JP2020045036A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】タイヤの耐石噛み性能および雪上加速性能を両立できる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在するショルダー主溝21およびセンター主溝22と、ショルダー主溝21およびセンター主溝22に区画された陸部31〜33とを備える。また、ショルダー主溝21およびセンター主溝22が、溝底に形成されると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された複数のショルダー突起部41および複数のセンター突起部42をそれぞれ備える。また、ショルダー突起部41のピッチ長P1が、センター突起部42のピッチ長P2に対してP2<P1の関係を有する。また、ショルダー突起部41の体積V1が、センター突起部42の体積V2に対してV2<V1の関係をする。【選択図】図3

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの耐石噛み性能および雪上加速性能を両立できる空気入りタイヤに関する。
従来の重荷重用タイヤは、タイヤの耐石噛み性を向上するために、ストーンイジェクタとして機能する突起部を周方向主溝の溝底に備えている。かかる構成を採用する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2002−29218号公報
ところで、例えばマッド・アンド・スノーマーク「M+S」をもつオールシーズン用タイヤでは、タイヤのスノー性能を向上すべき課題がある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤの耐石噛み性能および雪上加速性能を両立できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在するショルダー主溝およびセンター主溝と、前記ショルダー主溝および前記センター主溝に区画された陸部とを備える空気入りタイヤであって、前記ショルダー主溝および前記センター主溝が、溝底に形成されると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された複数のショルダー突起部および複数のセンター突起部をそれぞれ備え、前記ショルダー突起部のピッチ長P1が、前記センター突起部のピッチ長P2に対してP2<P1の関係を有し、且つ、前記ショルダー突起部の体積V1が、前記センター突起部の体積V2に対してV2<V1の関係を有することを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤによれば、(1)センター主溝がセンター突起部を溝底に備え、且つ、センター突起部が相対的に密に配置されることにより、センター主溝での石噛みが効果的に抑制される。また、(2)ショルダー主溝がショルダー突起部を溝底に備え、ショルダー突起部が相対的に疎に配置され、隣り合うショルダー突起部間の雪の取り込み量およびショルダー突起部による雪柱剪断力が増加する。同時に、ショルダー突起部の体積V1が相対的に大きく設定されるので、ショルダー突起部による雪の圧縮力(踏み固め力)が増加する。これにより、トレッドショルダー領域におけるトラクション作用が増加する。上記により、タイヤの耐石噛み性能および雪上加速性能が両立する利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、図2に記載した周方向主溝の溝底の突起部を示す平面図である。 図4は、図3に記載した周方向主溝の突起部のA−A視断面図である。 図5は、図3に記載した周方向主溝の突起部のB視断面図である。 図6は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図7は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図8は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図9は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図10は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、トラクター、トレーラーなどの操舵輪に装着される重荷重用ラジアルタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、スチールから成る1本あるいは複数本のビードワイヤを環状かつ多重に巻き廻して成り、ビード部に埋設されて左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、ローアーフィラー121およびアッパーフィラー122から成り、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数枚のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールから成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上90[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される。)を有する。
