JP2020041773A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】チューブの屈曲変形を抑制することのできる熱交換器を提供する。【解決手段】熱交換器10は、複数のチューブ300と、積層方向に沿ってチューブ300と交互に並ぶように配置された複数のフィン400と、それぞれのチューブ300の端部が挿通されているヘッダプレート110と、を備える。ヘッダプレート110のうちタンク部材120が取り付けられる部分を被取付部111とし、チューブ300の長手方向に沿って、被取付部111のうちタンク部材120とは反対側の端部となる位置を基準位置SLとしたときに、積層方向に沿った端部以外に配置されているフィン400は、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置まで伸びている一方、積層方向に沿った端部に配置されているフィン400は、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置までは伸びていない。【選択図】図2
Description
本開示は、空気と熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器に関する。
空気と熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器としては、例えば、熱媒体である冷却水の温度を低下させるためのラジエータ等が挙げられる。下記特許文献1に記載されているように、このような熱交換器は、内部を熱媒体が通るチューブと、空気への伝熱を効率よく行うために設けられるフィンと、を交互に積層してなる熱交換コア部を有している。また、熱交換コア部のうち積層方向の端部となる位置には、熱交換コア部を補強するためのサイドプレートが設けられることが多い。
また、熱交換器にはチューブやフィンのほか、熱媒体を貯えるための一対のタンクが設けられる。それぞれのチューブの端部は、タンクの一部であるヘッダプレートに挿通されており、ヘッダプレートに対してろう接されている。
例えばラジエータにおいて、空気と熱媒体との間で熱交換が行われているときには、チューブの内部では高温の熱媒体が流れる。このため、それぞれのチューブは加熱され、熱膨張によってその長手方向に沿った寸法が比較的大きく変化することとなる。
一方、サイドプレートにおいては、その内側を熱媒体が流れないので、熱膨張に伴う寸法の変化はほとんど生じない。このため、複数のチューブのうちサイドプレートの近傍に配置されたものにおいては、熱膨張に伴う変形がサイドプレートによって拘束されることに起因して、特にヘッダプレートに挿通された部分において屈曲変形が生じてしまうことがある。
本開示は、チューブの屈曲変形を抑制することのできる熱交換器、を提供することを目的とする。
本開示に係る熱交換器は、空気と熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器(10)である。この熱交換器は、内部を熱媒体が通る管状の部材であって、積層方向に沿って並ぶように配置された複数のチューブ(300)と、積層方向に沿ってチューブと交互に並ぶように配置された複数のフィン(400)と、積層方向に沿って最も外側となる位置に配置されたフィンの、更に外側となる位置に配置されたサイドプレート(500)と、それぞれのチューブの端部が挿通されているヘッダプレート(110)と、ヘッダプレートに対して取り付けられる部材であって、熱媒体を貯えるための空間が内側に形成されたタンク部材(120)と、を備える。ヘッダプレートのうちタンク部材が取り付けられる部分を被取付部(111)とし、チューブの長手方向に沿って、被取付部のうちタンク部材とは反対側の端部となる位置を基準位置(SL)としたときに、複数のフィンのうち、積層方向に沿った端部以外に配置されているものは、基準位置よりもヘッダプレート側となる位置まで伸びている。一方、複数のフィンのうち、積層方向に沿った端部に配置されているものは、基準位置よりもヘッダプレート側となる位置までは伸びていない。
上記構成の熱交換器では、複数のフィンのうち、積層方向に沿った端部に配置されているものを除いたもの(つまり殆どのフィン)が、基準位置よりもヘッダプレート側となる位置まで伸びている。このため、複数のチューブの殆どは、ヘッダプレートに接合されている部分の近傍となる位置までの範囲において、その両側にあるフィンによって支持された状態となっている。このような構成により、チューブの熱膨張が生じたとしても、上記のようなチューブの屈曲変形をフィンによって抑制することができる。
