JP2020046124A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020046124A
JP2020046124A JP2018175575A JP2018175575A JP2020046124A JP 2020046124 A JP2020046124 A JP 2020046124A JP 2018175575 A JP2018175575 A JP 2018175575A JP 2018175575 A JP2018175575 A JP 2018175575A JP 2020046124 A JP2020046124 A JP 2020046124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
indoor
indoor unit
required capacity
temperature difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018175575A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7159736B2 (ja
Inventor
由樹 田中
Yoshiki Tanaka
由樹 田中
貴 松崎
Takashi Matsuzaki
貴 松崎
町田 浩紀
Hironori Machida
浩紀 町田
真也 浅野
Shinya Asano
真也 浅野
晃太郎 上野
Kotaro Ueno
晃太郎 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu General Ltd
Original Assignee
Fujitsu General Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu General Ltd filed Critical Fujitsu General Ltd
Priority to JP2018175575A priority Critical patent/JP7159736B2/ja
Publication of JP2020046124A publication Critical patent/JP2020046124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7159736B2 publication Critical patent/JP7159736B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/70Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】各室内機で要求される空調能力に応じて圧縮機の回転数を制御するときに、運転開始室内機が出現した場合の快適性を向上する。【解決手段】要求能力低減条件が成立していれば、CPU210は、最大要求能力Armから能力減算値Arpを減じた値をシステム要求能力Arとし、圧縮機21の回転数をシステム要求能力Arを発揮できる回転数としてタイマーの計時を開始する。所定時間tが経過していれば、CPU210は、運転開始室内機の現在の設定温度Tpと室内温度Trとを取り込んで現在の温度差ΔTnを算出する。次に、CPU210は、算出した現在の温度差ΔTnが運転開始室内機の運転開始直後の温度差ΔT以上であるか否かを判断する。現在の温度差ΔTnが運転開始室内機の運転開始直後の温度差ΔT以上であれば、CPU210は、圧縮機21の回転数を現在の温度差ΔTnに基づいた要求能力を発揮できる回転数とする。【選択図】図3

Description

本発明は、室外機に複数台の室内機が接続された空気調和装置に関する。
室外機に複数台の室内機が接続された空気調和装置では、冷房運転時は蒸発器として機能する各室内機の室内熱交換器における蒸発温度が所定の目標値(以降、目標蒸発温度と記載する)となるように、また、暖房運転時は凝縮器として機能する各室内機の室内熱交換器における凝縮温度が冷房運転時とは異なる所定の目標値(以降、目標凝縮温度と記載する)となるように、圧縮機の回転数が制御されるものがある(例えば、特許文献1)。ここで、目標蒸発温度や目標凝縮温度は、室内機で発揮される空調能力の最大値である定格能力が室内機で発揮されるために必要となる蒸発温度や凝縮温度である。特許文献1の空気調和装置では、個々の室内機で要求される空調能力が全て定格能力より小さい場合であっても目標蒸発温度や目標凝縮温度が変更されず、蒸発温度や凝縮温度が常に目標蒸発温度や目標凝縮温度となるように圧縮機の回転数が制御される。このため、特許文献1の空気調和装置では、圧縮機が必要以上に高い回転数で駆動することで省エネ性が悪化する問題があった。
一方で、冷房運転時および暖房運転時に、各室内機が要求する空調能力のうちの一番大きい空調能力(以降、最大要求能力と記載する場合がある)が発揮できるように、目標蒸発温度や目標凝縮温度が定められる空気調和装置が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に記載の空気調和装置では、冷房運転時は、個々の室内機で要求される空調能力が定格能力より小さい場合は、目標蒸発温度が定格能力時より高い温度となる。また、暖房運転時は、個々の室内機で要求される空調能力が定格能力より小さい場合は、目標凝縮雄能力が定格能力時より低い温度となる。そして、蒸発温度や凝縮温度がこれら目標蒸発温度や目標凝縮温度となるように圧縮機の回転数が制御される。従って、特許文献1の空気調和装置のように圧縮機が必要以上に高い回転数で駆動することがなく、空気調和装置の消費電力が抑えられて省エネ性が向上する。
特開平2−230063号公報 特開2014−238179
ところで、複数台の室内機を有する空気調和装置が空調運転を行っているときは、複数台の室内機のうち、運転している室内機と停止している室内機が混在する場合がある。そして、停止している室内機が運転を開始する場合は、運転を開始する室内機(以降、運転開始室内機と記載する)における設定温度と室内温度の温度差が、既に運転している室内機(以降、既運転室内機と記載する)における設定温度と室内温度の温度差より大きくなって、運転開始室内機が要求する空調能力が既運転室内機が要求する空調能力より大きくなることがある。
上記のような場合に、運転開始室内機の要求する空調能力に応じた目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が実現できるように圧縮機の回転数を制御すれば、既運転室内機で発揮される空調能力が実際に既運転室内機で要求される空調能力に対して著しく大きくなる恐れがある。このような状態では、運転開始室内機において検出する室内温度が設定温度に到達するまで、既運転室内機では要求以上の空調能力が発揮されて頻繁にサーモオフ/サーモオンを繰り返す恐れがあった。
