JP2007309431A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動時に発生する摩耗粉によるホイールの表面側の汚れを軽減することのできるディスクブレーキ装置を提供する。
【解決手段】車軸とともに回転するディスクロータ12と、一対の摩擦材16をディスクロータ12の摩擦摺動面に押圧させて制動力を発生させるキャリパ10と、キャリパ10に対してディスクロータ12の前進回転下流側で所定距離隔てた位置に、ディスクロータ12を厚み方向に跨ぐ導風体44を含む。この導風体44は、ディスクロータ12と摩擦材16が接触したときに生じる摩耗粉を含む空気をディスクロータ12の内面側、つまり、ホイール30と逆方向に導くことにより、ホイール30が摩耗粉で汚れることを軽減する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置、特にディスクブレーキ装置による制動時にディスクロータまたは摩擦材が削れて発生する摩耗粉によるホイールの汚れを軽減する技術に関する。
従来から自動車などの制動を行う装置として、ディスクブレーキ装置がある。このディスクブレーキは、車輪と共に回転するディスクロータとキャリパとで構成される。キャリパは、外形を形成すると共にシリンダとして機能するハウジング部と、キャリパ自体を車体側に固定すると共に、制動時に発生する制動トルクを受け止めるトルク受け面を含むマウントを有して構成されている。ハウジング部にはピストンが内包されていると共に、ディスクロータを挟んで配置される一対の摩擦材と、この摩擦材をそれぞれ支持する一対のパッド裏金が含まれている。パッド裏金の両端部には、例えば凸形状のガイド部が形成され、マウントのトルク受け面を形成する溝に係合してパッド裏金をマウントに支持させている。このような構成のディスクブレーキ装置において、ハウジング部とピストンの間に液圧を導入すると、ガイド部が溝内を摺動してディスクロータ側に移動し、摩擦材をディスクロータに押圧して制動力を発生することができる。
上述したように、ディスクブレーキ装置は、ディスクロータと摩擦材との摩擦によって制動力を発生させる。その結果、制動時には、ディスクロータまたは摩擦材のいずれか一方、またはその両方が削れて摩耗粉を発生する。
ところで、車両が走行している場合、走行風の一部は、ボディ底面からホイールの表裏を貫通して形成された貫通孔を抜けて、車両の内側から外側へ流れる。この走行風は、制動時にディスクロータおよび摩擦材の冷却を行う役目をする。その一方で、この走行風はディスクロータと摩擦材との接触により発生した摩耗粉も貫通孔へ向かって運んでしまう。その結果、摩耗粉が貫通孔の周囲やホイールに付着し、ホイールの汚れの原因になる。付着した摩耗粉は取れにくく、また錆の原因にもなり、外観が著しく悪化する原因となる。
そこで、従来から摩耗粉によるホイールの汚れを低減するための考案が成されている。たとえば、特許文献1には、ディスクブレーキのキャリパマウントに、ブレーキロータ車両外方摩擦面の回転方向下流側を覆うカバーを設けることにより、ブレーキパッドの摩耗粉を径方向外側や車両内方に導くディスクブレーキが開示されている。
特開平9−257062号公報
しかし、特許文献1の構造の場合、摩耗粉を含む空気を車両外側に流さないようにするために、キャリパマウントからブレーキロータ回転方向下流側に延びてブレーキロータをの車両外方摩耗面を覆うような大きなカバーを取り付けている。大きなカバーは、摩耗粉をカバーの内壁に堆積させやすい。堆積した摩耗粉は走行時の振動や走行風の乱れ、走行風の強弱変化などにより、カバー内壁から剥離する場合がある。剥離した摩耗粉は、ホイール側方向に再び流れ出し、ホイールを汚してしまう場合がある。また、カバーが大きいためカバー内部で気流が不安定になり、一度車両内側に流れかけた空気が車両外側に流れ、摩耗粉をホイール表面側に運びホイールを汚してしまう場合もある。