JP2020046790A - 生産計画作成方法および生産計画作成装置ならびに生産方法 - Google Patents

生産計画作成方法および生産計画作成装置ならびに生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の生産設備で共用する要素の使用状況を考慮した生産計画が作成できる生産計画作成方法および生産計画作成装置ならびに生産方法を提供する。【解決手段】生産設備により複数の品種の製品を生産する生産計画を作成する生産計画作成方法は、複数の生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理し(ST2)、品種の生産に必要な要素の情報と要素の使用状況に基づいて品種の生産順序を含む生産計画を作成する(ST3〜ST6、ST8、ST9)。【選択図】図10

Description

本発明は、生産設備により複数の品種の製品を生産する生産計画を作成する生産計画作成方法および生産計画作成装置ならびに生産計画に基づいて複数の品種の製品を生産する生産方法に関する。
印刷装置や部品実装装置などの生産設備を備え、基板に部品を実装した実装基板などの製品を生産する生産ラインでは、複数の品種の製品が生産される。生産する製品の品種を変更する際は、生産設備において複数の生産設備で共用する部品供給装置や吸着ノズルなどの要素を生産する品種に合わせて変更する段取り替えが実行される。特許文献1に記載の部品実装システムでは、生産計画に基づいて使用される要素を予約することにより、誤って別の生産に使用されないように管理することが開示されている。
特開2013―243243号公報
しかしながら、特許文献1の部品実装システムでは、生産設備で使用する要素の不足により生産計画が実行できないことを判断することはできるが、当該要素が不足する場合の対応については開示されておらず、さらなる改善の余地があった。
そこで本発明は、複数の生産設備で共用する要素の使用状況を考慮した生産計画が作成できる生産計画作成方法および生産計画作成装置ならびに生産方法を提供することを目的とする。
本発明の生産計画作成方法は、生産設備により複数の品種の製品を生産する生産計画を作成する生産計画作成方法であって、複数の前記生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理し、前記品種の生産に必要な前記要素の情報と前記要素の使用状況に基づいて前記品種の生産順序を含む生産計画を作成する。
本発明の生産計画作成装置は、生産設備により複数の品種の製品を生産し、複数の前記生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理する要素管理部と、前記品種の生産に必要な前記要素の情報と前記要素の使用状況に基づいて前記品種の生産順序を含む生産計画を作成する計画作成部とを備える。
本発明の生産方法は、生産設備により複数の品種の製品を生産する生産方法であって、複数の前記生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理し、前記品種の生産に必要な前記要素の情報と前記要素の使用状況に基づいて前記品種の生産順序を含む生産計画を作成し、前記作成した生産計画に基づいて前記複数の品種の製品を生産する。
本発明によれば、複数の生産設備で共用する要素の使用状況を考慮した生産計画が作成できる。
本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図 本発明の一実施の形態の部品実装システムが備える部品実装ラインの構成説明図 本発明の一実施の形態の部品実装システムが備える部品実装装置の平面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムが備える部品実装装置の部分断面図 本発明の一実施の形態の管理コンピュータ(生産計画作成装置)の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態の管理コンピュータ(生産計画作成装置)で使用される生産計画情報の一例の説明図 本発明の一実施の形態の管理コンピュータ(生産計画作成装置)で使用される品種情報の一例の説明図 本発明の一実施の形態の管理コンピュータ(生産計画作成装置)において作成された変更前の要素使用状況情報の一例の説明図 本発明の一実施の形態の管理コンピュータ(生産計画作成装置)において作成された変更後の要素使用状況情報の一例の説明図 本発明の一実施の形態の生産計画作成方法のフロー図
