JP2020048904A - 医療用管腔体および医療器具組立体 - Google Patents

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拓海 福田
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Abstract

【課題】患者が身体の一部を湾曲させた際に、身体を湾曲させる動作に追従して湾曲することができ、かつ、座屈やキンクすることを防止できる医療用管腔体を提供する。【解決手段】シースチューブ110は、先端121、基端123、および先端と基端との間で軸方向に延びる内腔126が形成された中間部125を備える長尺状の本体部120と、中間部の内腔を画定する壁部127の少なくとも一部に形成された軸方向に延びる切り欠き部130と、切り欠き部の少なくとも一部と軸方向において重なるように中間部の少なくとも一部に配置された補強部材150と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、医療用管腔体および医療器具組立体に関する。
従来から、患者の血管等の生体管腔へガイドワイヤやカテーテル等の医療器具を導入する手技において、内腔が形成された長尺状の医療用管腔体が使用されている。医療用管腔体を備える医療器具の一つとして、イントロデューサーが知られている(下記特許文献1を参照)。
術者は、イントロデューサーを使用する際、イントロデューサーシースのシースチューブ(医療用管腔体)にダイレーターを挿入し、シースチューブを経皮的に血管へ挿入する。術者は、シースチューブを血管に挿入した後、シースチューブの先端側の一部を生体内に留置しつつ、シースチューブからダイレーターを抜去する。術者は、シースチューブの内腔を介して、医療器具の生体管腔への導入および操作を容易に行うことができる。
特開2016−152841号
ところで、シースチューブを導入する生体器官として手や前腕が選択される場合、術者は、シースチューブの先端部が上腕部まで到達する長さのイントロデューサーを使用することがある。このとき、術者は、手技を行い易くするために、患者の肘を湾曲させて、患者の手や前腕を患者の胸部や腹部に載せることがある。しかしながら、特許文献1に記載されたイントロデューサーシースのシースチューブは、患者が肘を湾曲させる動作に追従してシースチューブの一部が円滑に湾曲するようには構成されていない。そのため、術者は、患者の肘を湾曲させて手技を行うことが難しい。
例えば、肘を湾曲させる動作に追従させてシースチューブを湾曲させるために、シースチューブの一部を、シースチューブの他の部分よりも柔軟に形成することが考えられる。しかしながら、シースチューブの一部を柔軟に形成した場合、シースチューブを血管内で移動させる際にシースチューブの柔軟に形成された部分が座屈し易くなる。また、肘を湾曲させる動作に追従させてシースチューブを湾曲させた際に、シースチューブの柔軟に形成された部分がキンクし易くなる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、患者が身体の一部を湾曲させた際に、身体を湾曲させる動作に追従して湾曲することができ、かつ、座屈やキンクすることを防止できる医療用管腔体を提供することを目的とする。
本発明に係る医療用管腔体は、先端、基端、および前記先端と前記基端との間で軸方向に延びる内腔が形成された中間部を備える長尺状の本体部と、前記中間部の前記内腔を画定する壁部の少なくとも一部に形成された前記軸方向に延びる切り欠き部と、前記切り欠き部の少なくとも一部と前記軸方向において重なるように前記中間部の前記壁部の少なくとも一部に配置された補強部材と、を備える。
本発明に係る医療用管腔体は、患者が身体の一部を湾曲させた際、切り欠き部が形成された中間部が湾曲した身体の一部に追従して湾曲する。そのため、術者は、患者の身体の一部が湾曲した状態においても、医療用管腔体を介して患者の身体の各部へ各種の医療器具を送達することができる。また、医療用管腔体の中間部には、中間部を湾曲可能にするために形成された切り欠き部による剛性の低下を補う補強部材が配置されている。そのため、医療用管腔体は、生体管腔内で移動する際に中間部が座屈したり、患者が身体の一部を湾曲させる動作に追従して中間部が湾曲する際に中間部がキンクしたりすることを防止できる。
本発明の第1実施形態に係る医療器具組立体を簡略的に示す平面図である。 第1実施形態に係る医療用管腔体の概観斜視図である。 図2に示す矢印3−3線に沿う部分断面図である。 図3に示す矢印4方向から見た医療用管腔体の軸直交断面図である。 図2に示す矢印5方向から見た医療用管腔体の一部を拡大して示す平面図である。 図5に示す矢印6−6線に沿う断面図である。 第1実施形態に係る医療器具組立体の使用例を示す図である。 第1実施形態に係る医療器具組立体の使用例を示す図である。 第1実施形態に係る医療器具組立体の使用例を示す図である。 湾曲する前の生体管腔および湾曲する前の医療用管腔体を模式的に示す断面図である。 湾曲した生体管腔および湾曲した医療用管腔体を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の変形例1に係る医療用管腔体を示す断面図である。 第1実施形態の変形例2に係る医療用管腔体を示す断面図である。 補強部材の形状例を示す断面図である。 補強部材の形状例を示す断面図である。 第2実施形態に係る医療用管腔体の一部を拡大して示す斜視図である。 図15に示す矢印16−16線に沿う医療用管腔体の軸直交断面図である。 図15に示す矢印17−17線に沿う医療用管腔体の部分断面図である。 第3実施形態に係る医療器具組立体の一部を拡大して示す平面図である。
(第1実施形態)
以下、図1〜図11を参照して、第1実施形態に係るイントロデューサー10を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1〜図6は、イントロデューサー10の各部の説明に供する図であり、図7〜図11は、イントロデューサー10の使用例の説明に供する図である。
本実施形態の説明では、シースチューブ110を備えるイントロデューサーシース100と、イントロデューサーシース100と組み合わせて使用されるダイレーター200と、を備えるイントロデューサー10を説明する。なお、シースチューブ110は、本発明の医療用管腔体に相当し、イントロデューサー10は、本発明の医療器具組立体に相当する。
<イントロデューサー>
図1に示すように、イントロデューサー10は、イントロデューサーシース100と、ダイレーター200と、を有している。
イントロデューサーシース100は、ガイドワイヤやカテーテル等の医療器具を血管(「生体管腔」に相当する)Bへ挿入するために用いられる(図7〜図9を参照)。図2、図3に示すように、イントロデューサーシース100のシースチューブ110の本体部120には、医療器具を血管B内へ挿入するためのアクセス経路としての機能を持つ内腔126が形成されている。
ダイレーター200は、イントロデューサーシース100のシースチューブ110を血管Bに挿入する際、シースチューブ110の折れを防いだり、患者の皮膚に形成された穿刺部位(穿孔)t1を押し広げたりするために用いられる。
本明細書では、イントロデューサーシース100においてハブ183が配置された側(図1の上側)を「基端側」とし、イントロデューサーシース100において基端側とは反対側に位置し、生体内に挿入される側(図2の下側)を「先端側」とする。また、イントロデューサーシース100のシースチューブ110の本体部120が延伸する方向(図1の上下方向)を「軸方向」とする。また、明細書内において説明する軸直交断面とは、シースチューブ110の本体部120の軸方向と直交する断面である。また、明細書内で説明する「周方向」は、シースチューブ110の本体部120の中心軸C周りの方向を意味する(図4を参照)。
<ダイレーター>
図1に示すように、ダイレーター200は、イントロデューサーシース100のシースチューブ110に挿通可能なダイレーター本体210と、イントロデューサーシース100のハブ183と接続可能に構成されたダイレーターハブ220と、を有している。
ダイレーター本体210の先端211は、先端側へ向けて先細るテーパー形状を有している。ダイレーター本体210は、イントロデューサーシース100のシースチューブ110の内腔126にダイレーター本体210を挿通した状態において、ダイレーター本体210の先端211がシースチューブ110の先端開口部121aから所定の長さだけ突出する長さを有する。