ところで、チューブの屈曲変形を抑制するためには、全てのフィンを、基準位置よりもヘッダプレート側となる位置まで伸ばすことが考えられる。しかしながら、そのような構成とした場合には、フィンと共に積層されたそれぞれのチューブをヘッダプレートに挿通させる際において、ヘッダプレートの一部である被取付部が、積層方向に沿った端部のフィンに干渉してしまう可能性がある。被取付部がフィンに干渉すると、当該フィンが局所的に変形する。その結果、ろう接の際においては、溶融したろう材がフィンの変形個所に侵入し、フィンの一部を溶かしてしまう恐れがある。
そこで、上記構成の熱交換器では、複数のフィンのうち、積層方向に沿った端部に配置されているものについては、基準位置よりもヘッダプレート側となる位置までは伸ばさないこととしている。つまり、積層方向に沿った端部に配置されているフィンが、基準位置からヘッダプレートまでの範囲には存在しないこととしている。このため、それぞれのチューブをヘッダプレートに挿通させる際において、被取付部が端部のフィンに干渉してしまうことが防止される。その結果、上記のようにフィンの一部が溶けてしまう現象を防止することができる。
本開示によれば、チューブの屈曲変形を抑制することのできる熱交換器が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態について説明する。図1には、本実施形態に係る熱交換器10の構成が示されている。熱交換器10は、不図示の車両に搭載されるラジエータとして構成されている。熱交換器10には、上記車両の内燃機関を通過して高温となった冷却水が供給される。熱交換器10では、その内部を通る冷却水と、その外部を通る空気との間で熱交換が行われ、冷却水が冷却される。熱交換器10を通りその温度を低下させた冷却水は、再び内燃機関に供給され、内燃機関の冷却に供される。このように、熱交換器10は、空気と、熱媒体である冷却水との間で熱交換を行うための熱交換器として構成されている。
熱交換器10は、タンク100と、タンク200と、チューブ300と、フィン400と、サイドプレート500と、を備えている。
タンク100は、外部から供給される冷却水を受け入れて、これをそれぞれのチューブ300に分配し供給するための容器である。タンク100は、直線状に伸びる細長い容器として形成されており、その長手方向を水平方向に沿わせた状態で配置されている。タンク100は、ヘッダプレート110と、タンク部材120と、を有している。
ヘッダプレート110は、金属によって形成された板状の部材である。ヘッダプレート110には複数の貫通穴117(図2を参照)が形成されており、それぞれの貫通穴117にはチューブ300の端部が挿通されている。貫通穴117の内周面と、チューブ300の外周面との間はろう接されている。
タンク部材120は、樹脂によって形成された容器である。タンク部材120は、ヘッダプレート110側の面(図1では下方側の面)が開放された形状となっている。タンク部材120は、上記のように開放された部分の全体がヘッダプレート110によって覆われた状態となるように、ヘッダプレート110に対して取り付けられている。タンク部材120の内側、すなわちタンク部材120とヘッダプレート110との間に形成された空間は、熱媒体である冷却水を貯えるための空間となっている。
タンク部材120には入口部121が形成されている。入口部121は、外部から供給される冷却水を受け入れて、これをタンク100の内側の空間へと導くものである。入口部121には、熱交換器10に冷却水を供給するための不図示の配管が接続される。入口部121に供給された冷却水は、タンク100の内側の空間から、それぞれのチューブ300へと分配されていく。
タンク200は、それぞれのチューブ300を通った冷却水を受け入れて、これを外部へと排出するための容器である。タンク200は、タンク100の鉛直下方となる位置に配置されている。タンク200は、ヘッダプレート210と、タンク部材220と、を有している。
ヘッダプレート210は、金属によって形成された板状の部材である。ヘッダプレート21には、ヘッダプレート110と同様に複数の貫通穴(不図示)が形成されており、それぞれの貫通穴にはチューブ300の端部が挿通されている。これらの貫通穴の内周面と、チューブ300の外周面との間はろう接されている。
タンク部材220は、樹脂によって形成された容器である。タンク部材220は、ヘッダプレート210側の面(図1では上方側の面)が開放された形状となっている。タンク部材220は、上記のように開放された部分の全体がヘッダプレート210によって覆われた状態となるように、ヘッダプレート210に対して取り付けられている。タンク部材220の内側、すなわちタンク部材220とヘッダプレート210との間に形成された空間は、それぞれのチューブ300を通った冷却水を貯えるための空間となっている。
