JP2020044590A - ロボット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】学習制御の完了までに要する所要時間を短縮できるロボット装置を提供する。【解決手段】対象位置の位置情報を求めるためのセンサを備えたロボット機構部1と、制御装置5と、を具備したロボット装置10において、制御装置5は、動作制御部51と、目標動作とセンサによって検知される対象部位の動作との偏差が低減するよう、学習補正量を求め動作指令を補正して再度ロボット機構部を制御し学習補正量を上書き記憶する処理を繰り返す学習制御部61とを備え、学習制御部61は、目標動作と学習補正量とを関連付けて記憶する記憶部62と、学習対象の動作と、目標動作との間の類似性の有無を判定する類似性判定部63と、を備え、類似性判定部により類似性が有ると判定された目標動作と関連付けられた学習補正量の少なくとも一部を、学習対象の学習補正量の初期値として適用する、ロボット装置10である。【選択図】図2

Description

本発明は、学習制御機能を備えたロボット装置に関する。
ロボットの位置制御を行う場合、動作時に発生する振動成分を抑制し動作軌跡の精度を向上させることは生産効率の向上に直結する。特許文献1は、ロボット機構部の溶接ガンに加速度センサを取り付け、加速度センサによって検出したロボット機構部の制御対象部位の位置を目標位置に近づけるために学習補正量を算出する学習を行うロボットを記載している。
特開2011−167817号公報
ロボット動作時の振動成分は、ロボットの動作に依存する。したがって、学習目的の動作の学習後に教示位置や教示速度を変更した場合には再学習を行う必要がある。一つの学習目的の動作の学習補正量を求めるためには、学習目的の動作をロボットに繰り返し行わせる必要があり、学習完了までに時間を要する。このような学習に要する所要時間を短縮できるロボット装置が望まれている。
本開示の一態様は、制御の対象部位の位置情報を求めるための物理量を検知するセンサを備えたロボット機構部と、前記ロボット機構部の動作を制御する制御装置と、を具備したロボット装置において、前記制御装置は、動作指令にしたがって前記ロボット機構部を制御する動作制御部と、前記動作指令に基づく前記制御の対象部位の目標動作と、前記動作制御部により前記動作指令に基づいて前記ロボット機構部を制御した場合に前記センサによって検知される前記物理量に基づいて求められる前記制御の対象部位の動作との偏差が低減するよう、前記偏差に基づいて学習補正量を求めて記憶し該学習補正量を用いて前記動作指令を補正して前記ロボット機構部を再度制御して前記学習補正量を再度求め、記憶した前記学習補正量に上書きする処理を繰り返す学習制御を行う学習制御部と、を備え、前記学習制御部は、前記目標動作と前記学習補正量とを関連付けて記憶する記憶部と、前記制御装置に対して教示入力された学習対象の動作と、前記記憶部に記憶された前記目標動作との間の類似性の有無を判定する類似性判定部と、を備え、前記類似性判定部により前記学習対象の動作に対して前記類似性が有ると判定された前記目標動作と関連付けて前記記憶部に記憶されていた前記学習補正量の少なくとも一部を、前記学習対象の動作についての前記学習補正量の初期値として適用する、ロボット装置である。
ロボットに新たな動作を学習させる場合の動作の繰り返し回数を減らし、それにより学習を完了させるのに要する時間を減少させることができる。
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明のこれらの目的、特徴および利点ならびに他の目的、特徴および利点がさらに明確になるであろう。
一実施形態に係るロボット装置の全体構成を表す図である。 ロボット制御装置の機能ブロック図である。 学習制御部の構成例を表す図である。 従来の一般的な学習制御における学習補正量の変化の推移の一例を示す図である。 本実施形態に係る学習制御における学習補正量の変化の推移の一例を示す図である。 比較する2つの動作軌跡の間の距離の最大値を用いて類似性を判定する例を説明する図である。 比較する2つの動作軌跡の間の距離の平均値を用いて類似性を判定する例を説明する図である。 比較する2つの動作軌跡の間の領域の面積を用いて類似性を判定する例を説明する図である。 比較する2つの動作軌跡が部分的に類似する場合の学習補正量の適用例について説明する図である。 ロボット機構部の各駆動軸の指令値に基づいて類似性の判定を行う場合について説明する図である。 比較する2つの動作軌跡は類似するが動作速度が異なる場合の学習補正量の調整について説明する図である。
