JP2020051141A - 作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】上部旋回体、アタッチメント、および運搬物の合計の慣性モーメントを、上部旋回体を旋回させた状態で精度よく算出する。【解決手段】コントローラ(40)は、推定慣性モーメントIassumeと、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回加速中に旋回トルク検出部(24)に検出された検出旋回トルクTrealと、に基づいて、推定旋回加速度αassumeを算出する(ステップS42)。コントローラ(40)は、検出旋回加速度αrealと推定旋回加速度αassumeとの比率、および、推定慣性モーメントIassumeに基づいて、合計慣性モーメントIrealを算出する(ステップS45)。【選択図】図5

Description

本発明は、作業機械に関する。
例えば特許文献1などに、従来の作業機械が記載されている。同文献の作業機械は、下部走行体と、下部走行体に取り付けられた上部旋回体と、上部旋回体に取り付けられたアタッチメントと、を備えている。この上部旋回体およびアタッチメントは、下部旋回体に対して、旋回中心を回転軸として旋回可能である。また、このアタッチメントは、土砂などの運搬物を運搬可能である。
特開2002−285589号公報
旋回中心まわりの慣性モーメントであって、上部旋回体、アタッチメント、および運搬物の合計の慣性モーメント(合計慣性モーメント)を精度よく算出できれば、この合計慣性モーメントを様々に利用できる。一方、合計慣性モーメントを算出する際に、上部旋回体の旋回を停止させる必要があれば、上部旋回体を旋回させる作業を停止させる必要があり、作業性が悪化する。そのため、上部旋回体を旋回させた状態で、合計慣性モーメントを精度よく算出できることが望まれる。
そこで、本発明は、上部旋回体、アタッチメント、および運搬物の合計の慣性モーメントを、上部旋回体を旋回させた状態で精度よく算出できる作業機械を提供することを目的とする。
作業機械は、下部走行体と、上部旋回体と、アタッチメントと、旋回加速度検出部と、旋回トルク検出部と、アタッチメント姿勢検出部と、コントローラと、を備える。前記上部旋回体は、前記下部走行体に旋回可能に取り付けられる。前記アタッチメントは、前記上部旋回体に取り付けられ、運搬物を運搬可能である。前記旋回加速度検出部は、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回加速度である検出旋回加速度を検出する。前記旋回トルク検出部は、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回トルクである検出旋回トルクを検出する。前記アタッチメント姿勢検出部は、前記上部旋回体に対する前記アタッチメントの姿勢を検出する。前記コントローラは、前記アタッチメント姿勢検出部に検出された前記アタッチメントの姿勢に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回中心まわりの前記アタッチメントの慣性モーメントを算出する。前記コントローラは、前記旋回中心まわりの前記アタッチメントの慣性モーメントと、前記旋回中心まわりの前記上部旋回体の慣性モーメントと、の和である推定慣性モーメントを算出する。前記コントローラは、前記推定慣性モーメントと、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回加速中に前記旋回トルク検出部に検出された前記検出旋回トルクと、に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回加速度の推定値である推定旋回加速度を算出する。前記コントローラは、前記検出旋回加速度と前記推定旋回加速度との比率、および、前記推定慣性モーメントに基づいて、前記上部旋回体、前記アタッチメント、および前記運搬物の、前記旋回中心まわりの慣性モーメントである合計慣性モーメントを算出する。
上記構成により、上部旋回体、アタッチメント、および運搬物の合計の慣性モーメントを、上部旋回体を旋回させた状態で精度よく算出できる。
作業機械1を横から見た図である。 図1に示す作業機械1のブロック図である。 図1に示す作業機械1を上から見た図である。 図3に示す上部旋回体13の旋回速度ωの時間変化を示すグラフである。 図2に示すコントローラ40の処理の例1のフローチャートである。 図3相当図であり、始点旋回角度θs、終点旋回角度θeなどを示す図である。 図6に示す報知のタイミングなどを示すグラフであり、図4相当図である。 図2に示すコントローラ40の処理の例2のフローチャートである。
図1〜図8を参照して、作業機械1について説明する。
作業機械1は、図1に示すように、作業を行う機械であり、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルなどである。作業機械1は、下部走行体11と、上部旋回体13と、アタッチメント15と、電子機器類20(図2参照)と、を備える。
下部走行体11は、作業機械1を走行させる。下部走行体11は、例えばクローラを備える。下部走行体11の底面に平行な、ある一方向(例えば下部走行体11を直進前進させる操作がされたときに下部走行体11が走行する向きなど)を、下部走行体11における前側X11(図3参照)とする。
上部旋回体13は、下部走行体11よりも上側に配置(搭載)され、旋回装置を介して下部走行体11に旋回可能に取り付けられる。以下の「旋回」は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回であるとする。上部旋回体13は、旋回中心C(図3参照)を中心軸として旋回する。上部旋回体13は、旋回モータMの駆動により旋回する。旋回モータMは、油圧モータでもよく、電気モータでもよい。上部旋回体13には、アタッチメント15が取り付けられる。上部旋回体13の旋回の中心軸に直交する、ある一方向(例えば、上部旋回体13に対してアタッチメント15が突出する側など)を、上部旋回体13における前側X13(図3参照)とする。上部旋回体13は、作業機械1の操作者(以下、単に「操作者」ともいう)が操作を行うことが可能な運転室13cを備える。