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、部品実装ライン、部品実装装置などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図3、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図3における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図3における上下方向)が示される。図4では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(図4における上下方向)が示される。Z方向は、部品実装装置が水平面上に設置された場合の上下方向または直交方向である。
まず図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、フロアFに配置された3本の部品実装ラインL1〜L3を通信ネットワーク2によって接続し、管理コンピュータ3によって管理する構成となっている。部品実装ラインL1〜L3は、フロアFに設けられた生産エリアApに配置されている。各部品実装ラインL1〜L3は、後述するように印刷装置、部品実装装置を含む複数の生産設備を連結して構成され、基板に部品を実装した実装基板を生産する機能を有している。なお、部品実装システム1が備える部品実装ラインL1〜L3は3本である必要はなく、2本及び4本以上でも良い。
フロアFに設けられた生産エリアApとは異なる準備エリアAsには、配置作業支援装置4が配置されている。配置作業支援装置4は、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3に接続されている。配置作業支援装置4には、後述する配置作業の対象となる交換用の台車5が接続される。準備エリアAsには、配置作業の実行前、実行中、または実行後など、多様な状態の複数の台車5が保管されている。また、準備エリアAsには、フロアFに配置された生産設備で共用される複数のスクリーンマスク、テープフィーダ9、実装ヘッド12、吸着ノズル12b、リール17、ノズルホルダ18(図3、図4参照)などの着脱可能な要素が保管されている。
図1において、配置作業支援装置4に接続された台車5には、これから部品実装ラインL1〜L3において生産する実装基板の品種に対応する作業指示に従った配置作業が行われる。作業者は、配置作業として部品を供給する複数のテープフィーダ9やリール17などを台車5から外す作業、台車5に取り付ける作業などを実行する。配置作業支援装置4に接続された台車5を含む準備エリアAsにある台車5には、部品実装ラインL1〜L3における実装基板の生産と並行して配置作業を実行することができる。また作業者は、これから生産する品種に対応する準備作業として、ノズルホルダ18に吸着ノズル12bを格納する作業などを実行する。以下、台車5に対する配置作業を含む、部品実装ラインL1〜L3外での品種変更のための準備作業を外段取りと称する。なお、作業者には、人以外に作業を実行するロボット等の作業装置が含まれる。
部品実装ラインL1〜L3において生産する実装基板の品種を変更する際、作業者は準備エリアAsにおいて配置作業が終了した台車5を部品実装ラインL1〜L3まで移動させ、部品実装装置に装着されている台車5と交換する品種切替作業を実行する。また品種切替作業では、作業者は準備エリアAsに保管されている交換用のスクリーンマスク、テープフィーダ9、実装ヘッド12、吸着ノズル12b、リール17、ノズルホルダ18などを部品実装ラインL1〜L3まで移動させて交換する。以下、台車5を交換する品種切替作業を含む、部品実装ラインL1〜L3内での品種変更のための準備作業を内段取りと称する。
次に図2を参照して、部品実装ラインL1〜L3の詳細な構成を説明する。部品実装ラインL1〜L3は同様の構成をしており、以下、部品実装ラインL1について説明する。部品実装ラインL1は、基板搬送方向の上流側(紙面左側)から下流側(紙面右側)に向けて、スクリーン印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3〜M6、実装検査装置M7、リフロー装置M8などの生産設備を直列に連結して構成されている。なお、部品実装ラインL1は通信ネットワーク2を介して接続される生産設備群であって、物理的に生産設備同士が連結されていなくてもよい。
