JP2020048810A - 腹腔鏡洗浄トロカー - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造かつ簡単な操作により、トロカー内に備えられた逆止弁の掃除とともに、腹腔鏡(内視鏡)のカメラレンズの洗浄も併せて行うことができる新規な洗浄機能を備えた腹腔鏡洗浄トロカーを提供する。【解決手段】穿刺筒部と、穿刺筒部の一端に接続された本体部を備えていて、本体部は、ハウジング部と、ハウジング部の内部に形成され腹腔鏡が挿通する内筒部と、内筒部の内部へ洗浄流体を誘導する誘導流路と、ハウジング部の穿刺筒部側に設置され、腹腔鏡の先端部が内筒部へ後退した際に内筒部を封止し、腹腔鏡の穿刺筒部への前進時に内筒部を開放する切替弁部を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、腹腔鏡洗浄トロカーに関し、特にトロカー内の逆止弁とともに挿通された腹腔鏡の先端部分も洗浄する腹腔鏡洗浄トロカーに関する。
低侵襲の外科手術として、腹腔鏡手術(内視鏡手術)が多用されている。腹腔鏡手術においては、腹腔内に炭酸ガスが注入され腹壁が膨らみ、手術のための空間と視野が確保される。この場合、腹壁に小さな孔が空けられトロカー(トロカール)と称される筒状の器具が挿入される。トロカーには、注入された炭酸ガス等の逆流を防ぐための逆止弁(気密弁)が備えられる。トロカー内に腹腔鏡、鉗子等が挿入され、腹腔鏡を通じて表示される映像を見ながら手術が行われる。
腹腔内は約37℃以上の高温かつほぼ100%の高湿度であり、腹腔鏡レンズは水蒸気の結露により曇りやすい環境下にある。このため、レンズ近傍を体温以上に加温したり曇り止めを塗布したりして視野は確保される。しかし、それにも関わらず腹腔鏡手術に際し使用される電気メス等から発生する煙、超音波凝固切開装置等から発生する組織、血液、リンパ液、脂肪等の微粒子が霧となって腹腔鏡の先端に付着し、腹腔鏡のレンズは頻繁に汚れ視野の確保が難しくなる現状がある。腹腔鏡担当医師は、カメラレンズが汚れるたびに手術を中断して腹腔鏡をトロカーから抜き取り、腹腔鏡の先端のレンズを濡れたガーゼにより拭き、温水によりカメラレンズを加温または曇り止めを塗布し、さらに乾いたガーゼにより拭く必要があった。また、トロカーの逆止弁も汚れた腹腔鏡の出し入れに伴い血液や組織等の微粒子で汚れるため毎回掃除しなければ、腹腔鏡を再挿入する際に再びカメラレンズが汚れることになる。そこで、別の手術従事者は腹腔鏡挿入用のトロカーの逆止弁に付着した汚れについても腹腔鏡を掃除する度に乾いたガーゼを挿入して掃除していた。
腹腔鏡のカメラレンズの洗浄とトロカーの逆止弁の掃除の両方の処置が伴って、はじめて腹腔鏡の再挿入が可能となる。腹腔鏡のカメラレンズの洗浄とトロカーの逆止弁の掃除については、概ね30秒ないし1分間ほどの時間である。しかしながら、腹腔鏡のカメラレンズの汚れにより手術野の視界が悪くなり、カメラレンズとトロカーの逆止弁の掃除のため、頻繁に手術は中断してしまう。それゆえ、腹腔鏡手術の医師をはじめとする従事者全員の集中力を欠き、手術時間の延長を来す原因となっていた。
そこで、腹腔鏡のカメラレンズの汚れ、曇り防止として、例えば、LED照明の発熱を利用したカメラとトロカーが提案されている(特許文献1参照)。また、内視鏡を覆って外装されるシースが備えられ、その中に洗浄液が挿通される内視鏡装置が提案されている(特許文献2参照)。さらに、ワイパ、ブラシ等が装着されたトロカーも提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、前出の各種のトロカーにあっては、洗浄能力の不足、装置構造の複雑化が問題視されていた。それゆえ、必ずしも手術現場において満足できる機器ではなかった。また、トロカーに備えられている逆止弁の洗浄については、従来通りの掃除が必要であり、総じて負担軽減には至っていない。そこで、円滑かつ簡便に内視鏡(腹腔鏡)のカメラレンズの洗浄とトロカーの逆止弁の掃除の両方に対応した器具が切望されている。
