JP2020046218A - レーダ装置および物標判別方法 - Google Patents

レーダ装置および物標判別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することができるレーダ装置および物標判別方法を提供すること。【解決手段】実施形態に係るレーダ装置は、受信部と、算出部と、判別部とを備える。受信部は、物標で反射した反射波を受信信号として受信する。算出部は、受信信号から物標の瞬時値を求め、瞬時値から物標に関する複数の特徴量を算出する。判別部は、算出部によって算出される複数の特徴量と、予め生成された特徴量の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルとに基づいて、物標が歩行者か否かの判別を行う。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、レーダ装置および物標判別方法に関する。
従来、レーダ装置は、物標で反射した送信波の反射波を受信信号として受信し、受信信号を解析することによって、例えば、歩行者等の物標を検知する(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−3873号公報
しかしながら、従来の技術では、歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することが困難であった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することができるレーダ装置および物標判別方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るレーダ装置は、受信部と、算出部と、判別部とを備える。受信部は、物標で反射した送信波の反射波を受信信号として受信する。算出部は、前記受信信号から前記物標の瞬時値を求め、前記瞬時値から前記物標に関する複数の特徴量を算出する。判別部は、前記算出部によって算出される前記複数の特徴量と、予め生成された前記特徴量の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルとに基づいて、前記物標が歩行者か否かの判別を行う。
実施形態の一態様に係るレーダ装置および物標判別方法によれば、歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することができる。
図1は、実施形態に係る物標判別方法の概要を示す説明図である。 図2は、実施形態に係るレーダ装置のブロック図である。 図3は、実施形態に係る送信周波数と、受信周波数と、ビート周波数との関係の一例を示す図である。 図4は、実施形態に係るビート信号に対して距離FFT処理を行った結果を示す図である。 図5は、実施形態に係る第2処理部の処理内容を示す図である。 図6は、実施形態に係るスコアの算出方法の一例を示す説明図である。 図7は、実施形態に係る距離モデルの一例を示す説明図である。 図8は、実施形態に係る対地速度モデルの一例を示す説明図である。 図9は、実施形態に係るレーダ装置の信号処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、レーダ装置および物標判別方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、実施形態に係る物標判別方法の概要を示す説明図である。
以下では、実施形態に係るレーダ装置がFCM(Fast Chirp Modulation)方式によって自車両の周囲に存在する物標を検知する場合を例に挙げて説明するが、これは一例である。実施形態に係るレーダ装置は、例えば、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物標を検知するものであってもよい。
FCM方式は、周波数が連続的に変化する複数のチャープ波が繰り返される送信波を出力し、物標で反射した送信波の反射波を受信信号として受信し、受信信号を解析することによって物標との距離、相対速度、自車両に対する角度(方位)を検出する方式である。
図1に示すように、レーダ装置は、受信信号に基づいて物標T1を検知した場合(ステップS1)、受信信号から、物標との距離や相対速度といった特性(瞬時値と呼ぶこともある)を算出し、前述の物標の瞬時値から物標に関する複数の特徴量T2を算出する(ステップS2)。
続いて、レーダ装置は、特徴量T2に基づいて物標T1が歩行者である可能性を示すスコアを算出する(ステップS3)。このとき、レーダ装置は、予め生成された特徴量の値に対応する歩行者か否かの確からしさ(以下、尤度と記載する)をモデル化した尤度モデルMを参照する(ステップS31)。
尤度モデルMは、図1に実線のグラフで示す歩行者モデルと、点線のグラフで示す路面モデルとを含む。歩行者モデルは、物標が示す特徴量に対する、該物標が歩行者であることの確からしさ(すなわち尤度)の関係を表したものである。
