JP2020043838A - 家畜用飼料添加物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウイルスや病原菌による家畜の疾病率を少なくし、家畜の飼料要求率を高めて増体率を高め、飼料消化率を高めて飼料使用量を少なくすると共に、肉質のよい家畜を得ることができる家畜用飼料添加物を提供する。【解決手段】梅の実に焼酎、砂糖及び青紫蘇を加えて発酵させた第1発酵液に、梅の実を塩蔵してできた梅酢に焼酎、砂糖及び青紫蘇を加えて発酵させた第2発酵液を加えて混合して熟成した第3発酵液を家畜の飼料添加物として使用する。この飼料添加物を家畜の餌に混ぜて与えることにより、家畜の育成時の死亡率を減らし、食肉の品質を高め、屠殺後の鮮度を示すK値を高めることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、梅の実を主成分とする発酵製品を家畜の飼料に添加することにより、ウイルス
や病原菌による家畜の疾病率を少なくし、家畜の飼料要求率を高めて増体率を高め、飼料
消化率を高めて飼料使用量を少なくすると共に、肉質のよい家畜を得ることができる家畜
用飼料添加物及びその製造方法に関するものである。
従来、養豚業においては飼料に種々の添加物を混ぜて病気を抑えたり、豚の増体率を高め
る試みが行われてきた。また、仔豚の疾病率を抑えるために、ワクチンや抗生物質を飼料
に添加している。
本発明者は、かつて梅の実を主成分とする発酵製品より成る飼料添加物を開発し、特許を
取得した(特許第3607181号)。
特許第3607181号公報
特許第3607181号公報記載の飼料添加物は、梅の実に砂糖、焼酎を加えて発酵させ
た第1発酵液に梅の実に塩を加えて発酵させた第2発酵液を混合して製造するもので、こ
の飼料添加物を0.3wt%〜0.7wt%豚の飼料に添加して、豚に与えたところ、豚
の飼料要求率を74%に減らすことができ、その分餌代を節約できた。豚の育成率を80
%から96%にまで引き上げることができた。種豚の平均寿命を約2倍に延ばすことがで
きた。豚肉の品質を高めることができた等の多くの効果が得られたことが記載されている

しかし、それから約15年以上この飼料添加物を使い続けた結果、豚のウイルスや病原菌
に対する耐性が低下してきた。
すなわち、本発明者の養豚場では常時1000頭くらいの豚を飼育しているが、前記発明
の飼料添加物を10年位使い続けていたら、使い始めた当初に比べて、真夏や真冬に倒れ
る豚が多くなってきた。そこで、ワクチンを定期的に投与し始めた。
ワクチンは生後2週間から定期的に、即ち、生後2週目、3週目、5週目、7週目、8週
目の計5回を、仔豚が2ヶ月齢に達するまで投与してきた。
ただし、ワクチンは3ヶ月齢以後は使用していない。なお、抗生物質、抗菌剤は当初から
現在まで一切使用していない。
しかし、先願発明の開発から15年目の平成29年1月〜9月間の死亡率を調べた結果次
のような結果が得られた。
Figure 2020043838
この結果から見れば、冬と夏に死亡率が増えている。
年間平均で、死亡率は1.46%である。
本発明者、ワクチンや抗生物質を使用せずに家畜の死亡率を減らすための飼料添加物の開
発に取り組んできた。すなわち、前記特許の飼料添加物をベースにして試行錯誤的に製造
法の改良や新しい添加物を併用する方法を試みてきた。その結果、青紫蘇を添加すること
によって、病原菌に対する耐性が高く肉質を改善できる飼料添加物を得ることができた。
即ち本発明の家畜用飼料添加物は、主成分として梅の実50〜80 wt%、改質成分と
して焼酎1〜3wt%、砂糖17〜42wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに添加物と
してビタミン剤、ミネラル類1〜4wt%を混合して所定期間漬け込んで得られた発酵製
