JP2020048364A - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
後述する実施例との比較のために、従来の二次転写電源及び中間転写ベルトのクリーニング電源について、以下に説明する。図7は、中間転写ベルト(以下、「ITB」という)P4を有する画像形成装置が備える電源装置の、従来の二次転写電源及びITBクリーニング(以下、「ICL」という)電源を模式的に示した回路図である。二次転写電源及びICL電源は、それぞれ正極性、負極性の直流の高電圧を二次転写ローラP1、ICLブラシP2に供給する電源である。図1に示す電源装置は、正極性の直流電圧を供給する二次転写正電源(第2の電源部)V1及びICL正電源V2(第3の電源部)を有している。更に、図1に示す電源装置は、負極性(所定の極性)の直流電圧を供給する二次転写負電源、及び負極性の直流電圧を供給するICL負電源の二つの負電源を共通化した二次転写負電源及びICL負電源V3を有している。
二次転写正電源V1、ICL正電源V2は、それぞれ後述するASIC IC1からの制御信号に応じてトランスを駆動するトランス駆動回路、出力電圧を生成するトランス、トランスの出力電圧を整流する整流回路を内部に有している。二次転写正電源V1、ICL正電源V2は、それぞれASIC IC1からの制御信号(アナログ信号)に応じて、二次転写ローラP1、ICLブラシP2に正電圧を印加する。なお、二次転写正電源V1、ICL正電源V2に並列に接続された抵抗R1、R12はブリーダ抵抗である。ブリーダ抵抗R1、R12は、後述する二次転写負電源及びICL負電源V3がオンしたときに、それぞれ二次転写ローラP1、ICLブラシP2に流れる負荷電流の経路となる。
IC1は、後述する電流検知回路IS1、IS2により検知された、二次転写ローラP1やICLブラシP2を流れる負荷電流値に基づいて、二次転写正電源V1、ICL正電源V2及び負電源V3の出力を制御するASIC(特定用途向け集積回路)である。制御部であるASIC IC1は、D/Aポート1、2、3から、それぞれ制御信号(アナログ信号)を出力して二次転写正電源V1、ICL正電源V2、負電源V3の出力電圧を制御し、二次転写ローラP1、ICLブラシP2に正電圧、負電圧を供給させる。
電流検知回路IS1、IS2は、それぞれ二次転写ローラP1、ICLブラシP2に流れる負荷電流を検知し、検知した負荷電流値をASIC IC1のA/Dポート4、5へ出力する。電流検知回路IS1(第1の電流検知部)は、オペアンプIC2、コンデンサC4、C5、C6、抵抗R7、R8、R10、R11、検知抵抗R9から構成されている。オペアンプIC2の非反転入力端子(+)には、電圧3.3Vを抵抗R7、R8で分圧した電圧が入力される。反転入力端子(−)は、非反転入力端子(+)とイマジナリショートの関係にあるため、非反転入力端子(+)とほぼ同電位の状態が保たれる。そのため、A/Dポート4を介してASIC IC1に入力される電圧は、オペアンプIC2の反転入力端子(−)の電圧、すなわち非反転入力端子(+)に入力される電圧から検知抵抗R9に流れた負荷電流の分だけ電圧降下した電圧値となる。同様に、電流検知回路IS2(第2の電流検知部)は、オペアンプIC3、コンデンサC8、C9、C10、抵抗R19、R20、R22、R23、検知抵抗R21から構成されている。オペアンプIC3の非反転入力端子(+)には、電圧3.3Vを抵抗R19、R20で分圧した電圧が入力される。反転入力端子(−)は、非反転入力端子(+)とイマジナリショートの関係にあるため、非反転入力端子(+)とほぼ同電位の状態が保たれる。そのため、A/Dポート5を介してASIC IC1に入力される電圧は、オペアンプIC3の反転入力端子(−)の電圧、すなわち非反転入力端子(+)に入力される電圧から検知抵抗R21に流れた負荷電流の分だけ電圧降下した電圧値となる。
