JP2020045416A - 光硬化性粘着樹脂組成物 - Google Patents

光硬化性粘着樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020045416A
JP2020045416A JP2018174571A JP2018174571A JP2020045416A JP 2020045416 A JP2020045416 A JP 2020045416A JP 2018174571 A JP2018174571 A JP 2018174571A JP 2018174571 A JP2018174571 A JP 2018174571A JP 2020045416 A JP2020045416 A JP 2020045416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
resin composition
adhesive resin
monofunctional
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018174571A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7080144B2 (ja
Inventor
健太 水間
Kenta Mizuma
健太 水間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aica Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Aica Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aica Kogyo Co Ltd filed Critical Aica Kogyo Co Ltd
Priority to JP2018174571A priority Critical patent/JP7080144B2/ja
Publication of JP2020045416A publication Critical patent/JP2020045416A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7080144B2 publication Critical patent/JP7080144B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】画像表示部材とカバー部材との貼り合わせにおいて、良好な視認性、高い粘着力、段差追従性、優れたスリット性を有する粘着テープに用いることができる無溶剤の光硬化性粘着樹脂組成物を提供する。【解決手段】重量平均分子量が10,000〜100,000のポリプロピレングリコール骨格を持つ(メタ)アクリル基を有する化合物(A)と、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(b1)と、水酸基を有さない脂環式の単官能(メタ)アクリレートモノマー(b2)を少なくとも含む単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、粘着付与剤(C)と、高分子可塑剤(D)と、光重合開始剤(E)と、を含み、組成物全体に対する前記(C)と(D)の配合量合計が45〜60重量%であることを特徴とする光硬化性粘着樹脂組成物2である。【選択図】図3

Description

本発明は、液晶等の画像表示部材とカバー部材との貼り合わせ等に適した光硬化性粘着樹脂組成物に関する。
アクリル樹脂はその特徴である透明性や速硬化性を活かし様々な用途で使用されている。例えばスマートフォンやタッチパネルに代表される画像表示ディスプレイにおいて、画像を表示する液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の画像表示部材とそれを保護するカバーパネルとの間に、こうしたアクリル系の透明樹脂を充填して接着することで、画像表示部材とカバーパネル間の空気層をなくしコントラストや輝度の低下を防ぐ技術が開発されてきた。(特許文献1)。
また過去に出願人は、画像表示部材とカバー部材の張り合わせに用いるテープに使用できる粘着剤として、メチルメタクリレートとブチルアクリレートのブロック共重合体(A)と分子内にウレタン結合を含むアクリル系オリゴマー(B)と単官能アクリル系モノマー(C)と粘着性付与剤(D)と光重合開始剤(E)からなる粘着樹脂組成物を発明している。(特許文献2)
この発明は、画像の視認性を向上させると共に、カバー部材に突発的に力が加わり破損した場合でも、その粘着力でカバー部材の飛散を低減できるという特徴を有した優れたものであった。しかしながら、カバー部材がフラット形状でなく曲面を有する場合、曲面に追従できる強い粘着力と段差追従性が必要となり、更に加えて粘着テープに加工した時の良好なスリット性も要求されるようになり、改善の余地があった。
特開2005−55641号 特許6193427号
本発明は、画像表示ディスプレイ等に使用される粘着剤で、テープ状に加工して画像表示部材とカバー部材との貼り合わせに使用することで、画像の視認性を向上させると共に、強い粘着性と段差追従性を有するため、カバー部材が曲面形状でも良好な張り合わせが可能であり、スリット性に優れた無溶剤の光硬化性粘着樹脂を提供することにある。