品から抽出した第1発酵液と、主成分とし梅の実を塩蔵してできた梅酢70〜90wt%
、改質成分として焼酎1〜3wt%、砂糖10〜18wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並
びに添加物としてビタミン剤、ミネラル類等1〜4wt%とを混合して所定期間漬け込ん
で得られた発酵製品から抽出した第2発酵液とを略1対1で混合した後、所定期間熟成し
て生成された第3発酵液よりなることを特徴とする。
上記梅の実とは、熟した梅でも使用可能であるが、特に青梅の方が効果に優れている。上
記砂糖は、白砂糖でも使用可能であるが黒糖の方が効果に優れている。
本発明の家畜用飼料添加物の製造方法は、主成分として梅の実50〜80wt%、改質成
分として焼酎1〜3wt%、砂糖17〜42wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに添加
物としてビタミン剤、ミネラル類1〜4wt%を混合して少なくとも6ヶ月間、常温で漬
け込んで得られた発酵製品を濾過抽出して生成された第1発酵液と、主成分として梅の実
を塩蔵してできた梅酢70〜90wt%、改質成分として焼酎1〜3wt%、砂糖10〜
18wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに添加物としてビタミン剤、ミネラル類等1〜
4wt%とを混合して少なくとも6ヶ月間、常温で漬け込んで得られた発酵製品を濾過抽
出して生成された第2発酵液とを略1対1で混合した後、少なくとも1ヶ月間熟成するこ
とを特徴とする。
本発明の最も重要な要素は、青紫蘇を使用した点である。青紫蘇は赤紫蘇の変種であるが
、赤紫蘇に比べて青紫蘇は、栄養価(ビタミンB群であるB1,B2,B6、βカロチン
、ビタミンC,ビタミンE,ビタミンK、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、亜
鉛等)が高く、その上赤紫蘇よりも強い香りを持つ。青紫蘇の香りの成分であるリペルア
ルデヒドには強い殺菌効果と防腐効果があり、長期保存、熟成、発酵させて得られる本発
明の飼料添加物である梅肉発酵エキスの補助成分としては最適なものである。
また、青紫蘇は赤紫蘇よりも人工栽培している量が多く入手しやすく安価であるという利
点もある。
第1発酵液の製造の際、少なくとも6ヶ月間、常温で漬け込むのは、大量の青梅を外から
圧力を加えずに砂糖による浸透圧のみでゆっくり抽出液を取り出すために最低6ヶ月の期
間寝かせることを必要とする。
また、長期間漬け込んで常温発酵させて発酵製品に仕上げることにより、家畜の配合飼料
に混合して家畜に与えた場合、消化吸収しやすくするためである。
第2発酵液の製造の際、少なくとも6ヶ月間、常温で漬け込むのは、青紫蘇の有効成分を
変質させることなく梅酢の中に十分に抽出するためである。
本発明の家畜用飼料添加物は、主成分として梅の実50〜80 wt%、改質成分として
焼酎1〜3wt%、砂糖17〜42wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに添加物として
ビタミン剤、ミネラル類1〜4wt%を混合して所定期間漬け込んで得られた発酵製品か
ら抽出した第1発酵液と、主成分とし梅の実を塩蔵してできた梅酢70〜90wt%、改
質成分として焼酎1〜3wt%、砂糖10〜18wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに
添加物としてビタミン剤、ミネラル類等1〜4wt%とを混合して所定期間漬け込んで得
られた発酵製品から抽出した第2発酵液とを略1対1で混合した後、所定期間熟成して製
造された第3発酵液よりなるので、抗生物質、抗菌剤は勿論のことワクチンを全く使用す
