JP2020049990A - 自動運転車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時に、切り替え時点における操作部材の操作位置と、実際のアクチュエータの作動位置との間にズレがある場合でも、自車両の安全な走行を確保し、交通を乱すリスクを抑制する自動運転車両の制御装置を提供する。【解決手段】自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時に、切り替え時点における前記操作部材の操作位置と、実際のアクチュエータの作動位置との間にズレがある場合、その後のドライバによる操作部材の操作による操作量が原点位置から離れるように増加するときは、検出手段により検出された操作位置に応じて、実際のアクチュエータの作動位置を増加させ、ドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置に近づくように減少するときには、検出手段により検出された操作位置に対しズレに応じた修正を行った位置になるように、実際のアクチュエータの作動位置を減少させるようにした【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の手動運転モードと自動運転機能を備える自動運転モードとを切り替え可能な自動運転車両の制御装置に関する。
特許文献1には、自動運転車両のステア・バイ・ワイヤ方式の操舵装置において、操舵部材(例えば、ステアリングホイール)の操舵角に対する車輪の転蛇角の回転比率を変更可能な操舵装置であって、車両が自動走行している場合に用いる回転比率を、車両が自動走行していない場合に用いる回転比率よりも大きくすることで、自動走行中の操舵部材の動きを少なくする操舵装置が記載されている。
また、国交省が2017年10月10日に告示した道路交通法の保安基準改正によると、「15秒以上ドライバがステアリングホイールを手放しで運転すると、ドライバに対し警告を発し、その後も手放しでの運転が継続すると、警告を発してから50秒後に、手動運転モードへ強制的に切り換える」ことを義務付けている。
特開2004−224238号公報
このため、特許文献1のような自動運転車両に対し、国交省の保安基準改正を単純に適用しようとした場合、自動走行している車両が自動走行を終了して手動運転に切り替わる際に、回転比率を切り替える。しかしながら、回転比率が単に切り替わるだけでは、回転比率が切り替わった後において、操舵角がゼロになっているのに転蛇角がゼロになっていない(或いは、転蛇角がゼロになっているのに操舵角がゼロになっていない)状況が生ずる可能性があり、このような状態で手動運転に切り替わると、ドライバは適切な操舵角が把握できないために、操舵角と転舵角にズレが生じ、旋回量が急変し、本来の走行ラインから逸脱することになり、自車両の安全な走行が抑制され、交通を乱す恐れがある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時に、切り替え時点における前記操作部材の操作位置と、前記実際のアクチュエータの作動位置との間にズレがある場合でも、自車両の安全な走行を確保し、交通を乱すリスクを抑制する自動運転車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の自動運転車両の制御装置では、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時に、切り替え時点における操作部材の操作位置と、実際のアクチュエータの作動位置との間にズレがある場合、その後のドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置から離れるように増加するときは、操作部材の操作位置を検出する検出手段により検出された前記操作部材の操作位置に応じて、前記実際のアクチュエータの作動位置を増加させ、ドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置に近づくように減少するときには、前記操作部材の操作位置を検出する検出手段により検出された操作位置に対し前記ズレに応じた修正を行った位置になるように、前記実際のアクチュエータの作動位置を減少させるようにしたことを特徴とする。