請求項1記載の発明は、重量平均分子量が10,000〜100,000のポリプロピレングリコール骨格を持つ(メタ)アクリル基を有する化合物(A)と、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(b1)と、水酸基を有さない脂環式の単官能(メタ)アクリレートモノマー(b2)を少なくとも含む単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、粘着付与剤(C)と、高分子可塑剤(D)と、光重合開始剤(E)と、を含み、組成物全体に対する前記(C)と(D)の配合量合計が45〜60重量%であることを特徴とする光硬化性粘着樹脂組成物を提供する。
請求項2記載の発明は、前記(B)が、更に炭素数8〜18の非脂環式アルキル骨格を有する単官能(メタ)アクリレート(b3)を含むことを特徴とする、請求項1記載の光硬化性粘着樹脂組成物を提供する。
請求項3記載の発明は、前記(C)が、ロジンエステル系樹脂であることを特徴とする、請求項1または2記載の光硬化性粘着樹脂組成物を提供する。
請求項4記載の発明は、前記(D)が、非架橋のウレタン系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物を提供する。
請求項5記載の発明は、硬化物の弾性率が5.0×10Pa以上であることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物を提供する。
請求項6記載の発明は、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布するテープ用粘着剤であることを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物を提供する。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物を用いた、携帯端末電子機器とカバー部材の貼り合わせで使用するディファレンシャルテープを提供する。
本発明の粘着樹脂は、画像表示部材とカバー部材との貼り合わせにおいて、良好な視認性、高い粘着力、段差追従性を有する粘着テープに用いることができる、スリット性に優れた無溶剤の光硬化性粘着樹脂組成物であり、特に曲面を有する保護ガラス用として有用である。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の組成物の構成は、ポリプロピレングリコール(以下PPG)骨格を持つ(メタ)アクリル基を有する化合物(A)と、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(b1)と、水酸基を有さない脂環式の単官能(メタ)アクリレートモノマー(b2)を少なくとも含む単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、粘着付与剤(C)と、高分子可塑剤(D)と、光重合開始剤(E)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
本発明で使用するPPG骨格を持つ(メタ)アクリル基を有する化合物(A)は、透明樹脂組成物を構成するベースオリゴマーであり、例えばPPGに、複数のイソシアネート基を有する化合物、および水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタンアクリレートが例示される。PPGはプロピレンオキサイドを開環重合させたポリエーテルで、エーテル間の炭素数が小さいため、この骨格を有することで屈曲性が高く、また親水性を有するウレタンアクリレートとなる。官能基数は2官能が好ましく、3官能以上では網目状の高分子構造となるため剛性が高くなりすぎ、段差や曲面への追従性が低下する傾向がある。
前記(A)の重量平均分子量は10,000〜100,000であり、15,000〜50,000が好ましく、18,000〜30,000が更に好ましい。10,000未満では硬化皮膜の凝集力が低く剥離強度が低下し、100,000を超えると組成物の粘度が高くなり粘度調整がしにくくなる。なお重量平均分子量(以下Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、スチレンジビニルベンゼン基材の充填剤を用いたカラムでテトラハイドロフラン溶離液を用いて、標準ポリスチレン換算の分子量を測定、算出した。
全組成物に対する(A)の配合量は10〜25重量%が好ましく、12〜22重量%が更に好ましい。10重量%以上で充分な凝集力と皮膜強度を確保でき、また25重量%以下で作業性に適した粘度にコントロールしやすくなる。市販のPPG系ウレタンアクリレートとしてはExcelateRX8−38、RX8−39(商品名:亜細亜工業社製)等がある。
本発明で使用する単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)は、高粘度の(A)を希釈すると同時に、硬化反応性を上げる目的で配合され、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(b1)と、水酸基を有さない脂環式の単官能(メタ)アクリレートモノマー(b2)を少なくとも含む。全組成物に対する(B)の配合量は20〜40重量%が好ましく、25〜35重量%が更に好ましい。20重量%以上とすることで充分な反応性を確保でき、また40重量%以下とすることで充分な凝集力と皮膜強度を確保できる。