ることなく、ウイルスや病原菌による家畜の疾病率を少なくし、家畜の飼料要求率を高め
て増体率を高め、飼料消化率を高めて飼料使用量を少なくすると共に、肉質のよい家畜を
得ることができる。
本発明では、第1発酵液と第2発酵液を併用する理由は、先の特許出願の時に解明したも
のであるが、第1発酵液を飼料に添加して家畜を飼育した場合の作用効果は、排泄物によ
る畜舎の悪臭解消、増体量の改善、飼料要求率の低減、育成率の改善、種豚の平均寿命の
増加、抗生物質の投与を少なくできる等の家畜の生産性に関するものであった。第1発酵
液を製造する材料費は比較的高くつくので、材料費の安くつく第2発酵液を試験的に下痢
をした仔豚に与えてみたが、下痢も治らず、増体量の増加もほとんど見られなかった。そ
こで、第1発酵液に第2発酵液を併用してみたところ、肉の腐敗防止効果の他に肉質の改
善に大きく寄与することが確認された。すなわち、第1発酵液と第2発酵液を併用するこ
とにより、家畜の生産性を改善すると共に、肉質を改善することができる作用効果がある
本発明では、梅の実として青梅を使用しているが、青梅は熟した梅の実に対してエキス成
分が多く含まれており、特にクエン酸等の有機酸は鉄やカルシウム等の体内吸収を助長す
るので、子豚の成長率を高める効果があると共に、熟した梅に比べて安価であるので製造
費が安く上がる。
本発明では、砂糖として黒糖を使用しているが、黒糖はカルシウム、カリウム、鉄、燐、
ナトリウム、マグネシウム等のミネラル分やビタミンB1、B2を白砂糖よりも豊富に含
んでいるので、家畜の疲労回復や栄養価を高める上で効果がある。
本発明では、第1発酵液と第2発酵液とを略1対1で混合した後、少なくとも1ヶ月間熟
成させるのは、第1発酵液と第2発酵液とは両者の比重が異なっているので、よく混合し
ないと上澄み液と底の部分との2層に分離しており、製品の飼料添加物の成分にムラが生
じ、与えた家畜の肉質にムラが生じる。そのためによく混合したものを少なくとも1ヶ月
熟成させると第1発酵液と第2発酵液とは完全に混合されてなじませることができ、製品
の飼料添加物の成分にムラが生じることなく、それを与えた家畜の肉質にムラが生じるこ
とが無くなる。
また、第1発酵液と第2発酵液とを少なくとも6ヶ月熟成させるのは、梅の実に含まれる
家畜の健康に有効なアミグダリンが青酸に分解されるのを防止すためである。
豚の屠殺日数と鮮度の関係を示すK値を比較して示すグラフ。 鶏の屠殺日数と鮮度の関係を示すK値を比較して示すグラフ。
以下発明の実施の形態を詳細に説明する。
青梅66wt%、黒糖30wt%、ビタミン1wt%、焼酎1wt%に青紫蘇2wt%を
加えタンクの中に漬け込み、半年間寝かせた発酵物から液体を抽出して第1発酵液を得る
。梅酢84wt%、黒糖12wt%、ビタミン、ミネラル類1wt%、焼酎1wt%に青
紫蘇2wt%をタンク内に漬け込み、半年間寝かせた発酵物から液体を抽出して第2発酵
液を得る。第1発酵液と第2発酵液を1:1の割合で混ぜ合わせ、タンクの中で1ヶ月半
寝かせると本発明の飼料添加物の第3発酵液が得られる。発酵時は特に温度管理はしてい
ないが、外気温に拘わらず、発酵する際の熱でタンクの中は通年ほぼ同じ温度に保たれて
いる。
この第3発酵液を添加した餌を、仔豚40頭に7ヶ月間与えて飼育した。すなわち、生後
2ヶ月までは通常の配合飼料のみを給餌し、3ヶ月齢から7ヶ月齢の間は、週2回20k
gの配合餌に対して第3発酵液110ccをよく混ぜて給餌した。その結果40頭の仔豚
は1頭も死ぬことなく出荷することができた。
同じ期間に、約1000頭の仔豚に配合飼料に従来の飼料添加物を混ぜて給餌したが、表
1に示すように、147頭が死亡した。死亡率は1.46%であった。給餌方法、配合飼
料の質及び量は全く同で、飼料添加物のみ従来の特許の飼料添加物と本発明の飼料添加物
