JP2020047688A - 積層回路基板、積層モジュールおよび携帯表示機器 - Google Patents

積層回路基板、積層モジュールおよび携帯表示機器 Download PDF

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Abstract

【課題】平面状のアンテナを有する基板において、アンテナ面(基板でアンテナを配置した側の面)ではなく、IC面(基板でICを配置した側の面)でのマザーボード等との接続に際して、低損失で、組み立てを容易にする積層回路基板を提供する。【解決手段】本発明の積層回路基板100は、セラミック積層基板10と、屈曲性を有する配線部20Iを備える多層基板20とを一体化する。多層基板は、セラミック積層基板と一体化する側とは反対側に、増幅回路素子(パワーアンプ42)を有する。配線部は、増幅回路素子とは異なる半導体素子(高周波IC40)を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信に使用する積層回路基板、積層モジュールおよび携帯表示機器に関する。
近年、携帯電話等のモバイル機器を中心とした無線通信機器に用いられる無線通信モジュールは、端末の高機能化に伴い、筺体内の実装エリアの縮小が進んでおり、小型化・低背化が求められている。
従来、平面状のアンテナを有する基板では、裏面にIC(ICチップなどの半導体チップ)を搭載し、かつ、その基板をマザーボードに実装することが行われている。しかし、アンテナ面(上記基板でアンテナを有する側の面)をマザーボードの面に対向させるようにして上記基板に実装すると、十分な放射特性を出すことが難しい。そのため、IC面(上記基板でICを搭載した側の面)でマザーボードと上記基板とを接続することになるが、上記基板と接続を確保する際の組み立てが難しくなったり、構造が複雑になったりするという問題があった。
また、高周波信号は減衰し易いため、無線通信モジュールへの信号入力又は信号出力は通常の端子からではなく、低損失な同軸ケーブルを利用する方が良い。しかし、同軸ケーブルを上記基板に取り付けると、マザーボートとの組み立てが難しくなるという問題があった。
なお、マザーボードが低損失材料の基板で作製されていた場合、同軸ケーブルでは無く、BGA(半田ボールを用いたボールグリッドアレイ)を介して上記基板とマザーボード間で信号入力又は信号出力を行ったとしても、損失が低く実現できる可能性はあるが、低損失材料の基板は非常に高価であるため、工業的な大量生産をもってしても、それをマザーボード全体に使用することは現実的ではない。
たとえば、特許文献1は、可撓性を備えたフレキシブルプリント配線基板を開示しており、筐体への組み込みに用いることが記載されているが、組み立て性や接続性の向上を図るには十分とは言えない。同軸ケーブルと基板との接続や取り回しの詳細については、開示されていない。
特開2012−151829号公報
本発明の目的は、マザーボード等との接続に際して、低損失であって、組み立てを容易にする積層回路基板、その積層回路基板を用いた積層モジュール並びに携帯表示機器を提供することにある。
本発明の積層回路基板は、セラミック積層基板と、屈曲性を有する配線部を備える多層基板とを一体化した積層回路基板であって、
前記多層基板は、前記セラミック積層基板と一体化する側とは反対側に、増幅回路素子を設ける為の領域を有し、
前記配線部は、前記増幅回路素子とは異なる半導体素子を設ける為の領域を有することを特徴とする。
本発明の積層モジュールは、セラミック積層基板と、屈曲性を有する配線部を備える多層基板とを一体化した積層回路基板であって、
前記多層基板は、前記セラミック積層基板と一体化する側とは反対側に、増幅回路素子を有し、
前記配線部は、前記増幅回路素子とは異なる半導体素子を有することを特徴とする。
上記の本発明に係る積層モジュールにおいて、前記増幅回路素子は、前記配線部と対向する側とは反対側に、放熱用部材を有してもよい。前記多層基板はGND部を有し、前記GND部と前記放熱用部材とは接続されていてもよい。前記多層基板はGND部を有し、前記GND部と前記放熱用部材とは他の放熱用部材を介して接続されていてもよい。前記増幅回路素子の側面と対向するように、更に他の放熱用部材を有していてもよい。
上記の本発明に係る積層モジュールにおいて、前記増幅回路素子はパワーアンプであってもよい。前記増幅回路素子として、前記パワーアンプの他に、ローノイズアンプも有していることが好ましい。
上記の本発明に係る積層モジュールにおいて、前記増幅回路素子はローノイズアンプであってもよい。
前記セラミック積層基板はLTCC積層基板であり、前記多層基板はLCP積層基板であってもよい。前記配線部にアンテナを設けてもよい。前記セラミック積層基板にアンテナを設けてもよい。
上記の本発明に係る積層モジュールを複数個備え、少なくとも1つの配線部は前記積層回路基板同士を接続してもよい。
本発明の携帯表示機器は、上記の積層モジュールを複数個備え、前記積層モジュールはマザーボードに接続されていることを特徴とする。
上記の本発明に係る積層モジュールを複数個と、制御半導体とを備え、複数の前記配線部を前記制御半導体に接続していてもよい。そして、本発明の他の携帯表示機器は、前記積層モジュールを備え、前記積層モジュールおよび前記制御半導体から選ばれる少なくとも1つはマザーボードに接続されていることを特徴とする。
本発明によって、マザーボード等との接続に際して、低損失であって、組み立てを容易にする積層回路基板、その積層回路基板を用いた積層モジュール並びに携帯表示機器を提供することができる。
