摺動面11o及び第二摺動面11iに、鋳肌面13hを有し、且つ、径方向に延設された溝部13o,13iが形成される。
又、第一実施形態のブレーキディスク10(より詳しくは、ディスク部11)は、鋳造工程において、ブレーキパッド21(ブレーキパッド21o,21i)と接触する摺動面としての第一摺動面11o及び第二摺動面11iに、鋳造工程にて形成された鋳肌面13hを有し、且つ、径方向に延設された溝部13o,13iが形成される製造方法によって製造される。
これらによれば、鋳造工程において形成された溝部13o,13iは、ブレーキパッド21o,21iと第一摺動面11o及び第二摺動面11iとの接触(摺動)に伴って発生した微細な摩耗粉を、鋳肌面13hに付着(固着)させることができ、内部にて微細な摩耗粉を粒子の集合体とすることができる。従って、微細な摩耗粉が大気中に飛散することを抑制することができる。
尚、上記実施形態においては、溝部13o,13iが同一の溝幅を有して延設されるようにした。しかしながら、摩耗粉は遠心力によりブレーキディスク10の径方向にて外方に向けて移動しやすい。このため、摩耗粉の大気中への飛散を抑制する、換言すれば、摩耗粉の回収率を高めるために、溝部13o,13iの溝幅については径方向にて内方の溝幅に対して径方向にて外方の溝幅を大きくすることが可能である。
(第一実施形態の第一変形例)
上記第一実施形態においては、図4に示すように、溝部13o,13iをディスク周方向において交互となるように設けるようにした。これに代えて、又は、加えて、ディスクブレーキ装置Bがベンチレーティッド型の場合、図8に示すように、溝部13o,13iをディスク部11(ブレーキディスク10)のフィン11cの形成位置に合わせて放射状に設けることも可能である。これにより、溝部13o,13iを設けることによりディスク部11の板厚が減少する場合であっても、フィン11cが存在することによって強度を十分に確保することができる。
又、溝部13o,13iをフィン11cの形成位置に合わせて放射状に設けることに代えて、図8に示すように、複数のフィン11cに跨ぐように、溝部13o,13iを設けることも可能である。この場合、溝部13o,13iは、上記第一実施形態と同様に、摺動領域Sを横切るように設けられる。又、ブレーキパッド21o,21iの不必要な削りを抑制するために、図8に示すように、ブレーキパッド21o,21iが溝部13o,13iの径方向における内方(基端側)よりも外方(先端側)を先に通過するように設けられる。
(第一実施形態の第二変形例)
上記第一実施形態においては、溝部13o,13iのそれぞれを一つの溝として設けて、摺動領域Sを横切るように、即ち、ブレーキパッド21o,21iの摩擦面の全体が溝部13o,13iを通過するようにした。これに代えて、図9に示すように、複数の溝部13o1、溝部13o2及び溝部13o3を設けるようにすることも可能である。尚、図9においては、第一摺動面11oに設けた複数の溝部13o1、溝部13o2及び溝部13o3を例示的に示しており、第二摺動面11iにも複数の溝部が設けられることは言うまでもない。
溝部13o1、溝部13o2及び溝部13o3は、図9に示すように、それぞれの径方向における長さの合計が摺動領域Sとほぼ同じとなるように設けられる。具体的に、溝部13o1の径方向における下端を表す一点鎖線Saよりも溝部13o2の径方向における上端が径方向にて外方に位置し、溝部13o2の径方向における下端を表す一点鎖線Sbよりも溝部13o3の径方向における上端が径方向にて外方に位置するように設けられる。これにより、ディスク部11(アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11b)の回転に伴って、ブレーキパッド21o,21iが溝部13o1、溝部13o2及び溝部13o3を順次通過することができる。従って、溝部13o1、溝部13o2及び溝部13o3は、ブレーキパッド21o,21iの摩擦面と接触することができ、上記第一実施形態と同様に、微細な摩耗粉が大気中に飛散すること抑制することができる。
(第二実施形態)
第二実施形態のディスクブレーキ装置Bも、図1に示すように、ブレーキディスク10と、キャリパ20と、を備えている。ここで、第二実施形態のディスクブレーキ装置Bは、図10に示すように、ベンチレーティッド型のブレーキディスク10を備えている。