前記(B)に含まれる水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(b1)は、カバー部材がガラスの場合に、ガラスとの密着性向上を目的に配合される。(B)に対する(b1)の配合量は、15〜25重量%が好ましく、18〜22重量%が更に好ましい。15重量%以上とすることで充分なガラスとの密着性を確保することができ、25重量%以下とすることで弾性率を低くコントロールしやすくできる。
前記(b1)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等があり、単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、分子量や取り扱いの点で4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好適である。
前記(B)に含まれる水酸基を有さない脂環式の単官能(メタ)アクリレートモノマー(b2)は、(A)を希釈すると同時に硬化反応性を上げ、また弾性率を高めるために配合される。脂環式構造であることにより凝集力が向上し、弾性率を上げることができる。(B)に対する(b2)の配合量は、50〜70重量%が好ましく、55〜65重量%が更に好ましい。この範囲とすることで良好な弾性率を確保することできる。
前記(b2)としては、例えばイソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等があり、単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では低粘度で低臭気のイソボルニルアクリレートが好適である。また配合物の粘度を調整しやすくするため、粘度は500mPa・s以下である事が望ましい。
本発明で使用される粘着付与剤(C)は、非反応成分であることから硬化収縮を生じることなく、剥離強度を向上させる目的で配合する。例えばロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等があり、単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、(A)及び(B)との相溶性に優れる点でロジンエステル系樹脂が好ましい。
組成物全体に対する(C)の配合量は、25〜40重量%が好ましく、28〜35重量%が更に好ましい。この範囲とすることで充分な剥離強度を確保することができる。
本発明で使用する高分子可塑剤(D)は、(C)と同じく非反応成分であることから硬化収縮を生じることなく、粘着剤層に適度な柔軟性を付与して応力を緩和する目的で配合する。例えばウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂等があり、単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、(A)及び(B)との相溶性に優れる点で非架橋のウレタン系樹脂が好ましい。
前記(D)の数平均分子量(以下Mn)は1,000〜10,000が好ましいく、1,500〜5,000が更に好ましい。1,000以上とすることで充分な剥離強度を確保でき、10,000以下とすることで作業性に適した粘度にコントロールしやすくなる。全組成物に対する(D)の配合量は、15〜25重量%が好ましく、18〜22重量%が更に好ましい。この範囲内とすることで充分な剥離強度と応力緩和を確保できる。
組成物全体に対する前記(C)と(D)の配合量合計は45〜60重量%であり、47〜55重量%が好ましい。45重量%未満では粘着力低下や応力緩和が不足となり、60重量%超では皮膜の凝集力が低下しいずれも剥離強度が低下し、更にテープ状に加工した際のスリット性が低下する。またこの範囲内にすることで、良好な段差追従性を実現できる。
本発明で使用される光重合開始剤(E)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、ベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等汎用の光重合開始剤が使用できる。重合開始剤の光吸収波長を任意に選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。具体的にはベンジルケタール系として2.2-ジメトキシ-1.2-ジフェニルエタン-1-オンが、α−ヒドロキシアセトフェノン系として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが、α-アミノアセトフェノン系として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが、アシルフォスフィンオキサイド系として2.4.6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド及びビス(2.4.6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
これらの中では、黄変しにくいα−ヒドロキシアセトフェノン系、及び内部硬化性に優れるアシルフォスフィンオキサイド系を含むことが好ましい。特に硬化皮膜を100μm以上に厚膜化する場合は、アシルフォスフィンオキサイド系の併用が有効である。配合量はラジカル重合性成分100重量部に対して、1〜10重量部配合することが好ましく、2〜8重量部がさらに好ましい。この範囲で配合する事により、組成物を効率的に硬化させる事ができる。市販品としてはα−ヒドロキシアセトフェノン系でIrgacure184及び同2959が、フォスフィンオキサイド系でIrgacureTPO及び同819(商品名:BASFジャパン社製)などがある。