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層モジュールを携帯表示機器に搭載した様子を示す上面図である。 本発明に係る積層モジュールを他の携帯表示機器に搭載した様子を示す(a)上面図および(b)側面である。 本発明に係る積層モジュールを他の携帯表示機器に搭載した様子を示す上面図である。 本発明に係る積層モジュールを他の携帯表示機器に搭載した様子を示す(a)上面図および(b)側面である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す側面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す断面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す断面図である。 本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、概略を示す断面図である。 本発明に係る積層モジュールのケーブル部(少なくともマイクロストリップラインを含む構造)について、概略を示す断面図である。 本発明に係る積層モジュールの他のケーブル部(少なくともストリップラインを含む構造)について、概略を示す断面図である。 LTCC積層基板にICチップを搭載したモジュール(参考形態)について、概略を示す側面図である。 参考形態に係るモジュールについて、マザーボードに搭載する様子を示す側面図である。
本発明の実施形態を、以下で図面に沿って説明するが、本発明は必ずしもそれらに限定されるものではない。説明は、特に断りがなければ他の実施形態にも適用できる。
(第1の実施形態)
本発明に係る積層モジュールは、セラミック積層基板と、屈曲性を有する配線部を備える多層基板とが一体化された積層モジュールを有する。そして、前記多層基板は、前記セラミック積層基板と一体化する側とは反対側(増幅回路素子配置用の領域)に、増幅回路素子を有する。そして、前記配線部は、(その半導体素子配置用の領域に)前記増幅回路素子とは異なる半導体素子を有することを特徴とする。以下においては、積層回路基板を構成するセラミック積層基板の典型例としてLTCC積層基板を用い、屈曲性を有する配線部を備える多層基板としてLCP積層基板を用いた例で説明する。
本発明に係る積層回路基板にパワーアンプを搭載した積層モジュールについて、例えば図1の側面図に示す。図1に示す積層モジュールにおいて、積層回路基板100は、屈曲可能なケーブル部20Iを有するLCP積層基板20と、前記LCP積層基板20を熱圧着で接合したLTCC積層基板10と、前記LCP積層基板20の主面(図中では右側の面)に設けられたパワーアンプ42と、前記LTCC積層基板10の主面(図中では左側の面)に設けられた複数のアンテナ34とを有する。そして、ケーブル部20Iは、パワーアンプ42から離隔して、一方の面にICチップとして高周波IC40及び高周波IC41を有し、他方の面に複数の実装パッド45を備える。ケーブル部20Iが可撓性を有し、図1のように屈曲させることが出来る。従って、この積層モジュールを携帯表示機器などの装置内に設ける際には、筐体の形に合わせて、高い自由度をもってケーブル部20Iを曲げて配置することができるので、組み立て性および実装性に優れている。ここで、ケーブル部20Iは、LCP積層基板20の一部であって、その側面に連続的且つ一体に形成されており、高周波IC40,41が実装パッド45を介してマザーボードと高周波信号をやりとりする際の低損失化に寄与している。LCP積層基板20は、LTCC積層基板10と接合している領域がリジッドとなるので、積層モジュールにおいてパワーアンプ42の配置がずれたりする心配は無い。
そして、図1で複数のアンテナ34(具体的にはアレイアンテナ)は外部に電波を送信するものであるが、その送信特性を補う為のパワーアンプ42が積層回路基板100に設けられている。高周波IC40,41で位相制御まで行い、最終段の信号の増幅をパワーアンプ42で行って、アンテナから電波を送信する。素子等の配置の観点で言うと、アンテナ34から見て、積層回路基板100の直下にパワーアンプ42が有るので、線路を短くでき、増幅―アンテナ送信間の損失や送信特性の劣化を抑制することに寄与する。また、LCP積層基板20の主面(図中では右側の面)にパワーアンプ42やローノイズアンプを設けると、更に他のICチップを設けるスペース(素子配置用の領域)が無くなることがあるが、ケーブル部20Iに高周波IC40,41を設けているので、前記スペースが限られていても高周波ICを組み込むことができる。パワーアンプ及びローノイズアンプの両方を前記LCP積層基板20の主面に設けることは可能である。また、アンテナ34から見て、積層回路基板100の直下に(アンテナの近傍に)ローノイズアンプを設けると、受信マージンの向上に寄与する。
さらに、図1のパワーアンプ42として、化合物系半導体を用いたパワーアンプを用いることが好適であり、具体的にはGaN、GaAs、或いはInP等のいずれかのパワーアンプを用いることが出来る。これらのパワーアンプは効率が良く、消費電力は抑制される。これらのパワーアンプで信号を増幅して出力を上げても、Siの高周波ICのように送信電力が不足して必要な送信特性を得られなくなることは無いし、積層モジュール或いは携帯表示機器の消費電力を増大させることも無い。
図1の構成において、LCP積層基板20およびケーブル部20Iは、例えば、液晶ポリマーを積層して一括プレスして形成したものであり、低誘電率で低損失化に寄与する。LCP積層基板20およびケーブル部20Iは、LTCC積層基板10側或いはその反対側(パワーアンプ42と接続する側)と電気的に接続する為の配線やビアホールを内部に形成していて、ケーブル部20I内の配線の少なくとも一部は高周波ICや実装パッドと接続することができる。厚さの制約などが特に無い場合には、積層の際に内部に内蔵部品を収納してもよい。アンテナ層を被覆層で覆うこともできる。
