JP2020046052A - シザーズギア - Google Patents
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Abstract
【課題】サブギアをメインギアに容易にロックする。【解決手段】シザーズギアは、メインギア1と、メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギア2と、サブギア2をメインギアに対し周方向に付勢するスプリングと、スプリングの付勢力に逆らってサブギアをメインギアに対し相対回転させた状態でサブギアをメインギアにロックするロック機構33とを備える。ロック機構は、ボルト17と、メインギアおよびサブギアの一方に設けられボルトが螺合または挿入される第1ネジ穴18と、メインギアおよびサブギアの他方に設けられボルトが螺合される第2ネジ穴19と、第1ネジ穴に隣接して前記一方に設けられ、ボルトの第2ネジ穴への螺合中にボルトの先端部に摺接してボルトを第1ネジ穴に案内する傾斜面40とを備える。【選択図】図3
Description
本開示はシザーズギアに関する。
ギアの中には、歯打ち振動によるラトル音を低減するため、相手ギアとのバックラッシュを除去するシザーズギアなるものが存在する。シザーズギアは、メインギアと、メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギアと、サブギアをメインギアに対し周方向に付勢するスプリングとを備え、スプリングの付勢力を利用してメインギアの歯とサブギアの歯とで相手ギアの歯を挟み込むことでバックラッシュを除去する。
シザーズギアの組付時にシザーズギアを相手ギアに噛合させるためには、スプリングの付勢力に逆らってサブギアをメインギアに対し相対回転させ、メインギアとサブギアを同一位相とし、この状態でサブギアをメインギアにロックし、メインギアとサブギアの同一位相状態を保持する必要がある。従来、こうしたロックは、両ギアに設けられたネジ穴にボルトを締め付けることにより行っていた。
しかし、サブギアをメインギアに対し相対回転させるときには、メインギアを固定した状態で、サブギアをスプリングの付勢力に逆らって治具や手作業で捩る作業を行う。そして両ギアのネジ穴にボルトを締め付けるときには、捩った状態すなわち両ギアを同一位相にした状態を保持し、両ギアのネジ穴を同軸状態に保持して、ボルトを締め付ける必要がある。
このように、サブギアをメインギアにロックする工程は比較的煩雑であり、改善が望まれる。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、サブギアをメインギアに容易にロックすることができるシザーズギアを提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
メインギアと、
前記メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギアと、
前記サブギアを前記メインギアに対し周方向に付勢するスプリングと、
前記スプリングの付勢力に逆らって前記サブギアを前記メインギアに対し相対回転させた状態で前記サブギアを前記メインギアにロックするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、
ボルトと、
前記メインギアおよび前記サブギアの一方に設けられ前記ボルトが螺合または挿入される第1ネジ穴と、
前記メインギアおよび前記サブギアの他方に設けられ前記ボルトが螺合される第2ネジ穴と、
前記第1ネジ穴に隣接して前記一方に設けられ、前記ボルトの前記第2ネジ穴への螺合中に前記ボルトの先端部に摺接して前記ボルトを前記第1ネジ穴に案内する傾斜面と、
を備える
ことを特徴とするシザーズギアが提供される。
メインギアと、
前記メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギアと、
前記サブギアを前記メインギアに対し周方向に付勢するスプリングと、
前記スプリングの付勢力に逆らって前記サブギアを前記メインギアに対し相対回転させた状態で前記サブギアを前記メインギアにロックするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、
ボルトと、
前記メインギアおよび前記サブギアの一方に設けられ前記ボルトが螺合または挿入される第1ネジ穴と、
前記メインギアおよび前記サブギアの他方に設けられ前記ボルトが螺合される第2ネジ穴と、