ベルト層14は、高角度ベルト141と、一対の交差ベルト142、143と、ベルトカバー144とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。高角度ベルト141は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で45[deg]以上70[deg]以下のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される。)を有する。一対の交差ベルト142、143は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で10[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト142、143は、相互に異符号のベルト角度を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造を有する)。ベルトカバー144は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトカバーコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で10[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、ビード部のリム嵌合面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、オールシーズン用タイヤのリブパターンを示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端であり、寸法記号TWは、タイヤ接地幅である。
図2に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画された複数の陸部31、32、33とをトレッド面に備える。
主溝は、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、5.0[mm]以上の溝幅および9.0[mm]以上の溝深さを有する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁間の距離として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を測定点として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が規定内圧での最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図2の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域が2本の周方向主溝21、22をそれぞれ有している。また、これらの周方向主溝21、22が、タイヤ赤道面CLを中心として、左右対称に配置されている。また、これらの周方向主溝21、22により、5列の陸部31〜33が区画されている。また、1つの陸部33が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。
しかし、これに限らず、3本あるいは5本以上の周方向主溝が配置されても良いし、周方向主溝がタイヤ赤道面CLを中心として左右非対称に配置されても良い(図示省略)。また、1つの周方向主溝がタイヤ赤道面CL上に配置されることにより、陸部がタイヤ赤道面CLから外れた位置に配置されても良い(図示省略)。
また、タイヤ赤道面CLからタイヤ接地幅TWの20[%]の位置を境界とするタイヤ接地端T側の領域をトレッド部ショルダー領域として定義し、タイヤ赤道面CL側の領域をトレッド部センター領域として定義する。
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、トレッド部ショルダー領域に配置された周方向主溝21をショルダー主溝として定義し、トレッド部センター領域に配置された周方向主溝22をセンター主溝として定義する。この空気入りタイヤ1は、トレッド部センター領域およびトレッド部ショルダー領域が、少なくとも1本の周方向主溝をそれぞれ備えることを要する。図2の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域が、1本のセンター主溝22および1本のショルダー主溝21をそれぞれ備えている。また、タイヤ赤道面CL上に配置された周方向主溝(図示省略)は、センター主溝として定義される。
主溝の位置は、タイヤ赤道面CLから主溝の溝中心線までの距離D1、D2(図2参照)を用いて定義される。具体的には、ショルダー主溝21は、タイヤ赤道面CLからの距離D1がタイヤ接地幅TWの20[%]以上である主溝として定義される。したがって、ショルダー主溝21がトレッド部ショルダー領域とトレッド部センター領域との境界線上に位置しても良い(図示省略)。また、センター主溝22は、タイヤ赤道面CLからの距離D2がタイヤ接地幅TWの20[%]未満である主溝として定義される。