なお、図1でLCP積層基板20の内部に形成された配線やビアホールのうち、回路のグラウンド(接地)に相当する箇所をGND部として表面に露出させて、前記GND部とパワーアンプ42を接続すると、パワーアンプ42が発生した熱を前記GND部から逃がすことができる。特に、LCP積層基板のGND部と、パワーアンプのGNDとを接続するのが放熱性且つ回路的な観点で好ましい。また、GND以外の配線やビアホールをLCP積層基板20内に設け、一方の端をパワーアンプ42(或いはパワーアンプ内の導電部)に接続してパワーアンプ42の熱を吸収し、他方の端をパワーアンプ42と対向する領域以外の部分でLCP積層基板の表面に露出させて(露出部)、その露出部から雰囲気中に熱を放出してもよい。
LTCC積層基板10は、例えば、LTCC用のグリーンシートを積層・圧着して焼成したものである。外側(アンテナ側或いはLCP積層基板20側)または内側(受動部品などを層間に形成している場合、内部に相当する)と電気的に接続する為の配線やビアホールを内部に形成している。
アンテナ34とLTCC積層基板10の間に、LCPの再配線層を設ける場合には、例えば、液晶ポリマーを積層して一括プレスして形成したもので再配線層を構成する。この再配線層は、積層の際に、アンテナ34を設ける側或いはLTCC積層基板10と対向する側について電気的に接続する為の配線やビアホールを内部に形成している。ここで、LCPは液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)を指す。再配線層(RDL:Redistribution Layer)は微細配線層と呼ばれることもある。電気的に接続する為の配線やビアホールは、AgやCuなどを用いることができる。
製造手順は、例えば、LTCC積層基板10を作製し、その一方の面(アンテナ34側とは反対の面)にLCP積層基板20を1層1層のLCPのビルドアップで形成して熱圧着して一体化する方法、或いは、LCPシートを必要数積層後にLTCC積層基板と熱圧着して一体化する方法である。なお、LCP積層基板内にも回路を形成するが、これはLCPシートに導体薄膜を張り付け、エッチング処理にて回路パターンを形成したり、導体薄膜パターンをめっきやスクリーン印刷により形成したりする方法もある。ビア形成も同様なプロセスにて形成する。
(第2の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にパワーアンプを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図2の側面図に示す。図2が図1と異なる点は、パワーアンプ42の面(LCP積層基板20と対向する側とは反対の面)に放熱部材43を設けていることである。この放熱部材43(第1の放熱部材)は、パワーアンプ42が発生する熱を吸収して、パワーアンプ42と対向していない側から雰囲気中へ熱を放出するために設ける。放熱部材43によって放熱特性を向上すると、パワーアンプを更に効率よく動作させることができる。上記の放熱部材43は、例えば、導電ペースト或いは熱伝導樹脂を用いて作製する。導電ペーストは、AgやCu等の金属の粒子とバインダと溶剤とを含有する導電ペーストを、塗布或いは印刷し、パターン化して、加熱して溶剤等の揮発成分を飛ばすことで導電ペースト層を形成する。熱伝導樹脂は、AgやCu等の金属のフレークや粒子(或いは導電性のカーボンの粒子)を、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に混合したものを用い、塗布、印刷或いは充填し、パターン化して、加熱硬化(キュア)して熱伝導樹脂層を形成する。なお、放熱パターン(たとえば、放熱部材の形状や配置)は、放熱効果を十分に得るためには、広い面積を持つことが好適である。また、この放熱パターンの面(放熱面)を筐体(例えば携帯表示機器の筐体)内の内部壁等の金属部に接触させることで、更に高い放熱効果を得ることができる。一方、もし、既に金属面が確保できる場合、その金属面と半導体素子(特に、増幅回路素子など)表面とをシリコングリスを介して接合することで、高い放熱効果を得ることも可能である。
(第3の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にパワーアンプを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図3の側面図に示す。図3が図2と異なる点は、放熱部材43の上面及び側面の一部と、パワーアンプ42の側面の一部と、LCP積層基板20とを熱的に接続するように、放熱部材46を設けていることである。パワーアンプ42の発熱が、パワーアンプの側面の一部及び放熱部材43の一部から放熱部材46(第2の放熱部材)に伝わって、放熱部材46からLCP積層基板20(より好ましくは、LCP積層基板20の表面に露出したGND部48)へ放熱され、且つ、放熱基板46自体の面(放熱部材43側とは反対側)から雰囲気中へ放出され、放熱が更に促進される。
(第4の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にパワーアンプを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図4の側面図に示す。図4が図1と異なる点は、LCP積層基板20の他端にケーブル部20Jが設けられ、このケーブル部20Jの先端部の表面に複数のアンテナ35を有することである。積層モジュールを携帯表示機器に設ける際の取り回しに応じて、ケーブル部20I及びケーブル部20Jは互いに部品を搭載する側や位置を入れ替えたり、変更したりしてもよい。
(第5の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にパワーアンプを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図5の側面図に示す。図5が図4と異なる点は、パワーアンプ42の面(LCP積層基板20と対向する側とは反対の面)に放熱部材43を設けていることである。