アタッチメント15は、作業を行う装置(作業装置)である。アタッチメント15は、運搬物17を運搬可能である。アタッチメント15は、上部旋回体13に回転可能に取り付けられる。アタッチメント15は、例えば、ブーム15aと、アーム15bと、バケット15cと、を備える。ブーム15aは、上部旋回体13に回転可能に取り付けられる。アーム15bは、ブーム15aに回転可能に取り付けられる。バケット15cは、運搬物17を運搬する部分であり、例えば土砂17sをすくうことが可能である。バケット15cは、アーム15bに回転可能に取り付けられる。バケット15cは、アタッチメント15の先端部に設けられる先端アタッチメントである。なお、先端アタッチメントは、バケット15cでなくてもよく、例えば運搬物17を挟んで持つことが可能なニブラなどでもよい。運搬物17は、例えば、土砂17sでもよく、岩石でもよく、瓦礫でもよく、植物(木など)でもよく、金属などでもよい。
電子機器類20は、図2に示すように、作業機械1(図1参照)の状態の検出、および演算などを行う部分である。電子機器類20は、旋回角度検出部21と、旋回速度検出部22と、旋回加速度検出部23と、旋回トルク検出部24と、アタッチメント姿勢検出部25と、ブレーキトルク変更部31と、報知タイミング変更部32と、報知部35と、コントローラ40と、を備える。以下では、電子機器類20の構成要素については図2を参照し、作業機械1のうち電子機器類20以外の構成要素については主に図3を参照して説明する。
旋回角度検出部21(図2参照)は、図3に示す下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回角度θ(相対旋回角度)を検出する。旋回角度θは、下部走行体11における前側X11に対する、上部旋回体13における前側X13の角度であり、旋回中心Cを中心とする角度である。例えば、上から見て右回りを、旋回角度θの正の向きとする(左回りを正の向きとしてもよい)。旋回角度検出部21が検出した旋回角度θを、検出旋回角度θd[rad](図6参照)とする。なお、単位(ここではrad)は一例である(以下の各単位も同様)。例えば、検出旋回角度θdの単位は、度でもよい。
旋回速度検出部22(図2参照)は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回速度ω[rad/s](相対旋回速度)を検出する。旋回速度検出部22は、旋回角度検出部21と兼用されてもよい。旋回速度検出部22は、検出旋回角度θd(図6参照)を時間で微分することで旋回速度ωを算出(間接的に検出)するものでもよい。
旋回加速度検出部23(図2参照)は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回加速度(相対旋回加速度)を検出する。旋回加速度検出部23が検出した旋回加速度を、検出旋回加速度αreal[rad/s2]とする。旋回加速度検出部23は、旋回角度検出部21および旋回速度検出部22の少なくともいずれかと兼用されてもよい。旋回加速度検出部23は、旋回速度検出部22に検出された旋回速度ωを時間で微分することで検出旋回加速度αrealを算出(間接的に検出)するものでもよい。
旋回トルク検出部24(図2参照)は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回トルクを検出する。旋回トルク検出部24が検出した旋回トルクを、検出旋回トルクTreal[Nm]とする。旋回トルク検出部24は、例えば旋回モータM(図1参照)の旋回トルクを検出する。
アタッチメント姿勢検出部25(図2参照)は、図1に示す上部旋回体13に対するアタッチメント15の姿勢を検出する。アタッチメント姿勢検出部25は、アタッチメント15の構成要素の相対角度を検出する。具体的には例えば、アタッチメント姿勢検出部25は、上部旋回体13に対するブーム15aの角度と、ブーム15aに対するアーム15bの角度と、アーム15bに対するバケット15cの角度と、を検出する。
ブレーキトルク変更部31(図2参照)は、図3に示す下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回ブレーキのトルクであるブレーキトルクTbを変更する。ブレーキトルク変更部31は、操作者に操作されることで、ブレーキトルクTbを変更する。ブレーキトルク変更部31は、例えば運転室13c内に配置される(図2に示す報知タイミング変更部32、および報知部35も同様)。作業機械1が遠隔操縦される場合は、ブレーキトルク変更部31は、遠隔操縦が行われる操縦席の近傍などに配置されてもよい(報知タイミング変更部32、報知部35も同様)。ブレーキトルク変更部31は、ブレーキトルクTbを段階的に変更可能でもよく(後述する報知タイミング変更部32と同様)、ブレーキトルクTbを連続的に変更可能でもよい。
このブレーキトルク変更部31が操作されると、ブレーキトルクTbが、例えば次のように変更される。旋回モータMが油圧モータの場合、旋回モータMから吐出される油の油圧が変更されてもよい。具体的には例えば、旋回モータMから吐出される油の油圧を設定するリリーフ弁の設定圧が変更されてもよい。旋回モータMが油圧モータであって容量可変型である場合、旋回モータMの容量が変えられてもよい。旋回モータMが電気モータの場合、電気モータから出力される電力が変えられてもよく、例えば旋回モータMに電気的に接続される電気的負荷の大きさが変えられてもよい。
報知タイミング変更部32(図2参照)は、報知部35による報知のタイミング(以下「報知タイミング」ともいう)を変更する。報知タイミング変更部32は、操作者に操作されることで、報知タイミングを変更する。報知タイミング変更部32は、報知タイミングを段階的に変更可能でもよく、報知タイミングを連続的に変更可能でもよい。報知タイミング変更部32は、図2に示す例では5段階に報知タイミングを変更可能であり、4段階以下または6段階以上に報知タイミングを変更可能でもよい。
報知部35は、操作者に報知を行う。報知部35は、図6に示す下部走行体11に対する上部旋回体13のブレーキの開始に適したタイミングなどを報知する(詳細は後述)。報知部35は、例えば、音(ブザー、音声など)、表示(光、画面表示など)、および振動の少なくともいずれかによる報知を行う。
コントローラ40は、信号の入出力、演算(算出、判定など)、情報の記憶などを行う。図2に示すように、コントローラ40は、上記の各検出部(旋回角度検出部21など)、上記の各変更部(ブレーキトルク変更部31など)、および報知部35に接続される。
(作動)
作業機械1は、以下のように作動するように構成される。
(旋回の例)
図3に示す上部旋回体13が旋回していない状態で、操作者が旋回レバー(図示なし)を操作すると、旋回モータM(図1参照)が駆動し、上部旋回体13が旋回中心Cを中心に旋回する。このとき、上部旋回体13が正の旋回加速度で旋回加速し、旋回速度ωが増加する。旋回速度ωがある速度まで上昇すると、旋回速度ωが一定になる(定常旋回する)。操作者が旋回ブレーキをかける操作を行うと(具体的には旋回レバーを中立位置に戻すと)、上部旋回体13が、あるブレーキトルクTbで旋回減速(負の旋回加速度で旋回加速)し、旋回速度ωが減少する。その後、上部旋回体13が旋回停止する(旋回速度ωがゼロになる)。