即ち、第二実施形態のブレーキディスク10は、ディスク部11がディスク軸方向において車両外側となる第一ディスク部材としてのアウタ側ディスク部材11a及び車両内側となる第二ディスク部材としてのインナ側ディスク部材11bと、フィン11cと、を有している。そして、ブレーキディスク10は、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bとフィン11cとによって構成される通気路11dを有している。そして、ブレーキディスク10は、アウタ側ディスク部材11aが第一摺動面11oを有すると共にインナ側ディスク部材11bが第二摺動面11iを有する。
(ディスク部11の構成について)
この第二実施形態においてもブレーキディスク10のうち、少なくともディスク部11は、鋳造工程を含む複数の加工工程を経ることにより製造される。先ず、鋳造工程において、円盤状のディスク部11(第二実施形態においてはハット部12も含む)が形成される。加えて、鋳造工程において、通気路11dが形成される。ディスク部11に第一摺動面11o及び第二摺動面11iに、図10及び図11に示すように、径方向に沿って、例えば、放射状に延設された長孔の孔部14が形成される。尚、以下の説明において、ディスク軸方向にて車両外側の第一摺動面11oに形成される孔部14を第一孔部としての孔部14oとし、ディスク軸方向にて車両内側の第二摺動面11iに形成される孔部14を第二孔部としての孔部14iとする。
ここで、鋳造工程においては、鋳型(砂型)に溶融された金属(例えば、鋳鉄やアルミニウム等)が鋳込まれてディスク部11が製造される。このため、鋳造工程を経た第一摺動面11o及び第二摺動面11iや、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bの対向面、フィン11cは、鋳型の表面が転写されている。従って、第一摺動面11o及び第二摺動面11i、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bの対向面とフィン11cとによって構成される通気路11dの内周面等は、表面の粗さが粗い状態、即ち、鋳肌を有した状態になっている。
そして、この第二実施形態においても、ディスク部11は、鋳造工程の後、機械加工工程を経て仕上げられる。具体的に、機械加工工程においては、未だ鋳肌を有するディスク部11の第一摺動面11o及び第二摺動面11iを、例えば、切削や研削等の機械加工により平滑な面とする。
そして、この第二実施形態においては、例えば、ドリル加工等の機械加工により、図10及び図11に示すように、第一摺動面11o及び第二摺動面11iに径方向に沿って、放射状に延設された長孔の孔部14を形成する孔形成工程を経て、最終的にディスク部11が完成される。即ち、完成されたディスク部11においては、第一摺動面11o及び第二摺動面11iと孔部14とが機械加工によって平滑な面とされる一方で、図12に示すように、通気路11dの内周面は鋳肌面11hを有したままとされる。ここで、平滑な面である第一摺動面11o及び第二摺動面11iの面粗度(表面粗さ)は0.5〜10S(「S」は最大高さRmaxを表す)とされ、鋳造工程によって形成された通気路11dの鋳肌面11hの面粗度(表面粗さ)は40〜100Sとされる。尚、以下の説明において、ディスク軸方向にて車両外側の第一摺動面11oに形成される孔部14を第一孔部としての孔部14oとし、ディスク軸方向にて車両内側の第二摺動面11iに形成される孔部14を第二孔部としての孔部14iとする。
孔部14o,14iは、図10に示すように、径方向における寸法Laがブレーキパッド21o,21iの寸法Lpとほぼ同じとなるように設けられる。これにより、図11に示すように、ブレーキパッド21o,21iのそれぞれが第一摺動面11o及び第二摺動面11iと摺動する摺動領域Sを横切るように延設される。具体的に、ブレーキディスク10の径方向においてブレーキパッド21o,21iの上端Ssと下端Suとによって区画される領域を横切るように延設される。
又、図11にて実線により示す孔部14oと、図11にて破線により示す孔部14iは、ディスク周方向に沿って、フィン11cを挟んで交互に設けられる。第一摺動面11o及び第二摺動面11iに孔部14o,14iが設けられると、ディスク部11(アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11b)の板厚が減少し、強度が低下する。そこで、溝部13o,13iをディスク周方向において交互に設けることにより、図5に示すように、溝部13oと溝部13iとがディスク周方向において重なって設けられることがない。これにより、ブレーキディスク10の強度が十分に確保される。