タンク部材220には出口部221が形成されている。出口部221は、タンク200の内側に貯えられた冷却水を、外部へと排出するための出口として構成された部分である。出口部221には、熱交換器10から冷却水を排出するための不図示の配管が接続される。それぞれのチューブ300を通ってタンク200の内部へと供給された冷却水は、出口部221から外部へと排出される。
チューブ300は、熱媒体である冷却水が通る管状の部材である。チューブ300は、熱交換器10において複数備えられている。それぞれのチューブ300は、その長手方向を上下方向に沿わせた状態で、タンク100とタンク200との間に配置されている。それぞれのチューブ300は、後述のフィン400と共に積層されており、タンク100やタンク200の長手方向に沿って並ぶように配置されている。このため、積層された複数のチューブ300が並んでいる方向(図1では左右方向)のことを、以下では「積層方向」とも称する。
既に述べたように、チューブ300の上端はタンク100のヘッダプレート110にろう接されており、チューブ300の下端はタンク200のヘッダプレート210にろう接されている。このため、タンク100の内部空間と、タンク200の内部空間とは、チューブ300の内側に形成された流路によって連通されている。
フィン400は、金属板を波状に折り曲げることによって形成されたコルゲートフィンである。フィン400は、熱交換器10において複数備えられおり、それぞれのチューブ300の間に配置されている。つまり、それぞれのフィン400は、積層方向に沿ってチューブ300と交互に並ぶように配置されている。フィン400は、その左右両側に配置された一対のチューブ300のそれぞれに対して当接しており、且つろう接されている。このようなフィン400が配置されていることにより、空気との接触面積が大きくなっており、空気と冷却水との間の熱交換が効率的に行われる。
熱交換器10のうち、上記のようにチューブ300とフィン400とが交互に積層されている部分は、チューブ300の内側を通る冷却水と、チューブ300の外側を通る空気との間で熱交換が行われる部分である。以下では、当該部分のことを「熱交換コア部CR」とも称する。
サイドプレート500は、金属板を曲げ加工することによって形成された板状部材である。サイドプレート500は2つ設けられており、上記の積層方向に沿った熱交換コア部CRの一方側端部、及び他方側端部のそれぞれに配置されている。換言すれば、一対のサイドプレート500が、熱交換コア部CRを積層方向に沿って両側から挟み込んでいる。サイドプレート500と、これと隣り合うチューブ300との間にも、フィン400が配置されており、当該フィン400がサイドプレート500に対してろう接されている。つまり、それぞれのサイドプレート500は、積層方向に沿って最も外側となる位置に配置されたフィン400の、更に外側となる位置に配置されている。このようなサイドプレート500が設けられていることにより、熱交換コア部CRの剛性が高められている。
熱交換器10による熱交換が行われる際には、不図示の内燃機関を通り高温となった冷却水が、入口部121からタンク100の内部へと供給される。当該冷却水は、タンク100からそれぞれのチューブ300へと供給される。冷却水は、それぞれのチューブ300の内部を下方側に向かって流れて、タンク200の内部へと供給される。
熱交換器10の近傍には、熱交換コア部CRを通過するように空気を送り出す不図示のファンが設けられている。ファンによって空気が送り出される方向は、図1において紙面手前側から奥側へと向かう方向である。
冷却水は、チューブ300に形成された流路を上記のように流れる際において、空気によって冷却される。当該空気、すなわちファンによって送り出された空気は、チューブ300の周囲を通過する際において冷却水によって加熱され、その温度を上昇させる。
一方、冷却水は空気によって冷却され、その温度を低下させる。低温となった冷却水は、それぞれのチューブ300からタンク200の内側へと流入した後、出口部221から外部へと排出される。
図1においては、水平方向であり且つ紙面手前側から奥側に向かう方向をx方向としており、同方向に沿ってx軸を設定している。x方向は、上記のように熱交換器10を空気が通過する方向となっている。
また、図1においては、水平方向であり且つ左側から右側へと向かう方向をy方向としており、同方向に沿ってy軸を設定している。上記の積層方向は、このy軸に沿った方向(つまりy方向又は−y方向)となっている。
更に、図1においては、上記のx方向及びz方向のいずれに対しても垂直な方向であって、タンク200からタンク100へと向かう方向をz方向としており、同方向に沿ってz軸を設定している。
以降においては、以上のように定義されたx方向、y方向、z方向、x軸、y軸、及びz軸を用いながら、熱交換器10の更に具体的な構成を説明する。