よって、本発明の自動運転車両の制御装置では、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時に、切り替え時点における前記操作部材の操作位置と、前記実際のアクチュエータの作動位置との間にズレがある場合であっても、ドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置から離れるように増加するときは、検出手段により検出された前記操作部材の操作位置に応じて、前記実際のアクチュエータの作動位置を増加させ、ドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置に近づくように減少するときには、前記検出手段により検出された前記操作部材の操作位置に対し前記ズレに応じた修正を行った位置になるように、前記実際のアクチュエータの作動位置を減少させることができるので、ドライバの違和感を抑制して、自車両の安全な走行を確保し、交通を乱すリスクを抑制することが可能となる。
実施例1の自動運転車両の制御装置の制御システムブロック図である。 実施例1の制御の処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の制御の一例を示すタイムチャートである。
[実施例1]
図1は、実施例1の自動運転車両の制御装置の制御システムブロック図である。
図1に示すように、自動運転車両の制御装置としての自動運転用コントロールユニット1がある。
手動運転機能(レベル0)以外に、この自動運転用コントロールユニット1は、レベル1からレベル5までの自動運転機能を備えている。
レベル1(運転支援)とは、ステアリング操作・加減速のいずれか1つを支援的に行う。例えば、予め設定した車速内でクルマが自動的に加減速し、先行車との適切な車間距離を維持しながら追従走行するアダブティブ・クルーズ・コントロールなどである。
レベル2(部分自動運転)とは、ステアリング操作・加減速のうち同時に複数の操作を行う。例えば、渋滞時、走行レーンの逸脱を補正するとともに、一定の車間距離を維持しながら、先行車を追従し、停車後は先行車の動きを検知し再度発進を行う渋滞時追従支援システムなどである。この場合、ドライバは常時、運転状況を監視操作する必要がある。
レベル3(条件付自動運転)とは、限定的な環境下もしくは交通状況のみにおいて、自動的にステアリング操作・加減速を行い、緊急時、自動運転用コントロールユニット1が要請したときにはドライバが対応する。
レベル4(高度自動運転)とは、特定の条件下(例えば、高速道路)のみにおいて、がステアリング操作・加減速のすべてを制御する。特定の条件下を離脱すると、ドライバによる運転が必要になる。
レベル5(完全自動運転)とは、ドライバを必要としない、無人運転である。
さらに、この自動運転用コントロールユニット1は、ドライバのステアリングホイール手放し時間が、所定時間を経過すると手動運転モードに強制切り替えを行う。
また、この自動運転用コントロールユニット1には、外部との通信(路車間通信、車車間通信、歩者間通信等)を行う自車両通信装置2より走行道路情報、他車両情報、歩行者情報等が入力される。
路車間通信とは、自車両と道路に設置された道路側機との相互通信を行うことである。
これにより、例えば、自車両は自車両情報を道路側機に送信します。道路側機は周辺状況を把握して周囲を走る他車両に自車両情報を送信し、他車両のドライバに注意喚起することで衝突事故を防ぐことができ、センサやカメラが搭載された道路側機であれば、道路側機自身が車や横断歩道の歩行者の有無を調べ、周辺の車に送信することでも事故防止につなげることができる。この場合、自車両に通信システムが搭載してあれば、周囲の車両や人が通信システムを持っていなくても周辺環境の把握が可能となる。
車車間通信とは、自車両と周辺にいる他車両との相互通信を行うことである。
これにより、見通しの悪い交差点において、通信システムを備える車両同士がお互いの位置や速度といった情報を無線で送受信し、もしも出会い頭衝突の危険性がある場合、両車両のドライバに警告して衝突事故を防ぐことができる。
歩車間通信とは、自車両と周辺にいる歩行者との相互通信を行うことである。
これにより、見通しの悪い交差点において、通信システムを備える車両とスマートフォンを持つ歩行者がお互いの位置や速度といった情報を無線で送受信し、もしも出会い頭衝突の危険性がある場合、自車両のドライバと歩行者に警告して衝突事故を防ぐことができる。
