JP2020041004A - 熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】低誘電特性、高耐熱性、及び高接着性等に優れた硬化物を与える熱硬化性樹脂組成物の提供。【解決手段】一般式(1)で表される水酸基含有イミド樹脂及びイミド基と架橋反応可能な化合物からなる樹脂組成物。H−L−(X−L)n−H(1)式中、Lは式(2)の構造単位及びフェノール系の構造単位であり、これらに由来するイミド基と水酸基の当量比は10/90〜90/10である。Xは架橋基である。【選択図】なし

Description

本発明は、低誘電特性、高耐熱性、高接着性等に優れた硬化物を与える熱硬化性樹脂を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物、およびこの熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化物、封止材、回路基板用材料、プリプレグ、または積層板に関する。
エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂は接着性、可撓性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、硬化反応性に優れることから、塗料、土木接着、注型、電気電子材料、フィルム材料等多岐にわたって使用されている。特に電気電子材料の一つであるプリント配線基板用途ではエポキシ樹脂に難燃性を付与することによって広く使用されている。
プリント配線基板の用途の一つである携帯型機器やそれを繋ぐ基地局等のインフラ機器は近年の飛躍的情報量の増大に伴い、高機能化の要求が常に求められている。特に、通信規格が4Gから5Gに変わることにより情報量は一層増加、高周波による信号の送信が必要となることが予想されている。そのため、プリント配線基板では高周波による信号の減衰を抑えるため、より低誘電正接の材料が求められている。また、プリント配線基板の細線化や高多層化に対応するため、マトリックス樹脂には高接着力および高耐熱といった特性が求められる。これらの要求を満たすには従来のエポキシ樹脂を用いたマトリックス樹脂では十分ではなく、より高機能な熱硬化性樹脂が求められている。
プリント配線基板のマトリックス樹脂に用いられてきたエポキシ樹脂の低誘電率化については、特許文献1に開示されており、原料エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA等の2価フェノール類をグリシジル化した化合物、トリス(グリシジルオキシフェニル)アルカン類やアミノフェノール等をグリシジル化した化合物等や、フェノールノボラック等のノボラック類をグリシジル化した化合物の例示がある。
エポキシ樹脂よりも耐熱性や機械特性を改善するためにイミド基含有フェノール樹脂を用いる方法が特許文献2、3に開示されており、イミド基を含むことにより耐熱性を改善している。また、基材との接着性を改善するマトリックス樹脂に適した樹脂について特許文献4に開示されており、イミド基含有フェノール樹脂をエポキシ化した化合物が例示されている。しかし、いずれの文献に開示されたエポキシ樹脂も、近年の高機能化に基づく誘電特性の要求を十分に満足するものではなく、各物性を同時に満足するものではなかった。
特開平5−43655号公報 特開平7−33858号公報 特開平7−10970号公報 特開2010−235823号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、低誘電性、高耐熱性、高接着性を同時に満足する優れた性能を有し、積層、成型、接着等の用途に有用な樹脂組成物およびその硬化物を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される水酸基含有イミド樹脂およびイミド基と架橋反応可能な化合物からなる樹脂組成物が従来にない低誘電特性と高いガラス転移温度(Tg)と良好な接着強度を同時に満足することを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される水酸基含有イミド樹脂およびイミド基と架橋反応可能な化合物からなる樹脂組成物である。

H−L−(X−L)n−H (1)

ここで、Lは下記式(2)および式(3)で表される基のいずれかであり、式(2)に由来するイミド基と式(3)に由来する水酸基のモル比(イミド基/水酸基)は10/90〜90/10である。Xは下記式(a)または式(b)で表される架橋基である。nは1〜10の数である。
Figure 2020041004

ここで、Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、炭素数6〜24の不飽和環状脂肪族基からなる群より選ばれた2価の基である。Rはハロゲン原子、水酸基、または炭素数1〜8の炭化水素基、または炭素数1〜8の炭化水素オキシ基である。pは1〜3の整数であり、qは0〜3の整数であり、pとqの和は1〜4の整数である。
Figure 2020041004

ここで、Aはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、またはビスフェニル構造から選ばれる芳香族環基であり、これらの芳香族環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜13の炭化水素基、または炭素数1〜13の炭化水素オキシ基を芳香族環の置換基として有してもよい。mは1〜3の整数である。
Figure 2020041004