次に、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。参照する図面において、同様の構成部分または機能部分には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。また、図面に示される形態は本発明を実施するための一つの例であり、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
図1は一実施形態に係るロボット装置10の全体構成を表す図である。図1に示すようにロボット装置10は、ロボット機構部1と、センサ2と、ロボット機構部1の動作を制御するロボット制御装置5とを有する。ロボット装置10は、ロボット機構部1を用いてツール3を移動させて溶接その他の各種加工を行う。ロボット装置10、図1では垂直多関節ロボットであるが、他のタイプのロボット装置が用いられても良い。ロボット制御装置5は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、操作部、表示部等を有する一般的なコンピュータとしての構成を有していても良い。
センサ2は、ロボット機構部1の制御の対象部位に配置され、対象部位の位置情報を求めるための物理量を検出する。センサ2としては、例えば、加速度センサ、視覚センサ、その他の位置情報を取得可能なセンサを用いることができる。ロボット機構部1の位置制御の対象部位は、例えば、ツール3の先端位置(いわゆるツール・センター・ポイント)である。ロボット装置10が溶接用であれば、工具3は、溶接ガンや溶接トーチである。なお、ロボット機構部1の位置制御の対象部位は、このような例に限定されず、ロボット機構部1の他の部位であっても良い。以下では、説明の便宜上、位置制御の対象部位の位置を、単にロボットの位置又はロボット機構部の位置と表現する場合もある。
図2は、ロボット制御装置5の機能ブロック図である。ロボット制御装置5は、動作制御部51と、学習制御部61、メモリ62と、類似性判定部63とを備えている。動作制御部51は、ロボット機構部1の動作指令52を用いて、ロボット機構部1の位置及び速度が動作指令と一致するように制御を行う。一例として、動作指令52はロボット機構部1の位置、速度であり、動作制御部51は動作指令52に基づきロボット機構部1の各軸のモータの位置、速度を制御する。
学習制御部61は、ロボット機構部1に学習目的の動作を繰り返し実行させることでロボット機構部1の動作の目標動作からの偏差を、実動作上無視可能なレベルまで収束させる学習補正量を算出する一般的な学習制御を行うものであっても良い。なお、学習制御のやり方としては、所定回数学習を行ったら学習を終了するというやり方もとり得る。算出された学習補正量と、当該学習の対象であったロボット機構部1の動作情報がメモリ62に記憶される。メモリ62は、例えば不揮発性メモリである。このように、メモリ62には、学習済みのロボット機構部1の動作と当該動作に対応する学習補正量とが関連付けられて複数組、蓄積される。ロボット機構部1の動作情報は、位置、動作速度、加速度の少なくとも一つを含む。なお、動作情報として、動作速度や加速度が用いられる場合でもそれらを位置情報に換算して用いることができる。
センサ2が加速度センサである場合には、センサ2が検出する物理量はロボット機構部1の位置制御の対象部位の加速度である。一例として、学習制御部61は、図3に示す構成を有していても良い。ここで、jは試行回数、kは時間を表す。図3に示すように、学習制御部61は、フィルタ30、一試行遅れW-136、第1メモリ31、学習制御器L(q)32、ローパスフィルタQ(q)33、第2メモリ34、及び第3メモリ35を有する。第1メモリ31には、ロボット機構部1の位置に関する位置指令(yd(k))と、センサ2が計測した位置データ(yj(k))とをフィルタ30を通すことによって得られる目的補正量ej(k)が入力され記憶される。目的補正量ej(k)は、ロボット機構部1の位置制御の対象部位の目標位置(yd(k))に対する軌跡・振動誤差に相当する。