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、各室内機で要求される空調能力に応じて圧縮機の回転数を制御するときに、運転開始室内機が出現した場合の快適性を向上できる空気調和装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の空気調和装置は、圧縮機を有する室外機と、室内温度を検出する室内温度検知手段を有する複数台の室内機と、圧縮機の駆動制御を行う制御手段とを有する。制御手段は、各室内機から室内温度検知手段で検出した室内温度と、各室内機で設定された空調運転の目標温度である設定温度とを取り込み、室内機毎に設定温度から室内温度を減じて温度差を求め、各温度差の絶対値のうちの一番大きい最大温度差に基づいて最大要求能力を求める。そして、制御手段は、空調運転中に停止している状態から運転を開始した運転開始室内機があるとき、要求能力低減条件が成立していれば、最大要求能力から所定の能力減算値を減じた値を圧縮機の回転数を定めるためのシステム要求能力とし、空調運転中に要求能力低減条件が成立していなければ、最大要求能力を前記システム要求能力とする。要求能力低減条件は、停止している状態から運転を開始した運転開始室内機が1台であり、かつ、運転開始室内機の要求能力が最大要求能力であり、かつ、運転開始室内機以外の既に運転を行っていた既運転室内機における各温度差が所定範囲内の値であり、かつ、既運転室内機の温度差の平均値よりも運転開始室内機の温度差が所定値大きい、とする。
上記のような本発明の空気調和装置では、空調運転中に要求能力低減条件が成立すれば、運転開始室内機の要求能力から能力減算値を減じた値をシステム要求能力とし、要求能力低減条件が成立していなければ、運転開始室内機の要求能力をシステム要求能力とする。これにより、各室内機で要求される空調能力に応じて圧縮機の回転数を制御するときに、運転開始室内機が出現した場合に既運転室内機で頻繁にサーモオフ/サーモオンを繰り返すことを抑制できる
本発明の実施形態における空気調和装置の説明図であり、(A)は冷媒回路図、(B)は室外機制御手段のブロック図である。 本発明の実施形態における、室内機運転状態テーブルである。 本発明の実施形態における、各室内機の要求する空調能力を決定する際の処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、10台の室内機が室外機に並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1(A)に示すように、本実施形態における空気調和装置1は、1台の室外機2と、室外機2に液管8およびガス管9で並列に接続された10台の室内機5−1〜5−10(図1(A)では、これらのうちの2台のみを描画している)とを備えている。より詳細には、室外機2の閉鎖弁25と各室内機5の液管接続部53とが液管8で接続されている。また、室外機2の閉鎖弁26と各室内機5のガス管接続部54とがガス管9で接続されている。このように、室外機2と10台の室内機5とが液管8およびガス管9で接続されて、空気調和装置1の冷媒回路10が形成されている。
<室外機の構成>
まずは、室外機2について説明する。室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、室外機膨張弁24と、液管8が接続された閉鎖弁25と、ガス管9が接続された閉鎖弁26と、アキュムレータ27と、室外機ファン28と、室外機制御手段200とを備えている。そして、室外機ファン28と室外機制御手段200とを除くこれら各装置が、以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて冷媒回路10の一部をなす室外機冷媒回路20を形成している。
圧縮機21は、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで、運転容量を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出側は、後述する四方弁22のポートaと吐出管41で接続されている。また、圧縮機21の冷媒吸入側は、アキュムレータ27の冷媒流出側と吸入管42で接続されている。
四方弁22は、冷媒回路10における冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。ポートaは、上述したように圧縮機21の冷媒吐出側と吐出管41で接続されている。ポートbは、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と冷媒配管43で接続されている。ポートcは、アキュムレータ27の冷媒流入側と冷媒配管46で接続されている。そして、ポートdは、閉鎖弁26と室外機ガス管45で接続されている。
室外熱交換器23は、冷媒と、後述する室外機ファン28の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気を熱交換させるものである。上述したように、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と四方弁22のポートbが冷媒配管43で接続されている。また、室外熱交換器23の他方の冷媒出入口と閉鎖弁25が室外機液管44で接続されている。室外熱交換器23は、空気調和装置1が冷房運転を行う場合は凝縮器とし6機能し、空気調和装置1が暖房運転を行う場合は蒸発器として機能する。
室外機膨張弁24は、室外機液管44に設けられている。室外機膨張弁24は、図示しないパルスモータにより駆動される電子膨張弁であり、パルスモータに与えられるパルス数によって開度が調整されることで、室外熱交換器23に流入する冷媒量、あるいは、室外熱交換器23から流出する冷媒量が調整される。室外機膨張弁24の開度は、空気調和装置1が暖房運転を行っている場合は、室外熱交換器の冷媒出口側における冷媒過熱度が後述する目標冷媒過熱度となるようにその開度が調整される。また、室外機膨張弁24の開度は、冷房運転を行っている場合は全開とされる。
アキュムレータ27は、前述したように、冷媒流入側が四方弁22のポートcと冷媒配管46で接続されるとともに、冷媒流出側が圧縮機21の冷媒吸入側と吸入管42で接続されている。アキュムレータ27は、冷媒配管46からアキュムレータ28の内部に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離してガス冷媒のみを圧縮機21に吸入させる。
室外機ファン28は樹脂材で形成されており、室外熱交換器23の近傍に配置されている。室外機ファン28は、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室外機2の内部へ外気を取り込み、室外熱交換器23において冷媒と熱交換した外気を図示しない吹出口から室外機2の外部へ放出する。
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1(A)に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力である吐出圧力を検出する吐出圧力センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。冷媒配管46におけるアキュムレータ28の冷媒流入口近傍には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力である吸入圧力を検出する吸入圧力センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する吸込温度センサ34とが設けられている。