特開2016−150214号公報 特開平11−47080号公報 国際公開WO2014/185334号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、簡易な構造かつ簡単な操作により、トロカー内に備えられた逆止弁の掃除とともに、内視鏡(腹腔鏡)のカメラレンズの洗浄も併せて行うことができる新規な洗浄機能を備えた腹腔鏡洗浄トロカーを提供する。
すなわち、第1の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、穿刺筒部と、前記穿刺筒部の一端に接続された本体部を備え、前記本体部は、ハウジング部と、前記ハウジング部の内部に形成され腹腔鏡が挿通する内筒部と、前記内筒部の内部へ洗浄流体を誘導する誘導流路と、前記ハウジング部の前記穿刺筒部側に設置され、前記腹腔鏡の先端部が前記内筒部へ後退した際に前記内筒部を封止し、前記腹腔鏡の前記穿刺筒部への前進時に前記内筒部を開放する切替弁部と、を備えることを特徴とする。
第2の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記切替弁部が、前記穿刺筒部側に閉鎖板部と、貫通孔が穿設され前記閉鎖板部の直上に配された多孔板部の両方を備え、前記切替弁部による前記内筒部の封止時に前記閉鎖板部により前記内筒部は気密され、前記誘導流路を介して流入する洗浄流体が前記貫通孔から噴出して前記腹腔鏡を洗浄することを特徴とする。
第3の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記ハウジング部に洗浄流体の流入部及び流出部が備えられ、前記内筒部内に逆止弁が備えられ、前記ハウジング部の壁部の内部に形成され前記流入部から流入した洗浄流体を前記内筒部の内部へ誘導し前記内筒部から噴出させる壁内流路が備えられることを特徴とする。
第4の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記前記多孔板部に周壁部が備えられ、前記周壁部が傾斜していることを特徴とする。
第5の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記周壁部にノッチ部が形成されていることを特徴とする。
第6の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記切替弁部に前記ハウジング部から突出する操作レバーが備えられることを特徴とする。
第7の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記切替弁部による前記内筒部の開放及び封止が前記操作レバーを介した回動により行われることを特徴とする。
第8の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記ハウジング部が、前記切替弁部の回動のための退避部を備えることを特徴とする。
第9の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記閉鎖板部または前記多孔板部のいずれかもしくは両方に水密部材が設けられていることを特徴とする。
第10の形態の腹腔鏡洗浄トロカーは、前記流出部からの吸引により、前記内筒部の内部は陰圧となることを特徴とする。
