JP2020048855A - 電解水散布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性酸素種の濃度を制御することで、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行うことができる電解水散布装置を提供すること。【解決手段】電解水散布装置は、電解水生成部と、散布部と、湿度検出手段と、制御部とを備える。制御部は、電解水生成部を制御するものであり、浄化能力決定部と、生成制御部とを備える。生成制御部は、電解部への電気分解のための通電を行う通電時間とその通電停止後の非通電時間とを一周期とし、その一周期を複数回繰り返すことで電解水の生成を制御する。浄化能力決定部は、湿度検出手段の値に基づいて、通電時間、非通電時間、及び通電時間における電流量の内少なくとも一つと駆動部を利用して気液接触量を決定する。【選択図】図6

Description

本発明は、電解水を生成して散布する電解水散布装置に関する。
空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去を行うために、電気分解により次亜塩素酸を含む電解水を生成して散布する電解水散布装置が知られている。
従来のこの種の電解水散布装置の構造は、以下のようになっていた。即ち、水を電気分解して電解水を生成させ、この電解水をフィルター部に共有し、空気と電解水を接触させ、空気中の細菌、ウイルス、臭い等の除去を図る構成となっていた(例えば特許文献1)。
特開2012−052699号公報
しかしながら、この種の活性酸素種を含む電解水を室内空気に接触させて、細菌、ウイルス、臭い等の除去を行う電解水散布装置においては、空気中に散布される活性酸素種の濃度の増加を図る場合、加湿量を増加させる必要があった。したがって、従来の電解水散布装置は、活性酸素種濃度の増加を図る為、所望の加湿量を超えて加湿する必要があり、過加湿の状態が生じるという課題があった。また、加湿量を抑制するために風量を低下することも考えられるが、その場合、電解水散布装置による浄化速度が遅くなる可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、加湿量を増加させることなく、活性酸素種の濃度を増加させることができる電解水散布装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の電解水散布装置は、以下を特徴とするものである。即ち、本発明の電解散布装置は、電解水生成部と、散布部と、制御部と、湿度検出手段とを備える。電解水生成部は、水を貯めるための貯水部と前記貯水部内の水を電気分解して電解水を生成する電解部とを有する。散布部は、電解水を散布するものであり、フィルター部と送風部とを有する。前記フィルター部は、前記貯水部内の電解水に浸漬させて保水し前記吸気口から流入した空気に接触し、前記送風部は、前記フィルター部に接触した空気を前記吹出口に導く。
前記制御部は、前記電解水生成部と前記散布部を制御するものであり、生成制御部と、浄化能力決定部とを備える。
前記電解水生成部への電気分解のための通電を行う通電時間と通電停止後の非通電時間とを一周期とし、前記湿度検出手段が検出した室内空気の湿度を検出湿度とし、前記通電時間において前記電解部に流れる電流量を電極電流量とし、単位時間当たりに前記フィルター部の電解水に接触する空気の量を気液接触量とすると、前記生成制御部は、前記一周期を複数回繰り返すことで前記電解水の生成を制御し、前記浄化能力決定部は、前記湿度検出手段の検出湿度値に基づいて、前記通電時間、前記非通電時間、および前記電極電流量の少なくとも一つを決定し、前記浄化能力決定部は、前記検出湿度値に基づいて、前記気液接触量を決定する。
本発明の電解水散布装置によれば、電極への電気分解のための通電を行う通電時間と、前記通電停止後の非通電時間と、前記通電時間における電極電流量と、気液接触量が、湿度検出手段の値に基づいて決定される。これにより、活性酸素種の濃度を制御することで、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行うという効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る電解水散布装置の斜視図である。 同電解水散布装置の斜視図である。 同電解水散布装置の断面図である。 同電解水散布装置の断面図である。 