更に本組成物へ、前記(A)と相溶性が良好な炭素数がC8〜18の非環式アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(b3)を加える事で、透明性を維持しつつ弾性率の調整が可能である。(b3)として例えばノルマルオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート等があり、これらの中では(A)との相溶性に優れ、ガラス転移点が比較的高いラウリルアクリレート、イソステアリルクリレートが好適である。(B)に対する(b3)の配合量は、10〜25重量%が好ましく、15〜22重量%が更に好ましい。10重量%以上とすることで硬化皮膜に柔軟性を付与することができ、25重量%以下とすることで充分な皮膜の強度を確保できる。
更に加えて本発明の光硬化性樹脂組成物は、性能を損なわない範囲で、必要に応じ光増感剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、シランカップリング剤、着色剤、重合禁止剤、有機微粒子などの添加剤を添加することができる。
本硬化物における弾性率は、5.0×10Pa以上であることが好ましく、8.0×104Pa以上であることが更に好ましい。5.0×10Pa未満では、テープに加工した際のスリット性が低下する傾向がある。
本硬化物の膜厚が300μmにおける、ガラス板とPETフィルムとの180°剥離強度は、15N/25mm以上であることが好ましく、25N/25mm以上が更に好ましく、40N/25mmが特に好ましい。15N/25mm未満の場合は、携帯端末電子機器と貼り合わせるカバーパネルが曲面を有する場合、粘着力が低すぎることにより、曲面に追従しにくくなり、また追従しても経時的に浮きが生じやすくなる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、タッチパネルもしくはフラットパネルディスプレイ等の画像表示体、例えば携帯機器端末と、これを保護するカバー部材とを貼り合わせるテープ状の粘着剤として使用できる。本発明の光硬化性粘着樹脂組成物は、特にガラス材質に対し優れた密着性を有していると共に、貼り合わせミスにより再貼合する際に糊残りがないというリワーク性にも優れており、スマートフォンの保護ガラス用途で有用である。以下に、テープ製造及び使用方法の具体例を説明するが、これに限定されるものではなく、粘着剤の塗工順序やフィルムの貼り合せ順序は随時選択できる。
PETフィルムに当該粘着剤を塗布後、紫外線照射により硬化させ粘着フィルム(図1)を作成する。塗布方法は特に限定されず公知のロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート等が利用できる。塗布する厚みは任意であり、例えば50〜400μmが例示できるが、曲面加工されたガラス製カバーパネルには、200〜350μmの厚膜化が好ましい。また厚膜化する場合は、外観を向上させるため無溶剤化することが好ましい。硬化に用いる紫外線は、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ、無電極ランプ等の公知の光源を使用し、積算光量として例えば50〜1,500mJ/cm2を照射して光硬化性組成物を硬化させる。
次に更にPETフィルムと易接着層を有するPETフィルム間にシリコ−ン系の粘着剤を挟んだ3層構造の粘着シート(図2)を別途用意し、易接着PET面に上記で用意した粘着フィルム(図1)の粘着面をラミネートして5層構造の粘着積層フィルム(図3)を作成する。この構成のような表裏の粘着力が異なるテープは、一般的にディファレンシャルテープと呼ばれており、また携帯機器端末とカバー部材を貼り合わせるディファレンシャルテープは、特にABテープと呼ばれることがある。
次に粘着積層フィルム(図3)の当該アクリル系粘着剤側のPETフィルムを剥離しカバー部材となる薄膜ガラスに貼り合わせる。その際必要に応じてオートクレーブや真空ラミネータ等を使用してガラス面と粘着剤の間に残存する泡抜きを行う。その後シリコ−ン系粘着剤側のPETフィルムを剥離し、画像表示パネル面に貼りつける。この粘着積層フィルムを薄膜ガラスと画像表示パネルの間に挿入し貼り合わせる事(図4)で、空気層をなくしコントラストや輝度の低下を防ぐと同時に、ガラス面に突発的な力が加わり破損した場合でも、その粘着力でガラスの飛散を低減する事が可能となり、例えば携帯電話、タブレット端末、デジタルカメラ、テレビ、パソコンモニターなどの電子機器に利用できる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づき詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。なお表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で測定を行った。
実施例1〜4