<イントロデューサーシース>
図1および図2に示すように、イントロデューサーシース100は、長尺状の本体部120を備えるシースチューブ110と、本体部120の基端123側に配置されたハブ183と、ハブ183よりも本体部120の先端121側に配置された耐キンクプロテクタ184と、を有している。
シースチューブ110について説明する。
図2、図3、図4に示すように、シースチューブ110は、概説すると、先端121、基端123、および先端121と基端123との間で軸方向に延びる内腔126が形成された中間部125を備える長尺状の本体部120と、中間部125の内腔126を画定する壁部127の少なくとも一部に形成された軸方向に延びる切り欠き部130と、切り欠き部130の少なくとも一部と軸方向において重なるように中間部125の壁部127の少なくとも一部に配置された補強部材150と、を有している。
図1、図2に示すように、シースチューブ110の先端面には、シースチューブ110の外部と内腔126を連通する先端開口部121aが形成されている。シースチューブ110の基端面には、ハブ183の内部と内腔126を連通する基端開口部123aが形成されている。シースチューブ110の基端123は、ハブ183の内部に配置されている。
図3に示すように、シースチューブ110の本体部120は、内層120aと、内層120aを覆う外層120bと、を有している。
内層120aおよび外層120bは、切り欠き部130が形成された部分を除き、シースチューブ110の本体部120の軸方向に沿って管状に延在している。本体部120において切り欠き部130が形成された部分以外の部分は、略円形の軸直交断面を有する。
本明細書における「本体部120の壁部127」は、シースチューブ110の管壁を形成する内層120aおよび外層120bを意味する。なお、本体部120は単層で構成することも可能である。本体部120が単層で構成される場合、壁部127はその単層(一つの層)である。なお、本体部120の壁部127は、本体部120の一部である中間部125の壁部127と同義である。
内層120aの材料は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性エラストマー(ポリアミドエラストマー)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル等を用いることができる。外層120bの材料は、特に限定されないが、上記の内層120aの材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
内層120aと外層120bの厚みの大小関係等は特に限定されない。また、内層120aの内表面や外層120bの外表面には、親水性のコーティング材を被覆してもよい。
図3、図4、図5、図6に示すように、シースチューブ110の本体部120は、シースチューブ110の軸方向に沿って巻回されつつ、中間部125の壁部127内に埋設された補強線材160を有している。
補強線材160は、図3、図4に示すように、軸直交断面の形状が長方形状を有している。補強線材160は、所定の編み込み角度で編み込まれたブレード線で構成している。ただし、補強線材160は、ブレード線に限定されない。補強線材160は、例えば、シースチューブ110の軸方向に延びつつ周方向に沿って巻き付けられるように配設されたコイルであってもよい。
補強線材160は、本体部120の先端121と基端123との間の軸方向の全範囲に亘って配置されている。そのため、図6に示すように、補強線材160は、シースチューブ110の本体部120の軸方向の全範囲に亘って切り欠き部130と重なるように配置されている。
補強線材160の材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス、タングステン、銅、ニッケル、チタン、ピアノ線、コバルト−クロム系合金、ニッケル−チタン系合金(超弾性合金)、銅−亜鉛系合金、アモルファス合金等の各種金属素線を用いることができる。
補強線材160の編組の構造は、例えば、1オーバー1アンダーの構造、2オーバー2アンダーの構造、複数本を1組として編み込んだ構造、または、これらを組み合わせた構造を採用することができる。シースチューブ110の本体部120に編み込まれる補強線材160の本数は、例えば、2本〜16本である。
シースチューブ110の本体部120の柔軟性は、補強線材160のピッチ(シースチューブ110の軸方向における隣接する補強線材160の間隔)を変更することによって調整することができる。
例えば、補強線材160のピッチは、1000μm以上(粗ピッチ、補強線材160の巻数が少数)、50μm〜200μm(超密ピッチ、補強線材160の巻数が超多数)、200μm〜1000μm(密ピッチ、補強線材160の巻数が多数)の各範囲に収まるように段階的に調整することができる。上記の例では、補強線材160のピッチが1000μm以上である場合、本体部120の柔軟性が最も大きくなり、補強線材160のピッチが50〜200μmである場合、補強線材160のピッチが200μm〜1000μmである場合の順に、本体部120の柔軟性が段階的に小さくなる。
本実施形態では、補強線材160のピッチは、シースチューブ110の本体部120の軸方向に沿って略一定である。そのため、シースチューブ110は、補強線材160のピッチの大きさによる本体部120の柔軟性の調整は特になされていない。
シースチューブ110の本体部120の柔軟性は、内層120aおよび外層120bを形成する材料の材質、各層120a、120bの厚み、補強線材160の材質、断面形状、厚み等により調整することも可能である。また、シースチューブ110への補強線材160の設置は省略することも可能である。
図2、図3に示すように、本体部120の中間部125に形成された切り欠き部130は、壁部127の一部を切り開くことで形成している。
図5、図6に示すように、切り欠き部130は、切り欠き部130の先端側の外縁を形成する先端130aと、切り欠き部130の基端側の外縁を形成する基端130bと、先端130aと基端130bの間に延びる中間部130cと、を有している。
切り欠き部130は、先端130a側から中間部130cに向けて、切り欠き部130の深さ(図6の上下方向の寸法)が徐々に大きくなるように形成されている。切り欠き部130は、基端130b側から中間部130cに向けて、切り欠き部130の深さが徐々に大きくなるように形成されている。切り欠き部130の中間部130cでは、切り欠き部130の深さが最も大きくなっている。切り欠き部130の中間部130cでは、切り欠き部130の深さがシースチューブ110の軸方向に沿って略一定となっている。
図3に示すように、本体部120の中間部125の壁部127には、切り欠き部130が形成されることにより、本体部120の外部に露出される切り欠き面135が形成されている。
前述したように、切り欠き部130の中間部130cでは、切り欠き部130の深さがシースチューブ110の軸方向に沿って略一定である。そのため、切り欠き面135は、中間部130cにおいては、シースチューブ110の軸方向と略平行に延びる平坦な面を有している。また、切り欠き部130の先端130a側から中間部130cにかけて、切り欠き部130の深さは徐々に大きくなるため、切り欠き面135は、切り欠き部130の先端130a付近では、中間部130cに向けて斜めに傾斜している。また、切り欠き部130の基端130b側から中間部130cにかけて切り欠き部130の深さは徐々に大きくなるため、切り欠き面135は、切り欠き部130の基端130b付近では、中間部130cに向けて斜めに傾斜している。
図4に示すように、本体部120の中間部125の壁部127は、切り欠き部130の中間部130cにおける軸直交断面の形状が半円をなすように形成されている。
本体部120の中間部125において切り欠き部130が形成された位置と軸方向において重なる位置(本体部120の周方向に対向する位置)に残された壁部127の一部(以下、「対向壁127a」とする)は、半円形の滑らかな内面を有している。対向壁127aは、イントロデューサーシース100を使用して各種の医療器具を血管B内に送達する際、患者の身体の湾曲させた外側(図9、図11に示す肘Eの外側)で医療器具の移動をガイドするガイド部として利用することができる。