また、自動運転用コントロールユニット1には、GPSアンテナ3からの自車両位置情報、道路状況検知デバイス4からの周辺道路状況情報、ナビゲーション装置5からの地図情報、交通状況情報、物体検知センサ6からの車両周囲の物体情報、車速センサ7からの車速情報、Bat監視システム8からのバッテリの状態情報、アクセルペダル30の操作量を検出するアクセルペダル操作量センサ22、ステアリングホイール32の操作量(操舵量)を検出するステアリングホイール操舵量センサ23、ブレーキペダル31の操作量を検出するブレーキペダル操作量センサ24からの操作量情報が入力されている。
また、ドライバからは、自動運転モードスイッチ(SW)20の操作情報が、自動運転用コントロールユニット1に入力される。
これにより、ドライバの自動運転モードSW20の操作に対応した複数の自動運転機能(レベル1からレベル5)の自動運転モードで走行中において、自動運転用コントロールユニット1は前述した入力情報に基づき、先読みを行い、可能な限り、ドライバの操作無しに、安全な走行を行う。
また、自動運転用コントロールユニット1が、指示を出力するものとしては、車内スピーカ9へドライバへの警告を出すための警告アラーム、あるいは音声による情報報知、内燃機関11を制御する内燃機関用コントロールユニット10への駆動力指示、駆動力伝達装置としての自動変速機13を制御する自動変速機用コントロールユニット12への図示しないクラッチの締結開放を含む変速指示、動力源としてのモータ15を制御するモータ制御コントロールユニット14への駆動力指示、ブレーキアクチュエータ17を制御するブレーキ制御用コントロールユニット16への制動力指示、ステアリング19を制御するステアリング制御用コントロールユニット18への操舵角指示等がある。
なお、自動運転用コントロールユニット1は、内燃機関11、自動変速機13、モータ15、ブレーキアクチュエータ17、ステアリング19の作動を監視するために、各コントロールユニットと相互に通信を行っている。
なお、内燃機関11およびモータ15は、操作部材であるアクセルペダル30とは機械的に連結されていないドライブ・バイ・ワイヤ方式であり、アクセルペダル操作量センサ22からのドライバの操作量情報に対応するように、内燃機関用コントロールユニット10およびモータ制御用コントロールユニット14が、内燃機関11およびモータ15のアクチュエータを制御し、内燃機関11およびモータ15が出力する駆動力を制御している。
また、ブレーキ17も同様に、操作部材であるブレーキペダル31とは機械的に連結されていないブレーキ・バイ・ワイヤ方式であり、ブレーキペダル操作量センサ24からのドライバの操作量情報に対応するように、ブレーキ制御用コントロールユニット16が、ブレーキ17のアクチュエータを制御して、ブレーキ17の制動力を制御している。
さらに、ステアリング19も同様に、操作部材であるステアリングホイール32とは機械的に連結されていないステア・バイ・ワイヤ方式であり、ステアリングホイール操舵量センサ23からのドライバの操舵量(操作量)情報に対応するように、ステアリング制御用コントロールユニット18が、ステアリング19のアクチュエータを制御して、転舵輪の転舵量を制御している。
また、ステアリングホイール32には、ホールドセンサ21が設けられ、ドライバがステアリングホイール32をホールドしているか手放ししているかを検出しており、この情報は、自動運転用コントロールユニット1へ送られている。
図2は、実施例1の制御の処理の流れを示すフローチャートである。
このフローチャートは、所定の演算周期で繰り返し実行される。
ステップS1では、自動運転モード中か否かを判定する。
自動運転モード中のときは、ステップS2へ進み、自動運転モード中でないときは、ステップS5へ進む。
ステップS2では、操作量基準位置をドライバの操作による現在の操作部材(アクセルペダル30、ブレーキペダル31、ステアリングホイール32)位置とする。
ステップS3では、補正係数を初期値とする。
ステップS4では、実際の内燃機関11およびモータ15の出力を制御するアクチュエータの位置(アクセルペダルの操作量に換算)、ブレーキ17の制動力を制御するアクチュエータの位置(ブレーキペダルの操作量に換算)、ステアリング19の転舵量を制御するアクチュエータの位置(ステアリングホイールの操舵量に換算)である自動運転操作位置と、現在の操作部材(アクセルペダル30、ブレーキペダル31、ステアリングホイール32)位置から、ズレ量を算出し、制御を終了する。