(処理の例1)
図5に示すフローチャートを参照して、主にコントローラ40(図2参照)の処理(処理の例1)を説明する。以下では、電子機器類20の各構成要素については図2を参照し、作業機械1のうち電子機器類20以外の構成要素については主に図3を参照し、下記の各ステップ(S11〜S45)については図5を参照して説明する。
ステップS11(図5参照)では、コントローラ40(図2参照)は、図3に示す旋回速度ωが出ているか(旋回速度ωが0より大きいか)否かを判定する。旋回速度ωは、旋回速度検出部22(図2参照)により検出される。旋回速度ωが出ている場合(ステップS11でYESの場合)、合計慣性モーメントIrealの算出処理S20を行う。この場合、ステップS31およびステップS33に進む。旋回速度ωが出ていない場合(ステップS11でNOの場合)、フローは「エンド」に進む。フローが「エンド」に進んだ場合、フローは「スタート」に戻ってもよい。
(合計慣性モーメントIrealの算出処理S20)
コントローラ40は、合計慣性モーメントIrealを算出する。合計慣性モーメントIrealは、図3に示す下部走行体11に対して旋回中心Cを中心に旋回する物(構造物および運搬物17)の合計の慣性モーメントである。合計慣性モーメントIrealは、旋回中心Cまわりの慣性モーメントである。以下、旋回中心Cまわりの慣性モーメントを、単に「慣性モーメント」ともいう。合計慣性モーメントIrealは、アタッチメント15の慣性モーメントIaと、上部旋回体13の慣性モーメントIbと、運搬物17(例えば土砂17s)の慣性モーメントIsoilと、の合計である。なお、アタッチメント15が運搬物17を運搬していない場合(慣性モーメントIsoilがゼロの場合)に、合計慣性モーメントIrealが算出されてもよい。合計慣性モーメントIrealの算出処理S20の詳細は次の通りである。
ステップS31(図5参照)では、コントローラ40は、アタッチメント姿勢検出部25に検出されたアタッチメント15の姿勢を取得する。
ステップS32(図5参照)では、コントローラ40は、アタッチメント15の慣性モーメントIa[kg・m2]を算出する。コントローラ40は、アタッチメント15の姿勢(ステップS31で取得)と、アタッチメント15の設計情報と、に基づいて、慣性モーメントIaを算出する。アタッチメント15の設計情報(具体的には質量、寸法、および形状の情報)は、例えばコントローラ40に予め記憶される。
ステップS33(図5参照)では、コントローラ40は、上部旋回体13の慣性モーメントIb[kg・m2]を取得する。慣性モーメントIbは、上部旋回体13の設計情報に基づいて算出される。コントローラ40は、上部旋回体13の設計情報(具体的には質量、寸法、および形状の情報など)に基づいて慣性モーメントIbを算出してもよく、予め算出した慣性モーメントIbを予め記憶してもよい。なお、図5に示す例では、ステップS31およびステップS32の処理と、ステップS33の処理と、が同時処理される場合を例示したが、これらの処理は同時に行われなくてもよい。図5および図8に示した例において、同時処理するように記載した他の部分についても同様である。
ステップS35(図5参照)では、コントローラ40は、推定慣性モーメントIassume[kg・m2]を算出する。推定慣性モーメントIassumeは、図3に示すアタッチメント15の慣性モーメントIaと、上部旋回体13の慣性モーメントIbと、の和である。推定慣性モーメントIassumeは、下部走行体11に対して旋回中心Cを中心に旋回する物の慣性モーメントであって、運搬物17を無視した慣性モーメントである。推定慣性モーメントIassumeは、合計慣性モーメントIrealとほぼ同じと推定できる。
ステップS41(図5参照)では、コントローラ40は、旋回トルク検出部24(図2参照)に検出された検出旋回トルクTrealを取得する。さらに詳しくは、コントローラ40は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回加速中に旋回トルク検出部24に検出された検出旋回トルクTrealを取得する。
ステップS42(図5参照)では、コントローラ40は、推定旋回加速度αassume[rad/s2]を算出する。推定旋回加速度αassumeは、運搬物17を無視して演算される、上部旋回体13およびアタッチメント15の旋回加速度(推定値)である。運搬物17を無視して演算した推定旋回加速度αassumeは、実測の(運搬物17を無視しない)検出旋回加速度αrealよりも大きい(図4参照)。推定旋回加速度αassumeは、検出旋回加速度αrealとほぼ同じと推定できる。推定旋回加速度αassumeは、推定慣性モーメントIassume(ステップS35で算出)と、検出旋回トルクTreal(ステップS41で取得)と、に基づいて算出される。具体的には、推定旋回加速度αassumeは、例えば次の式により算出される。
Treal[Nm]=Iassume[kg・m2]×αassume[rad/s2
ステップS43(図5参照)では、コントローラ40は、旋回加速度検出部23(図2参照)に検出された(実測の)、検出旋回加速度αrealを取得する。なお、旋回加速度検出部23は、このステップS43の際だけでなく、上部旋回体13の旋回中に常に検出旋回加速度αrealを取得してもよい。
ステップS45(図5参照)では、コントローラ40は、合計慣性モーメントIrealを算出する。さらに詳しくは、コントローラ40は、検出旋回加速度αreal(ステップS42で算出)と、推定旋回加速度αassume(ステップS43で取得)と、の比率K(=αreal/αassume)を算出する。なお、比率Kの値は、実際に算出されてもよく、計算の中で実質的に算出(利用)されてもよい。そして、コントローラ40は、推定慣性モーメントIassumeと、比率Kと、に基づいて、合計慣性モーメントIrealを算出する。さらに詳しくは、コントローラ40は、推定慣性モーメントIassumeに比率Kを乗じることで、推定慣性モーメントIassumeをいわば更新し、合計慣性モーメントIrealを算出する。さらに具体的には、合計慣性モーメントIrealは、例えば次の式により算出される。
Ireal[kg・m2]=Iassume[kg・m2]×K
K=αreal/αassume
次に、フローは「エンド」に進む。算出された合計慣性モーメントIrealは、様々に用いることができる。例えば、合計慣性モーメントIrealは、運搬物17の質量の算出に用いられてもよく、ブレーキタイミングの報知に用いられてもよい。