学習制御器L(q)32は、演算プログラムを実行することにより、目的補正量ej(k)と前回の学習補正量uj(k)から学習補正量uj+1(k)を算出し、ローパスフィルタQ(q)33に出力する。Q(q)33に入力された学習補正量uj+1(k)は、第2メモリ34に入力され記憶される。この学習補正量uj+1(k)は、動作制御部51に提供されロボット機構部1に転送される位置指令値を補正するために用いられる。ロボット機構部1は、学習補正量により補正された位置指令値を用いて制御され、このような学習制御が繰り返し実行される。学習制御部61は、上記の学習制御の繰り返しの実行により、学習目的のロボット機構部1の動作とセンサ2により計測されたロボット機構部1の動作の偏差を実動作上無視可能なレベル以下にまで低減させる。メモリ62には、学習対象の動作と、当該動作に対して上記学習によりロボット機構部1の動作の偏差を実動作上無視可能なレベル以下にまで低減させるものとして求められた学習補正量とが関連付けられて記憶される。なお、メモリ62に記憶されるロボット機構部の動作を表す情報は、位置制御の対象部位の動作軌跡、位置制御の対象部位の動作速度、ロボット機構部1の各駆動軸の動作指令値の少なくともいずれかを含んでいても良い。
一般に上記のような学習制御において学習補正量を求めるためには、ロボット機構部1に目的の動作を繰り返し行わせる必要があるが、学習完了までには時間を要する。そこで本実施形態では、類似性判定部63がこれから新たに学習するロボット機構部1の動作とメモリ62に記憶されている学習済みのロボット機構部1の動作とを比較して類似する動作がメモリ62に記憶されている場合には、当該類似する動作に適用されていた学習補正量を、新たに学習する動作についての補正量の初期値として用いるように動作する。
図4は、類似性判定部61による学習補正量の初期値の適用を行わない場合、すなわち従来の一般的な学習制御を行う場合の学習補正量の変化の推移の一例を示す図である。図4において、横軸は時間を、縦軸はロボット機構部1の位置の学習補正量を表す。図4に示す通り、一般的な学習制御では、ロボット機構部1に学習対象の動作を最初に行わせる場合(学習1回目)の学習補正量はゼロであり、ロボット機構部1に学習対象の動作を繰り返し行わせることで、最終的にロボット機構部1の位置偏差を無視可能なレベルに低減する学習補正量201を得る。ロボット装置10を実稼働させる場合にはこの学習補正量201が、動作制御部51からの指令値を補正するために用いられ、それによりロボット機構部1は振動等による影響を解消した適正な動作軌跡で加工動作を行うことができる。
他方、図5は、新たに学習する動作について類似性判定部63により類似する学習済みの動作が検出され、当該類似する動作についての学習補正量を新たに学習する動作についての学習補正量の初期値に適用する場合の学習補正量の推移を示している。一般には、学習制御の補正量の初期値が、学習後に最終的に得られる学習補正量に近いほど、学習制御の完了までに要する時間を短縮することができると考えることができる。したがって、本実施形態によれば、図5に示すように、学習動作の初期値に学習済みの類似動作の学習補正量290が適用されており、この学習補正量290は、新たに学習する動作におけるロボット機構部1の位置偏差を無視可能なレベルに低減させる学習補正量301に近い形状を有している。よって、本実形態によれば、ロボット機構部1の位置偏差を無視可能なレベルに低減させる学習補正量が得られるまでにロボット機構部1を繰り返し動作させる回数を大幅に低減することが可能になる。
次に、類似性判定部63による、新たに学習する動作とメモリ62に記憶されている学習済みの動作との類似性判定の例について説明する。図6は、ロボットの動作軌跡を比較の対象としており、新たに学習する動作としての動作軌跡と、メモリ62の記憶されている学習済みの動作としての動作軌跡との間の距離の最大値が閾値以下である場合にそれら二つの動作が類似すると判定する場合の例を示している。ここで、動作軌跡は、ロボットの動作指令から補間周期毎のロボットの位置を計算することで求めても良い。2つの動作軌跡の間の距離は、2つの動作軌跡における対応する補間周期毎の位置の間の距離として算出しても良い。図6において、符号501は新たに学習する動作の動作軌跡を表し、符号401はメモリ62に記憶された学習済みの動作の動作軌跡を表す。図6の例では、動作軌跡401と動作軌跡501との間の距離の最大値d1が閾値以下である場合、これら2つの動作軌跡401、501は類似すると判定する。動作軌跡401と動作軌跡501が類似であると判定された場合、動作軌跡401に関連付けて記憶されていた学習補正量を動作軌跡501についての学習制御の補正量の初期値に適用する。