ステップS5では、現在の操作部材位置および実際の内燃機関11およびモータ15の出力を制御するアクチュエータの位置(アクセルペダルの操作量に換算)、ブレーキ17の制動力を制御するアクチュエータの位置(ブレーキペダルの操作量に換算)、ステアリング19の転舵輪の転舵量を制御するアクチュエータの位置(ステアリングホイールの操舵量に換算)である自動運転操作位置が、原点(アクセルペダル30およびブレーキペダル31は非作動位置であるOFF状態、ステアリングホイール32は直進走行状態をいう)に復帰したか否かを判定する。
操作部材の位置と自動運転操作位置(アクチュエータ位置)が、原点復帰したときには、ステップS6へ進み、操作部材の位置と自動運転操作位置ともに原点復帰していないときには、ステップS8へ進む。
ステップS6では、補正係数を0とする。
ステップS7では、補正後のアクチュエータ位置(ドライバの操作量に換算)を、原点位置にある現在の操作部材位置と一致するように制御を行い、制御を終了する。
ステップS8では、ドライバの操作による現在の操作部材位置が、前回の操作量基準位置より小さい(原点方向への操作)か否かを判定する。
ドライバの操作による現在の操作部材位置が、前回の操作量基準位置より小さい(アクセルペダル30、ブレーキペダル31は原点に近づくように減少方向、ステアリングホイール32は原点に近づくように減少方向)ときには、ステップS9へ進み、ドライバの操作による現在の操作部材位置が、前回の操作量基準位置より小さくない(アクセルペダル30、ブレーキペダル31は踏込み量が一定あるいは原点から離れるように増加方向、ステアリングホイール32は操舵量が一定あるいは原点から離れるように増加方向)ときには、ステップS15へ進む。
ステップS9では、操作部材が原点方向に操作されているので、今回の操作量基準位置を現在の操作部材位置として、前回値を書き換え、記憶する。
ステップS10では、操作部材位置をステップS9で書き換えた今回の操作量基準位置で割ることにより、今回の補正係数を算出する(原点方向に操作されているので、1より小さい値になる)。
ステップS11では、今回の補正係数が前回の補正係数より小さいか否かを判定する。
今回の補正係数が前回の補正係数より小さいとき(原点方向への操作)には、ステップS11bへ進み、今回の補正係数が前回の補正係数より小さくないときには、ステップS11aへ進む。
なお、操作部材が、原点方向へ操作され続けていれば、必ず今回の補正係数は、前回の補正係数よりも小さくなる。
ステップS11aでは、今回の補正係数として、前回の補正係数を記憶し、ステップS12へ進む。
ステップS11bでは、今回の補正係数として、ステップS10で算出した今回の補正係数を記憶し、ステップS12へ進む。
ステップS12では、操作部材位置が閾値(実質的に原点位置)より大きいか否かを判定する。
操作部材位置が閾値(実質的に原点位置)より大きいときには、ステップS13へ進み、操作部材位置が閾値(実質的に原点位置)より大きくない(実質的に原点位置)ときには、ステップS17へ進む。
ステップS13では、操作部材位置に対し、ステップS11aおよびステップS11bにて記憶した今回の補正係数にズレ量を掛け、補正後のアクチュエータ位置を算出し、ステップS14へ進む。
ステップS14では、算出した補正後のアクチュエータ位置にアクチュエータを作動させ、制御を終了する。
このとき、ステップS11bからの流れの場合には、今回の補正係数は前回の補正係数より小さく、ドライバ操作による操作部材が原点に近づくように減少方向へ操作されているので、現在の操作部材の位置とアクチュエータの位置とのズレ量が小さくなるように、アクチュエータが作動する。
また、ステップS11aまたは、後述するステップS16からの流れの場合には、操作量基準位置および補正係数は、前回の値としており、ドライバの操作による操作部材の操作位置が変化していないか、ドライバの操作により操作部材が原点から離れるように増加方向に操作されているので、アクチュエータは、操作量基準位置から、同一のズレ量を維持しながら、現在位置を保持するか、ドライバの操作により操作部材が原点から離れる方向の操作量分、同一のズレ量にて増大方向に作動する(操作部材の位置の増大と平行にアクチュエータの位置も増大)。
ステップS15では、ドライバの操作による操作部材の操作位置が変化していないか、ドライバの操作により操作部材が原点から離れるように増大方向に操作されているので、今回の操作量基準位置とし、前回の操作量基準位置を記憶する。