(A)としてRX8−39(商品名:亜細亜工業社製、PPG骨格ウレタンアクリレート、Mw.24,000)及びRX8−38(商品名:亜細亜工業社製、PPG骨格ウレタンアクリレート、Mw.20,000)を、(b1)として4HBA(商品名:大阪有機化学工業社製、4ヒドロキシブチルアクリレート)を、(b2)としてIBXA(商品名:共栄社化学社製、イソボルニルアクリレート)を、(b3)としてLA(商品名:共栄社化学社製、ラウリルアクリレート)及びISTA(商品名:大阪有機化学工業社製、イソステアリルアクリレート)を、(C)としてKE311(商品名:荒川化学工業社製、ロジンエステル系)を、(D)としてFZ100(商品名:亜細亜工業社製、非架橋ウレタン樹脂、Mn2100)を、(E)としてIrgacure184及びIrgacureTPO(商品名:BASFジャパン製)を、表1記載の配合で均一に溶解するまで撹拌し、実施例1〜4の光硬化性粘着樹脂組成物を調製した。
比較例1〜5
実施例で用いた材料の他、オリゴマーとして、RX71−25LA70(商品名:亜細亜工業社製、水素化ポリブタジエン骨格ウレタンアクリレート、Mw.26,000、固形分70%LA希釈)及びUC203(商品名:クラレ社製、イソプレン重合物の無水マレイン酸付加物とヒドロキシエチルメタクリレートのエステル化物、Mw35,000)を、可塑剤としてGI1000(商品名:日本曹達社製、両末端水酸基水素化ポリブタジエン、Mn1500)及びDINCH(商品名:BASFジャパン社製、ジイソノニルシクロヘキサンジカルボキシレート)を、表1記載の配合で均一に溶解するまで撹拌し、比較例1〜5の光硬化性粘着樹脂組成物を調整した。
表1
評価方法は以下の通りとした。
紫外線硬化条件
アイグラフィック社製の高圧電極水銀ランプH04−L41を用い、出力100mW/cm、積算光量が800mJ/cmとした。
粘度:東機産業製のコーンプレート型粘度計RE−215Rを用い、コーン角3°×R17.65で25±1℃、回転数10rpmで測定し、10、00〜10,000mPa・sを○、この範囲から外れる場合を×とした。
剥離強度:PETフィルムA4300(商品名:東洋紡社製、厚さ50μm)上に、厚さ300μmとなるよう粘着樹脂組成物を塗布し、その上に軽剥離PETフィルムE7006(東洋紡社製、75μm)をラミネートした後、上記の硬化条件で紫外線硬化させた。その後、幅25mmにカットして軽剥離PETフィルムをはがし、白板ガラスに貼り付けたものを試験片とし、ミネベア社製の引張り試験機TGI−1kNを用い、クロスヘッドスピード300mm/min.で、白板ガラス面に対し180°の剥離強度を測定し、15N/25mm以上を○、以下を×とした。
弾性率:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製HAAKEMARS40を用い、直径20mmΦ、膜厚1mmの樹脂組成物を上記の硬化条件で調整したサンプルを用いて、25℃、1Hzのずりせん断モードの貯蔵弾性率を測定し、5.0×10Pa以上を○、5.0×10Pa未満を×とした。
評価結果
表2
実施例の各樹脂組成物は、粘度、弾性率及び剥離強度、いずれの評価においても良好な結果を得た。
一方、(A)を含まない比較例1は剥離強度が低く、比較例2は相溶性が悪く、(b2)を含まない比較例3は硬化後に白化し、(D)を含まない比較例4は弾性率と剥離強度で不適で、(C)と(D)の合計配合量が低い比較例5は弾性率が低く、いずれも本願発明に適さないものであった。
本願発明は、画像表示ディスプレイ等の表示体とカバー部材との貼り合わせにおいて、良好な視認性、密着性、段差追従性を有するため、特に曲面を有するスマートフォンの保護ガラス用のABテープ(スマートフォン用途のディファレンシャルテープ)に有用である。
光硬化性粘着樹脂組成物を塗布したフィルムの断面 シリコーン系粘着剤を挟んだ3層構造の積層フィルムの断面 図1と図2を貼り合わせた5層構造の積層フィルムの断面 薄膜ガラスと画像表示パネルを図3のフイルムで貼り合わせた断面
1 剥離用PETフィルム
2 光硬化性粘着樹脂組成物
3 易接着PETフィルム
4 シリコーン粘着剤
5 剥離用PETフィルム
6 薄膜ガラス
7 画像表示パネル

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が10,000〜100,000のポリプロピレングリコール骨格を持つ(メタ)アクリル基を有する化合物(A)と、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(b1)と、水酸基を有さない脂環式の単官能(メタ)アクリレートモノマー(b2)を少なくとも含む単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、粘着付与剤(C)と、高分子可塑剤(D)と、光重合開始剤(E)と、を含み、組成物全体に対する前記(C)と(D)の配合量合計が45〜60重量%であることを特徴とする光硬化性粘着樹脂組成物。
  2. 前記(B)が、更に炭素数8〜18の非脂環式アルキル骨格を有する単官能(メタ)アクリレート(b3)を含むことを特徴とする、請求項1記載の光硬化性粘着樹脂組成物。
  3. 前記(C)が、ロジンエステル系樹脂であることを特徴とする、請求項1または2記載の光硬化性粘着樹脂組成物。
  4. 前記(D)が、非架橋のウレタン系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物。
  5. 硬化物の弾性率が5.0×10Pa以上であることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物。
