以下、画像形成装置1について説明する。以下の説明において、方向に言及するときには、図中に示す方向矢印を基準とする。
1.プリンタの概略
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式のモノクロプリンタである。画像形成装置1は、開口部9を有する装置本体2と、プロセスカートリッジ3と、スキャナユニット7と、第1搬送ローラ16と、転写ローラ18と、定着ユニット8と、読取部35とを備える。
装置本体2は、略ボックス形状を有する。装置本体2は、カバー10と、給紙トレイ11と、排紙トレイ12とを備える。
開口部9は、装置本体2の前端部に位置する。開口部9は、装置本体2の内外を連通する。開口部9は、プロセスカートリッジ3の通過を許容する。
カバー10は、装置本体2の前端部に位置する。カバー10は、上下方向に延びる略板状を有する。カバー10は、装置本体2の前端部に、カバー10の下端部を支点として揺動可能に支持される。カバー10は、開口部9を閉鎖する閉位置と、開口部9を開放する開位置(図5参照)とに揺動可能である。
給紙トレイ11は、装置本体2の下端部に位置する。給紙トレイ11は、用紙Pを収容可能なトレイである。
排紙トレイ12は、装置本体2の上面の前後方向略中央に位置する。排紙トレイ12は、用紙Pが載置されるように、装置本体2の上面から下方へ凹む。
プロセスカートリッジ3は、装置本体2に対して着脱可能である。プロセスカートリッジ3は、装置本体2内の上下方向略中央に位置する。プロセスカートリッジ3は、給紙トレイ11の上方かつ排紙トレイ12の下方に位置する。プロセスカートリッジ3は、ドラムカートリッジ14と、トナーカートリッジの一例としての現像カートリッジ15とを備える。
ドラムカートリッジ14は、感光ドラム17と、感光ドラム17の表面を帯電するように構成される帯電ローラ19と、帯電ローラ19の表面に付着した残トナーや紙粉などの付着物を除去するように構成される帯電クリーニングローラ20と、感光ドラム17に付着した付着物を回収し、貯留するように構成されるドラムクリーニングユニット21とを備える。
感光ドラム17は、ドラムカートリッジ14の後端部に位置する。感光ドラム17は、左右方向に延びる略円筒形状を有する。
現像カートリッジ15は、ドラムカートリッジ14に着脱可能である。現像カートリッジ15は、感光ドラム17の前方に位置する。現像カートリッジ15は、トナーを収容可能である。現像カートリッジ15は、現像ローラ25と、供給ローラ26と、層厚規制ブレード27とを備える。
現像ローラ25は、現像カートリッジ15の後端部に位置する。現像ローラ25は、感光ドラム17の表面に接触する。現像ローラ25は、回転可能である。
供給ローラ26は、現像ローラ25の前方に位置する。供給ローラ26は、現像ローラ25の表面に接触する。供給ローラ26は、回転可能である。
層厚規制ブレード27は、現像ローラ25の前方に位置する。層厚規制ブレード27の下端部は、供給ローラ26よりも上方で、現像ローラ25の表面に接触する。
スキャナユニット7は、プロセスカートリッジ3の上方に位置する。スキャナユニット7は、感光ドラム17に向けて画像データに基づくレーザービームLを出射可能である。
第1搬送ローラ16は、給紙トレイ11の上方に位置する。
転写ローラ18は、第1搬送ローラ16の後方であって、感光ドラム17の下方に位置する。転写ローラ18は、感光ドラム17に接触する。
定着ユニット8は、プロセスカートリッジ3の後方に位置する。定着ユニット8は、加熱ローラ32と、加熱ローラ32と接触する加圧ローラ33とを備える。
読取部35は、装置本体2の上方に位置する。読取部35は、排紙トレイ12の上方に間隔を隔てて位置する。読取部35は、フラットベッドタイプのイメージスキャナである。読取部35は、原稿の画像情報を読み取るように構成される。
画像形成装置1は、図示しない制御部の制御により、画像形成動作を開始する。すると、帯電ローラ19は、感光ドラム17の表面を一様に帯電する。スキャナユニット7は、レーザービームLを出射し、感光ドラム17の表面を露光する。これにより、画像データに基づく静電潜像が、感光ドラム17の表面に形成される。
供給ローラ26は、現像カートリッジ15内のトナーを現像ローラ25に供給する。このとき、トナーは、現像ローラ25と供給ローラ26との間で正極性に摩擦帯電される。現像ローラ25は、帯電されたトナーを担持する。層厚規制ブレード27は、現像ローラ25に担持されたトナーの層厚を一定厚さに規制する。
そして、現像ローラ25に担持されたトナーは、感光ドラム17表面の静電潜像に供給される。これにより、トナー像が、感光ドラム17の表面に担持される。
用紙Pは、給紙トレイ11から、所定のタイミングで1枚ずつ送り出される。そして、用紙Pは、第1搬送ローラ16、および、後述する第2搬送ローラ49の回転により、感光ドラム17と転写ローラ18との間に給紙される。感光ドラム17表面のトナー像は、用紙Pが感光ドラム17と転写ローラ18との間を通過するときに、用紙Pに転写される。
その後、用紙Pは、加熱ローラ32と加圧ローラ33との間を通過する。そして、用紙Pは、加熱ローラ32と加圧ローラ33との間を通過するときに加熱および加圧される。これにより、用紙P上のトナー像は、用紙Pに熱定着される。
その後、用紙Pは、排紙トレイ12に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ3は、装置本体2の内部空間に位置する第1位置(図1参照)と、開口部9から前端部が突出するように位置する第2位置(図5参照)との間を移動可能である。また、プロセスカートリッジ3は、第2位置(図5参照)から、ユーザによって、さらに引き出されることにより、装置本体2から離脱可能である。
なお、装置本体2の内部空間とは、プロセスカートリッジ3が装着可能な空間である。具体的には、装置本体2の内部空間とは、上下方向において、スキャナユニット7と、転写ローラ18との間の空間であって、前後方向において、定着ユニット8と、閉位置に位置するカバー10との間の空間である。
以下のプロセスカートリッジ3の説明では、プロセスカートリッジ3が第1位置に位置した状態を基準とする。
(1)ドラムカートリッジ
ドラムカートリッジ14は、図2Aおよび図2Bに示すように、上記した感光ドラム17を支持するドラムフレーム40と、第2搬送ローラ49と、切替部材41とを備える。
(1−1)ドラムフレームおよび第2搬送ローラ
ドラムフレーム40は、凹部51Rおよび溝部53Rを有する右方の側壁44Rと、凹部51Lおよび溝部53Lを有する左方の側壁44Lと、前壁45と、上壁46と、下壁47とを備える。
側壁44Rは、図2Aに示すように、ドラムフレーム40の右端部に位置する。側壁44Rは、前後方向および上下方向に延びる。
凹部51Rは、前後方向において、側壁44Rの略中央に位置する。凹部51Rは、側壁44Rの下端縁から、上方に向かって凹んでいる。凹部51Rは、左右方向に見て、略半円形状を有する。
溝部53Rは、前後方向において、側壁44Rの略中央に位置する。溝部53Rは、前後方向に延びる。溝部53Rは、前方が開放される。溝部53Rは、感光ドラム17の前方に位置する。溝部53Rは、幅広部54Rと、幅狭部55Rとを備える。