また、図2の構成では、左右の最外周方向主溝21、21が、ストレート形状を有している。しかし、これに限らず、周方向主溝21、22が、タイヤ幅方向に振幅を有するジグザグ形状、波状形状あるいはステップ形状を有しても良い(図示省略)。
[溝底の突起部]
図3は、図2に記載した周方向主溝の溝底の突起部を示す平面図である。同図は、一対のショルダー主溝21およびセンター主溝22の突起部41、42を示している。図4および図5は、図3に記載した周方向主溝の突起部のA−A視断面図(図4)およびB視断面図(図5)である。これらの図において、図4は、溝幅方向の断面図を示し、図5は、溝長さ方向の断面図を示している。
図2に示すように、ショルダー主溝21およびセンター主溝22は、複数の突起部41、42をそれぞれ備える。
突起部41、42は、主溝21、22の溝底に形成され、溝底から溝開口部に向かって突出する。また、複数の突起部41、42が、タイヤ周方向に所定間隔で配列される。ここでは、ショルダー主溝21の突起部41をショルダー突起部として定義し、センター主溝22の突起部42をセンター突起部として定義する。
また、図3に示すように、ショルダー突起部41のピッチ長P1が、センター突起部42のピッチ長P2に対してP2<P1の関係を有する。したがって、ショルダー突起部41が相対的に疎に配置され、センター突起部42が相対的に密に配置される。また、ショルダー突起部41のピッチ長P1が、センター突起部のピッチ長P2に対して2.00≦P1/P2の関係を有することが好ましく、3.00≦P1/P2の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41のピッチ長P1が適正化される。比P1/P2の上限は、特に限定がないが、後述する比P1/Lg1あるいはP2/Lg2により制約を受ける。
また、ショルダー突起部41のピッチ長P1が、タイヤ接地面におけるショルダー主溝21の周方向長さLg1(図示省略)に対して2.00≦P1/Lg1≦8.00の関係を有することが好ましく、3.00≦P1/Lg1≦6.00の関係を有することがより好ましい。これにより、タイヤ接地面におけるショルダー突起部41のピッチ長P1が適正化される。
主溝の周方向長さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面にて測定される。
また、センター突起部42のピッチ長P2が、タイヤ接地面におけるセンター主溝22の周方向長さLg2(図示省略)に対して5.00≦P2/Lg2≦20.0の関係を有することが好ましく、9.00≦P2/Lg2≦15.0の関係を有することがより好ましい。これにより、タイヤ接地面におけるセンター突起部42のピッチ長P2が適正化される。
また、ショルダー突起部41の体積V1が、センター突起部42の体積V2に対してV2<V1の関係をする。したがって、ショルダー突起部41の体積V1が相対的に大きく設定される。また、ショルダー突起部41の体積V1が、センター突起部42の体積V2に対して1.50≦V1/V2≦30.0の関係をすることが好ましく、3.00≦V1/V2≦20.0の関係をすることがより好ましい。
突起部の体積は、主溝の溝底のプロファイル面に区画された単位ピッチあたりの体積として測定される。溝底のプロファイル面は、突起部を有さない位置における溝底形状、最大溝深さ位置、右の溝壁面の形状から合理的に特定され得る。また、突起部が立方形状を有する場合(図3〜図5を参照)には、便宜的に、突起部の体積が突起部の幅、高さおよび周方向長さの積として概算され得る。
また、タイヤ接地面におけるショルダー突起部41の体積V1の総和ΣV1が、ショルダー主溝21の溝容積Vg1に対して0.30≦ΣV1/Vg1≦0.90の関係を有することが好ましく、0.40≦ΣV1/Vg1≦0.70の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41の体積V1が適正化される。
タイヤ接地面における主溝の溝容積は、主溝の溝底および溝壁のプロファイル面とタイヤ接地面とに区画された領域の容積として測定される。したがって、溝容積は、溝底の突起部を除外して測定される。
また、タイヤ接地面におけるセンター突起部42の体積V2の総和ΣV2が、センター主溝22の溝容積Vg2に対して0.05≦ΣV2/Vg2≦0.40の関係を有することが好ましく、0.10≦ΣV2/Vg2≦0.30の関係を有することがより好ましい。
(1)タイヤ接地時には、トレッド部センター領域の接地面圧がトレッド部ショルダー領域よりも高いため、センター主溝22での石噛みが発生し易い傾向にある。上記の構成では、センター主溝22がセンター突起部42を溝底に備え、且つ、センター突起部42が相対的に密に配置されることにより、センター主溝22での石噛みが効果的に抑制される。また、(2)トレッド部ショルダー領域の接地面圧が相対的に低いため、スノー路面の走行時にて、トレッド部ショルダー領域におけるトラクション作用がトレッド部センター領域と比較して低下する傾向にある。上記の構成では、ショルダー主溝21がショルダー突起部41を溝底に備え、ショルダー突起部41が相対的に疎に配置され、隣り合うショルダー突起部41、41間の雪の取り込み量およびショルダー突起部41による雪柱剪断力が増加する。同時に、ショルダー突起部41の体積V1が相対的に大きく設定されるので、ショルダー突起部41による雪の圧縮力(踏み固め力)が増加する。これにより、トレッド部ショルダー領域におけるトラクション作用が増加する。上記により、タイヤの耐石噛み性能およびスノー性能が両立する。