同電解水散布装置の断面図である。 同電解水散布装置の機能ブロック図である。 湿度と駆動部の停止時間と浄化能力レベルとの関係を示すチャートである。 (a)は、浄化能力レベルと電極電流量との関係を示すチャートである。(b)は、浄化能力レベルと通電時間との関係示すチャートである。(c)は、浄化能力レベルと非通電時間との関係を示すチャートである。(d)は、浄化能力レベルと電解水生成条件との関係を示すチャートである。 (a)は、電解部への通電時間と非通電時間と通電周期との関係を示すグラフである。(b)は、時間変化と電解水濃度との関係を示すグラフである。(c)は、駆動部のON/OFF駆動期間と常時ON期間との関係を示すグラフである。 湿度と駆動部の動作と浄化能力との関係を示したチャートである。
本発明に係る電解水散布装置は、電解水を生成する電解水生成部と、筐体内に前記電解水生成部が生成した電解水を吸気口から吸い込んだ空気に接触させて吹出口から散布する散布部と、前記電解水生成部と前記散布部とを制御する制御部と、室内空気の湿度を検出する湿度検出手段と、を備えた電解水散布装置であって、前記電解水生成部は、水を貯めるための貯水部と、前記貯水部内の水を電気分解して電解水を生成する電解部と、を有し、前記散布部は、フィルター部と、送風部と、を有し、前記フィルター部は、前記貯水部内の電解水に浸漬させて保水し前記吸気口から流入した空気に接触し、前記送風部は、前記フィルター部に接触した空気を前記吹出口に導き、前記制御部は、生成制御部と、浄化能力決定部と、を有し、前記電解水生成部への電気分解のための通電を行う通電時間と通電停止後の非通電時間とを一周期とし、前記湿度検出手段が検出した室内空気の湿度を検出湿度とし、前記通電時間において前記電解部に流れる電流量を電極電流量とし、単位時間当たりに前記フィルター部の電解水に接触する空気の量を気液接触量とすると、前記生成制御部は、前記一周期を複数回繰り返すことで前記電解水の生成を制御し、前記浄化能力決定部は、前記湿度検出手段の検出湿度値に基づいて、前記通電時間、前記非通電時間、および前記電極電流量の少なくとも一つを決定し、前記浄化能力決定部は、前記検出湿度値に基づいて、前記気液接触量を決定する。
これにより、電極への電気分解のための通電を行う通電時間と、前記通電停止後の非通電時間と、前記通電時間における電極電流量と、気液接触量が、湿度検出手段の値に基づいて決定される。よって、活性酸素種の濃度を制御することで、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行うことができる。
また、前記フィルター部は、気液接触フィルター部と、前記気液接触フィルター部を駆動する駆動部と、を有し、前記一周期において、前記浄化能力決定部は、前記駆動部が動作する動作時間と、前記駆動部が停止する停止時間を変更することにより前記気液接触量を変更するという構成にしてもよい。
これにより、貯水部内の活性酸素種の濃度変化に応じて、気液接触量を変更することになり、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行うことができる。
また、前記浄化能力決定部は、前記検出湿度が所定湿度以上の場合、前記通電時間、前記非通電時間、および前記電極電流量の少なくとも一つを浄化能力が大きくなるように増減し、前記駆動部が停止する停止時間を長くするという構成にしてもよい。
これにより、湿度が高い場合に、活性酸素種の濃度を制御しながら、気液接触量を低減することになり、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行うことができる。
また、前記一周期は、ON/OFF制御期間と、常時ON期間とを有し、前記ON/OFF制御期間は、前記駆動部の動作と停止を繰り返す期間であり、前記常時ON期間は、前記駆動部が動作し続ける期間であり、前記一周期において、前記浄化能力決定部は、電解水の濃度が所定濃度以上の場合は、前記ON/OFF制御期間となるように前記駆動部を制御し、電解水の濃度が所定濃度未満の場合は、前記常時ON期間となるように前記駆動部を制御するという構成にしてもよい。電解水の濃度とは電解水中の活性酸素種の濃度のこである。
これにより、貯水部内の前記周期での活性酸素種の濃度変化に応じて、気液接触量を変更することになり、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行うことができる。