幅広部54Rは、溝部53Rの前端部に配置される。幅広部54Rは、後方に向かうにつれて、幅狭となる。
幅狭部55Rは、幅広部54Rの後端部から連続して、後方に向かって延びる。幅狭部55Rの溝幅は、一定である。
側壁44Lは、図2Bに示すように、ドラムフレーム40の左端部に位置する。側壁44Lは、側壁44Rと同じ形状を有する。
前壁45は、図2Aに示すように、ドラムフレーム40の前端部に位置する。前壁45は、左右方向において、側壁44Rと側壁44Lとの間に位置する。前壁45は、上下方向に延びる。
上壁46は、ドラムフレーム40の上端部に位置する。上壁46は左右方向において、側壁44Rと側壁44Lとの間に位置する。上壁46は、前後方向に延びる。上壁46は、上下方向において、感光ドラム17、帯電ローラ19および帯電クリーニングローラ20と重なる。
下壁47は、ドラムフレーム40の下端部に位置する。下壁47は、凹部51Rおよび凹部51Lよりも前方に位置する。下壁47は、左右方向において、側壁44Rと側壁44Lとの間に位置する。下壁47は、前後方向に延びる。下壁47は、ストッパ52を備える。
ストッパ52は、前後方向において、溝部53Rに対して、感光ドラム17の反対側に位置する。ストッパ52は、下壁47の上面から上方に向かって突出する。ストッパ52は、上方に向かうにつれて、前後方向寸法が小さくなる。ストッパ52は、左右方向に見て略三角形状を有する。
なお、ドラムフレーム40において、感光ドラム17よりも前方の領域が、現像カートリッジ15が装着される現像カートリッジ装着部43である。
第2搬送ローラ49は、図2Aおよび図4に示すように、前後方向において、ドラムカートリッジ14の前後方向略中央に位置する。第2搬送ローラ49は、図1に示すように、第1搬送ローラ16の上方に位置する。第2搬送ローラ49は、第1搬送ローラ16と接触する。第2搬送ローラ49は、図2Aに示すように、凹部51Rおよび凹部51Lに受け入れられる。第2搬送ローラ49は、左右方向に延びる。第2搬送ローラ49は、略円柱形状を有する。第2搬送ローラ49は、ドラムフレーム40に回転可能に支持される。第2搬送ローラ49の右端部は、ドラムフレーム40の側壁44Rよりも右方に突出する。第2搬送ローラ49の左端部は、ドラムフレーム40の側壁44Lよりも左方に突出する。第2搬送ローラ49の右端部および左端部が、突出部50である。
(1−2)切替部材
切替部材41は、ドラムカートリッジ14を、ドラムカートリッジ14からの現像カートリッジ15の離脱を規制する状態と、ドラムカートリッジ14からの現像カートリッジ15の離脱の規制を解除する状態とに切り替える。切替部材41は、ドラムカートリッジ14の前端部に位置する。切替部材41は、規制位置(図2A実線参照)と、規制解除位置(図2A二点鎖線参照)との間を回動する。なお、以下の切替部材41の説明では、切替部材41が規制位置に位置した状態を基準とする。切替部材41は、軸部56と、操作部58と、接続部57と、第2突起の一例としての突起59と、可撓部60とを備える。
軸部56は、前後方向において、ストッパ52よりも感光ドラム17から離れて位置する。軸部56は、左右方向に延びる円柱形状を有する。軸部56は、側壁44Rに回転可能に支持される。
操作部58は、切替部材41の上端部に位置する。操作部58は、切替部材41を、規制位置(図2A実線参照)から規制解除位置(図2A二点鎖線参照)に回動させるときに、ユーザに操作される。操作部58は、左右方向および前後方向に延びる。操作部58は、板形状を有する。
接続部57は、図2Aに示すように、軸部56と操作部58とを接続する。接続部57は、前後方向および上下方向に延びる。接続部57は、板形状を有する。
突起59は、軸部56と操作部58との間に位置する。突起59は、接続部57の左右方向内面から、左右方向内方に突出する。突起59は、前後方向および左右方向に延びる。突起59は、板形状を有する。突起59の後端部は、後方に向かうにつれて、上方に向かって屈曲する。突起59と、軸部56との間隔は、後述する突起71の上下方向寸法と略同じである。
可撓部60は、軸部56の下端部から、下方に延びる。可撓部60は、棒形状を有する。可撓部60は、下壁47のストッパ52の前方に位置する。
(1−3)感光ドラム
感光ドラム17は、円筒部17Aと、被規制部の一例としてのドラム軸17Bとを備える。
円筒部17Aは、感光ドラム17の径方向において、感光ドラム17の外周部分に位置する。円筒部17Aは、左右方向に延びる。円筒部17Aは、左右方向両端部が閉鎖された円筒形状を有する。円筒部17Aは、周面に感光層を有する。円筒部17Aの右端部は、側壁44Rに回転可能に支持される。円筒部17Aの左端部は、側壁44Lに回転可能に支持される。
ドラム軸17Bは、感光ドラム17の径方向において、感光ドラム17の中央に位置する。ドラム軸17Bは、左右方向に延びる。ドラム軸17Bは、円柱形状を有する。ドラム軸17Bの右端部は、側壁44Rよりも右方に突出する。ドラム軸17Bの左端部は、側壁44Lよりも左方に突出する。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ15は、図3に示すように、上記した現像ローラ25および供給ローラ26を支持する現像フレーム62と、ハンドル69とを備えている。
(2−1)現像フレームおよびハンドル
現像フレーム62は、略ボックス形状を有する。現像フレーム62は、第1突起の一例としての突起71を備える。
突起71は、現像フレーム62の前端部に位置する。突起71は、現像フレーム62の右面から、右方に向かって突出する。突起71は、略角柱形状を有する。突起71は、傾斜面72を有する。
傾斜面72は、突起71の前端部に位置する。傾斜面72は、前方に向かうにつれて、上方に傾斜している。
ハンドル69は、現像カートリッジ15の前端部に位置する。ハンドル69は、現像フレーム62の上端部から連続して前方に向かって延びる。ハンドル69は、図4に示すように、左右方向に延びる。ハンドル69は、略角筒形状を有する。ハンドル69の左右方向寸法は、現像フレーム62の左右方向寸法よりも小さい。ハンドル69は、図1に示すように、現像カートリッジ15が装置本体2に装着された状態で、ドラムカートリッジ14の前端部よりも、カバー10に近接している。
(2−2)現像ローラ
現像ローラ25は、左右方向に延びる。現像ローラ25は、円柱形状を有する。現像ローラ25は、現像フレーム62に回転可能に支持される。現像ローラ25は、図4に示すように、右方の現像カラー25CRと、左方の現像カラー25CLとを備える。
現像カラー25CRは、現像ローラ25の右端部に位置する。現像カラー25CRは、現像フレーム62よりも右方に位置する。現像カラー25CRは、左右方向に延びる。現像カラー25CRは、円筒形状を有する。現像カラー25CRは、現像ローラ25の軸の右端部に嵌まる。現像カラー25CRは、溝部53Rの幅狭部55Rに嵌まる。
現像カラー25CLは、現像ローラ25の左端部に位置する。現像カラー25CLは、現像フレーム62よりも左方に位置する。現像カラー25CLは、左右方向に延びる。現像カラー25CLは、円筒形状を有する。現像カラー25CLは、現像ローラ25の軸の左端部に嵌まる。現像カラー25CLは、溝部53Lの幅狭部55Lに嵌まる。