又、孔部14o,14iは、図12に示すように、それぞれが通気路11dと連通するように設けられている。即ち、孔部14oは、第一摺動面11o及び第二摺動面11iのうちの第一摺動面11oを貫通するのみであり、他方である第二摺動面11iを貫通しない。孔部14iは、第一摺動面11o及び第二摺動面11iのうちの第二摺動面11iを貫通するのみであり、他方である第一摺動面11oを貫通しない。
又、孔部14o,14iは、鋳肌面14hを有し、軸線Jdに平行な断面における断面形状が、図12に示すような矩形状とされている。より好ましくは、孔部14o,14iの断面形状は、図13及び図14に示すようなV字状(三角形状)とされる。
特に、孔部14o,14iの断面形状が三角形状の場合、図13に二等辺三角形状の孔部14oを例示するように、斜面14eと平滑な第一摺動面11oとがなす角度Keが鋭角(90度よりも小さい角度)に設定される。ここで、角度Keは、ブレーキディスク10の回転方向において、ブレーキパッド21o,21iが孔部14o,14iから離れて行く側(所謂、回出側)における角度である。又、斜面14eは、孔部14o(孔部14i)の軸線Jdに平行な断面における斜面である。
このように、角度Keを鋭角に設定することにより、ブレーキパッド21o,21iが、ディスク部11と一体に回転する孔部14o,14iを通過する際に、孔部14o,14iの回出側の角部にて不必要に削られることが抑制される。ブレーキパッド21o,21iの不必要な削りを抑制する場合、角度Keは60度以下に設定されることが好ましく、更には、角度Keが45度以下に設定されることがより好ましい。
又、孔部14o,14iの断面形状が三角形状の場合、図14に直角三角形状の孔部14oを例示するように、第一斜面14fと平滑な第一摺動面11oとが角度Kfをなし、第二斜面14gと平滑な第一摺動面11oとが角度Kgをなす。尚、第一斜面14f及び第二斜面14gは、孔部14o(孔部14i)の軸線Jdに平行な断面における斜面である。そして、角度Kfと角度Kgは、鋭角であって、「Kf>Kg」の関係を満たすように設定される。
ここで、角度Kfは、ブレーキディスク10の回転方向において、ブレーキパッド21o,21iが孔部14o,14iに近づいて来る側(所謂、回入側)における角度である。又、角度Kgは、ブレーキディスク10の回転方向において、ブレーキパッド21o,21iが孔部14o,14iから離れて行く側(所謂、回出側)における角度である。
このように、角度Kgが角度Kfに対して相対的に小さくなるように設定することにより、ブレーキパッド21o,21iが、ディスク部11と一体に回転する孔部14o,14iを通過する際に、孔部14o,14iの回出側の角部にて不必要に削られることが抑制される。一方、角度Kfが角度Kgに対して相対的に大きくなるように設定することにより、後述するようにブレーキパッド21o,21iから発生した摩耗粉を含む空気が孔部14o,14iを介して通気路11dに流入する際の効率を高めることができる。
(孔部14による摩耗粉飛散の抑制について)
ディスクブレーキ装置Bは、制動時にブレーキパッド21o,21iがそれぞれ回転するブレーキディスク10の第一摺動面11o及び第二摺動面11iに押圧されて摺動する(接触する)。このため、ブレーキパッド21o,21iは徐々に摩耗し、その結果、微細な摩耗粉が発生する。そして、微細な摩耗粉は、大気中の湿度や雨、結露等による水分によって、複数の粒子が集合して固まり摩耗粉の集合体を形成し易い。
ところで、孔部14o,14iは、ディスク部11の摺動領域Sを横切るように形成されており、ブレーキパッド21o,21iの摩擦面の全体が孔部14o,14iと確実に接触することができる。又、孔部14o,14iから進入した空気は通気路11dの鋳肌面11hに接触しながら通過する。このため、発生した摩耗粉を含む空気は、孔部14o,14iを介して通気路11dの内部に侵入し易くなっている。又、通気路11dの鋳肌面11hは、上述したように、機械加工された第一摺動面11o、第二摺動面11i及び孔部14o,14iに比べて、表面に微細な凹凸が存在するため表面粗さを表す面粗度が粗い。そして、摩耗粉は、面粗度が粗い表面に付着(固着)し易い。