また、路面モデルも同様に、物標が示す特徴量に対する、該物標が路面である尤度の関係を表したものである。かかる尤度モデルMは、ステップS2で算出される複数の特徴量T2の種類毎に予め生成される。
レーダ装置は、ステップS2で算出した特徴量T2と、尤度モデルMとに基づいて物標が歩行者である確からしさを示す歩行者尤度と、物標が路面である確からしさを示す路面尤度を取得する(ステップS32)。
このとき、レーダ装置は、ステップS2で算出した複数の特徴量T2の種類毎に、歩行者尤度および路面尤度を取得する。レーダ装置は、ステップS3において、これらの歩行者尤度および路面尤度から、複数の特徴量T2の種類毎に物標T1が歩行者である尤度を示すスコアを算出する。
そして、レーダ装置は、算出した複数のスコアの合計スコアが閾値以上の場合、歩行者T3と判別する(ステップS4)。また、レーダ装置は、合計スコアが閾値未満の場合、路面クラッタT4と判別する(ステップS5)。
このように、レーダ装置は、物標の瞬時値から物標T1に関する複数の特徴量T2を算出する。そして、レーダ装置は、算出した複数の特徴量T2と、予め生成された特徴量の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルMとに基づいて、物標T1が歩行者T3か否かの判別を行う。これにより、レーダ装置は、歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することができる。
次に、図2を参照し、実施形態に係るレーダ装置1の構成の一例について説明する。図1は、実施形態に係るレーダ装置1のブロック図である。レーダ装置1は、車両に搭載され、FCM方式によって物体を検知する。
具体的には、レーダ装置1は、送信波が物標によって反射された反射波を受信信号として複数の受信アンテナによって受信する。そして、レーダ装置1は、受信した反射波と送信波とから生成されるビート信号に対して二次元高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)処理(以下、二次元FFT処理と記載する場合がある)を行って物標との距離、相対速度、および物標の確度(方位)を検出する。
なお、二次元FFT処理は、物標との距離に対応する距離方向への距離FFT処理および物標との相対速度に対応する速度方向への速度FFT処理の2回のFFT処理を行うことである。
かかるレーダ装置1は、図2に示すように、車両制御装置2に接続される。車両制御装置2は、レーダ装置1による物標の検出結果に基づいてPCS(Pre-crash Safety System)やAEB(Advanced Emergency Braking System)などの車両制御を行う。なお、レーダ装置1は、車載レーダ装置以外の各種用途(例えば、飛行機や船舶の監視等)に用いられてもよい。
レーダ装置1は、送信部10と、受信部20と、処理部30とを備える。送信部10は、信号生成部11と、発振器12と、送信アンテナ13とを備える。信号生成部11は、ノコギリ波状に電圧が変化する変調信号を生成し、発振器12へ供給する。発振器12は、信号生成部11で生成された変調信号に基づいてチャープ信号を生成して、送信アンテナ13へ出力する。
送信アンテナ13は、発振器12から入力されるチャープ信号を送信波へ変換し、かかる送信波を車両の外部へ出力する。送信アンテナ13が出力する送信波は、複数のチャープ波が繰り返される波形である。送信アンテナ13から車両の前方に送信された送信波は、物標で反射されて反射波となる。
受信部20は、アレーアンテナを形成する複数の受信アンテナ21と、受信アンテナ21毎に設けられるミキサ22と、ミキサ22毎に設けられるA/D変換器23とを備える。各受信アンテナ21は物標からの反射波を受信波として受信し、かかる受信波を受信信号へ変換してミキサ22へそれぞれ出力する。なお、図2に示す受信アンテナ21の数は、4つであるが3つ以下または5つ以上であってもよい。
各受信アンテナ21から出力された受信信号は、不図示の増幅器(例えば、ローノイズアンプ)で増幅された後にミキサ22へ入力される。ミキサ22は、チャープ信号と受信信号の一部とをミキシングし不要な信号成分を除去してビート信号を生成し、A/D変換器23へ出力する。
これにより、チャープ信号の周波数fST(以下、送信周波数fSTと記載する)と受信信号の周波数fSR(以下、受信周波数fSRと記載する)との差となるビート周波数fSB(=fST−fSR)を有するビート信号が生成される。ミキサ22で生成されたビート信号は、A/D変換器23でデジタルの信号へ変換された後に処理部30に出力される。
図3は、送信周波数fSTと、受信周波数fSRと、ビート周波数fSBとの関係の一例を示す図である。図3に示すように、ビート信号は、チャープ波毎に生成される。なお、ここでは、1回目のチャープ波によって得られるビート信号を「B1」とし、2回目のチャープ波によって得られるビート信号を「B2」とし、n回目のチャープ波によって得られるビート信号を「Bn」としている。