図7は、2つの動作軌跡間の距離の平均値が閾値以下である場合に類似であると判定する場合の例を示す図である。図7において、符号502は新たに学習する動作の動作軌跡を表し、符号402はメモリ62に記憶された学習済みの動作の動作軌跡を表す。図7の例では、動作軌跡402と動作軌跡502との間の距離の平均値が閾値以下である場合、これら2つの動作軌跡402、502は類似すると判定する。動作軌跡402と動作軌跡502が類似であると判定された場合、動作軌跡402に関連付けて記憶されていた学習補正量を動作軌跡502についての学習制御の補正量の初期値に適用する。
図8は、2つの動作軌跡の間の領域Sの面積の合計が閾値以下の場合に類似と判定する場合の例を示している。図8において、符号503は新たに学習する動作の動作軌跡を表し、符号403はメモリ62に記憶された学習済みの動作の動作軌跡を表す。2つの動作軌跡の間の領域Sの面積の合計は、2つの動作軌跡の差を表している。図8の例では、領域Sの面積の合計が閾値以下である場合、これら2つの動作軌跡403、503は類似すると判定する。動作軌跡403と動作軌跡503が類似であると判定された場合、動作軌跡403に関連付けて記憶されていた学習補正量を動作軌跡503についての学習制御の補正量の初期値に適用する。
新たに学習する動作の動作軌跡と学習済みの動作軌跡とが部分的に類似する場合には、新たに学習する動作軌跡における当該類似する部分についての学習補正量の初期値として、学習済みの動作軌跡における当該類似する部分についての学習補正量を適用しても良い。図9は、このような類似判定の例を説明するための図である。図9において、符号505は新たに学習する動作の動作軌跡を表し、符号405、406は2つの学習済みの動作軌跡を表している。
図9の例では、図6−8を参照して説明したいずれかの類似判定方法を用いることによって、第1の部分601において動作軌跡505の部分505aと学習済みの動作軌跡405の部分405aとが類似すると判定され、第2の部分602において動作軌跡505の部分505bと学習済みの動作軌跡406の部分406bとが類似すると判定されている。この場合、新たに学習する動作軌跡505の学習動作の学習補正量の初期値のうち、部分505aに対応する部分には学習済みの動作軌跡405の部分405aに対応する部分の学習補正量が適用され、部分505bに対応する部分には学習済みの動作軌跡406の部分406bに対応する部分の学習補正量が適用される。この場合にも、新たに学習する動作軌跡505の学習補正量の初期値を、ロボット機構部1の位置偏差を実動作上無視可能なレベルに低減させる学習補正量に近づけることができる。よって、学習制御を完了するまでの所要時間を低減することができる。
以上では、新たに学習する動作と学習済みの動作との間の類似性を判定するためにロボットの動作軌跡を用いる例を示したが、新たに学習する動作と学習済みの動作との間の類似性の判定例はこれに限られない。例えば、ロボットが多軸ロボットである場合には各駆動軸の動作指令を用いて新たに学習する動作と学習済みの動作との間の類似性を判定しても良い。一例としてロボット機構部1が6軸ロボットであるものとし、基部側から順に6つの軸J1−J6を有するものとする。この場合、新たに学習する動作としての各軸の指令値と、学習済みのロボットの動作情報としての各軸の指令値とをそれぞれ比較する。図0は、各軸J1−J6それぞれについて、新たに学習する動作としての指令値と学習済みの動作としての指令値との比較を説明するグラフ91−96を示している。各グラフにおいて横軸は時間を、縦軸は各軸モータの位置(パルス指令値)を表している。
軸J1については、新たに学習する動作としての軸J1指令値71と学習済みの動作としての軸J1指令値81とを比較する。比較手法としては、図6−8を参照して説明した軌跡同士の比較手法を用いることができる。同様に、軸J2については、新たに学習する動作としての軸J2指令値72と学習済みの動作としての軸J2指令値82とを比較する。軸J3については、新たに学習する動作としての軸J3指令値73と学習済みの動作としての軸J3指令値83とを比較する。軸J4については、新たに学習する動作としての軸J4指令値74と学習済みの動作としての軸J4指令値84とを比較する。軸J5については、新たに学習する動作としての軸J5指令値75と学習済みの動作としての軸J5指令値85とを比較する。軸J6については、新たに学習する動作としての軸J6指令値76と学習済みの動作としての軸J6指令値86とを比較する。