図3、図4に示すように、シースチューブ110の中間部125において切り欠き部130が形成された部分では、シースチューブ110の周方向の一部に壁部127が存在しない。そのため、シースチューブ110の中間部125は、切り欠き部130が形成された部分およびその周辺部が、中間部125の他の部分と比較してシースチューブ110の軸方向と交差する方向へ向けて湾曲し易い。このように、中間部125において切り欠き部130が形成されることにより中間部125の他の部分よりも湾曲し易く構成された部分(切り欠き部130が形成された部分およびその周辺部)は、中間部125の湾曲容易部140を形成している。
図4には、シースチューブ110の本体部120の軸直交断面上における切り欠き部130、壁部127、および補強部材150の配置例を示している。図中の符号Aで示す直線は、軸直交断面上においてシースチューブ110の本体部120の中心軸Cから補強部材150が配置された壁部127(対向壁127a)へ延びる垂線である。また、図中の符号Dで示す直線は、軸直交断面上において垂線Aに対して直交するとともに中心軸Cを通る仮想直線である。
図4に示す軸直交断面上の周方向において、切り欠き部130が形成される角度の範囲(中心角θaで示す範囲)は特に限定されないが、例えば、90°〜180°である。また、図4に示す軸直交断面上の周方向において、対向壁127aが形成される角度の範囲(中心角θbで示す範囲)は特に限定されないが、例えば、180°〜270°である。なお、中心角θaが90°未満で形成されると、中間部125が湾曲し難くなる可能性があるため、中心角θaは90°以上であることが好ましい。また、中心角θbが180°よりも小さいと、イントロデューサーシース100を使用した手技において、対向壁127aに医療器具を沿わせて移動させることが難しくなる可能性があるため、中心角θbは180°以上であることが好ましい。
切り欠き部130の各部の断面形状(図6に示す軸方向に沿う断面の形状)、切り欠き部130の各部の幅(図5の上下方向における寸法)、切り欠き部130の各部の深さ(図6の上下方向の寸法)は特に限定されず、中間部125が所望の特性(外力が付与された際の湾曲の容易さ)を備え得るように適宜変更することが可能である。また、本体部120には、本体部120の軸方向の異なる位置に複数の切り欠き部130を設けることも可能である。一例として、イントロデューサー10が後述するdTRAに使用される場合、切り欠き部130は、シースチューブ110の本体部120の中間部125において患者の肘E付近への配置が想定される部分と、中間部125において患者の手首付近への配置が想定される部分の二箇所に設けることができる。
シースチューブ110の各部の寸法は、イントロデューサーシース100がdTRAの手技に使用される医療器具として構成される場合、例えば、以下のように形成することができる。
シースチューブ110の全長(本体部120の先端121から基端123までの長さ)は、例えば、50mm〜900mmに形成することができる。
シースチューブ110において切り欠き部130を形成する軸方向の位置は、耐キンクプロテクタ184の先端を計測の基点にして、例えば、0mm〜400mmの範囲に形成することができる。イントロデューサー10を使用した手技において患者の手首に切り欠き部130を配置することを想定した場合、切り欠き部130を形成する軸方向の位置は、耐キンクプロテクタ184の先端を計測の基点にして、例えば、0mm〜50mmの範囲である。また、イントロデューサー10を使用した手技において患者の肘Eに切り欠き部130を配置することを想定した場合、切り欠き部130を形成する軸方向の位置は、耐キンクプロテクタ184の先端を計測の基点にして、例えば、250mm〜400mmの範囲である。
切り欠き部130の軸方向の長さ(切り欠き部130の先端130aから切り欠き部130の基端130bまでの長さ)は、例えば、20mm〜200mmに形成することができる。
図1、図2に示すように、シースチューブ110の本体部120において耐キンクプロテクタ184よりも先端側に位置する部分には、本体部120を患者の血管B内に挿入した際の挿入深さを示す深度マーカー171を設けている。
深度マーカー171は、シースチューブ110の軸方向に所定の間隔を空けて配置された複数の線で形成している。深度マーカー171は、例えば、シースチューブ110の外周面に沿ってシースチューブ110と異なる色のインク等を付すことで形成することができる。なお、深度マーカー171を形成する位置、色、深度マーカー171の形状等は特に限定されない。
次に、補強部材150について説明する。
図4、図5、図6に示すように、補強部材150は、第1補強部材151と第2補強部材152を有している。本実施形態では、第1補強部材151と第2補強部材152は、実質的に同一の構成を有する。そのため、第1補強部材151と第2補強部材152の説明において個別の説明を省略できる点については、各補強部材151、152の総称として補強部材150の記載により説明を行う。
補強部材150は、中間部125において切り欠き部130が形成された部分の剛性の低下を補うために設けている。
補強部材150は、図5、図6に示すように、シースチューブ110の軸方向において切り欠き部130と少なくとも一部が重なるように配置している。
第1補強部材151は、先端151a、基端151b、および先端151aと基端151bとの間に延びる中間部151cを有している。第2補強部材152は、先端152a、基端152b、および先端152aと基端152bとの間に延びる中間部152cを有している。
本実施形態では、各補強部材151、152は、その全体が中間部125の壁部127に埋設されている。具体的には、図5に示すように、第1補強部材151は、第1補強部材151の延在方向が切り欠き面135と略平行になるように配置されており、先端151a、基端151b、中間部151cを含む全ての部分が壁部127に埋設されている。同様に、第2補強部材152は、第2補強部材152の延在方向が切り欠き面135と略平行になるように配置されており、先端152a、基端152b、中間部152cを含む全ての部分が壁部127に埋設されている。
図5、図6に示すように、第1補強部材151の先端151aは、切り欠き部130の先端130aよりもシースチューブ110の軸方向の先端側に配置している。第1補強部材151の基端151bは、切り欠き部130の基端130bよりもシースチューブ110の軸方向の基端側に配置している。また、第2補強部材152の先端152aは、切り欠き部130の先端130aよりもシースチューブ110の軸方向の先端側に配置している。第2補強部材152の基端152bは、切り欠き部130の基端130bよりもシースチューブ110の軸方向の基端側に配置している。
シースチューブ110は、上記のように各補強部材151、152が配置されることにより、シースチューブ110の軸方向において、切り欠き部130の各端部130a、130bよりも各補強部材151、152が軸方向の先端側および基端側まで延在するように配置される。そのため、シースチューブ110は、本体部120の中間部125における湾曲容易部140の剛性が各補強部材151、152によって効果的に高められている。シースチューブ110は、第1補強部材151の両端151a、151b周辺および第2補強部材152の両端152a、152b周辺で剛性が急激に変化する。そのため、シースチューブ110は、本体部120の中間部125が湾曲する際、第1補強部材151の両端151a、151b周辺および第2補強部材152の両端152a、152b周辺に応力が集中し易い。例えば、シースチューブ110は、切り欠き部130の先端130aと中間部130cとの間に延びるカーブ部分(切り欠き部130の深さが変化する領域)および切り欠き部130の基端130bと中間部130cとの間に延びるカーブ部分(切り欠き部130の深さが変化する領域)に第1補強部材151の両端151a、151bまたは第2補強部材152の両端152a、152bが配置されると、本体部120が湾曲する際、上記の各カーブ部分で破断が生じ易くなる。本実施形態では、シースチューブ110の軸方向において、切り欠き部130の先端130aよりも各補強部材151、152の各先端151a、152aを先端側に配置し、切り欠き部130の基端130bよりも各補強部材151、152の各基端151b、152bを基端側に配置しているため、切り欠き部130周辺でシースチューブ110が破断することを防止できる。
第1補強部材151は、図3および図6に示すように、軸方向に沿う断面において、先端151aおよび基端151bの肉厚(図6の上下方向の厚み)が最も大きく、両端151a、151bから中間部151cに向けて肉厚が漸減する形状を有している。同様に、第2補強部材152は、軸方向に沿う断面において、先端152aおよび基端152bの肉厚が最も大きく、両端152a、152bから中間部152cに向けて肉厚が漸減する形状を有している。