室外機液管44における室外熱交換器23と室外機膨張弁24との間には、室外熱交換器23に流入する冷媒の温度、あるいは、室外熱交換器23から流出する冷媒の温度を検出するための熱交温度センサ35が設けられている。そして、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ36が備えられている。
また、室外機2には、本発明の制御手段である室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納された制御基板に搭載されており、図1(B)に示すように、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240とを備えている。
記憶部220は、例えばフラッシュメモリであり、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外機ファン28の駆動状態、各室内機5から送信される運転情報(運転/停止情報、冷房/暖房等の運転モード等を含む)や室外機2の定格能力および各室内機5の要求能力を記憶する。通信部230は、各室内機5との通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサでの検出結果を取り込んでCPU210に出力する。
CPU210は、センサ入力部240を介して各種センサでの検出値を定期的(例えば、30秒毎)に取り込むとともに、各室内機5から送信される運転情報を含む信号が通信部230を介して入力される。CPU210は、これら入力された各種情報に基づいて、室外機膨張弁24の開度調整、圧縮機21や室外機ファン28の駆動制御を行う。
<各室内機の構成>
次に、10台の室内機5−1〜5−10について説明する。10台の室内機5−1〜5−10は全て同じ構成を有しており、室内熱交換器51と、室内機膨張弁52と、液管接続部53と、ガス管接続部54と、室内機ファン55とを備えている。そして、室内機ファン55を除くこれら各構成装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室内機冷媒回路50を構成している。
室内熱交換器51は、冷媒と、後述する室内機ファン55の回転により図示しない吸込口から室内機5の内部に取り込まれた室内空気を熱交換させるものである。室内熱交換器51の一方の冷媒出入口と液管接続部53とが室内機液管71で接続され、他方の冷媒出入口とガス管接続部54aとが室内機ガス管72で接続されている。室内熱交換器51は、空気調和装置1が冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、空気調和装置1が暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。尚、液管接続部53やガス管接続部54は、各冷媒配管が溶接やフレアナット等により接続されている。
室内機膨張弁52は、室内機液管71に設けられている。室内機膨張弁52は電子膨張弁であり、室内熱交換器51が蒸発器として機能する場合すなわち室内機5が冷房運転を行う場合は、その開度は、室内熱交換器51の冷媒出口(ガス管接続部54側)での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように調整される。また、室内機膨張弁52は、室内熱交換器51が凝縮器として機能する場合すなわち室内機5が暖房運転を行う場合は、その開度は、室内熱交換器51の冷媒出口(液管接続部53側)での冷媒過冷却度が目標冷媒過冷却度となるように調整される。ここで、目標冷媒過熱度や目標冷媒過冷却度とは、室内機5−1〜5−10の各々で十分な冷房能力あるいは暖房能力を発揮するのに必要な冷媒過熱度および冷媒過冷却度である。
室内機ファン55は樹脂材で形成されており、室内熱交換器51の近傍に配置されている。室内機ファン55は、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室内機5の内部に室内空気を取り込み、室内熱交換器51において冷媒と熱交換した室内空気を図示しない吹出口から室内へ放出する。
以上説明した構成の他に、室内機5には各種のセンサが設けられている。室内機液管71における室内熱交換器51と室内機膨張弁52との間には、室内熱交換器51に流入あるいは室内熱交換器51から流出する冷媒の温度を検出する液側温度センサ61が設けられている。室内機ガス管72には、室内熱交換器51から流出あるいは室内熱交換器51に流入する冷媒の温度を検出するガス側温度センサ62が設けられている。室内機5の図示しない吸込口付近には、室内機5の内部に流入する室内空気の温度を検出する室内温度センサ63が備えられている。
<冷媒回路の動作>
次に、本実施形態における空気調和装置1の空調運転時の冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作について、図1(A)を用いて説明する。尚、以下の説明ではまず、空気調和装置1が暖房運転を行う場合について説明し、次に、空気調和装置1が冷房運転を行う場合について説明する。尚、図1(A)における実線矢印は、暖房運転時の冷媒の流れを示している。また、図1(A)における破線矢印は、冷房運転時の冷媒の流れを示している。
<暖房運転>
図1に示すように、空気調和装置1が暖房運転を行う場合は、四方弁22が実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdとが連通するように、また、ポートbとポートcとが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路10は、各室内熱交換器51が凝縮器として機能するとともに、室外熱交換器23が蒸発器として機能する暖房サイクルとなる。
冷媒回路10が暖房サイクルとして機能する状態で圧縮機21が駆動すると、圧縮機21から吐出された冷媒は、吐出管41を流れて四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管45を流れて、閉鎖弁26を介してガス管9へと流入する。
ガス管9を流れる冷媒は、各ガス管接続部54を介して室内機5−1〜5−10に分流する。室内機5−1〜5−10に流入した冷媒は、各室内機ガス管72を流れて各室内熱交換器51に流入する。各室内熱交換器51に流入した冷媒は、各室内機ファン55の回転により各室内機5の内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。
このように、各室内熱交換器51が凝縮器として機能し、各室内熱交換器51で冷媒と熱交換を行って加熱された室内空気が図示しない吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5−1〜5−10が設置された室内の暖房が行われる。