(運搬物17の質量の算出)
コントローラ40(図2参照)は、図3に示すバケット15cにすくわれた土砂17sの質量を算出する。コントローラ40は、上部旋回体13に対するバケット15cの位置と、合計慣性モーメントIrealと、に基づいて、土砂17sの質量を算出する。具体的には、コントローラ40は、土砂17sの慣性モーメントIsoilを算出する。慣性モーメントIsoilは、合計慣性モーメントIrealから、アタッチメント15の慣性モーメントIaおよび上部旋回体13の慣性モーメントIbを引いた値である(Isoil=Ireal−Ia−Ib)。また、コントローラ40は、アタッチメント姿勢検出部25(図2参照)により検出された、上部旋回体13に対するバケット15cの位置を取得する。また、コントローラ40は、バケット15cの形状を取得する。バケット15cの形状は、コントローラ40に予め設定される。次に、コントローラ40は、バケット15cの位置および形状に基づいて、バケット15cにすくわれた土砂17sの位置および形状を算出(推定)する。そして、コントローラ40は、慣性モーメントIsoil、ならびに、土砂17sの位置および形状の情報に基づいて、土砂17sの質量を算出する。なお、バケット15cにすくわれた土砂17s以外の運搬物17の位置および形状を取得できる場合は、コントローラ40は、運搬物17の質量を算出してもよい。
算出された運搬物17の質量は、様々に利用できる。例えば、作業機械1が、運搬物17を、運搬車(トラックなど)に積み込む場合がある。この場合、算出された運搬物17の質量に基づいて、運搬車に積み込まれた運搬物17の合計質量を算出できる。
(検討1)
図1に示すアタッチメント15の姿勢と、アタッチメント15を支える油圧シリンダに作用する油圧と、に基づいて、運搬物17の質量を算出する場合について検討する(例えば特許文献1の図2および段落[0032]などを参照)。この場合、上部旋回体13が旋回すると、運搬物17に慣性力(遠心力)が作用し、油圧シリンダにかかる負荷が変化する。すると、油圧シリンダに作用する油圧に基づいて算出された運搬物17の質量の値も変化する。そのため、上部旋回体13の旋回時には、運搬物17の質量算出の精度が悪化する。上部旋回体13の旋回を停止させた状態で運搬物17の質量を算出すれば、質量算出の精度は上がる。しかし、上部旋回体13の旋回を停止させると、上部旋回体13を旋回させて行われる作業の連続性が損なわれる(作業性が悪化する)。
一方、本実施形態の作業機械1では、図3に示す上部旋回体13の旋回時の、検出旋回トルクTrealおよび検出旋回加速度αrealなどに基づいて、合計慣性モーメントIrealが算出される。そして、合計慣性モーメントIrealに基づいて、運搬物17の質量を算出できる。よって、上部旋回体13が旋回している最中に合計慣性モーメントIrealを算出でき、この合計慣性モーメントIrealに基づいて運搬物17の質量を算出できる。よって、上部旋回体13を旋回させて行われる作業の連続性を損なわずに、合計慣性モーメントIrealの算出および運搬物17の質量の算出を行える。
(処理の例2)
図8に示すフローチャートを参照して、主にコントローラ40(図2参照)の処理(処理の例2)を説明する。以下では、主に、上記の「処理の例1」との相違点を説明する。以下では、電子機器類20の各構成要素については図2を参照し、作業機械1のうち電子機器類20以外の構成要素については主に図6を参照し、下記の各ステップ(S201、S11、・・・S272)については図8を参照して説明する。
ステップS201(図8参照)では、コントローラ40は、図6に示す始点旋回角度θsおよび終点旋回角度θeを取得する。始点旋回角度θsは、上部旋回体13の旋回を開始させる旋回角度θである。終点旋回角度θeは、上部旋回体13の旋回を停止させようとする旋回角度θ(目標とする旋回角度θ)である。始点旋回角度θsから終点旋回角度θeの間は、いわば作業範囲である。始点旋回角度θsおよび終点旋回角度θeの少なくともいずれかは、旋回角度検出部21(図2参照)により検出されてもよく、操作者の入力により取得されてもよい。[例A1]例えば、操作者が、上部旋回体13を旋回操作し、所望の旋回角度θ(始点旋回角度θsとして設定したい旋回角度θ)に合わせる。そして、図2に示すコントローラ40が、旋回角度検出部21に検出された旋回角度θを、図6に示す始点旋回角度θsとして設定してもよい。[例A2]例えば、操作者が、所望の旋回角度θを入力装置(図示なし)に入力する。そして、コントローラ40は、入力された旋回角度θを、始点旋回角度θsとして設定してもよい。[例A3]終点旋回角度θeは、上記[例A1]または[例A2]と同様に設定されてもよい。[例A4]操作者が、始点旋回角度θsから終点旋回角度θeまでの角度の変化量(例えば右に120°など)を、入力装置に入力する。そして、コントローラ40は、始点旋回角度θsと、入力された角度の変化量と、に基づいて、終点旋回角度θeを算出および設定してもよい。次に、フローはステップS11に進む。
ステップS11(図8参照)では、コントローラ40は、上記「処理の例1」と同様に、旋回速度ωが出ているか否かを判定する。旋回速度ωが出ている場合(ステップS11でYESの場合)、コントローラ40は、処理の例1と同様に、合計慣性モーメントIrealを算出する(S20)。そして、フローは、ステップS251〜S254、およびステップS261〜S262に進む。旋回速度ωが出ていない場合(ステップS11でNOの場合)、フローは「エンド」に進む。
ステップS251(図8参照)では、コントローラ40は、ブレーキトルクTb[Nm](図3参照)を取得する。ブレーキトルクTbは、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回ブレーキ時に発生すると予想される旋回トルクである。ブレーキトルクTbは、旋回レバー(図示なし)が中立位置とされ、旋回ブレーキがかけられたときに発生すると予想される旋回トルクである。ブレーキトルクTbは、予め(ステップS251の処理が行われる前の時点で)、コントローラ40に設定される。ブレーキトルクTbは、旋回トルク検出部24(図2参照)で検出される値ではない。ブレーキトルクTbは、例えば、旋回モータM(図1参照)がかけ得る最大のブレーキ力で旋回ブレーキがかけられたときに発生する旋回トルク(最大ブレーキトルク)に設定されてもよい。ブレーキトルクTbは、例えば、最大ブレーキトルクよりも小さい旋回トルクに設定されてもよい。ブレーキトルクTbは、ブレーキトルク変更部31に設定された値(後述)でもよい。