また、図3において、ショルダー突起部41の周方向長さL1とセンター突起部42の周方向長さL2とが、1.30≦L1/L2≦10.0の関係を有することが好ましく、2.00≦L1/L2≦7.00の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41の周方向長さL1が適正化される。
突起部の周方向長さは、主溝の最大溝深さ位置から突起部の最大突出位置までの距離の1/2の位置(後述する図8の仮想線BLc)におけるタイヤ周方向への突起部の最大長さとして測定される。したがって、突起部と主溝の溝底との接続部に形成された小さな拡幅部は、突起部の周方向長さに寄与しない。
また、ショルダー突起部41のピッチ長P1とショルダー突起部41の周方向長さL1とが、0.30≦L1/P1≦0.90の関係を有することが好ましく、0.40≦L1/P1≦0.70の関係を有することが好ましい。これにより、ショルダー突起部41の周方向長さL1が適正化される。
また、図3において、ショルダー突起部41の周方向長さL1が、ショルダー主溝21の溝幅Wg1に対して1.00≦L1/Wg1≦5.00の関係を有することが好ましく、1.50≦L1/Wg1≦4.00の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41の周方向長さL1が適正化される。
また、センター突起部42の周方向長さL2が、センター主溝22の溝幅Wg2に対して0.20≦L2/Wg2≦0.80の関係を有することが好ましく、0.30≦L2/Wg2≦0.60の関係を有することがより好ましい。これにより、センター突起部42の周方向長さL2が適正化される。
また、ショルダー突起部41の幅W1が、センター突起部42の幅W2に対して1.20≦W1/W2≦3.00の関係を有することが好ましく、1.80≦W1/W2≦2.50の関係を有することがより好ましい。したがって、ショルダー突起部41の幅W1が相対的に大きく設定される。
突起部の幅は、主溝の最大溝深さ位置から突起部の最大突出位置までの距離の1/2の位置(後述する図6の仮想線BLw。最大高さの50[%]の位置。)におけるタイヤ幅方向への突起部の最大幅として測定される。
また、図3において、ショルダー突起部41の幅W1が、ショルダー主溝21の溝幅Wg1に対して0.50≦W1/Wg1≦0.90の関係を有することが好ましく、0.60≦W1/Wg1≦0.80の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41の幅W1が適正化される。
例えば、図3の構成では、図4および図5に示すように、ショルダー突起部41が、全体として直方体形状を有し、平坦かつ矩形状の頂面を有している。ショルダー突起部41が、その長手方向を溝長さ方向に揃えて配置されている。また、ショルダー突起部41の幅W1が、その頂面のタイヤ周方向のエッジ部にて最大値をとる。また、頂面のタイヤ周方向のエッジ部の幅W1’(図中の寸法記号省略)が、ショルダー主溝21の溝幅Wg1に対して上記した比W1/Wg1の条件を満たすように設定されている。
また、図3において、センター突起部42の幅W2が、センター主溝22の溝幅Wg2に対して0.10≦W2/Wg2≦0.50の関係を有することが好ましく、0.20≦W2/Wg2≦0.40の関係を有することがより好ましい。
また、図4において、ショルダー突起部41の高さH1が、センター突起部42の高さH2に対して1.05≦H1/H2≦2.50の関係を有することが好ましく、1.20≦H1/H2≦2.00の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41の高さH1が適正化される。
突起部の高さは、主溝の最大溝深さ位置から突起部の最大突出位置までの距離として測定される。
また、ショルダー突起部41の高さH1が、ショルダー主溝21の溝深さHg1に対して0.50≦H1/Hg1≦0.95の関係を有することが好ましく、0.60≦H1/Hg1≦0.80の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41の高さH1が適正化される。
また、センター突起部42の高さH2が、センター主溝22の溝深さHg2に対して0.10≦H2/Hg2≦0.60の関係を有することが好ましく、0.30≦H2/Hg2≦0.50の関係を有することがより好ましい。
また、ショルダー突起部41の幅W1(図3参照)および高さH1(図4参照)が、0.50≦W1/H1≦2.00の関係を有することが好ましく、0.90≦W1/H1≦1.50の関係を有することが好ましい。これにより、ショルダー突起部41のアスペクト比が適正化される。
また、センター突起部42の幅W2(図3参照)および高さH2(図4参照)が、0.50≦W2/H2≦2.00の関係を有することが好ましく、0.90≦W2/H2≦1.50の関係を有することが好ましい。
