JP2020041040A - 液晶性エポキシ樹脂組成物、液晶性エポキシ樹脂硬化物、複合材料、絶縁材料、電子機器、構造材料、及び移動体 - Google Patents

液晶性エポキシ樹脂組成物、液晶性エポキシ樹脂硬化物、複合材料、絶縁材料、電子機器、構造材料、及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い曲げ弾性率及び高い靱性を有する硬化物を形成可能な液晶性エポキシ樹脂組成物、これを用いて作製される液晶性エポキシ樹脂硬化物、複合材料、絶縁材料、電子機器、構造材料、及び移動体を提供する。【解決手段】液晶性エポキシ樹脂組成物は、破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有するエポキシ樹脂硬化物、を形成可能である。【選択図】なし

Description

本開示は、液晶性エポキシ樹脂組成物、液晶性エポキシ樹脂硬化物、複合材料、絶縁材料、電子機器、構造材料、及び移動体に関する。
近年、航空機、自動車等の移動体の燃費向上のため,機体、車体等の軽量化が進められている。炭素繊維強化プラスチック(CFRP;carbon fiber reinforced polymer)は比強度(強度/密度)が高いため、軽量化と高強度化が実現できる。そのため、金属のCFRPへの代替が盛んに進められている。
一般的に、金属は延性破壊が問題となるのに対し、樹脂及びセラミックスはある応力の閾値を超過すると急激に発生する脆性破壊が問題となる。同様に、樹脂とセラミックスの複合体であるCFRPも、脆性破壊が問題となる。そのため、CFRPに用いられる樹脂には、高い曲げ弾性率に加えて、高い靱性が求められている。
樹脂を高靱性化する手段としては、可塑剤を添加する方法が一般的に知られている。しかしながら、樹脂に可塑剤を添加すると、硬化物の強度及び耐熱性が低下する可能性がある。そこで、液晶性を有するエポキシ樹脂を用いる方法(例えば、特許文献1参照)が検討されている。
特開2010−001427号公報
液晶性を有するエポキシ樹脂を用いて得られる硬化物は、硬化物の内部に高次構造が形成され、これによって靱性が向上する。しかしながら、液晶性を有するエポキシ樹脂を用いても、曲げ弾性率及び高靱性をいずれも向上させることは困難であった。
上記状況に鑑み、本開示は、高い曲げ弾性率及び高い靱性を有する硬化物を形成可能な液晶性エポキシ樹脂組成物、これを用いて作製される液晶性エポキシ樹脂硬化物、複合材料、絶縁材料、電子機器、構造材料、及び移動体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段は以下の通りである。
<1> 破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有するエポキシ樹脂硬化物、を形成可能な液晶性エポキシ樹脂組成物。
<2> 前記凹凸構造が縞状に形成される、<1>に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<3> 前記凹凸構造のうち、高さ0.1μm以上の凹凸構造の幅が0.1μm以上である、<1>又は<2>に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<4> 前記エポキシ樹脂硬化物を破断する前の前記液晶構造がネマチック構造である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<5> 液晶性エポキシモノマーを含有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<6> 前記液晶性エポキシモノマーが、下記一般式(3−m)で表される液晶性エポキシモノマーを含む、<5>に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
一般式(3−m)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。
<7> 前記液晶性エポキシモノマーとプレポリマー化剤との反応生成物を含む、<5>又は<6>に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<8> 前記プレポリマー化剤がハイドロキノン及びビフェノールからなる群より選択されるいずれか少なくとも1つを含む、<7>に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<9> 硬化剤及びフィラーを含有する、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<10> 前記硬化剤がアミン硬化剤を含む、<9>に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
<11> 破断する前にネマチック構造を有し、破断したときに破断面にスメクチック構造を形成する液晶性エポキシ樹脂硬化物を形成可能な液晶性エポキシ樹脂組成物。
<12> 破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有する液晶性エポキシ樹脂硬化物。
<13> 破断する前の前記液晶構造がネマチック構造である、<12>に記載の液晶性エポキシ樹脂硬化物。
<14> <12>又は<13>に記載のエポキシ樹脂硬化物と、強化材と、を含む複合材料。
<15> <12>若しくは<13>に記載のエポキシ樹脂硬化物又は<14>に記載の複合材料を含む絶縁材料。
<16> <15>に記載の絶縁材料を含む電子機器。
<17> <12>若しくは<13>に記載のエポキシ樹脂硬化物又は<14>に記載の複合材料を含む構造材料。
<18> <17>に記載の構造材料を含む移動体。
本開示によれば、高い曲げ弾性率及び高い靱性を有する硬化物を形成可能な液晶性エポキシ樹脂組成物、これを用いて作製される液晶性エポキシ樹脂硬化物、複合材料、絶縁材料、電子機器、構造材料、及び移動体が提供される。