さらに、車両足回りにおいて、ばね下荷重の軽量化は重要な設計検討項目であるが、ホイールの汚れを軽減するためだけに大きく重量のあるカバーを設けることは軽量化の点から望ましくない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、制動時に発生する摩耗粉が車両の外側、つまりホイールの表面側に排出されること抑制し、ホイールの汚れを軽減できるディスクブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のディスクブレーキ装置は、車軸とともに回転するディスクロータと、前記ディスクロータを厚み方向に跨ぎ、一対の摩擦材を当該ディスクロータの摩擦摺動面に押圧させることによりディスクロータに制動力を発生させるキャリパと、前記キャリパに対して前記ディスクロータの前進回転下流側で所定距離隔てた位置に、前記ディスクロータを厚み方向に跨ぐように配置された導風体と、を含み、前記導風体は、前記ディスクロータと摩擦材が接触したときに生じる摩耗粉を含む空気を前記ディスクロータの内面側に導くことを特徴とする。
ここで、導風体は、たとえば、金属や樹脂からなる小片を曲げて形成することができる。また、キャリパに対してディスクロータの前進回転下流側で所定距離隔てた位置とは、キャリパのトレーリング側で当該キャリパのトレーリング側端面を通りディスクロータ中心を結ぶ半径線に対して、たとえば、30°程度下流側に傾かせた位置である。なお、キャリパは、車種に応じて位置が異なる場合がある。通常、キャリパは、ディスクロータの周上のクロックポジションで3時から6時の方向以外の位置に配置される。つまり、キャリパには配置自由度がある。このように、キャリパの位置設定が任意に選択できる場合、キャリパのディスクロータの跨ぎ部を実質的に車両進行方向(路面と平行な前進方向)に向くように配置する。そして、そのように配置されたキャリパに対して、そのトレーディング側端面からディスクロータの前進回転下流側に30°程度傾いた位置に導風体を配置することがより好ましい。
この態様によれば、キャリパに対してディスクロータの前進回転下流側で所定距離隔てた位置に導風体を配置することにより、摩耗粉を含む空気を無理なくディスクロータの内面側、つまり、ホイールと逆側に導くことができる。また、導風体は摩耗粉を含む空気の流れ方向をディスクロータの内面側に変更するのみでよい。つまり、空気の流れ方向を変向させるための部品の大きさは、たとえば、ディスクロータの周方向に対して導風体の長さが数cmであればよい。このように、導風体を小片とすることで、導風板に摩耗粉が堆積する可能性を低減することが可能になり、摩耗粉を走行風に乗せてディスクロータの内面側に効果的に導くことができる。なお、ここで摩耗粉とは、摩耗材が削れて発生する場合やディスクロータが削れて発生する場合、またはその両方が削れて発生する場合を含むものとする。
また、上記態様において、前記ディスクロータは、当該ディスクロータの内面側の摩擦摺動面を実質的に覆い、当該内面方向から前記ディスクロータに対する異物の接触を防止するプロテクトカバーを有し、前記導風体は、前記プロテクトカバーの一部に固定され、当該プロテクトカバーと前記ディスクロータの外面側に接続されるホイールの内面側との間に流れる摩耗粉を含む空気の流れを前記ディスクロータの内面側に導くようにしてもよい。プロテクトカバーをディスクロータの内面側に配置することにより、制動時に発生する摩耗粉はプロテクトカバーとホイールの内面側の間に存在することになる。つまり、摩耗粉を含む空気をプロテクトカバーとホイールで形成される空間に集め、導風体により効果的にディスクロータの内面側に導くことができる。
また、上記態様において、前記導風体は、空気の入口側の形状に対し、出口側の形状が前記ディスクロータの内面側に向かい捻れ、前記出口を前記ディスクロータの内面側に向けるようにしてもよい。この態様によれば、容易に摩耗粉を含む空気をディスクロータの内面側に導くことができる。また、出口側の形状においてディスクロータの内面側へ捻る捻り量を調整するのみで摩耗粉を含む空気の流れ方向を調整できるので、車種に応じた調整を容易に行うことができる。