また、前記浄化能力決定部は、前記検出湿度が第1所定湿度未満の場合、電解水の濃度にかかわらず、前記一周期の全期間が前記常時ON期間となるように前記駆動部を制御するという構成にしてもよい。
これにより、室内の湿度が過剰でない場合、前記駆動部が常時ONすることとなり、安定的に室内を浄化できる。
また、第2所定湿度>第1所定湿度とし、前記検出湿度が第1所定湿度以上且つ第2所定湿度未満の場合において、前記ON/OFF制御期間における前記駆動部の停止の期間を第1停止期間とし、前記検出湿度が第2所定湿度以上の場合において、前記ON/OFF制御期間における前記駆動部の停止の期間を第2停止期間とすると、前記浄化能力決定部は、前記第1停止期間よりも前記第2停止期間を長くするという構成にしてもよい。
これにより、湿度が高いほど、浄化能力を上げつつ、気液接触量を下げることになり、加湿量を増加させることなく、活性酸素種の濃度を増加させる。よって、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行うことができる。
また、前記浄化能力決定部は、前記送風部による風量が所定風量未満の場合は、電解水の濃度にかかわらず、前記一周期の全期間が前記常時ON期間となるように前記駆動部を制御するという構成にしてもよい。
これにより、気液接触量の小さい風量の時は、前記駆動部は常時ONとなり、安定的に室内を浄化できる。
以下、本発明の実施の形態に係る電解水散布装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜8を参照して、本発明の第1実施形態である電解水散布装置Dについて説明する。図1は、電解水散布装置Dの斜視図であり、電解水散布装置Dを前面側から見た図である。図2は、電解水散布装置Dの斜視図であり、図1のパネル3を開いた状態で電解水散布装置Dを前面側から見た図である。
図1、2に示す通り、電解水散布装置Dは、略箱形状の本体ケース1を備え、本体ケース1の両側面には略四角形状の吸気口2を有している。本体ケース1の天面には、開閉式の吹出口6が設けられている。図1、2では、吹出口6は閉じた状態である。
本体ケース1の前面側から見て、右側の側面(本体ケース1の一方側の側面)である第1の本体側面1Aには、開閉可能なパネル3が設けられている。本体ケース1の一方側の側面の吸気口2は、パネル3に設けられている。パネル3を開くと、縦長四角形状の開口4が現れる。開口4から、後述する貯水部14、タンク部材15、錠剤投入ケース18a等が取り出し可能に構成されている。
図3は、電解水散布装置Dの正面視中央部分を縦方向に切った断面図であり、電解水散布装置Dを右側から見た図である。図4は、電解水散布装置Dの正面視右側を縦方向に切った断面図であり、電解水散布装置Dにおける右側から見た図である。図5は、電解水散布装置Dを正面視を横方向に切った断面図である。
図2、図3、図4、図5に示すように、本体ケース1内には、電解水生成部5と、タンク部材15と、散布部19と、風路8とを備えている。電解水生成部5は、貯水部14と、電解部17と、電解促進錠剤投入部18と、投入制御部41(図6参照)とを備えている。
貯水部14は、天面を開口した箱形状しており、水を貯水できる構造となっている。貯水部14は、本体ケース1の下部に配置され、本体ケース1から水平方向にスライドして着脱可能となっており、開口4から取り出すことができる。貯水部14は、タンク部材15から供給される水を貯水する。
電解部17は、電極部材(図示せず)を備えており、この電極部材が貯水部14内の水に浸かるように設置される。電解部17は、この電極部材に通電することにより、貯水部14内の塩化物イオンを含む水を電気化学的に電気分解し、活性酸素種を含む電解水を生成させる。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことである。例えば、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシラジカル、或いは過酸化水素といった所謂狭義の活性酸素に、オゾン、次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)等といった所謂広義の活性酸素を含む。