液晶性エポキシ樹脂硬化物の破断面を表す。左上図は写真、左図は顕微鏡写真、右図は原子間力顕微鏡像を示している。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
<液晶性エポキシ樹脂組成物>
本開示の液晶性エポキシ樹脂組成物は、破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有するエポキシ樹脂硬化物、を形成可能である。液晶性エポキシ樹脂組成物が上記構成であることで、硬化物が高い曲げ弾性率及び高い靱性を両立できると考えられる。
液晶性エポキシ樹脂組成物は、破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有するエポキシ樹脂硬化物を形成可能なエポキシ樹脂組成物であれば、その成分は特に限定されない。例えば、液晶性エポキシ樹脂組成物は、液晶性エポキシモノマー、液晶性エポキシモノマーとプレポリマー化剤との反応生成物(以下、「プレポリマー」ともいう)、硬化剤、フィラー等を含有していてもよい。液晶性エポキシ樹脂組成物は、さらにその他の成分を含んでいてもよい。はじめに、液晶性エポキシ樹脂組成物が含有してもよい各成分について説明する。
(液晶性エポキシモノマー)
液晶性エポキシ樹脂組成物は、液晶性エポキシモノマーを含有してもよい。液晶性エポキシモノマーは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。液晶性エポキシモノマーは、メソゲン構造を有するエポキシモノマーである。メソゲン構造とは、これを有するエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂が液晶性を発現する可能性のある構造を意味する。具体的には、ビフェニル構造、フェニルベンゾエート構造、シクロヘキシルベンゾエート構造、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、ターフェニル構造、アントラセン構造、これらの誘導体、これらのメソゲン構造の2つ以上が結合基を介して結合した構造等が挙げられる。
メソゲン構造を有する化合物を含むエポキシ樹脂は、この樹脂を含むエポキシ樹脂組成物の硬化物中に高次構造を形成する。ここで、高次構造とは、その構成要素が配列してミクロな秩序構造を形成した高次構造体を含む構造を意味し、例えば結晶相及び液晶相が相当する。このような高次構造体の存在の有無は、偏光顕微鏡によって判断することができる。すなわち、クロスニコル状態での観察において、偏光解消による干渉縞が見られることで判別可能である。この高次構造体は、通常はエポキシ樹脂組成物の硬化物中に島状に存在してドメイン構造を形成しており、その島の一つが一つの高次構造体に対応する。この高次構造体の構成要素自体は、一般には共有結合により形成されている。
硬化した状態で形成される高次構造としては、ネマチック構造とスメクチック構造とが挙げられる。ネマチック構造とスメクチック構造は、それぞれ液晶構造の一種である。ネマチック構造は分子長軸が一様な方向を向いており、配向秩序のみをもつ液晶構造である。これに対し、スメクチック構造は配向秩序に加えて一次元の位置の秩序を持ち、層構造を有する液晶構造である。秩序性はネマチック構造よりもスメクチック構造の方が高い。
硬化物中にスメクチック構造が形成されているか否かは、硬化物のX線回折測定により判断できる。X線回折測定は、例えば、株式会社リガクのX線回折装置を用いて行うことができる。本開示では、CuKα1線を用い、管電圧40kV、管電流20mA、2θ=1°〜30°の範囲でX線回折測定を行ったとき、2θ=2°〜10°の範囲に回折ピークが現れる場合に、硬化物中にスメクチック構造が形成されていると判断する。
液晶構造を含んでおり、かつスメクチック構造を含んでいない場合は、液晶構造がネマチック構造であると判断できる。
液晶性エポキシモノマーが有するメソゲン構造は、下記一般式(1)で表される構造であってもよい。
一般式(1)中、Xは単結合、又は下記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を表す。Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
群(A)中、Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、kは0〜7の整数を示し、mは0〜8の整数を示し、lは0〜12の整数を表す。
一般式(1)で表されるメソゲン構造において、Xが上記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基である場合、当該連結基は、下記群(Aa)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基であることが好ましく、群(Aa)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を有し、かつ少なくとも1つの環状構造を有する連結基であることがより好ましい。
群(Aa)中、Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、kは0〜7の整数を示し、mは0〜8の整数を示し、lは0〜12の整数を表す。
硬化物中に高次構造を形成し易い観点からは、一般式(1)で表されるメソゲン構造は、下記一般式(2)で表されるメソゲン構造を含むことが好ましい。
一般式(2)中、Xは単結合、又は前記群(A)より選択される少なくとも1種の2価の基を有する連結基を表す。Yはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を表す。nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
一般式(2)で表されるメソゲン構造の好ましい例としては、下記一般式(3)又は一般式(4)で表されるメソゲン構造が挙げられる。