図2は、図1に示されるA部の内部構成を模式的に示す断面図である。同図に示されるように、タンク部材120のうちヘッダプレート110側の端部には、フランジ部122が形成されている。フランジ部122は、タンク部材120のうち−z方向側の端部から、−y方向側(つまり外側)へと突出するように形成されている。
ヘッダプレート110のうち上記のフランジ部122と対向する部分は、他の部分よりも−z方向側に突出しており、フランジ部122を−z方向側から覆っている。当該部分は、ヘッダプレート110のうちタンク部材120が取り付けられる部分である。当該部分のことを、以下では「被取付部111」とも称する。
被取付部111の−z方向側端部は、ヘッダプレート110の全体のうち最も−z方向側の端部となっている。図2に示される一点鎖線SLは、当該端部を通り、且つz軸に対して垂直な平面を示すものである。一点鎖線SLで示される平面のz軸に沿った位置(すなわちz座標)のことを、以下では「基準位置SL」とも称する。基準位置SLは、チューブ300の長手方向(つまりz方向)に沿って、被取付部111のうちタンク部材120とは反対側(つまり−z方向側)の端部となる位置、ということもできる。
フランジ部122は被取付部111の内側に収容されている。フランジ部122の下端面と、被取付部111の底面との間には、シール部材600が収容されている。シール部材600は所謂Oリングであって、ヘッダプレート110とタンク部材120との間を水密に保つための部材である。
ヘッダプレート110はその一部が加締められている。これにより、被取付部111がフランジ部122に対して取り付けられた状態が維持されている。
z軸に沿って見た場合においては、フランジ部122、被取付部111、及びシール部材600は、全てのチューブ300及びフィン400の全体を囲むような範囲に形成されている。これにより、タンク100の内部にある冷却水が、外部へと漏出してしまうことが防止されている。
図3は、図1に示されるA部の構成を斜視図として示したものである。ただし、図3においては、タンク部材120及びフィン400の図示が省略されている。図2及び図3に示されるように、サイドプレート500は、第1部分510と、第2部分520と、第3部分530と、第4部分540と、を有している。
第1部分510は、フィン400に当接しろう接されている部分である。第1部分510は概ね平板状に形成されており、その主面の法線方向をy方向に沿わせた状態で配置されている。第1部分510は、タンク200側から、z軸に沿って基準位置SLの近傍となる位置まで伸びている。
第2部分520は、第1部分510のx方向側端部及び−x方側端部のそれぞれから、y方向側に向かって伸びるように形成された部分である。このような第2部分520が形成されていることにより、サイドプレート500の全体の剛性が高められている。
第3部分530は、第1部分510のz方向側端部から、y方向側に向かって伸びるように形成された部分である。第3部分530は、z方向に沿って被取付部111と対向する位置に設けられている。
第4部分540は、第3部分530のy方向側端部から、z方向側に向かって伸びるように形成された部分である。第4部分540は、y方向に沿って被取付部111と対向する位置に設けられている。
被取付部111のy方向側端部には、加締め部112が形成されている。図2及び図3に示されるように、第4部分540の上端部近傍は、被取付部111と加締め部112との間に挟み込まれた状態で固定されている。このように、ヘッダプレート110にはそれぞれのチューブ300が固定されていることに加えて、サイドプレート500も固定されている。
図2に示されるように、熱交換器10に設けられた複数のフィン400のうち、積層方向に沿った端部以外に配置されているものは、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置まで伸びている。このように積層方向に沿った端部以外に配置されているフィン400のことを、以下では、「内側フィン410」とも表記する。
また、熱交換器10に設けられた複数のフィン400のうち、積層方向に沿った端部に配置されているものは、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置までは伸びていない。このように積層方向に沿った端部に配置されているフィン400のことを、以下では、「外側フィン420」とも表記する。
このように、本実施形態に係る熱交換器10においては、互いに長さの異なる2種類のフィン400が用いられている。
このような構成としたことの効果について説明する。熱交換器10において、空気と冷却水との間で熱交換が行われているときには、チューブ300の内部では高温の冷却水が流れる。このため、それぞれのチューブ300は冷却水によって加熱され、熱膨張によってその長手方向に沿った寸法が比較的大きく変化することとなる。