また、図4において、タイヤ子午線方向の断面視におけるショルダー突起部41の断面積S1が、ショルダー主溝21の断面積Sg1に対して0.20≦S1/Sg1≦0.80の関係を有することが好ましく、0.50≦S1/Sg1≦0.80の関係を有することがより好ましい。これにより、ショルダー突起部41の断面積S1が適正化される。
また、タイヤ子午線方向の断面視におけるセンター突起部42の断面積S2が、センター主溝22の断面積Sg2に対して0.10≦S2/Sg2≦0.40の関係を有することが好ましく、0.20≦S2/Sg2≦0.30の関係を有することがより好ましい。
なお、図2の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする片側領域が、1本のショルダー主溝21および1本のセンター主溝22を備え、これらの主溝21、22が、上記の条件を満たすショルダー突起部41およびセンター突起部42を備えている。
これに対して、トレッド部センター領域あるいはトレッド部ショルダー領域が複数の周方向主溝を備えるトレッドパターン(図示省略)では、少なくとも1本のセンター主溝22およびショルダー主溝21が、上記の条件を満たせば良い。特に、タイヤ幅方向の最も外側にあるショルダー主溝21およびタイヤ赤道面CLに最も近いセンター主溝22が、上記の条件を満たすことが好ましい。
[変形例]
図6〜図8は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図において、図6は、主溝21(22)の溝深さ方向の断面図を示し、図7および図8は、主溝21(22)の溝長さ方向の断面図を示している。
図4の構成では、ショルダー突起部41およびセンター突起部42が、矩形状の断面を有し、その頂面で最大幅W1、W2を有している。かかる構成では、突起部41、42の体積V1、V2を効率的に増加させ得る点で好ましい。具体的には、ショルダー突起部41が大きな体積V1を有することにより、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が確保される。また、センター突起部42の剛性が増加して、センター突起部42による耐石噛み性の向上作用が高まる。
しかし、これに限らず、図6に示すように、突起部41(42)が主溝21(22)の溝底から溝開口部に向かって断面幅を狭めた断面形状を有しても良い。例えば、突起部41(42)が、放物線状、台形状、三角形状の断面形状を有し得る。これらの場合には、上記のように、タイヤ子午線方向の断面視にて、主溝21(22)の最大溝深さ位置から突起部41(42)の最大突出位置までの距離の1/2の位置、すなわち突起部41(42)の高さH1(H2)の1/2の位置に仮想線BLwが作図され、この仮想線BLw上における突起部41(42)の断面幅が突起部41(42)の幅W1(W2)として測定される。
また、図5の構成では、複数の突起部41(42)が、タイヤ周方向に相互に離間しており、主溝21(22)が、隣り合う突起部41、41(42、42)の間で最大溝深さHg1(Hg2)を有している。かかる構成では、特に、ショルダー主溝21において、隣り合うショルダー突起部41、41の間の溝容積が確保されるので、隣り合うショルダー突起部41、41間の雪の取り込み量およびショルダー突起部41による雪柱剪断力が増加する点で好ましい。
しかし、これに限らず、図7に示すように、隣り合う突起部41、41(42、42)が、タイヤ周方向に相互に連結されて、全体としてリブ状構造を有しても良い。
例えば、図7の構成では、主溝21(22)が底上部(図中の符号省略)を有し、隣り合う突起部41、41(42、42)が主溝21(22)の底上部を介して相互に連結されている。また、タイヤ周方向の断面視にて、突起部41(42)が矩形状を有することにより、複数の突起部41(42)がステップ状の周方向断面を有している。かかる構成では、特に、ショルダー突起部41による雪柱剪断力が増加する点で好ましい。
また、図8の構成では、タイヤ周方向の断面視にて、複数の突起部41(42)がタイヤ周方向に連続する正弦波状の周方向断面を有している。このため、突起部41(42)の頂部が波状形状を有している。このように、突起部41(42)が、曲率をもつ頂面を有しても良い。かかる構成は、特にセンター主溝22にて、隣り合うセンター突起部42、42間への石の噛み込みが抑制される点で好ましい。
また、図7および図8の構成において、隣り合う突起部41、41(42、42)を接続する底上部の高さH1’(H2’)が、突起部41(42)の最大高さH1(H2)に対して30[%]以下であることが好ましい。かかる構成では、特に、ショルダー主溝21にて、隣り合うショルダー突起部41、41の間の溝容積が確保されて、隣り合うショルダー突起部41、41間の雪の取り込み量およびショルダー突起部41による雪柱剪断力が確保される点で好ましい。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在するショルダー主溝21およびセンター主溝22と、ショルダー主溝21およびセンター主溝22に区画された陸部31〜33とを備える(図2参照)。また、ショルダー主溝21およびセンター主溝22が、溝底に形成されると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された複数のショルダー突起部41および複数のセンター突起部42をそれぞれ備える(図3参照)。また、ショルダー突起部41のピッチ長P1が、センター突起部42のピッチ長P2に対してP2<P1の関係を有する。また、ショルダー突起部41の体積V1(図示省略)が、センター突起部42の体積V2(図示省略)に対してV2<V1の関係をする。