現像ローラ25は、感光ドラム17の前方に位置する。現像ローラ25は、感光ドラム17に接触する。
(2−3)ドラムカートリッジに対する現像カートリッジの状態
現像カートリッジ15は、図3に示すように、ドラムカートリッジ14の現像カートリッジ装着部43に装着される。
ドラムカートリッジ14の切替部材41が規制位置(図2A実線参照)に位置するときには、現像フレーム62の突起71は、上下方向において、切替部材41の軸部56と突起59との間に嵌まる。突起71が軸部56と突起59との間に嵌まることにより、現像フレーム62の前端部の上下方向への移動が、規制される。
このように、ドラムカートリッジ14の切替部材41が規制位置に位置するときに、切替部材41の突起59は、現像フレーム62の突起71と係合し、ドラムカートリッジ14に対する現像カートリッジ15の離脱を規制する。
また、ドラムカートリッジ14の切替部材41が規制解除位置(図2A二点鎖線参照)に位置するときには、切替部材41の突起59は、現像フレーム62の突起71と係合せず、軸部56の上方に位置する。
そのため、現像フレーム62の上方への移動の規制が解除され、現像カートリッジ15は、ドラムカートリッジ14から離脱可能な状態となる。
3.装置本体の詳細
装置本体2は、図1および図5に示すように、上記したカバー10と、溝95および溝96を有する2つの側壁75を備える。
(1)カバー
カバー10は、図1に示すように、カバー本体87と、2つの支持部91と、2つの押圧部92と、手差しトレイ89とを備える。なお、以下のカバー10の説明では、カバー10が閉位置に位置した状態を基準とする。
カバー本体87は、上下方向および左右方向に延びる。カバー本体87は、板形状を有する。カバー本体87は、手差しトレイ収容部90を備える。
手差しトレイ収容部90は、カバー本体87の前面から、後方に向かって窪んでいる。手差しトレイ収容部90は、前方が開放された略ボックス形状を有する。
2つの支持部91は、手差しトレイ収容部90の後面に位置する。支持部91は、前後方向において、手差しトレイ89よりも後方に位置する。支持部91は、手差しトレイ収容部90の後面から後方に向かって突出する。支持部91は、上下方向に延びる。支持部91は、角柱形状を有する。2つの支持部91は、図4に示すように、互いに左右方向に間隔を隔てて位置する。2つの支持部91の間隔は、現像フレーム62のハンドル69の左右方向寸法よりも大きい。
2つの押圧部92は、図1に示すように、手差しトレイ収容部90の後面に位置する。押圧部92は、前後方向において、手差しトレイ89よりも後方に位置する。押圧部92は、前後方向に延びる。押圧部92は、後端部が閉鎖された略円筒形状を有する。押圧部92は、内部にコイルばねを備える。押圧部92の前端部は、手差しトレイ収容部90の後面と接触する。2つの押圧部92は、図4に示すように、互いに左右方向に間隔を隔てて位置する。2つの押圧部92の間隔は、2つの支持部91の間隔よりも小さい。また、押圧部92の前後方向寸法は、押圧部92の内部のコイルばねが自然長の状態において、支持部91の前後方向寸法よりも小さい。
手差しトレイ89は、図1に示すように、手差しトレイ収容部90内に位置する。手差しトレイ89は、上下方向に延びる板形状を有する。手差しトレイ89は、カバー本体87に、手差しトレイ89の下端部を支点として揺動可能に支持される。
(2)側壁
2つの側壁75は、左右方向に互いに間隔を隔てて位置する。右方の側壁75と左方の側壁75とは、同じ形状であるため、右方の側壁75のみを詳細に説明し、左方の側壁75の説明を省略する。
側壁75は、装置本体2の右端部に位置する。側壁75は、上下方向および前後方向に延びる。側壁75は、板形状を有する。
溝95は、プロセスカートリッジ3の移動を案内するための溝である。詳しくは、溝95は、プロセスカートリッジ3の感光ドラム17のドラム軸17Bを案内する。溝95は、側壁75の左右方向内面から左右方向外方に向かって窪む。溝95は、転写ローラ18の上方と、開口部9とを結ぶように延びる。溝95は、前後方向に延びる。溝95の溝幅は、一定である。溝95は、図5に示すように、ガイド面98と、規制部の一例としての規制面99と、乗り上げ面100とを備える。
ガイド面98は、溝95の下面である。ガイド面98は、上方を向く。ガイド面98は、転写ローラ18の上方から、側壁75の後端部まで延びる。
規制面99は、ガイド面98の前端部から、上方に向かって延びる面である。規制面99は、後方を向く。言い換えると、規制面99は、プロセスカートリッジ3の第1位置(図1参照)から、第2位置(図5参照)への移動方向において、上流側を向く。規制面99の上下方向寸法Dは、ドラム軸17Bの半径Rよりも大きい。
乗り上げ面100は、規制面99の上端部から、後方に向かって延びる面である。乗り上げ面100は、上方を向く。
溝96は、図1および図5に示すように、溝95の下方に位置する。溝96は、プロセスカートリッジ3の移動を案内するための溝である。詳しくは、溝96は、プロセスカートリッジ3の第2搬送ローラ49の突出部50を案内する。溝96は、側壁75の左右方向内面から左右方向外方に向かって窪む。溝96は、第1搬送ローラ16の上方と、開口部9とを結ぶように延びる。
4.第1位置に位置するプロセスカートリッジの配置
プロセスカートリッジ3は、第1位置に位置するときに、プロセスカートリッジ3のすべてが、装置本体2における開口部9より内側の内部空間に位置する。
ドラム軸17Bの端部は、側壁75の溝95の後端部に嵌まる。
感光ドラム17は、転写ローラ18の上方に位置する。感光ドラム17は、転写ローラ18と接触する。
第2搬送ローラ49の突出部50は、側壁75の溝96の後端部に嵌まる。
第2搬送ローラ49は、第1搬送ローラ16の上方に位置する。第2搬送ローラ49は、第1搬送ローラ16と接触する。
感光ドラム17と転写ローラ18とが接触し、第2搬送ローラ49と第1搬送ローラ16とが接触している状態が、プロセスカートリッジ3の装置本体2に対する装着状態である。
ハンドル69の前端部は、図4に示すように、閉位置に位置するカバー10の押圧部92の後端部と接触する。これにより、現像カートリッジ15が後方に向かって、押圧され、現像ローラ25が、ドラムカートリッジ14の感光ドラム17に向けて押圧される。
5.現像カートリッジの着脱動作
(1)現像カートリッジの離脱
現像カートリッジ15をドラムカートリッジ14から離脱するときには、ユーザは、図5に示すように、装置本体2のカバー10を開位置に位置させる。
次いで、ユーザは、ハンドル69を把持して、プロセスカートリッジ3を引き出す。
すると、第2搬送ローラ49の突出部50は、側壁75の溝96に沿って、開口部9に向かって移動する。
また、このとき、感光ドラム17のドラム軸17Bの端部は、側壁75の溝95のガイド面98に沿って、開口部9に向かって移動する。
そして、プロセスカートリッジ3の引き出し途中において、感光ドラム17のドラム軸17Bの端部が、側壁75の溝95の規制面99に当接する。
これにより、規制面99は、プロセスカートリッジ3のそれ以上の引き出しを規制する。
規制面99によって、移動が規制されたプロセスカートリッジ3の位置が、第2位置である。