一方、サイドプレート500においては、その内側を冷却水が流れないので、熱膨張に伴う寸法の変化はほとんど生じない。このように、ヘッダプレート110には、熱膨張によって寸法が大きく変化するチューブ300と、熱膨張によって寸法がほとんど変化しないサイドプレート500と、の両方が固定されている。
このため、複数のチューブ300のうちサイドプレート500の近傍に配置されたものにおいては、熱膨張に伴う変形がサイドプレート500によって拘束されることに起因して、特にヘッダプレート110に挿通されている部分において屈曲変形が生じてしまうことがある。屈曲変形が繰り返し生じると、チューブ300が破損して、当該破損個所から冷却水が漏出してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態に係る熱交換器10では、内側フィン410を、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置まで伸ばすこととしている。複数のチューブ300の殆ど(具体的には、積層方向に沿った端部に配置されたものを除いた全てのチューブ300)は、ヘッダプレート110に接合されている部分の近傍となる位置までの範囲において、その両側にあるフィン400(つまり、積層方向に沿って隣り合う内側フィン410)によって支持された状態となっている。このような構成により、チューブ300の熱膨張が生じたとしても、上記のようなチューブ300の屈曲変形をフィン400によって抑制することが可能となっている。
ところで、チューブ300の屈曲変形を抑制するためには、外側フィン420についても内側フィン410と同様に、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置まで伸ばすことが考えられる。つまり、全てのフィン400を、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置まで伸ばすことが考えられる。
しかしながら、そのような構成とした場合には、フィン400と共に積層されたそれぞれのチューブ300をヘッダプレート110の貫通穴117に挿通させる際において、ヘッダプレート110の一部である被取付部111が、積層方向に沿った端部のフィン400(つまり外側フィン420)に干渉してしまう可能性がある。
被取付部111と外側フィン420との干渉について、図8を参照しながら説明する。図8には、積層方向に沿って積層された状態のチューブ300及びフィン400を、z方向側から見た状態が描かれている。同図に示される点線は、ヘッダプレート110に設けられた被取付部111の外形を示すものである。
図8に示されるように、被取付部111の内周面を示す点線は、上面視においては外側フィン420に近接しているか、もしくは重なっている。このため、仮に、全てのフィン400が、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置まで伸びていた場合には、それぞれのチューブ300をヘッダプレート110の貫通穴117に挿通させる際、すなわち、ヘッダプレート110を−z方向側に移動させていく際に、被取付部111の一部が外側フィン420に干渉し、外側フィン420を局所的に変形させてしまう可能性がある。このような外側フィン420との干渉は、図8のPT1で示されるような角部において特に生じやすく、PT2で示されるようなy方向端部においても生じやすい。
外側フィン420が局所手的に変形すると、ろう接の際に溶融したろう材が外側フィン420の変形個所に侵入し、外側フィン420の一部を溶かしてしまう恐れがある。
そこで、本実施形態に係る熱交換器10では、複数のフィン400のうち、積層方向に沿った端部に配置されている外側フィン420については、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置までは伸ばさないこととしている。つまり、外側フィン420が、基準位置SLからヘッダプレート110までの範囲には存在しないこととしている。このため、それぞれのチューブ300をヘッダプレート110の貫通穴117に挿通させる際において、被取付部111が外側フィン420に干渉してしまうことが防止される。その結果、上記のように外側フィン420の一部が溶けてしまう現象を防止することができる。
本実施形態では、長さの互いに異なる2種類のフィン400(内側フィン410及び外側フィン420)を予め用意しておくことで、外側フィン420を、ヘッダプレート110に対して当接させない構成としている。このような構成により、被取付部111の干渉に伴う外側フィン420の局所的な変形を確実に防止している。
