JP2020050380A - パウチ - Google Patents
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Description
[1]おもて面および裏面を有し、かつ本体部と、注出口部とを備えるパウチであって、前記パウチの外側から内側に向けて少なくとも基材層およびシーラント層をこの順に備える包装材料により形成され、前記本体部と前記注出口部との間に設けられ、前記本体部および前記注出口部と一体の中間部を備え、前記本体部は、内容物を収容する収容空間と、前記本体部の上部に形成された第1上部シール部と、前記本体部の上部に形成され、かつ前記第1上部シール部と対向する第2上部シール部と、前記注出口部は、前記本体部の前記上部側に位置し、前記注出口部は、互いに対向する第1対向シール部および第2対向シール部を有する注出口シール部と、前記注出口シール部の内縁で画定され、かつ前記パウチの縦方向に延びる第1流路とを有し、前記中間部は、前記第1対向シール部および前記第1上部シール部と連設した第1中間シール部と、前記第2対向シール部および前記第2上部シール部と連設した第2中間シール部と、前記第1中間シール部の内縁および前記第2中間シール部の内縁で画定され、かつ前記第1流路および前記収容空間に連通する第2流路とを有し、前記第2流路が、前記第1流路に対して傾斜し、かつ第2流路の入口から前記第2対向シール部に向けて折れ曲がらずに延び、前記第2中間シール部の前記内縁と前記第2上部シール部の内縁とのなす角度が、直角または鈍角である、パウチ。
図1に示されるパウチ10−1は、少なくともおもて面10Aおよび裏面10Bを有している。ただし、パウチは、少なくともおもて面および裏面を有していればよく、底面を有していてもよい。おもて面10Aは、おもて面フィルム11から構成され、裏面10Bは、裏面フィルム12から構成されている。
本体部20は、内容物を収容する収容空間20Aを有している。内容物としては、流動体が挙げられる。流動体としては、特に限定されないが、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、家庭用内容物洗剤、化粧水等の液体が挙げられる。ただし、内容物は、これらのものに限定されない。
第1上部シール部21および第2上部シール部22は、上部20Bにおいて、おもて面フィルム11と裏面フィルム12を互いに接合した部分である。第1上部シール部21および上部シール部22は、後述する包装材料50同士をヒートシールすることによって形成されている。
第1側部シール部23は、第1側部20Cにおいて、おもて面フィルム11と裏面フィルム12を互いに接合した部分であり、第2側部シール部24は、第2側部20Dにおいて、おもて面フィルム11と裏面フィルム12を互いに接合した部分である。第1側部シール部23および第2側部シール部24は、後述する包装材料50同士をヒートシールすることによって形成されている。
注出口部30は、パウチ10−1から内容物を排出するための部分である。注出口部30は、本体部20の上部20A側に位置している。具体的には、図1に示される注出口部30は、パウチ10−1の中央部から上方に向けて突出している。注出口部30は、パウチ10−1の縦方向D1に沿って延びるように構成されている。注出口部30を備えることにより、パウチ10−1から排出される際の内容物の流れを整えることができ、これにより内容物の詰め替え作業を容易に行うことができる。
注出口シール部31は、注出口部30におけるおもて面フィルム11の一部と裏面フィルム12の一部を互いに接合した部分である。
第1流路32は、注出口部30におけるパウチ10−1から内容物を排出する際に内容物が通過する未シールの部分である。図1に示されるパウチ10−1は、開封前のものであるので、第1流路32は外部と繋がっていないが、開封によって注出口部30の先端部が切り取られるので、開封後のパウチ10−1においては、注出口を介して第1流路32は外部と繋がる。これにより、第1流路32を介してパウチ10−1から内容物を排出することができる。
開封開始手段33は、パウチ10−1の開封の際の起点となり得るものであり、第1流路32を横切る方向に設けられていてもよい。開封開始手段33としては、切込みや切欠き等が挙げられる。図1に示される開封開始手段33は、切欠きとなっている。
中間部40は、第1中間シール部41と、第2中間シール部42と、第1流路32および収容空間20Aに連通する第2流路43とを有している。第2流路43は、第1流路32に対して傾斜しているとともに、第2流路43の入口43Aから第2対向シール部31Cに向けて延びている。第2流路43の入口43Aは、第2流路43と収容空間20Aの境界に位置する。