  6. ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布するテープ用粘着剤であることを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の光硬化性粘着樹脂組成物を用いた、携帯端末電子機器とカバー部材の貼り合わせで使用するディファレンシャルテープ。


JP2018174571A 2018-09-19 2018-09-19 光硬化性粘着樹脂組成物 Active JP7080144B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018174571A JP7080144B2 (ja) 2018-09-19 2018-09-19 光硬化性粘着樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018174571A JP7080144B2 (ja) 2018-09-19 2018-09-19 光硬化性粘着樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020045416A true JP2020045416A (ja) 2020-03-26
JP7080144B2 JP7080144B2 (ja) 2022-06-03

Family

ID=69899381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018174571A Active JP7080144B2 (ja) 2018-09-19 2018-09-19 光硬化性粘着樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7080144B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113444485A (zh) * 2020-03-27 2021-09-28 荒川化学工业株式会社 活性能量射线固化型粘合剂组合物、粘合剂层、层叠体
CN114163705A (zh) * 2021-12-31 2022-03-11 深圳先进电子材料国际创新研究院 一种聚烯烃基阻燃型导热材料及其制备方法和应用
WO2022145370A1 (ja) * 2020-12-28 2022-07-07 住友化学株式会社 硬化性接着剤組成物及び偏光板
WO2022163232A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 三菱ケミカル株式会社 画像表示装置用粘着シート、離型フィルム付き粘着シート、画像表示装置用積層体および画像表示装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140001230A (ko) * 2010-12-16 2014-01-06 히타치가세이가부시끼가이샤 광경화성 수지 조성물, 화상 표시용 장치, 그 제조 방법
JP2014065790A (ja) * 2012-09-25 2014-04-17 Nippon Shokubai Co Ltd 表示装置用紫外線硬化型樹脂組成物、硬化物及び表示装置
WO2015190561A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 日本化薬株式会社 タッチパネル用紫外線硬化型樹脂組成物、それを用いた貼り合せ方法及び物品
JP2016186007A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 荒川化学工業株式会社 紫外線硬化型粘着剤組成物
JP2017165807A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 アイカ工業株式会社 テープ用光硬化性樹脂組成物
JP2018090683A (ja) * 2016-12-01 2018-06-14 旭硝子株式会社 硬化性組成物、粘着層、粘着層付き面材、積層体および画像表示装置
JP6370967B1 (ja) * 2017-06-28 2018-08-08 デクセリアルズ株式会社 画像表示装置の製造方法、光硬化性樹脂組成物及び光透過性硬化樹脂層
US20180258331A1 (en) * 2016-04-12 2018-09-13 Lg Chem, Ltd. Adhesive composition for optical use

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140001230A (ko) * 2010-12-16 2014-01-06 히타치가세이가부시끼가이샤 광경화성 수지 조성물, 화상 표시용 장치, 그 제조 방법
JP2014065790A (ja) * 2012-09-25 2014-04-17 Nippon Shokubai Co Ltd 表示装置用紫外線硬化型樹脂組成物、硬化物及び表示装置
WO2015190561A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 日本化薬株式会社 タッチパネル用紫外線硬化型樹脂組成物、それを用いた貼り合せ方法及び物品
JP2016186007A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 荒川化学工業株式会社 紫外線硬化型粘着剤組成物