従って、第一摺動面11o及び第二摺動面11i等よりも面粗度が粗い通気路11dの鋳肌面11hには微細な摩耗粉が進入して溜まり、通気路11dの内部にて微細な摩耗粉は雨や大気中の水分によって固められて集合体を形成する。そして、通気路11dの内部に存在する摩耗粉の集合体が、乾燥すると共にある程度の大きさまで成長すると、通気路11dの内部からブレーキディスク10の外部に脱落する。ここで、成長した摩耗粉の集合体は、大きさ(重量)が大きいため、大気中に飛散することがない。これにより、ブレーキパッド21o,21iがブレーキディスク10の第一摺動面11o及び第二摺動面11iと摺動して微細な摩耗粉が発生しても、微細な摩耗粉が大気中に飛散することが抑制され得る。
以上の説明からも理解できるように、第二実施形態のブレーキディスク10(より詳しくは、ディスク部11)は、第一ディスク部材としてのアウタ側ディスク部材11a、第二ディスク部材としてのインナ側ディスク部材11b、及び、アウタ側ディスク部材11aとインナ側ディスク部材11bとの間に配置されたフィン11cによって構成されて鋳肌面を有する通気路11dと、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bに設けられていて、第一摩擦部材としてのブレーキパッド21oと接触する第一摺動面11o及び第二摩擦部材としてのブレーキパッド21iと接触する第二摺動面11iと、を有するブレーキディスクであって、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bは、第一摺動面11o及び第二摺動面11iのうちの一方から通気路11dに貫通し、且つ、第一摺動面11o及び第二摺動面11iのうちの他方には貫通しない孔部14o,14iが設けられる。
第二実施形態のブレーキディスク10(より詳しくは、ディスク部11)は、鋳造工程を含む複数の工程を経て円盤状に形成された第一ディスク部材としてのアウタ側ディスク部材11a、第二ディスク部材としてのインナ側ディスク部材11b、及び、アウタ側ディスク部材11aとインナ側ディスク部材11bとの間に配置されたフィン11cによって構成されて鋳造工程にて形成された鋳肌面を有する通気路11dと、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bに設けられていて、第一摩擦部材としてのブレーキパッド21oと接触する第一摺動面11o及び第二摩擦部材としてのブレーキパッド21iと接触する第二摺動面11iと、を有するブレーキディスクを製造するブレーキディスクの製造方法であって、アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11bは、第一摺動面11o及び第二摺動面11iのうちの一方から通気路11dに貫通し、且つ、第一摺動面11o及び第二摺動面11iのうちの他方には貫通しない孔部14o,14iが設ける孔形成工程を有する製造方法によって製造される。
これらによれば、孔部14o,14iは、ブレーキパッド21o,21iと第一摺動面11o及び第二摺動面11iとの接触(摺動)に伴って発生した微細な摩耗粉を含む空気を鋳肌面11hを有する通気路11dに流すことができる。これにより、空気に含まれる微細な摩耗粉は、鋳造工程において形成された通気路11dの鋳肌面11hに付着(固着)し、通気路11dの内部にて微細な摩耗粉を粒子の集合体とすることができる。従って、微細な摩耗粉が大気中に飛散することを抑制することができる。
(第二実施形態の第一変形例)
上記第二実施形態においては、図14に示すように、角度Kfと角度Kgが鋭角であって「Kf>Kg」の関係を満たすように設定されて、孔部14o,14iがされるようにした。これに代えて、図15に示すように、例えば、回入側の角度Kfを90度よりも大きく設定する、即ち、角度Kfを90度から180度までの鈍角に設定することが可能である。この場合には、角度Kfと回出側の角度Kgとが「Kf+Kg=180度」の関係を満たすように設定され、この関係を満たすように、孔部14o,14iは、例えば、ドリル加工等の機械加工によって斜め孔として形成することができる。
(第二実施形態の第二変形例)
上記第二実施形態においては、孔部14o,14iのそれぞれを一つの長孔として設けて、摺動領域Sを横切るように、即ち、ブレーキパッド21o,21iの摩擦面の全体が孔部14o,14iを通過するようにした。これに代えて、上記第一実施形態の第二変形例と同様に、複数の長孔を設けるようにすることも可能である。尚、この場合には、図9に示した溝部13o1、溝部13o2及び溝部13o3がそれぞれ通気路11dに連通するようにアウタ側ディスク部材11aを貫通する長孔に変更される。