(1)タイヤ接地時には、トレッド部センター領域の接地面圧がトレッド部ショルダー領域よりも高いため、センター主溝22での石噛みが発生し易い傾向にある。上記の構成では、センター主溝22がセンター突起部42を溝底に備え、且つ、センター突起部42が相対的に密に配置されることにより、センター主溝22での石噛みが効果的に抑制される。また、(2)トレッド部ショルダー領域の接地面圧が相対的に低いため、スノー路面の走行時にて、トレッド部ショルダー領域におけるトラクション作用がトレッド部センター領域と比較して低下する傾向にある。上記の構成では、ショルダー主溝21がショルダー突起部41を溝底に備え、ショルダー突起部41が相対的に疎に配置され、隣り合うショルダー突起部41、41間の雪の取り込み量およびショルダー突起部41による雪柱剪断力が増加する。同時に、ショルダー突起部41の体積V1が相対的に大きく設定されるので、ショルダー突起部41による雪の圧縮力(踏み固め力)が増加する。これにより、トレッド部ショルダー領域におけるトラクション作用が増加する。上記により、タイヤの耐石噛み性能および雪上加速性能が両立する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41のピッチ長P1が、センター突起部42のピッチ長P2に対して2.00≦P1/P2の関係を有する(図3参照)。これにより、ショルダー突起部41のピッチ長P1がセンター突起部42のピッチ長P2に対して相対的に大きく設定されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部のピッチ長P1が、タイヤ接地面における前記ショルダー主溝の周方向長さLg1に対して2.00≦P1/Lg1≦8.00の関係を有する。これにより、タイヤ接地面におけるショルダー突起部41のピッチ長P1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、タイヤ接地面におけるショルダー突起部41のピッチ数が確保されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、隣り合うショルダー突起部41、41間の雪の取り込み量およびショルダー突起部41による雪柱剪断力の増加作用が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の体積V1が、センター突起部42の体積V2に対して1.50≦V1/V2≦30.0の関係をする。これにより、ショルダー突起部41の体積V1がセンター突起部42の体積V2に対して相対的に大きく設定されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ接地面におけるショルダー突起部41の体積V1の総和ΣV1が、ショルダー主溝22の溝容積Vg1に対して0.30≦ΣV1/Vg1≦0.90の関係を有する。これにより、ショルダー突起部41の体積V1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41の体積V1が相対的に確保されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、隣り合うショルダー突起部41、41間の雪の取り込み量およびショルダー突起部41による雪柱剪断力の増加作用が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の周方向長さL1とセンター突起部42の周方向長さL2とが、1.30≦L1/L2≦10.0の関係を有する(図3参照)。これにより、ショルダー突起部41の周方向長さL1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41の周方向長さL1が相対的に確保されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、ショルダー突起部41とセンター突起部42との周方向長さ比L1/L2が過大となることに起因するタイヤ転動時の局所的な変形が抑制される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41のピッチ長P1および周方向長さL1が、0.30≦L1/P1≦0.90の関係を有する。これにより、ショルダー突起部41の周方向長さL1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、隣り合うショルダー突起部41、41の間隔が確保されて、隣り合うショルダー突起部41、41間の雪の取り込み量が確保される。また、上記上限により、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の周方向長さL1が、ショルダー主溝21の溝幅Wg1に対して1.00≦L1/Wg1≦5.00の関係を有する(図3参照)。