JP2020047456A - 二次電池および電解液 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部短絡の発生を未然に防止し得る二次電池および電解液を提供する。【解決手段】二次電池1は、正極2、負極3、セパレータ6および所定の金属を含有する電解液7を備える積層体10と、積層体10を内包する外装体8と、所定の金属と異なる異物金属をイオンとして捕捉可能な物質とを有する。かかる物質は、負極3および/または正極2の絶縁層に保持されていることが好ましい。この場合、物質は、陽イオン交換樹脂、アパタイト系セラミックス、および異物金属のイオンを捕捉可能な構造を有する有機化合物のうちの少なくとも1種であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池および電解液に関する。
現在、リチウムイオン二次電池の開発が盛んに行われている。リチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレータおよび電解液を有しており、これらが外装体で封止されている。
例えば、製造時等において、リチウムイオン二次電池内に異物金属が混入した場合、充電時における正極電位および負極電位によっては、正極側において異物金属が一旦溶解した後、負極側に移動して負極上に析出することがある。負極上での異物金属の析出が継続されれば、析出物がセパレータを突き破り、正極と接触することで、正極と負極とが短絡(内部短絡)する。
そこで、リチウムイオン二次電池を製造した後であって、初回のコンディショニング充電の前に、異物金属に起因する悪影響を防止する処理(異物金属の無害化処理)を施すことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の方法では、初回充電時に電池容量の0.01〜0.1%の充電を行った後、1〜48時間で放電を行うことが開示されている。かかる方法によれば、初回充電により溶解した異物金属のイオンを電解液中に拡散させることにより、次回以降の充電時に異物金属が負極上に局所的に析出するのを防止する。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、電解液中に異物金属がイオンとして依然として存在しており、リチウムイオン二次電池の内部短絡を十分に防止することはできない。
特開2005−243537号公報
本発明の目的は、内部短絡の発生を未然に防止し得る二次電池および電解液を提供することにある。
このような目的は、下記の(1)〜(16)の本発明により達成される。
(1) 正極、負極、セパレータおよび所定の金属を含有する電解質を備える積層体と、
該積層体を内包する外装体と、
前記所定の金属と異なる異物金属をイオンとして捕捉可能な物質とを有することを特徴とする二次電池。
(2) 前記積層体は、さらに前記正極の前記セパレータ側に絶縁層を備える上記(1)に記載の二次電池。
(3) 前記物質は、前記負極および/または前記絶縁層に保持されている上記(2)に記載の二次電池。
(4) 前記物質は、陽イオン交換樹脂、アパタイト系セラミックス、および前記異物金属のイオンを捕捉可能な構造を有する有機化合物のうちの少なくとも1種である上記(3)に記載の二次電池。
(5) 前記陽イオン交換樹脂は、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂である上記(4)に記載の二次電池。
(6) 前記有機化合物が有する前記構造は、少なくとも1種のヘテロ原子を含有する上記(4)または(5)に記載の二次電池。
(7) 前記少なくとも1種のヘテロ原子を含有する構造は、環状構造である上記(6)に記載の二次電池。
(8) 前記陽イオン交換樹脂および前記有機化合物は、それぞれ結合性基を介して前記負極および/または前記絶縁層に結合している上記(4)ないし(7)のいずれかに記載の二次電池。
(9) 前記アパタイト系セラミックスは、前記負極および/または前記絶縁層中に含まれている上記(4)ないし(8)のいずれかに記載の二次電池。
(10) 前記電解質は、該電解質を含む電解液として前記セパレータに含浸され、
前記物質は、前記電解液中に存在している上記(1)に記載の二次電池。
(11) 前記物質は、前記異物金属のイオンと不溶性の金属塩を形成可能な陰イオンである上記(10)に記載の二次電池。
(12) 前記陰イオンは、水酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオンおよびリン酸イオンのうちの少なくとも1種である上記(11)に記載の二次電池。
(13) 前記異物金属は、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロム、およびこれらを含む合金のうちの少なくとも1種である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の二次電池。
(14) 二次電池に用いられる電解液であって、
所定の金属を含有する電解質と、
前記所定の金属と異なる異物金属をイオンとして捕捉可能な物質とを含有することを特徴とする電解液。