また、上記態様において、前記導風体は、当該導風体の前記ディスクロータの半径方向における外形端部が、前記キャリパの前記ディスクロータの半径方向における外形端部より前記ディスクロータの半径方向内径側に位置するように配置されようにすることができる。たとえば、ホイールの内壁側には、低温時に着氷したり、異物が入り込んでしまう場合がある。このような場合、氷や異物が直接導風体に接触すると、導風体を破損したり、固定姿勢が変化して、摩耗粉を含む空気の流れ方向が所望の方向に導けなくなるおそれがある。しかし、上述のように、導風体のディスクロータの半径方向における外形端部がキャリパのディスクロータの半径方向における外形端部よりディスクロータの半径方向内径側に位置するように配置することにより、剛性の高いキャリパが導風体より先に氷や異物に接触する。その結果、氷や異物は導風体に接触する前に排除されるので、導風体の破損防止や固定姿勢の維持を確実に実施できる。
また、上記態様において、前記導風体は、所定温度以下で所定形状に変形する熱変形部を少なくとも一部に含み、前記導風体の周囲温度が所定温度以下になった場合に、当該導風体を前記キャリパの前記ディスクロータの半径方向における外形端部より前記ディスクロータの半径方向の内径側の位置に退避させるようにしてもよい。ここで所定温度とは、たとえば、0℃とすることができる。熱変形部を氷点下で変形するように設定することにより、周囲環境が着氷するような環境の場合、導風体をキャリパのディスクロータの半径方向における外形端部よりディスクロータの半径方向の内径側の位置に退避させるので、氷による導風体の破損や姿勢不良を防止できる。なお、熱変形部は、たとえば形状記憶合金で構成することが可能である。また、形状記憶合金は導風体の一部または全体に使用することができる。
本発明のディスクブレーキ装置によれば、制動時に発生した摩耗粉を含む空気をディスクロータの内面側に導き、ホイール側に排出されることを抑制し、ホイールの汚れを軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態のディスクブレーキ装置は、車軸とともに回転するディスクロータと、一対の摩擦材をディスクロータの摩擦摺動面に押圧させて制動力を発生させるキャリパを含む。さらに、キャリパに対してディスクロータの前進回転下流側で所定距離隔てた位置に、ディスクロータを厚み方向に跨ぐ導風体を含む。この導風体は、ディスクロータと摩擦材が接触したときに生じる摩耗粉を含む空気をディスクロータの内面側、つまり、ホイールと逆方向に導くことにより、ホイールが摩耗粉で汚れることを軽減している。
図1は、本実施形態のキャリパ10の断面図である。図1は、図示しない車輪と共に回転するディスクロータ12と直交する面の断面図である。本実施形態のキャリパ10は、大別してマウンティング部14と、摩擦材16(16a、16b)、キャリパ10の外形を形成するハウジング部18およびピストン20とで構成されている。摩擦材16は、ディスクロータ12の両側の側面12aである摩擦摺動面に押圧されることによって制動力を発生する。また、摩擦材16はディスクロータ12と接触しない側の面がパッド裏金22(22a、22b)によって支持されている。図1の場合、摩擦材16はディスクロータ12を挟んで、第1摩擦材16aと第2摩擦材16bとして配置されている。そして、第1摩擦材16aは、第1パッド裏金22aによって支持され、第2摩擦材16bは、第2パッド裏金22bによって支持されている。
キャリパ10は、図1において矢印A,B方向に変位可能にマウンティング部14を介して車体側に取り付けられている。キャリパ10のハウジング部18には、図1に示すように、有底の穴24が穿設されており、この穴24には、ピストン20が摺動可能に嵌挿されている。穴24の底にはポート26が設けられ、図示しないマスターシリンダなどの液圧供給源が接続されている。つまり、運転者がブレーキペダルを操作することによりブレーキフルードがポート26内に流入し、ピストン20を駆動するようになっている。