ステップS16では、今回の補正係数として、前回の補正係数を記憶する。
具体的な補正係数は、ズレ量を一定にするために、1である。
ステップS17では、原点復帰判断を完了とし、ステップS6へ戻る。
図3は、実施例1の制御の一例を示すタイムチャートである。
横軸は、時間であり、一番上が自車両の運転モード状態、その下が操作部材位置と操作部材位置に換算したアクチュエータ位置(実線が操作部材位置、破線がアクチュエータ位置)、補正係数の変化を示している。
時刻t1にて、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え(自動運転モード解除)の予告が、ドライバへ報知される。
時刻t2にて、手動運転モードへの切り替えが行われる。時刻t1からt2間で、ドライバは、原点から離れるように増加方向へ操作部材(アクセルペダル30、ブレーキペダル31、ステアリングホイール32)を操作している。
すなわち、アクセルペダル30、ブレーキペダル31の場合には、踏込む操作(加速あるいは減速)を、ステアリングホイール32の場合には、転舵輪の転舵操作を行っている。
この時刻t2での操作部材位置を操作量基準位置Aとして記憶する。
この時刻t2経過以降(時刻t3まで、ドライバは、原点から離れるように増加方向へ操作部材を操作、その後、時刻t4まで操作部材位置は変化なし)に、その時の操作部材位置と記憶した操作量基準位置Aとを比較を行う(図2のステップS8)。
この場合には、ドライバの操作は、操作部材の操作位置が変化していないか、原点から離れる方向へ操作部材を操作しているので操作部材位置が操作量基準位置Aより大きいので、今回の操作量基準位置および補正係数として、前回値を記憶する(図2のステップS15、16)。
このため、ドライバは、原点から離れるように増加方向へ操作部材を操作している時刻t3、あるいは、操作部材の操作位置が変化しない時刻t4までは、アクチュエータは、操作部材位置と同一のズレ量にて増大方向に作動するか、あるいは定位置を保持する(図2のステップS13)。
このように、ドライバの操作が、操作部材の操作位置が変化していないか、原点から離れるように増加方向への操作に対応して、アクチュエータが作動するので、自車両の挙動がドライバのイメージに合うので、ドライバにとって違和感が生じることがない。
さらに時刻t4以降、時刻t5までは、ドライバは、原点へ近づくように減少方向へ操作部材を操作している。
この時刻t4での操作部材位置を操作量基準位置Bとして記憶する(図2のステップS9)。
この時刻t4経過以降(時刻t5まで原点へ近づくように減少方向へ操作部材を操作)に、その時の操作部材位置と記憶した操作量基準位置Bとを比較を行う(図2のステップS8)。
この場合には、ドライバは、原点へ近づくように減少方向へ操作部材を操作しているため、操作部材位置が操作量基準位置Bより小さいので、操作部材位置と今回の操作量基準位置により今回の補正係数を算出して、記憶する(図2のステップS10)。
次に、今回の補正係数と前回の補正係数を比較して、ドライバは、原点へ近づくように減少方向へ操作部材を操作しているので、今回の補正係数が小さくなる(ステップS11)。
このため、ドライバの操作が、原点へ近づくように減少方向へ操作部材を操作している時刻t5までは、アクチュエータは、操作部材位置とのズレ量を小さくしながら作動する(図2のステップS13)。
時刻t5以降時刻t6まで(操作量基準位置C)、あるいは、時刻t6から時刻t7まで(操作量基準位置D)間のアクチュエータの作動も同様である。
時刻t7以降は、ズレ量が閾値(実質的に原点位置)以下となり、操作部材位置とアクチュエータ位置が同一となる。
すなわち、ドライバの操作により、操作部材が原点から離れるように増加方向へ操作されるか、操作位置が保持されているときには、所定のズレ量を保持してアクチュエータは作動するので、ドライバの操作に対応した車両の挙動変化が生じ、ドライバにとって違和感が生じることはなく、操作部材が原点に近づくように減少方向へ操作されるときには、操作部材位置とアクチュエータ位置とのズレ量を減らすことにより、惰性走行あるいは直進走行中なので、ドライバが感じる違和感を抑制することができる。
次に、作用効果を説明する。
実施例1の自動運転車両の制御装置にあっては、以下に列挙する作用効果を奏する。