一般式(3)又は一般式(4)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。また、R〜Rのうちの2個〜4個が水素原子であることが好ましく、3個又は4個が水素原子であることがより好ましく、4個すべてが水素原子であることがさらに好ましい。R〜Rのいずれかが炭素数1〜3のアルキル基である場合、R及びRの少なくとも一方が炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
液晶性エポキシモノマーは、下記一般式(1−m)で表される構造を有する化合物であってもよい。
一般式(1−m)において、X、Y及びnの定義及び好ましい例は、上述した一般式(1)におけるX、Y及びnの定義及び好ましい例と同様である。
硬化物中に高次構造を形成する観点からは、一般式(1−m)で表される液晶性エポキシモノマーは、下記一般式(2−m)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
一般式(2−m)において、X、Y及びnの定義及び好ましい例は、一般式(1−m)におけるX、Y及びnの定義及び好ましい例と同様である。
一般式(1−m)で表される液晶性エポキシモノマーは、下記一般式(3−m)又は一般式(4−m)で表される構造を有する液晶性エポキシモノマーであることがより好ましい。
一般式(3−m)及び一般式(4−m)において、R〜Rの定義及び好ましい例は、一般式(3)及び一般式(4)のR〜Rの定義及び好ましい例と同様である。
特に、破断時に凹凸構造を形成しやすい観点から、液晶性エポキシモノマーは、一般式(3−m)で表されるモノマーを含むことが好ましい。一般式(3−m)で表されるモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、一般式(3−m)で表されるモノマーの好ましい例は、例えば、特開2011−74366号公報に記載されている。具体的に、一般式(3−m)で表されるモノマーとしては、4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、及び4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−メチルベンゾエートからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーが好ましい。
(プレポリマー)
本開示の液晶性エポキシ樹脂組成物は、液晶性エポキシモノマーとプレポリマー化剤との反応生成物であるプレポリマー(以下、単にプレポリマーともいう)を含有していてもよい。上述の一般式(3−m)で表される液晶性エポキシモノマーを含め、液晶性エポキシモノマーは一般的に結晶化しやすく、溶媒への溶解度はその他のエポキシモノマーと比べると低いものが多い。そこで、液晶性エポキシモノマーの一部を重合させてプレポリマーとすることで、結晶化が抑制され、エポキシ樹脂組成物の成形性が向上する傾向にある。
プレポリマー化剤は、後述の硬化剤と同じものであっても別のものであってもよい。具体的には、プレポリマー化剤としては、2価のアルコール基を有するジオール化合物であることが好ましく、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、及びビフェノールからなる群より選択される少なくとも1つであることがより好ましく、ハイドロキノン及びビフェノールからなる群より選択される少なくとも1つであることがさらに好ましい。特に、ハイドロキノン及び4,4’−ビフェノールは2つの水酸基がパラ位の位置関係となるように置換されている構造を有するため、液晶性エポキシモノマーと反応させて得られるプレポリマーは直線構造となりやすい。このため、分子のスタッキング性が高く、高次構造を形成し易いと考えられる。さらに、成形性の観点からは、プレポリマー化剤は4,4’−ビフェノールであることが好ましい。プレポリマー化剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
プレポリマーは、液晶性エポキシモノマー及び非液晶性エポキシモノマー(液晶性エポキシモノマー以外のエポキシモノマーをいう)と、プレポリマー化剤との反応生成物、すなわち液晶性エポキシモノマーと非液晶性エポキシモノマーとの共重合体であってもよい。非液晶性エポキシモノマーとしては、例えば、メソゲン構造を有さず1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマー、メソゲン構造を有さず2つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマー、メソゲン構造及びベンゼン環を有さず2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーが挙げられる。
なかでも、非液晶性エポキシモノマーとしては、1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーが好ましい。1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーを共重合させたプレポリマーを用いると、硬化物の高弾性率と高靱性を達成しやすい傾向にある。非液晶性エポキシモノマーは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーは、1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーであり、ベンゼン環を1つのみを有するエポキシモノマーであることが好ましい。
1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーのエポキシ当量は、特に制限されない。1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーのエポキシ当量は、架橋密度向上による硬化物の高弾性化を図る観点から、110g/eq〜160g/eqであることが好ましく、115g/eq〜150g/eqであることがより好ましい。本開示において、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、過塩素酸滴定法により測定する。