(第6の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にパワーアンプを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図6の側面図に示す。図6が図1と異なる点は、高周波IC40,41を設ける側と、複数の実装パッド45を設ける側とを逆にしたことである。
(第7の実施形態)
本発明に係る積層モジュールを携帯表示機器に搭載した様子について、例えば図7の上面図(携帯表示機器の内部を透視した上面図)に示す。携帯表示機器200の内部において、一対の積層モジュール101bを対角近傍となるように配置する際に、ケーブル部20Bを介して両者を接続することができるので、端から端に配線する際に有用である。このとき、ケーブル部は携帯表示機器のマザーボード(主基板ともいう)に接しても良いし、中空配置(マザーボードに接触せず、携帯表示機器内の中空にわたすように配置)でも良いし、また、蓋部(筐体の一部で蓋となっている箇所)の内壁に添うように配置しても良い。配線部に相当するケーブル部20Bは、図1の構成を2つ作製し、ケーブル部20I同士を接続することで、形成しても良い。また、1つのケーブル部20B(LCP積層基板と同じく液晶ポリマーを有する)の両端にLCP積層基板20が一体に形成されていて、それぞれのLCP積層基板20にLTCC積層基板10が接合されて一体化したものを用いても良い。ケーブル部20Bにおいて、高周波IC40,41を設ける端部の幅や輪郭を図7に示す形にしてもよい。パワーアンプ42は積層モジュール101bの中央あたりに配置する。積層モジュールは、実装パッド或いはケーブル部(更に追加したケーブル部)などを介して、マザーボードに接続することができる。
(第8の実施形態)
本発明に係る積層モジュールを他の携帯表示機器に搭載した様子について、例えば図8の(a)上面図(携帯表示機器の内部を透視した上面図)および(b)側面図(携帯表示機器の内部を透視した側面図)に示す。携帯表示機器200の内部において、一対の積層モジュール101bを対角近傍の筐体(図8のアウトラインに相当)内の側壁にそれぞれ配置する際に、筐体内の主面を這わせたケーブル部20Bを介して両者(積層モジュール101b同士)を接続することができる。図8の積層モジュール101bは筐体内の主面に対して直交するように配置されるので、これを縦置きと呼んで差し支えない(図7の積層モジュール100は筐体内の主面に配置されているので横置きと呼ぶ)。縦置きとしたので、ケーブル部20Bの端部20B−R,20B−Lのそれぞれの面に高周波IC40が設けられていることが判る。なお、積層モジュール101bの部分に代えて、後に述べる図11から図16いずれかに記載の積層モジュールを適用してもよい。また、図8(b)で積層モジュール101bの幅は、携帯表示機器の厚さより僅かに小さいものとしたが、さらに細幅のものを用いることも出来る。
(第9の実施形態)
本発明に係る積層モジュールを他の携帯表示機器に搭載した様子について、例えば図9の上面図(携帯表示機器の内部を透視した上面図)に示す。図9が図7と異なる点は、一方の積層モジュール101b(図9中では右上)のケーブル部20B2が中央に配置した制御半導体300に接続され、他方の積層モジュール101b(図9中では左下)のケーブル部20B2が前記制御半導体300に接続されていることである。携帯表示機器内の中央部分には、両積層モジュール101bに中間周波数での信号を送信する制御半導体300(ベースバンドICやアプリケーションプロセッサ)が配置され、実質的に制御半導体300が両積層モジュール101bを制御する。マザーボードには制御半導体300を接続する(制御半導体および積層モジュールの少なくとも1つからマザーボードに接続することもできる)。
(第10の実施形態)
また、本発明に係る積層モジュールを他の携帯表示機器に搭載した様子について、例えば図10の(a)上面図(携帯表示機器の内部を透視した上面図)および(b)側面図(携帯表示機器の内部を透視した側面図)に示す。図10が図9と異なる点は、積層モジュール101bが縦置きになっていることである(図9の積層モジュール101bは横置き)。縦置きとしたので、ケーブル部20B2の端部20B−R,20B−Lのそれぞれの面に高周波IC40が設けられていることが判る。また、図7〜図10では、2個の積層モジュールを図示しているが、更に多くても良い(3個以上の積層モジュール)。また、縦置きの積層モジュールと横置きの積層モジュールとを組み合わせて携帯表示機器内に配置しても良い(縦置き・横置きを混在)。
(第11の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図11の側面図に示す。図11が図1と大きく異なる点は、BGA50を有することである(パワーアンプ42の配置箇所と、高周波IC40,41との配置箇所を離隔している点は同様である)。また、図11が後述する参考形態の図19と異なる点は、コネクタ44が無いこと、及び、LTCC積層基板10と複数のアンテナ32との間にはケーブル部20D付きのLCP積層基板20を備えていることである。複数のアンテナ32はLCP積層基板20の下面に形成されている。ケーブル部20Dは、LCP積層基板20の一部であって、一体に形成されているので組み立て性および実装性に優れる。低損失のケーブル部20を同軸ケーブルの代わりに用いることができる。なお、図1のアンテナは、図9のアンテナと同じ構造・配置にしても良い。