全ての軸J1−J6について2つの指令値間の相違(最大値、平均値等)が閾値以下であるときに、2つの動作は類似すると判定する。ここで各軸に設定する閾値は、同じ値としても良いが、図10に示すようにロボットの基部に近い軸ほど厳しい(値が小さい)閾値を設定することもできる。図10の例では、軸J1から軸J6の閾値がそれぞれ0.5、0.5、1、1、2、2(単位は、グラフ縦軸の設定に応じる)と、ロボットの基部に近づくほど閾値が厳しくなっている。ロボットの先端部に生じる振動は、ある同じ大きさの偏差が各軸に生じる場合、基部に近い軸の影響が基も大きいと考えられるため、基部に近い軸ほど厳しい閾値を適用することで、より適正な類似性の判定を行うことが可能になる。
また、各軸に対する閾値を設定する手法としては、各軸のモータの性能に関する情報に基づいて決定するという手法もとることができる。例えば、出力の大きなモータほど閾値を厳しめの値に設定するというやり方も有り得る。このことは、出力の大きなモータほどロボットの基部に近い側に配置されると考えられること、或いは、出力の大きなモータほどサイズの大きいロボットに採用されている可能性が高いと考えられることに基づいている。基部に近い軸ほど動作指令値間の差に対応するロボットの軌跡の偏差が大きくなると考えられるため、或いは大きなサイズのロボットほど動作指令値間の差に対応するロボットの軌跡の偏差が大きくなると考えられるため、2つの動作同士の類似性を判定する場合には厳しめの閾値を設定することで、より適正な類似性の判定を行うことが可能になる。
或いは、各軸に対する閾値を設定する手法としては、ロボットの種類に基づいて決定するという手法もとることができる。これにより、例えば、サイズが同程度のロボットであっても、各アーム長が異なる場合等には、その形状に応じて閾値を変えて設定することができる。
上述の2つの動作軌跡間の類似性の判定は2つの動作軌跡の動作速度が同じであることを想定していたが、2つの動作軌跡が類似するが動作速度が異なるような場合に、以下のように学習済みの動作軌跡の学習補正量を適用することができる。例えば、新たに学習するロボットの動作の動作軌跡と学習済みのロボットの動作の動作軌跡が類似するが、新たに学習するロボットの動作の動作速度が学習済みのロボットの動作の動作速度の2倍である場合を想定する。この場合には、学習済みの動作の学習補正量を時間軸の方向に1/2に縮めて新たに学習する動作の学習制御の学習補正量の初期値に適用する。
図11は、このような例における学習補正量の調整過程を表している。図11の例では、新たに学習する動作の動作速度が2000mm/secであり、学習済みの動作の動作速度が1000ms/secであり、これらの動作の動作軌跡同士は類似している。この場合、学習済みの動作の学習補正量181(図11の上段のグラフ)の波形を時間軸上で1/2に縮めた学習補正量191(図11の下段のグラフ)を新たに学習する動作の学習制御における学習補正量の初期値に適用する。ただし、動作速度が遅い動作の学習補正量を、動作速度が速い動作の学習制御の補正量の初期値に適用すると学習補正量が不足すると考えられる。したがって、動作速度が遅い動作の学習補正量を、動作速度が速い動作の学習制御の学習補正量の初期値に適用する場合には、学習済みの動作の学習補正量の振幅を増加させた上で新たな動作の学習制御の補正量の初期値に適用することが好ましい。この場合のやり方としては、一例として、図11に示すように学習補正量181の波形を積分して得られる面積(面積S1−S3の合計)と、学習補正量181を縮めた後の学習補正量191の波形を積分して得られる面積(面積S11−S13の合計)とが等しくなるように学習補正量191の波形の振幅を増加させるというやり方が有り得る。合計ではなく、S1とS11のように、対応する各箇所ごとに比較しても良い。新たに学習する動作の動作速度が学習済みの動作の動作速度よりも遅い場合には、上記とは逆に学習済みの動作の学習補正量を時間軸上で引き伸ばし且つ振幅を減少させて、新たな動作の学習制御における学習補正量の初期値に適用することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、ロボットに新たな動作を学習させる場合の動作の繰り返し回数を減らし、それにより学習を完了させるのに要する時間を減少させることができる。
以上、典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、上述の各実施形態に変更及び種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。