1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーは、下記の一般式(5)で表される構造を有していてもよい。
一般式(5)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を示す。pは0〜4の整数を示す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
また、pは0〜2であることが好ましく、0であることがより好ましい。
1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーは、下記の一般式(6−A)で表される構造又は一般式(6−B)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(6−A)及び一般式(6−B)において、Z、pの定義及び好ましい例は、一般式(5)のZ、pの定義及び好ましい例と同様である。*は隣接する原子との結合部位を表す。
1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーとしては、下記一般式(5−m)で表されるエポキシ化合物であることが好ましい。
一般式(5−m)において、Z、pの定義及び好ましい例は、一般式(5)のZ、pの定義及び好ましい例と同様である。
1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーとしては、下記の一般式(6−m)で表されるエポキシ化合物又は下記一般式(7−m)で表されるエポキシ化合物であることが好ましい。
一般式(6−m)及び一般式(7−m)において、Z、pの定義及び好ましい例は、一般式(5)のZ、pの定義及び好ましい例と同様である。
また、1つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーは、カテコール型ジグリシジルエーテル、レゾルシン型ジグリシジルエーテル及びヒドロキノン型ジグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
プレポリマーの共重合に用いてもよい、メソゲン構造を有さず2つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ナフタレン構造及び2つのエポキシ基を有する化合物、及びビスフェノールA骨格及び2つのエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
メソゲン構造を有さず2つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーのエポキシ当量は特に制限されない。メソゲン構造を有さず2つのベンゼン環及び2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーのエポキシ当量は、架橋密度向上による硬化物の高弾性化を図る観点から、130g/eq〜250g/eqであることが好ましく、130g/eq〜180g/eqであることがより好ましい。エポキシ化合物のエポキシ当量は、過塩素酸滴定法により測定する。
ナフタレン構造及び2つのエポキシ基を有する化合物が有するナフタレン構造としては、下記の一般式(6)で表される構造であってもよい。
一般式(6)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、又はアセチル基を示す。pは0〜6の整数を示す。*は隣接する原子との結合部位を表す。
一般式(6)中に示されている2つのエーテル基(「−O−」の部分、Zは除く)は、それぞれ異なるベンゼン環に結合していてもよく、同じベンゼン環に結合していてもよい。また、pは0〜2であることが好ましく、0であることがより好ましい。
ナフタレン構造及び2つのエポキシ基を有する化合物が有するナフタレン構造としては、下記の一般式(7)で表される構造であることが好ましい。
一般式(7)において、Z、pの定義及び好ましい例は、一般式(6)のZ、pの定義及び好ましい例と同様である。*は隣接する原子との結合部位を表す。
ナフタレン構造及び2つのエポキシ基を有する化合物としては、下記一般式(8−m)で表されるエポキシ化合物であることが好ましい。
一般式(8−m)において、Z、pの定義及び好ましい例は、一般式(6)のZ、pの定義及び好ましい例と同様である。
ナフタレン構造及び2つのエポキシ基を有する化合物としては、下記一般式(9−m)で表されるエポキシ化合物であることがより好ましい。
一般式(9−m)において、Z、pの定義及び好ましい例は、一般式(6)のZ、pの定義及び好ましい例と同様である。
プレポリマーの共重合に用いてもよい、メソゲン構造及びベンゼン環を有さず2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーとしては、特に制限されず、アルキルジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、例えば、後述の、「液晶性エポキシモノマー及びプレポリマー以外のエポキシモノマー」として例示されるエポキシモノマーのうち、ベンゼン環を有さず2つのエポキシ基を有するエポキシモノマーが挙げられる。
プレポリマーが液晶性エポキシモノマーと非液晶性エポキシモノマーとの共重合体である場合、液晶性エポキシ樹脂組成物中の、液晶性エポキシモノマー由来成分と非液晶性エポキシモノマー由来成分の比率に特に制限はなく、モル比で2:8〜8:2であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましく、4:6〜6:4であることがさらに好ましい。
ここで、「液晶性エポキシモノマー由来成分」とは液晶性エポキシモノマー自体、及びプレポリマー中の液晶性エポキシモノマーに由来する構造単位をいい、「非液晶性エポキシモノマー由来成分」とは非液晶性エポキシモノマー自体、及びプレポリマー中の非液晶性エポキシモノマーに由来する構造単位をいう。