(15) 前記物質は、前記異物金属のイオンと不溶性の金属塩を形成可能な陰イオンである上記(14)に記載の電解液。
(16) 前記電解液中の前記陰イオンの濃度は、0.001〜1Mである上記(15)に記載の電解液。
本発明によれば、例えば製造工程等において、二次電池内に異物金属が混入した場合でも、この異物金属をイオンとして捕捉(固定化)することができる。このため、異物金属の析出物による正極と負極との短絡(接触)を未然に防止することができる。
二次電池の構成を模式的に示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図である。 正極の構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の二次電池および電解液について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態では、本発明の二次電池をリチウムイオン二次電池に適用した場合について説明する。
図1は、二次電池の構成を模式的に示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、正極の構成を示す縦断面図である。ただし、図2と図3とにおいて、正極の上下方向が逆転している。
各図では、その特徴を判り易くするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合がある。以下に例示される材料、寸法等は一例であって、本発明は、それらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1および図2に示す二次電池1は、正極2、負極3、セパレータ6および電解液7を備える積層体10と、積層体10を内包(封止)するシート状の外装体8とを備えている。
積層体10は、さらに、正極2に接合(電気的に接続)された正極タブ4と、負極3に接合(電気的に接続)された負極タブ5とを備えている。
これらのタブ4、5は、積層体10が外装体8に内包された状態で、外装体8から相反する方向に突出(外部に露出)している。なお、タブ4、5を外装体8から突出させる位置は、図示の構成に限定されない。
正極2は、図1および図3に示すように、平面視で略矩形状をなすアルミニウム箔で構成された正極集電体21と、正極集電体21の一方の面に設けられた正極活物質層22と、正極活物質層22の正極集電体21と反対側に接触して設けられた正極絶縁層23とを有している。二次電池1の充電時には、正極集電体21が電気を集電して、正極活物質層22に供給する。
正極集電体21には、正極タブ4が接合されている。正極タブ4は、導電性を有していれば、特に限定されず、例えば、アルミニウム板、銅板、ニッケル板等で構成することができる。正極タブ4は、正極集電体21と一体的に形成するようにしてもよい。
正極活物質層22は、例えば、正極活物質で構成された活物質粒子220と、必要に応じて導電助剤および結着剤とを含むスラリーを、正極集電体21に供給(塗工)した後、乾燥することにより形成することができる。
正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、一般式「LiM(式中、Mは金属原子であり、xおよびyは、金属原子Mと酸素原子Oとの組成比である。)」で表される金属酸リチウム化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
かかる金属酸リチウム化合物の具体例としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等が挙げられる。
前記一般式において、Mが複数種の金属原子で構成されてもよい。この場合、金属酸リチウム化合物は、例えば、一般式「LiM (式中、M、MおよびMは互いに異なる種類の金属原子であり、p、q、rおよびyは、金属原子M、MおよびMと酸素原子Oとの組成比である。)」で表される。p+q+r=xである。かかる金属酸リチウム化合物の具体例としては、LiNi0.33Mn0.33Co0.33等が挙げられる。
正極活物質には、類似の組成であるオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)を用いることもできる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック等が用いられ、結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン樹脂、カルボキシメチルセルロース、アクリル系樹脂等が用いられる。
正極絶縁層23は、絶縁粒子(図示せず)を含むスラリーを、正極活物質層22に供給(塗工)した後、乾燥することにより形成することができる。
負極3は、図示しないが、平面視で略矩形状をなす銅箔で構成された負極集電体と、負極集電体の一方の面に設けられた負極活物質層とを有している。
負極集電体には、負極タブ5が接合されている。負極タブ5は、導電性を有していれば、特に限定されず、例えば、銅板、ニッケル板、アルミニウム板、ニッケルめっきを施したアルミニウム板等で構成することができる。負極タブ5は、負極集電体と一体的に形成するようにしてもよい。