シースチューブ110は、各補強部材151、152が上記のような形状を有するため、シースチューブ110の軸方向において、各補強部材151、152の中間部151c、152cと重なる湾曲容易部140の剛性が過度に大きくなることを防止できる。
なお、各補強部材151、152は、切り欠き部130の中間部130cと軸方向において重なる部分では一定の肉厚を有し、切り欠き部130のカーブ部分が開始する位置から徐々に肉厚が大きくなり、切り欠き部130のカーブ部分よりも軸方向の先端側および基端側に配置される部分では、切り欠き部130の中間部130cと軸方向において重なる部分よりも大きく、かつ、一定の肉厚を有することが好ましい。シースチューブ110は、本体部120が湾曲する際、切り欠き部130の中間部130cと各カーブ部分との間の境界付近に応力が集中し易い。そのため、上記の境界付近では、シースチューブ110が破断し易くなる。したがって、各補強部材151、152において、切り欠き部130のカーブ部分と軸方向に重なる部分の肉厚を大きくすることにより、カーブ部分でシースチューブ110が破断することを防止できる。また、各補強部材151、152において、切り欠き部130の中間部130cと軸方向において重なる部分の肉厚を一定にすることにより、切り欠き部130の中間部130c付近を基点にしてシースチューブ110を湾曲させる際、シースチューブ110を円滑に湾曲させることが可能になる。
また、シースチューブ110は、切り欠き部130の中間部130cと各カーブ部分との間の境界付近でシースチューブ110が破断することを防止するために、各補強部材151、152の肉厚の大小関係を軸方向の各部において調整することにより、シースチューブ110において切り欠き部130が形成された部分の剛性が軸方向に沿って略一定となるように形成することがより好ましい。
第1補強部材151の先端151aおよび基端151bと、第2補強部材152の先端152aおよび基端152bは、例えば、イントロデューサー10を使用した手技において、術者がX線透視画像上で切り欠き部130が形成された方向を確認するための指標として用いることができる。
具体的には、図11に示すように、血管B内で中間部125を湾曲させる際、術者は、第1補強部材151の先端151aの突出方向(図11の下側)および第1補強部材151の基端151bの突出方向(図11の下側)をX線透視画像上において確認することにより、切り欠き部130が、図11の下側を向いていることを確認することができる。術者は、同様に、第2補強部材152の先端152aおよび基端152bの突出方向を確認することにより、切り欠き部130が図11の上下方向のいずれの方向を向いているかを確認することができる。
また、術者は、X線透視画像上で第1補強部材151と第2補強部材152の重なり具合を確認することにより、シースチューブ110の回転状態を確認することができる。例えば、術者は、図11に示す断面と対応するX線透視画像上で、第1補強部材151と第2補強部材152が重なっていることを確認した場合、図11の真下側に切り欠き部130が配置されていることを確認できる。また、仮に、X線透視画像上で第1補強部材151と第2補強部材152が重なっていない場合、切り欠き部130は、図11の真下側からシースチューブ110の周方向にずれていることを確認できる。
上記のように各補強部材151、152をX線透視画像上において切り欠き部130の位置を確認するための指標として用いる場合、各補強部材151、152は造影性を備えるように構成することができる。
図3、図4に示すように、各補強部材151、152の中間部151c、152cの軸直交断面の形状は、例えば、長方形に形成することができる。第1補強部材151の両端151a、151bから中間部151cに遷移する部分、および、第2補強部材152の両端152a、152bから中間部152cに遷移する部分は、各補強部材151、第2補強部材152の厚みが軸方向に沿って変化しているため、軸直交断面の形状が長方形には形成されていない。
補強部材150の軸直交断面の形状は、正方形、菱形、円形、楕円形、その他の形状であってもよい。また、補強部材150の軸直交断面の形状は、軸方向に沿って一定であってもよいし、軸方向の各部において異なっていてもよい。
湾曲容易部140を基点にした中間部125の湾曲のし易さは、補強部材150の断面形状、配置方向、材質等によって調整することが可能である。一例として、補強部材150の軸直交断面の形状が長方形である場合、中間部125の湾曲方向(図4の上方向)に沿って補強部材150の軸直交断面上の長辺を配置することにより、補強部材150の軸直交断面上の短辺を中間部125の湾曲方向に沿って配置する場合と比較して、中間部125が湾曲し難くなる。このように同一の断面形状を有する補強部材150を使用する場合であっても、中間部125を湾曲させる方向を考慮して、補強部材150の配置方向等を変更することにより、中間部125の湾曲のし易さを調整することができる。
補強部材150は、切り欠き部130と軸方向において少なくとも一部が重なるように配置されていればよく、切り欠き部130と軸方向の全範囲で重なっていなくてもよい。また、本実施形態では、補強部材150は、補強部材150全体が壁部127に埋設されているが、補強部材150は一部が壁部127に埋設され、一部が壁部127から露出されていてもよいし、補強部材150全体が壁部127から露出していてもよい。
なお、補強部材150の一部を壁部127から露出して配置する場合、補強部材150の軸方向の両端(第1補強部材151の両端151a、151bおよび第2補強部材152の両端152a、152b)は少なくとも壁部127に埋設することが好ましい。補強部材150は、補強部材150の軸方向の両端が壁部127に埋設されることにより、補強部材150の軸方向の両端が壁部127に埋設されていない場合と比較して、本体部120に対する補強部材150の固定力が高くなり、補強部材150の本体部120からの分離や脱落を好適に防止できる。
また、シースチューブ110に複数の補強部材150が配置される場合、補強部材150ごとに、断面形状、軸方向の長さ、材質等は異なっていてもよいし、同一でもよい。
次に、図4に示す軸直交断面上における補強部材150の好適な配置例を説明する。
シースチューブ110は、補強部材150が第1補強部材151および第2補強部材152の二つの補強部材を備える場合、例えば、第1補強部材151を配置する範囲の角度θ1が0°≦θ1≦θb/2であることが好ましく、第2補強部材152を配置する範囲の角度θ2が0°≦θ1≦θb/2であることが好ましい。上記のθbは、軸直交断面上において、対向壁127aの範囲を示す中心角である。また、第1補強部材151を配置する範囲の角度θ1は、軸直交断面上において、中心軸Cと第1補強部材151とを結ぶ直線a1と仮想直線Dとの間の角度である。第2補強部材152を配置する範囲の角度θ2は、軸直交断面上において、中心軸Cと第2補強部材152とを結ぶ直線a2と仮想直線Dとの間の角度である。
第1補強部材151および第2補強部材152を上記の範囲の角度に配置することにより、軸直交断面上において本体部120を周方向に二分割したうちの一方の範囲および他方の範囲(図4の垂線Aを境界にした左右各々の範囲)に各補強部材151、152が配置される。そのため、本体部120の中間部125における湾曲容易部140の剛性が、各補強部材151、152により周方向の一部で局所的に高められることを防止できる。
シースチューブ110は、補強部材150が第1補強部材151および第2補強部材152の二つの補強部材を備える場合、θ1が0°≦θ1≦45°およびθ2が0°≦θ2≦45°の範囲に設定されることがより好ましい。このような範囲に各角度θ1、θ2を設定することが好ましい理由を以下に説明する。
本体部120の中間部125が湾曲する際、中間部125は、図11に示すように、対向壁127aが外側に向けて凸状に湾曲する。中間部125が湾曲する際、図4に示す軸直交断面上において、対向壁127aの周方向の中心部分の変形量は、対向壁127aの他の部分の変形量よりも大きくなる。そのため、例えば、対向壁127aの周方向の中心部分に補強部材150を配置すると、中間部125が湾曲した際、補強部材150に大きな応力が掛かり、補強部材150が破断する可能性がある。また、対向壁127aの周方向の中心部分に補強部材150を配置すると、補強部材150が中間部125の湾曲を阻止する抵抗となって中間部125の円滑な湾曲が阻害される可能性がある。なお、対向壁127aの周方向の中心部分とは、図4に示す軸直交図面上において、中心軸Cから延ばした垂線Aが対向壁127aと交わる点およびその周辺部である。