を用いた点だけが相違していた。
本発明の飼料添加物は、仔豚の死亡率を低減できる効果だけでなく、仔豚の成長率、餌の
摂取量を増加させ、更に、肉質の改善にも効果があった。
その効果を確認するために、ワクチンの投与を全くせずに本発明の飼料添加物を添加して
育てた豚(例Aと称する)、生後2ヶ月まではワクチンの投与を行い、その後本発明の飼
料添加物を添加して育てた豚(例Bと称する)、対照として前の特許の飼料添加物を使用
して育てた豚(例Cと称する)の3例について比較検討した。例A, 例B, 例Cの3例に
ついては、飼料の種類、量、投与方法は全く同じとした。
例Aについては、平成29年9月のデータで、ワクチンは一切使用せず、2ヶ月齢以後、
週2回本発明の飼料添加物を配合飼料に添加して給餌した。
例Bは、平成28年7月のデータで、生後から2ヶ月の間は、生後2週目、3週目、5週
目、7週目、8週目の計5回ワクチンを投与し、2ヶ月齢以後は週2回本発明の飼料添加
物を配合飼料に添加して給餌した。
例Cについては、前の特許を取得した時(平成16年)のデータをそのまま使用した。
豚肉の成分分析試験:
例A,例B,例Cについて豚の肩ロースの成分分析を比較検討した。
例Aでは、100g中、水分63.0g、たんぱく質17.4g、脂質19.1g、5’
-イノシン酸0.07g、油の上昇融点44.3℃。
例Bでは、100g中、水分57.1g、たんぱく質15.7g、脂質27.1g、5’
-イノシン酸0.05g、油の上昇融点42.3℃。
例Cでは、100g中、水分53.5g、たんぱく質14.5g、脂質31.8g、5’
-イノシン酸0.03g、油の上昇融点44.1℃。
(成分分析試験結果のデータは一般財団法人日本食品分析センター提供)
Figure 2020043838
成分分析試験データの解析:
上記の成分分析試験では、例Aが水分について最も高い値を示している。これは肉がより
ジューシーに感じられることを示す。たんぱく質も最も高い値を示している。その反面、
脂質が一番低い値を示している。これは、今までよりも余分な脂を付きにくくすることで
うま味を増し、食べやすい肉に育ったことが証明される。
その証拠に、うま味成分である5’-イノシン酸が一番高い値を示している。
油の上昇融点は脂分の解け出す温度で、融点の低いものは脂質が柔らかいが、豚肉の風味
が低下しやすい。逆に、融点が高いものは、豚本来の風味が良くなるとされている。豚肉
の上物規格にも油の上昇融点は40℃以上、44℃〜45℃が望ましいとされている。例
Aの脂の上昇融点は42.3℃で、まさに上物規格の理想の温度を保っていると云えよう
例Aと例Bとでは、ワクチンを投与するかしないかの点以外は全く同じ条件で本発明の飼
料添加物を使用している。しかし、上記の成分分析でわかるように豚肉の肉質に大きな差
が出ている。この差はワクチンを投与するかしないかによる差であって、ワクチンの投与
が豚の肉質に悪い影響を与えていることを示している。
飼料添加物の成分として青紫蘇を使用することが、ワクチンの投与を不要にすると同時に
、ワクチンの投与による肉質に対する悪影響を除くことができるという、予期しなかった
効果を生み出している。
K値について:
K値は屠殺後の鮮度を表す指数であって、本発明の飼料添加物を与えて飼育した豚肉(例
A)、先願発明の飼料添加物を与えて飼育した豚肉(例C)及び一般国産豚肉(例D)に
ついて、比較した表及びグラフを表3及び図1に示した。(K値分析試験結果のデータは
一般財団法人日本食品分析センター提供)
Figure 2020043838
図1及び表3に示すように、例AのK値は7日後と14日後は例Cに比べて多少高い値を
示しているが、21日後では最低値を示している。また、例Dに比較しても可なり低い値