本発明の腹腔鏡洗浄トロカーによると、穿刺筒部と、前記穿刺筒部の一端に接続された本体部を備え、前記本体部は、ハウジング部と、前記ハウジング部の内部に形成され腹腔鏡が挿通する内筒部と、前記内筒部の内部へ洗浄流体を誘導する誘導流路と、前記ハウジング部の前記穿刺筒部側に設置され、前記腹腔鏡の先端部が前記内筒部へ後退した際に前記内筒部を封止し、前記腹腔鏡の前記穿刺筒部への前進時に前記内筒部を開放する切替弁部と、を備えるため、簡易な構造かつ簡単な操作により、トロカー内に備えられた逆止弁の掃除とともに、腹腔鏡のカメラレンズの洗浄も併せて行うことができる。そこで、腹腔鏡手術従事者の負担軽減が可能となり、手術の効率化に貢献し得る。
本実施形態の腹腔鏡洗浄トロカーの第1主要部斜視図である。 本実施形態の腹腔鏡洗浄トロカーの第2主要部斜視図である。 腹腔鏡洗浄トロカーの部分側面模式図である。 切替弁部を収容するハウジング部の部分上面図である。 切替弁部の主要部縦断面図及び上面図である。 閉状態の切替弁部の上面図である。 開状態の切替弁部の上面図である。 腹腔鏡洗浄トロカーの操作を説明する第1部分側面図である。 腹腔鏡洗浄トロカーの操作を説明する第2部分側面図である。 腹腔鏡洗浄トロカーの操作を説明する第3部分側面図である。
図1及び図2の主要部斜視図、図3の側面模式図を用い、本発明の実施形態に係る腹腔鏡洗浄トロカー1の構造を説明する。一般にトロカーは、トロッカー、トロカール等とも称され、ヒトの腹部に穿刺され、腹壁を貫通する筒状の器具である。腹腔鏡手術の際、当該トロカー内に腹腔鏡3(内視鏡)、鉗子等が挿通される。図3以降の腹腔鏡洗浄トロカー1の部分側面図において、腹腔鏡3の位置等を見やすくするため、内部に挿通される腹腔鏡3は実線により表記される。
腹腔鏡洗浄トロカー1は、穿刺筒部2と、この穿刺筒部2の一端(図1及び2の上部側)に接続された本体部10を備える。穿刺筒部2は図示では途中にて省略されている。実際の腹腔鏡洗浄トロカー1において、穿刺筒部2はさらに図示の下方側に伸長している。本体部10の上部側(穿刺筒部2の逆側)にさらに把持部51が備えられる(図3参照)。腹腔鏡洗浄トロカー1が腹部に穿刺されるに際し、当該把持部51が医師等により把持される。把持部51内部には気腹を維持するための2つある逆止弁(気密弁)の内の1つが備えられている。腹腔鏡3(図3等参照)は、腹腔鏡洗浄トロカー1の本体部10を経由して穿刺筒部2内に挿入される。腹腔鏡3の先端部4には、カメラレンズ、光源レンズ等(図示せず)が装備されている。
本体部10は、ハウジング部11、誘導流路20、切替弁部40、逆止弁の1つをはじめとする腹腔鏡洗浄に必要な機構を備える。ハウジング部11は、その内部に腹腔鏡3が挿通される内筒部12を備える。内筒部12には誘導流路20が備えられ、洗浄流体は誘導流路20を通じて内筒部12の内部に誘導される。洗浄流体は、主に蒸留水、生理食塩水であり、40ないし45℃に加温されて腹腔鏡の洗浄に用いられる。
切替弁部40はハウジング部11の穿刺筒部2側(図1及び2の本体部10の下端側)に設置される。腹腔鏡3の先端部4が内筒部12へ後退した際、切替弁部40は内筒部12に移動することにより当該内筒部12は封止される(後出の図9参照)。また、切替弁部40は、腹腔鏡3の穿刺筒部2への前進時に当該内筒部12を開放する。すなわち、切替弁部40は腹腔鏡3の進退に応じて内筒部12を開閉する役割を担い、腹腔鏡3の後退時に内筒部12において、洗浄のための部屋を当該内筒部12の内部に形成する。
切替弁部40には操作レバー47が備えられる。操作レバー47はハウジング部11から突出されている。突設された操作レバー47は手術従事者により操作される。内筒部12の開放及び封止は、当該操作レバー47を介した切替弁部40の回動により行われる。操作レバー47は、ハウジング部11に設けられた開口から、その端部が露出するように構成されている。そこで、切替弁部40の回動のため、ハウジング部11に退避部18が備えられる。図3の模式図において、切替弁部40は退避部18へ移動した状態であり、図示は省略されている。切替弁部40の構造と動作については、図4ないし図7において説明する。