中間部125が湾曲した際に生じる応力は、対向壁127aの周方向の中心部分から周方向に離間する程、小さくなる。つまり、中間部125が湾曲した際に生じる応力は、壁部127の周方向において、対向壁127aの端部を形成する切り欠き面135に近くなるほど小さくなる。したがって、第1補強部材151を配置する範囲の角度θ1および第2補強部材152を配置する範囲の角度θ2がそれぞれ0°≦θ1≦45°および0°≦θ2≦45°となるように設定することにより、中間部125が湾曲した際に各補強部材151、152が破損することを防止しつつ、各補強部材151、152により中間部125の円滑な湾曲が妨げられることを防止することができる。
また、シースチューブ110が第1補強部材151および第2補強部材152の二つの補強部材150を備える場合、各補強部材151、152は、図4に示すように、本体部120の軸直交断面上において垂線Aに対して線対称の位置に配置されることが好ましい。すなわち、各補強部材151、152は、第1補強部材151を配置する範囲の角度θ1と第2補強部材151を配置する範囲の角度θ2が略同一となる位置に配置されることが好ましい。このように各補強部材151、152を本体部120の軸直交断面上において垂線Aに対して線対称の位置に配置することにより、本体部120の中間部125における湾曲容易部140の剛性は、補強部材151、152によって周方向で均等に高められる。そのため、シースチューブ110の中間部125は、周方向において均等に湾曲することができる。その結果、シースチューブ110の中間部125は、湾曲した際に湾曲容易部140でキンクや座屈が生じることが防止される。
本実施形態においては、第1補強部材151と第2補強部材152の二つの補強部材を中間部125に配置しているが、補強部材150の個数は、一つ以上であれば特に限定されない。補強部材150が一つだけ配置される場合、補強部材150は、軸直交断面上において、中心軸Cと補強部材150とを結ぶ直線と仮想直線Dとの間の角度(θ1またはθ2)が0°〜45°の範囲に配置されることが好ましい。ただし、中間部125における切り欠き部130およびその周辺部の剛性を効果的に高める観点より、一つのシースチューブ110には偶数個の補強部材150を配置することが好ましい。また、偶数個の補強部材150を配置する場合、二本の補強部材を一組として、各組ごとに垂線Aに対して線対称の位置に配置することが好ましい。
補強部材150(第1補強部材151および第2補強部材152)は、例えば、軸方向の長さを20mm〜220mmに形成することができる。また、補強部材150は、例えば、軸直交断面の形状が長方形である場合、長辺を0.08mmに形成することができ、短辺を0.05mmに形成することができる。
また、本実施形態のように、第1補強部材151の両端151a、151bと中間部151cとで厚みが異なる場合、両端151a、151bの厚みは、例えば、0.05mm〜0.1mmに形成することができ、中間部151cの厚みは、例えば、0.01mm〜0.05mmに形成することができる。第2補強部材152についても、上記と同様の寸法例を採用することができる。
補強部材150を形成する材料は、切り欠き部130が形成された中間部125の強度を補強することが可能であれば特に限定されない。ただし、補強部材150は、造影性、所定の破断強度、外力が付加されていない自然状態においてシースチューブ110の中間部125を直線状に維持することができる超弾性を備えることが好ましい。そのような観点より、例えば、補強部材150の材料は、超弾性金属を用いることができる。
超弾性金属としては、例えば、超弾性合金を好適に用いることができる。ここでいう超弾性合金とは一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性を示すものである。好ましくは、49〜54原子%NiのTi−Ni合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性合金が使用される。特に好ましくは、上記のTi−Ni合金である。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0重量%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,B、Au,Pdなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0原子%で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
補強部材150を超弾性金属で形成する場合、補強部材150に対して外力が付加されていない自然状態において、図2〜図5に示すように、補強部材150がシースチューブ110の中間部125の軸方向に沿って略直線状に延在するように、補強部材150に予め形状を付しておくことができる。
補強部材150は、超弾性金属以外の材料で形成することも可能である。超弾性金属以外の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアミド等の樹脂材料、絹糸、木綿糸、セルロースファイバーなどの繊維材料、ステンレス鋼、銅などの金属材料を用いることができる。
<ハブ>
図1、図2に示すハブ183の基端には、ハブ183の基端側からハブ183内へダイレーターや各種の医療器具を挿通可能な弁体(図示省略)を配置している。ハブ183の内部には、シースチューブ110の本体部120の基端開口部123aを介してシースチューブ110の内腔126と連通する内腔(図示省略)が形成されている。ハブ183には、ハブ183の内腔と連通するサイドポートが設けられている。サイドポートは、所定のチューブを介して三方活栓185と接続されている。三方活栓185は、ハブ183の内腔を介してシースチューブ110の本体部120の内腔126へ生理食塩水等の液体を供給するために使用される。
ハブ183には、中間部125の切り欠き部130が形成された方向を術者が確認するための指示マーカー173が設けられている。
指示マーカー173は、ハブ183の外周面の一部に沿って線状に延びている。指示マーカー173は、図2に示すように、ハブ183の中心軸を基準にして、ハブ183の周方向に非対称に形成されている。指示マーカー173は、ハブ183の周方向において、シースチューブ110の切り欠き部130と重なる位置に設けられている。
例えば、図9に示すように、イントロデューサーシース100を血管B内に挿入して、シースチューブ110の中間部125を患者の肘E付近(肘Eの関節付近)で湾曲させる場合、中間部125に形成された切り欠き部130は、壁部127の切り欠き部130に対向する部分が肘Eの外側で医療器具の移動をガイド可能とするために、肘Eの内側(図11の下側)に配置される。したがって、術者は、中間部125を湾曲させる前に、肘Eの内側(図10の下側)と切り欠き部130の切り欠き面135が形成された側(図10の下側)とが一致するように、シースチューブ110を回転させて、シースチューブ110の中間部125の周方向の向きを適宜変更させる。
術者は、切り欠き部130の回転方向の位置を確認する際、ハブ183に形成された指示マーカー173を目視する。前述したように指示マーカー173は、ハブ183の周方向において切り欠き部130と重なる位置に配置されている。そのため、術者は、図9に示すように、指示マーカー173が肘Eの内側に配置されていることを患者の身体の外部において視認することにより、切り欠き部130が肘Eの内側に配置されていることを確認できる。また、例えば、図9に示す使用状態において、指示マーカー173が肘Eの内側に配置されていない場合、術者は、切り欠き部130が肘Eの内側に配置されていないことを確認できる。
なお、指示マーカー173を形成する具体的な位置、色、指示マーカー173の形状等は特に限定されない。
<耐キンクプロテクタ>
耐キンクプロテクタ184は、シースチューブ110の中間部125においてハブ183から露出した軸方向の一定の範囲を覆うように配置している。耐キンクプロテクタ184は、ハブ183の先端付近でシースチューブ110の中間部125がキンクや座屈することを防止する。
本実施形態に係るシースチューブ110は、例えば、次のような手順で製造することができる。