負極活物質層は、例えば、負極活物質で構成された粒子活物質粒子と、必要に応じて結着剤および導電助剤とを含むスラリーを、負極集電体に供給(塗工)した後、乾燥することにより形成することができる。
負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、炭素粉末、黒鉛粉末のような炭素材料、チタン酸リチウムのような金属酸化物等を用いることができる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができ、導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
各集電体の平面形状は、図示の構成では、長方形状をなしているが、例えば、正方形状、円形状、楕円形状等であってもよい。
各集電体の平面視での面積(平面積)は、製造すべき二次電池1のサイズに応じて適宜設定されるため、特に限定されないが、500〜2500mm程度であることが好ましく、750〜2000mm程度であることがより好ましい。
各集電体の平均厚さも、特に限定されないが、1〜75μm程度であることが好ましく、5〜50μm程度であることがより好ましい。
各活物質粒子の平均粒径は、特に限定されないが、0.5〜15μm程度であることが好ましく、1〜10μm程度であることがより好ましい。
各活物質層の平均厚さも、特に限定されないが、5〜100μm程度であることが好ましく、10〜75μm程度であることがより好ましい。
正極絶縁層23は、活物質粒子220の平均粒径より小さい平均粒径を有する絶縁粒子(図示せず)を含有することが好ましい。これにより、正極絶縁層23の表面に形成される凹凸を絶縁粒子で埋めることができるため、より均一な厚さを有する正極絶縁層23を得ることができる。
絶縁粒子の平均粒径は、特に限定されないが、10〜100nm程度であることが好ましく、25〜75nm程度であることがより好ましい。
絶縁粒子としては、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、マグネシア粒子、チタニア粒子等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
正極絶縁層23の平均厚さは、5μm以下であることが好ましく、1〜4μm程度であることがより好ましい。このような平均厚さを有する正極絶縁層23であれば、十分に高い絶縁信頼性を発揮することができる。
正極2と負極3との間には、セパレータ6が介挿されている。このセパレータ6は、絶縁性を有し、正極2と負極3との短絡を防止する機能および電解液7を保持する機能を有する。セパレータ6に電解液7が保持されることで、電解質層が形成される。
セパレータ6は、電解液7を保持または通過させることが可能であれば、特に限定されず、多孔質膜、非多孔質膜等で構成することができる。
多孔質膜は、細孔を有するシート状物、粒子とバインダーとを含む細孔を有する構成物、不織布等で構成することができる。非多孔質膜は、電解液7を保持可能なバインダー樹脂を含む構成物等で構成することができる。この構成物は、さらにスペーサ機能を有する粒子状物を含んでもよい。
セパレータ6の構成材料(絶縁材料)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ガラス繊維等が挙げられる。
電解液7を保持可能なバインダー樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂等の高分子が挙げられる。中でも、バインダー樹脂としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体が特に好ましい。
セパレータ6の平均厚さは、1〜75μm程度であることが好ましく、1〜50μm程度であることがより好ましい。かかる厚さのセパレータ6であれば、絶縁性を十分に確保することができる。
本実施形態では、セパレータ6に電解液7が保持されている。電解液7は、電解質を溶媒に溶解してなる液体である。二次電池1の充放電時には、この電解液7中をリチウムイオンが伝導する。
溶媒には、水分を実質的に含まない(例えば、100ppm未満)非水系溶媒が好適に用いられる。非水系溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、トルエン、ヘキサン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
電解質としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウムのようなリチウム塩(所定の金属としてリチウムを含む塩)等を好適に使用することができる。
電解液7中の電解質の濃度は、特に限定されないが、0.01〜1M程度であることが好ましく、0.05〜0.75M程度であることがより好ましく、0.1〜0.5M程度であることがさらに好ましい。