このとき、プロセスカートリッジ3の前端部は、装置本体2の内部空間より外側に位置する。具体的には、ドラムカートリッジ14の切替部材41、および、現像カートリッジ15のハンドル69が、装置本体2の内部空間より外側に位置する。
また、第2搬送ローラ49の右方の突出部50と、左方の右端部とが、装置本体2の内部空間より外側に位置する。つまり、第2搬送ローラ49の突出部50が、溝96から外れている。
また、感光ドラム17は、転写ローラ18から離間している。感光ドラム17は、そのすべてが装置本体2の内部空間に位置している。なお、感光ドラム17の一部が、装置本体2の内部空間に位置してもよい。なお、感光ドラム17は、ドラム軸17Bが溝95に嵌まることで支持されており、装置本体2内の他の部材との接触が抑制されている。
第2位置に位置するプロセスカートリッジ3は、感光ドラム17のドラム軸17Bのみで装置本体2に支持されており、ドラム軸17Bを支点として、揺動可能である。
次いで、ユーザは、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3の感光ドラム17のドラム軸17Bを支点として、プロセスカートリッジ3を、カバー10に近づけ、2つの支持部91に接触させる。
これにより、2つの支持部91は、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3を支持する。
次いで、ユーザは、ドラムカートリッジ14が2つの支持部91に支持された状態で、ドラムカートリッジ14から現像カートリッジ15を離脱させる。
ドラムカートリッジ14から現像カートリッジ15を離脱させるには、ユーザは、図2Aに示すように、操作部58を操作し、軸部56を支点として、切替部材41を、左側面視時計回りに回転させる。
すると、図2Aの仮想線に示すように、切替部材41の接続部57は、ドラムカートリッジ14の前壁45の上端部に当接する。このとき、突起59は、突起71の前方に位置する。
また、切替部材41の可撓部60の下端部は、ストッパ52の上端部に接触した状態で撓む。
こうして、切替部材41は、規制位置から規制解除位置に移動する。
次いで、ユーザは、図5に示すように、切替部材41が規制解除位置に位置した状態で、ハンドル69を把持して、現像カートリッジ15を引き抜く。すると、現像カートリッジ15は、ドラムカートリッジ14から離脱する。
現像カートリッジ15が離脱された後において、ドラムカートリッジ14は、2つの支持部91に支持されている。
(2)現像カートリッジの装着
現像カートリッジ15をドラムカートリッジ14に装着するには、図5に示すように、ユーザは、2つの支持部91に支持されるドラムカートリッジ14に対して、現像カートリッジ15を装着する。
具体的には、現像カートリッジ15は、ドラムカートリッジ14の現像カートリッジ装着部43に装着される。
すると、現像カートリッジ15の突起71の下端部が、切替部材41の突起59に対して、上方から当接する。これにより、切替部材41は、図2Aに示すように、軸部56を支点として、左側面視時計周りに回転する。
そして、切替部材41は、突起71が、突起59よりも下方に位置すると、可撓部60の弾性力により、左側面視反時計回りに回転する。
すると、突起71は、突起59と、軸部56との間に位置する。
このように、突起59が突起71と係合することで、ドラムカートリッジ14に対する現像カートリッジ15の装着が完了する。
次いで、ユーザは、図1に示すように、プロセスカートリッジ3を、装置本体2内に押し込み、第1位置に位置させる。
そして、ユーザは、カバー10を閉位置に位置させる。
6.プロセスカートリッジの着脱動作
プロセスカートリッジ3は、ドラムカートリッジ14を交換するときや、用紙Pが詰まったときに、装置本体2から離脱される。
プロセスカートリッジ3を装置本体2から離脱するときには、ユーザは、図5に示すように、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3のハンドル69を把持して、プロセスカートリッジ3の後端部を上方に持ち上げるように、引き出す。
すると、感光ドラム17のドラム軸17Bの端部が、側壁75の溝95の規制面99を乗り越え、乗り上げ面100に沿って、前方に移動する。
こうして、プロセスカートリッジ3は、装置本体2から離脱される。
プロセスカートリッジ3を装置本体2に装着するときには、ユーザは、プロセスカートリッジ3を、開口部9から、装置本体2内に押し込む。
これにより、図1に示すように、プロセスカートリッジ3が装置本体2内に装着される。
7.作用効果
(1)この画像形成装置1によれば、図1および図5に示すように、プロセスカートリッジ3は、第1位置に位置した状態から、カバー10を開位置に位置させ、開口部9を介して、第2位置に移動可能である。
そして、プロセスカートリッジ3の移動が溝95の規制面99によって規制され、プロセスカートリッジ3が第2位置に位置する。プロセスカートリッジ3は、切替部材41が装置本体2の内部空間よりも外側に位置した状態で、カバー10の支持部91に支持される。
そのため、ユーザは、切替部材41を容易に操作することができる。
その結果、プロセスカートリッジ3が、カバー10の支持部91に安定して支持された状態で、ドラムカートリッジ14に対して、現像カートリッジ15が容易に交換される。
(2)この画像形成装置1によれば、図5に示すように、プロセスカートリッジ3は、溝95によって、プロセスカートリッジ3のドラム軸17Bが溝95の規制面99に当接するように案内される。
そのため、プロセスカートリッジ3の移動は、ドラム軸17Bが溝95に案内されることによって、確実に規制される。
(3)この画像形成装置1によれば、図1に示すように、ドラム軸17Bが装置本体2の溝95に嵌まる。
そのため、プロセスカートリッジ3は、感光ドラム17のドラム軸17Bを基準として、第1位置と第2位置との間を移動する。
その結果、プロセスカートリッジ3が第1位置に位置するときには、感光層を有する円筒部17Aが、装置本体2に対して、確実に位置決めされる。
(4)この画像形成装置1によれば、図1および図5に示すように、プロセスカートリッジ3が、溝95に沿って、第1位置から第2位置へ移動することで、ドラム軸17Bが、後方を向く規制面99と当接する。
そのため、プロセスカートリッジ3の移動は、規制面99によって確実に規制される。
(5)この画像形成装置1によれば、図5に示すように、規制面99が溝95に備えられていることにより、溝95によって案内されるプロセスカートリッジ3のドラム軸17Bは、規制面99に確実に当接する。
そのため、プロセスカートリッジ3の移動は、規制面99によって、確実に規制される。
(6)この画像形成装置1によれば、図5に示すように、プロセスカートリッジ3が第2位置に位置するときに、感光ドラム17が内部空間に位置する。
そのため、現像カートリッジ15が交換されるときに、感光ドラム17の表面に埃などが付着することを抑制することができる。
(7)この画像形成装置1によれば、図5に示すように、ドラム軸17Bが装置本体2の溝95に嵌まった状態で、プロセスカートリッジ3が第2位置に位置する。
そのため、感光ドラム17は、確実に、内部空間に位置する。