第1中間シール部41は、第1対向シール部31Bおよび第1上部シール部21と連設しており、第2中間シール部42は、第2対向シール部31Cおよび第2上部シール部22と連設している。
第2流路43は、第1中間シール部41の内縁41Aおよび第2中間シール部42の内縁42Aで画定されている。上記したように第2流路43は、第1流路32に対して傾斜しているとともに、第2流路43の入口43Aから第2対向シール部31Cに向けて延びている。すなわち、第1流路32はパウチ10−1の縦方向D1に延びているので、第2流路43を画定する第1中間シール部41の内縁41Aおよび第2中間シール部42の内縁42Aは互いに平行である必要はないが、いずれの内縁41A、42Aもパウチ10−1の縦方向D1に対して傾斜しているとともに第2対向シール部31Cに向けて延びていることを意味する。
パウチ10−1は、包装材料50から構成されている。すなわち、おもて面フィルム11および裏面フィルム12は、包装材料50から構成されている。包装材料50は、図3に示されるように、少なくとも基材層51およびシーラント層52をこの順に備えている。図3に示される包装材料50は、基材層51およびシーラント層52の他、基材層51とシーラント層52との間に、所望の機能を発揮する機能層や接合層をさらに備えていてもよい。具体的には、基材層51とシーラント層52との間に、接合層53、機能層54、および接合層55を基材層51側からこの順で備えていてもよい。
基材層51としては、ナイロン(Ny)などのポリアミドや、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の少なくとも1軸延伸された延伸フィルム等が挙げられる。
シーラント層52は、2枚の包装材料同士を重ね合わせてヒートシールすることでパウチ10−1の収容空間を密封するために設けられている。このため、パウチ10−1においては、シーラント層52が最も収容空間側となるように配置されている。
機能層54としては、例えば、印刷層が挙げられる。印刷層は、色材およびバインダ樹脂を含む層である。印刷層を形成することにより、パウチ10−1に絵柄を形成することができる。本明細書における「絵柄」とは、特に限定されず、例えば、図、文字、模様、パターン、記号、柄、マーク等を広く含む。
色材は、特に限定されず、公知の顔料や染料を用いることができ、所望の色に合わせて適宜選択する。
バインダ樹脂としては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、(メタ)アクリレート化合物の重合体、または、これらの混合物が挙げられる。
接合層53、55としては、例えばそれ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。ポリウレタン系接着剤とは、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との硬化物のことである。
図1に示されるパウチ10−1は、各シール部の内縁側の角部は丸みを有していないが、図4に示されるパウチ10−2のように、各シール部の角部は丸みを有していてもよい。角部が丸みを有していれば、内容物が流れる際の圧力の損失を減らすことができる。角部が丸みを有している場合、曲率半径は1mm以上10mm以下であることが好ましい。曲率半径が1mm以上であれば、内容物が流れる際の損失を減らすことができ、また10mm以下であれば、第2流路に内容物が過度に流れ込むことを抑制できる。なお、第2中間シール部42の内縁42Aと第2上部シール部22の内縁22Aの角部が丸みを有している場合、角度αは、第2中間シール部42の内縁42Aを延長した仮想線IL1と第2上部シール部22の内縁22Aを延長した仮想線IL2の交点における角度とする。なお、図4〜図7において、図1等と同じ符号が付されている部材は、図1等で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
ガセット折込部25は、おもて面フィルム11の底部と、裏面フィルム12の底部と、おもて面フィルム11の底部と裏面フィルム12の底部の間に内側に挿入された底面フィルム13とから構成されている。
第1底部シール部26は、ガセット折込部25におけるおもて面フィルム11の底部の一部と底面フィルム13の一部を互いに接合した部分であり、第2底部シール部27は、ガセット折込部25における裏面フィルム12の底部の一部と底面フィルム13の一部を互いに接合した部分である。第1底部シール部26は、おもて面フィルム11と底面フィルム13をヒートシールすることによって形成されており、第2底部シール部27は、裏面フィルム12と底面フィルム13をヒートシールすることによって形成されている。