電解部17は、電極部材への電気分解するための通電を行う通電時間と、その通電停止後の時間、つまり通電を行っていない時間である非通電時間を一周期として、その一周期を複数回繰り返すことで、電解水を生成する。非通電時間に対して通電時間を長くすれば、一周期当たりにおいてより多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成される。また通電時間に対して非通電時間を長くすれば、一周期当たりの活性酸素種の生成が抑えられる。さらに、通電時間における電極電流量を大きくすれば、より多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成される。
電解促進錠剤投入部18は、錠剤投入ケース18aと、錠剤投入ケース18a内に設けた錠剤投入部材(図示せず)と、錠剤投入ケース18aの上部に着脱自在に設けられた錠剤投入カバー18bとを備えている。錠剤投入ケース18aは、開口4から取り出し可能に構成される。ユーザは、取り出した錠剤投入ケース18aから錠剤投入カバー18bを外すことで、ユーザが錠剤投入ケース18a内に電解促進錠剤を装填できる。
錠剤投入部材が回動すると、電解促進錠剤が錠剤投入ケース18aの底面の落下開口(図示せず)より貯水部14に落下する。この電解促進錠剤が貯水部14内の水に溶け込むことにより、貯水部14の水が塩化物イオンを含む水となる。なお、電解促進錠剤の一例は、塩化ナトリウムである。
投入制御部41は、例えば錠剤投入ケース18aの底面の落下開口付近に設けられ、電解促進錠剤投入部18による電解促進錠剤の投入を制御する。後述する制御部30より電解促進錠剤の投入指示があると、投入制御部41は電解促進錠剤投入部18に設けられた錠剤投入部材の回動を開始する。そして、投入制御部41は、錠剤投入ケース18aから貯水部14に落下された電解促進錠剤の有無を判断し、錠剤投入ケース18aから貯水部14に電解促進錠剤が落下したと判断すると、錠剤投入部材の回動を停止する。
なお、電解水散布装置Dは、電解促進錠剤投入部18及び投入制御部41を有していなくてもよい。この場合は、電解水散布装置Dが、ユーザに対して電解促進錠剤の投入を指示する報知を表示や発音によって行い、ユーザに電解促進錠剤を直接、貯水部14へ投入させるようにしてもよい。
タンク部材15は、本体ケース1内部の正面視右側の側面に設置され、貯水部14から着脱可能な構造となっており、開口4から取り出すことができる。タンク部材15は、貯水部14の底面に設けられたタンク保持部14aに装着されている。タンク部材15は、水を貯水するタンク15aと、タンク15aの開口(図示せず)に設けられた蓋15bとを備えている。蓋15bの中央には、開閉部(図示せず)が設けられており、この開閉部が開くと、タンク15a内の水が、貯水部14へ供給される。
具体的には、タンク15aの開口を下向きにして、タンク部材15を貯水部14のタンク保持部14aに取り付けると、タンク保持部14aによって開閉部が開く。つまり、タンク部材15に水を入れてタンク保持部14aに取り付けると、開閉部が開いて貯水部14に給水され、貯水部14内に水が溜まる。貯水部14内の水位が上昇して蓋15bのところまで到達するとタンク部材15の開口が水封されるので給水が停止し、タンク部材15の内部には水が残り、貯水部14内の水位が下がった場合に都度、タンク15a内部の水が貯水部14に給水される。即ち、貯水部14内の水位は一定に保たれる。
なお、電解水散布装置Dは、タンク部材15を有していなくてもよい。この場合は、電解水散布装置Dに対して、水を供給するラインを水道水よりひき、貯水部14内の水位が下がった場合に、貯水部14内の水位が所定位置に上昇するまで、水道水を供給するようにしてもよい。
散布部19は、送風部7と、フィルター部16とを備える。送風部7は、本体ケース1の中央部に設けられ、モータ部9と、モータ部9により回転するファン部10と、それらを囲むスクロール形状のケーシング部11とを備えている。モータ部9は、ケーシング部11に固定されている。
ファン部10は、シロッコファンであり、モータ部9から水平方向に延びた回転軸9aに固定され、モータ部9は、ケーシング部11に固定されている。モータ部9の回転軸9aは、本体ケース1の前面側から背面側に延びている。ケーシング部11は、ケーシング部11の本体ケース1における上面側に吐出口12を備え、ケーシング部11の本体ケース1における背面側に吸込口13を有している。