その結果、現像カートリッジ15が交換されるときに、感光ドラム17の表面に埃などが付着することを確実に抑制することができる。
(8)この画像形成装置1によれば、図1および図4に示すように、プロセスカートリッジ3が第1位置に位置し、カバー10が閉位置に位置するときに、支持部91がプロセスカートリッジ3から離間する。
そのため、支持部91は、プロセスカートリッジ3に不要な力をかけないので、画像形成動作が安定する。
(9)この画像形成装置1によれば、図1および図4に示すように、2つの押圧部92は、カバー10が閉位置に位置するときに、第1位置に位置するプロセスカートリッジ3の現像カートリッジ15のハンドル69に接触し、現像カートリッジ15を感光ドラム17に向けて押圧する。
そのため、現像ローラ25が現像カートリッジ15に確実に接触する。
その結果、トナーが感光ドラム17に確実に供給される。
(10)この画像形成装置1によれば、図1および図4に示すように、カバー10が、支持部91および押圧部92の両方を備えることができながら、カバー10が開位置に位置するときに、2つの支持部91が、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3を支持することができ、カバー10が閉位置に位置するときに、2つの押圧部92が、第1位置に位置するプロセスカートリッジ3の現像カートリッジ15を押圧することができる。
(11)この画像形成装置1によれば、図2Aおよび図3に示すように、切替部材41は、軸部56を支点として回転する。
そのため、フレーム62の突起71と、切替部材41の突起59との係合および係合解除が、容易に切り替えられる。
(12)この画像形成装置1によれば、図5に示すように、プロセスカートリッジ3が第2位置に位置するときに、操作部58が装置本体2の内部空間よりも外側に位置する。
そのため、ユーザは、操作部58を確実に操作することができる。
8.第2実施形態
次に、図6〜図8を参照して、本発明の画像形成装置の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
(1)第2実施形態の構成
第1実施形態では、図1に示すように、プロセスカートリッジ3が、現像ローラ25および供給ローラ26を備える現像カートリッジ15を備えるのに対し、第2実施形態では、図6に示すように、プロセスカートリッジ3が、トナーを収容するトナーカートリッジ148を備える。
(1−1)ドラムカートリッジの構成
第2実施形態では、ドラムカートリッジ14は、上記した感光ドラム17と、ドラムフレーム40とを備える。また、ドラムカートリッジ14は、現像器150と、受入口152を有する円弧壁151とを備える。
現像器150は、ドラムカートリッジ14の前後方向略中央に位置する。現像器150は、左右方向に延びる。現像器150は、略角筒形状を有する。現像器150は、内部にトナーを収容する。現像器150は、上記した現像ローラ25、供給ローラ26および層厚規制ブレード27を備える。
円弧壁151は、ドラムカートリッジ14の前後方向略中央に位置する。円弧壁151は、現像器150の前壁を兼ねる。円弧壁151は、上方に向かうにつれて、前方に向かって湾曲する。円弧壁151は、下方に向かうにつれて、前方に向かって湾曲する。円弧壁151は、略円弧形状を有する。
受入口152は、円弧壁151の上下方向略中央に位置する。受入口152は、円弧壁151を前後方向に貫通する。これにより、現像器150の内外が連通している。
なお、ドラムフレーム40において、円弧壁151よりも前方の領域が、トナーカートリッジ148が装着されるトナーカートリッジ装着部154である。
また、ドラムカートリッジ14の側壁44Rは、第1実施形態の溝部53Rを備えず、溝部156を備える。
溝部156は、ドラムカートリッジ14に対するトナーカートリッジ148の着脱を案内するための溝である。溝部156は、トナーカートリッジ装着部154に位置する。溝部156は、側壁44Rの左右方向内面から、左右方向外方に向かって窪む。溝部156は、前後方向に延びる。溝部156は、前方が開放される。溝部156は、幅広部157と、幅狭部158と、第1係合部159とを備える。
幅広部157は、溝部156の前端部に配置される。幅広部157は、後方に向かうにつれて、幅狭となる。
幅狭部158は、幅広部157の後端部から連続して、後方に向かって延びる。幅狭部158の溝幅は、一定である。
第1係合部159は、幅狭部158の後端部から連続して、上方に向かって延びる。第1係合部159は、凹形状を有する。第1係合部159は、円弧壁151の内周面に沿っている。
側壁44Lは、側壁44Rと同様に、溝部156を備える。
(1−2)トナーカートリッジの構成
トナーカートリッジ148は、ドラムカートリッジ14のトナーカートリッジ装着部154に装着される。トナーカートリッジ148は、図8Aおよび図8Bに示すように、第1開口部165を有する収容筒162と、切替部材163とを備える。
収容筒162は、左右方向に延びる。収容筒162は、略円筒形状を有する。収容筒162は、左方の閉鎖壁166Lと、右方の閉鎖壁166Rとを備える。
閉鎖壁166Lは、収容筒162の右端部を閉鎖する。閉鎖壁166Lは、側面視略円形状を有する。閉鎖壁166Lは、板形状を有する。閉鎖壁166Lは、ボス170Lと、2つのストッパ171Lとを備える。
ボス170Lは、閉鎖壁166Lの左右方向外面から、左右方向外方に突出する。ボス170Lは、前後方向に延びる。ボス170Lは、略角柱形状を有する。ボス170Lは、側壁44Lの幅狭部158に嵌まる。
2つのストッパ171Lは、閉鎖壁166Lにおいて、前後方向に間隔を隔てて位置する。2つのストッパ171Lは、閉鎖壁166Lの周縁部に位置する。具体的には、後方のストッパ171Lは、ボス170Lの後端部よりも上方に位置する。前方のストッパ171Lは、ボス170Lの前端部よりも下方に位置する。ストッパ171Lは、閉鎖壁166Lの左右方向外面から、左右方向外方に突出する。ストッパ171Lは、円柱形状を有する。
閉鎖壁166Rは、収容筒162の左端部を閉鎖する。閉鎖壁166Rは、閉鎖壁166Lと同じ形状を有する。図6に示すように、閉鎖壁166Rのボス170Rは、側壁44Rの幅狭部158に嵌まる。
アジテータ167は、収容筒162の中央に位置する。アジテータ167は、収容筒162の内部のトナーを撹拌する。
第1開口部165は、図8Aに示すように、収容筒162の後端部に位置する。第1開口部165は、収容筒162の後端部を前後方向に貫通する。これにより、収容筒162の内外が連通している。第1開口部165は、図6に示すように、前後方向において、受入口152と重なっている。
切替部材163は、プロセスカートリッジ3において、ドラムカートリッジ14に対してトナーカートリッジ148が装着され、トナーカートリッジ148の離脱が規制された状態と、ドラムカートリッジ14に対するトナーカートリッジ148の規制が解除され、トナーカートリッジ148がドラムカートリッジ14から離脱可能な状態とに切り替える。切替部材163は、規制位置(図6参照)と、規制解除位置(図7参照)との間を回動する。なお、以下の切替部材163の説明では、プロセスカートリッジ3が第2位置に位置し、ドラムカートリッジ14に対してトナーカートリッジ148が装着され、切替部材163が規制位置に位置した状態を基準とする。切替部材163は、第2開口部176を有する外周筒174と、操作部175とを備える。