ステップS252(図8参照)では、コントローラ40は、ブレーキ減速度αb[rad/s2]を算出する。ブレーキ減速度αbは、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回減速度(負の旋回加速度)である。ブレーキ減速度αbは、ブレーキトルクTbで旋回ブレーキがかけられた場合に得られると予想される旋回減速度である。ブレーキ減速度αbは、上部旋回体13の旋回減速時に旋回加速度検出部23(図2参照)で検出される値ではない。ブレーキ減速度αbは、ブレーキトルクTb(ステップS251で取得)と、合計慣性モーメントIreal(算出処理S20で算出)と、に基づいて算出される。ブレーキ減速度αbは、例えば次の式により算出される。
Tb=Ireal×αb
ステップS253(図8参照)では、コントローラ40は、旋回速度検出部22(図2参照)に検出された旋回速度ωを取得する。
ステップS254(図8参照)では、コントローラ40は、図6に示すブレーキ旋回角度θb[rad]を算出する。ブレーキ旋回角度θbは、ブレーキトルクTb(図5参照)の旋回ブレーキで上部旋回体13を旋回停止させる場合(旋回停止させると仮定した場合)に要すると予想される旋回角度θである。ブレーキ旋回角度θbは、ブレーキトルクTbの旋回ブレーキで(ブレーキ減速度αbで)上部旋回体13を旋回停止させる際に、旋回速度ωが現在の速度からゼロになるまでに要すると予想される旋回角度θである(図7においてハッチングを付した部分を参照)。ブレーキ旋回角度θbは、旋回角度検出部21(図2参照)に検出された旋回速度ω(ステップS235で取得)と、ブレーキ減速度αb(ステップS252で算出)と、に基づいて算出される。ブレーキ旋回角度θbは、旋回速度ωを積分することで算出される。ブレーキトルクTbが一定であり、ブレーキ減速度αbが一定である場合は、ブレーキ旋回角度θbは、次の式により算出されてもよい。なお、下記の式のαbの値は負である。
θb=−ω2/2αb
ステップS261(図8参照)では、コントローラ40は、旋回角度検出部21(図2参照)に検出された検出旋回角度θdを取得する。コントローラ40は、検出旋回角度θdに基づいて、始点旋回角度θsから検出旋回角度θdまでの現在旋回角度θaを算出してもよい(θa=θd−θs)。
ステップS262(図8参照)では、コントローラ40は、残存旋回角度θrを算出する。残存旋回角度θrは、終点旋回角度θeと、検出旋回角度θdと、の差に基づいて算出される。具体的には、下記の(式1)により算出されてもよく、式(2)により算出されてもよい。コントローラ40は、上部旋回体13の旋回中は常に検出旋回角度θdを取得し続け、残存旋回角度θrを更新し続けてもよい。
θr=θe−θd (式1)
θr=(θe−θs)−θa (式2)
ステップS271(図8参照)では、コントローラ40は、残存旋回角度θr(ステップS262で算出)とブレーキ旋回角度θb(ステップS254で算出)とを比較する。コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較に基づいて、残存旋回角度θr以内で上部旋回体13を旋回停止させることが可能な否かなどを判定する。さらに詳しくは、このタイミングで(ステップS271の処理が行われている時に)旋回ブレーキがかけられ、上部旋回体13が旋回停止したときの旋回角度θを「上部旋回体13の停止予定の旋回角度θ」とする。コントローラ40は、上部旋回体13の停止予定の旋回角度θが、終点旋回角度θeに対して、不足するか、一致するか、逸走するか、をこの比較に基づいて判定する。
具体的には例えば、コントローラ40は、次のように判定する。[判定例1]残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しい場合(θr=θbの場合)、上部旋回体13の停止予定の旋回角度θが、終点旋回角度θeと一致する。[判定例2]残存旋回角度θrがブレーキ旋回角度θbよりも大きい場合(θr>θbの場合)、上部旋回体13の停止予定の旋回角度θが、終点旋回角度θeより手前(始点旋回角度θs側)となる。この場合、上部旋回体13が、終点旋回角度θeに対して旋回不足となる。この場合、旋回ブレーキ開始の適切なタイミングは、現在(ステップS271が行われている時)よりも後である。[判定例3]残存旋回角度θrがブレーキ旋回角度θbよりも小さい場合(θr<θbの場合)、上部旋回体13の停止予定の旋回角度θは、終点旋回角度θeよりも先(始点旋回角度θsとは反対側)となる。この場合、上部旋回体13が、終点旋回角度θeに対して逸走する。この場合、旋回ブレーキ開始の適切なタイミングは、現在(ステップS271が行われている時)よりも前である。
ステップS273(図8参照)では、コントローラ40は、報知部35(図2参照)に報知を行わせるタイミング(報知タイミング)を決定する。コントローラ40は、操作者による旋回ブレーキ操作の開始に適したタイミングを、報知タイミングとして決定する。具体的には、コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較に基づいて、報知タイミングを決定する。例えば、コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しい時(上記[判定例1]の時)に、報知部35に報知(「報知F」とする)を行わせる。この場合、報知部35による報知Fと同時に旋回ブレーキがかけられると、上部旋回体13の旋回停止時の旋回角度θは、終点旋回角度θeと一致する(上部旋回体13は終点旋回角度θeで停止する)。なお、図7に、報知Fと同時に旋回ブレーキがかけられた場合の、時間と旋回速度ωとの関係を示す。また、報知Fに対して、旋回ブレーキの開始のタイミングが、多少遅れても、図6に示す上部旋回体13は、ほぼ終点旋回角度θeで停止できる。
(報知タイミングの変更など)
コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しくなる前に(報知Fのタイミングよりも前に)、報知部35に報知(「報知B」とする)を行わせてもよい。コントローラ40は、ブレーキ旋回角度θbよりも所定値だけ残存旋回角度θrが大きい時に、報知部35に報知Bを行わせてもよい。残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しくなる前に報知Bが行われることで、操作者は、余裕を持って旋回ブレーキ操作を行える。この場合、報知Bを行わせるタイミングは(具体的には例えば上記「所定値」は)、報知タイミング変更部32(図2参照)により変更可能でもよく、コントローラ40に予め設定された一定値でもよい。
コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較に基づいて、報知部35(図2参照)による報知の内容を変えてもよい。例えば、コントローラ40は、比較結果に基づいて、報知部35による音(ブザー)の種類を変えてもよい。具体的には例えば、報知Bは、ブザーの単発音など(例えば「ピッ」)であり、報知Fは、ブザーの連続音など(例えば「ピピピピッ」または「ピー」など)でもよい。なお、コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較に基づいて、報知部35による表示の内容などを変えてもよい。また、報知部35は、報知Fを行わずに、報知Bを行ってもよい。
(ブレーキトルクTbの変更など)
上記の通り、上部旋回体13の旋回減速時のブレーキトルクTbは、図2に示すブレーキトルク変更部31により調整可能である。コントローラ40は、ブレーキトルクTbが変えられた場合でも、適切な報知タイミングで、報知部35に報知を行わせる。さらに詳しくは、ブレーキトルクTbが変えられると、図6に示すブレーキ旋回角度θbの値が変わる。すると、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較結果が変わり、この比較結果に基づく報知タイミングも変わる。具体的には、ブレーキトルクTbが大きくなると、ブレーキ旋回角度θbが小さくなり、報知Fのタイミングが遅くなる。ブレーキトルクTbが小さくなると、ブレーキ旋回角度θbが大きくなり、報知Fのタイミングが早くなる。
(自動旋回停止)
コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較に基づいて、上部旋回体13を終点旋回角度θeに自動的に停止させるように制御を行ってもよい。さらに詳しくは、コントローラ40は、この比較に基づいて、上部旋回体13の旋回停止時の旋回角度θが終点旋回角度θeになるように、上部旋回体13に自動的に旋回ブレーキをかける制御を行う。具体的には例えば、コントローラ40は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しくなった時に、自動的にブレーキトルクTbの旋回ブレーキをかける制御を行う。すると、上部旋回体13の旋回停止時の旋回角度θが、終点旋回角度θeと一致(または略一致)する。
コントローラ40による旋回ブレーキの制御は、例えば次のように行われる。旋回レバー(図示なし)の操作量に応じて、旋回モータM(図1参照)が駆動し、上部旋回体13が旋回加速および旋回減速する。そこで、コントローラ40は、旋回レバーの操作量に応じて出力される指令値を変えることで、旋回ブレーキを制御してもよい。例えば、旋回レバーの操作量に応じてパイロット油圧が出力される場合は、コントローラ40は、このパイロット油圧を制御することで、旋回ブレーキを制御してもよい。また、例えば、旋回レバーの操作量に応じて電気信号が出力される場合は、コントローラ40は、この電気信号を変えることで、旋回ブレーキを制御してもよい。
(検討2)
上部旋回体13が旋回しているとき、運搬物17の位置および質量などによって、運搬物17に作用する慣性力(遠心力)が変化する。その結果、旋回中心Cを中心に旋回する物全体の慣性力(遠心力)が変化する。そのため、例えば非熟練の操作者には、旋回レバーの操作量と、上部旋回体13の旋回量(移動量)と、の関係を把握することが困難な場合がある。そのため、上部旋回体13が、本来停止させたい位置(終点旋回角度θe)に対して、逸走する場合や旋回不足となる場合がある。一方、本実施形態では、図3に示す運搬物17の慣性モーメントIsoilを含む合計慣性モーメントIrealに基づいて、図6に示す報知Fや報知Bの報知タイミングが決定される。そして、旋回ブレーキの開始に適したタイミングで、報知部35(図2参照)による報知が行われる。よって、非熟練の操作者でも、上部旋回体13の旋回停止時の旋回角度θを、終点旋回角度θeに容易に近づけることができる。よって、逸走や旋回不足により、上部旋回体13の旋回角度θを修正する手間を抑制できる。よって、上部旋回体13を旋回させる作業の作業性を向上させることができる。なお、上記の検討1、およびこの検討2に記載の作用は、作業機械1により得られることが好ましいが、得られなくてもよい。
(効果)
図3に示す作業機械1による効果は次の通りである。以下では、電子機器類20の各構成要素については図2を参照し、作業機械1のうち電子機器類20以外の構成要素については主に図3を参照し、下記の各ステップ(S11〜S45)、各検出値、各算出値については図5を参照して説明する。
(第1の発明の効果)
作業機械1は、下部走行体11と、上部旋回体13と、アタッチメント15と、図2に示す旋回加速度検出部23と、旋回トルク検出部24と、アタッチメント姿勢検出部25と、コントローラ40と、を備える。図3に示す上部旋回体13は、下部走行体11に旋回可能に取り付けられる。アタッチメント15は、上部旋回体13に取り付けられ、運搬物17を運搬可能である。旋回加速度検出部23(図2参照)は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回加速度である検出旋回加速度αrealを検出する。旋回トルク検出部24(図2参照)は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回トルクである検出旋回トルクTrealを検出する。アタッチメント姿勢検出部25(図2参照)は、上部旋回体13に対するアタッチメント15の姿勢を検出する。コントローラ40(図2参照)は、アタッチメント姿勢検出部25(図2参照)に検出されたアタッチメント15の姿勢に基づいて、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回中心Cまわりのアタッチメント15の慣性モーメントIaを算出する。コントローラ40(図2参照)は、旋回中心Cまわりのアタッチメント15の慣性モーメントIaと、旋回中心Cまわりの上部旋回体13の慣性モーメントIbと、の和である推定慣性モーメントIassume(図5のステップS35を参照)を算出する。