まず、シースチューブ110を製造する作業者は、芯金を準備し、芯金に内層120aを形成する所定の樹脂材料を被覆する。次に、作業者は、内層120aの外周面上に補強線材160を巻回する。次に、作業者は、内層120aの周方向において切り欠き部130が形成される予定の部分に巻き付けられた補強線材160を選択的に除去する。補強線材160は、例えば、レーザーや化学処理等の公知の方法で除去することができる。次に、作業者は、内層120aの周方向の所定の位置に第1補強部材151および第2補強部材152を固定する。第1補強部材151および第2補強部材152の内層120aへの固定は、接着剤により行うことができる。次に、作業者は、内層120aの外周面を覆うように、外層120bを形成する所定の樹脂材料を被覆する。次に、作業者は、内層120aの周方向の一部および外層120bの周方向の一部(壁部127)を切断および除去し、切り欠き部130を形成する。以上の工程を行うことにより、作業者は、中間部125に切り欠き部130が形成されたシースチューブ110を製造することができる。
次に、図7〜図11を参照して、イントロデューサー10の使用例を説明する。
以下の説明では、患者の前腕部Afよりも手指側に位置する手Hを走行する手掌動脈(深掌動脈)の橈骨動脈側(例えば、スナッフボックス周辺の動脈又はスナッフボックスよりも指先側を走行する遠位橈骨動脈)に対する手技(dTRA:distal transradial approach)でイントロデューサー10を使用する例を説明する。
図7、図8に示すように、術者は、患者の手Hの甲Hbに形成した穿刺部位t1を介して、イントロデューサーシース100およびダイレーター200が組み付けられたイントロデューサー10を患者の血管Bに挿入する。なお、図面上において、手Hを走行する手掌動脈と、手掌動脈と手Hよりも前腕部Af側で繋がる橈骨動脈等には、説明の都合上、同一の符号Bを付している。
術者は、イントロデューサーシース100を血管Bに沿って移動させることにより、シースチューブ110の先端121を患者の生体器官の所望の位置まで送達する。図9に示すように、術者は、手技を行い易くするために、手術中に、患者の肘Eを曲げて、患者の手H、前腕部Af、上腕部Auを患者の胸部や腹部に載せることがある。術者は、患者の肘Eを曲げる際、肘E付近に切り欠き部130を配置する。
術者は、深度マーカー171や、X線透視画像上で補強部材150の位置を確認することにより、切り欠き部130が肘E付近に配置されていることを確認することができる。
また、術者は、図10、図11に示すように、患者の肘Eを曲げる際、肘Eの内側(図10、図11の下側)に切り欠き部130が配置され、肘Eの外側(図10、図11の上側)に対向壁127aが配置されるように、シースチューブ110を周方向に回転させる。この際、術者は、ハブ183に設けられた指示マーカー173の位置や、X線透視画像上で補強部材150の端部(第1補強部材151の両端151a、151b、第2補強部材152の両端152a、152b)の突出方向や重なり具合を確認することにより、切り欠き部130が形成された方向を確認することができる。
次に、術者は、図10に示すように、シースチューブ110の本体部120の内腔126からダイレーター200のダイレーター本体210を抜去する。術者は、上記のようにダイレーター200を抜去した後、図9、図11に示すように、患者の肘Eを曲げる。シースチューブ110の本体部120の中間部125は、湾曲容易部140が基点となり、肘Eを湾曲させる動作に追従して湾曲する。術者は、湾曲した患者の肘Eを走行する血管Bに沿って中間部125を湾曲させることにより、患者の肘Eを湾曲させた状態に維持しつつ、中間部125の内腔126を介して肘Eよりも患者の中枢側へ各種の医療器具を送達することができる。
なお、シースチューブ110の中間部125の湾曲容易部140以外の部分は、補強線材160により剛性が高められているため、手術の間、血管Bに沿って略直線状に延在した状態を維持する。
以上、本実施形態に係るシースチューブ(医療用管腔体)110は、先端121、基端123、および先端121と基端123との間で軸方向に延びる内腔126が形成された中間部125を備える長尺状の本体部120と、中間部125の内腔126を画定する壁部127の少なくとも一部に形成された軸方向に延びる切り欠き部130と、切り欠き部130の少なくとも一部と軸方向において重なるように中間部125の壁部127の少なくとも一部に配置された補強部材150と、を備えている。
上記のように構成されたシースチューブ110は、患者が肘Eを湾曲させた際、中間部125が湾曲した肘Eに追従して湾曲する。そのため、術者は、患者の肘Eが湾曲した状態においても、シースチューブ110を介して患者の身体の各部へ各種の医療器具を送達することができる。また、シースチューブ110の中間部125には、中間部125を湾曲可能にするために形成された切り欠き部130による剛性の低下を補う補強部材150が配置されている。そのため、シースチューブ110は、血管B内で移動する際に中間部125が座屈したり、患者が肘Eを湾曲させる動作に追従して中間部125が湾曲する際に中間部125がキンクしたりすることを防止できる。
また、補強部材150は、本体部120の軸直交断面上において、本体部120の中心軸Cから補強部材150が配置された壁部127へ延びる垂線Aに対して線対称の位置に少なくとも二つ配置されている。そのため、本体部120の中間部125における湾曲容易部140の剛性は、補強部材150により周方向で均等に高められる。それにより、シースチューブ110の中間部125は、周方向において均等に湾曲することができる。その結果、シースチューブ110の中間部125は、湾曲時に切り欠き部130付近でキンクや座屈が生じることが防止される。
また、各補強部材151、152は、本体部120の軸直交断面上において、補強部材150が配置された壁部127へ延びる垂線Aに直交するとともに本体部120の中心軸Cを通る仮想直線Dと、本体部120の中心軸Cから補強部材150へ延びる各直線a1、a2との間の各角度θ1、θ2が45°以下である。そのため、シースチューブ110は、中間部125が湾曲した際、各補強部材151、152が破損することを防止でき、かつ、各補強部材151、152により中間部125の円滑な湾曲が妨げられることを防止できる。
また、補強部材150の少なくとも一部は、中間部125の壁部127に埋設されている。そのため、補強部材150は、本体部120に対する固定力が高くなり、本体部120からの分離や脱落を好適に防止できる。
また、補強部材150は、補強部材150全体が中間部125の壁部127に埋設されている。そのため、補強部材150は、本体部120に対してより確実に固定され、本体部120からの分離や脱落をより確実に防止できる。
また、補強部材150の先端(第1補強部材151の先端151aおよび第2補強部材152の先端152a)は、切り欠き部130の先端130aよりも軸方向の先端側に配置されており、補強部材150の基端(第1補強部材151の基端151bおよび第2補強部材152の基端152b)は、切り欠き部130の基端130bよりも軸方向の基端側に配置されている。シースチューブ110は、切り欠き部130の軸方向の全範囲に亘って補強部材150が軸方向に沿って重なるように配置されているため、中間部125が座屈やキンクすることをより効果的に防止することができる。
<変形例>
次に、図12A、図12Bを参照して、イントロデューサーシースの本体部の変形例を説明する。前述した第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。
図12Aは、変形例1に係るイントロデューサーシースの本体部120Aの軸方向に沿う断面の一部を拡大して示す図である。
図12Aに示すように、変形例1に係る本体部120Aは、前述した実施形態に係る本体部120と同様に、本体部120Aの軸方向に沿って巻回されつつ中間部125の壁部127内に埋設された補強線材160を有している。ただし、補強線材160は、本体部120Aにおいて切り欠き部130と軸方向に重なる部分128には配置していない。
本体部120Aは、切り欠き部130と軸方向において重なる部分に補強線材160が配置されていないため、切り欠き部130およびその周辺部の柔軟性が高められる。そのため、本体部120Aは、湾曲させた患者の肘Eを走行する血管Bに対する追従性がより一層高められる。
また、本体部120Aには、前述した実施形態に係る本体部120と同様に、切り欠き部130と軸方向において重なる位置に補強部材150が配置されている。そのため、本体部120Aは、補強線材160が配置されていない部分においても、キンクや座屈が発生することを好適に防止できる。