外周筒174は、収容筒162の外周に設けられる。外周筒174は、左右方向に延びる。外周筒174は、円筒形状を有する。外周筒174は、図8Bに示すように、円環部178を備える。円環部178は、外周筒174の左右方向両端部に位置する。つまり、円環部178は、2つ設けられている。左方の円環部178と、右方の円環部178とは同じ形状を有する。そこで、以下の円環部178の説明では、左方の円環部178について説明し、右方の円環部178の説明を省略する。
円環部178は、外周筒174の左端部に位置する。円環部178は、収容筒162よりも左右方向外方に位置する。円環部178は、外周筒174の周縁から、外周筒174の径方向内方に延びる。円環部178は、板形状を有する。円環部178は、第2係合部182と、2つの当接部183を備える。
第2係合部182は、円環部178の後端部に位置する。第2係合部182は、ボス170Lが延びる方向に沿う仮想線Xよりも上方に位置する。第2係合部182は、円環部178の左右方向外面から、左右方向外方に延びる。第2係合部182は、円柱形状を有する。第2係合部182は、凸形状を有する。第2係合部182は、側壁44Lの第1係合部159に嵌まる。つまり、第2係合部182は、第1係合部159と係合する。
2つの当接部183は、円環部178において、前後方向に間隔を隔てて位置する。当接部183は、円環部178の内周縁に位置する。当接部183は、円環部178の内周縁から、円環部178の径方向内方に向かって延びる。当接部183は、角柱形状を有する。具体的には、後方の当接部183は、円環部178の後端部に位置する。後方の当接部183は、第2係合部182の前方に位置する。後方の当接部183は、後方のストッパ171Lの下端部に当接する。前方の当接部183は、円環部178の前端部に位置する。前方の当接部183は、前方のストッパ171Lの上端部に当接する。
第2開口部176は、図8Aに示すように、外周筒174の後端部に位置する。第2開口部176は、外周筒174の後端部を前後方向に貫通する。第2開口部176は、前後方向において、第1開口部165および受入口152と一致する。これにより、収容筒162と、現像器150とが連通する。
操作部175は、切替部材163の前端部に位置する。操作部175は、図6に示すように、プロセスカートリッジ3が第2位置に位置するときに、装置本体2の内部空間よりも外側に位置する。また、図示しないが、操作部175は、プロセスカートリッジ3が第1位置に位置するときには、装置本体2の内部空間に位置する。操作部175は、外周筒174の前端部から連続して、前方に向かって延びる。操作部175は、左右方向に延びる。操作部175は、略角筒形状を有する。
切替部材163は、上記した規制位置から、操作部175が上方に移動し、外周筒174が、収容筒162の周面に沿って、左側面視反時計回りに回転することで、規制解除位置(図7参照)に移動する。
切替部材163が規制解除位置に位置するときには、図8Cおよび図8Dに示すように、操作部175は、前上方に向かって延びている。
円環部178の後方の当接部183は、後方のストッパ171Lの下方に位置する。円環部178の前方の当接部183は、前方のストッパ171Lの上方に位置する。円環部178の第2係合部182は、ボス170Lが延びる仮想線X上に位置する。
そして、外周筒174の第2開口部176は、第1開口部165からずれるように下方に位置し、外周筒174の周面は、第1開口部165を閉鎖する。
(2)トナーカートリッジの着脱動作
トナーカートリッジ148をドラムカートリッジ14から離脱するときには、図6に示すように、ユーザは、第1実施形態と同様に、カバー10を開位置に位置させる。
そして、ユーザは、プロセスカートリッジ3を規制面99によって第2位置に規制されるまで引き出し、2つの支持部91に支持させる。
次いで、ユーザは、図7に示すように、ドラムカートリッジ14が2つの支持部91に支持された状態で、ドラムカートリッジ14からトナーカートリッジ148を離脱させる。
ドラムカートリッジ14からトナーカートリッジ148を離脱させるには、ユーザは、切替部材163の操作部175を操作し、外周筒174を左側面視反時計回りに回転させる。
すると、第2係合部182が、第1係合部159の下端部まで移動し、幅狭部158の下端部と当接する。これにより、円環部178の第2係合部182は、仮想線X上に位置する。
また、外周筒174の第2開口部176は、第1開口部165からずれるように下方に移動し、外周筒174の周面は、第1開口部165を閉鎖する。
こうして、切替部材163は、規制解除位置に位置し、ドラムカートリッジ14に対するトナーカートリッジ148の規制が解除され、トナーカートリッジ148がドラムカートリッジ14から離脱可能な状態となる。
次いで、ユーザは、ドラムカートリッジ14から離脱可能な状態となったトナーカートリッジ148の操作部175を把持して、トナーカートリッジ148を引き抜く。すると、ボス170Lおよび左方の第2係合部182が、左方の幅狭部158および幅広部157に案内される。また、ボス170Rおよび右方の第2係合部182が、右方の幅狭部158および幅広部157に案内される。こうして、トナーカートリッジ148は、ドラムカートリッジ14から離脱する。
トナーカートリッジ148をドラムカートリッジ14に装着するには、ユーザは、2つの支持部91に支持されるドラムカートリッジ14に対して、トナーカートリッジ148を装着する。
具体的には、左方の第2係合部182およびボス170Lが、左方の幅広部157および幅狭部158に案内される。また、右方の第2係合部182およびボス170Rが、右方の幅広部157および幅狭部158に案内される。
次いで、ユーザは、操作部175を操作し、外周筒174を左側面視時計回りに回転させる。
こうして、切替部材163は、規制位置に位置し、ドラムカートリッジ14に対してトナーカートリッジ148が装着され、トナーカートリッジ148の離脱が規制された状態となる。
以上により、ドラムカートリッジ14に対するトナーカートリッジ148の装着が完了する。
次いで、ユーザは、プロセスカートリッジ3を、装置本体2内に押し込み、第1位置に位置させる。
そして、カバー10を閉位置に位置させる。
(3)第2実施形態の作用効果
(3−1)第2実施形態の画像形成装置1によれば、図6および図7に示すように、収容筒162に対して、外周筒174が回転する。
そのため、ドラムカートリッジ14の第1係合部159と、トナーカートリッジ148の第2係合部182との係合および係合解除が、容易に切り替えられる。
また、収容筒162の第1開口部165と、外周筒174の第2開口部176との連通および連通解除が、容易に切り替えられる。
(3−2)第2実施形態の画像形成装置1によれば、図6に示すように、凹形状の第1係合部159と、凸形状の第2係合部182との係合により、簡易な構成により、第1係合部159と第2係合部182とが係合する。