画像形成時には、感光ドラムP5上にトナー像が形成され、一次転写電源(不図示)から一次転写パッドP6に印加された転写電圧により、感光ドラムP5上のトナー像がITB P4(像担持体)に転写される。その後、ASIC IC1からの制御により、二次転写正電源V1から二次転写ローラP1(転写部)に正極性の転写電圧が印加されると、ITB P4上(像担持体上)のトナー像が、ITB P4と二次転写ローラP1に狭持された記録材に転写される。なお、本実施例では、記録材に画像形成を行う画像形成部には、感光ドラムP5、一次転写パッドP6、二次転写ローラP1、ICLブラシP2、ITB P4が含まれるものとする。また、記録材に転写されず、ITB P4に残ったトナーは、ASIC IC1からの制御により、ICL正電源V2からICLブラシP2(クリーニング部)に正極性の電圧が印加されることにより、ICLブラシP2に一時的に回収される。このとき、二次転写ローラP1に流れる負荷電流である二次転写電流の電流値は、電流検知回路IS1によって検知することができる。二次転写電流は、二次転写正電源V1から二次転写ローラP1を経由して、ITB P4を回転させる駆動ローラP3のグランド(以下、「GND」という)に流れる。そして、二次転写電流は、オペアンプIC2のGNDからオペアンプIC2、抵抗R10、検知抵抗R9、ブリーダ抵抗R2を経由して、二次転写正電源V1に戻る。オペアンプIC2の非反転入力端子(+)には、電圧3.3Vを抵抗R7、R8で分圧した基準電圧が入力され、反転入力端子(−)とのイマジナリショートが成立するように制御される。そのため、電流検知回路IS1は、二次転写ローラP1に流れた二次転写電流の電流値を検知抵抗R9における電位差として検知し、検知電圧として出力する。そして、電流検知回路IS1によって出力される検知電圧は、A/Dポート4を介して、ASIC IC1に入力される。
一方、クリーニングプロセス時には、ASIC IC1は負電源V3をオンする。そして、負電源V3から供給される負電圧は、ブリーダ抵抗R1を経由して二次転写ローラP1に供給されるとともに、抵抗R12を経由してICLブラシP2にも供給される。二次転写ローラP1に印加される負電圧により、二次転写ローラP1に付着したトナーはITB P4に転写され、二次転写ローラP1から除去される。また、ICLブラシP2に一時的に回収されたトナーは、ICLブラシP2に印加される負電圧によりITB P4に吐き出される(転写される)。その後、ITB P4に転写されたトナーは、一次転写パッドP6に印加された転写電圧により感光ドラムP5に転写され、感光ドラムP5を有し、画像形成を行うカートリッジ(不図示)内の廃トナー容器に回収される。
図1は、実施例1のITB P4を有する画像形成装置が備える電源装置の、二次転写電源及びICL電源を模式的に示した回路図である。なお、図1では、上述した図7と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。本実施例の図1が従来例の図7と異なる点は、電流検知回路IS1、IS2に接続されている整流回路RE1、RE2の圧電トランスT1からの出力電圧が入力される入力端との間に、分離部であるコンデンサC1を直列に配置している点である。これにより、負電源V3がオンしたときに、電流検知回路IS1に流れる電流経路1と、電流検知回路IS2に流れる電流経路2とは、コンデンサC1により分離される。これにより、電流検知回路IS1、IS2は、それぞれ二次転写ローラP1、ICLブラシP2を流れる負荷電流の正しい電流検知結果を取得することができる。なお、圧電トランスT1からは交流電圧が出力されており、コンデンサC1の整流回路RE2側の端子には、ACカップリングされた交流電圧が出力される。そのため、コンデンサC1を配置したことによる負電源V3の回路動作への影響はない。
図2は、本実施例の図1、及び従来例の図7の回路図の負電源V3をオンし、二次転写ローラP1に流れる電流を変化させたときの二次転写負電流と電流検知回路IS1の検知電圧の一例を示した図である。図2の横軸は、負荷電流の電流値(単位:μA)を示し、縦軸は、ASIC IC1のA/Dポート4に入力される電流検知回路IS1の出力電圧である検知電圧(単位:V)を示す。また、図2に示すグラフにおいて、丸印で示すプロットは、本実施例の図1の電流検知回路IS1の検知結果であり、四角で示すプロットは、従来例の図7の電流検知回路IS1の検知結果である。従来例の回路構成では、上述したように、二次転写ローラP1に流れる二次転写負電流は、電流検知回路IS1だけでなく、電流検知回路IS2にも流れる。そのため、二次転写負電流の値を変化させても、電流検知回路IS1の検知電圧がほとんど変化せず、正しい負荷電流の検知結果を得られない。一方、本実施例の回路構成では、コンデンサC1を設けることにより、二次転写ローラP1に流れる二次転写負電流は電流検知回路IS1だけに流れ、コンデンサC1により電流が遮断されるため、電流検知回路IS2に流れ込むことはない。そのため、二次転写負電流の値を変化させると、電流検知回路IS2から出力される検知電圧も線形に変化し、正しい検知結果が得られていることがわかる。