底部補助シール部28は、本体部20の底部における横方向D2側の両縁部に形成されている。底部補助シール部28は、おもて面フィルム11と裏面フィルム12を互いに接合した部分である。底部補助シール部28は、底面フィルム13に設けられた切欠きを介しておもて面フィルム11と裏面フィルム12をヒートシールすることによって形成されている。内容部を収容空間に充填する際にガセット折込部を広げる観点から、パウチの底部中央部においては第1底部シール部と第2底部シール部は離れていることが必要であるが、第1底部シール部と第2底部シール部が完全に離れていると、収容空間に内容物を充填したときに、第1底部シール部と第2底部シール部が内容物の重量に耐え切れず、第1底部シール部と第2底部シール部との間が開いてしまい、パウチの自立が困難になるおそれがある。また、後述する基材層同士はヒートシールできないので、基材層同士が向かい合っている第1底部シール部と第2底部シール部は、そのままではヒートシールできない。このため、底部補助シール部28を形成することによって、第1底部シール部26と第2底部シール部27の両端部のみを接合している。したがって、内容物を充填する際に、底面フィルム13の広がりを阻害せず、かつ安定してパウチ10−1を自立させることができる。
このようなパウチ10−1は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、おもて面フィルム11および裏面フィルム12を対向させるとともに、図8(A)に示されるようにおもて面フィルム11と裏面フィルム12を重ねる。この際、おもて面フィルム11および裏面フィルムは、シーラント層52が互いに接するように配置される。
実施例1においては、図1に示されるパウチを作製した。具体的には、おもて面フィルムおよび裏面フィルムを用意した。これらのフィルムは全て包装材料から構成されていた。包装材料は、厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム(製品名「エンブレム」、ユニチカ株式会社製)からなる基材層、厚さ3μmのウレタン系接着剤からなる接合層、厚さ120μmのポリエチレン層からなるシーラント層をこの順で積層したものであった。
実施例2においては、幅W3を10mmとし、幅W4を18mmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパウチを得た。
<実施例3>
実施例3においては、幅W5を10mmとし、長さL2を20mmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてパウチを得た。
比較例1においては、中間部を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてパウチを得た。比較例1に係るパウチは、図10に示される構造であり、注出口シール部の第1内縁が本体部の第1上部シール部の内縁に連設されているとともに注出口シール部の第2内縁が本体部の第2上部シール部の内縁に連設されていた。図10に示される長さ1は、18.0mmであり、幅W1〜W3は、実施例1と同様であった。
比較例2においては、第2流路が折れ曲がっていること以外は、実施例1と同様にしてパウチを得た。具体的には、比較例2に係るパウチは、図11に示される構造であり、具体的には、第2流路は、第1流路側の第1部分と、第1部分に連通し、かつ第1部分に対し折れ曲がった収容空間側の第2部分から構成されていた。図11に示される第1部分の幅W7および第2部分の幅W8はともに14mmであり、長さL4および長さL5はともに19.8mmであった。また、図11に示される折れ曲がり角度εは、90°であった。幅W1〜W3、長さL1、角度γ、δは、実施例1と同様であった。
比較例3においては、角度αを58°にしたこと以外は、実施例1と同様にしてパウチを得た。比較例3に係るパウチは、図12に示される構造であり、幅W1〜W3、長さL1、L2、角度β、γ、δは、実施例1と同様であった。
実施例および比較例に係るパウチにおいて、開封後、上下反転させたときに、シャンプーが注出口からこぼれるか否かを評価した。具体的には、まず、注出口部が上側となるようにパウチを持ち、鋏によって第1流路の位置で、注出口部を切断して、パウチを開封した。パウチの開封後、パウチを注出口が下向きとなるように上下反転させて、シャンプーが注出口からこぼれるか否かを評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:シャンプーが注出口からこぼれなかった。
×:シャンプーが注出口からこぼれた。