フィルター部16は、貯水部14に貯水された電解水と、送風部7によって本体ケース1内に流入した室内空気とを接触させる部材である。フィルター部16は、円筒状に構成され、円周部分に空気が流通可能な孔を備えた気液接触フィルター部16aを配置し、その一端が貯水部14の水に浸漬され、保水されるように、気液接触フィルター部16aの中心軸を回転中心として貯水部14に回転自在に内蔵されている。そして、気液接触フィルター部16aは、駆動部16bにより回転され、電解水と室内空気を連続的に接触させる構造となっている。単位時間当たりに気液接触フィルター部16aの電解水に接触している空気の量を気液接触量とすると、気液接触量が多いほど浄化能力が高くなる。詳細は後述するが、電解水散布装置Dは、この気液接触量と、電極部材への前記通電時間と、前記非通電時間と、前記通電時間における電極電流量とを、湿度検出手段51の検出値に基づいて決定する。これにより、活性酸素種の濃度を制御することで、所望の湿度を維持しながら、室内の浄化を適切に行う。
風路8は、吸気口2と吹出口6とを連通し、吸気口2から順に、フィルター部16、送風部7、吹出口6を備えている。モータ部9によってファン部10が回転すると、吸気口2から吸い込まれ風路8内に入った外部の空気は、順に、気液接触フィルター部16a、送風部7、吹出口6を介して、電解水散布装置Dの外部へ吹き出される。これにより、貯水部14にて生成された電解水が外部へ散布される。なお、電解水散布装置Dは、必ずしも電解水そのものを撒くものでなくてもよく、結果的に生成した電解水由来(揮発を含む)の活性酸素種を散布するものであっても電解水散布に含まれる。
図6は、電解水散布装置Dの機能をブロックで示した機能ブロック図である。電解水散布装置Dは、電解水生成部5及び散布部19等、電解水散布装置D全体を制御する制御部30を備えている。制御部30は、例えば、本体ケース1(図1参照)の天面に設けられた操作パネルの裏側に設けられている。電解水散布装置Dは、また、湿度検出手段51を有しており、これは制御部30と接続される。
湿度検出手段51は、吹出口6から吹き出される電解水(又は活性酸素種)を含む空気の影響を受けない場所に設けられる。これにより、電解水散布装置Dが設置された場所における湿度を正確に把握できる。
制御部30は、浄化能力決定部54、生成制御部34を備えている。
生成制御部34は、電解部17における電解水の生成を制御する。具体的には、電解部17の電極部材への電気分解するための通電を行う通電時間と、その通電停止後の非通電時間を一周期として、その一周期を繰り返すことで、電解部17において電解水を生成させる。
浄化能力決定部54は、湿度検出手段51により取得される湿度を基に、駆動部16bの停止時間を制御することにより、気液接触量を決定するとともに、電解部17における電解水生成条件を決定する。電解水生成条件とは、電解水を生成する一周期における通電時間及び非通電時間と、その通電時間における電極電流量である。
図7は、湿度と駆動部の停止時間と浄化能力レベルとの関係の一例を示すもので、浄化能力決定部54において、これを基に電解水散布装置Dの駆動部16bの停止時間と浄化能力レベルを決定する。
図7に示す表では、浄化能力レベルをLV1〜LV3の3段階で示しており、湿度検出手段51によって、検出された湿度が所定の湿度である55%よりも高い場合、浄化能力レベルが高くなるように設定する。さらに、電解水散布装置D内での気液接触量を下げるために、駆動部16bの通電制御をON/OFF制御にしており、湿度が高いほど駆動部16bの停止時間が長くなるように設定される。これにより、湿度が高い場合に、貯水部14内に生成される活性酸素種の濃度を増加させ、かつ気液接触量を下げることで加湿量を低減する。よって、加湿量の増加を抑制しながら、室内に供給する活性酸素種の濃度を増加させることで浄化能力を向上させることができる。なお、ON/OFF制御とは、駆動部の動作と停止を繰り返す制御のことである。
また、湿度検出手段51によって、検出された湿度が所定の湿度である55%よりも少ない場合、過加湿の状態になっていないため、電解水散布装置D内での気液接触量を下げる必要が無く、駆動部16bの通電制御を常時ONにしている。
図8(a)は、浄化能力レベルと電極電流量との関係の一例を示すもので、浄化能力決定部54において、これを基に電解水散布装置Dの電極電流量を決定する。