式(a)および式(b)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基である。Bはベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル環から選ばれる芳香族環基であり、これらの芳香族環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜13の炭化水素基、または炭素数1〜13の炭化水素オキシ基を芳香族環の置換基として有してもよい。
上記イミド基と架橋反応可能な化合物は、水酸基、アミノ基、シアネート基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、および共役ジエン基からなる群から選ばれる官能基を少なくとも2つ以上有する化合物であることが好ましい。
また、本発明は、上記樹脂組成物を硬化してなる硬化物であり、上記樹脂組成物を使用することを特徴とする封止材、プリプレグ、または積層板である。
また、本発明は、上記一般式(1)で表される水酸基含有イミド化合物を用いた積層板である。
本発明の樹脂組成物は、その硬化物が良好な接着力を維持しつつガラス転移温度の高い硬化物物性を示す。また、誘電特性にも優れており、低誘電率、低誘電正接が求められる積層板および電子回路基板において良好な特性を発揮する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される水酸基含有イミド樹脂は上記一般式(1)で表され、イミド基と水酸基の両方の基を有する。一般式(1)において、Lは上記式(2)および式(3)で表される基から選ばれる基であり、それぞれを所定割合で含む。すなわち、それらの基に由来するイミド基と水酸基のモル比または当量比(イミド基/水酸基)は10/90〜90/10であり、好ましくは30/70〜70/30である。また、Xは上記式(a)または式(b)で表される基であり、nは1〜10の数である。なお、樹脂は混合物であるが、その平均(数平均)のnも上記範囲にあることがよい。また、式(1)中にLおよびXが複数存在する場合はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、通常、樹脂は混合物であるため、上記モル比は平均である。
上記式(2)において、Rは、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜8の炭化水素基、または炭素数1〜8の炭化水素オキシ基である。なお、2つのRが結合して環状構造になってもよい。炭素数1〜8の炭化水素基とは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、2〜8のアルキニル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数7〜8のアラルキル基等であり、炭素数1〜8の炭化水素オキシ基とは、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素数6〜8のアリールオキシ基、炭素数7〜8のアラルキルオキシ基等である。なお、Rとして、水酸基があってもよいが無いほうが好ましい。
ここで、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が例示される。また、炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、エチン基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパルギル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、プトキシ基、n−アミル基、sec−アミル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フェノキシ基、トリイル基、ベンジル基、ベンジルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜8の炭化水素オキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ビニルエーテル基、イソプロポキシ基、アリルオキシ基等が挙げられる。
式(2)において、イミド環が結合するベンゼン環は、ジカルボン酸によってイミド化している芳香族アミン化合物を構成する基であるとも言える。芳香族アミン化合物としてはアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、3−プロピルアニリン、4−プロピルアニリン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、2−sec−ブチルアニリン、3−sec−ブチルアニリン、4−sec−ブチルアニリン、4−t−ブチルアニリン、4−ペンチルアニリン、2−クロルアニリン、3−クロルアニリン、2−アミノ−1,3−レゾルシン、4−アミノ−1,3−レゾルシン、2−アミノハイドロキノン、2−メトキシアニリン、4−メトキシアニリン、2−イソプロポキシアニリン、2,4−ジメトキシアニリン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、2−メチル−3−エチルアニリン、2−メチル−6−エチルアニリン、2−メチル−6−イソプロピルアニリン、2−メチル−4−イソプロピルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−エチル−5−t−ブチルアニリン、2,4−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、4−クロロアニリン、4−ブロモアニリン、4−フルオロアニリン、3−クロロアニリン、3−ブロモアニリン、3,4−ジククロロアニリン、3−クロロ−o−トルイジン、3−クロロ−p−トルイジン、2,6−ジメチル−4−クロロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2−アミノ−4−