プレポリマーは、エポキシモノマー(液晶性エポキシモノマー及び必要に応じて用いられる非液晶性エポキシモノマーを含む)のエポキシ基とプレポリマー化剤の官能基との当量比(エポキシモノマーのエポキシ基/プレポリマー化剤の官能基)が100/5〜100/50となるように、エポキシモノマーと硬化剤とを配合して反応させたものであることが好ましく、この当量比は100/10〜100/40であることがより好ましく、100/10〜100/30であることがさらに好ましい。
液晶性エポキシモノマー及びプレポリマーの合計含有率は、曲げ弾性率及び靱性の観点から、液晶性エポキシ樹脂組成物の全固形分中、5体積%〜40体積%であることが好ましく、10体積%〜35体積%であることがより好ましく、15体積%〜35体積%であることがさらに好ましく、15体積%〜30体積%であることが特に好ましい。
本開示において、液晶性エポキシ樹脂組成物の全固形分に対する液晶性エポキシモノマー及びプレポリマーの体積基準の合計含有率は、次式により求めた値とする。
液晶性エポキシモノマー及びプレポリマーの全固形分に対する合計含有率(体積%)={(Bw/Bd)/((Aw/Ad)+(Bw/Bd)+(Cw/Cd)+(Dw/Dd))}×100
ここで、各変数は以下の通りである。
Aw:フィラーの質量組成比(質量%)
Bw:液晶性エポキシモノマー及びプレポリマーの質量組成比(質量%)
Cw:硬化剤の質量組成比(質量%)
Dw:その他の任意成分(溶媒を除く)の質量組成比(質量%)
Ad:フィラーの比重
Bd:液晶性エポキシモノマー及びプレポリマーの比重
Cd:硬化剤の比重
Dd:その他の任意成分(溶媒を除く)の比重
液晶性エポキシ樹脂組成物は、プレポリマーの合成の際に未反応のまま残存した液晶性エポキシモノマー、非液晶性エポキシモノマー等が含有されていてもよく、含有されていなくてもよい。
(その他のエポキシモノマー)
エポキシ樹脂組成物は、液晶性エポキシモノマー及びプレポリマー以外のエポキシモノマーをさらに含有していてもよい。液晶性エポキシモノマー及びプレポリマー以外のエポキシモノマーとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、レゾルシノールノボラック等のフェノール化合物のグリシジルエーテル;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール化合物のグリシジルエーテル;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸化合物のグリシジルエステル;アニリン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものなどのグリシジル型(メチルグリシジル型も含む)エポキシモノマー;分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシモノマー;ビス(4−ヒドロキシ)チオエーテルのエポキシ化物;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレンパラキシリレン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂等のグリシジルエーテル;スチルベン型エポキシモノマー;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシモノマーなど(但し、これらのうち液晶性エポキシモノマーを除く)が挙げられる。液晶性エポキシモノマー及びプレポリマー以外のエポキシモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液晶性エポキシモノマー及びプレポリマー以外のエポキシモノマーの含有量は特に制限されず、質量基準で、液晶性エポキシモノマー及びプレポリマーの合計質量を1とした場合に、0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
(硬化剤)
液晶性エポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含有していてもよい。硬化剤は、液晶性エポキシモノマー又はプレポリマーと硬化反応が可能な化合物であれば特に制限されない。硬化剤の具体例としては、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、フェノール硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂組成物の硬化物の高次構造の形成の観点から、硬化剤としては、アミン硬化剤又はフェノール硬化剤が好ましく、アミン硬化剤がより好ましい。
アミン硬化剤としては、鎖状脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。なかでも、高次構造形成の観点から、芳香族アミンが好ましい。芳香族アミンとしては、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノナフタレン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。なかでも、高次構造形成の観点からはジアミノジフェニルスルホンが好ましい。
硬化剤としてアミン硬化剤を用いる場合は、必要に応じて硬化促進剤を併用してもよい。硬化促進剤を併用することで、エポキシ樹脂組成物をさらに充分に硬化させることができる傾向にある。
液晶性エポキシ樹脂組成物における硬化剤の含有量は、配合する硬化剤の種類及び液晶性エポキシモノマー、または、プレポリマーの物性を考慮して適宜設定することができる。具体的には、液晶性エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基(エポキシモノマー(液晶性エポキシモノマー及び非液晶性エポキシモノマーを含む)及びプレポリマーのエポキシ基)1当量に対して、硬化剤の官能基の当量数は0.005当量〜5当量であることが好ましく、0.01当量〜3当量であることがより好ましく、0.5当量〜1.5当量であることがさらに好ましい。硬化剤の官能基の当量数がエポキシ基の1当量に対して0.005当量以上であると、液晶性エポキシモノマーの硬化速度をより向上することができる傾向にある。また、硬化剤の官能基の当量数がエポキシ基の1当量に対して5当量以下であると、硬化反応をより適切に制御することができる傾向にある。