図8(a)に示すように、浄化能力レベルと電極電流量とが関連付けられている。図8(a)の例では、決定すべき電極電流として、電極部材に流す電流(電極電流)の大きさを規定している。電極電流を1から3の3段階で示しており、浄化能力レベルが高いほど、電極電流が大きくなるように設定される。電極部材に流れる電流がその決定された電流となるように電極部材に印加する電圧を制御すれば、通電時間における電極電流量が定まる。通電時間における電極電流量を大きくすれば、より多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成される。さらに、吹出口6から吹き出される空気に含まれる活性酸素種の量も多くなるため、多くのウイルスを不活性化できる。
図8(b)は、浄化能力レベルと通電時間との関係の一例を示すもので、浄化能力決定部54において、これを基に電解水散布装置Dの通電時間を決定する。
図8(b)に示すように、浄化能力レベルと通電時間とが関連付けられている。図8(b)の例では、通電時間を1から3の3段階で示しており、浄化能力レベルが高いほど、通電時間が長くなるように設定される。通電時間が長くなれば、より多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成される。さらに、吹出口6から吹き出される空気に含まれる活性酸素種の量も多くなるため、多くのウイルスを不活性化できる。
図8(c)は、浄化能力レベルと非通電時間との関係の一例を示すもので、浄化能力決定部54において、これを基に電解水散布装置Dの通電時間を決定する。
図8(c)に示すように、浄化能力レベルと非通電時間とが関連付けられている。図8(c)の例では、非通電時間を1から3の3段階で示しており、浄化能力レベルが高いほど、非通電時間が短くなるように設定される。非通電時間が短くなれば、電解水を生成する一周期での通電時間が長くなり、一周期当たり、より多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成される。さらに、吹出口6から吹き出される空気に含まれる活性酸素種の量も多くなるため、多くのウイルスを不活性化できる。
図8(d)は、浄化能力レベルと風量及び電解水生成条件との関係の一例を示すもので、浄化能力決定部54において、これを基に電解水散布装置Dの風量及び電解水生成条件を決定する。
図8(d)に示すように、浄化能力レベルと電解水生成条件とが関連付けられている。図8(d)の例では、決定すべき電解水生成条件として、電解水を生成する一周期における通電時間及び非通電時間と、その通電時間における電極電流量を規定しいている。電解水生成条件を1から3の3段階で示しており、浄化能力レベルが高いほど、電解水を生成する一周期当たり、より多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成されるように設定される。
また、図8(d)では、図8(a)から図8(c)を全て組み合わせた関係となっているが、複数個を組み合わせた関係であってもよい。
電極電流量は、通電中であれば都度変更する。一方、非通電中であれば、次回通電時から変更される。
通電時間は、通電中であれば、現状の通電時間と変更後の通電時間を比較し、通電を続けるか、通電を終了し非通電へ切換えるかが決定される。一方、非通電中あれば、次回通電時から変更される。
非通電時間は、非通電中であれば、現状の非通電時間と変更後の非通電時間を比較し、非通電を続けるか、非通電を終了し通電へ切換えるかが決定される。一方、通電中であれば、次回非通電時から変更される。
以上説明したように、第1実施形態における電解水散布装置Dでは、湿度検出手段51の値に基づいて、電解水を生成する一周期における電解部17への通電時間、その通電後の非通電時間、及び通電時間における電流量、及び駆動部16bの停止時間が決定される。
これにより、湿度が高い場合に、電解水散布装置Dの浄化能力を上げつつ、気液接触量は下がることになり、加湿量を増加させることなく、活性酸素種の濃度を増加させることができる。
また、本実施形態の電解水散布装置Dは、電解水の生成条件として、通電時間、非通電時間及び電力量を決定している。これにより、湿度に応じて、電解水に含まれる活性酸素種の量を増やしたい場合は、通電時間を長くしたり、非通電時間を短くしたり、電力量を大きくしたりすることで、生成される活性酸素種の量を容易に調整できる。
また、本実施の形態の電解水散布装置Dは、気液接触量を下げる方法として、駆動部16bをON/OFF制御としている。これにより、回転数を変更する場合よりも簡易な構成で気液接触量を調整できる。
(第2実施形態)