クレゾール、4−アミノ−2−t−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−4−アミノフェノール、2,6−ジクロロ−4−アミノフェノール、1,1−ジメチル−4−アミノインダン、o−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノエチルベンゼン、2,6−ジアミノエチルベンゼン、2,4−ジアミノイソプロピルベンゼン、2,4−ジアミノ−t−ブチルベンゼン、2,6−ジアミノ−t−ブチルベンゼン、2,4−ジアミノ−1,3−ジメチルベンゼン、1,1−ジメチル−4,6−ジアミノインダン等のハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜8の炭化水素基、または炭素数1〜8の炭化水素オキシ基を1個または複数有する芳香族アミン化合物、好ましくはアニリン類が挙げられる。これらのアニリン類の内、好適な化合物はアニリンである。
式(2)において、Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、および炭素数6〜24の不飽和環状脂肪族基からなる群より選ばれた2価の基を示す。Zは式(2)中のイミド環を構成する基であるので、ジカルボン酸類の残基と理解することも可能である。ジカルボン酸類としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、メチル無水ハイミック酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等がある。
式(2)において、pは置換基Zの数を表し、1〜3の整数であり、qは置換基Rの数を表し、0〜3の整数である。そして、pとqの和は1〜4の整数である。
上記式(3)において、Aは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、芳香族基、フェノール基、またはハロゲン原子が置換してもよいベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル、またはビスフェニル構造からなる芳香族環基を示す。ここで、ビスフェニル構造は、Ph−Y−Ph(Phはフェニル基、Yは2価の基)で表される構造である。
Aはフェノール化合物を構成する基であるとも言えるので、フェノール化合物の説明からAが理解できる。フェノール化合物としては一価または二価フェノール、ビスフェノール、トリスフェノール、および一価または二価ナフトール等が挙げられる。具体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフェノール、o−フェニルフェノール、p−フェノキシフェノール、o−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジヒドロキシジフェニルメタン、α−ナフトール、β−ナフトール、1,6−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール等が挙げられる。
Xは式(a)または式(b)で表される架橋基であるが、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を示し、Bはベンゼン環、ビフェニル環またはナフタレン環からなる基を示す。ここで、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、アミル基、フェニル基等が挙げられる。式(a)の好ましい架橋基としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチレン基が例示され、式(b)の好ましい架橋基としては、p−キシリレン基、m−キシリレン基、1,4−ビスエチリデンフェニレン基、1,3−ビスエチリデンフェニレン基、1,4−ビスイソプロピリデンフェニレン基、1,3−ビスイソプロピリデンフェニレン基、4,4’−ビスメチレンビフェニル基、3,4’−ビスメチレンビフェニル基、3,3’−ビスメチレンビフェニル基、4,4’−ビスエチリデンビフェニル基、3,4’−ビスエチリデンビフェニル基、3,3’−ビスエチリデンビフェニル基、4,4’−ビスイソプロピリデンビフェニル基、3,4’−ビスイソプロピリデンビフェニル基、3,3’−ビスイソプロピリデンビフェニル基、1,4−ビスメチレンナフタレン基、1,5−ビスメチレンナフタレン基、1,6−ビスメチレンナフタレン基、2,7−ビスメチレンナフタレン基、1,4−ビスエチリデンナフタレン基、1,5−ビスエチリデンナフタレン基、1,6−ビスエチリデンナフタレン基、2,7−ビスエチリデンナフタレン基、1,4−ビスイソプロピリデンナフタレン基、1,5−ビスイソプロピリデンナフタレン基、1,6−ビスイソプロピリデンナフタレン基、2,7−ビスイソプロピリデンナフタレン基が例示される。XはLを架橋するが、Lを構成する式(2)および式(3)で表される基に対するXの置換位置は、特に限定するのもではない。
本発明で使用されるイミド基と架橋反応可能な化合物(架橋反応可能な化合物とも言う。)として、フェノール性水酸基、アミノ基、シアネート基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、共役ジエン基等のイミド樹脂と架橋反応し得る官能基を有する化合物や、オキサジン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物等である。具体的には、フェノール性水酸基およびアミノ基は、イミド基の炭素−炭素二重結合とマイケル付加反応により結合する。また、オキサジン化合物は反応初期にオキサジン環の開環反応によりフェノール性水酸基を発生し、次にイミド基の炭素−炭素二重結合とマイケル付加反応により結合する。シアネート基は炭素−炭素二重結合と4員環または6員環を形成する。アリル基、アクリル基、メタクリル基、およびビニル基は、イミド基の炭素−炭素二重結合と共重合またはene反応により結合する。共役ジエン基はイミド基の炭素−炭素二重結合とディールス・アルダー反応により結合する。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。さらには、フェノール類、ナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレンジクロライド、ビスクロロメチルビフェニル、ビスクロロメチルナフタレン等の縮合剤により合成される多価フェノール性樹脂等がある。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