以上においては、y方向側に配置されたサイドプレート500とヘッダプレート110との接続部分近傍の構成について説明したが、−y方向側に配置されたサイドプレート500とヘッダプレート110との接続部分近傍の構成についても以上と同様である。また、タンク200のヘッダプレート210とサイドプレート500との接続部分近傍の構成についても、以上に説明したものと同様の構成を採用することができる。
また、以上においては、熱交換器10がラジエータとして構成されている例について説明したが、熱交換器10は、例えば蒸発器のように、空気よりも低温の熱媒体(この場合は冷媒)がチューブ300の内部を通るものとして構成されていてもよい。その場合であっても、以上に説明したものと同様の構成を採用し、以上に説明したものと同様の効果を奏することができる。
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る熱交換器10のうち、ヘッダプレート110とサイドプレート500との接続部分近傍の構成を、図2と同様の断面において示すものである。同図に示されるように、本実施形態におけるヘッダプレート110には当接部115が形成されている。当接部115は、被取付部111の一部を、積層方向に沿った内側(つまり−y方向側)に向けて突出させた部分となっている。図5に示されるように、当接部115は、被取付部111のうちx軸に沿った中央の部分を、−y方向側に向けて突出させることにより形成されている。
図4に示されるように、当接部115のうち−z方向側の端部のz座標は、基準位置SLのz座標と一致している。当接部115は、外側フィン420に対してz方向側から当接しており、チューブ300の長手方向に沿って(つまりz軸に沿って)外側フィン420を−z方向側に圧縮している。その結果、本実施形態における外側フィン420のz方向側端部のz座標は、基準位置SLのz座標と一致している。
図7に示されるのは、本実施形態に係る熱交換器10の製造工程において、ヘッダプレート110を取り付ける直前の状態におけるチューブ300、フィン400、及びサイドプレート500である。同図のように、ヘッダプレート110が取り付けられる直前の状態においては、本実施形態では全てのフィン400が互いに同一の形状となっている。具体的には、内側フィン410及び外側フィン420のいずれもが、基準位置SLよりもz方向側となる位置まで伸びている。
このような状態のチューブ300やフィン400等に対して、ヘッダプレート110がz方向側から取り付けられる。具体的には、ヘッダプレート110を−z方向側に移動させながら、それぞれのチューブ300をヘッダプレート110の貫通穴117に挿通させる。
その際、外側フィン420のうちz方向側の端部は、ヘッダプレート110に形成された当接部115に対して当接し、当接部115によって−z方向側へと圧縮される。最終的には、図4に示される状態となる。
本実施形態でも第1実施形態と同様に、積層方向に沿った端部に配置されている外側フィン420については、基準位置SLよりもヘッダプレート110側となる位置までは伸びていない状態となっている。このため、第1実施形態において説明したものと同様の効果を奏する。
ただし、本実施形態では第1実施形態と異なり、予め長さの異なる2種類のフィン400を用意しておく必要がない。当接部115によって外側フィン420を圧縮することにより、外側フィン420の端部の位置を基準位置SLに一致させている。尚、当接部115のうち−z方向側の端面は比較的広くなっている。このため、外側フィン420のうちz方向側の部分は概ね均等に圧縮されるので、局所的な変形に伴って外側フィン420が溶けてしまうような現象は生じない。
チューブ300の長手方向に沿って見た場合においては、当接部115と外側フィン420とが互いに重なっている。図4に示されるW2は、このように互いに重なっている部分の、積層方向に沿った幅寸法である。また、図4に示されるW1は、同じく積層方向に沿った外側フィン420の幅寸法である。上記のように外側フィン420を均等に圧縮し、外側フィン420の局所的な変形を防止するためには、W2をW1の半分以上とすることが好ましい。
ところで、図7に示される状態からヘッダプレート110を取り付ける際には、図7に示されるx方向が鉛直下方となるように、チューブ300やフィン400等が倒される場合がある。つまり、チューブ300の長手方向を水平方向に沿わせた状態とされる場合がある。
このような状態においては、外側フィン420のうち基準位置SL1よりも突出している部分は、重力によって図7のx方向側(つまり下方側)へと垂れ下がるように変形しやすい。そこで、本実施形態ではこのような外側フィン420の変形を抑制するために、サイドプレート500にサポート部550を形成している。
図6に示されるように、サポート部550は、第1部分510のz方向側端部から、外側フィン420に沿って更にz方向側へと伸びるように形成された平板状の部分である。サポート部550は、x軸に沿って第3部分530の両側となる位置に一つずつ形成されている。サポート部550のz方向側端部のz座標は、基準位置SLのz座標と一致している。