電解液7は、ゲル化剤の添加によりゲル状をなしていてもよい。ゲル化剤としては、例えば、アセトニトリルのようなニトリル系化合物、テトラヒドロフランのようなエーテル系化合物、ジメチルホルムアミドのようなアミド系化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上のような積層体10が外装体8に内包されている。外装体8は、図1および図2に示すように、2枚の可撓性を有するシート材80を重ね合わせ、その外周部を融着(例えば、熱融着、超音波融着、高周波融着)して形成されたシール部Sでシールしてなる。
本実施形態のシート材80は、図2に示すように、基材層81と、基材層81の一方の面に設けられた樹脂層82と、基材層81の他方の面(樹脂層82と反対側の面)に設けられた保護層83とを備える積層シートで構成されている。換言すれば、樹脂層82は、基材層81に対して積層体10側に設けられ、保護層83は、基材層81に対して積層体10と反対側に設けられている。
基材層81は、シート材80に強度を付与する機能および電解液7やガスの透過を阻止する機能を有する。基材層81の構成材料としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼等が挙げられる。
基材層81の平均厚さは、特に限定されないが、9〜100μm程度であることが好ましく、20〜80μm程度であることがより好ましい。
樹脂層82は、外装体8(シート材80)の最内層を構成し、融着されることにより外装体8をシールする機能を有する。樹脂層82の構成材料(融着可能な材料)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリメチルペンテン等が挙げられる。これらの材料(樹脂)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂層82は、前記材料で形成された無延伸のフィルム(特に、無延伸のポリプロピレンフィルム)で構成されていることが好ましい。これにより、樹脂層82が電解液7により溶解または膨潤することを好適に防止することができる。
樹脂層82の平均厚さは、特に限定されないが、3〜200μm程度であることが好ましく、20〜100μm程度であることがより好ましい。
保護層83は、外装体8(シート材80)の最外層を構成し、基材層81を保護(基材層81の腐食等を防止)する機能および二次電池1の機械的構造特性を確保する機能を有する。保護層83の構成材料には、比較的硬質な樹脂材料が用いられる。かかる硬質な樹脂材料としては、例えば、ポリアミド(ナイロン)、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。これらの材料(樹脂)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
保護層83の平均厚さは、特に限定されないが、5〜50μm程度であることが好ましく、10〜30μm程度であることがより好ましい。
以上のような構成の二次電池1は、例えば製造工程等において、電解質に含まれる所定の金属と異なる異物金属が二次電池1内に混入した場合でも、この異物金属をイオンとして捕捉可能な物質(以下、「イオン捕捉物質」と言う。)を有する。
二次電池1内に異物金属が混入した場合、二次電池1の充電時における正極電位および負極電位によっては、正極2側において異物金属が一旦溶解した後、負極3側に移動して負極3上に析出することがある。負極3上での異物金属の析出が継続されれば、析出物がセパレータ6を突き破り、正極2と接触することで、正極2と負極3とが短絡(内部短絡)する。
これに対して、本発明では、異物金属のイオンをイオン捕捉物質で捕捉することにより無害化する。すなわち、負極3上で異物金属が析出することを阻止する。その結果、二次電池1の内部短絡の発生を未然に防止することができる。
異物金属をイオン化させるために、正極電位を異物金属の酸化電位以上とする工程を別途設けるようにしてもよいし、通常の充電工程で異物金属をイオン化させるようにしてもよい。
本発明によれば、正極電位を異物金属の酸化電位以上とするだけで、イオン捕捉物質により異物金属のイオンを捕捉して、無害化できるため効率がよい。
異物金属としては、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロム、およびこれらを含む合金のうちの少なくとも1種が挙げられる。これらの金属は、いずれも酸化電位が低く、二次電池1に混入した場合、前述のような問題を引き起こし易い。したがって、これらの異物金属を無害化することで、二次電池1の内部短絡の発生をより確実に防止することができる。
イオン捕捉物質としては、陽イオン交換樹脂、アパタイト系セラミックス、および異物金属のイオンを捕捉可能な構造(以下、「イオン捕捉構造」と言う。)を有する有機化合物のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
陽イオン交換樹脂が有するイオン性基としては、例えば、SO 基、CO 基、PO基等が挙げられる。中でも、イオン性基としては、SO 基が好ましい。すなわち、陽イオン交換樹脂としては、SO 基(スルホン酸基)を有する強酸性陽イオン交換樹脂であることが好ましい。かかる強酸性陽イオン交換樹脂は、二価の陽イオン(Zn2+、Cu2+等)の捕捉能が特に高い。