前記第1ネジ穴に隣接して前記一方に設けられ、前記ボルトの前記第2ネジ穴への螺合中に前記ボルトの先端部に摺接して前記ボルトを前記第1ネジ穴に案内する傾斜面と、
を備える
ことを特徴とするシザーズギアが提供される。
好ましくは、前記ボルトは、その先端部にテーパ部を有する。
好ましくは、前記テーパ部の先端は、尖頭状または平面状に形成される。
本開示の他の態様によれば、
メインギアと、
前記メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギアと、
前記サブギアを前記メインギアに対し周方向に付勢するスプリングと、
前記スプリングの付勢力に逆らって前記サブギアを前記メインギアに対し相対回転させた状態で前記サブギアを前記メインギアにロックするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、
ピンと、
前記メインギアおよび前記サブギアの一方に設けられた第1圧入穴と、
前記メインギアおよび前記サブギアの他方に設けられた第2圧入穴と、
前記第1圧入穴に隣接して前記一方に設けられ、前記ピンの前記第2圧入穴への圧入中に前記ピンの先端部に摺接して前記ピンを前記第1圧入穴に案内する傾斜面と、
を備える
ことを特徴とするシザーズギアが提供される。
メインギアと、
前記メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギアと、
前記サブギアを前記メインギアに対し周方向に付勢するスプリングと、
前記スプリングの付勢力に逆らって前記サブギアを前記メインギアに対し相対回転させた状態で前記サブギアを前記メインギアにロックするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、
ピンと、
前記メインギアおよび前記サブギアの一方に設けられた第1圧入穴と、
前記メインギアおよび前記サブギアの他方に設けられた第2圧入穴と、
前記第1圧入穴に隣接して前記一方に設けられ、前記ピンの前記第2圧入穴への圧入中に前記ピンの先端部に摺接して前記ピンを前記第1圧入穴に案内する傾斜面と、
を備える
ことを特徴とするシザーズギアが提供される。
好ましくは、前記ピンは、その先端部にテーパ部を有する。
好ましくは、前記テーパ部の先端は、尖頭状または平面状に形成される。
本開示によれば、サブギアをメインギアに容易にロックすることができる。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本開示の実施形態に係るシザーズギアの正面図である。図2は、シザーズギアの縦断側面図であり、図1のII−II線断面図である。シザーズギアGは、メインギア1およびサブギア2を備え、これら2枚のギア1,2の組み合わせで1枚のシザーズギアG、すなわちギアアセンブリを構成するようになっている。CはシザーズギアGの中心軸(ギア軸という)を示す。以下、特に断らない限り、軸方向、半径方向、周方向とは、ギア軸Cを基準とした軸方向、半径方向、周方向をいうものとする。便宜上、図2の右側を軸方向前方、図2の左側を軸方向後方とする。図1は、軸方向前方から見たときの正面図である。
シザーズギアGは外周歯を有するはすば歯車として構成され、図示しない相手ギアに噛合されるよう適用される。なおシザーズギアGは他の種類の歯車、例えば平歯車として構成されてもよい。
メインギア1およびサブギア2は、軸方向に互いに隣接され、サブギア2はメインギア1の軸方向前方に隣接して配置される。
メインギア1およびサブギア2は、それぞれ外周部にメイン歯部11およびサブ歯部12を有する。これらメイン歯部11およびサブ歯部12は、同一のモジュール、歯数および歯形を有する。あたかも1枚のギアの歯部を厚さ方向に分割したような格好でメイン歯部11およびサブ歯部12が形成される。相手ギアには、メイン歯部11およびサブ歯部12の両方が噛合される。サブギア2は主にバックラッシュを除去する目的で用いられ、駆動力の伝達に積極的に用いられるものではない。そのため、サブ歯部12の歯幅はメインギア1の歯幅より薄くされる。
メインギア1は、その内周部に円筒状ボス10を一体に有する。他方、サブギア2は、概してリング板状に一体形成され、その内周部に嵌合穴5を有する。嵌合穴5が、ボス10の外周部に形成されたギア嵌合面4に嵌合されることで、サブギア2はボス10に相対回転可能にかつ同軸に嵌合される。
また、メインギア1に対しサブギア2を軸方向に位置決めするため、ギア嵌合面4に形成されたリング溝31に、拡縮変形可能なC形のスナップリング32が嵌合して取り付けられる。