切り欠き部130およびその周辺部の柔軟性を高める方法として、例えば、図12Bに示す変形例2に係る本体部120Bのように、切り欠き部130と本体部120Bの軸方向において重なる部分128に配置された補強線材160のピッチを、軸方向において隣接する本体部120Bの他の部分に配置された補強線材160のピッチよりも大きくした構成を採用することが可能である。このような構成を採用する場合、本体部120Bにおいて切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも先端側の部分と、本体部120Bにおいて切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも基端側の部分は、補強線材160のピッチを同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
変形例2に係る本体部120Bは、本体部120Bにおいて切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも先端側の部分が、本体部120Bにおいて切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも基端側の部分よりも柔軟に形成されるように、上記先端側の部分における補強線材160のピッチが小さく形成されている。具体的には、本体部120Bは、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも先端側の部分における補強線材160のピッチが超密ピッチであり、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128における補強線材160のピッチが粗ピッチであり、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも基端側の部分における補強線材160のピッチが密ピッチである。そのため、本体部120Bの剛性は、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも先端側の部分、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも基端側の部分の順に、大きくなる。本体部120Bは、上記のように軸方向における各部の剛性の大小関係が調整されることにより、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128およびその先端側の部分の柔軟性を高めることができ、かつ、切り欠き部130と軸方向に重なる部分128よりも基端側の部分のプッシャビリティを高めることができる。
なお、本体部120A、120Bの剛性が切り欠き部130およびその周辺部における軸方向の短い範囲で極端に増減すると、本体部120A、120Bの物性変化が急峻になるため、イントロデューサーシースに座屈やキンクが発生し易くなる。そのため、上述したように本体部120Aの一部に補強線材160を配置しない形態や、本体部120Bの一部の補強線材160のピッチを増減させる形態を採用する場合、切り欠き部130の先端130a付近および基端130b付近において、補強線材160のピッチを本体部120A、120Bの軸方向に沿って緩やかに増減させるように調整することが好ましい。
ただし、切り欠き部130の中間部130cで剛性が変化していると、切り欠き部130を基点にして本体部120Bが湾曲した際、中間部130cが所定の曲率を有する弧を描くように円滑に変形しないことが考えられる。その結果、本体部120Bを湾曲させづらい、本体部120Bを湾曲させた際に血管Bに負荷が掛かるといった課題が生じる。したがって、切り欠き部130の先端130a付近および基端130b付近において補強線材160のピッチを本体部120の軸方向に沿って緩やかに増減させるように調整する場合においても、切り欠き部130の中間部130cでは剛性が略一定となるように、補強線材160のピッチを一定にすることが好ましい。
<補強部材の形状例>
次に、補強部材の形状例について説明する。なお、以下では、第1補強部材151を例に挙げて説明し、第2補強部材152についての説明は省略する。ただし、第2補強部材152についても第1補強部材151と同様の形状例を採用することが可能である。
図13に示すように、補強部材150A(第1補強部材151)は、例えば、軸方向に沿って一定の厚みを備える断面形状を有していてもよい。図13に示す補強部材150Aは、軸直交断面の断面形状は軸方向に沿って一定であり、長方形である。ただし、補強部材150Aの軸直交断面の断面形状は、円形や楕円形、その他の形状等であってもよい。
図14に示すように、補強部材150Bは、例えば、両端151a、151bが本体部120の軸方向に対して直交する方向に直線状に立ち上がる形状を有していてもよい。補強部材150Bの中間部151cは、両端151a、151bよりも厚みが小さく、かつ、軸方向に沿って一定の厚みで延在している。
補強部材150B(第1補強部材151)は、前述した第1実施形態で説明した補強部材150と同様に、X線透視画像上において両端151a、151bが切り欠き部130の配置方向を指標する機能を持つ。また、補強部材150Bは、中間部151cの厚みが両端151a、151bよりも小さいため、中間部151cと軸方向において重なる切り欠き部130の剛性が補強部材150Bにより過度に大きくなることを防止できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の各実施形態の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、各実施形態の説明で特に説明がない内容については、第1実施形態と同一のものとすることができる。
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態に係るイントロデューサーシースが備えるシースチューブの本体部320の一部を拡大して示す斜視図であり、図16は、図15に示す矢印16−16線に沿う軸直交断面図であり、図17は、図15に示す矢印17−17線に沿うシースチューブの本体部320の断面図である。
図15〜図17に示すように、補強部材350は、第1補強部材351と、第2補強部材352を有している。各補強部材351、352は、中間部125の壁部127において切り欠き部130により本体部120の外部に露出された切り欠き面135に配置されている。補強部材350は、その全体が中間部125の壁部127から露出している。
第1補強部材351は、先端351aと、基端351bと、先端351aと基端351bとの間に延びる中間部351cと、を備える板状の部材で構成している。同様に、第2補強部材352は、先端352aと、基端352bと、先端352aと基端352bとの間に延びる中間部352cと、を備える板状の部材で構成している。
図16に示すように、第1補強部材351と第2補強部材352は、垂線Aに対して線対称の位置に配置している。第1補強部材351を配置する範囲の角度θ1(図示省略)は略0°であり、第2補強部材352を配置する範囲の角度θ2(図示省略)も略0°である。第1補強部材351と第2補強部材352の間の周方向の角度差は約180°である。
なお、補強部材350の断面形状、軸方向の長さ、厚み、設置数等は特に限定されない。
第2実施形態に係るシースチューブの本体部320は、例えば、次のような手順で製造することができる。
まず、作業者は、内層120a、外層120b、補強線材160を備える中空状の本体部120を準備する。作業者は、一部の内層120a、一部の外層120b、一部の補強線材160を切断および除去することにより、本体部320に切り欠き部130を形成する。作業者は、切り欠き部130の形成に伴って壁部127に形成された切り欠き面135に補強部材350を配置し、接着材による接着や融着で補強部材350を切り欠き面135に対して固定する。
なお、上記とは別の製造方法として、例えば、次のような方法を採用することも可能である。作業者は、軸方向に対向させた際に切り欠き部130を形成する溝部が軸方向の一端部に予め形成された二つの管状部材を準備する。作業者は、二つの管状部材の溝部が形成された一端部を互いに対向させ、それぞれの溝部により切り欠き部130が形成された状態で、管状部材同士を接続する。作業者は、切り欠き面135に補強部材350を配置し、接着材による接着や融着で補強部材350を切り欠き面135に対して固定する。