[構成1]コントローラ40(図2参照)は、推定慣性モーメントIassumeと、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回加速中に旋回トルク検出部24(図2参照)に検出された検出旋回トルクTrealと、に基づいて、推定旋回加速度αassumeを算出する(図5のステップS42を参照)。推定旋回加速度αassumeは、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回加速度の推定値である。コントローラ40(図2参照)は、検出旋回加速度αrealと推定旋回加速度αassumeとの比率K、および、推定慣性モーメントIassumeに基づいて、合計慣性モーメントIrealを算出する(図5のステップS45を参照)。合計慣性モーメントIrealは、上部旋回体13、アタッチメント15、および運搬物17の、旋回中心Cまわりの慣性モーメントである。
上記[構成1]では、上部旋回体13の旋回中の情報(検出旋回トルクTrealおよび検出旋回加速度αrealなど)に基づいて、合計慣性モーメントIrealを算出できる。したがって、上部旋回体13を旋回させた状態で精度よく合計慣性モーメントIrealを算出できる。具体的には例えば、アタッチメント15を支える油圧シリンダに作用する油圧に基づいて合計慣性モーメントIrealに相当する値を算出する場合に比べて、精度よく、上部旋回体13を旋回させた状態で合計慣性モーメントIrealを算出できる。上部旋回体13を旋回させた状態で精度よく合計慣性モーメントIrealを算出できるので、合計慣性モーメントIrealを算出する際に上部旋回体13を停止させる必要がある場合に比べ、上部旋回体13を旋回させる作業の作業性を向上させることができる。
(第2の発明の効果)
作業機械1は、図2に示す旋回角度検出部21と、旋回速度検出部22と、を備える。旋回角度検出部21は、図6に示す下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回角度θである検出旋回角度θdを検出する。旋回速度検出部22(図2参照)は、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回速度ωを検出する。コントローラ40(図2参照)には、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回ブレーキのトルクであるブレーキトルクTbが設定される。
[構成2]コントローラ40(図2参照)は、合計慣性モーメントIrealと、ブレーキトルクTbと、に基づいて、下部走行体11に対する上部旋回体13の旋回減速度であるブレーキ減速度αbを算出する(図8のステップS252)。コントローラ40(図2参照)は、旋回速度検出部22(図2参照)に検出された旋回速度ωと、ブレーキ減速度αbと、に基づいて、ブレーキ旋回角度θbを算出する。ブレーキ旋回角度θbは、下部走行体11に対して上部旋回体13をブレーキトルクTbの旋回ブレーキで旋回停止させる場合に要すると予想される旋回角度θである。コントローラ40(図2参照)は、コントローラ40に設定された上部旋回体13の終点旋回角度θeと、検出旋回角度θdと、の差に基づいて残存旋回角度θrを算出する(図8のステップS262を参照)。コントローラ40(図2参照)は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとを比較する(図8のステップS272を参照)。
上記[構成2]では、下部走行体11に対して上部旋回体13をブレーキトルクTbの旋回ブレーキで旋回停止させる場合に要すると予想されるブレーキ旋回角度θbと、終点旋回角度θeと検出旋回角度θdとの差である残存旋回角度θrと、が比較される。よって、ブレーキトルクTbの旋回ブレーキで上部旋回体13を旋回停止させた場合に、上部旋回体13の停止予定の旋回角度θが、終点旋回角度θeに対して、逸走するか、一致するか、不足するか、を判定できる。また、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較結果を、様々な用途(例えば制御、報知など)に利用できる。
(第3の発明の効果)
[構成3]作業機械1は、報知を行う報知部35(図2参照)を備える。コントローラ40(図2参照)は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較に基づいて、報知部35(図2参照)に報知を行わせる。
上記[構成3]により、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較結果に関する情報を、作業機械1の操作者に報知できる。
(第4の発明の効果)
[構成4]コントローラ40(図2参照)は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しい時に、報知部35(図2参照)に報知Fを行わせる。
上記[構成4]により、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しくなったことを、操作者に報知できる。その結果、次の効果が得られてもよい。報知部35による報知Fと同時(またはほぼ同時)に、操作者が旋回ブレーキの操作を行った場合は、上部旋回体13の旋回停止時の旋回角度θを、終点旋回角度θeと一致(またはほぼ一致)させることができる。
(第5の発明の効果)
[構成5]コントローラ40(図2参照)は、ブレーキ旋回角度θbよりも所定値だけ残存旋回角度θrが大きい時に、報知部35(図2参照)に報知Bを行わせる。
上記[構成5]により、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しくなるタイミングよりも前のタイミングで、操作者に対して、報知部35(図2参照)による報知Bを行える。その結果、次の効果が得られてもよい。操作者は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとが等しくなるタイミングよりも前のタイミングで、旋回ブレーキの操作を行える、または、旋回ブレーキの操作の準備を行える。
(第6の発明の効果)
[構成6]コントローラ40(図2参照)は、残存旋回角度θrとブレーキ旋回角度θbとの比較に基づいて、上部旋回体13の旋回停止時の旋回角度θが終点旋回角度θeになるように、上部旋回体13に自動的に旋回ブレーキをかける制御を行う。
上記[構成6]により、上部旋回体13の旋回停止時の旋回角度θを、確実に終点旋回角度θeに一致させる(または略一致させる)ことができる。
(第7の発明の効果)
[構成7]図1に示すように、アタッチメント15は、土砂17sをすくうことが可能なバケット15cを備える。コントローラ40(図2参照)は、上部旋回体13に対するバケット15cの位置と、合計慣性モーメントIrealと、に基づいて、バケット15c内の土砂17sの質量を算出する。