実施例および比較例に係るパウチにおいて、本体部を手で握ってパウチを圧迫したときに、シャンプーがパウチから排出されるか否か評価した。具体的には、まず、ポンプを取り出したボトル上に上記こぼれ評価で開封したパウチを注出口が下向きになるように配置し、本体部を手で握って、シャンプーが排出されるか否か評価した。評価基準は以下の通りとした。ただし、この評価は、こぼれ防止性評価で「○」となったパウチのみ行った。
○:シャンプーが注出口から排出された。
×:シャンプーが注出口から排出されなかった。
実施例および比較例に係るパウチにおいて、上記排出性評価におけるパウチの圧迫を中止し、シャンプーの排出が止まるか評価した。ただし、この評価は、排出性評価で「○」となったパウチのみ行った。
○:シャンプーの排出が止まった。
×:シャンプーの排出が止まらなかった。
実施例および比較例に係るパウチにおいて、上記そのまま使い可否評価におけるパウチを再び手で握り、圧迫して、シャンプーを最後まで排出して、パウチを鋏で開封したときから、上記こぼれ防止性評価、排出性評価、そのまま使い可否評価での作業時間を経由して、シャンプーを最後まで排出するまでの時間を測定した。そして、この時間が2分以内である場合には、詰め替え使用性良とし、2分を超え3分以内である場合には、詰め替え使用性可とし、この時間が3分を超える場合には、詰め替え使用性不可とした。ただし、この評価は、そのまま使い可否評価で「○」となったパウチのみ行った。
◎:詰め替え使用性良
○:詰め替え使用性可
×:詰め替え使用性不可
10A…おもて面
10B…裏面
11…おもて面フィルム
12…裏面フィルム
20…本体部
20A…収容空間
21…第1上部シール部
21…内縁
22…第2上部シール部
22A…内縁
23…第1側部シール部
24…第2側部シール部
30…注出口部
31…注出口シール部
31A…内縁
31A1…第1内縁
31A2…第2内縁
31B…第1対向シール部
31C…第2対向シール部
32…第1流路
32A…入口
40…中間部
41…第1中間シール部
41A…内縁
42…第2中間シール部
42A…内縁
43…第2流路
43A…入口
Claims (7)
- おもて面および裏面を有し、かつ本体部と、注出口部とを備えるパウチであって、
前記パウチの外側から内側に向けて少なくとも基材層およびシーラント層をこの順に備える包装材料により形成され、
前記本体部と前記注出口部との間に設けられ、前記本体部および前記注出口部と一体の中間部を備え、
前記本体部は、内容物を収容する収容空間と、前記本体部の上部に形成された第1上部シール部と、前記本体部の上部に形成され、かつ前記第1上部シール部と対向する第2上部シール部とを有し、
前記注出口部は、前記本体部の前記上部側に位置し、
前記注出口部は、互いに対向する第1対向シール部および第2対向シール部を有する注出口シール部と、前記注出口シール部の内縁で画定され、かつ前記パウチの縦方向に延びる第1流路とを有し、
前記中間部は、前記第1対向シール部および前記第1上部シール部と連設した第1中間シール部と、前記第2対向シール部および前記第2上部シール部と連設した第2中間シール部と、前記第1中間シール部の内縁および前記第2中間シール部の内縁で画定され、かつ前記第1流路および前記収容空間に連通する第2流路とを有し、
前記第2流路が、前記第1流路に対して傾斜し、かつ前記第2流路の入口から前記第2対向シール部に向けて折れ曲がらずに延び、
前記第2中間シール部の前記内縁と前記第2上部シール部の内縁とのなす角度が、直角または鈍角である、パウチ。 - 前記第1流路の幅に対する前記第2流路の幅の比が、0.6以上1.5以下である、請求項1に記載のパウチ。
- 前記第2流路の前記入口の幅に対する前記第2流路の長さの比が、0.5以上1.7以下である、請求項1または2に記載のパウチ。
- 前記注出口シール部の前記内縁が、前記パウチの縦方向に延びる第1内縁および第2内縁を有し、前記第1中間シール部の前記内縁が前記注出口シール部の前記第1内縁に連設し、かつ前記第2中間シール部の前記内縁が前記注出口シール部の前記第2内縁に連設している、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のパウチ。
- 前記注出口シール部の前記第1内縁と前記第1中間シール部の前記内縁とのなす角度が、125°以上140°以下である、請求項4に記載のパウチ。
- 前記注出口シール部の前記第2内縁と前記第2中間シール部の前記内縁とのなす角度が、220°以上235°以下である、請求項4または5に記載のパウチ。
- 前記本体部の前記収容空間に前記内容物が収容され、
前記本体部が、前記本体部の底部に形成され、かつ前記パウチの横方向に延びる底部シール部をさらに備える、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のパウチ。
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