(第12の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図12の側面図に示す。図12が図11と異なる点は、複数のアンテナ32に代わりに複数の実装パッド45をLCP積層基板20の下面に有すること、複数のアンテナ33をケーブル部20Eの先端部(20Ea)の表面に有すること、及び、パワーアンプ42に放熱部材43並びに放熱部材46bが設けられていることである。放熱部材46bはパワーアンプ42の側面からの熱を吸収して、前記側面と対向する側とは反対側の面で放熱するので、第3の放熱部材に相当する。ケーブル部20Eは、LCP積層基板20の一部であって一体に形成されており、ケーブル部20Dよりも長いので、柔軟性に優れ、取り回し性が良く組み立て性および実装性に優れている。図12では90度の曲げを2か所に入れているが、可撓性が許すかぎり更に曲げても良い。或いは、携帯端末の筐体内壁に添わすように配置するため、曲面で曲げても良い。複数の実装パッド45は、マザーボードとの接合に用いることが出来る。この積層モジュールをマザーボードと接続して無線通信モジュールを得ることができる。
(第13の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図13の側面図に示す。図13に示す積層モジュールは、屈曲可能なケーブル部20Fを有するLCP積層基板20と、第2の主面(図中で下面)に前記LCP積層基板20を熱圧着で接合したLTCC積層基板10と、前記LTCC積層基板10の第1の主面(図中で上面)に形成した複数のアンテナ34と、前記LCP積層基板の面(図中で下側の面)に搭載したパワーアンプ42、高周波IC40及び高周波IC41とを備える。下側の面にBGA50を配すれば、マザーボードと接続できるが、同軸ケーブルの代わりにケーブル部20Fを高周波の信号の低損失なやりとりに使用する。この積層モジュールをマザーボードと接続して無線通信モジュールを得ることができる。
(第14の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図14の断面図に示す(但し、断面のハッチングは図示を省略している)。図14が図13と異なる点は、BGA50を使う代わりに樹脂モールド80をLCP積層基板20の下面に設けることである。樹脂モールド80は、パワーアンプ42の周囲を取り囲み、これらを保護している。樹脂モールド面にパワーアンプ42が露出していても良いし、パワーアンプ42に放熱部材43をのせることでパワーアンプ42が露出していなくても良い。この積層モジュールは、樹脂モールド80を介してマザーボードと接続できるが、同軸ケーブルの代わりにケーブル部20Fを高周波の信号を低損失なやりとりに使用する。この積層モジュールをマザーボードと接続して無線通信モジュールを得ることができる。この樹脂モールド80には、例えば、シリコン系樹脂やエポキシ系樹脂を用いる。また、樹脂モールドに代えて、表面実装部品をマザーボードに固定する樹脂材(アンダーフィル材と呼ばれる)を用いても良い。また、積層モジュールを携帯表示機器の筐体内や内枠、或いはマザーボードに固定する際は、接着材等による接着やネジ止めにより行うことで、BGA等の半田実装なしに固定することも可能である。なお、図13〜図16に図示した矢印の「実装面」は、例えば樹脂モールド80などを介して、この積層モジュールをマザーボードに設ける側を指し示している。この樹脂モールド(或いは樹脂封止)は、積層モジュールのLCP積層基板20の側(部品搭載部)を樹脂で覆う工法として形成できる。樹脂モールドを設けた上で、樹脂モールドの外面を筐体やマザーボードに接着固定する。
(第15の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールは、第14の実施形態において、樹脂モールド80を金属ケース(及び接着層)に置き換えた構成としてもよい。樹脂モールド80に代えて、同じ外形の金属ケースを用いると、積層モジュールのLCP積層基板20の側(部品搭載部)に嵌め込みできるので、組み立て工数の低減につながり、更に強度を高めることができる。LCP積層基板20と金属ケース間には薄い接着層を設けてもよいし、半田接合でもよい。金属ケースとボード間は接着層で固定する。
(第16の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図15の断面図に示す(但し、断面のハッチングは図示を省略している)。図15が図14と異なる点は、LCP積層基板の内部にパワーアンプ42を内蔵するように実装していることである。LCP積層基板面にパワーアンプ42が露出していてもよいし、パワーアンプ42に放熱部材43をのせることでパワーアンプ42が露出していなくてもよい。パワーアンプ42を内蔵するため、LCP積層基板20bは図12のLCP積層基板20よりも厚く形成している。この積層モジュールをマザーボードと接続して無線通信モジュールを得ることができる。
(第17の実施形態)
本発明に係る積層回路基板にICチップを搭載した他の積層モジュールについて、例えば図16の断面図に示す(但し、断面のハッチングは図示を省略している)。図16が図14と異なる点は、予めLTCC積層基板10bに形成しておいた凹部11の中にパワーアンプ42を内蔵するように、LCP積層基板20cの面(LTCC積層基板10bと対向する面)にパワーアンプ42を実装していることである。LCP積層基板20cの内部には複数本のサーマルビア47が形成されており、サーマルビア47の一端はパワーアンプ42に接続されて熱を吸収し、サーマルビア47の他端から外部に熱を放出する。この積層モジュールをマザーボードと接続して無線通信モジュールを得ることができる。