なお、本開示中での化学当量は、例えば、硬化剤としてフェノール硬化剤を使用した際は、エポキシ基の1当量に対するフェノール硬化剤の水酸基の当量数を表し、硬化剤としてアミン硬化剤を使用した際は、エポキシ基の1当量に対するアミン硬化剤の活性水素の当量数を表す。
(フィラー)
液晶性エポキシ樹脂組成物は、フィラーを含有してもよい。フィラーとしては、強度、及び靱性の観点から、セラミックス繊維、セラミックス粒子、ゴム粒子等が挙げられる。
フィラーの含有率は、液晶性エポキシ樹脂組成物の全固形分中、10質量%以上であることが好ましく、20質量%〜90質量%であることがより好ましく、30質量%〜80質量%であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
エポキシ樹脂組成物は、さらに、その他の成分を含有してもよい。例えば、エポキシ樹脂組成物は、サイジング材、カップリング剤、分散剤、エラストマー、溶剤等を含有してもよい。
(液晶性エポキシ樹脂組成物の調製)
液晶性エポキシ樹脂組成物は、破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有する硬化物を形成可能である。このような液晶性エポキシ樹脂組成物は、上述の液晶性エポキシモノマー及びプレポリマーの配合を調整することで得ることができる。
例えば、分子配向性を有する液晶性エポキシモノマーに、プレポリマーの共重合成分又はプレポリマー以外の成分として、高次構造の形成能を低下させにくい構造を有する非液晶性エポキシモノマーを併用する方法等によって、破断面に凹凸構造が形成される硬化物を得ることができる。この方法によれば、せん断応力が加わっていないときにネマチック構造を有し、破断したときにスメクチック構造に転移する硬化物が得られやすいと考えられる。高次構造の形成能を低下させにくい構造を有する非液晶性エポキシモノマーとしては、例えば、前述の非液晶性エポキシモノマーとして説明されたエポキシモノマーが挙げられる。
(液晶性エポキシ樹脂組成物の用途等)
本開示の液晶性エポキシ樹脂組成物は、破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有するエポキシ樹脂硬化物、を形成可能であり、硬化物としたときの靱性及び曲げ弾性率に優れる。また、本開示の液晶性エポキシ樹脂組成物は、軽量であるため、炭素繊維強化プラスチック、並びに炭素繊維強化プラスチックを利用した各種の電気及び電子機器に含まれるパッケージ材、スポーツ用品、自動車、電車車両、航空機等の移動体のボディー、建材などに好適に用いることができる。また、絶縁性にも優れるため、絶縁材料、電気・電子部品等の絶縁被膜、モールド材に好適に用いることができる。
<液晶性エポキシ樹脂硬化物>
本開示の液晶性エポキシ樹脂硬化物は、破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有する。この凹凸構造は破断時にネマチック構造がスメクチック構造に転移することで形成されると考えられる。
本開示において、硬化物の「破断面」とは、荷重を付加して硬化物を破断したときに新たに形成された面をいう。
一般的に、スメクチック構造はネマチック構造よりも靱性が高い。これは、スメクチック構造では高次構造が集合して形成されたドメインにより応力が分散されるためであると考えられる。一方、ネマチック構造はスメクチック構造よりも曲げ弾性率に優れる傾向にある。本開示の液晶性エポキシ樹脂硬化物は、荷重が付加されてせん断応力がかかったときにネマチック構造がスメクチック構造に転移すると考えられる。これにより曲げ弾性率を維持しながらも高い靱性を達成することができると考えられる。
液晶性エポキシ樹脂硬化物は、荷重が付加されていないとき、すなわち破断する前にはネマチック構造を有することが好ましい。これにより、常用時に高い曲げ弾性率を有すると考えられる。さらに、液晶性エポキシ樹脂硬化物を炭素繊維強化複合プラスチック等の用途に用いる場合には、成形性及び炭素繊維に対する密着性に優れる観点からも好ましい。
破断面における凹凸構造は、例えば原子間力顕微鏡を用いて観察することができる。例えば、株式会社キーエンス製のナノスケールハイブリッド顕微鏡(VN−8000)を用いて観察することができる。
破断面の具体的な観察方法の例を、図1を用いて説明する。図1は液晶性エポキシ樹脂硬化物に荷重を付加して硬化物を破断したときの破断面の様子を表す。図1の左上図は液晶性エポキシ樹脂硬化物を破断したときの破断面の写真、左図はその顕微鏡写真、右図はその原子間力顕微鏡像を示す。顕微鏡写真より、破断面の一部の組織の形状が異なっていることがわかる。また、原子間力顕微鏡像より、破断面の一部の組織が凹凸構造を形成していることがわかる。
凹凸構造は縞状に形成されることが好ましい。本開示において「縞状」とは、線状の複数の凹部分と凸部分が交互に配列して形成される形状をいう。縞の形状は直線状であってもよく、曲線状であってもよい。
縞状の凹凸構造は、荷重が付加されて硬化物が破断するときに、硬化物がネマチック構造から特に秩序性の高い層構造を有するスメクチック構造に転移する際に形成されるものと考えられる。したがって、このような硬化物はより高い靱性を達成できると考えられる。
液晶性エポキシ樹脂硬化物は破断したときに破断面に高さ0.1μm以上の凹凸構造を形成することが好ましい。凹凸構造の「高さ」とは、原子間力顕微鏡で観察される一続きの凹凸構造において、隣り合う凹部と凸部の高さの差の最大値をいう。
凹凸構造の高さは0.2μm以上であってもよく、0.3μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。また、凹凸構造の高さは20μm以下であってもよく、10μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。