ボス10の内周部にはシャフト穴11Aが設けられ、このシャフト穴11Aに図示しないシャフトが挿入される。本実施形態では、シャフト穴11Aに円筒状のすべり軸受3が圧入により固定され、すべり軸受3がシャフトに嵌合されることで、シザーズギアGがシャフトに回転可能かつ同軸に支持される。すべり軸受3はメインギア1に一体的に取り付けられてメインギア1の一部をなす。
もっとも、すべり軸受3をシャフト穴11Aに相対回転可能に嵌合してもよい。またすべり軸受3を省略してシャフト穴11Aをシャフトに直接嵌合させてもよい。メインギア1を、回転可能なシャフトに嵌合固定してもよい。
メインギア1とサブギア2の間にはスプリング室7が形成され、スプリング室7には、サブギア2をメインギア1に対し周方向に付勢するスプリング8が収容されている。スプリング室7は、メインギア1の前面に設けられたリング状の溝9と、サブギア2の後面との間の軸方向隙間によって形成される。
スプリング8は、本実施形態ではC形のスプリングであるが、その種類は変更可能である。メインギア1における溝9底面の所定位相位置に、スプリング8の一端を係止するためのメインピン13が圧入等により固定されている。また、溝9底面に対向するサブギア2の後面の所定位相位置にも、スプリング8の他端を係止するためのサブピン14が圧入等により固定されている。スプリング8によりメインピン13とサブピン14を挟み、スプリング8の一端と他端に形成された凹座15,16をメインピン13とサブピン14にそれぞれ着座させることで、スプリング8の一端と他端がメインピン13とサブピン14にそれぞれ係止される。
スプリング室7にスプリング8を配置し、サブギア2をメインギア1に組み付けただけの状態では、メインギア1(メイン歯部11)とサブギア2(サブ歯部12)の位相がずれており、シザーズギアGを相手ギアに噛合させることができない。相手ギアに噛合させられるようにするには、スプリング8の付勢力に逆らってサブギア2をメインギア1に対し相対回転させ、この状態でサブギア2をメインギア1にロックしなければならない。すなわち、スプリング8の付勢力に逆らってメインギア1とサブギア2を互いに捩り、スプリング8を押し開き、両ギア1,2を同一位相とした状態で両ギア1,2をロックし、その同一位相状態を保持しなければならない。
よって本実施形態では、かかるロックを行うためのロック機構33が設けられている。図3にも示すように、ロック機構33は、ボルト17と、メインギア1に設けられた第1ネジ穴としてのメインネジ穴18と、サブギア2に設けられた第2ネジ穴としてのサブネジ穴19とを備える。
ボルト17は、六角形の頭部34と雄ネジ軸35とを一体に有する一般的な六角ボルトである。メインネジ穴18とサブネジ穴19は、メインギア1とサブギア2が同一位相状態となったとき同軸状態となるが、このときのメインネジ穴18とサブネジ穴19の両方に、ボルト17が前方から締め付けられる。図示するようなロック完了状態において、ボルト17の頭部34はサブギア2の前面に密着される。
メインネジ穴18とサブネジ穴19は、それぞれ雌ネジを有すると共に、メインギア1とサブギア2を軸方向ないし厚さ方向に貫通して形成される。図2に示すように、サブギア2の後面には、メインギア1に向かって僅かに段差状に突出する凸部36が形成される。他方、メインギア1の前面でかつ溝9の半径方向外側には、凸部36が嵌合(インロー嵌合)される僅かに凹んだ凹部37が形成される。凸部36の後面と、これに対向する凹部37の前面38とは、摺動可能に接触される。この凸部36と凹部37が嵌合する半径方向の部位に、メインネジ穴18とサブネジ穴19が設けられる。
凸部36と凹部37は全体としてギア軸Cを中心としたリング状である。凸部36と凹部37の接触により、サブギア2がメインギア1に対し軸方向に位置決めされると共に、サブギア2がメインギア1に対し傾く傾きもしくは倒れが抑制される。
ところで本実施形態のロック機構33は、ロックを容易にするため、図3および図4に示すように、メインネジ穴18に隣接してメインギア1に設けられた傾斜面40をも備える。
傾斜面40は、サブギア2側に向くメインギア1の前面、より具体的には凹部37の前面38に設けられる。傾斜面40は、凹部37の前面38におけるメインネジ穴18の隣接部分をドリルやレーザ等で長穴状に除去加工することにより形成される。傾斜面40は、図1、図3および図4から理解されるように、メインネジ穴18の周方向位置を境に、サブピン14とは反対側の周方向位置にのみ設けられる。傾斜面40は周方向に延び、メインネジ穴18に近づく程、前面38から傾斜面40までの深さhが深くなるように形成される。そして傾斜面40は、メインネジ穴18の穴軸C1に対し所定の傾斜角θ1で傾斜される。なお穴軸C1は、ギア軸Cおよびサブネジ穴19の穴軸と平行である。