各室内熱交換器51から各室内機液管71に流入した冷媒は、各室内熱交換器51の冷媒出口側での冷媒過冷却度が目標冷媒過冷却度となるように開度が調整された各室内機膨張弁52を通過する際に減圧される。ここで、目標冷媒過冷却度は、室内機5−1〜5−10の各々で要求される暖房能力に基づいて定められるものである。また、暖房能力は、各室内機5−1〜5−10において、設定された設定温度と室内機5−1〜5−10で検出した室内温度との温度差に基づいて決定されるものである。
各室内機膨張弁52で減圧された冷媒は、各室内機液管71から各液管接続部53を介して液管8に流出する。液管8で合流し閉鎖弁25を介して室外機2に流入した冷媒は室外機液管44を流れ、室外熱交換器23の冷媒出口側での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように開度が調整された室外機膨張弁24を通過する際にさらに減圧される。ここで、目標冷媒過熱度は、予め試験などを行って求められて、室外機制御手段200の記憶部220に記憶されているものであり、暖房運転時に蒸発器として機能する室外熱交換器23の冷媒出口側における冷媒過熱度を目標冷媒過熱度とすれば、液バックが発生しないことが確認できている値である。
室外機膨張弁24で減圧された冷媒は、室外機液管44を流れて室外熱交換器23に流入し、最大回転数とされている室外機ファン28の回転によって室外機5の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23から冷媒配管43へと流入した冷媒は、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ27、吸入管42の順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
<冷房運転>
空気調和装置1が冷房運転を行う場合は、図1(A)に示すように、四方弁22が破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbとが連通するように、また、ポートcとポートdとが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路10は、各室内熱交換器51が蒸発器として機能するとともに、室外熱交換器23が凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
冷媒回路10が冷房サイクルとして機能する状態で圧縮機21が駆動すると、圧縮機21から吐出された冷媒は、吐出管41を流れて四方弁22に流入し、四方弁22から冷媒配管43を介して室外熱交換器23へと流入する。室外熱交換器23へと流入した冷媒は、室外機ファン28の回転によって室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って凝縮する。室外熱交換器23から室外機液管44へと流出した冷媒は、開度が全開とされている室外機膨張弁24を通過し、閉鎖弁25を介して液管8に流出する。
液管8を流れる冷媒は、各液管接続部53を介して室内機5−1〜5−10に流入する。室内機5−1〜5−10に流入した冷媒は各室内機液管71を流れ、各室内熱交換器51の各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように開度が調整された各室内機膨張弁52を通過する際に減圧される。ここで、目標冷媒過熱度は、室内機5−1〜5−10の各々で要求される冷房能力に基づいて定められるものである。また、冷房能力は、各室内機5−1〜5−10において、設定された設定温度と室内機5−1〜5−10で検出した室内温度との温度差に基づいて決定されるものである。
各室内機液管71から各室内熱交換器51に流入した冷媒は、各室内機ファン55の回転により室内機5−1〜5−10の内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って蒸発する。このように、各室内熱交換器51が蒸発器として機能し、各室内熱交換器51で冷媒と熱交換を行って冷却された室内空気が図示しない吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5−1〜5−10が設置された室内の冷房が行われる。
各室内熱交換器51から各室内機ガス管72に流出した冷媒は、各ガス管接続部54を介してガス管9に流出する。ガス管9で合流し閉鎖弁26を介して室外機2に流入した冷媒は、室外機ガス管45、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ27、吸入管42の順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
<室内機の要求する空調能力に応じた圧縮機制御>
ここまでに説明した本実施形態の空気調和装置1は、室内機5−1〜5−10毎に、使用者が設定した空調運転時の室内温度の目標値である設定温度(以降、設定温度Tpと記載する)から室内温度センサ63で検出した室内温度(以降、室内温度Trと記載する)を減じた温度差(以降、温度差ΔTと記載する)を算出する。そして、各温度差ΔTの中で一番大きい温度差ΔTに基づいた要求能力、つまり、室内機5−1〜5−10が要求する空調能力(暖房運転時は暖房能力/冷房運転時は冷房能力)のうちの最大要求能力をシステム要求能力として、このシステム要求能力に基づいて目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が設定されて、これら目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が実現できるように圧縮機21の回転数が制御される。このように、目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が実現できるように圧縮機21の回転数が制御されることで、最大要求能力となっている室内機と、これ以外の要求する空調能力が最大要求能力より小さい室内機とに、各々で必要となる量の冷媒が供給される。
図2に示すのは、各室内機5−1〜5−10で設定された設定温度Tpや各室内機5−1〜5−10の室内温度センサ63で検出した室内温度Trなどを、室内機5−1〜5−10毎に記憶する室内機運転状態テーブル300である。尚、図2では、一例として空気調和装置1が暖房運転を行っている場合の室内機運転状態テーブル300を示している。この室内機運転状態テーブル300は、室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている。
具体的には、室内機運転状態テーブル300には、室内機5−1〜5−10毎に、運転モード(ここでは、全て「暖房」となっている)、設定温度Tp(単位:℃)、室内温度Tr(単位:℃)、設定温度Tpから室内温度Trを減じた温度差(単位:℃。以降、温度差ΔTと記載する)、運転開始室内機であるか否かを「該当」/「非該当」で示す運転開始室内機、および、後述する要求能力低減条件が成立して最大要求能力から所定の能力減算値を減じるか否かを「適用」/「非適用」で示す能力低減適用の6つの項目が記憶されている。