また、図3に示す例では、送信周波数fSTは、チャープ波毎に、基準周波数f0から時間に伴って傾きθ(=(f1−f0)/Tm)で増加し、最大周波数f1に達すると基準周波数f0に短時間で戻るノコギリ波状(いわゆるアップチャープ)である。
なお、送信周波数fSTは、チャープ波毎に基準周波数f0から最大周波数f1へ短時間で到達し、かかる最大周波数f1から時間に伴って傾きθ(=(f0−f1)/Tm)で減少するノコギリ波状(いわゆるダウンチャープ)であってもよい。
図2の説明に戻り、処理部30について説明する。処理部30は、送信制御部31および信号処理部32を備える。信号処理部32は、第1処理部33、第2処理部34、算出部35、判別部36および出力部37を備える。
かかる処理部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート等を含むマイクロコンピュータであり、レーダ装置1全体を制御する。
処理部30は、マイクロコンピュータのCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出し、RAMを作業領域として使用して実行することにより機能する送信制御部31および信号処理部32を備える。
なお、送信制御部31および信号処理部32のうち少なくとも一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
送信制御部31は、送信部10の信号生成部11を制御し、信号生成部11からノコギリ歯状に電圧が変化する変調信号を発振器12へ出力させる。これにより、時間の経過に従って周波数が変化するチャープ信号が発振器12から送信アンテナ13へ出力される。
信号処理部32は、各A/D変換器23から出力されるビート信号に対してそれぞれ二次元FFT処理(距離FFT処理および速度FFT処理)を行う。そして、信号処理部32は、かかる二次元FFT処理の結果に基づいて物標の距離、相対速度および方位を演算し、算出した距離および相対速度から、例えば、物標が歩行者か否かを判別する。以下、信号処理部32の各部の処理について説明する。
信号処理部32の第1処理部33は、各A/D変換器23から入力されるビート信号のそれぞれに対して距離FFT処理を行うことで受信アンテナ21毎に周波数スペクトルを生成する。具体的には、第1処理部33は、ビート信号毎に各距離[bin]fr(fr1〜frm)について距離FFT処理を行う。ここで、図4を用いて、距離FFT処理の結果について具体的に説明する。
図4は、ビート信号に対して距離FFT処理を行った結果を示す図である。図4に示す周波数スペクトルでは、横軸を距離[bin](周波数)とし、縦軸をパワースペクトル(パワー[dB])の大きさ(ピークの大きさ)としている。図4に示す例では、距離[bin]fr10のみにピークが出現していることとする。
ここで、ビート信号の周波数は、物標とレーダ装置1との間の距離に比例して増減する。このため、第1処理部33は、ビート信号に対して距離FFT処理を行うことで、物標との距離に対応する距離[bin]frに出現するピーク(パワーが所定値以上)を距離方向のターゲットピークとして取得する。
なお、第1処理部33は、4つのA/D変換器23から入力される各ビート信号に対して所定サイクルで周期的に距離FFT処理を行う。第1処理部33は、距離FFT処理の結果を第2処理部34へ出力する。
第2処理部34は、第1処理部33における距離FFT処理の結果に対して速度FFT処理を行う。速度FFT処理とは、距離FFT処理の結果である周波数スペクトルの距離[bin]fr毎に各速度[bin]fvについて2回目のFFT処理を行うことである。これにより、速度FFT処理の結果として、物標の相対速度に対応する速度[bin]fvにピークが出現することとなる。
かかる第2処理部34は、物標の相対速度がゼロでない場合に生じる受信信号のドップラ成分を利用する。具体的には、第2処理部34は、ビート信号の周波数スペクトルにおけるピークの位相の変化を検出する。ここで、図5を用いて、第2処理部34の処理内容について説明する。
図5は、第2処理部34の処理内容を示す図である。図5では、複数の受信アンテナ21のうち、任意の1つの受信アンテナ21の周波数スペクトルを時系列に並べて示している。また、図5では、時間的に連続するビート信号B1〜B8の距離FFT処理の結果とビート信号B1〜B8間のピークの位相変化の一例を示す。図5に示す例では、各ビート信号B1〜B8の距離[bin]fr10にピークがあり、かかるピークの位相が変化している。
ここで、物標とレーダ装置1との相対速度がゼロでない場合、ビート信号B1〜B8間において同一物標に相当する距離[bin]fr10のピークにドップラ周波数に応じた位相の変化が現われる。