このように、孔部14を複数の長孔によって構成した場合には、ディスク部11(アウタ側ディスク部材11a及びインナ側ディスク部材11b)の回転に伴って、ブレーキパッド21o,21iがそれぞれの長孔を順次通過することができる。従って、それぞれの長孔は、ブレーキパッド21o,21iの摩擦面と接触することができると共に発生した微細な摩耗粉を含む空気を通気路11dに流すことができる。これにより、この第二変形例においても、上記第二実施形態と同様に、微細な摩耗粉が大気中に飛散すること抑制することができる。
(第二実施形態のその他の変形例)
上記第二実施形態及び上記各変形例においては、孔部14o,14iがドリル加工等の機械加工によって形成されて、斜面14e、第一斜面14f及び第二斜面14gが平滑であるとした。これに代えて、孔部14o,14iが鋳造工程において形成され、斜面14e、第一斜面14f及び第二斜面14gが鋳肌面を有するようにすることも可能である。この場合には、孔部14o,14iの内周面即ち鋳肌面に微細な摩耗粉が付着(固着)する可能性があるものの、上記第二実施形態及び上記各変形例と同等の効果が期待できる。
10…ブレーキディスク、11…ディスク部、11a…アウタ側ディスク部材、11b…インナ側ディスク部材、11c…フィン、11d…通気路、11h…鋳肌面、11o…第一摺動面、11i…第二摺動面、12…ハット部、13…溝部、13h…鋳肌面、13i…溝部、13o…溝部、13o1…溝部、13o2…溝部、13o3…溝部、13x…第一斜面、13y…第二斜面、13z…斜面、14…孔部、14e…斜面、14f…第一斜面、14g…第二斜面、14h…鋳肌面、14i…孔部、14o…孔部、20…キャリパ、21…ブレーキパッド、21i…ブレーキパッド、21o…ブレーキパッド、B…ディスクブレーキ装置、HU…ハブ、BT…ボルト、NT…ナット、WH…ホイールディスク、Jd…軸線、Ke,Kf,Kg,Kx,Ky,Kz…角度、La,Lp,Lz…寸法、S…摺動領域、Ss…上端、Su…下端

Claims (4)

  1. ブレーキディスクであって、
    摩擦部材と接触する摺動面に、鋳肌面を有し、且つ、径方向に延設された溝部を有する、ブレーキディスク。
  2. 第一ディスク部材、第二ディスク部材、及び、前記第一ディスク部材と前記第二ディスク部材との間に配置されたフィンによって構成されて鋳肌面を有する通気路と、
    前記第一ディスク部材及び前記第二ディスク部材に設けられていて、第一摩擦部材と接触する第一摺動面及び第二摩擦部材と接触する第二摺動面と、を有するブレーキディスクであって、
    前記第一ディスク部材及び前記第二ディスク部材は、前記第一摺動面及び前記第二摺動面のうちの一方から前記通気路に貫通し、且つ、前記第一摺動面及び前記第二摺動面のうちの他方には貫通しない孔部が設けられた、ブレーキディスク。
  3. 鋳造工程を含むブレーキディスクの製造方法であって、
    前記鋳造工程において、摩擦部材と接触する摺動面に、鋳肌面を有し、且つ、径方向に延設された溝部を形成する、ブレーキディスクの製造方法。
  4. 鋳造工程を含む複数の工程を経て円盤状に形成された第一ディスク部材、第二ディスク部材、及び、前記第一ディスク部材と前記第二ディスク部材との間に配置されたフィンによって構成されて前記鋳造工程にて形成された鋳肌面を有する通気路と、
    前記第一ディスク部材及び前記第二ディスク部材に設けられていて、第一摩擦部材と接触する第一摺動面及び第二摩擦部材と接触する第二摺動面と、を有するブレーキディスクを製造するブレーキディスクの製造方法であって、
    前記第一ディスク部材及び前記第二ディスク部材に、前記第一摺動面及び前記第二摺動面のうちの一方から前記通気路に貫通し、且つ、前記第一摺動面及び前記第二摺動面のうちの他方には貫通しない孔部を設ける孔形成工程を有する、ブレーキディスクの製造方法。
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JP7483508B2 (ja) 2020-06-04 2024-05-15 キヤノン株式会社 シャッタ装置および撮像装置

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