さらに、洗浄流体の流入部13及び流出部14がハウジング部11に備えられる。誘導流路20は流入部13に接続され、誘導流路20は流入部13から流入する洗浄流体を受け入れる。また、逆止弁15a,15bがハウジング部11の内筒部12の内側に備えられる。より詳しくは、逆止弁15aは把持部51の内部に備えられ、逆止弁15bは内筒部12に組み込まれる。把持部51は内筒部12にねじにより着脱自在に接続される。腹腔鏡洗浄トロカー1をはじめとする各種のトロカーが腹部に穿刺された場合、腹腔内の手術領域を確保するため炭酸ガスがトロカーを通じて注入され腹腔内は陽圧に維持される(気腹)。トロカー内には逆止弁がついており手術道具を挿入しても炭酸ガスが漏れず気密が保たれる一方、手術道具を抜去しても気密が保たれる。しかしながら、手術道具の出し入れの一瞬、手術領域の出血に伴う血液、組織等の微粒子が炭酸ガスとともに内筒部12側へ逆流することがある。腹腔鏡洗浄トロカー1においても同様であるものの、逆止弁15a,15bが備えられ前出の逆流物の噴出は抑制される。
流入部13に流入側コック53、流出部14に流出側コック54が備えられる。洗浄流体の供給(流入及び流出)と停止は、流入側コック53及び流出側コック54を通じて手術従事者により操作される。流入部13には、洗浄流体の供給タンク、供給側配管等(図示省略)が接続される。流出部14には、洗浄流体の吸引チューブ(図示せず)が接続される。吸引チューブは吸引器(減圧ポンプ)(図示せず)に接続される。そこで、吸引器の作動時、流出部14からの吸引を通じて内筒部12の内部は陰圧となる。
本体部10のハウジング部11の壁部16に壁内流路21が形成される。流入部13から流入した洗浄流体は壁内流路21を経由して誘導され、壁部ノズル部22を通じて内筒部12の内部17へ噴出される。逆止弁15a,15bと腹腔鏡3の側面部5は、壁部ノズル部22から噴出する洗浄流体により洗浄される(後出の図9、図10参照)。
これより、図4ないし図7を用い、切替弁部40の詳細構造について説明する。切替弁部40は、操作レバー47と弁体部57から形成される。また、切替弁部40には、操作レバー47と弁体部57の間に回動軸55が設けられる。回動軸55はハウジング部11に回動自在に軸支される。回動軸55を中心に操作レバー47と弁体部57の円弧状の回動が可能となる。図4から把握されるように、弁体部57は操作レバー47の指先の操作により簡易かつ円滑に移動できる。特に、切り替えの操作は簡単である。その結果、内筒部12の開放と封止の切り替えは容易となる。回動軸55の周囲に環状の軸着パッキン56が備えられる。操作レバー47はハウジング部11から突設され、しかも回動するため、レバー開口部58がハウジング部11に形成される。そこで、軸着パッキン56が回動軸55に備えられることにより、切替弁部40が回動するとしても、操作レバー47のためのレバー開口部58は塞がれ、ハウジング部11の気密性は確保される。
切替弁部40の弁体部57について、図5(a)は切替弁部40の弁体部57の拡大断面図であり、図5(b)は弁体部57の拡大上面図である。同図から把握されるように、穿刺筒部2側(紙面下側)に閉鎖板部41と、同閉鎖板部41の直上に多孔板部43の両方が備えられる。多孔板部43には、当該多孔板部43を貫通する貫通孔42が複数穿設される。貫通孔42の口径は0.5ないし1.0mm(実施形態では約0.8mm)である。貫通孔42は弁内流路49と接続される。そして、弁内流路49は回動により所定位置に移動した際に誘導流路20と接続される(図4参照)。洗浄流体は弁内流路49を経由して貫通孔42から垂直に噴出される。