ブレーキフルードがポート26内に流入すると、ピストン20が図1に示す非動作状態から図中矢印A方向に摺動し、第1パッド裏金22aを介して第1摩擦材16aをディスクロータ12の右の側面12aに押圧する。第1摩擦材16aがディスクロータ12に押圧されると、ピストン20は摺動を停止する。ピストン20が摺動を停止した後も、ブレーキフルードがポート26内に流入すれば穴24内の油圧が上昇する。その結果、停止したピストン20が逆に穴24の内面を押圧し、ハウジング部18を図1中矢印B方向に押圧する。ハウジング部18は図中矢印A,B方向に変位可能とされているので、液圧の上昇に伴って、ハウジング部18が図中矢印B方向に変位することになる。
ハウジング部18は、ディスクロータ12を跨ぐように延設されたブリッジ部18aを含み、その先端部に爪部28を有している。そして、ハウジング部18の矢印B方向への変位に伴って、爪部28が第2パッド裏金22bを介して左側の第2摩擦材16bをディスクロータ12の左の側面12aに押圧する。したがって、ディスクロータ12を一対の第1摩擦材16a、第2摩擦材16bにより押圧挟持する状態となり、ディスクロータ12を効率的に制動させることが可能となる。
図2(a)は、図1に示すキャリパ10を含むディスクブレーキ装置とホイール30を接続した状態を示す概略断面図である。アクスルケース32内で回転自在な車軸34の端部のハブ36には、ハブボルト38が複数本立設されている。図2(a)に示すように、本実施形態の例では、ハブ36の端面にディスクロータ12が固定され、ハブボルト38がディスクロータ12を貫通する状態で突出し、ホイール30を固定している。つまり、車軸34とともに、ディスクロータ12およびホイール30が回転する。また、キャリパ10を駆動し摩擦材16によりディスクロータ12の摩擦摺動面を押圧して当該ディスクロータ12を停止することによりホイール30を停止することができる。なお、ホイール30の幅方向のリム40にタイヤ(不図示)が装着されることになる。また、本実施形態において、ディスクロータ12の内面側、つまり、ホイール30が固定する側とは逆側には、ディスクロータ12の内面側に跳ね石などが当たることを防止するために、円盤状のプロテクトカバー42が設けられている。このプロテクトカバー42は、たとえばアクスルケース32などの車両側の非回転部分に固定されている。なお、ディスクロータ12の外面側(ホイール30側)はホイール30により跳ね石などから保護されることになる。
前述したように、ホイール30の回転を停止するため、すなわち車両を制動させるために、キャリパ10を駆動し摩擦材16をディスクロータ12の摩擦摺動面に押圧すると、摩擦材16とディスクロータ12の一方またはその両方が摩耗して摩耗粉が発生する。この摩耗粉は、ディスクロータ12の内側から流れ、ホイール30にディスクロータ12の冷却性の向上やホイール30のデザイン性の向上のために形成された貫通孔に抜けるような走行風によって運ばれる。つまり、車両のボディ底面側からホイール30の表面側に向かって流れる空気の流れにのって運ばれる。この摩耗粉は、ホイール30の貫通孔やホイール30の表面に付着し易く、また落ちにくく、錆の原因にもなる。その結果、ホイール30の見栄えを低下させる原因になる。
そこで、本実施形態では、図2(b)に示すように、ディスクロータ12の車両前進時回転方向Rに応じて流れようとする摩耗粉を含む空気の流れPをディスクロータ12の内側へ導く導風体44を有している。この導風体44は、たとえば、金属や樹脂で形成することができる。なお、図2(b)の例では、キャリパ10のディスクロータ12の跨ぎ部であるブリッジ部18aが実質的に車両進行方向G(路面と平行な前進方向)に向くように配置している。そして導風体44は、たとえばプロテクトカバー42に固定することができる。図2(b)においては、ホイール30は図示を省略している。