JP2017165807A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 アイカ工業株式会社 テープ用光硬化性樹脂組成物
US20180258331A1 (en) * 2016-04-12 2018-09-13 Lg Chem, Ltd. Adhesive composition for optical use
JP2018090683A (ja) * 2016-12-01 2018-06-14 旭硝子株式会社 硬化性組成物、粘着層、粘着層付き面材、積層体および画像表示装置
JP6370967B1 (ja) * 2017-06-28 2018-08-08 デクセリアルズ株式会社 画像表示装置の製造方法、光硬化性樹脂組成物及び光透過性硬化樹脂層

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113444485A (zh) * 2020-03-27 2021-09-28 荒川化学工业株式会社 活性能量射线固化型粘合剂组合物、粘合剂层、层叠体
JP2021155724A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 荒川化学工業株式会社 活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物、粘着剤層、積層体
JP7405110B2 (ja) 2020-03-27 2023-12-26 荒川化学工業株式会社 活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物、粘着剤層、積層体
KR102695267B1 (ko) 2020-03-27 2024-08-13 아라까와 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 활성 에너지선 경화형 점착제 조성물, 점착제층, 적층체
WO2022145370A1 (ja) * 2020-12-28 2022-07-07 住友化学株式会社 硬化性接着剤組成物及び偏光板
WO2022163232A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 三菱ケミカル株式会社 画像表示装置用粘着シート、離型フィルム付き粘着シート、画像表示装置用積層体および画像表示装置
CN114163705A (zh) * 2021-12-31 2022-03-11 深圳先进电子材料国际创新研究院 一种聚烯烃基阻燃型导热材料及其制备方法和应用
CN114163705B (zh) * 2021-12-31 2024-01-23 深圳先进电子材料国际创新研究院 一种聚烯烃基阻燃型导热材料及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP7080144B2 (ja) 2022-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6193427B1 (ja) テープ用光硬化性樹脂組成物
KR101876892B1 (ko) 점착제 수지 조성물
JP7080144B2 (ja) 光硬化性粘着樹脂組成物
JP6340765B2 (ja) 両面粘着シートおよび画像表示装置
JP6388023B2 (ja) 画像表示装置構成用積層体の製造方法
JP6853157B2 (ja) 光硬化型粘着シート、粘着シート及び画像表示装置
PH12014501893B1 (en) Transparent double-sided adhesive sheet for image display device and image display device using same
JP6556550B2 (ja) 光硬化性粘着剤組成物
JP6673314B2 (ja) 粘着シート、積層体の製造方法および積層体
WO2012029960A1 (ja) 樹脂組成物及び接着剤
JP6947665B2 (ja) 光硬化性粘着樹脂組成物
WO2015159957A1 (ja) 粘着層付き透明面材、表示装置およびそれらの製造方法、ならびに粘着シート
JP2020186330A (ja) 粘着シート及び積層体
JP7234674B2 (ja) 粘着シート及び積層体
JP7278967B2 (ja) 光学透明粘着シート
JP2017179230A (ja) 光学用透明粘着シート
JP2018127638A (ja) 粘着剤樹脂組成物
JP6881501B2 (ja) 粘着シート及び積層体
JP2022170568A (ja) 活性エネルギー線硬化型粘着シート及び表示装置
JP7340433B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物
JP2017125120A (ja) 光硬化性防湿絶縁コート剤組成物
JP2021075614A (ja) 活性エネルギー線硬化型圧着ニス組成物
JP7503413B2 (ja) 光硬化型樹脂組成物
JP2023057206A (ja) 光硬化型樹脂組成物
JPWO2016194958A6 (ja) 画像表示装置用積層体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7080144

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150