図3は、図1の回路において、ICL正電源V2と負電源V3がオン状態で、二次転写正電源V1はオフ状態のときの電流経路を示す図である。図3に示す状態では、二次転写ローラP1には負電源V3からの負電圧が印加された状態であり、ICLブラシP2には、ICL正電源V2からの正電圧が印加された状態となっている。太い実線の矢印は、二次転写ローラP1に負電圧を印加したときに、二次転写ローラP1に流れる二次転写負電流の電流経路を示している。一方、太い破線の矢印は、ICLブラシP2にICL正電源V2から正電圧を印加したときに、ICLブラシP2に流れるICL正電流の電流経路を示している。このように、正負両極性の電源からの電圧が重畳した状態で同じ負荷に印加される場合がある。
図4は、負電源V3に用いている圧電トランスT1の負荷特性を模式的に示した図である。図4の横軸は、圧電トランスT1が出力電圧を供給する負荷のインピーダンス(単位:MΩ)を示し、縦軸は、圧電トランスT1が印加可能な最大電圧であるピーク電圧(単位:V)を示している。なお、横軸の「初期」、「末期」は、圧電トランスT1が出力電圧を供給する負荷の寿命を示しており、「初期」は負荷の使用を開始した時期を指し、「末期」は、負荷の使用可能期間の末期を指している。図4に示すように、負荷のインピーダンスが大きくなるにつれ、圧電トランスT1が負荷に印加可能なピーク電圧の絶対値は、上昇する。
図5は、実施例2のITB P4を有する画像形成装置が備える電源装置の、二次転写電源及びICL電源を模式的に示した回路図である。図5では、上述した実施例1の図1と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。本実施例の図5が実施例1の図1と異なる点は、二次転写負電圧をツェナーダイオードZD1(定電圧供給部)により、所定の一定電圧としている点である。なお、本実施例においても、実施例1の図1と同様に、電流検知回路IS1、IS2がそれぞれ接続されている整流回路RE1、RE2の入力端と入力端との間にコンデンサC1が直列に配置されている点は同じである。
VP1=VD2×(ZP1//(R3+R4))/(R1+(ZP1//(R3+R4)))・・・(式1)
画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタを例に挙げて説明する。図6に電子写真方式のプリンタの一例であるレーザビームプリンタ128(以下、プリンタ128という)の概略構成を示す。プリンタ128は、4つの感光ドラム101、102、103、104を備え、中間転写ベルト123を用いて4色のトナー像を一度に形成し重畳することによってフルカラー画像を得る、インライン方式のフルカラーレーザビームプリンタである。感光ドラム101〜104の周囲に、帯電ローラ111〜114、現像装置である現像ローラ105〜108を配置し、これらをユニット化したプロセスカートリッジ115〜118がプリンタ128本体から着脱可能な構成となっている。
IS1、IS2 電流検知回路
P1 二次転写ローラ
P2 ICLブラシ
RE1、RE2 整流回路
T1 圧電トランス
V1 二次転写正電源
V2 ICL正電源
V3 二次転写負電源及びICL負電源
Claims (15)
- 交流電圧を出力する第1の電源部と、
前記第1の電源部に接続され、前記第1の電源部から出力される前記交流電圧を整流し、所定の極性の直流電圧を出力する第1の整流部及び第2の整流部と、
前記所定の極性とは逆極性の直流電圧を出力する第2の電源部及び第3の電源部と、
前記第1の整流部の出力電圧と前記第2の電源部の出力電圧とが重畳された電圧が供給される第1の負荷に流れる電流を検知する第1の電流検知部と、
前記第2の整流部の出力電圧と前記第3の電源部の出力電圧とが重畳された電圧が供給される第2の負荷に流れる電流を検知する第2の電流検知部と、
前記第1の電流検知部を流れる電流と、前記第2の電流検知部を流れる電流とを分離する分離部と、
を備える電源装置。 - 前記分離部は、前記第1の電源部からの交流電圧が入力される前記第1の整流部の入力端と、前記第1の電源部からの交流電圧が入力される前記第2の整流部の入力端とに直列に接続されたコンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
- 前記第1の整流部又は前記第2の整流部は、前記第1の整流部又は前記第2の整流部が出力する前記直流電圧を検知する第1の電圧検知部を有し、
前記第2の電源部は、前記第2の電源部が出力する前記直流電圧を検知する第2の電圧検知部を有し、