このように傾斜面40が設けられた結果、メインネジ穴18の実質的な長さLはメインギア1の厚さtより小さくなる。すなわち、メインネジ穴18の実質的な長さLは、メインギア1の厚さtから傾斜面40の最大深さhmaxを減じた大きさとなる。
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
組付時、シザーズギアGは、ロック機構33によりメインギア1とサブギア2を同一位相にロックした状態で、相手ギアに噛合される。その後、ボルト17が取り外されロックが解除されると、スプリング8が収縮し、メインギア1とサブギア2の位相がずれる。これにより、メインギア1の歯とサブギア2の歯が相手ギアの歯を挟むようになり、バックラッシュが除去される。そして歯打ち振動によるラトル音を低減することができる。
一方、シザーズギアGの組付前、サブギア2はロック機構33によりメインギア1に予めロックされる。このロック工程における作業手順は次の通りである。
まず図5に示すように、メインギア1に対するサブギア2の位相がずれた初期状態において、ボルト17を前方からサブネジ穴19に螺合させ、ボルト17を締め付けていく。この締め付けを進めると、やがてボルト17の先端がサブネジ穴19から突出し、ボルト17の先端が傾斜面40に突き当たるようになる。これによりボルト17がサブネジ穴19に仮止めされる。
この後、図6に示すように、メインギア1を固定しつつ、スプリング8の付勢力に逆らってボルト17をさらに締め付けていく。すると、ボルト17がサブネジ穴19からさらに突出する。このとき、メインギア1に対するサブギア2の前向きの相対移動、すなわちメインギア1から離れる方向の軸方向相対移動は、スナップリング32により規制されている。そのため、ボルト17は、傾斜面40上をより深い方向、すなわちメインネジ穴18に向かう方向へと摺動する。そしてこのボルト17と共に、サブギア2がメインギア1に対し相対回転し、サブギア2はメインギア1と同一位相となる方向に相対回転する。
次に、ボルト17をさらに締め付けていくと、図7に示すように、ボルト17はサブネジ穴19からさらに突出し、傾斜面40上を滑ってメインネジ穴18により近づく。そしてこれと同時に、サブギア2はメインギア1と同一位相となる方向にさらに相対回転する。
その後、ボルト17をさらに締め付けていくと、図8に示すように、ボルト17はメインネジ穴18に達し、サブネジ穴19とメインネジ穴18は同軸状態となり、サブギア2はメインギア1と同一位相となる。この状態でボルト17をさらに締め付けると、ボルト17はメインネジ穴18に徐々に螺合されていく。
最終的に図9に示すように、ボルト17の頭部34がサブギア2の前面に密着するまでボルト17を締め付けると、ロック完了となり、ロック工程が終了する。
このように本実施形態によれば、ボルト17をサブネジ穴19に締め付けていくだけで、ボルト17を傾斜面40上で摺動させてメインネジ穴18に案内すると共に、サブギア2を同一位相位置に向けて相対回転させることができる。そして最終的に、ボルト17をメインネジ穴18に締め付けると共に、サブギア2を同一位相位置に位置させ、ロックを完了することができる。
よって、従来行われていた、サブギアをスプリングの付勢力に逆らって手作業等で捩る作業と、捩った状態を保持したままボルトを締め付ける作業とを省略することができる。それ故、サブギアをメインギアにロックする作業を非常に容易化することができる。
なお上記の説明で理解されるように、傾斜面40は、ボルト17のサブネジ穴19への螺合中にボルト17の先端部に摺接してボルト17をメインネジ穴18に案内するものである。
次に、変形例を説明する。なお前記基本実施形態と同様の部分には図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、基本実施形態との相違点を主に説明する。
図10に示す第1変形例において、ボルト17は、その雄ネジ軸35の先端部にテーパ部41を有する。ここでテーパ部41とは、ボルト17の先端側に向かうにつれ徐々に縮径する部分をいう。ボルト17の中心軸(ボルト軸という)C2に対するテーパ部41の傾斜角θ2は、傾斜面40の傾斜角θ1と等しい。よって、サブネジ穴19に螺合されたボルト17のテーパ部41は、傾斜面40と平行となり、傾斜面40に片当たりせず均一に接触するようになる。
本変形例において、テーパ部41の先端は尖っており、すなわち尖頭状に形成される。テーパ部41の先端には尖点42が形成される。