アミノ基を有する化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン等の脂肪族アミン類、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルプロパン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の芳香族アミン類、ポリアミン類、ダイマー酸等の酸類とポリアミン類との縮合物であるポリアミドアミン、ジシアンジアミド等のアミン系化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
シアネート基を有する化合物としては、例えば、フェノール類と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類とケトン類との重縮合物およびビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物等をハロゲン化シアンと反応させることにより得られるシアネートエステル化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
アリル基を有する化合物としては、例えば、4,4’−ビスフェノールAジアリルエーテル、4,4’−ビスフェノールFジアリルエーテル、 4,4’−ビスフェノールFジ−2−メチルアリルエーテル、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、2,2−ジ(4−アセチルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)プロパン、ジ(4−アセチルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)メタン、ジ(4−アセチルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)スルホン、2,2−ジ(4−ベンゾイルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)プロパン、ジ(4−ベンゾイルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)メタン、ジ(4−ベンゾイルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)スルホン、2,2−ジ(4−トルオイルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)プロパン、ジ(4−トルオイルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)メタン、ジ(4−トルオ イルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)スルホン、2,2−ジ(4−プ ロピオニルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)プロパン、ジ (4−プ ロピオニルオキシ−3−(メタ)アリ ルフェ ニル)メタン、ジ(4−プロピオニルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)スルホン、2,2−ジ(4−ブチリルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−イソブチリルオキシ−3−(メタ)アリルフェニル)プロパン・アリルクロリド、アリルアルコール、アリルエチルエーテル、アリル−2−ヒドロキシエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、−2−メチルアリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、多価フェノール化合物にハロゲン化アリルやハロゲン化−2−メチルアリルを反応させて得られるアリルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
(メタ)アクリル基を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アルコキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のメチロール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、エチレンオキサイド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート等のリン酸骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、等のペンタエリスリトール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、等のグリセロール骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、等のイソシアヌレート環骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、両末端(メタ)アクリル変性ポリフェニレンオキサイド等のポリフェニレンオキサイド骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、両末端(メタ)アクリル変性シリコーン樹脂等のシロキサン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。これらの多官能(メタ)アクリレート化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