スクリーン印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3〜M6、実装検査装置M7、リフロー装置M8は、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3に接続されている。スクリーン印刷装置M1は、印刷作業部によって装着されたスクリーンマスクを介して上流側から搬入された基板Bに半田を印刷する半田印刷作業を実行する。スクリーン印刷装置M1には、生産する実装基板の品種毎に対応するスクリーンマスクが取り付けられている。なお、部品実装ラインL1は、スクリーン印刷装置M1と並設して、もしくはスクリーン印刷装置M1の代わりにディスペンサを用いて半田を基板Bに塗布する半田塗布装置を備えてもよい。スクリーン印刷装置M1および半田塗布装置は、基板Bに半田を堆積させる印刷装置である。印刷検査装置M2は、半田検査カメラを含む印刷検査作業部によって基板Bに堆積された半田の状態を検査する印刷検査作業を実行する。
部品実装装置M3〜M6は、半田が堆積された基板Bに部品Dを実装ヘッド12で実装する部品実装作業を実行する。なお、部品実装ラインL1は、部品実装装置M3〜M6が4台の構成に限定されることなく、部品実装装置M3〜M6が1〜3台であっても5台以上であってもよい。実装検査装置M7は、部品検査カメラを含む実装検査作業部によって基板Bに搭載された部品Dの状態を検査する実装検査作業を実行する。リフロー装置M8は、装置内に搬入された基板Bを基板加熱部によって加熱して、基板B上の半田を融解させた後に硬化させ、基板Bの電極部と部品Dとを接合する基板加熱作業を実行する。なお、部品実装ラインL1は、印刷検査装置M2、実装検査装置M7を備えなくてもよい。
次に図3、図4を参照して、部品実装装置M3〜M6の構成を説明する。部品実装装置M3〜M6は同様の構成であり、ここでは部品実装装置M3について説明する。部品実装装置M3は、部品Dを基板Bに実装する機能を有している。図3において、基台6の中央には、基板搬送機構7がX方向に設置されている。基板搬送機構7は、上流側から搬入された基板BをX方向へ搬送し、以下に説明する実装ヘッド12による実装作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送機構7は、部品実装作業が完了した基板Bを下流側に搬出する。基板搬送機構7の両側方には、部品供給部8が設置されている。
部品供給部8には、それぞれ複数のテープフィーダ9がX方向に並列に装着された台車5が取り付けられている。テープフィーダ9は、部品Dを格納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部8の外側から基板搬送機構7に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッド12が部品Dをピックアップする部品取出し位置に部品Dを供給する。すなわち、テープフィーダ9は、部品Dを供給する部品供給装置である。なお、部品供給装置はテープフィーダ9の他、トレイに載置した部品Dを供給するトレイフィーダ、中空のスティックに整列保持した部品Dを供給するスティックフィーダなども使用される。
図3において、基台6の上面におけるX方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル10が配置されている。Y軸テーブル10には、同様にリニア機構を備えたビーム11がY方向に移動自在に結合されている。ビーム11には、実装ヘッド12がX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド12は、複数(ここでは8つ)のノズルユニット12aを備えている。実装ヘッド12は、ノズルユニット12aの数などが異なる複数の種類が準備されている。
図4において、各ノズルユニット12aの下端部には、部品Dを真空吸着して保持する吸着ノズル12bが装着されている。すなわち、吸着ノズル12bは、実装ヘッド12に装着される装着部材である。吸着ノズル12bは、吸着する部品Dのサイズや形状などに対応して、ノズルの形状などが異なる複数の種類が準備されている。
図3において、Y軸テーブル10およびビーム11は、実装ヘッド12を水平方向(X方向、Y方向)に移動させる実装ヘッド移動機構13を構成する。実装ヘッド移動機構13および実装ヘッド12は、部品供給部8に装着されているテープフィーダ9の部品取出し位置から部品Dを吸着ノズル12bによって吸着してピックアップし、基板搬送機構7に保持された基板Bの実装位置に移送して実装する部品実装作業を実行する。
図3、図4において、ビーム11には、ビーム11の下面側に位置して実装ヘッド12とともに一体的に移動するヘッドカメラ14が装着されている。実装ヘッド12が移動することにより、ヘッドカメラ14は基板搬送機構7の実装作業位置に位置決めされた基板Bの上方に移動して、基板Bに設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板Bの位置を認識する。