(1)自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時に、切り替え時点における操作部材位置と、実際のアクチュエータの作動位置との間にズレがある場合、その後のドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置から離れるように増加するときは、操作部材の操作量検出手段により検出された操作部材位置に応じて、実際のアクチュエータの作動位置を増加させ、ドライバによる操作部材の操作による操作量が原点位置に近づくように減少するときには、、操作部材の操作量検出手段により検出された操作位置に対し前記ズレに応じた修正を行った位置になるように、実際のアクチュエータの作動位置を減少させるようにした。
よって、操作部材は、原点から離れるように増加方向へ操作されるときの方が、操作部材が原点に近づくように減少方向へ操作されるときよりも、ドライバはより強い違和感を感じるため、操作部材が原点から離れるように増加方向へ操作されるときには、ズレ量を保持して、ドライバの操作に対応した車両の挙動変化を生じさせ、操作部材が原点に近づくように減少方向へ操作されるときに、アクチュエータを、操作部材位置とのズレ量を小さくする方向で作動させたので、ドライバは本来車両が備える操作感覚で操作ができ、違和感を生じることなく、自車両の安全な走行を確保し、交通を乱すリスクを抑制することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
1 自動運転用コントロールユニット(自動運転車両の制御装置)
2 自車両通信装置
3 GPSアンテナ
4 道路状況検出部
5 ナビゲーション装置
6 物体検知センサ
7 車速センサ
8 Bat監視システム
11 内燃機関
13 自動変速機
15 モータ
17 ブレーキ
19 ステアリング
20 自動運転モードスイッチ
21 ステアリングホイールホールドセンサ
22 アクセルペダル操作量センサ(検出手段)
23 ドステアリングホイール操舵量センサ(検出手段)
24 ブレーキペダル操作量センサ(検出手段)
30 アクセルペダル(操作部材)
31 ブレーキペダル(操作部材)
32 ステアリングホイール(操作部材)

Claims (4)

  1. ドライバが直接操作する操作部材と、
    該操作部材の操作位置を検出する検出手段と、
    該検出手段により検出された操作位置に応じて、アクチュエータを作動させて車両の挙動を制御する制御手段を備えた自動運転車両の制御装置において、
    自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時に、切り替え時点における前記操作部材の操作位置と、前記実際のアクチュエータの作動位置との間にズレがある場合、その後のドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置から離れるように増加するときは、前記検出手段により検出された操作位置に応じて、前記実際のアクチュエータの作動位置を増加させ、ドライバによる前記操作部材の操作による操作量が原点位置に近づくように減少するときには、前記検出手段により検出された操作位置に対し前記ズレに応じた修正を行った位置になるように、前記実際のアクチュエータの作動位置を減少させるようにした、
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動運転車両の制御装置において、
    前記操作部材は、ブレーキペダルであり、前記原点位置は、ブレーキペダルが非作動位置である、
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  3. 請求項1に記載の自動運転車両の制御装置において、
    前記操作部材は、アクセルペダルであり、前記原点位置は、アクセルペダルが非作動位置である、
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
  4. 請求項1に記載の自動運転車両の制御装置において、
    前記操作部材は、ステアリングホイールであり、前記原点位置は、直進走行位置である、
    ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
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