室外機制御手段200のCPU210は、室内機5−1〜5−10の各々で設定温度Tpが変更されたことを含む信号を通信部230を介して取り込む度に、また、室内機5−1〜5−10の各々で室内温度センサ63が検出した室内温度Trを定期的(例えば、3分毎)に取り込む度に、室内機運転状態テーブル300の設定温度Tpや室内温度Trの項目を更新する。また、CPU210は、設定温度Tpや室内温度Trを取り込む度に、温度差ΔTを算出して室内機運転状態テーブル300の温度差ΔTの項目を更新する。尚、温度差ΔTは、暖房運転時は設定温度Tpから室内温度Trを減じることとし、冷房運転時は室内温度Trから設定温度Tpを減じることとする。
また、CPU210は、室内機5−1〜5−10が運転中であるか停止しているかに応じて、室内機運転状態テーブル300の運転モードの項目を更新しており、冷房運転中であれば「冷房」、暖房運転中であれば「暖房」、停止していれば「停止」とされる。なお、CPU210は、室内機5−1〜5−10の各々から、運転開始信号あるいは運転停止信号を通信部230を介して取り込むことで、各室内機の運転開始/停止を判断する。
ところで、空気調和装置1が空調運転を行っているときに、10台の室内機5−1〜5−10のうち、運転している室内機と停止している室内機が混在する場合がある。そして、停止している室内機が運転を開始する場合は、運転開始室内機における温度差ΔTが既運転室内機における温度差ΔTより大きくて、運転開始室内機が要求する空調能力が、既運転室内機が要求する空調能力より大きくなることがある。
例えば、室内機5−1〜5−10において、室内機5−6以外の全ての室内機が既運転室内機であり、停止している室内機5−6が運転を開始した運転開始室内機となった(図2の室内機運転状態テーブル300では、運転開始室内機となった室内機5−6を破線で囲んでいる)とし、室内機5−6で運転開始直後に検出する室内温度Trが他の既運転室内機で検出した室内温度Trより低いために、室内機5−6における温度差ΔTが5.0℃、他の既運転室内機では、それぞれが継続して暖房運転を行っていることによって温度差ΔTが0℃〜1.5℃となっているとする。なお、これ以降の説明で他の室内機の温度差ΔTよりも大きい温度差ΔTを最大温度差ΔTmと記載し、上記のように室内機5−6の温度差ΔTが一番大きい場合は、これが最大温度差ΔTmとなる。
上記のような状態では、室内機5−6が運転を開始したときの温度差ΔTが最大温度差ΔTmとなり、この最大温度差ΔTmに基づいて要求する空調能力を求めると、当該空調能力が全ての室内機5−1〜5−10が要求する空調能力の中で一番大きい最大要求能力となる。そして、最大要求能力をシステム要求能力としてこのシステム要求能力に応じた目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が設定され、これら目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が実現できるように圧縮機21の回転数が制御される。このとき、室内機5−6以外の室内機においては、室内機5−6以外の室内機がそれぞれ要求している空調能力より大きな空調能力が発揮される。このため、室内機5−6以外の室内機は、当該各室内機で検出する室内温度Trが設定温度Tpを境として頻繁に上昇/下降を繰り消す恐れがあり、室内温度Trの設定温度Tpを境とした頻繁な上昇/下降によって、室内機5−6以外の室内機がサーモオフとサーモオンとを頻繁に繰り返す恐れがある。
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、空調運転中に停止している室内機が運転開始室内機となったときに要求能力低減条件が成立していれば、運転開始室内機が要求する空調能力の最大値から所定の減算値(以降、能力減算値と記載する)、例えば、空調能力の最大値の10%に相当する値を減じ、運転開始室内機が要求する空調能力から能力減算値を減じた能力を実現できる圧縮機21の回転数とする。
ここで、要求能力低減条件は、予め試験などを行って定められるものであり、以下の4つの要件を全て満たせば、要求能力低減条件が成立する。

要件1:運転開始室内機が所定台数より少ない(例えば、1台)
要件2:運転開始室内機における温度差ΔTに基づく要求能力が最大要求能力
要件3:運転開始室内機以外の既運転室内機の温度差ΔTが所定の範囲内(例えば、1.5℃以内)
要件4:既運転室内機の温度差ΔTの平均値(以降、平均温度差ΔTaと記載する)よりも
運転開始室内機の温度差ΔTが所定値(例えば、2℃)以上高い

つまり、要求能力低減条件は、運転開始室内機が要求する空調能力を発揮させることが既運転室内機の制御に与える影響が大きいか否かを判断するための条件である。
以下、要求能力低減条件の上述した4つの要件について説明する。まず、1つ目の要件(要件1)である「運転開始室内機が所定台数より少ない」について説明する。要件1が成立する場合は、運転開始室内機以外の室内機が既に運転を行っており、室内機5−1〜5−10が設置された部屋が設定温度付近の温度となっている可能性が高いと考えられる。この場合、運転開始室内機が要求する空調能力が最大要求能力となりこれに応じて圧縮機21の回転数を上昇させると、既運転室内機が頻繁にサーモオフ/サーモオンを繰り返す恐れがある。一方、要件1が成立しない場合、つまり、運転開始室内機が2台以上であれば、室内機5−1〜5−10が設置された部屋が設定温度付近の温度となっていない可能性が高いと考えられる。この場合、運転開始室内機が要求する空調能力が全ての室内機が要求する空調能力の中で最大要求能力となりこれに応じて圧縮機21の回転数を上昇させて、複数台存在する運転開始室内機で要求される空調能力を早く発揮できるようにするほうがよい。つまり、要件1が成立しているか否かを判断することで、運転開始室内機が要求する最大要求能力に応えることによって、既運転室内機が頻繁にサーモオフ/サーモオンを繰り返す恐れがあるのか、あるいは、複数台存在する運転開始室内機で要求される空調能力を早く発揮できるようにすべきであるのかを判断することができる。なお、所定台数の具体的な数値は、室内機の台数や空調能力の合計値に応じて、空気調和装置ごとに適宜定めればよく、本実施形態の空気調和装置1では、上述したように1台としている。
次に、2つめの要件(要件2)である「運転開始室内機における温度差ΔTに基づく要求能力が最大要求能力である」について説明する。要件2が成立する場合は、運転開始室内機の最大要求能力に基づいて圧縮機21の回転数を制御すると、既運転室内機が頻繁にサーモオフ/サーモオンを繰り返す恐れがあると考えられる。一方、要件2が成立しない場合は、既運転室内機における温度差ΔTのいずれかが最大温度差ΔTmとなっている場合であり、最大温度差ΔTmがさほど大きな値となっていないと考えられる。このため、最大温度差ΔTmに基づいた最大要求能力を発揮できるように圧縮機21を制御しても、既運転室内機で頻繁にサーモオフ/サーモオンが繰り返される可能性が低いと考えられる。つまり、要件2が成立しているか否かを判断することで、運転開始室内機の要求する空調能力が室内機5−1〜5−10が設置された部屋の空調環境に与える影響の度合いを判断することができる。