部品供給部8と基板搬送機構7との間には、部品認識カメラ15が設置されている。部品認識カメラ15は、部品供給部8から部品Dを取り出した実装ヘッド12が上方を移動する際に、吸着ノズル12bに保持された部品Dを撮像して保持位置などを認識する。実装ヘッド12による部品Dの基板Bへの部品実装作業では、ヘッドカメラ14による基板Bの認識結果と部品認識カメラ15による部品Dの認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
図4において、台車5の前側には、部品Dを収納するキャリアテープ16が巻回されたリール17が保持されている。すなわち、リール17は、部品Dを収容する部品収容器である。テープフィーダ9は、リール17に収納されているキャリアテープ16をテープ送り方向に搬送して実装ヘッド12による部品取出し位置に部品Dを供給する。テープフィーダ9は、搬送するキャリアテープ16の幅に対応して幅などが異なる複数の種類が準備されている。
図3において、部品供給部8と基板搬送機構7との間には、ノズルホルダ18が着脱可能に配置されている。ノズルホルダ18には、実装ヘッド12に装着される吸着ノズル12bが、部品種に対応して複数収納保持されている。実装ヘッド12がノズルホルダ18にアクセスしてノズル交換動作を行うことにより、ノズルユニット12aに装着される吸着ノズル12bを部品種に応じて交換することができる。
このように、基板Bに半田を堆積させるスクリーン印刷装置M1(印刷装置)、半田が堆積された基板Bに部品Dを実装ヘッド12で実装する部品実装装置M3〜M6は、製品である部品Dを実装した実装基板を生産する生産設備である。また、スクリーン印刷装置M1に装着されるスクリーンマスク、部品実装装置M3〜M6に装着される台車5、実装ヘッド12、実装ヘッド12に装着される吸着ノズル12b(装着部材)、部品Dを供給するテープフィーダ9(部品供給装置)、部品Dを収容するリール17(部品収容器)、ノズルホルダ18は、複数の生産設備で共用される着脱可能な要素である。
次に図5を参照して、管理コンピュータ3の構成について説明する。管理コンピュータ3は、処理部20、記憶装置である生産計画記憶部24、要素情報記憶部25の他、入力部26、表示部27を備えている。処理部20はCPUなどのデータ処理装置であり、内部処理部として要素管理部21、計画作成部22、計画評価部23を備えている。なお、管理コンピュータ3は、ひとつのコンピュータで構成する必要はなく、複数のデバイスで構成してもよい。例えば、記憶装置の全てもしくは一部をサーバを介してクラウドに備えてもよい。
入力部26は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部27は液晶パネルなどの表示装置であり、各記憶部が記憶する各種データを表示する他、入力部26による操作のための操作画面、生産計画表示画面、警告画面などの各種情報を表示する。
図5において、生産計画記憶部24には、生産計画情報24a、品種情報24bなどが記憶されている。生産計画情報24aには、生産される実装基板のロットを特定するロット番号毎に、生産する品種を特定する情報、生産枚数、生産に着手可能な着手可能日時と生産納期、実装基板を生産する部品実装ラインL1〜L3を特定するライン番号、着手予定日時と終了予定日時、生産する品種を切り替える外段取り作業時間、内段取り作業時間などを含む生産計画が記憶されている。なお、外段取り作業時間および内段取り作業時間は、交換する要素によって異なる作業時間が設定されている。また、作業時間をほとんど必要としない要素は、作業時間を0または0に近い時間が設定される。
ここで図6を参照して、生産計画情報24aの例について説明する。生産計画情報24aには、ロット番号31、品種番号32、生産枚数33、着手可能日時34、生産納期35が含まれている。ロット番号31は、部品実装ラインL1〜L3において生産される実装基板のロットを特定する情報である。品種番号32は、実装基板の品種を特定する情報である。生産枚数33は、ロットにおける実装基板の生産枚数である。着手可能日時34は、部品Dなどが揃って生産が着手可能となる日時である。生産納期35は、実装基板の生産を完了しなければならない日時である。
ロット番号31が「A」〜「E」は、品種番号32が「X1」〜「X5」の異なる品種である。一方、ロット番号31が「F」のロット(以下、単に「ロットF」と称する。)は、ロットAと同じ品種番号32が「X1」の品種(以下、単に「品種X1」と称する。)である。この例では、生産に必要な部品Dなどが揃う着手可能日時34と生産納期35の関係で生産枚数33が「550枚」の品種X1を連続して生産することができないため、ロットAとロットFに分けて生産する生産計画が立案されている。