第2処理部34は、所定サイクルで周期的に距離FFT処理を行って得られる周波数スペクトルを時系列に並べて速度FFT処理を行うことで、ドップラ周波数に対する周波数(速度[bin])にピークが出現する周波数スペクトルを速度方向のターゲットピークとして取得する。第2処理部34は、速度FFT処理の結果を算出部35へ出力する。
図2へ戻って算出部35および判別部36について説明する。算出部35は、第2処理部34から入力される速度FFT処理の結果の瞬時値から距離方向を第1軸とし、速度方向を第2軸とした二次元の直交座標系におけるパワースペクトルを生成する。
そして、算出部35は、算出したパワースペクトルに基づいて、物標との距離、相対速度および角度(方位)を演算する。さらに、算出部35は、物標との相対速度から自車両の速度成分を除くことによって、物標の対地速度を算出する。すなわち、対地速度は、物標の相対速度の大きさから、自車両の速度ベクトルを物標の方向に投影した成分を減算して求める。
なお、算出部35による確度の推定は、例えば、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)、DBF(Digital Beam Forming)、または、MUSIC(Multiple Signal Classification)などの所定の推定方式を用いて行われる。
判別部36は、算出部によって算出された距離、相対速度、対地速度、および角度から、例えば、物標が歩行者か否かを判別する。そして、判別部36は、演算結果および判別結果を出力部37へ出力する。
出力部37は、車両制御装置2に対して各種情報を出力する。例えば、出力部37は、検出した物標に関する物標情報を車両制御装置2へ出力する。物標情報には、例えば、判別部36によって歩行者と判別された物標の距離、相対速度、対地速度、および角度が含まれる。
ここで、一般的なレーダ装置の判別部は、距離方向のターゲットピークと、速度方向のターゲットピークとに基づいて、物標が歩行者か否かを判別する。例えば、一般的な判別部は、距離方向のターゲットピークについて、歩行者の方が路面クラッタよりもパワーが高い傾向があるため、パワーが所定の閾値以上である場合に、物標を歩行者と判別する。
しかし、ときとして路面クラッタの距離方向におけるパワーが閾値を超える場合がある。かかる場合に、判別部は、路面を歩行者と誤判別することがある。
また、一般的な判別部は、速度方向のターゲットピークについて、歩行者は移動するが路面は移動しないため、物標の対地速度が所定の閾値以上である場合に、物標を歩行者と判別する。しかし、かかる判別部は、閾値未満の対地速度で移動する歩行者を路面と誤判別することがある。
このように、一般的な判別部は、距離方向のターゲットピークと、速度方向のターゲットピークとに基づいて、物標が歩行者か否かを判別するため、歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することが困難であった。
なお、一般的な判別部は、複数サイクルの処理で連続して取得されるターゲットピークに基づいて物標が歩行者か否かを判別することにより、判別の確度を向上させることは可能であるが、これでは、歩行者か否かの判別に要する時間が嵩む。
そこで、レーダ装置1は、単純に受信号の瞬時値と閾値とを比較して、物標が歩行者か否かを判別するのではなく、受信信号の瞬時値から算出する物標に関する特徴量と、前述の尤度モデルとに基づいて、物標が歩行者か否かを判別する。
具体的には、レーダ装置1の算出部35は、受信信号の瞬時値から物標に関する特徴量として、物標までの距離と、物標の対地速度を算出し、算出した距離および対地速度を判別部36へ出力する。判別部36は、例えば、算出部35から入力される距離および対地速度から、ベイズ理論を利用して、物標が歩行者か否かを判別する確率的分類器である。
かかる判別部36は、算出部35から入力される物標に関する特徴量と、尤度モデルとに基づいて、物標が歩行者である尤度を示すスコア(以下、物標のスコアと記載する)を算出する。ここで、図6を参照し、実施形態に係るスコアの算出方法の一例について説明する。
図6は、実施形態に係るスコアの算出方法の一例を示す説明図である。図6に示すように、尤度モデルは、実線のグラフで示す歩行者モデルと、破線のグラフで示す路面モデルとを含む。
歩行者モデルは、特徴量と、特徴量の値が歩行者であることを示す尤度との関係を予め記述したものである。路面モデルは、特徴量と、特徴量の値が路面である尤度との関係を予め記述したものである。
歩行者モデルでは、特徴量に対応する尤度が高いほど、物標が歩行者である確率が高いことを意味する。また、路面モデルでは、特徴量に対応する尤度が高いほど、物標が路面である確率が高いことを意味する。
判別部36は、例えば、図6に示すdという値の特徴量が入力される場合、路面モデルで特徴量の値dに対応する尤度の値θ(路面尤度)を取得し、さらに、歩行者モデルで特徴量の値dに対応する尤度の値θ(歩行者尤度)を取得する。