また、本開示の課題を解決するために、以下のような各種の態様とその効果を提供することができる。なお、以下の態様の説明文における括弧内の番号は本開示の図面の参照符号に対応する。
例えば、本開示の第一態様は、制御の対象部位の位置情報を求めるための物理量を検知するセンサ(2)を備えたロボット機構部(1)と、前記ロボット機構部(1)の動作を制御する制御装置(5)と、を具備したロボット装置(10)において、前記制御装置(5)は、動作指令にしたがって前記ロボット機構部(1)を制御する動作制御部(51)と、前記動作指令に基づく前記制御の対象部位の目標動作と、前記動作制御部(51)により前記動作指令に基づいて前記ロボット機構部(1)を制御した場合に前記センサによって検知される前記物理量に基づいて求められる前記制御の対象部位の動作との偏差が低減するよう、前記偏差に基づいて学習補正量を求め該学習補正量を用いて前記動作指令を補正して前記ロボット機構部を制御して前記偏差を再度求める処理を繰り返す学習制御を行う学習制御部(61)と、を備え、前記学習制御部(61)は、前記目標動作と前記学習補正量とを関連付けて記憶する記憶部(62)と、前記制御装置(5)に対して教示入力された学習対象の動作と、前記記憶部に記憶された前記目標動作との間の類似性の有無を判定する類似性判定部(63)と、を備え、前記類似性判定部(63)により前記学習対象の動作に対して少なくとも部分的に前記類似性が有ると判定された前記目標動作と関連付けて前記記憶部に記憶されていた前記学習補正量の少なくとも一部を、前記学習対象の動作についての前記学習補正量の初期値として適用する、ロボット装置である。
上記第一態様によれば、ロボットに新たな動作を学習させる場合の動作の繰り返し回数を減らし、それにより学習を完了させるのに要する時間を減少させることができる。
また、本開示の第二態様は、上記第一態様のロボット装置(10)であって、前記記憶部(62)に記憶された前記目標動作は、前記制御の対象部位の動作軌跡を含み、前記類似性判定部(63)は、前記学習対象の動作の動作軌跡と前記目標動作の動作軌跡との間の距離、面積のいずれかに基づいて前記類似性の有無を判定する。
また、本開示の第三態様は、上記第二態様のロボット装置(10)であって、前記記憶部(62)に記憶された前記目標動作は、前記制御の対象部位の動作速度を含み、前記学習補正量は、前記目標動作の実行時間にわたる前記学習補正量の値の推移を示す情報として前記記憶部に記憶され、前記類似性判定部は、前記類似性が有ると判定した場合であって、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の動作速度とが異なる場合、前記目標動作と関連付けられて前記記憶部に記憶された前記学習補正量を、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の前記動作速度との差に応じて前記学習補正量の前記値の推移を時間軸方向において伸縮することで変更したものを、前記学習対象の動作についての前記学習補正量の初期値として適用する。
また、本開示の第四態様は、上記第三態様のロボット装置(10)であって、前記類似性判定部は、前記類似性が有ると判定した場合であって、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の動作速度とが異なる場合、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の前記動作速度との差に応じて前記学習補正量の前記値を変化させる。
また、本開示の第五態様は、上記第一態様のロボット装置(10)であって、前記記憶部に記憶された前記目標動作は、前記ロボット機構部の複数の駆動軸それぞれの動作指令値を含み、前記類似性判定部は、前記学習対象の動作を表す前記複数の駆動軸それぞれの動作指令値と、前記目標動作を表す前記複数の駆動軸それぞれの動作指令値との差を前記複数の駆動軸それぞれについて求め、全ての前記複数の駆動軸それぞれについて求められた前記差が、前記複数の駆動軸それぞれについて設定された閾値以下である場合に、前記類似性が有ると判定する。
また、本開示の第六態様は、上記第五態様のロボット装置(10)であって、前記複数の駆動軸それぞれに設定される前記閾値は、前記複数の駆動軸それぞれを駆動する複数のモータの情報に応じて設定されている。