本発明に係る積層モジュールのケーブル部は、平面線路構造を備えていれば良い。例えば、本発明に係る積層モジュールのケーブル部(少なくともマイクロストリップラインを含む構造)について、図17の断面図に示す。図17は、図16のA−A断面に相当する。マイクロストリップラインは、GND層21と、信号線(信号線の層)25と、前記GND層21及び信号線25の間に設けたLCP層23とを備える。なお、このマイクロストリップラインの外層、被覆として更にLCP層27を設けることも出来る。
図17の構成に代えて図18の構成とすることも出来る。例えば、本発明に係る積層モジュールの他のケーブル部(少なくともストリップラインを含む構造)について、図18の断面図に示す。このストリップラインは、平行に配置されるGND層21b及びGND層21cと、それらの間に配される信号線(信号線の層)25bと、GND層21b及びGND層21cの間に設けたLCP層23bとを備える。なお、このストリップラインの外層、被覆として更にLCP層27bを設けることも出来る。破線で描いたLCP層27b(或いは図17のLCP層27)を他の材料に置き換えることは出来るが、特に高周波で信号を伝送する際の損失を抑制する観点では、LCP層27b(図17ではLCP層27)とするのが良い。なお、ケーブル部として用いる平面線路構造はこれらに限らず、一般に知られているコプレーナ線路や差動タイプの線路構造等も使用できる。
本発明に係る構成によって、次のような効果も得ることができる。セラミック積層基板(例えば、LTCC積層基板)と、屈曲性を有する配線部を備える多層基板(例えば、LCP積層基板)とを一体化(より好ましくは複合化)すると、前述のように(段落0021参照)、同軸ケーブルを接続する難しい工程を経たり、複雑な構成にしたりすることが不要となる。したがって、部品数を低減し、組立工数を減らすことができるので、コスト削減にも寄与する。また、薄型化が可能になる。複雑な構成では端子や接続部が増加するが、それらの数を少なくできるので、特性の改善(高周波信号の減衰といった損失を低減すること)にも寄与する。
また、屈曲性を有する配線部を備える多層基板(例えば、LCP積層基板)の一部にアンテナを設けることで、空間に浮いた形のアンテナを作製することが可能になる。リジッドな基板(屈曲し難い基板)上にアンテナを配置すると、アンテナの背面が基板に遮られる配置となり、アンテナの特性を幾分かは妨げることがある。これに対して、アンテナを空間に浮いた形にすると、基板に遮られ難くなるので、アンテナの特性が改善する。また、アンテナを空間に配置した場合、アンテナを基板の面に実装するエリアが不要となるため、設計自由度が上がる。
本発明に係る構成によって、さらに次のような効果も得ることができる。多層基板として、特に、LCP積層基板(液晶ポリマー積層基板)を用いると、一体化した(より好ましくは複合化した)積層回路基板を構成したときに、高周波における損失のレベルをLTCC積層基板に近いレベルに抑制することができる。高周波における損失(高周波信号の減衰など)を、ポリイミドやFR4(ガラス繊維にエポキシ樹脂を含侵させ熱硬化した材料)よりも低いレベルにできるので好ましい。
(参考形態)
LTCC積層基板にICチップを搭載したモジュール(参考形態)について、例えば図19の側面図に示す。なお、図19に限らず、図中の「実装面」の矢印が示す側は、マザーボードに実装する側であることを示す。図19に示すモジュールは、LTCC積層基板10bの第2の主面(図中で下面)に複数のアンテナ32bを有し、第1の主面(図中で上面)に搭載した高周波IC40b及び高周波IC41bと、第1の主面に形成したコネクタ44を備える。前記LTCC積層基板10bの第1の主面には、マザーボートと接続する為のBGA(半田ボールによるボールグリッドアレイ)50が準備されており、コネクタ44には同軸ケーブル60が接続されている。同軸ケーブル60は、高周波で信号を伝送する際の損失を抑制するために使用する。なお、同軸ケーブルの右端の矢印は、同軸ケーブルが長いものであり、その重みがコネクタ44に負荷をかけるものであることを示している。
参考形態に係る図19のモジュールをマザーボードに搭載する様子を、図20の側面図に示す。BGA50がマザーボード70と接続するのを妨げないようにするため、同軸ケーブル60を迂回させる必要があり、接続の邪魔になっている。通常、マザーボードに部品を実装する際には、マザーボードに半田印刷をして、マウンタにより部品を整列搭載後、半田リフローにより半田を溶融固化させる工程を通る。この時のリフロー温度は300℃近い温度となるため、もし、同軸ケーブルを先に搭載してリフローした場合、同軸ケーブルの被覆や内部絶縁体は樹脂系材料のため、リフロー温度には耐えられず、現実的な使用方法ではない。一方、リフロー後に、同軸ケーブルを付けることは、外部から1mm以下の隙間に同軸ケーブルを差し込み、更に、コネクタに接続する必要があり、これもまた現実的な使用方法ではない。
図19及び図20に係る構成に比べて、図1や図11の構成はマザーボードとの接続や他所へのケーブル導出に際して、妨げられることなく、組立や接続を容易にするものとしてケーブル部を用いることができるので好ましい。
(付記)
以下では、LTCC積層基板などの要素や構成について説明する。LTCC積層基板は、いわゆる同時焼成セラミック基板とすることができる。同時焼成セラミック基板は、複数のセラミック層の境界に位置する配線パターンと、複数のセラミック層を介して設けられたビア配線部(導体ビアとも呼ぶ)を備えていてもよい。電極やパッドなどを備えていてもよい。さらに受動部品のパターンとして、例えば、導電性層あるいは所定の抵抗値を有する層(導電性の酸化物の層、ガラス層、或いはそれらのいずれか1種と導体の混合物の層など)であって、インダクタ、コンデンサ、抵抗等を構成しているものを加えてもよい。また、ビア配線部および配線パターンは、受動部品パターン等と接続され、所定の回路を構成していてもよい。受動部品をLTCC積層基板に設けることが出来て、LCP積層基板及びそのケーブル部の中に受動部品を形成しないでも済む場合、LCP積層基板及びそのケーブル部の中にはストリップパターンや配線を設けることに留まるので、LCP積層基板及びそのケーブル部を形成するコストの抑制につながるというメリットがある。また、LTCC回路基板は、アンテナとLCP積層基板との接続を中継する際に、電極や配線に係るピッチや位置の違いを調整して導通を確保することに寄与できる。