これにより、ショルダー突起部41の周方向長さL1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、ショルダー突起部41の剛性が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の幅W1が、センター突起部42の幅W2に対して1.20≦W1/W2≦3.00の関係を有する(図3参照)。これにより、ショルダー突起部41の幅W1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41の幅W1が相対的に大きく設定されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、ショルダー突起部41とセンター突起部42との周方向長さ比W1/W2が過大となることに起因する溝底部の局所的な歪みが抑制される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の幅W1が、ショルダー主溝22の溝幅Wg1に対して0.50≦W1/Wg1≦0.90の関係を有する(図3参照)。これにより、ショルダー突起部41の幅W1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41の幅W1が確保されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、主溝21の実溝容積が確保されて、排水性が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の高さH1が、センター突起部42の高さH2に対して1.05≦H1/H2≦2.50の関係を有する(図4参照)。これにより、ショルダー突起部41の高さH1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41の高さH1が相対的に確保されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、主溝21の実溝容積が確保されて、排水性が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の高さH1が、ショルダー主溝21の溝深さHg1に対して0.50≦H1/Hg1≦0.80の関係を有する(図4参照)。これにより、ショルダー突起部41の高さH1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41の高さH1が確保されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、主溝21の実溝容積が確保されて、排水性が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー突起部41の幅W1および高さH1が、0.50≦W1/H1≦2.00の関係を有する(図3参照)。これにより、ショルダー突起部41のアスペクト比が適正化される利点がある。
また、タイヤ子午線方向の断面視におけるショルダー突起部41の断面積S1が、ショルダー主溝21の断面積Sg1に対して0.20≦S1/Sg1≦0.80の関係を有する。これにより、ショルダー突起部41の断面積S1が適正化される利点がある。すなわち、上記下限により、ショルダー突起部41の断面積S1が確保されて、ショルダー突起部41による雪の圧縮力の増加作用が適正に確保される。また、上記上限により、主溝21の実溝容積が確保されて、排水性が確保される。
[適用対象]
この空気入りタイヤ1の構成は、特に、マッド・アンド・スノーマーク「M+S」、さらに、スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク「3PMSF」を有するオールシーズン用タイヤに適用されることが好ましい。これらのマークは、例えば、タイヤサイドウォールに刻印される。かかるタイヤを適用対象とすることにより、タイヤの耐石噛み性能およびスノー性能による効果が顕著に得られる。
図9および図10は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)耐石噛み性能および(2)雪上加速性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ295/80R22.5の試験タイヤがJATMAの規定リムに組み付けられ、この試験タイヤにJATMAの規定内圧および規定荷重が付与される。また、試験タイヤが、試験車両であるトラクターの全輪に装着される。
(1)耐石噛み性能に関する評価では、試験車両が非舗装路を10時間走行した後に、舗装路を2時間走行する。その後に、主溝に噛み込んだ石の個数がカウントされて、評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。また、数値が95以上であれば、耐石噛み性能が適正に維持されているといえる。
(2)雪上加速性能に関する評価は、R117−02(ECE Regulation No.117 Revision 2)に準拠して行われ、規定の初速度から終端速度までの加速に要する距離が測定され、加速度が算出されて、評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