また、本開示の第七態様は、上記第五態様のロボット装置(10)であって、前記複数の駆動軸それぞれに設定される前記閾値は、前記ロボット機構部の種類に応じて設定されている。
1 ロボット機構部
2 センサ
3 ツール
5 ロボット制御装置
10 ロボット装置
51 動作制御部
52 動作指令
61 学習制御部
62 メモリ
63 類似性判定部

Claims (7)

  1. 制御の対象部位の位置情報を求めるための物理量を検知するセンサを備えたロボット機構部と、
    前記ロボット機構部の動作を制御する制御装置と、を具備したロボット装置において、
    前記制御装置は、
    動作指令にしたがって前記ロボット機構部を制御する動作制御部と、
    前記動作指令に基づく前記制御の対象部位の目標動作と、前記動作制御部により前記動作指令に基づいて前記ロボット機構部を制御した場合に前記センサによって検知される前記物理量に基づいて求められる前記制御の対象部位の動作との偏差が低減するよう、前記偏差に基づいて学習補正量を求めて記憶し該学習補正量を用いて前記動作指令を補正して前記ロボット機構部を再度制御して前記学習補正量を再度求め、記憶した前記学習補正量に上書きする処理を繰り返す学習制御を行う学習制御部と、を備え、
    前記学習制御部は、
    前記目標動作と前記学習補正量とを関連付けて記憶する記憶部と、
    前記制御装置に対して教示入力された学習対象の動作と、前記記憶部に記憶された前記目標動作との間の類似性の有無を判定する類似性判定部と、を備え、
    前記類似性判定部により前記学習対象の動作に対して前記類似性が有ると判定された前記目標動作と関連付けて前記記憶部に記憶されていた前記学習補正量の少なくとも一部を、前記学習対象の動作についての前記学習補正量の初期値として適用する、
    ロボット装置。
  2. 前記記憶部に記憶された前記目標動作は、前記制御の対象部位の動作軌跡を含み、
    前記類似性判定部は、前記学習対象の動作の動作軌跡と前記目標動作の動作軌跡との間の距離、面積のいずれかに基づいて前記類似性の有無を判定する、請求項1に記載のロボット装置。
  3. 前記記憶部に記憶された前記目標動作は、前記制御の対象部位の動作速度を含み、
    前記学習補正量は、前記目標動作の実行時間にわたる前記学習補正量の値の推移を示す情報として前記記憶部に記憶され、
    前記類似性判定部は、前記類似性が有ると判定した場合であって、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の動作速度とが異なる場合、前記目標動作と関連付けられて前記記憶部に記憶された前記学習補正量を、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の前記動作速度との差に応じて前記学習補正量の前記値の推移を時間軸方向において伸縮することで変更したものを、前記学習対象の動作についての前記学習補正量の初期値として適用する、
    請求項2に記載のロボット装置。
  4. 前記類似性判定部は、前記類似性が有ると判定した場合であって、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の動作速度とが異なる場合、前記学習対象の動作の前記動作軌跡の動作速度と前記目標動作の前記動作軌跡の前記動作速度との差に応じて前記学習補正量の前記値を変化させる、請求項3に記載のロボット装置。
  5. 前記記憶部に記憶された前記目標動作は、前記ロボット機構部の複数の駆動軸それぞれの動作指令値を含み、
    前記類似性判定部は、前記学習対象の動作を表す前記複数の駆動軸それぞれの動作指令値と、前記目標動作を表す前記複数の駆動軸それぞれの動作指令値との差を前記複数の駆動軸それぞれについて求め、全ての前記複数の駆動軸それぞれについて求められた前記差が、前記複数の駆動軸それぞれについて設定された閾値以下である場合に、前記類似性が有ると判定する、請求項1に記載のロボット装置。
  6. 前記複数の駆動軸それぞれに設定される前記閾値は、前記複数の駆動軸それぞれを駆動する複数のモータの情報に応じて設定されている、請求項5に記載のロボット装置。
  7. 前記複数の駆動軸それぞれに設定される前記閾値は、前記ロボット機構部の種類に応じて設定されている、請求項5に記載のロボット装置。
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