そして、判別部36は、例えば、歩行者尤度θを路面尤度θで除算することによって、歩行者尤度が高いほど、また、路面尤度が低いほど値が大きくなる物標のスコアを算出する。
このように、判別部36は、一つの特徴量について、どのくらい歩行者らしいかだけを評価するのではなく、どのくらい歩行者らしいかの評価結果と、どのくらい路面らしいかの評価結果とを複合して物標のスコアを算出する。これにより、判別部36は、物標が歩行者か否かを判別する材料として、信頼性の高いスコアを算出することができる。
また、判別部36には、算出部35から物標に関する特徴量として、物標までの距離と、物標の対地速度とが入力される。このため、判別部36は、物標までの距離と、物標の対地速度とについて、それぞれ個別に物標のスコアを算出する。
このとき、判別部36は、物標までの距離と距離モデルとに基づいて物標のスコアを算出し、物標の対地速度と対地速度モデルとに基づいて物標のスコアを算出する。距離モデルは、距離の値に対応する前述の歩行者モデルと路面モデルを有し、物標までの距離の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルである。
また、対地速度モデルは、対地速度に対応する前述の歩行者モデルと路面モデルを有し、物標の対地速度の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルである。距離モデルおよび対地速度モデルは、予め歩行者である場合に物標がとる特徴量に基づき、統計などによって生成される。
尤度モデルは、ガウス分布などの所定の分布関数などによってモデル化され、数式を用いて連続的に表現される。また分布形状が複雑な場合は、特徴量の発生頻度ヒストグラムなどを直接使用し、離散的に記述し、補完する方法もある。尤度モデルの記述方法は種々の方式があり、要求に応じて適宜選択できる。
次に、図7および図8を参照し、実施形態に係る距離モデルおよび対地速度モデルの一例について説明する。図7は、実施形態に係る距離モデルの一例を示す説明図である。図8は、実施形態に係る対地速度モデルの一例を示す説明図である。
物標までの距離に関して、歩行者は、レーダ装置1の特性に基づく最大検知距離内であれば、距離方向の全範囲に存在し得る。これに対して、路面クラッタは、送信波の垂直ビーム幅やレーダ装置1の取付状態により、距離方向においてレーダ装置1から比較的近い所定範囲に分布する傾向がある。
このため、図7に示すように、距離モデルは、破線のグラフで示す路面モデルが比較的近距離の範囲でガウス分布となり、実線のグラフで示す歩行者モデルが距離方向において一様分布となるように設計される。
一方、物標の対地速度に関して、歩行者は、手足も含めるとマイクロドップラの影響により路面クラッタに比べて対地速度方向における広範囲に分布する。これに対して、路面クラッタは、路面の対地速度が0であるため、対地速度方向における0付近に分布する傾向がある。
このため、図8に示すように、対地速度モデルは、破線のグラフで示す路面モデルが0近傍で幅狭なガウス分布となり、実線のグラフで示す歩行者モデルが路面モデルよりも幅広なガウス分布となるように設計される。
判別部36は、算出部35から入力される物標までの距離と、図7に示す距離モデルとに基づいて、図6を参照して説明した方法と同様に、物標のスコアを算出する。さらに、判別部36は、例えば、算出部35から入力される物標の対地速度と、図8に示す対地速度モデルとに基づいて、図6を参照して説明した方法と同様に、物標のスコアを算出する。
続いて、判別部36は、物標との距離と距離モデルとに基づき算出したスコアと、物標の対地速度と対地速度モデルとに基づき算出したスコアとを合算して最終的な物標のスコアを算出する。
そして、判別部36は、物標のスコアが所定の閾値以上である場合に、物標を歩行者と判別する。また、判別部36は、物標のスコアが所定の閾値未満である場合には、路面と判別する。
このように、判別部36は、単に、物標までの距離や対地速度と閾値とを比較するのではなく、物標までの距離および対地速度のそれぞれについて、歩行者尤度および路面尤度を評価し、これら2つの評価を総合的に評価して物標が歩行者であるか否かを判定する。これにより、判別部36は、歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することができる。
次に、図9を参照し、実施形態に係るレーダ装置1の信号処理部32が実行する処理の一例について説明する。図9は、実施形態に係るレーダ装置1の信号処理部32が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
信号処理部32は、ビート信号が入力される場合に、図9に示す処理を所定サイクルで繰り返し実行する。具体的には、信号処理部32は、ビート信号が入力されると、まず、ビート信号に対して距離FFT処理を行い(ステップS101)、その後、距離FFT処理の結果に対して速度FFT処理を行う(ステップS102)。