液晶性エポキシ樹脂硬化物は破断したときに破断面に幅0.1μm以上の凹凸構造を形成することが好ましい。本開示において凹凸構造の幅とは、原子間力顕微鏡で観察される隣り合う2つの凹凸構造における、凹部の最深部同士の距離をいう。当該凹部の最深部同士の距離が部位によって異なる場合には、任意の10箇所における凹部の最深部同士の距離の平均値とする。
凹凸構造の幅は0.5μm以上であってもよく、1.0μm以上であってもよく、2.0μm以上であってもよい。また、凹凸構造の幅は30μm以下であってもよく、20μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。
特に、凹凸構造のうち高さ0.1μm以上の凹凸構造の幅が上記範囲であることが好ましい。
<複合材料>
本開示の複合材料は、上述したエポキシ樹脂硬化物と、強化材と、を含む。
複合材料に含まれる強化材の材質は特に制限されず、複合材料の用途等に応じて選択できる。強化材として具体的には、炭素材料、ガラス、芳香族ポリアミド系樹脂(例えば、ケブラー(登録商標))、超高分子量ポリエチレン、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、マイカ、シリコン等が挙げられる。強化材の形状は特に制限されず、繊維状、粒子状(フィラー)等が挙げられる。複合材料の強度の観点からは、強化材は炭素材料であることが好ましく、炭素繊維であることがより好ましい。複合材料に含まれる強化材は、1種でも2種以上であってもよい。
<絶縁材料>
本開示の絶縁材料は、本開示の液晶性エポキシ樹脂硬化物又は複合材料を含む。絶縁材料としては、絶縁基材、電気・電子部品等の絶縁被膜、モールド材などが挙げられる。
<電子機器>
本開示の電子機器は、上述の絶縁材料を含む。電子機器としては、家電製品、通信機器等が挙げられる。
<構造材料>
本開示の構造材料は、上述のエポキシ樹脂硬化物又は複合材料を含む。構造材料としては、移動体のボディー、建築物用資材、家電製品の筐体、その他各種物品が挙げられる。
<移動体>
本開示の移動体は、上述した構造材料を含む。移動体としては、自動車、船舶、鉄道車両、飛行機等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
液晶性エポキシモノマー(4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、一般式(3−m)で表され、R〜Rが水素原子である液晶性エポキシモノマー)とナガセケムテックス株式会社製EX−201(非液晶性エポキシモノマー)をモル比で1:1で混合し、プレポリマー化剤として4,4’−ビフェノールを反応させてプレポリマー(以下「樹脂1」ともいう)を調製した。
エポキシモノマー(すなわち、前記液晶性エポキシモノマーとEX−201の合計)と4,4’−ビフェノールとのモル比(エポキシモノマー/4,4’−ビフェノール)は10/2.5とした。
このプレポリマーに硬化剤(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン)を加えて液晶性エポキシ樹脂組成物を調製した。硬化剤を均一に混合するために、調製した液晶性エポキシ樹脂組成物を一旦180℃に加熱した後に室温に冷却した。
プレポリマー及び硬化剤の配合量は、エポキシ基の当量数(プレポリマーとエポキシモノマーの混合樹脂におけるエポキシ基の当量数の合計)に対する硬化剤の活性水素の当量数の比が1:1となるように調整した。
調製した液晶性エポキシ樹脂組成物を、160℃、2時間の条件で硬化して、エポキシ樹脂硬化物を得た。
[凹凸構造の観察]
ASTM D5045に基づく3点曲げ試験の条件でエポキシ樹脂硬化物を破断し、原子間力顕微鏡(株式会社キーエンス製のナノスケールハイブリッド顕微鏡(VN−8000))を用いて破断面の凹凸構造の有無、並びにその幅及び高さを観察した。
[液晶構造の観察]
エポキシ樹脂硬化物を50μmの厚さに研磨し、偏光顕微鏡(株式会社ニコン製、製品名:「OPTIPHOT2−POL」)を用いて直交ニコル下で観察して、液晶構造の有無を確認した。暗視野にならず、組織が観察できれば液晶構造を形成していると判断した。
また、液晶構造におけるスメクチック構造又はネマチック構造の有無を下記方法により確認した。CuKα1線を用い、管電圧40kV、管電流20mA、2θが1°〜30°の範囲で、X線回折装置(株式会社リガク製)を用いてX線回折測定を行った。2θが2°〜10°の範囲に回折ピークが存在する場合に、液晶構造がスメクチック構造を含んでいると判断される。液晶構造を含んでおり、かつスメクチック構造を含んでいない場合は、液晶構造がネマチック構造であると判断される。
[曲げ弾性率の測定]
エポキシ樹脂硬化物の弾性の指標として、25℃での曲げ弾性率(GPa)を求めた。試験片の曲げ弾性率は、JIS K7171(2016)に基づいて3点曲げ測定を行って算出した。評価装置には、テンシロン(株式会社エー・アンド・デイ)を用いた。
[破壊靱性値の測定]
エポキシ樹脂硬化物の靱性の指標として、破壊靱性値(MPa・m1/2)を用いた。試験片の破壊靱性値は、ASTM D5045に基づいて3点曲げ測定を行って算出した。評価装置には、インストロン5948(インストロン社)を用いた。
(実施例2)
実施例1において、プレポリマーに三菱ケミカル株式会社製エポキシモノマーYX4000H(一般式(3−m)とは異なるエポキシモノマー、以下「樹脂2」ともいう)を5質量%添加した後に、硬化剤(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン)を加えてエポキシ樹脂組成物を調製した。硬化剤を均一に混合するために、調製したエポキシ樹脂組成物を一旦180℃に加熱した後に室温に冷却した。
プレポリマー及び硬化剤の配合量は、エポキシ基の当量数(プレポリマーとエポキシモノマーの混合樹脂におけるエポキシ基の当量数の合計)に対する硬化剤の活性水素の当量数の比が、1:1となるように調整した。
調製したエポキシ樹脂組成物を、160℃、2時間の条件で硬化した。硬化物の凹凸構造及び液晶構造を実施例1と同様に観察した。また、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を実施例1と同様に測定した。