このように、本実施形態におけるサイドプレート500には、複数のフィン400のうち、積層方向に沿った端部に配置されているもの(つまり外側フィン420)に沿って、基準位置SLまで伸びるサポート部550が形成されている。図7に示される状態においては、外側フィン420に対してサポート部550が当接している。このため、外側フィン420の一部が重力によって垂れ下がってしまうような現象を、サポート部550から加えられる摩擦力によって防止することができる。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:熱交換器
110:ヘッダプレート
111:被取付部
120:タンク部材
300:チューブ
400:フィン
500:サイドプレート
SL:基準位置
110:ヘッダプレート
111:被取付部
120:タンク部材
300:チューブ
400:フィン
500:サイドプレート
SL:基準位置
Claims (5)
- 空気と熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器(10)であって、
内部を熱媒体が通る管状の部材であって、積層方向に沿って並ぶように配置された複数のチューブ(300)と、
前記積層方向に沿って前記チューブと交互に並ぶように配置された複数のフィン(400)と、
前記積層方向に沿って最も外側となる位置に配置された前記フィンの、更に外側となる位置に配置されたサイドプレート(500)と、
それぞれの前記チューブの端部が挿通されているヘッダプレート(110)と、
前記ヘッダプレートに対して取り付けられる部材であって、熱媒体を貯えるための空間が内側に形成されたタンク部材(120)と、を備え、
前記ヘッダプレートのうち前記タンク部材が取り付けられる部分を被取付部(111)とし、
前記チューブの長手方向に沿って、前記被取付部のうち前記タンク部材とは反対側の端部となる位置を基準位置(SL)としたときに、
複数の前記フィンのうち、前記積層方向に沿った端部以外に配置されているものは、前記基準位置よりも前記ヘッダプレート側となる位置まで伸びている一方、
複数の前記フィンのうち、前記積層方向に沿った端部に配置されているものは、前記基準位置よりも前記ヘッダプレート側となる位置までは伸びていない熱交換器。 - 複数の前記フィンのうち、前記積層方向に沿った端部に配置されているものは、前記ヘッダプレートには当接していない、請求項1に記載の熱交換器。
- 前記ヘッダプレートには、
複数の前記フィンのうち、前記積層方向に沿った端部に配置されているものに当接し、当該フィンを前記チューブの長手方向に沿って圧縮するための当接部(115)が形成されている、請求項1に記載の熱交換器。 - 前記チューブの長手方向に沿って見た場合においては、
前記当接部と前記フィンとが互いに重なっている部分の、前記積層方向に沿った幅寸法は、
同方向に沿った前記フィンの幅寸法の半分以上である、請求項3記載の熱交換器。 - 前記サイドプレートには、
複数の前記フィンのうち、前記積層方向に沿った端部に配置されているものに沿って、前記基準位置まで伸びるサポート部(550)が形成されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018170592A JP2020041773A (ja) | 2018-09-12 | 2018-09-12 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018170592A JP2020041773A (ja) | 2018-09-12 | 2018-09-12 | 熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020041773A true JP2020041773A (ja) | 2020-03-19 |
Family
ID=69799305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018170592A Pending JP2020041773A (ja) | 2018-09-12 | 2018-09-12 | 熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020041773A (ja) |
-
2018
- 2018-09-12 JP JP2018170592A patent/JP2020041773A/ja active Pending
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