アパタイト系セラミックスとは、M10(ZOXの基本組成の結晶鉱物である。
Mサイトとしては、例えば、Li、Na、K、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Mn2+、Fe2+、Cu2+、Sn2+、Fe3+、Al3+、Bi3+、V3+、Ge3+、Ti3+等が挙げられる。ZOサイトとしては、例えば、SO 2−、CO 2−、HPO 2−、PO 3−等が挙げられる。また、Xサイトとしては、例えば、OH、F、Cl、CO 2−、HO等が挙げられる。
アパタイト系セラミックスでは、Mサイトを構成し得る金属イオン同士、ZOサイトを構成し得る陰イオン同士、Xサイトを構成し得る陰イオン同士が置換可能である。
したがって、かかるアパタイト系セラミックスは、異物金属のイオンをMサイトの金属イオンと置換することにより捕捉することができる。
本実施形態では、予めXサイトにLiイオンを有するアパタイト系セラミックスを用いれば、異物金属イオンとの置換によりLiイオンが放出されるので、二次電池1の特性の低下が生じ難い。
アパタイト系セラミックスは、多孔質粒子であることが好ましい。これにより、アパタイト系セラミックスの比表面積を増大させ、異物金属イオンの捕捉能をより高めることができる。
有機化合物が有するイオン捕捉構造は、少なくとも1種のヘテロ原子(酸素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子等)を含有することが好ましい。かかるイオン捕捉構造は、ヘテロ原子が異物金属のイオンに配位するので、異物金属のイオンを強固に捕捉(保持)することができる。
イオン捕捉構造の具体例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、フタロシアニン、ピリチオンまたはこれらの誘導体、イオノフォア(環状構造)等が挙げられる。かかるイオン捕捉構造は、異物金属イオンを捕捉する際に、例えば水素イオン等の他のイオンを放出することなく、異物金属イオンをより確実に捕捉することができる。中でも、イオン捕捉構造は、イオノフォアが好ましい。
イオノフォアは、メチレン基同士をヘテロ原子で結合した構造である。このようなイオノフォアは、イオン捕捉能が極めて高い構造である。加えて、かかるイオノフォアは、環(内側空間)の大きさや、環の柔軟性を調整し易く、その合成を比較的容易に行うことができるという利点もある。
かかるイオノフォアとしては、例えば、クラウンエーテル系構造、プロピレングリコール系構造、アザクラウン系構造、チオエーテル系構造等が挙げられる。
イオノフォアは、捕捉対象の異物金属のイオンの種類および/またはイオン径に応じて、環の種類および環の大きさが選択される。
以上のようなイオン捕捉物質は、二次電池1を構成するいずれの部材に保持されていてもよいが、負極3および/または正極絶縁層23に保持されていることが好ましい。これにより、イオン捕捉物質による異物金属のイオンの捕捉効率を高めることができる。
この場合、陽イオン交換樹脂および有機化合物は、それぞれ結合性基を介して負極3および/または正極絶縁層23に結合していることが好ましく、アパタイト系セラミックスは、負極3および/または正極絶縁層23中に含まれていることが好ましい。
かかる構成によれば、異物金属のイオンを捕捉した状態のイオン捕捉物質が電解液7中を移動することを防止することができる。このため、異物金属のイオンが電解液7中に再度溶出する可能性を低減することができる。
結合性基としては、シラノール基、チタノール基、アルミナール基のような加水分解性基、チオール基等のうちの少なくとも1種であることが好ましい。負極3および/または正極絶縁層23を構成する粒子の表面には、表面酸化による水酸基が存在している。このため、水酸基と結合性基とが反応することにより、イオン捕捉物質は、負極3および/または正極絶縁層23の表面に強固に固定される。
陽イオン交換樹脂および有機化合物は、結合性基と直接(単結合を介して)結合されていてもよく、スペーサ基を介して結合されていてもよい。スペーサ基としては、例えば、エーテル基、エステル基等を含有してもよい二価の炭化水素基、アミド基等が挙げられる。
アパタイト系セラミックスは、負極3および/または正極絶縁層23を形成する際に調製されるスラリー中に混合するようにすればよい。
イオン捕捉物質の量は、負極3の平面積1mmあたり、0.1〜20mg程度であることが好ましく、1〜5mg程度であることがより好ましい。
イオン捕捉物質は、電解液7中に含まれていてもよい。イオン捕捉物質を含有する電解液7は、本発明の電解液に相当する。かかる構成によれば、異物金属がイオン化されるのとほぼ同時に、異物金属のイオンがイオン捕捉物質に捕捉され得る。このため、異物金属のイオンのイオン捕捉物質による捕捉効率を向上させることができる。
この場合、イオン捕捉物質は、前述したような陽イオン交換樹脂、アパタイト系セラミックスまたはイオン捕捉構造を有する有機化合物であってもよいが、異物金属のイオンと不溶性の金属塩を形成可能な陰イオンであることが好ましい。かかる陰イオンを用いることにより、一旦捕捉された異物金属のイオンが電解液7中へ再溶出するのを防止する効果が発揮される。