を示している。これは、長期にわたって鮮度を保ち、屠殺後食卓に上る間の鮮度が良好に
維持されていることを示している。
五感による肉質の評価:
(1)目による評価:霜降りが明確に表れている。焼肉にした場合肉の縮み方が少ない。
しゃぶしゃぶにした場合は灰汁の出が少ない。
(2)鼻による評価:豚肉特有な嫌な臭いがない。
(3)舌による評価:柔らかくジューシーで深みのある味がする。脂がさっぱりして食べ
やすい。
鶏の餌に本発明の飼料添加物を添加した実施例について説明する。
鶏は現在、雛から出荷鶏まで、約400羽を飼育している。
2年ほど前までは鶏に対する飼料添加物の使用は飲み水のみで、飼料には混ぜていなかっ
たが、それだけでは、扇風機やヒーターの無い鶏小屋では、真夏日や真冬の気候には耐え
られず、週に4〜5羽死亡する月も多かったが、豚同様に配合飼料に本発明の飼料添加物
を与えることにした。
鶏も豚同様に生まれたての雛の時期から成鶏に育つまでは、抗生物質、抗菌剤は一切使用
しないで、餌のみ与えている。通常雛の餌付けの時期には餌付け専用の餌を与えることが
多いが、市販の餌付け専用の餌にはほとんど抗生物質が含まれている。そこで、抗生物質
や抗菌剤を一切使用せずに本発明の飼料添加物を混ぜた特別の餌付け専用の餌を作り、そ
れを与えている。
鶏は出荷までの期間が3〜4ヶ月と豚の半分ほどの期間で成鶏にまで育つため、食べる餌
の量も豚に比べて可なり少ないので、一羽に対する飼料添加物の摂取量が少ない。そこで
、鶏に対しては、豚同様に飼料に直接混ぜる方法と飲み水に混ぜる方法の2通りの方法を
併用して飼料添加物を与えている。
即ち、鶏に対する飼料添加物の添加方法は、飼料に直接飼料添加物を混ぜて与える方法で
は、配合飼料20kgに対して飼料添加物を110cc添加したものを、週に2回与えて
いる。
鶏の飲み水に添加する方法では、鶏舎の水は鶏が自由に好きなだけ飲めるように自動給水
式になっているので、週3日、1部屋約80羽あたり、100ccを飲み水に添加してい
る。
鶏に対する飼料添加物の効果は豚に対する効果と同等のものが見られた。特に、食欲不振
に陥りやすい夏場でも餌喰いが良くなり、増体率も増え、夏、冬ともに病気で倒れるもの
はほとんどいなくなった。
データによる評価:
(1)鶏の死亡率:
本発明飼料添加物を餌に添加して飼育した鶏と通常の餌を与えて飼育した鶏の死亡率を表
4に示す。
Figure 2020043838
表4に示すように年間平均で死亡率を1/2に一番ひどい時期では死亡率を1/4に減ら
すことができた。
(2)鶏肉の成分分析:
本発明飼料添加物を餌に添加して飼育した鶏と通常の餌を与えて飼育した鶏の成分分析の
結果を表5に示す。(成分分析試験結果のデータは一般財団法人日本食品分析センター提
供)
Figure 2020043838
本発明による鶏肉は、一般国産鶏肉に比べて、たんぱく質、脂質が増えている。これは栄
養価が高い事を示している。また、脂質の増加は通常淡泊な鶏肉に対してうまみ即ちジュ
ーシーさを増している。さらに、本発明の鶏肉はうまみ成分の5’-イノシン酸が増えて
いる。
(3)鶏肉のK値
本発明飼料添加物を餌に添加して飼育した鶏と通常の餌を与えて飼育した鶏の死亡後の鮮
度を示すK値を図2及び表6に示す。(K値分析試験結果のデータは一般財団法人日本食
品分析センター提供)
Figure 2020043838
この図2及び表6で分かるように、本発明の飼料添加物を与えて飼育した鶏肉は、一般の
国産鶏肉に比べて長期間保存しても鮮度が余り悪くならないということが分かる。
五感による肉質の評価:
(1)目による評価:一般的な鶏に比較して一回り大きい。 肉肌の色はピンクでしっと
りした美しい色をしている。
(2)鼻による評価:鶏独特の臭みがなく、鶏肉が苦手の人でも食べ易くなっている。
(3)舌による評価: 柔らかくて食べやすいが、地鶏に近い旨味があるので、塩・胡椒