ところで、摩耗粉は、キャリパ10を駆動し摩擦材16をディスクロータ12の摩擦摺動面を押圧する結果生じる。プロテクトカバー42をディスクロータ12の内面側に配置することにより、制動時に発生する摩耗粉はプロテクトカバー42とホイール30の内面側の間に存在することになる。したがって、摩耗粉が多く存在するのは、ディスクロータ12の前進回転下流側となる。図2(b)では、摩耗粉を含む空気の流れを矢印Pで示している。回転するディスクロータ12の周囲の空気は、ディスクロータ12の外周に沿って流れる。したがって、摩擦材16とディスクロータ12の接触位置で発生した摩耗粉もディスクロータ12の外周に沿って流れる。ただし、摩耗粉の一部はホイール30のリム40の内面46(図2(a)参照)に付着する。このように内面46に付着する摩耗粉は、ホイール30の外観の見栄えを低下させることはなく、内面46に摩耗粉が付着しても大きな問題にはならない。つまり、導風体44は、リム40の内面46に付着せず、走行風にのり浮遊し続ける摩耗粉をホイール30の表面側に出さないようにするために設けられる。そこで、本実施形態の導風体44は、キャリパ10に対してディスクロータ12の前進回転下流側で所定距離隔てた位置に配置される。図2(b)の場合、キャリパ10の前進回転下流側(トレーディング側)で当該キャリパ10のトレーリング側端面を通りディスクロータ12中心を結ぶ半径線からたとえばα=30°程度下流側に傾かせた位置に導風体44を配置する。ディスクロータ12の周辺を流れる走行風の多くはホイール30の表面側へ流れている。また、他の一部は、ディスクロータ12の内面側に流れている。また、摩耗粉の吹き出し位置から所定距離離間した位置では、摩耗粉の吹き出しの勢いが衰えている。その結果、摩耗粉は浮遊状態となり、ホイール30の表面側に流れる走行風にのりやすい状態になっている。この位置で、導風体44より摩耗粉を含む空気の流れをディスクロータ12の内面側に流れる空気にのるように導けば、プロテクトカバー42とホイール30で形成される空間に集めた摩耗粉を含む空気を導風体44により効果的にディスクロータ12の内面側に効果的に導ける。その結果、摩耗粉をホイール30の表面側に排出させることなく、ディスクロータ12の内面側に効果的に排出させることができる。
図3は、ホイール30の内部における導風体44の固定姿勢を説明するために、図2(b)における線分C1、C0、C2に沿って不規則切断した場合の説明断面図である。図3に示すように、導風体44は縦方向の断面が鉤針形状をしており、プロテクトカバー42の一部に固定されている。図4は、導風体44の斜視図である。また、図5(a)は、導風体44の空気の入口側の断面形状、図5(b)は、導風体44の空気の出口側の断面形状である。図4に示すように、導風体44は、空気の入口側の形状に対し、出口側の形状がディスクロータ12の内面側(IN)に向かうように捻れている。つまり、導風体44の捻れた通風路48を通過する摩耗粉を含む空気は、ディスクロータ12の内面側に導かれ、摩耗粉をディスクロータ12の内面側に流れる走行風にのせることができる。図6は、摩耗粉を含む空気の流れを説明する説明図である。前述したように、導風体44によって、空気の流れを僅かに変化させることにより、摩耗粉をディスクロータ12の内面(IN)側に導くことができる。つまり、ホイール30の外面側に摩耗粉が運ばれることを抑制し、ホイール30の表面が汚れたり錆び付いたりする外観の低下を軽減することができる。
また、導風体44の成形は、プレス加工や型成形によって容易に実施可能であり、その捻り量の調整も容易である。その結果、車種やタイヤ周辺の気流特性に応じて摩耗粉を導く方向を調整することが可能で、部品としての汎用性を高くすることができる。
また、導風体44は、ディスクロータ12の周方向に沿う長さが数cmたとえば5cm程度の小片とすることができる。そのため、浮遊する摩耗粉が通風路48内壁に堆積し難い。もし、導風体44が大きく通風路48の長さが長い場合、摩耗粉が堆積し走行時の振動や走行風の乱れ、走行風の強弱変化などにより、通風路48から摩耗粉が剥離し、ホイール側方向に再び流れ出し、ホイールを汚してしまう場合がある。また、通風路48が大きい場合、内部で気流が不安定になり、一度ディスクロータ12内面側に流れかけた空気が車両外側に流れ、ホイールを汚してしまう場合がある。本実施形態のように小片で空気の流れ方向を変更するのみの場合、上述のような摩耗粉の堆積や乱流の発生を防止できるので、効率的に摩耗粉をディスクロータ12の内面側に導くことができる。さらに、付属物である、導風体44が小片であるため、車両足回りの重要な設計項目であるばね下荷重の軽量化への影響を最小限に抑えることができる。