(3−3)第2実施形態の画像形成装置1によれば、図6に示すように、操作部175が装置本体2の内部空間よりも外側に位置するので、ユーザが操作部175を確実に操作することができる。
(3−4)また、このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
9.第3実施形態
次に、図9を参照して、本発明の画像形成装置の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
(1)第3実施形態の構成
第1実施形態では、図5に示すように、溝95の規制面99が、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
対して、第2実施形態では、図9に示すように、溝95は、規制面99を備えず、規制部およびばねの一例としての板ばね190を備え、板ばね190が、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
板ばね190は、溝95の前端部に位置する。板ばね190は、溝95の上面から下方に向かって突出する。板ばね190の下端部から、溝95の下面までの寸法は、感光ドラム17のドラム軸17Bの直径よりも小さい。板ばね190の後面が、規制面191である。
規制面191は、後上方と前下方とを結ぶ方向に延びる。規制面191は、後方を向く。言い換えると、規制面191は、プロセスカートリッジの第1位置から、第2位置への移動方向の上流側を向く。
そして、現像カートリッジ15をドラムカートリッジ14から離脱するときには、ユーザは、第1実施形態と同様の手順により、プロセスカートリッジ3を装置本体2から引き出す。
すると、プロセスカートリッジ3の引き出し途中において、感光ドラム17のドラム軸17Bの両端部が、溝95の板ばね190の規制面191に当接する。
プロセスカートリッジ3を引き出す力が、板ばね190の弾性力より小さい場合に、板ばね190の規制面191は、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
そして、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3において、ドラムカートリッジ14に対して、現像カートリッジ15が着脱される。
なお、プロセスカートリッジ3を装置本体2から離脱するときには、ユーザは、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3のハンドル69を把持して、溝95に沿って、引き出す。
このとき、ユーザは、プロセスカートリッジ3を引き出す力が、板ばね190の弾性力より大きくなるように、引き出す。
すると、感光ドラム17のドラム軸17Bが、板ばね190の弾性力に抗して、板ばね190を上方に移動させるようにして、板ばね190の後方から、板ばね190よりも前方に移動する。
また、プロセスカートリッジ3を装置本体2に装着するときには、ユーザは、感光ドラム17のドラム軸17Bを溝95に嵌めて、プロセスカートリッジ3を、装置本体2内に押し込む。
すると、感光ドラム17のドラム軸17Bが、板ばね190の弾性力に抗して、板ばね190を上方に移動させるようにして、板ばね190の前方から、板ばね190よりも後方に移動する。
(2)第3実施形態の作用効果
このような第3実施形態の画像形成装置1によれば、図9に示すように、板ばね190が規制面191を備えるという簡易な構成により、プロセスカートリッジ3の移動が規制され、プロセスカートリッジ3が第2位置に位置する。
また、このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
10.第4実施形態
次に、図10〜図11Bを参照して、本発明の画像形成装置の第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
(1)第4実施形態の概要
第1実施形態では、図5に示すように、溝95の規制面99が、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
また、第3実施形態では、図9に示すように、板ばね190が、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
対して、第4実施形態では、図10に示すように、溝95は、規制面99および板ばね190を備えず、装置本体2が、規制機構201を備え、規制機構201のピン210が、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
(2)第4実施形態の構成
第4実施形態の画像形成装置1では、図10に示すように、側壁75は、収容部202を備える。
収容部202は、側壁75の前端部に位置する。収容部202は、図11Aに示すように、カム収容部204と、ピン収容部205とを備える。
カム収容部204は、溝95の上方に、溝95から間隔を隔てて位置する。カム収容部204は、側壁75の前面から、後方に向かって窪む。カム収容部204は、前後方向に延びる。
ピン収容部205は、溝95の上面から、上方に向かって窪む。ピン収容部205は、上下方向に延びる。ピン収容部205は、カム収容部204と交差する。ピン収容部205の上端部は、カム収容部204よりも上方に位置する。また、カム収容部204の後端部は、ピン収容部205よりも後方に位置する。
規制機構201は、収容部202内に収容される。規制機構201は、カム208と、第1付勢部材209と、規制部の一例としてのピン210と、第2付勢部材211とを備える。
カム208は、カム収容部204内に位置する。カム208は、前後方向に延びる。カム208は、前端部214と、後端部215と、中央部216とを備える。
前端部214は、カム208の前端部に位置する。前端部214は、前後方向に延びる。前端部214は、略角柱形状を有する。
後端部215は、カム208の後端部に位置する。後端部215は、前後方向に延びる。後端部215は、略角柱形状を有する。後端部215の上下方向寸法は、前端部214の上下方向寸法よりも小さい。
中央部216は、カム208の前後方向略中央に位置する。中央部216は、前端部214と後端部215とを連結する。中央部216の上面は、前端部214の上面から、後端部215の上面に向かって、傾斜する。つまり、中央部216の上面は、後方に向かうにつれて、下方に傾斜する。
第1付勢部材209は、規制機構201の後端部に位置する。第1付勢部材209は、前後方向に延びるコイルばねである。第1付勢部材209の前端部は、カム208の後端部215に固定される。第1付勢部材209の後端部は、カム収容部204の後面に固定される。第1付勢部材209は、カム208を、常には、カム収容部204の後面から離れるように、前方に付勢する。
カム208は、第1付勢部材209の付勢力により、前端部214が側壁75よりも前方まで突出する突出位置(図11A参照)と、第1付勢部材209の付勢力に抗して、前端部214がカム収容部204内に収容される収容位置(図11B参照)との間を移動可能である。