多孔板部43の外周縁を取り囲むように周壁部45が備えられる。周壁部45の内側はすり鉢状に傾斜している。実施形態においては、周壁部45の内側に傾斜部44が設けられている。傾斜部44は、SBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の公知の軟質材料から形成される。腹腔鏡3の先端部4の洗浄に際し、腹腔鏡3の先端部4は多孔板部43に押し当てられる。このとき、傾斜部44が緩衝材となり腹腔鏡3の先端部4は受け止められ(着座され)、当該先端部4の損傷も回避される。また、腹腔鏡3の先端部4と多孔板部43との距離も一定に保たれる。なお、腹腔鏡3の先端部4が図示と異なり斜め形状であるとしても傾斜部44が緩衝材として作用するため、先端部の損傷は同様に回避される。
図5(b)から理解されるように、周壁部45と傾斜部44には壁の切れ目としてノッチ部46が形成される。周壁部45(傾斜部44)と腹腔鏡3の先端部4が当接し貫通孔42から洗浄流体が噴出する。すると、すぐに双方により囲まれた空間に洗浄後の汚染された洗浄流体が溜まる。これでは、腹腔鏡3の先端部4の洗浄効率が悪化する。そこで、余分な洗浄流体及び汚染された洗浄流体はノッチ部46を通じて速やかに流出して排除される。
前出の軸着パッキン56に加えてハウジング部11と切替弁部40との気密性を確保する水密部材48も設けられる。水密部材48は、閉鎖板部41または多孔板部43のいずれか、もしくは閉鎖板部41及び多孔板部43の両方に備えられる。図示の実施形態では、水密部材48は閉鎖板部41及び多孔板部43の両方に備えられる。水密部材48も傾斜部44と同様にSBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の公知の軟質材料から形成される。水密部材48が設けられることにより、ハウジング部11と穿刺筒部2の上下方向の気密性が高まる。
図6は切替弁部40の操作により封止された状態のハウジング部11を示す。切替弁部40の操作レバー47は回動軸55を中心に紙面右向き(時計回り)に回動される。そこで、切替弁部40の弁体部57も回動して内筒部12の下端は閉鎖板部41により封止され、内筒部12は気密される。このとき、弁内流路49は誘導流路20と接続され、誘導流路20を介して内筒部12内に流入する洗浄流体は貫通孔42より噴出し、腹腔鏡3は洗浄される。つまり、多孔板部43及び貫通孔42は、腹腔鏡3の先端部4に対するシャワーヘッドとして機能する。当該封止状態において、腹腔鏡3の先端部4及び側面部5は洗浄される。洗浄時の洗浄流体の廃水はノッチ部46等から流出部14を通じて腹腔鏡洗浄トロカー1の外部に排出される。
図7は切替弁部40の操作により開放された状態のハウジング部11を示す。切替弁部40の操作レバー47は回動軸55を中心に紙面左向き(反時計回り)に回動される。そこで、切替弁部40の弁体部57も回動して内筒部12の下端は閉鎖板部41による封止から開放され、内筒部12の気密は腹腔側に向かって解除される。この状態は、腹腔鏡3を穿刺筒部2側、さらには、その奥の腹腔内へ挿入している状態である。図示から理解されるように、切替弁部40の弁体部57はハウジング部11の退避部18に移動して同退避部18内に収まる。そのため、腹腔鏡3を洗浄していない状態においても切替弁部40の弁体部57はハウジング部11の退避部18内に収容されて切替弁部40の弁体部57は邪魔にならない。特に、腹腔鏡洗浄トロカー1は大きさを必要以上に大きくすることなく、逆止弁と腹腔鏡の両方の洗浄機能を併せ持つことができる。
これより、図8ないし図10の部分側面図を用い、腹腔鏡洗浄トロカー1における腹腔鏡3の洗浄の様子を順次説明する。図8の部分側面図は腹腔鏡3が腹腔内に挿入されている状態である。図8は通常の腹腔鏡を用いた施術の状態である。図示では、紙面奥手側に退避部18を向けた状態であり、切替弁部40は二点鎖線により図示されている。逆止弁15a,15bは腹腔鏡3の側面部5と接しており、内筒部12内の気密は確保されている。そこで、注入された炭酸ガスを伴った血液、組織等の微粒子、煙の穿刺筒部2側からの逆流は、逆止弁15a,15bを介して抑制されている。流入側コック53は閉じられ、洗浄流体の内筒部12への流入は止められている。さらにこのとき、流出側コック54も閉じられている。術中の気腹の維持は他のトロカーの流入口を通じて気腹チューブを介し気腹器から送られる炭酸ガスにより行われる(図示せず)。気腹器には腹腔内の圧センサーが備えられ、圧の低下があれば随時炭酸ガスが送気され一定の圧(通常8ないし12mmHg)が保たれる。