だけで十分旨味を引き出すことが出来る。特に、胸肉は、普通の鶏肉のようにバサついた
感じがせずしっとりとしており、脂もほどよくのって、ジューシーさが感じられておいし
い。
家畜としては上記実施例1では豚を上記実施例2では鶏について本発明の飼料添加物の効
果を実証実験により確認しているが、豚、鶏以外の家畜、すなわち、牛、ヤギ、鴨等につ
いても同様の効果があることは十分に予想されるところである。

Claims (10)

  1. 主成分として梅の実50〜80 wt%、改質成分として焼酎1〜3wt%、砂糖17〜
    42wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに添加物としてビタミン剤、ミネラル類1〜4
    wt%を混合して所定期間漬け込んで得られた発酵製品から抽出した第1発酵液と、主成
    分として梅の実を塩蔵してできた梅酢70〜90wt%、改質成分として焼酎1〜3wt
    %、砂糖10〜18wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに添加物としてビタミン剤、ミ
    ネラル類等1〜4wt%とを混合して所定期間漬け込んで得られた発酵製品から抽出した
    第2発酵液とを略1対1で混合した後、所定期間熟成して生成された第3発酵液よりなる
    ことを特徴とする家畜用飼料添加物。
  2. 上記砂糖として黒糖を使用することを特徴とする請求項1記載の家畜用飼料添加物。
  3. 上記梅の実を塩蔵してできた梅酢として梅の実65〜85wt%と塩15〜35wt%を
    混合して所定期間漬け込んで得られた梅酢を使用することを特徴とする請求項1記載の家
    畜用飼料添加物。
  4. 上記梅の実として青梅の実を使用することを特徴とする請求項1または請求項3記載の家
    畜用飼料添加物。
  5. 上記第1発酵液及び第2発酵液の漬け込みのための所定期間とは、少なくとも6ヶ月以上
    であることを特徴とする請求項1記載の家畜用飼料添加物。
  6. 上記第3発酵液の熟成のための所定期間とは、少なくとも1ヶ月以上であることを特徴と
    する請求項1記載の家畜用飼料添加物。
  7. 主成分として梅の実50〜80wt%、改質成分として焼酎1〜3wt%、砂糖17〜4
    2wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並びに添加物としてビタミン剤、ミネラル類1〜4w
    t%を混合して少なくとも6ヶ月間、常温で漬け込んで得られた発酵製品を濾過抽出して
    生成された第1発酵液と、主成分として梅の実を塩蔵してできた梅酢70〜90wt%、
    改質成分として焼酎1〜3wt%、砂糖10〜18wt%及び青紫蘇1〜5wt%、並び
    に添加物としてビタミン剤、ミネラル類等1〜4wt%とを混合して少なくとも6ヶ月間
    、常温で漬け込んで得られた発酵製品を濾過抽出して生成された第2発酵液とを略1対1
    で混合した後、少なくとも1ヶ月間熟成することを特徴とする家畜用飼料添加物の製造方
    法。
  8. 上記砂糖として黒糖を使用することを特徴とする請求項7記載の家畜用飼料添加物の製造
    方法。
  9. 上記梅の実を塩蔵してできる梅酢として梅の実65〜85wt%と塩15〜35wt%を
    混合して所定期間漬け込んで得られる梅酢を使用することを特徴とする請求項7記載の家
    畜用飼料添加物の製造方法。
  10. 上記梅の実として青梅の実を使用することを特徴とする請求項7または請求項9記載の家
    畜用飼料添加物の製造方法。

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