ビニル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等のエーテル結合を有する多官能ビニル化合物、アジピン酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、等のエステル結合を有する多官能ビニル化合物、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の多官能ビニル芳香族化合物等がある。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。また、これらと単官能ビニル化合物を重合させてプレポリマー化した多官能ビニル化合物を用いてもよい。
さらに、本発明の樹脂組成物には必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤を用いるとイミド基と架橋反応可能な化合物、および水酸基含有イミド化合物に含まれる水酸基がイミド基と付加反応を起こして架橋するので硬化物は良好な物性を示す。
例えば、水酸基とイミド基の反応は、下記反応式(7)が例示される。
Figure 2020041004
硬化促進剤の例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、有機ホスフィン類とキノン化合物との付加反応物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等がある。添加量としては、樹脂組成物100質量部に対して、0.2〜5質量部の範囲である。
本発明の水酸基含有イミド化合物、架橋反応可能な化合物からなる樹脂組成物に過酸化物等の重合開始剤を用いて硬化させると、架橋反応可能な化合物がフェノール性水酸基、アミノ基、シアネート基を有する化合物である場合、イミド基の一部が下記反応式(8)で例示される反応により、単独で重合するため硬化物のガラス転移点が低下する等、物性を低下させるので好ましくない。架橋反応可能な化合物がフェノール性水酸基、アミノ基、シアネート基を有する化合物である場合、硬化促進剤を配合した後、加熱硬化することで好ましい物性の硬化物を得られる。
Figure 2020041004
本発明の樹脂組成物は、水酸基含有イミド化合物、イミド基と架橋反応可能な化合物を含み、必要により、充填材、シランカップリング剤、酸化防止剤、離型剤、消泡剤、乳化剤、揺変性付与剤、平滑剤、難燃剤、顔料等のその他の添加剤等を含むことができる。
充填材としては、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、窒化ホウ素、炭素、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、微粒子ゴム、熱可塑性エラストマー、顔料等が挙げられる。充填材を使用する理由としては耐衝撃性の向上効果が挙げられる。また、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を用いた場合は、難燃助剤として作用し難燃性が向上する効果がある。
樹脂組成物を板状基板等とする場合、その寸法安定性、曲げ強度等の点で繊維状のものが好ましい充填材として挙げられる。より好ましくはガラス繊維を網目状に編み上げた繊維状基材の充填材を使用したガラス繊維基板が挙げられる。
充填材の配合量は、添加剤を除く樹脂組成物に対し、1〜150質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。配合量が多いと硬化物が脆くなり、十分な機械物性を得られなくなる恐れがある。また配合量が少ないと、硬化物の耐衝撃性の向上等、充填材の配合効果がでない恐れがある。また、充填材以外のその他の添加剤の配合量は、添加剤を除く樹脂組成物に対し、0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物を加熱硬化することによって硬化物を得ることができる。硬化物を得るための方法としては、注型、圧縮成形、トランスファー成形等や樹脂シート、樹脂付き銅箔、プリプレグ等の形態とし積層して加熱加圧硬化することで積層板とする等の方法が好適に用いられる。この際の温度は通常、150〜300℃の範囲であり、硬化時間は通常、10分間〜5時間程度である。
本発明の樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。樹脂組成物は、従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。硬化物としては、積層物、注型物、成型物、接着層、絶縁層、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