手術を継続していると、電気メスから発生する煙や超音波凝固切開装置から発生する血液、組織、脂肪などの微粒子の霧が腹腔鏡3の先端部4のカメラレンズに付着したり、血液などで汚れた組織にカメラレンズが不意に触れたりして術野の視界が悪化する。さらに表面が汚れた腹腔鏡3を出し入れすることにより、血液、組織、脂肪などの微粒子が逆止弁15a,15bにも付着する。逆止弁の汚れを放置すると腹腔鏡3の先端部4のカメラレンズを汚してしまうこととなる。そこで、図9のとおり、腹腔鏡3の先端部4が内筒部12内に到達するまで、腹腔鏡3は引き上げられる(後退される)。そして、操作レバー47の操作を通じて切替弁部40の弁体部57が所定位置まで回動し、内筒部12の下端は切替弁部40により封止される。
内筒部12の封止が十分となった後、図10のとおり、腹腔鏡3の先端部4は多孔板部43の周壁部45の内側に設けられた傾斜部44に近接ないし当接される。流入部13に洗浄流体のチューブ(図示せず)が接続され、流入側コック53が開かれ、さらに流出側コック54が開かれ流出部14に接続された吸引チューブからの吸引が開始されることにより、この吸引力が駆動力となって洗浄流体は流入部13、誘導流路20、壁内流路21の順に流入する。そして、洗浄流体は壁部ノズル部22から噴出し、腹腔鏡3の側面部5と、逆止弁15a,15bが洗浄される。同時に、洗浄流体は多孔板部43の貫通孔42からも噴出し腹腔鏡3の先端部4は集中的にシャワーの要領により洗浄される。洗浄後の使用済み(汚染された)洗浄流体はノッチ部46から排水され、流出部14を通じて吸引器側に排出される。
流入部13側からの洗浄流体の供給駆動は陽圧によって行われるのではなく、流出部14側の吸引の陰圧によってもっぱら行われる。このため洗浄時には内筒部12内は常時陰圧に維持される。そのため、洗浄済みの洗浄流体は内筒部12内に滞留しない。また、内筒部12内は常時陰圧に維持されるがゆえに、洗浄流体が切替弁部40を超えて穿刺筒部2側から腹腔内に漏洩したり逆止弁15a,15bを強引に逆流したりする等の内筒部12内から洗浄流体の外部への流出は極めて起こり難い。
腹腔鏡3や逆止弁15a,15bの洗浄が終了したら、引き続きそれらの乾燥が始まる。すなわち、流入部13側からの洗浄流体の供給は中止され、代わって流入部13側が大気に解放され空気の流入を開始する。しばらく、流出部14からの吸引が継続される。このとき、内筒部12内は陰圧に維持されているため、空気が腹腔鏡洗浄トロカー1の外部から内筒部12に浸入し、内筒部12の内部において、腹腔鏡3及び逆止弁15a,15bは乾燥される。こうして、洗浄を終えた腹腔鏡3は再び腹腔内に挿入可能となる。
図9及び図10における説明から理解されるように、腹腔鏡洗浄トロカー1では、手術従事者は主に本体部10の切替弁部40の操作レバー47を操作することができる。この操作により、簡便かつ容易に腹腔鏡3の側面部5と逆止弁15a,15bのみならず腹腔鏡3の先端部4の洗浄までも、その洗浄と乾燥が単一の部材内(実施形態におけるハウジング部11の内筒部12)において完結する。従って、いったんトロカー内に挿入した腹腔鏡を全部抜き取って洗浄したり、逆止弁を拭き取ったりする等の手間が一切不要となる。従って、腹腔鏡を用いた手術従事者の負担軽減と手術の効率化が可能となる。