本変形例によれば、ボルト17のテーパ部41が傾斜面40に均一に接触して傾斜面40上を摺動するので、接触部の面圧を下げることができ、摺動をより抵抗なくスムーズに行わせることができる。よって、ボルト17の締め付けを容易にし、ロック作業を一層容易化することができる。
次に、図11に示す第2変形例を説明する。本変形例は、ボルト17がテーパ部41を有する点は第1変形例と同じであるが、テーパ部41の先端が平面状に形成される点が第1変形例と異なる。テーパ部41の先端の平面43は、ボルト軸C2に垂直な平面となっている。このように平面43を設けた結果、テーパ部41は円錐台形状に形成される。テーパ部41の傾斜角θ2は傾斜面40の傾斜角θ1と等しい。このようにテーパ部41を形成しても、第1変形例とほぼ同様の作用効果を発揮できる。
次に、図12に示す第3変形例を説明する。本変形例のロック機構50は、ピン51と、メインギア1に設けられた第1圧入穴としてのメイン圧入穴52と、サブギア2に設けられた第2圧入穴としてのサブ圧入穴53とを備える。すなわち、前述のボルト17、メインネジ穴18およびサブネジ穴19は、ピン51、メイン圧入穴52およびサブ圧入穴53に置換され、ピン51を各圧入穴52,53に圧入する点が、前記基本実施形態、第1変形例および第2変形例と異なる。
ピン51は、所定の長さと一定の外径を有した通常の圧入ピンである。メイン圧入穴52およびサブ圧入穴53は、ピン51の圧入が可能となるよう、ピン51の外径より僅かに小さい内径を有する。
ピン51を前方からサブ圧入穴53に圧入していくと、やがてピン51の先端が傾斜面40上を摺動し、これと共にサブギア2がメインギア1に対し同一位相となる方向に相対回転する。ピン51は圧入されるので、スプリング8の付勢力に基づく抵抗で抜けることはない。こうしてボルト17のときと同じように、ピン51は最終的にメイン圧入穴52に圧入され、同時にサブギア2は同一位相位置に達し、ロックが完了する。
これにより本変形例は、基本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
また図示しないが、本変形例においても、ピン51の先端部に、第1変形例または第2変形例と同様のテーパ部を設けることができる。こうすると上記変形例と同様の作用効果をも発揮できる。
次に、図13に示す第4変形例を説明する。本変形例は、図1〜図9に示した基本実施形態をベースとするものである。本変形例が基本実施形態と異なる点は、メインネジ穴18が雌ネジを有しない単なる挿通穴である点である。従ってボルト17はメインネジ穴18に螺合されず、単に挿入される。メインネジ穴18の内径は、ボルト17の雄ネジ軸35の外径より僅かに大きい。なお、サブネジ穴19は基本実施形態と同様に雌ネジを有するため、ボルト17はサブネジ穴19に螺合される。
本変形例によれば、ボルト17をサブネジ穴19に螺合し、締め付けていくと、やがてサブネジ穴19がメインネジ穴18と同軸状態になる。その後、ボルト17をさらに締め付けていくと、ボルト17はサブネジ穴19に螺合されていく一方で、メインネジ穴18には挿入されていくようになる。ボルト17は最終的に、頭部34がサブギア2の前面に密着するまで締め付けられ、このときボルト17の雄ネジ軸35がメインネジ穴18に完全に挿入される。これによっても、サブギア2を同一位相位置にロックすることが可能となる。
メインネジ穴18への雌ネジ加工を省略できるので、基本実施形態よりも製作が容易となる。
勿論、本変形例においても、ボルト17の先端部に、第1変形例または第2変形例と同様のテーパ部を設けることができる。 以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態は他にも様々考えられる。
(1)例えば、ロック機構のボルトは、六角ボルト以外のボルトであってもよく、例えば六角穴付きボルトであってもよい。
(2)傾斜面をサブギアに設け、先にボルトが螺合される第2ネジ穴をメインギアに、後にボルトが螺合または挿入される第1ネジ穴をサブギアに設けてもよい。ピンおよび圧入穴の場合も同様である。
(3)傾斜面を形成する際、長穴を加工する代わりに、第1ネジ穴と同軸の円錐穴を加工してもよい。こうしても、円錐穴の周方向の一部により傾斜面を形成することができるからである。
(4)ボルトの先端部に、テーパ部に代わって球面部を設けてもよい。またテーパ部の先端を、球面状に形成してもよい。ピンの場合も同様である。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
G シザーズギア