実施例1〜17の試験タイヤは、図1〜図5の構成を備え、ショルダー主溝21およびセンター主溝22のそれぞれが、突起部41、42を備える。また、ショルダー主溝21およびセンター主溝22の溝幅がWg1=Wg2=15.0[mm]であり、溝深さがHg1=Hg2=15.0[mm]である。
従来例の試験タイヤは、ショルダー主溝およびセンター主溝の突起部が同一構造を有する。
試験結果が示すように、実施例の試験タイヤでは、タイヤの耐石噛み性能および雪上加速性能が両立することが分かる。
1 空気入りタイヤ;11 ビードコア;12 ビードフィラー;121 ローアーフィラー;122 アッパーフィラー;13 カーカス層;14 ベルト層;141 高角度ベルト;142、143 交差ベルト;144 ベルトカバー;15 トレッドゴム;16 サイドウォールゴム;17 リムクッションゴム;21 ショルダー主溝;22 センター主溝;31〜33 陸部;41 ショルダー突起部;42 センター突起部

Claims (15)

  1. タイヤ周方向に延在するショルダー主溝およびセンター主溝と、前記ショルダー主溝および前記センター主溝に区画された陸部とを備える空気入りタイヤであって、
    前記ショルダー主溝および前記センター主溝が、溝底に形成されると共にタイヤ周方向に所定間隔で配列された複数のショルダー突起部および複数のセンター突起部をそれぞれ備え、
    前記ショルダー突起部のピッチ長P1が、前記センター突起部のピッチ長P2に対してP2<P1の関係を有し、且つ、
    前記ショルダー突起部の体積V1が、前記センター突起部の体積V2に対してV2<V1の関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ショルダー突起部のピッチ長P1が、前記センター突起部のピッチ長P2に対して2.00≦P1/P2の関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ショルダー突起部のピッチ長P1が、タイヤ接地面における前記ショルダー主溝の周方向長さLg1に対して2.00≦P1/Lg1≦8.00の関係を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ショルダー突起部の体積V1が、前記センター突起部の体積V2に対して1.50≦V1/V2≦30.0の関係をする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ接地面における前記ショルダー突起部の体積の総和ΣV1が、前記ショルダー主溝の溝容積Vg1に対して0.30≦ΣV1/Vg1≦0.90の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ショルダー突起部の周方向長さL1と前記センター突起部の周方向長さL2とが、1.30≦L1/L2≦10.0の関係を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ショルダー突起部のピッチ長P1および周方向長さL1が、0.30≦L1/P1≦0.90の関係を有する請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ショルダー突起部の周方向長さL1が、前記ショルダー主溝の溝幅Wg1に対して1.00≦L1/Wg1≦5.00の関係を有する請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ショルダー突起部の幅W1が、前記センター突起部の幅W2に対して1.20≦W1/W2≦3.00の関係を有する請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ショルダー突起部の幅W1が、前記ショルダー主溝の溝幅Wg1に対して0.50≦W1/Wg1≦0.90の関係を有する請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記ショルダー突起部の高さH1が、前記センター突起部の高さH2に対して1.05≦H1/H2≦2.50の関係を有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記ショルダー突起部の高さH1が、前記ショルダー主溝の溝深さHg1に対して0.50≦H1/Hg1≦0.95の関係を有する請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記ショルダー突起部の幅W1および高さH1が、0.50≦W1/H1≦2.00の関係を有する請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. タイヤ子午線方向の断面視における前記ショルダー突起部の断面積S1が、前記ショルダー主溝の断面積Sg1に対して0.20≦S1/Sg1≦0.80の関係を有する請求項1〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. マッド・アンド・スノーマークを有する請求項1〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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