ところで、上述のように導風体44は小片であるため、衝撃により変形しり破損したりする可能性がある。また、衝撃により取付姿勢が変化した場合、摩擦粉を所望の方向に導けなくなってしまう場合がある。たとえば、冬季や降雪時など、ホイール30の内部、たとえば、リム40の内面46に着氷する場合である。このような場合、氷が導風体44に接触すると導風体44の破損、変形、取付姿勢の不良などが発生する。そこで、本実施形態では、リム40の内面46に付着した氷や泥、石など異物が付着するような場合、ホイール30の回転方向に対して導風体44より上流側で異物と接触させ取り除く構造体を有している。異物と接触させる構造体は、ディスクロータ12の外周付近にて高剛性で導風体44より回転方向上流側で車両の非回転部分に固定され、ホイール30の回転中心から構造体の先端までの距離が、ホイール30の回転中心から導風体44の先端までの距離より長いものであれば任意の構造とすることができる。本実施形態の場合、導風体44より回転方向上流側で車両の非回転部分に固定されるものとして、キャリパ10がある。そこで、本実施形態の導風体44は、図7に示すように、導風体44のディスクロータ12の半径方向における外形端部44aが、キャリパ10のディスクロータ12の半径方向における外形端部10aよりディスクロータ12の半径方向内径側に位置するように配置している。すなわち、ホイール30の回転中心軸Oから導風体44の外形端部44aまでの距離Mと、ホイール30の回転中心軸Oからキャリパ10の外形端部10aまでの距離Nとの関係が、M<Nになるようにすればよい。この場合、導風体44の取付位置を調整するかキャリパ10のブリッジ部18aの突出形状を、ディスクロータ12の半径方向外側に関して調整すればよい。このようにすることで、ホイール30の前進回転時に必ず導風体44より上流側に存在するキャリパ10が、ホイール30の内面46付着した異物を排除する。その結果、導風体44の損傷や姿勢不良を防止することができる。なお、この場合、導風体44の保護のために新たな追加部品を必要とすることなく、部品コストや組み立てコストの増大、ばね下荷重の増大などを回避することができる。なお、図7において、回転中心軸Oから距離を説明するため、キャリパ10と導風体44の図示は、図3と同様に、図2(b)の線分C1、C0、C2に沿った断面図としている。
図8は、ホイール30の内面46に着氷した場合の他の対策例を示している。図8に示す導風体50は、所定温度以下、たとえば、着氷が発生する0℃以下で所定形状に変形する熱変形部、たとえば、屈曲部52を含むことができる。たとえば、着氷の心配がない温度領域の場合、導風体50は、定常姿勢50aとなり、着氷の可能性のある温度領域の場合、導風体50は、屈曲部52の部分で変形して退避姿勢50bとなる。この場合、退避位置とは、導風体50が直接氷と接触せず、先に他の部品、たとえば、キャリパ10などが接触するようにホイール30の回転中心軸O方向に、退避させる。
このように、導風体44や導風体50の保護対策を行うことにより、当該導風体44や導風体50が小片部品であっても、摩耗粉をディスクロータ12の内面側に効率的に導き、ホイール30の表面側に排出させない構造を提供できる。
なお、本実施形態では、キャリパ10のディスクロータ12の跨ぎ部でるブリッジ部18aが実質的に車両進行方向G(路面と平行な前進方向)に向くように配置している例を説明したが、キャリパ10の配置姿勢は、設計上許容される範囲であればよい。たとえば、クロックポジションで、3時から6時以外の位置であればよく、導風体44(または導風体50)をキャリパ10に対してディスクロータ12の前進回転下流側で所定距離隔てた位置に配置すれば、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図4に示す導風体44の形状も一例であり、摩耗粉を含む空気の流れ方向をディスクロータ12の内面側に導ける形状であれば、適宜変更してもよく、本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、導風体44を固定するプロテクトカバー42を車軸懸架型のサスペンションのアクスルケース32に固定する例を説明したが、導風体44やプロテクトカバー42の固定位置は、適宜選択可能であり、たとえば、独立懸架型のサスペンションの場合、ナックルなど車両の固定部分に固定することができる。