前記第3の電源部は、前記第3の電源部が出力する前記直流電圧を検知する第3の電圧検知部を有することを特徴とする請求項2に記載の電源装置。 - 前記第1の電源部、前記第2の電源部、及び前記第3の電源部の出力電圧を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1の電圧検知部、前記第2の電圧検知部、及び前記第3の電圧検知部の検知結果に基づいて、前記第1の電源部、前記第2の電源部、及び前記第3の電源部の出力電圧を制御することを特徴とする請求項3に記載の電源装置。 - 前記第2の電圧検知部、及び前記第3の電圧検知部は、正電位の電圧の検知結果を前記制御部に出力することを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
- 前記制御部は、前記第1の電流検知部及び前記第2の電流検知部の検知結果と、前記第1の電圧検知部、前記第2の電圧検知部、及び前記第3の電圧検知部の検知結果と、に基づいて、前記第1の負荷及び前記第2の負荷のインピーダンスを算出し、算出した前記第1の負荷及び前記第2の負荷のインピーダンスに応じて、前記第1の電源部、前記第2の電源部、及び前記第3の電源部の出力電圧を制御することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電源装置。
- 前記第2の電源部から前記逆極性の直流電圧が出力されず、前記第1の整流部から前記所定の極性の直流電圧が出力されている場合には、前記第1の負荷に所定の電圧を供給する定電圧供給部を備えることを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
- 前記電圧供給部は、ダイオードとツェナーダイオードとを有することを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
- 前記制御部は、前記第2の電流検知部の検知結果に基づいて、前記第2の負荷に一定の電流値の電流が供給されるように、前記第1の電源部及び前記第3の電源部を制御することを特徴とする請求項8に記載の電源装置。
- 前記第1の電源部は圧電トランスを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電源装置。
- 前記第1の整流部及び前記第2の整流部は、ダイオードを有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電源装置。
- 画像を形成するための画像形成部と、
前記画像形成部に高電圧を供給する電源装置と、を備え、
前記電源装置は、
交流電圧を出力する第1の電源部と、
前記第1の電源部に接続され、前記第1の電源部から出力される前記交流電圧を整流し、所定の極性の直流電圧を出力する第1の整流部及び第2の整流部と、
前記所定の極性とは逆極性の直流電圧を出力する第2の電源部と、
前記所定の極性とは逆極性の直流電圧を出力する第3の電源部と、
前記第1の整流部の出力電圧と前記第2の電源部の出力電圧とが重畳された電圧が供給される第1の負荷に流れる電流を検知する第1の電流検知部と、
前記第2の整流部の出力電圧と前記第3の電源部の出力電圧とが重畳された電圧が供給される第2の負荷に流れる電流を検知する第2の電流検知部と、
前記第1の電流検知部を流れる電流と、前記第2の電流検知部を流れる電流を分離する分離部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成部は、画像を担持する像担持体と、前記像担持体上の画像を記録材に転写する転写部と、前記像担持体をクリーニングするクリーニング部と、を備え、
前記第1の電源部から出力された電圧が前記転写部と前記クリーニング部に供給されることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。 - 前記第2の電源部から出力された前記直流電圧は前記転写部に供給され、
前記第3の電源部から出力された前記直流電圧は前記クリーニング部に供給されることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。 - 更に、画像が形成される感光ドラムを有し、
前記像担持体は、前記感光ドラムに形成された画像が転写される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の画像形成装置。
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