ピン210は、ピン収容部205内に位置する。ピン210は、上下方向に延びる。ピン210は、略角柱形状を有する。ピン210は、カム208と交差する。ピン210は、カム208を貫通する。ピン210の上端部は、カム208よりも上方に位置する。また、カム208の後端部は、ピン210よりも後方に位置する。ピン210の下端部は、溝95内に突出する。ピン210において、溝95内に突出する部分の後面が、規制面220である。また、ピン210の下端部は、前方に向かうにつれて、上方に傾斜するように切り欠かれる。ピン210の下端部において、切り欠かれた面が、傾斜面221である。ピン210は、当接部219を備える。
当接部219は、ピン210の上端部に位置する。当接部219は、カム208の後端部215の上面と接触する。当接部219は、ピン210の側面全面から突出する。当接部219は、板形状を有する。
第2付勢部材211は、規制機構201の上端部に位置する。第2付勢部材211は、上下方向に延びるコイルばねである。第2付勢部材211の下端部は、ピン210の当接部219に固定される。第2付勢部材211の上端部は、ピン収容部205の上面に固定される。第2付勢部材211は、当接部219がカム208に当接するように、ピン210を、常には、下方に付勢する。
ピン210は、第2付勢部材211の付勢力により、ピン210の下端部が、溝95内に突出し、溝95を閉鎖する閉鎖位置(図11A参照)と、ピン210の下端部が、ピン収容部205内に退避する退避位置(図11B参照)との間を移動可能である。
(3)現像カートリッジおよびプロセスカートリッジの着脱動作
現像カートリッジ15をドラムカートリッジ14から離脱するときには、ユーザは、第1実施形態と同様の手順により、プロセスカートリッジ3を装置本体2から引き出す。
すると、プロセスカートリッジ3の引き出し途中において、感光ドラム17のドラム軸17Bの右端部が、閉鎖位置に位置するピン210の規制面220に当接する。
こうして、ピン210の規制面220は、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
そして、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3において、ドラムカートリッジ14に対して、現像カートリッジ15が着脱される。
なお、プロセスカートリッジ3を装置本体2から離脱するときには、ユーザは、図11Bに示すように、規制機構201のカム208を後方に向かって押圧し、カム208を、突出位置から収容位置に移動させる。
すると、ピン210の当接部219が、カム208の中央部216に乗り上げ、上方に移動する。
これにより、ピン210は、第2付勢部材211の付勢力に抗して、閉鎖位置から、退避位置に移動する。
すると、溝95が開放され、ドラム軸17Bが通過可能となる。
そして、ユーザは、第2位置に位置するプロセスカートリッジ3のハンドル69を把持して、溝95に沿って、引き出す。
また、プロセスカートリッジ3を装置本体2に装着するときには、ユーザは、感光ドラム17のドラム軸17Bを溝95に嵌めて、プロセスカートリッジ3を、装置本体2内に押し込む。
すると、感光ドラム17のドラム軸17Bがピン210の傾斜面221に当接する。
これにより、ピン210は、第2付勢部材211の付勢力に抗して、上方に移動し、ドラム軸17Bの通過を許容する。
以上により、プロセスカートリッジ3は、装置本体2内に装着される。
(2)第4実施形態の作用効果
このような第4実施形態の画像形成装置1によれば、図11Aおよび図11Bに示すように、閉鎖位置と退避位置との間を移動可能なピンが規制面99を備えることにより、プロセスカートリッジ3の第2位置への規制と、第2位置への規制の解除とが、容易に切り替えられる。
また、このような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
11.第4実施形態の変形例
上記した第4実施形態では、図11Aに示すように、規制機構201のピン210は、溝95に飛び出すことで、溝95を閉鎖し、ピン210の規制面220がプロセスカートリッジ3の感光ドラム17のドラム軸17Bの右端部と当接することにより、プロセスカートリッジ3を第2位置に規制する。
ピン210の飛び出し方向は、特に限定されず、左右方向において、装置本体2の内部空間に飛び出してもよい。
ピン210の規制面220が当接するのは、感光ドラム17のドラム軸17Bに限定されず、プロセスカートリッジ3の突出部230と当接し、プロセスカートリッジ3の移動を規制してもよい。
第4実施形態の変形例では、収容部202のピン収容部205は、側壁75の左右方向内面から、左右方向外方に向かって窪む。これにより、収容部202に収容される規制機構201のピン210は、側壁75より左右方向内方に突出する。
突出部230は、ドラムカートリッジ14の後端部に位置する。突出部230は、ドラムカートリッジ14の側壁44Rから、左右方向外方に向かって突出する。突出部230は、左右方向に延びる。突出部230は、略円筒形状を有する。突出部230の左右方向外方端部は、感光ドラム17のドラム軸17Bの左右方向外方端部より、左右方向内方に位置する。突出部230の左右方向外方端部は、側壁75の左右方向内面より、左右方向内方に位置する。
現像カートリッジ15をドラムカートリッジ14から離脱するときには、ユーザは、第4実施形態と同様の手順により、プロセスカートリッジ3を装置本体2から引き出す。
すると、プロセスカートリッジ3の引き出し途中において、ドラムカートリッジ14の突出部230が、閉鎖位置に位置するピン210の規制面220に当接する。
こうして、ピン210の規制面220は、プロセスカートリッジ3の移動を規制し、プロセスカートリッジ3を第2位置に位置させる。
このような第4実施形態の変形例においても、第4実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
12.変形例
本発明は、上記した実施形態に限定されない。例えば、上記した第1実施形態、第3実施形態および第4実施形態では、切替部材41は、ドラムカートリッジ14に備えられているが、現像カートリッジ15に備えられていてもよい。
また、上記した第2実施形態では、溝部156の第1係合部159が、凹形状を有するが、凸形状であってもよい。このような場合には、トナーカートリッジ148の第2係合部182は、凸形状ではなく、凹形状を有する。
また、上記した第1実施形態〜第4実施形態では、感光ドラム17のドラム軸17Bが、被規制部の一例として構成されるが、ドラムフレーム40、または、現像フレーム62が突起を備え、その突起が被規制部の一例として構成されてもよい。
また、上記した第1実施形態〜第4実施形態では、第2搬送ローラ49は、ドラムカートリッジ14に備えられているが、ドラムカートリッジ14に備えられていなくてもよい。例えば、第2搬送ローラ49は、装置本体2に備えられていてもよい。
また、上記した第1実施形態〜第4実施形態では、装置本体2は、溝96を備えているが、溝96を備えていなくてもよい。このような場合には、溝95のみが、プロセスカートリッジ3の移動を案内する。
また、上記した第3実施形態では、ばねの一例としての板ばね190が、プロセスカートリッジ3の移動を規制するが、ばねの一例として、線ばねを用いてプロセスカートリッジ3の移動を規制してもよい。