図5において、品種情報24bには、生産される実装基板の品種を特定する品種番号32毎に、基板Bに実装される部品Dの部品種、実装位置など部品実装作業に必要な情報の他、品種の生産に使用される要素(スクリーンマスク、テープフィーダ9、実装ヘッド12、吸着ノズル12b、リール17など)の種類、使用数などが記憶されている。
ここで図7を参照して、品種情報24bの例について説明する。図7は、品種X1の品種情報24bを示している。品種情報24bには、要素名41、要素種類42、使用数43が含まれている。要素名41は品種X1の生産に使用される要素の名前であり、要素種類42は要素の種類を特定する情報である。例えば要素種類42として、実装ヘッド12はノズルユニット12aの数が異なる「8ノズル」「4ノズル」、ヘッドタイプの異なるロータリヘッドである「ロータリ」が使用され、吸着ノズル12bは吸着することができる部品Dのサイズが異なる「小」「中」「大」、特定の部品Dを吸着する専用の特殊ノズルである「特殊」が使用され、テープフィーダ9は搬送するキャリアテープ16の幅が異なる「8mm」「16mm」が使用される。
なお、本実施の形態では、図7において例示していない以下の要素を品種情報24bは含んでもよい。例えば、大型部品を把持するチャック、リード部品を把持するリードチャック、スティックケースに収納された部品Dを搬送するスティックフィーダ、収納器に収納せずに部品Dを搬送するバルクフィーダ、アキシャル部品を搬送するアキシャルフィーダ、ラジアル部品を搬送するラジアルフィーダ、部品の電極にフラックスを転写させる転写ユニット、部品の特性を計測するLCRチェッカーを含んでもよい。
使用数43は、品種X1の生産のために部品実装ラインL1〜L3の部品実装装置M3〜M6などの生産設備に取り付けて使用される総数である。使用数43は、例えば台車5と実装ヘッド12は部品実装装置M3〜M6に装着される総数、テープフィーダ9は台車5に装着される総数、吸着ノズル12bは実装ヘッド12に装着される数とノズルホルダ18に格納保持して部品実装装置M3〜M6に装着される数の合計である。
図5において、要素情報記憶部25には、要素使用状況情報25aなどが記憶されている。要素使用状況情報25aには、生産に使用される要素の要素種類42毎に、生産に使用されるロット番号31と生産する部品実装ラインL1〜L3を特定する情報および要素の使用数43、準備エリアAsに保管されている保管数が、生産時刻(時間)に関連付けして記憶されている。また、要素使用状況情報25aには、各要素の使用履歴も記憶されている。
ここで図8を参照して、要素使用状況情報25aの例について説明する。図8は、要素種類42が「16mm」にテープフィーダ9(以下、単に「テープフィーダ(16mm)」と称する。)の要素使用状況情報25aを、実装基板の生産計画のロットの生産順序(図の上段)と外段取り作業(図の下段)に重ねて表示したものである。ここでは、簡単のために部品実装ラインL1と部品実装ラインL2の2つの生産ラインで実装基板を生産する例が示されている。ライン番号が「L1」は部品実装ラインL1を、「L2」は部品実装ラインL2を示している。この生産計画では、部品実装ラインL1においてロットA、ロットC、ロットEをこの生産順序で、部品実装ラインL2においてロットB、ロットD、ロットFをこの生産順序で生産するように立案されている。
上段の生産計画において各ロット番号31が記載された矩形の左端は着手予定日時を、右端は終了予定日時を示している。各ロット番号31に対応する矩形の間に点線で示す矩形は、部品実装ラインL1,L2における内段取り作業が予定されている時間を示している。各ロット番号31に対応する矩形の下の数字は、各ロットの生産で使用されるテープフィーダ(16mm)の使用数43である。
図8において、下段の外段取り作業において、生産準備の群1、群2は、準備エリアAsに保管されている次の生産に使用される交換用の複数の台車5からなる台車群を示している。「外し」は台車5に装着されている前の生産で使用されたテープフィーダ(16mm)を台車5から外す作業を、「付け」は台車5に次の生産で使用するテープフィーダ(16mm)を取り付ける作業を示している。「保管」は、台車5に前の生産で使用されたテープフィーダ(16mm)を装着したまま保管することを示している。
台車群に対応する矩形の下には、その台車群が使用される次のロットのロット番号31とテープフィーダ(16mm)の使用数43が表示されている。例えば、「C(50)」は次に生産するロットがロットCでテープフィーダ(16mm)の使用数43が50台であることを示している。残数は、フロアFにあるテープフィーダ(16mm)の総数(120台)から、部品実装ラインL1,L2に装着されている数と、準備エリアAsにおいて次の生産のために交換用の台車5に装着されている数を引いた残りの数を示している。残数が正は台車5に装着可能なテープフィーダ(16mm)が余っていることを表しており、残数が負は台車5に装着すべきテープフィーダ(16mm)が不足していることを示している。