第2実施形態に係るシースチューブの本体部320は、第1実施形態に係る本体部120と同様に、患者が肘Eを湾曲させた際、湾曲容易部140を基点にして、中間部125が湾曲する。そのため、術者は、患者の肘Eが曲げられた状態においても、本体部320を介して患者の身体の各部へ各種の医療器具を送達することが可能になる。また、中間部125に補強部材350が配置されているため、イントロデューサーを使用した手技の最中に、中間部125が座屈したり、キンクしたりすることを防止できる。
また、第2実施形態に係る本体部320は、補強部材350が切り欠き面135に配置されており、補強部材350全体が中間部125の壁部127から露出している。そのため、補強部材350は、内層120a、外層120b、および補強線材160を備える本体部320の主要な部分が形成された後に、切り欠き面135に後付けすることができる。そのため、本体部320の製造作業が簡便なものとなる。
<第3実施形態>
図18は、第3実施形態に係るイントロデューサー10Aの一部を拡大して示す平面図である。
第3実施形態に係るイントロデューサー10Aは、シースチューブ110と、シースチューブ110の内腔126に挿通可能なダイレーター本体210を備えるダイレーター200と、を備えている。
シースチューブ110の内腔126の径(内径)は、先端121側に向かって漸減している。そのため、ダイレーター本体210を内腔126に挿入すると、ダイレーター本体210の外周面がシースチューブ110の本体部120の内周面と密着するように、または本体部120の内周面との間に多少の隙間(例えば、100μm以下の隙間)を形成するように配置される。したがって、イントロデューサー10Aを血管B内で移動させる際、シースチューブ110の中間部125において切り欠き部130が形成された部分およびその周辺部は、ダイレーター本体210により本体部120の内側から支持される。そのため、シースチューブ110は、本体部120の中間部125が座屈することをより一層効果的に防止することができる。なお、ダイレーター本体210の中心軸(シースチューブ110の中心軸)を含む軸方向の断面でみたとき、シースチューブ110の内腔126の径が漸減する部分におけるダイレーター本体210の外周面の傾斜角度は、ダイレーター本体210の中心軸に対して例えば、0.05°〜1°とすることができる。
シースチューブ110の本体部120の内腔126の最小径および最大径は、ダイレーター本体210をシースチューブ110の本体部120の内腔126に挿入することができ、かつ、ダイレーター本体210をシースチューブ110の本体部120の内腔126に挿入した際、ダイレーター本体210の外周面が本体部120の内周面と密着するように、または本体部120の内周面との間に多少の隙間を形成するように配置される限り、特に限定されない。また、シースチューブ110の本体部120の内腔126の径が漸減を開始する軸方向の位置も特に限定されない。
第3実施形態では、第1実施形態で説明したシースチューブ110において内腔126が先端側に向けて漸減する構造を採用したものを説明したが、第2実施形態に係るシースチューブの本体部320でも上記と同様の内腔126の構造を採用することができる。
以上、実施形態を通じて本発明に係る医療用管腔体および医療器具組立体を説明したが、本発明は明細書内で説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
医療用管腔体は、イントロデューサーシース以外の各種のデバイス(例えば、カテーテルデバイス等)にも適用することができる。また、医療用管腔体を使用して行われる手技の具体的な内容は特に限定されない。
また、医療用管腔体を適用したイントロデューサーシースを使用した手技は、実施形態において説明した手技にその用途が限定されることはなく、その他の手技にも適用することが可能である。例えば、下肢を走行する血管に対する手技にイントロデューサーシースを使用する場合、患者の膝を湾曲させた状態で、膝を走行する血管に追従させてイントロデューサーシースを湾曲させることができる。このような手技においても、本発明に係る医療用管腔体を適用したイントロデューサーシースは有効なものとなる。
10、10A イントロデューサー(医療器具組立体)、
100 イントロデューサーシース、
110、110A シースチューブ(医療用管腔体)、
120、120A、320 本体部、
120a 内層、
120b 外層、
121 本体部の先端、
123 本体部の基端、
125 本体部の中間部、
126 内腔、
127 壁部、
127a 対向壁、
130 切り欠き部、
130a 切り欠き部の先端、
130b 切り欠き部の基端、
130c 切り欠き部の中間部、
135 切り欠き面、
140 湾曲容易部、
150、150A、150B、350 補強部材、
151、351 第1補強部材、
151a、351a 第1補強部材の先端、
151b、351b 第1補強部材の基端、
151c、351c 第1補強部材の中間部、
152、352 第2補強部材、
152a、352a 第2補強部材の先端、
152b、352b 第2補強部材の基端、
152c、352c 第2補強部材の中間部、
160 補強線材、
171 深度マーカー、
173 指示マーカー、
183 ハブ、
200 ダイレーター、
210 ダイレーター本体、
211 ダイレーター本体の先端、
Af 前腕部、
Au 上腕部、
B 血管(生体管腔)、
E 肘、
H 手、
Hb 甲、
穿刺部位 t1、
垂線 A、
仮想直線 D。

Claims (9)

  1. 先端、基端、および前記先端と前記基端との間で軸方向に延びる内腔が形成された中間部を備える長尺状の本体部と、
    前記中間部の前記内腔を画定する壁部の少なくとも一部に形成された前記軸方向に延びる切り欠き部と、
    前記切り欠き部の少なくとも一部と前記軸方向において重なるように前記中間部の前記壁部の少なくとも一部に配置された補強部材と、を備える医療用管腔体。
  2. 前記補強部材は、前記本体部の軸直交断面上において、前記本体部の中心軸から前記補強部材が配置された前記壁部へ延びる垂線に対して線対称の位置に少なくとも二つ配置されている、請求項1に記載の医療用管腔体。
  3. 前記補強部材は、前記本体部の軸直交断面上において、前記本体部の中心軸から前記補強部材が配置された前記壁部へ延びる垂線に直交するとともに前記本体部の中心軸を通る仮想直線と、前記本体部の中心軸から前記補強部材へ延びる直線との間の角度が45°以下である、請求項1または請求項2に記載の医療用管腔体。
  4. 前記補強部材の少なくとも一部は、前記中間部の前記壁部に埋設されている、請求項2または請求項3に記載の医療用管腔体。
  5. 前記補強部材は、前記補強部材全体が前記中間部の前記壁部に埋設されている、請求項4に記載の医療用管腔体。
  6. 前記補強部材の先端は、前記切り欠き部の先端よりも前記軸方向の先端側に配置されており、
    前記補強部材の基端は、前記切り欠き部の基端よりも前記軸方向の基端側に配置されている、請求項4または請求項5に記載の医療用管腔体。
  7. 前記補強部材は、前記中間部の前記壁部において前記切り欠き部により前記本体部の外部に露出された切り欠き面に配置されており、
    前記補強部材全体が前記中間部の前記壁部から露出している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用管腔体。
  8. 前記軸方向に沿って巻回されつつ前記中間部の前記壁部内に埋設された補強線材をさらに有し、
    前記補強線材は、前記切り欠き部と前記軸方向において重なる部分には配置されていないか、もしくは前記切り欠き部と前記軸方向において重なる部分のピッチが前記軸方向において隣接する他の部分よりも大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療用管腔体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載された医療用管腔体を備えるイントロデューサーシースと、
    前記医療用管腔体の前記内腔に挿通可能なダイレーター本体を備えるダイレーターと、を備える医療器具組立体であって、
    前記医療用管腔体の前記内腔の径は、前記先端に向かって漸減している、医療器具組立体。
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