続いて、信号処理部32は、速度FFTの処理結果に基づいて、物標との距離および物標の対地速度を算出する(ステップS103)。そして、信号処理部32は、物標との距離と距離モデルとに基づき物標のスコアを算出する(ステップS104)。
続いて、信号処理部32は、物標の対地速度と対地速度モデルとに基づきスコアを算出する(ステップS105)。そして、信号処理部32は、ステップS104およびステップS105の処理で算出したスコアを合算して合計スコアを算出する(ステップS106)。
その後、信号処理部32は、合計スコアが閾値以上であるか否かを判定する(ステップS107)。そして、信号処理部32は、合計スコアが閾値以上であると判定した場合(ステップS107,Yes)、物標を歩行者と判別し(ステップS108)、処理をステップS110へ移す。
また、信号処理部32は、合計スコアが閾値未満であると判定した場合(ステップS107,No)、路面クラッタであると判別し(ステップS109)、処理をステップS110へ移す。
ステップS110において、信号処理部32は、歩行者と判別した物標の距離、相対速度、および角度等を含む物標情報を車両制御装置2へ出力して処理を終了し、再度、ステップS101から処理を開始する。
上述したように、実施形態に係るレーダ装置1は、算出部35と、判別部36とを備える。そして、算出部35は、受信信号から物標T1の瞬時値を求め、瞬時値から物標T1に関する複数の特徴量を算出する。判別部36は、算出部35によって算出される複数の特徴量と、予め生成された特徴量の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルとに基づいて、物標が歩行者か否かの判別を行う。これにより、レーダ装置1は、歩行者と路面クラッタとを高確度で判別することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 レーダ装置
2 車両制御装置
10 送信部
11 信号生成部
12 発振器
13 送信アンテナ
20 受信部
21 受信アンテナ
22 ミキサ
23 A/D変換器
30 処理部
31 送信制御部
32 信号処理部
33 第1処理部
34 第2処理部
35 算出部
36 判別部
37 出力部

Claims (6)

  1. 物標で反射した送信波の反射波を受信信号として受信する受信部と、
    前記受信信号から前記物標の瞬時値を求め、前記瞬時値から前記物標に関する複数の特徴量を算出する算出部と、
    前記算出部によって算出される前記複数の特徴量と、予め生成された前記特徴量の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルとに基づいて、前記物標が歩行者か否かの判別を行う判別部と
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記判別部は、
    前記複数の特徴量として、前記物標までの距離と、前記物標の対地速度とを用いて前記判別を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記判別部は、
    前記距離の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す前記尤度モデルである距離モデルと、前記対地速度の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す前記尤度モデルである対地速度モデルとに基づいて前記判別を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記距離モデルおよび前記対地速度モデルは、
    前記特徴量と当該特徴量の値が歩行者であることを示す尤度との関係を表す歩行者モデルと、
    前記特徴量と当該特徴量の値が路面クラッタであることを示す尤度との関係を表す路面尤度モデルと
    を含むことを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 前記判別部は、
    前記複数の特徴量を入力とする確率的分類器によって前記判別を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のレーダ装置。
  6. 物標で反射した送信波の反射波を受信信号として受信する受信工程と、
    前記受信信号から前記物標の瞬時値を求め、前記瞬時値から前記物標に関する複数の特徴量を算出する算出工程と、
    前記算出工程によって算出される前記複数の特徴量と、予め生成された前記特徴量の値に対応する歩行者か否かの確からしさを表す尤度モデルとに基づいて、前記物標が歩行者か否かの判別を行う判別工程と
    を含むことを特徴とする物標判別方法。
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