図5において、要素管理部21は、生産計画情報24aに含まれる各ロットが割り振られた部品実装ラインL1〜L3の情報、着手予定日時と終了予定日時、品種情報24bに含まれる品種の生産に必要な要素の使用数43に基づいて、要素の要素種類42毎に使用状況と時間を関連付けて要素使用状況情報25aとして記憶させる。すなわち、要素管理部21は、生産設備により複数の品種の製品を生産し、複数の生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理する。
また、要素管理部21は、要素の使用履歴も要素使用状況情報25aとして記憶させる。すなわち、要素の使用状況には、使用された履歴と使用される予定が含まれる。また、要素の使用状況は、生産設備に取り付けられている場合を使用とし、生産設備に取り付けられていない場合を不使用として記憶されている。要素が生産設備に取り付けられているか、取り付けられていないかは、生産計画情報24aで使用される予定がある時間帯を使用とし、使用される予定がない時間帯を不使用とする。また、より正確に要素の使用状況を把握する手法として、各要素にRFID等を取り付けて、各要素が生産エリアApにあるか準備エリアAsにあるかで生産設備に取り付けられているか、取り付けられていないかを把握してもよい。
図5において、計画作成部22は、生産計画情報24aに含まれる各ロットの品種、生産枚数33、着手可能日時34、生産納期35に基づいて、各ロットを部品実装ラインL1〜L3に割り振りし、生産順序を決定し、着手予定日時と終了予定日時を算出して生産計画情報24aに記憶させる。また、後述する計画評価部23によって要素が不足する時間が発生すると判断された場合は、関係するロットの着手予定時間を延期したり、複数の品種のうち生産納期35を達成可能な品種の生産順序を変更して生産計画情報24aに記憶させる。また、計画作成部22は、生産計画に生産納期35を守れないロットがある場合は、表示部27にその旨の警告を表示させる。
計画評価部23は、生産計画情報24aと要素使用状況情報25aに基づいて、生産計画において要素が不足する時間があるか否か、生産納期35を守れるか否かを評価する。このように、計画作成部22は、品種の生産に必要な要素の情報(品種情報24b)と要素の使用状況(要素使用状況情報25a)に基づいて、品種の生産順序を含む生産計画を作成する。
次に図10のフローに沿って、図8、図9を参照しながら生産設備により複数の品種の製品を生産する生産計画を作成する生産計画作成方法について説明する。ここでは、図6に示す生産計画情報24aに基づいて、部品実装ラインL1と部品実装ラインL2で実装基板を生産する生産計画を作成する例を説明する。
図10において、まず計画作成部22は、生産計画情報24aに基づいて各ロットを部品実装ラインL1と部品実装ラインL2に振り分けて生産順序を決定し、外段取り作業時間と内段取り作業時間を決定した仮の生産計画を作成する(ST1:仮生産計画作成工程)。次いで要素管理部21は、仮生産計画と品種情報24bに基づいて、各ロットに必要な数の要素を割り振った要素の使用状況を使用する時間と関連付けた要素使用状況情報25aを要素の要素種類42毎に作成する(ST2:要素使用状況作成工程)。その際、部品実装ラインL1〜L2で生産するロットの他、準備エリアAsにおける外段取り作業において次の生産のために準備するロット(台車群など)にも要素が割り振られる。
次いで計画評価部23は、生産計画において要素が不足する時間が発生するか否かを判断する(ST3:第1の生産計画評価工程)。この判断は、全ての要素の要素種類42に対して実行される。生産計画において要素が不足する時間が発生する場合(ST3においてYes)、計画作成部22は、要素が不足するロットの内段取り作業を開始する時間と着手予定日時を要素の不足が解消するまで延期するように生産計画を変更する(ST4:延期変更工程)。
図8に示す生産計画は、下段に示す外段取り作業においてロットDの生産のために台車群2にテープフィーダ(16mm)を取り付ける作業と、ロットEの生産のために台車群2にテープフィーダ(16mm)を取り付ける作業において、要素(テープフィーダ(16mm))が不足する時間が発生している。そのため、延期変更工程(ST4)において、上段に示すように部品実装ラインL2をロットDの生産に切り替える内段取り作業の開始時間と、部品実装ラインL1をロットEの生産に切り替える内段取り作業の開始時間を延期する計画変更がされている。