陰イオンとしては、水酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオンおよびリン酸イオンのうちの少なくとも1種であることが好ましく、水酸化物イオンおよび炭酸イオンのうちの少なくとも1種であることがより好ましい。このような陰イオンと異物金属のイオンとの塩は、電解液7の調製に用いる溶媒への溶解度が極めて低いことから好ましい。
電解液7中の陰イオンの濃度は、0.001〜1M程度であることが好ましく、0.01〜1M程度であることがより好ましく、0.1〜0.5M程度であることがさらに好ましい。これにより、陰イオンの異物金属のイオンの捕捉能(塩の生成効率)を高めることができる。
電解液7には、陰イオンに代えてまたは加えて、陽イオン交換樹脂、アパタイト系セラミックスおよびイオン捕捉構造を有する有機化合物のうちの少なくとも1種を添加するようにしてもよい。
以上、本発明の二次電池および電解液について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。本発明の二次電池および電解液は、他の任意の構成を有していてもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてもよい。
本発明の二次電池は、リチウムイオン二次電池の他、例えば、銀イオン二次電池等の二次電池に適用することもできる。
前記実施形態では、各活物質層は、各集電体の一方の面のみに設けられているが、各集電体の双方の面に設けるようにしてもよい。
前記実施形態では、積層体は、シート状の外装体に内包されているが、巻回した後、筒状(容器状)の外装体に内包するようにしてもよい。積層体は、正極/セパレータ/負極/セパレータの単位を複数含んでいてもよい。
1 二次電池
10 積層体
2 正極
21 正極集電体
22 正極活物質層
220 活物質粒子
23 正極絶縁層
3 負極
4 正極タブ
5 負極タブ
6 セパレータ
7 電解液
8 外装体
80 シート材
81 基材層
82 樹脂層
83 保護層
S シール部

Claims (16)

  1. 正極、負極、セパレータおよび所定の金属を含有する電解質を備える積層体と、
    該積層体を内包する外装体と、
    前記所定の金属と異なる異物金属をイオンとして捕捉可能な物質とを有することを特徴とする二次電池。
  2. 前記積層体は、さらに前記正極の前記セパレータ側に絶縁層を備える請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記物質は、前記負極および/または前記絶縁層に保持されている請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記物質は、陽イオン交換樹脂、アパタイト系セラミックス、および前記異物金属のイオンを捕捉可能な構造を有する有機化合物のうちの少なくとも1種である請求項3に記載の二次電池。
  5. 前記陽イオン交換樹脂は、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂である請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記有機化合物が有する前記構造は、少なくとも1種のヘテロ原子を含有する請求項4または5に記載の二次電池。
  7. 前記少なくとも1種のヘテロ原子を含有する構造は、環状構造である請求項6に記載の二次電池。
  8. 前記陽イオン交換樹脂および前記有機化合物は、それぞれ結合性基を介して前記負極および/または前記絶縁層に結合している請求項4ないし7のいずれかに記載の二次電池。
  9. 前記アパタイト系セラミックスは、前記負極および/または前記絶縁層中に含まれている請求項4ないし8のいずれかに記載の二次電池。
  10. 前記電解質は、該電解質を含む電解液として前記セパレータに含浸され、
    前記物質は、前記電解液中に存在している請求項1に記載の二次電池。
  11. 前記物質は、前記異物金属のイオンと不溶性の金属塩を形成可能な陰イオンである請求項10に記載の二次電池。
  12. 前記陰イオンは、水酸化物イオン、炭酸イオン、シュウ酸イオンおよびリン酸イオンのうちの少なくとも1種である請求項11に記載の二次電池。
  13. 前記異物金属は、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロム、およびこれらを含む合金のうちの少なくとも1種である請求項1ないし12のいずれかに記載の二次電池。
  14. 二次電池に用いられる電解液であって、
    所定の金属を含有する電解質と、
    前記所定の金属と異なる異物金属をイオンとして捕捉可能な物質とを含有することを特徴とする電解液。
  15. 前記物質は、前記異物金属のイオンと不溶性の金属塩を形成可能な陰イオンである請求項14に記載の電解液。
  16. 前記電解液中の前記陰イオンの濃度は、0.001〜1Mである請求項15に記載の電解液。
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