(実施例3)
樹脂2の添加量をプレポリマーに対して10質量%としたこと以外は実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
(実施例4)
実施例1において、プレポリマー化剤をハイドロキノンにして調製したプレポリマー(以下「樹脂3」ともいう)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
(実施例5)
実施例3において、プレポリマー化剤をハイドロキノンにして調製したプレポリマー「樹脂3」を用いたこと以外は実施例3と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
(比較例1)
実施例1において、プレポリマーを用いずに、樹脂2と硬化剤のみを用いてエポキシ樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
(比較例2)
実施例1において、プレポリマーを用いずに、三菱ケミカル株式会社製jER828(一般式(3−m)とは異なるエポキシモノマー、以下「樹脂5」ともいう)と硬化剤のみを用いてエポキシ樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
(比較例3)
実施例1において、液晶性エポキシモノマーの代わりに樹脂2を用いて調製したプレポリマー(以下「樹脂6」ともいう)を利用したこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
(比較例4)
実施例3において、樹脂1の代わりに樹脂6を利用したこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
(比較例5)
実施例1において、EX201を用いずに、液晶性エポキシモノマーとプレポリマー化剤のみで調製したプレポリマー(以下「樹脂7」ともいう)を利用したこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、硬化物を作製した。実施例1と同様にして、硬化物の凹凸構造及び液晶構造を観察した。また、実施例1と同様にして、硬化物の曲げ弾性率と破壊靱性値を求めた。
表1中のB欄、及び「Aに対するBの比率」の欄の「−」は、無添加であることを示す。表1中の「凹凸の幅」及び「凹凸の高さ」の欄の「−」は、凹凸構造が形成されていないことを表す。
表1に示されるように、破断時に凹凸構造が形成される実施例1〜5では、破壊靱性値及び曲げ弾性率がいずれも高い。これらの実施例1〜5はいずれもネマチック構造を形成していた。一方、比較例1〜5では、破壊時に凹凸構造が形成されず、破壊靱性値又は曲げ弾性率のいずれかが低かった。

Claims (18)

  1. 破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有するエポキシ樹脂硬化物、を形成可能な液晶性エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記凹凸構造が縞状に形成される、請求項1に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記凹凸構造のうち、高さ0.1μm以上の凹凸構造の幅が0.1μm以上である、請求項1又は請求項2に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂硬化物を破断する前の前記液晶構造がネマチック構造である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  5. 液晶性エポキシモノマーを含有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記液晶性エポキシモノマーが、下記一般式(3−m)で表される液晶性エポキシモノマーを含む、請求項5に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。

    一般式(3−m)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。
  7. 前記液晶性エポキシモノマーとプレポリマー化剤との反応生成物を含む、請求項5又は請求項6に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  8. 前記プレポリマー化剤がハイドロキノン及びビフェノールからなる群より選択されるいずれか少なくとも1つを含む、請求項7に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  9. 硬化剤及びフィラーを含有する、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  10. 前記硬化剤がアミン硬化剤を含む、請求項9に記載の液晶性エポキシ樹脂組成物。
  11. 破断する前にネマチック構造を有し、破断したときに破断面にスメクチック構造を形成する液晶性エポキシ樹脂硬化物を形成可能な液晶性エポキシ樹脂組成物。
  12. 破断したときに破断面に凹凸構造が形成され、かつ液晶構造を有する液晶性エポキシ樹脂硬化物。
  13. 破断する前の前記液晶構造がネマチック構造である、請求項12に記載の液晶性エポキシ樹脂硬化物。
  14. 請求項12又は請求項13に記載のエポキシ樹脂硬化物と、強化材と、を含む複合材料。
  15. 請求項12若しくは請求項13に記載のエポキシ樹脂硬化物又は請求項14に記載の複合材料を含む絶縁材料。
  16. 請求項15に記載の絶縁材料を含む電子機器。
  17. 請求項12若しくは請求項13に記載のエポキシ樹脂硬化物又は請求項14に記載の複合材料を含む構造材料。
  18. 請求項17に記載の構造材料を含む移動体。
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