次いで、図9、10を参照して、本発明の第2実施形態である電解水散布装置Dについて説明する。第1実施形態の電解水散布装置Dは、湿度検出手段51の値に基づいて、駆動部16bの通電制御と浄化能力レベルが決定された。これに対して、第2実施形態の電解水散布装置Dは、駆動部16bの通電制御に関して、常時ON以外に電解部17の電極部材への電気分解するための通電を行う通電時間と、その通電停止後の非通電時間とを一周期としている。また、電解部17の通電時間、非通電時間の周期に対応して、駆動部16bがON/OFF制御される期間と、常時ONである期間とが組み合わされて稼働している。
以下、第2実施形態の電解水散布装置Dについて、第1実施形態の電解水散布装置Dと相違する点を中心に説明する。第1実施形態の電解水散布装置Dと同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
図9(a)は、横軸を時間、縦軸を電極部材への通電電流として、電解部17の電極部材への通電時間Tonと非通電時間Toffとからなる通電周期Tを示す。図9(b)は、横軸を時間軸、縦軸を電解水中の活性酸素種の濃度として、貯水部14に貯水される電解水中の活性酸素種の濃度を示す。図9(c)は、横軸を時間軸、縦軸を駆動部16bへの通電電流として、駆動部16bへのON/OFF制御期間と常時ON期間との関係を示す。図9(a)と図9(b)が示すとおり、電解部17への通電時間Tonの期間は、新しく電解水、つまり活性酸素種が生成されるため、貯水部14に貯水される電解水中の活性酸素種の濃度は高くなる。一方、電解部17への非通電時間Toffの期間は、新しく電解水が生成されず、気液接触により減少した分、タンク15aから給水され、貯水部14に貯水される電解水の濃度は低くなる。図9(b)における閾値、例えば、貯水部14に貯水された活性酸素種の濃度の平均値に対して、貯水部14に貯水された活性酸素種の濃度が超えている期間に、駆動部16bをON/OFF制御し、活性酸素種の濃度の平均値を下回る期間を常時ONとする。具体的には、電解部17への通電開始から前記閾値を超えるまでの期間をt1とし、電解部17への通電終了から前記閾値を下回るまでの期間をt2とすると、電解部17への通電開始のt1後に、駆動部16bのON/OFF制御を開始し、電解部17への通電停止のt2後に駆動部16bのON/OFF制御を停止し、常時ONとする。
図10は、湿度と駆動部の通電制御と浄化能力レベルとの関係の一例を示すもので、浄化能力決定部54において、これを基に電解水散布装置Dの駆動部16bの停止時間と浄化能力レベルを決定する。
図10の例では、浄化能力レベルをLV1〜LV3の3段階で示しており、湿度が高いほど、浄化能力レベルが高くなるように設定される。さらに、気液接触量を下げるために、駆動部16bの通電制御をON/OFF制御にしており、湿度が高いほど駆動部16bの停止時間が長くなるように設定される。これにより、湿度が高い場合に、浄化能力を上げつつ、気液接触量は下がることになり、加湿量を増加させることなく、活性酸素種の濃度を増加させることができる。
図10の例では、フィルター部16の回転を6回転/分、つまり10秒/回転とし、ON/OFF制御のON時間をフィルター部16が一回転する毎に停止するように構成した。これにより、気液接触フィルター部16aでの保水が確実にでき、活性酸素種の量を十分散布できる。
以上説明したように、第2実施形態における電解水散布装置Dでは、湿度検出手段51の値に基づいて、電解水を生成する一周期における電解部17への通電時間、その通電後の非通電時間、及び通電時間における電極電流量、及び駆動部16bの通電制御が決定される。
これにより、湿度が高い場合に、電解水散布装置Dの浄化能力を上げつつ、電解水中の活性酸素種の濃度が高い期間での気液接触量は下がることになり、加湿量を増加させることなく、活性酸素種の濃度を増加させることができる。
なお、送風部7による風量が所定値未満の時は、上記制御を行わない構成としてもよい。具体的には、風量設定が強、中、弱とある場合、弱設定時のみ上記制御を行わない構成とする。これにより、加湿量を増加させる効果が小さい風量設定時は、駆動部16bの通電制御を常時ONすることになり、活性酸素種の濃度を増加させることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
本発明に係る電解水散布装置は、空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去(不活性化を含む)を行う電解水散布装置として有用である。
D 電解水散布装置
1 本体ケース