1 メインギア
2 サブギア
8 スプリング
17 ボルト
18 メインネジ穴
19 サブネジ穴
33 ロック機構
40 傾斜面
41 テーパ部
42 尖点
43 平面
50 ロック機構
51 ピン
52 メイン圧入穴
53 サブ圧入穴
1 メインギア
2 サブギア
8 スプリング
17 ボルト
18 メインネジ穴
19 サブネジ穴
33 ロック機構
40 傾斜面
41 テーパ部
42 尖点
43 平面
50 ロック機構
51 ピン
52 メイン圧入穴
53 サブ圧入穴
Claims (6)
- メインギアと、
前記メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギアと、
前記サブギアを前記メインギアに対し周方向に付勢するスプリングと、
前記スプリングの付勢力に逆らって前記サブギアを前記メインギアに対し相対回転させた状態で前記サブギアを前記メインギアにロックするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、
ボルトと、
前記メインギアおよび前記サブギアの一方に設けられ前記ボルトが螺合または挿入される第1ネジ穴と、
前記メインギアおよび前記サブギアの他方に設けられ前記ボルトが螺合される第2ネジ穴と、
前記第1ネジ穴に隣接して前記一方に設けられ、前記ボルトの前記第2ネジ穴への螺合中に前記ボルトの先端部に摺接して前記ボルトを前記第1ネジ穴に案内する傾斜面と、
を備える
ことを特徴とするシザーズギア。 - 前記ボルトは、その先端部にテーパ部を有する
請求項1に記載のシザーズギア。 - 前記テーパ部の先端は、尖頭状または平面状に形成される
請求項2に記載のシザーズギア。 - メインギアと、
前記メインギアに相対回転可能に嵌合されたサブギアと、
前記サブギアを前記メインギアに対し周方向に付勢するスプリングと、
前記スプリングの付勢力に逆らって前記サブギアを前記メインギアに対し相対回転させた状態で前記サブギアを前記メインギアにロックするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、
ピンと、
前記メインギアおよび前記サブギアの一方に設けられた第1圧入穴と、
前記メインギアおよび前記サブギアの他方に設けられた第2圧入穴と、
前記第1圧入穴に隣接して前記一方に設けられ、前記ピンの前記第2圧入穴への圧入中に前記ピンの先端部に摺接して前記ピンを前記第1圧入穴に案内する傾斜面と、
を備える
ことを特徴とするシザーズギア。 - 前記ピンは、その先端部にテーパ部を有する
請求項4に記載のシザーズギア。 - 前記テーパ部の先端は、尖頭状または平面状に形成される
請求項5に記載のシザーズギア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018177512A JP2020046052A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | シザーズギア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018177512A JP2020046052A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | シザーズギア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020046052A true JP2020046052A (ja) | 2020-03-26 |
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ID=69899509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018177512A Pending JP2020046052A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | シザーズギア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020046052A (ja) |
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2018
- 2018-09-21 JP JP2018177512A patent/JP2020046052A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20180921 |