本発明の腹腔鏡洗浄トロカーによると、簡易な構造かつ簡単な操作により、トロカー内に備えられた逆止弁の掃除とともに、腹腔鏡のカメラレンズの洗浄も併せて行うことができることから、手術従事者の作業負担の軽減に貢献する。よって、既存の腹腔鏡用のトロカーの代替として有望である。
1 腹腔鏡洗浄トロカー
2 穿刺筒部
3 腹腔鏡
4 腹腔鏡の先端部
5 腹腔鏡の側面部
10 本体部
11 ハウジング部
12 内筒部
13 流入部
14 流出部
15a,15b 逆止弁
16 壁部
18 退避部
20 誘導流路
21 壁内流路
22 壁部ノズル部
40 切替弁部
41 閉鎖板部
42 貫通孔
43 多孔板部
44 傾斜部
45 周壁部
46 ノッチ部
47 操作レバー
48 水密部材
49 弁内流路
51 把持部
53 流入側コック
54 流出側コック
55 回動軸
56 軸着パッキン
57 弁体部
58 レバー開口部

Claims (10)

  1. 穿刺筒部と、前記穿刺筒部の一端に接続された本体部を備え、
    前記本体部は、
    ハウジング部と、
    前記ハウジング部の内部に形成され腹腔鏡が挿通する内筒部と、
    前記内筒部の内部へ洗浄流体を誘導する誘導流路と、
    前記ハウジング部の前記穿刺筒部側に設置され、前記腹腔鏡の先端部が前記内筒部へ後退した際に前記内筒部を封止し、前記腹腔鏡の前記穿刺筒部への前進時に前記内筒部を開放する切替弁部と、を備える
    ことを特徴とする腹腔鏡洗浄トロカー。
  2. 前記切替弁部が、前記穿刺筒部側に閉鎖板部と、貫通孔が穿設され前記閉鎖板部の直上に配された多孔板部の両方を備え、
    前記切替弁部による前記内筒部の封止時に前記閉鎖板部により前記内筒部は気密され、前記誘導流路を介して流入する洗浄流体が前記貫通孔から噴出して前記腹腔鏡を洗浄する請求項1に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  3. 前記ハウジング部に洗浄流体の流入部及び流出部が備えられ、
    前記内筒部内に逆止弁が備えられ、
    前記ハウジング部の壁部の内部に形成され前記流入部から流入した洗浄流体を前記内筒部の内部へ誘導し前記内筒部から噴出させる壁内流路が備えられる請求項1または2に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  4. 前記多孔板部に周壁部が備えられ、前記周壁部が傾斜している請求項2に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  5. 前記周壁部にノッチ部が形成されている請求項4に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  6. 前記切替弁部に前記ハウジング部から突出する操作レバーが備えられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  7. 前記切替弁部による前記内筒部の開放及び封止が前記操作レバーを介した回動により行われる請求項6に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  8. 前記ハウジング部が、前記切替弁部の回動のための退避部を備える請求項7に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  9. 前記閉鎖板部または前記多孔板部のいずれかもしくは両方に水密部材が設けられている請求項2に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
  10. 前記流出部からの吸引により、前記内筒部の内部は陰圧となる請求項3に記載の腹腔鏡洗浄トロカー。
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