配線パターンは例えば配線を構成する層である。ビア配線部は例えば導体ペーストでビアホールを埋めて形成された層間をつなぐ配線に相当する。電極は例えばグランド層(GND層)やベタ電極層(ビアホールよりも面積の大きい平面的な層)である。
LTCC積層基板は、グリーンシートを積層し、焼成させることによって得られた複数のセラミック層を有する。LTCC積層基板は、複数のセラミック層間の明瞭な境界が存在しない場合もある。各セラミック層は、1つのグリーンシートに対応する。
LTCC積層基板は、第1の主面或いは第2の主面の少なくとも一方に、例えば、受動部品等を接続するための電極が位置していたりしてもよい。ビア配線部は、電極と配線パターン等とを電気的に接続している。
高周波ICは、典型的には、大規模集積回路が形成された半導体素子であるが、通信回路または電力回路が形成された半導体素子であってもよい。チップを構成する半導体は、単結晶シリコンに限定されず、炭化ケイ素および窒化ガリウムなどのワイドバンドギャップ半導体であってもよい。本発明に係る積層モジュールは、携帯端末、情報機器、家電機器、自動車部品、および産業用機械など種々の装置または機器に使用され得る。
パワーアンプとLCP積層基板との間には、さらに微細配線層(或いは再配線層)を設けていてもよい。前記微細配線層は、微細な配線を有するセラミック層でも良いし、或いは微細な配線と樹脂層等を備えるものでも良い。
LTCC積層基板は、より詳細には、低温焼成セラミック(LTCC、Low Temperature Co−fired Ceramics)基板を用いて構成する。低温焼成セラミック基板を用いるのは、高周波特性、高速伝送特性の観点で好ましいためである。LTCC積層基板におけるセラミック層、受動部品パターン、配線(配線パターン、ビア配線部、電極(グランド電極やベタ電極)など)には、焼成温度、用途等や周波数等に応じたセラミック材料および導電性材料が用いられる。受動部品パターン、配線などを形成するための導電性ペーストと、LTCC積層基板のセラミック層を形成するためのグリーンシートが同時に焼成(Co−fired)される。低温焼成セラミック基板としては、800℃から1000℃程度の温度範囲で焼結することができるセラミック材料および導電性材料を用いる。例えばAl、Si、Srを主成分とし、Ti、Bi、Cu、Mn、Na、Kを副成分とするセラミック材料が用いられる。また、AgまたはCuを含む導電性材料が用いられる。セラミック材料の誘電率は、たとえば3〜15程度である。
LTCC積層基板は、例えば、Al−Si−Sr−O系誘電体材料であれば、主成分としてAl、Si、Sr、Tiの酸化物を含む場合は、主成分であるAl、Si、Sr、TiをそれぞれAl、SiO、SrO、TiOに換算したとき、Al:10〜60質量%、SiO:25〜60質量%、SrO:7.5〜50質量%、TiO:20質量%以下(0を含む)を含有することが好ましい。また、その主成分100質量部に対して、副成分として、Bi、Na、K、Coの群のうちの少なくとも1種をBi換算で0.1〜10質量部、NaO換算で0.1〜5質量部、KO換算で0.1〜5質量部、CoO換算で0.1〜5質量部含有することが好ましく、更に、Cu、Mn、Agの群のうちの少なくとも1種をCuO換算で0.01〜5質量部、Mn換算で0.01〜5質量部、Agを0.01〜5質量部含有することが好ましい。その他不可避不純物を含有することもできる。
LTCC積層基板における複数のセラミック層は、それぞれ同じ組成を有し、同じ材料によって形成されていてもよい。一部のセラミック層は、他のセラミック層と異なる組成を有し、異なる材料によって形成されていてもよい。
LTCC積層基板を製造するには、例えば、まず、上述した元素を含むセラミック材料を用意し、必要に応じて、700℃〜850℃で仮焼し、粉砕することにより造粒する。セラミック材料にガラス成分の粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤を添加し、これらの混合物のスラリーを得る。誘電率を異ならせるため等により、セラミック層を異なる材料によって形成する場合には、異なる材料を含む2種類のスラリーを用意する。また、上述した導電性材料の粉末を有機バインダおよび溶剤等と混合し、導電ペーストを得る。
ドクターブレード法、圧延(押し出し)法、印刷法、インクジェット式塗布法、転写法等を用いて、スラリーから所定の厚さの層をキャリアフィルム上に形成し、乾燥させる。スラリーの層を切断することによって、セラミックグリーンシートを得る。
次に、LTCC積層基板内で構成する回路(電気的な回路)に従い、レーザ、メカ式パンチャ等を用いて複数のセラミックグリーンシートにビアホールを形成し、スクリーン印刷法を用いて各ビアホールに導電ペーストを充填する。また、スクリーン印刷等によって、導電ペーストをセラミックグリーンシートに印刷し、配線パターンや受動部品パターンをセラミックグリーンシートに形成する。
上述した導電ペーストが配置されたセラミックグリーンシートを、仮圧着を行いながら順次積層し、グリーンシート積層体を形成する。その後、グリーンシート積層体からバインダを除去し、脱バインダ後のグリーンシート積層体を焼成する。これらの方法によって、LTCC積層基板を得ることができる。