上記[構成7]により、算出され土砂17sの質量の情報を、様々に利用できる。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、図2に示す回路の接続は変更されてもよい。例えば、図5および図8に示すフローチャートのステップの順序は変更されてもよく、ステップの一部が行われなくてもよい。例えば、作業機械1の構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、互いに異なる複数の構成要素として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい(例えば図2に示す旋回角度検出部21および旋回速度検出部22の説明などを参照)。例えば、一つの部材や部分として説明したもの(例えばコントローラ40)が、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
1 作業機械
11 下部走行体
13 上部旋回体
15 アタッチメント
15c バケット
17 運搬物
17s 土砂
21 旋回角度検出部
22 旋回速度検出部
23 旋回加速度検出部
24 旋回トルク検出部
25 アタッチメント姿勢検出部
35 報知部
40 コントローラ
C 旋回中心
Ia アタッチメント15の慣性モーメント
Iassume 推定慣性モーメント
Ib 上部旋回体13の慣性モーメント
Ireal 合計慣性モーメント
Tb ブレーキトルク
Treal 検出旋回トルク
αassume 推定旋回加速度
αb ブレーキ減速度
αreal 検出旋回加速度
θb ブレーキ旋回角度
θd 検出旋回角度
θr 残存旋回角度
ω 旋回速度

Claims (7)

  1. 下部走行体と、
    前記下部走行体に旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、
    前記上部旋回体に取り付けられ、運搬物を運搬可能であるアタッチメントと、
    前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回加速度である検出旋回加速度を検出する旋回加速度検出部と、
    前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回トルクである検出旋回トルクを検出する旋回トルク検出部と、
    前記上部旋回体に対する前記アタッチメントの姿勢を検出するアタッチメント姿勢検出部と、
    コントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記アタッチメント姿勢検出部に検出された前記アタッチメントの姿勢に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回中心まわりの前記アタッチメントの慣性モーメントを算出し、
    前記旋回中心まわりの前記アタッチメントの慣性モーメントと、前記旋回中心まわりの前記上部旋回体の慣性モーメントと、の和である推定慣性モーメントを算出し、
    前記推定慣性モーメントと、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回加速中に前記旋回トルク検出部に検出された前記検出旋回トルクと、に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回加速度の推定値である推定旋回加速度を算出し、
    前記検出旋回加速度と前記推定旋回加速度との比率、および、前記推定慣性モーメントに基づいて、前記上部旋回体、前記アタッチメント、および前記運搬物の、前記旋回中心まわりの慣性モーメントである合計慣性モーメントを算出する、
    作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械であって、
    前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回角度である検出旋回角度を検出する旋回角度検出部と、
    前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回速度を検出する旋回速度検出部と、
    を備え、
    前記コントローラには、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回ブレーキのトルクであるブレーキトルクが設定され、
    前記コントローラは、
    前記合計慣性モーメントと、前記ブレーキトルクと、に基づいて、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回減速度であるブレーキ減速度を算出し、
    前記旋回速度検出部に検出された前記旋回速度と、前記ブレーキ減速度と、に基づいて、前記下部走行体に対して前記上部旋回体を前記ブレーキトルクの旋回ブレーキで旋回停止させる場合に要すると予想される前記旋回角度であるブレーキ旋回角度を算出し、
    前記コントローラに設定された前記上部旋回体の終点旋回角度と、前記検出旋回角度と、の差に基づいて残存旋回角度を算出し、
    前記残存旋回角度と前記ブレーキ旋回角度とを比較する、
    作業機械。
  3. 請求項2に記載の作業機械であって、
    報知を行う報知部を備え、
    前記コントローラは、前記残存旋回角度と前記ブレーキ旋回角度との比較に基づいて、前記報知部に報知を行わせる、
    作業機械。
  4. 請求項3に記載の作業機械であって、
    前記コントローラは、前記残存旋回角度と前記ブレーキ旋回角度とが等しい時に、前記報知部に報知を行わせる、
    作業機械。
  5. 請求項3または4に記載の作業機械であって、
    前記コントローラは、前記ブレーキ旋回角度よりも所定値だけ前記残存旋回角度が大きい時に、前記報知部に報知を行わせる、
    作業機械。
  6. 請求項2に記載の作業機械であって、
    前記コントローラは、前記残存旋回角度と前記ブレーキ旋回角度との比較に基づいて、前記上部旋回体の旋回停止時の前記旋回角度が前記終点旋回角度になるように、前記上部旋回体に自動的に旋回ブレーキをかける制御を行う、
    作業機械。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の作業機械であって、
    前記アタッチメントは、土砂をすくうことが可能なバケットを備え、
    前記コントローラは、前記上部旋回体に対する前記バケットの位置と、前記合計慣性モーメントと、に基づいて、前記バケット内の土砂の質量を算出する、
    作業機械。
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