図10において、次いで計画評価部23は、変更後の生産計画に対して、生産納期35を守れないロットがあるか否かを評価する(ST5:第2の生産計画評価工程)。生産納期35を守れないロットがある場合(ST5においてYes)、計画作成部22は、該当するロットと生産順序を入れ替え可能なロットがあるか否かを判断する(ST6)。入れ替え可能なロットがない場合(ST6においてNo)、計画作成部22は表示部27に生産納期35を守れないロットがある旨の警告を表示させる(ST7:警告工程)。
入れ替え可能なロットがある場合(ST6においてYes)、計画作成部22は生産順序を変更した生産計画を作成する(ST8:入替変更工程)。次いで要素使用状況作成工程(ST2)に戻って、生産順序が変更された生産計画に対して要素使用状況情報25aが作成され、第1の生産計画評価工程(ST3)が実行される。
図9は、部品実装ラインL2におけるロットDとロットFの生産順序を入れ替えた(変更した)生産計画である。生産順序の入れ替えによって、図8で発生していた外段取り作業における要素の不足が解消し、ロットDとロットFの内段取り作業を前のロットであるロットBとロットDの生産終了後に直ぐに開始する生産計画になっている。変更後の生産計画では、内段取り作業の開始の待ち時間が解消されたため、全てのロットA〜Fの生産が終了する時刻が図8に示す変更前の生産計画より早くなっている。
図10において、第1の生産計画評価工程(ST3)において生産計画において要素が不足する時間が発生していない場合(No)、または第2の生産計画評価工程(ST5)において生産納期35を守れないロットがない場合(No)、計画作成部22は変更後の生産計画を生産計画に決定して生産計画情報24aを更新する(ST9:生産計画決定工程)。なお、第2の生産計画評価工程(ST5)において生産納期35を守れないロットがない場合(No)でも、生産順序を変更して終了予定日時を算出し(ST8)、要素の不足が発生せずに終了予定日時が早くなる場合は、その生産計画を採用するようにしてもよい。
このように、本実施の形態の生産計画作成方法は、要素の使用状況を時間と関連して管理し(ST2)、品種の生産に必要な要素の情報と要素の使用状況に基づいて品種の生産順序を含む生産計画を作成している(ST3〜ST6、ST8、ST9)。これによって、複数の生産設備で共用する要素の使用状況を考慮した生産計画を作成できる。
また、本実施の形態の複数の部品実装ラインL1〜L3が備える生産設備により複数の品種の製品を生産する生産方法では、要素の使用状況を時間と関連して管理し(ST2)、品種の生産に必要な要素の情報と要素の使用状況に基づいて品種の生産順序を含む生産計画を作成し(ST3〜ST6、ST8、ST9)、作成した生産計画に基づいて複数の品種の製品を生産する。これによって、複数の生産設備で共用する要素の使用状況を考慮して、効率良く製品を生産することができる。
上記説明したように、本実施の形態の管理コンピュータ3は、生産設備により複数の品種の製品を生産し、複数の生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理する要素管理部21と、品種の生産に必要な要素の情報(品種情報24b)と要素の使用状況(要素使用状況情報25a)に基づいて品種の生産順序を含む生産計画を作成する計画作成部22とを備える、生産計画作成装置である。これによって、複数の生産設備で共用する要素の使用状況を考慮した生産計画が作成できる。
以上、本発明の一実施の形態を基に説明した。この実施の形態は、生産ラインで生産される製品の種類、組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば生産ラインは、生産物である電子機器を組み立てる組立ラインであっても、生産物である食品加工製品を製造する食品加工ラインであってもよい。
また、メンテナンスが必要な要素は、「メンテナンス」として、対象要素のメンテナンス中は要素の総数から減算させる。もしくは、使用不可能な要素を、「使用不可」として、要素の総数から減算させてもよい。
また、各種要素をID管理して、エラー発生率が低い要素など特定IDの要素が用いられるように品種の生産計画を作成してもよい。生産設備はそれぞれ組み立て誤差を有しているため、同じ要素であっても特定の生産設備や特定の品種によってエラー発生率が異なる場合がある。このような場合において、エラー発生率が低い特定IDの要素が繰り返し特定の生産設備や特定の品種で繰り返し使用されるように生産計画を作成することで、効率的な生産が可能である。反対に、特定の生産設備や特定の品種によって使用されないように特定IDの要素を「使用不可」として、生産計画を作成してもよい。