次に、3つめの要件(要件3)である「既運転室内機の温度差ΔTが所定の範囲内」について説明する。要件3が成立する場合は、運転開始室内機以外の既運転室内機では、室内温度Trが設定温度Tp付近の温度となっていることを示しており、室内機5−1〜5−10が設置された部屋が概ね設定温度Tp付近の温度となっていると考えられる。一方、要件3が成立しない場合は、運転開始室内機以外の既運転室内機の温度差ΔTも(最大温度差ΔTmほどではないにしても)大きい値となっており、室内機5−1〜5−10が設置された部屋において設定温度Tp付近の温度となっていない箇所が複数個所あると考えられる。つまり、要件3が成立しているか否かを判断することで、室内機5−1〜5−10が設置された部屋が概ね設定温度Tp付近の温度となっているのか否かを判断することができる。なお、所定の範囲の具体的な数値は、室内機の台数や設置される部屋の大きさ、部屋の空調負荷などに応じて、空気調和装置ごとに適宜定めればよく、本実施形態の空気調和装置1では、上述したように1.5℃以内としている。
最後に、4つめの要件(要件4)である「既運転室内機の平均温度差ΔTaよりも運転開始室内機の温度差ΔTが所定値大きい」について説明する。要件4が成立する場合は、運転開始室内機の温度差ΔTmと既運転室内機の温度差ΔTとの差が大きいということであり、運転開始室内機の要求する空調能力が既運転室内機の要求する空調能力に対して著しく大きな値であることを意味する。一方、要件4が成立しない場合は、運転開始室内機の温度差ΔTmと既運転室内機の温度差ΔTとの差が小さいということであり、運転開始室内機の要求する空調能力が既運転室内機の要求する空調能力に対して著しく大きな値ではないということである。つまり、要件4が成立しているか否かを判断することで、運転開始室内機の要求する空調能力が著しく大きな値であるか否かを判断することができる。なお、所定値の具体的な数値は、室内機の台数や空調能力の合計値に応じて、空気調和装置ごとに適宜定めればよく、本実施形態の空気調和装置1では、上述したように2℃以上としている。
以上説明した要求能力低減条件の4つの要件が、図2の室内機運転状態テーブル300に掲載した空気調和装置1の運転状態の場合に当てはまるか否かを見ると、まず、運転開始室内機が1台であるので、要求能力低減条件の要件1を満たしている。次に、室内機5−1〜5−10の各温度差ΔTのうち運転開始室内機である室内機5−6の温度差ΔTは5.0℃で一番大きい最大温度差ΔTmであるため、要求能力低減条件の要件2を満たしている。次に、室内機5−6を除く各室内機の温度差ΔTは全て1.5℃以内であるため、要求能力低減条件の要件3を満たしている。そして、室内機5−6を除く他の室内機の温度差ΔTの平均温度差ΔTaが、(1.50+1.00+0+1.00+1.00+0.50+0+1.00+0.50)/9≒0.72℃であり、この平均温度差ΔTa:0.72℃より最大温度差ΔTm:5.0℃の方が2℃以上高いため、要求能力低減条件の要件4を満たしている。従って、空気調和装置1が暖房運転を行っているときに、室内機5−1〜5−10の状態が図2の室内機運転状態テーブル300に示す状態であれば、要件1〜4が全て成立しているので要求能力低減条件が成立している。
上記の内容を踏まえ、室内機運転状態テーブル300では、室内機5−6のみ運転開始室内機の項目が「該当」(他の室内機は全て「非該当」)とされ、室内機5−6のみ能力低減適用の項目が「適用」(他の室内機は全て「非適用」)とされている。なお、運転開始室内機がない場合は、室内機運転状態テーブル300の運転開始室内機の項目が全て「非該当」とされ、能力低減適用の項目が全て「非適用」とされる。室外機2では、室内機5−6における温度差ΔTを最大温度差ΔTmとし、この最大温度差ΔTmに基づいて決定された最大要求能力からこの最大要求能力の10%に相当する能力減算値を減じた値をシステム要求能力とし、このシステム要求能力に応じた目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が設定されて、これら目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が実現できるように、圧縮機21の回転数が制御される。
そして、上記のように圧縮機21の回転数の制御を開始してから所定時間(以降、所定時間tpと記載する)が経過した後に、運転開始室内機である室内機5−6から設定温度Tpと室内温度Trとを取り込んで現在の温度差ΔT(以降、現在の温度差ΔTnと記載する)を算出し、算出した現在の温度差ΔTnが最大温度差ΔTm以上であれば、算出した現在の温度差ΔTnに基づいて決定された空調能力をシステム要求能力とし、このシステム要求能力に応じた目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が設定されて、これら目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が実現できるように圧縮機21の回転数を制御する。一方、算出した現在の温度差ΔTnが最大温度差ΔTm未満であれば、室内機5−6も含めた全ての室内機5−1〜5−10の各々の温度差ΔTの中の最大値に基づいて決定される空調能力に応じた目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が設定されて、これら目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度が実現できるように圧縮機21の回転数を制御する。
ここで、上記所定時間tpは、運転開始室内機が出現してから、つまり、室内機5−6が運転を開始してから、室内機5−6で検出する室内温度Trが変化するまでにかかる時間であり、例えば、室内機5−6が運転を開始してから室内温度Trを3回取り込むのに必要な時間(3分間×3=9分間)とする。
<圧縮機制御に関わる制御に関わる処理の流れ>
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態における空気調和装置1が空調運転を行う際に、室外機制御手段200のCPU210が、室内機5−1〜5−10の各々から要求される空調能力を実現するために、圧縮機21の回転数を制御する際の処理の流れについて説明する。図3において、STは処理のステップを表し、これに続く数字はステップの番号を表している。尚、図3では、本発明に関わる処理のみに言及しており、空気調和装置1に関わるその他の一般的な制御については、記載と説明を省略する。また、図3では、前述した設定温度Tp、室内温度Tr、温度差ΔT、最大温度差ΔTm、現在の温度差ΔTn、所定時間tpのそれぞれに加えて、システム要求能力をAr、最大要求能力をArm、能力減算値をArpとしている。