本発明に係る積層回路基板、積層モジュールおよび携帯表示機器は、例えば、準マイクロ波・センチメートル波・準ミリ波・ミリ波帯域の無線通信に利用可能である。準マイクロ波帯域の無線通信は、波長が10cm〜30cmであり、1GHzから3GHzの周波数の電波を搬送波として用いる。センチメートル波帯域の無線通信は、波長が1cm〜10cmであり、3GHzから30GHzの周波数の電波を搬送波として用いる。ミリ波帯域の無線通信は、波長が1mm〜10mmであり、30GHzから300GHzの周波数の電波を搬送波として用いる。準ミリ波帯域の無線通信は、波長が10mm〜30mmであり、10GHzから30GHzの周波数の電波を搬送波として用いる。これらの帯域の無線通信では、アンテナ(アンテナ層)のサイズは数センチからサブミリメートルのオーダーになる。例えば、準マイクロ波・センチメートル波・準ミリ波・ミリ波無線通信回路を、本発明に係る積層モジュールを用いて作製することができる。搬送波の一例として、たとえば、搬送波の周波数が30GHzであり、搬送波の波長λが10mmであるものを用いることが出来る。
10:LTCC積層基板、
10b:LTCC積層基板、
11:凹部、
20:LCP積層基板(液晶積層基板)、
20b:LCP積層基板(液晶積層基板)、
20c:LCP積層基板(液晶積層基板)、
20I:ケーブル部、
20B:ケーブル部、
20B2:ケーブル部、
20B−R,20B−L:ケーブル部、
20D:ケーブル部、
20E:ケーブル部、
20Ea:ケーブル部の先端部、
20F:ケーブル部、
20G:ケーブル部、
20H:ケーブル部、
20J:ケーブル部、
21,21b,21c:GND層、
23,23b:LCP層、
25,25b:信号線、
27,27b:LCP層、
32:アンテナ、
32b:アンテナ、
33:アンテナ、
34:アンテナ、
35:アンテナ、
40:高周波IC、
40b:高周波IC、
41:高周波IC、
41b:高周波IC、
42:パワーアンプ、
43:放熱部材、
44:コネクタ、
45:実装パッド、
46、46b:放熱部材、
47:サーマルビア、
50:BGA(半田ボールによるボールグリッドアレイ)、
60:同軸ケーブル、
70:マザーボード、
80:樹脂モールド、
100:積層回路基板、
101:積層モジュール、
101b:積層モジュール、
102:積層モジュール、
103:積層モジュール、
104:積層モジュール、
105:積層モジュール、
106:積層モジュール、
200:携帯表示機器、
300:制御半導体



Claims (16)

  1. セラミック積層基板と、屈曲性を有する配線部を備える多層基板とを一体化した積層回路基板であって、
    前記多層基板は、前記セラミック積層基板と一体化する側とは反対側に、増幅回路素子を設ける為の領域を有し、
    前記配線部は、前記増幅回路素子とは異なる半導体素子を設ける為の領域を有することを特徴とする積層回路基板。
  2. セラミック積層基板と、屈曲性を有する配線部を備える多層基板とを一体化した積層回路基板であって、
    前記多層基板は、前記セラミック積層基板と一体化する側とは反対側に、増幅回路素子を有し、
    前記配線部は、前記増幅回路素子とは異なる半導体素子を有することを特徴とする積層モジュール。
  3. 前記増幅回路素子は、前記配線部と対向する側とは反対側に、放熱用部材を有することを特徴とする請求項2に記載の積層モジュール。
  4. 前記多層基板はGND部を有し、前記GND部と前記放熱用部材とは接続されていることを特徴とする請求項3に記載の積層モジュール。
  5. 前記多層基板はGND部を有し、前記GND部と前記放熱用部材とは他の放熱用部材を介して接続されていることを特徴とする請求項3に記載の積層モジュール。
  6. 前記増幅回路素子の側面と対向するように、更に他の放熱用部材を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の積層モジュール。
  7. 前記増幅回路素子はパワーアンプであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の積層モジュール。
  8. 前記増幅回路素子として、前記パワーアンプの他に、ローノイズアンプも有することを特徴とする請求項7に記載の積層モジュール。
  9. 前記増幅回路素子はローノイズアンプであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の積層モジュール。
  10. 前記セラミック積層基板はLTCC積層基板であり、前記多層基板はLCP積層基板であることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の積層モジュール。
  11. 前記配線部にアンテナを設けることを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載の積層モジュール。
  12. 前記セラミック積層基板にアンテナを設けることを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の積層モジュール。
  13. 請求項2乃至12のいずれかに記載の積層モジュールを複数個備え、少なくとも1つの配線部は前記積層回路基板同士を接続することを特徴とする積層モジュール。
  14. 請求項2乃至12のいずれかに記載の積層モジュールを複数個備え、前記積層モジュールはマザーボードに接続されていることを特徴とする携帯表示機器。
  15. 請求項2乃至12のいずれかに記載の積層モジュールを複数個と、制御半導体とを備え、複数の前記配線部を前記制御半導体に接続することを特徴とする積層モジュール。
  16. 請求項15に記載の積層モジュールを備え、前記積層モジュールおよび前記制御半導体から選ばれる少なくとも1つはマザーボードに接続されていることを特徴とする携帯表示機器。
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