また、予め代替が可能な要素の情報を記憶しておいて、生産計画作成において、要素が不足していても、代替が可能な要素が設定されている場合は、代替可能な要素を選択して生産計画を作成してもよい。例えば、ある部品Dが吸着ノズル12bの「中」を用いるように設定されていても、代替として吸着ノズル12bの「小」が設定されていればそちらを選択して生産計画を作成してもよい。このように代替可能な要素を選択できるようにすることで、ロットの生産可能な時間帯を増やすことができ、生産納期遅延を低減させることができる。
なお、要素が不足する時間を判断するにあたり、作業時間を必要としない要素は、要素が準備できる時間に基づいて判断される。
本発明の生産計画作成方法および生産計画作成装置ならびに生産方法は、複数の生産設備で共用する要素の使用状況を考慮した生産計画が作成できるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
3 管理コンピュータ(生産計画作成装置)
9 テープフィーダ(部品供給装置、要素)
12 実装ヘッド(要素)
12b 吸着ノズル(装着部材、要素)
17 リール(部品収容器、要素)
18 ノズルホルダ(要素)
B 基板
D 部品
M1 スクリーン印刷装置(印刷装置、生産設備)
M3〜M6 部品実装装置(生産設備)

Claims (11)

  1. 生産設備により複数の品種の製品を生産する生産計画を作成する生産計画作成方法であって、
    複数の前記生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理し、
    前記品種の生産に必要な前記要素の情報と前記要素の使用状況に基づいて前記品種の生産順序を含む生産計画を作成する、生産計画作成方法。
  2. 前記生産計画において前記要素が不足する時間が発生する場合、複数の前記品種のうち納期を達成可能な品種の生産順序を変更する、請求項1に記載の生産計画作成方法。
  3. 前記要素の使用状況は、使用された履歴と使用される予定を含む、請求項1または2に記載の生産計画作成方法。
  4. 前記要素の使用状況は、前記生産設備に取り付けられている場合を使用とし、前記生産設備に取り付けられていない場合を不使用とする、請求項1から3のいずれかに記載の生産計画作成方法。
  5. 前記生産設備は、基板に半田を堆積させる印刷装置または半田が堆積された前記基板に部品を実装ヘッドで実装する部品実装装置であり、
    前記要素は、前記印刷装置に装着されるスクリーンマスク、前記実装ヘッドに装着される装着部材、前記部品を供給する部品供給装置、前記部品を収容する部品収容器の少なくともいずれかを含む、請求項1から4のいずれかに記載の生産計画作成方法。
  6. 生産設備により複数の品種の製品を生産し、複数の前記生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理する要素管理部と、
    前記品種の生産に必要な前記要素の情報と前記要素の使用状況に基づいて前記品種の生産順序を含む生産計画を作成する計画作成部とを備える、生産計画作成装置。
  7. さらに、前記生産計画において前記要素が不足する時間があるか否かを評価する計画評価部を備え、
    前記生産計画において前記要素が不足する時間が発生する場合、前記計画作成部は、複数の前記品種のうち納期を達成可能な品種の生産順序を変更する、請求項6に記載の生産計画作成装置。
  8. 前記要素の使用状況は、使用された履歴と使用される予定を含む、請求項6または7に記載の生産計画作成装置。
  9. 前記要素の使用状況は、前記生産設備に取り付けられている場合を使用とし、前記生産設備に取り付けられていない場合を不使用とする、請求項6から8のいずれかに記載の生産計画作成装置。
  10. 前記生産設備は、基板に半田を堆積させる印刷装置または半田が堆積された前記基板に部品を実装ヘッドで実装する部品実装装置であり、
    前記要素は、前記印刷装置に装着されるスクリーンマスク、前記実装ヘッドに装着される装着部材、前記部品を供給する部品供給装置、前記部品を収容する部品収容器の少なくともいずれかを含む、請求項6から9のいずれかに記載の生産計画作成装置。
  11. 生産設備により複数の品種の製品を生産する生産方法であって、
    複数の前記生産設備で共用される着脱可能な要素の使用状況を時間と関連して管理し、
    前記品種の生産に必要な前記要素の情報と前記要素の使用状況に基づいて前記品種の生産順序を含む生産計画を作成し、
    前記作成した生産計画に基づいて前記複数の品種の製品を生産する、生産方法。
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