まず、CPU210は、各室内機5−1〜5−10のうちの設定温度Tpと室内温度Trを取り込む(ST1)。具体的には、CPU210は、運転を開始した室内機、あるいは、使用者によって設定温度Tpの変更がなされた室内機から送信された設定温度Tpを、通信部230を介して取り込む。また、CPU210は、各室内機5−1〜5−10の室内温度センサ63で検出される室内温度Trを通信部230を介して定期的(3分毎)に取り込む。なお、前述したように、CPU210は、設定温度Tpや室内温度Trを取り込む度に、記憶部220に記憶している室内機運転状態テ−ブル300の設定温度Tpや室内温度Trの項目を更新する。
次に、CPU210は、取り込んだ各室内機5−1〜5−10の設定温度Tpから室内温度Trを減じて、温度差ΔTを各室内機5−1〜5−10毎に算出する(ST2)。なお、CPU210は、各室内機5−1〜5−10の温度差ΔTを算出する度に、温度差ΔTを絶対値として記憶部220に記憶している室内機運転状態テ−ブル300の温度差ΔTの項目を更新する。
次に、CPU210は、ST2で算出した温度差ΔTの中から最大温度差ΔTmを抽出し、この最大温度差ΔTmに基づいて最大要求能力Armを決定する(ST3)。
次に、CPU210は、要求能力低減条件が成立しているか否かを判断する(ST4)。前述したように、要求能力低減条件は、運転開始室内機が1台であり、かつ、運転開始室内機の温度差ΔTが最大温度差ΔTmであり、かつ、運転開始室内機を除いた既運転室内機の温度差ΔTが1.5℃以内であり、かつ、既運転室内機の温度差ΔTを用いて求めた平均温度差ΔTaよりも最大温度差ΔTmが2℃以上高い、である。
要求能力低減条件が成立していなければ(ST4−No)、CPU210は、ST3で決定した最大要求能力Armをシステム要求能力Arとし、このシステム要求能力Arに応じて設定される目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度を実現できる圧縮機21の回転数とする、つまり、圧縮機21を最大要求能力Armを発揮できる回転数として(ST11)、ST1に処理を戻す。
要求能力低減条件が成立していれば(ST4−Yes)、CPU210は、ST3で決定した最大要求能力Arm、つまり、運転開始室内機の要求する空調能力から、能力減算値Arpを減じた値をシステム要求能力Arとし、このシステム要求能力Arに応じて設定される目標蒸発温度あるいは目標凝縮温度を実現できる圧縮機21の回転数とする、つまり、圧縮機21を最大要求能力Armから能力減算値Arpを減じた能力を発揮できる回転数として(ST5)、タイマーの計時を開始する(ST6)。なお、CPU210は、計時機能を有している。
次に、CPU210は、ST6で計時を開始してから所定時間tが経過したか否かを判断する(ST7)。所定時間tが経過していなければ(ST7−No)、CPU210は、ST7に処理を戻して所定時間tが経過するのを待つ。
所定時間tが経過していれば(ST7−Yes)、CPU210は、タイマーをリセットし(ST8)、ST3で最大温度差ΔTmであった室内機、つまり、運転開始室内機の最新の設定温度Tpと室内温度Trとを取り込んで現在の温度差ΔTnを算出する(ST9)。
次に、CPU210は、ST9で算出した現在の温度差ΔTnがST3で抽出した最大温度差ΔTm以上であるか否かを判断する(ST10)。なお、CPU210は、現在の温度差ΔTnと最大温度差ΔTmとを比較する際は、各々の絶対値を用いて比較を行う。
現在の温度差ΔTnが最大温度差ΔTm以上でなければ(ST10−No)、CPU210は、ST1に処理を戻す。現在の温度差ΔTnが最大温度差ΔTm以上であれば(ST10−Yes)、CPU210は、ST11に処理を進める。
以上説明したように、本実施形態の空気調和装置1では、空調運転を行っているときに要求能力低減条件が成立していれば、運転開始室内機が要求する空調能力から所定の能力減算値を減じた値をシステム要求能力とし、このシステム要求能力が発揮できる圧縮機21の回転数とする。これにより、運転開始室内機で大きな空調能力が要求されることによって運転開始室内機以外の既運転室内機で頻繁にサーモオフ/サーモオンが繰り返されることを抑制できる。
また、上記のように運転開始室内機が要求する空調能力から所定の能力減算値を減じた値をシステム要求能力としてから所定時間が経過した後に、運転開始室内機の現在の温度差ΔTnを算出し、この温度差が、運転開始室内機が運転を開始した直後の温度差ΔT以上であれば、現在の温度差ΔTnに基づいた要求能力をシステム要求能力とし、このシステム要求能力が発揮できる圧縮機21の回転数とする。これにより、運転開始室内機において空調負荷が高いなどの理由で本当に高い空調能力が必要な場合は当該空調能力を発揮させることができるので、使用者の快適性を損なうことがない。
1 空気調和装置
2 室外機
5−1〜5−10 室内機
21 圧縮機
51 室内熱交換器
63 室内温度センサ
200 室外機制御手段
210 CPU
220 記憶部
230 通信部
240 センサ入力部
Ar 要求能力
Arm 最大要求能力
Arp 能力減算値
Tp 設定温度
Tr 室内温度
ΔT 温度差
ΔTa 平均温度差
ΔTm 最大温度差
ΔTn 現在の温度差
t 所定時間

Claims (2)

  1. 圧縮機を有する室外機と、
    室内温度を検出する室内温度検知手段を有する複数台の室内機と、
    前記圧縮機の駆動制御を行う制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記各室内機から、前記室内温度検知手段で検出した室内温度と、前記各室内機で設定された空調運転の目標温度である設定温度とを取り込み、前記室内機毎に前記設定温度から前記室内温度を減じて温度差を求め、前記各温度差の絶対値のうちの一番大きい最大温度差に基づいて最大要求能力を求め、
    空調運転中に停止している状態から運転を開始した運転開始室内機があるとき、要求能力低減条件が成立していれば、前記最大要求能力から所定の能力減算値を減じた値を、前記圧縮機の回転数を定めるためのシステム要求能力とし、
    空調運転中に要求能力低減条件が成立していなければ、前記最大要求能力を前記システム要求能力とし、
    前記要求能力低減条件は、停止している状態から運転を開始した運転開始室内機が所定台数より少ない台数であり、かつ、前記運転開始室内機の要求能力が前記最大要求能力であり、かつ、前記運転開始室内機以外の既に運転を行っていた既運転室内機における前記各温度差が所定範囲内の値であり、かつ、前記既運転室内機の温度差の平均値よりも前記運転開始室内機の温度差が所定値大きい、とする、
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記制御手段は、
    空調運転中に要求能力低減条件が成立して前記最大要求能力から所定の能力減算値を減じた値を前記システム要求能力とした場合は、所定時間の間このシステム要求能力を維持し、
    前記所定時間が経過すれば、前記運転開始室内機における前記設定温度から前記室内温度を減じて現在の温度差を算出し、