この場合も本実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置のキャリパの概念構成を示す断面図である。 本実施形態のディスクブレーキ装置を説明する説明図であり、(a)は、ディスクブレーキ装置にホイールを装着した状態を示す断面図であり、(b)は、ホイール装着側からみたディスクブレーキ装置と導風体の位置関係を示す図である。 図2(b)の線分C1、C0、C2における変則的な断面図である。 本実施形態に用いる導風体の斜視図である。 本実施形態に用いる導風体の空気の入口側と出口側の形状を説明する説明図である。 本実施形態に用いる導風体による空気の流れ方向を説明する説明図である。 本実施形態に用いる導風体の回転中心軸Oからの距離を説明する説明図である。 本実施形態に用いる導風体が熱変形部を含む場合の動作状態を説明する説明図である。
符号の説明
10 キャリパ、 12 ディスクロータ、 12a 側面、 14 マウンティング部、 16 摩擦材、 18 ハウジング部、 18a ブリッジ部、 20 ピストン、 22 パッド裏金、 24 穴、 26 ポート、 28 爪部、 30 ホイール、 32 アクスルケース、 34 車軸、 36 ハブ、 38 ハブボルト、 40 リム、 42 プロテクトカバー、 44、50 導風体、 46 内面、 48 通風路、 52 屈曲部。

Claims (5)

  1. 車軸とともに回転するディスクロータと、
    前記ディスクロータを厚み方向に跨ぎ、一対の摩擦材を当該ディスクロータの摩擦摺動面に押圧させることによりディスクロータに制動力を発生させるキャリパと、
    前記キャリパに対して前記ディスクロータの前進回転下流側で所定距離隔てた位置に、前記ディスクロータを厚み方向に跨ぐように配置された導風体と、
    を含み、
    前記導風体は、前記ディスクロータと摩擦材が接触したときに生じる摩耗粉を含む空気を前記ディスクロータの内面側に導くことを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記ディスクロータは、当該ディスクロータの内面側の摩擦摺動面を実質的に覆い、当該内面側から前記ディスクロータに対する異物の接触を防止するプロテクトカバーを有し、
    前記導風体は、前記プロテクトカバーの一部に固定され、当該プロテクトカバーと前記ディスクロータの外面側に接続されるホイールの内面側との間に流れる摩耗粉を含む空気の流れを前記ディスクロータの内面側に導くことを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記導風体は、空気の入口側の形状に対し、出口側の形状が前記ディスクロータの内面側に向かい捻れ、前記出口を前記ディスクロータの内面側に向けていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記導風体は、当該導風体の前記ディスクロータの半径方向における外形端部が、前記キャリパの前記ディスクロータの半径方向における外形端部より前記ディスクロータの半径方向内径側に位置するように配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記導風体は、所定温度以下で所定形状に変形する熱変形部を少なくとも一部に含み、前記導風体の周囲温度が所定温度以下になった場合に、当該導風体を前記キャリパの前記ディスクロータの半径方向における外形端部より前記ディスクロータの半径方向の内径側の位置に退避させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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