1A 第1の本体側面
2 吸気口
3 パネル
4 開口
5 電解水生成部
6 吹出口
7 送風部
8 風路
9 モータ部
9a 回転軸
10 ファン部
11 ケーシング部
12 吐出口
13 吸込口
14 貯水部
14a タンク保持部
15 タンク部材
15a タンク
15b 蓋
16 フィルター部
16a 気液接触フィルター部
16b 駆動部
17 電解部
18 電解促進錠剤投入部
18a 錠剤投入ケース
18b 錠剤投入カバー
19 散布部
30 制御部
34 生成制御部
41 投入制御部
51 湿度検出手段
54 浄化能力決定部

Claims (7)

  1. 電解水を生成する電解水生成部と、
    筐体内に前記電解水生成部が生成した電解水を吸気口から吸い込んだ空気に接触させて吹出口から散布する散布部と、
    前記電解水生成部と前記散布部とを制御する制御部と、
    室内空気の湿度を検出する湿度検出手段と、を備えた電解水散布装置であって、
    前記電解水生成部は、水を貯めるための貯水部と、前記貯水部内の水を電気分解して電解水を生成する電解部と、を有し、
    前記散布部は、フィルター部と、送風部と、を有し、
    前記フィルター部は、前記貯水部内の電解水に浸漬させて保水し前記吸気口から流入した空気に接触し、
    前記送風部は、前記フィルター部に接触した空気を前記吹出口に導き、
    前記制御部は、生成制御部と、浄化能力決定部と、を有し、
    前記電解水生成部への電気分解のための通電を行う通電時間と通電停止後の非通電時間とを一周期とし、
    前記湿度検出手段が検出した室内空気の湿度を検出湿度とし、
    前記通電時間において前記電解部に流れる電流量を電極電流量とし、
    単位時間当たりに前記フィルター部の電解水に接触する空気の量を気液接触量とすると、
    前記生成制御部は、前記一周期を複数回繰り返すことで前記電解水の生成を制御し、
    前記浄化能力決定部は、前記湿度検出手段の検出湿度値に基づいて、前記通電時間、前記非通電時間、および前記電極電流量の少なくとも一つを決定し、
    前記浄化能力決定部は、前記検出湿度値に基づいて、前記気液接触量を決定する電解水散布装置。
  2. 前記フィルター部は、気液接触フィルター部と、前記気液接触フィルター部を駆動する駆動部と、を有し、
    前記一周期において、前記浄化能力決定部は、前記駆動部が動作する動作時間と、前記駆動部が停止する停止時間を変更することにより前記気液接触量を変更する請求項1記載の電解水散布装置。
  3. 前記浄化能力決定部は、前記検出湿度が所定湿度以上の場合、前記通電時間、前記非通電時間、および前記電極電流量の少なくとも一つを浄化能力が大きくなるように増減し、前記駆動部が停止する停止時間を長くする請求項2に記載の電解水散布装置。
  4. 前記一周期は、ON/OFF制御期間と、常時ON期間とを有し、
    前記ON/OFF制御期間は、前記駆動部の動作と停止を繰り返す期間であり、
    前記常時ON期間は、前記駆動部が動作し続ける期間であり、
    前記一周期において、前記浄化能力決定部は、電解水の濃度が所定濃度以上の場合は、前記ON/OFF制御期間となるように前記駆動部を制御し、電解水の濃度が所定濃度未満の場合は、前記常時ON期間となるように前記駆動部を制御する請求項1〜3いずれかに記載の電解水散布装置。
  5. 前記浄化能力決定部は、前記検出湿度が第1所定湿度未満の場合、電解水の濃度にかかわらず、前記一周期の全期間が前記常時ON期間となるように前記駆動部を制御する請求項4記載の電解水散布装置。
  6. 第2所定湿度>第1所定湿度とし、
    前記検出湿度が第1所定湿度以上且つ第2所定湿度未満の場合において、前記ON/OFF制御期間における前記駆動部の停止の期間を第1停止期間とし、
    前記検出湿度が第2所定湿度以上の場合において、前記ON/OFF制御期間における前記駆動部の停止の期間を第2停止期間とすると、
    前記浄化能力決定部は、前記第1停止期間よりも前記第2停止期間を長くする請求項4または5記載の電解水散布装置。
  7. 前記浄化能力決定部は、前記送風部による風量が所定風量未満の場合は、電解水の濃度にかかわらず、前記一周期の全期間が前記常時ON期間となるように前記駆動部を制御する請求項4〜6いずれかに記載の電解水散布装置。
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