    前記現在の温度差の絶対値が、前記運転開始室内機が運転を開始した直後の温度差より大きい場合は、前記現在の温度差に基づいた要求能力を前記システム要求能力とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
JP2018175575A 2018-09-20 2018-09-20 空気調和装置 Active JP7159736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018175575A JP7159736B2 (ja) 2018-09-20 2018-09-20 空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018175575A JP7159736B2 (ja) 2018-09-20 2018-09-20 空気調和装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020046124A true JP2020046124A (ja) 2020-03-26
JP7159736B2 JP7159736B2 (ja) 2022-10-25

Family

ID=69899515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018175575A Active JP7159736B2 (ja) 2018-09-20 2018-09-20 空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7159736B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001012785A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機の運転制御方法及びその装置
JP2003247742A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 多室形空気調和装置及びその制御方法
JP2012233689A (ja) * 2012-08-03 2012-11-29 Mitsubishi Electric Corp 制御装置、制御方法及びプログラム
JP2013152071A (ja) * 2011-12-28 2013-08-08 Daikin Industries Ltd 空気調和装置
JP2013210124A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
JP2014185818A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Fujitsu General Ltd 空気調和装置
JP2014238179A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 日立アプライアンス株式会社 空気調和機の制御装置
US20170254555A1 (en) * 2016-03-04 2017-09-07 Samsung Electronics Co., Ltd. Control device for air conditioning and control method thereof

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001012785A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機の運転制御方法及びその装置
JP2003247742A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 多室形空気調和装置及びその制御方法
JP2013152071A (ja) * 2011-12-28 2013-08-08 Daikin Industries Ltd 空気調和装置
JP2013210124A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
JP2012233689A (ja) * 2012-08-03 2012-11-29 Mitsubishi Electric Corp 制御装置、制御方法及びプログラム
JP2014185818A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Fujitsu General Ltd 空気調和装置
JP2014238179A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 日立アプライアンス株式会社 空気調和機の制御装置
US20170254555A1 (en) * 2016-03-04 2017-09-07 Samsung Electronics Co., Ltd. Control device for air conditioning and control method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP7159736B2 (ja) 2022-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6225548B2 (ja) 空気調和装置
JP2015034657A (ja) 空気調和装置
JP6870382B2 (ja) 空気調和装置
US10598413B2 (en) Air-conditioning apparatus
JP2018132216A (ja) 空気調和装置
JP2010175190A (ja) 空気調和機
JP2019078411A (ja) 空気調和機
JP2019168151A (ja) 空気調和装置
AU2014411657A1 (en) Air-conditioning apparatus
JP2018132217A (ja) 空気調和装置
JP2015222136A (ja) 空気調和装置
JP2019168150A (ja) 空気調和装置
JP2019020061A (ja) 空気調和装置
JP6578695B2 (ja) 空気調和装置
JP2016070575A (ja) 空気調和装置
JP6638468B2 (ja) 空気調和装置
JP2018159520A (ja) 空気調和装置
JP6428221B2 (ja) 空気調和機
JP6551437B2 (ja) 空調機
JP7193775B2 (ja) 空気調和装置
JP2017142017A (ja) 空気調和装置
JP7159736B2 (ja) 空気調和装置
JP2019168116A (ja) 空気調和装置
JP2018132218A (ja) 空気調和装置
JP2018162924A (ja) 空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220926

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7159736

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151