樹脂組成物が用いられる用途としては、プリント配線基板材料、フレキシルブル配線基板用樹脂組成物、ビルドアップ基板用層間絶縁材料等の回路基板用絶縁材料、半導体封止材料、導電ペースト、導電フィルム、ビルドアップ用接着フィルム、樹脂注型材料、接着剤等が挙げられる。これら各種用途のうち、プリント配線基板材料、回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ、いわゆる電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。これらの中でも、高難燃性、高耐熱性、低誘電特性、及び溶剤溶解性といった特性からプリント配線板材料、フレキシルブル配線基板用樹脂組成物、ビルドアップ基板用層間絶縁材料等の回路基板(積層板)用材料、及び半導体封止材料に用いることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる封止材としては、テープ状の半導体チップ用、ポッティング型液状封止用、アンダーフィル用、半導体の層間絶縁膜用等があり、これらに好適に用いることができる。樹脂組成物を半導体封止材料用に調製するためには、樹脂組成物に必要に応じて配合される無機充填材やカップリング剤、離型剤等の添加剤を予備混合した後、押出機、ニ−ダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に溶融混合する手法が挙げられる。その際、無機充填材としては、通常シリカが用いられ、樹脂組成物中に無機質充填材を70〜95質量%配合することが好ましい。
このようにして得られた樹脂組成物を半導体パッケージとして使用する場合は、樹脂組成物を注型、またはトランスファー成形機、射出成形機等を用いて成形し、さらに180〜250℃で0.5〜5時間に加熱硬化することにより成形物を得る方法が挙げられる。
テープ状封止材として使用する場合は、これを加熱して半硬化シートを作製し、封止材テープとした後、この封止材テープを半導体チップ上に置き、100〜150℃に加熱して軟化させ成形し、180〜250℃で完全に硬化させる方法を挙げられる。また、ポッティング型液状封止材として使用する場合は、得られた樹脂組成物を必要に応じて溶剤に溶解した後、半導体チップや電子部品上に塗布し、直接硬化させればよい。
本発明の樹脂組成物は有機溶剤に溶解させてワニス状態に調製することができる。使用できる有機溶剤としてはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒等が挙げられ、1種または2種以上を混合して使用できる。工業的に入手できる有機溶剤であれば特に限定されないが、溶解性、取扱い性の点からメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミドが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、有機溶剤に溶解させた組成物ワニスとした後に、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー等のポリエステル不織布等の繊維状物に含浸後、溶剤除去を行い、プリプレグにすることができる。また、組成物ワニスを銅箔、ステンレス箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等のシート状物上に塗布後、乾燥することにより接着シートにすることができる。
上記プリプレグを用いて積層板を形成する場合は、一枚または複数枚のプリプレグを積層し、片側または両側に金属箔を配置して積層物を構成し、この積層物を加圧加熱することでプリプレグを硬化、一体化させて、積層板を得ることができる。ここで金属箔としては、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル等の単独、合金、複合の金属箔を用いることができる。積層物を加熱加圧する条件としては、樹脂組成物が硬化する条件で適宜調整して加熱加圧すればよいが、加圧があまり低いと、得られる積層板の内部に気泡が残留し、電気的特性が低下する場合があるため、成型性を満足する条件で加圧することが望ましい。加熱温度は、160〜250℃が好ましく、170〜220℃がより好ましい。加圧圧力は、0.5〜10MPaが好ましく、1〜5MPaがより好ましい。加熱加圧時間は、10分間〜4時間が好ましく、40分間〜3時間がより好ましい。さらにこのようにして得られた単層の積層板を内層材として、多層板を作成することができる。この場合、まず積層板にアディティブ法やサブトラクティブ法等にて回路形成を施し、形成された回路表面に黒化処理を施して内層材を得る。この内層材の片面または両側の回路形成面に、プリプレグや接着シートにて絶縁層を形成するとともに、絶縁層の表面に導体層を形成して、多層板形成するものである。
上記の多層板を作成する方法に加え、本発明ではイミド基と架橋反応可能な化合物を配合することなく、水酸基含有イミド樹脂のみを樹脂成分に用いて積層板を作成することができる。水酸基含有イミド樹脂は樹脂自体に架橋反応可能なフェノール性水酸基を含むことから適切な硬化促進剤を配合することにより、良好な特性を持つ積層板を得ることができる。特に、誘電特性に優れた積層板を得ることができる。
水酸基含有イミド樹脂におけるイミド基と水酸基のモル比(イミド基/水酸基)は、水酸基の比率が小さい時は高耐熱性と低誘電特性に優れる積層板が得られ、逆に水酸基の比率が大きい時は高接着性に優れる積層板が得られる。モル比(イミド基/水酸基)は、10/90〜90/10であり、20/80〜80/20が好ましく、50/50〜70/30がより好ましい。
水酸基含有イミド樹脂のみを樹脂成分に用いて樹脂組成物を作成する場合は、上記硬化促進剤を用い、必要により、上記その他の添加剤等を含むことができ、上記各成分を均一に混合することにより得られる。
水酸基含有イミド樹脂のみを樹脂成分に用いた樹脂組成物から積層板を作成する場合は、注型、圧縮成形、トランスファー成形等や樹脂シート、樹脂付き銅箔、プリプレグ等の形態とし積層して加熱加圧硬化することで積層板とする等の方法が好適に用いられる。この際の温度は通常、150〜300℃の範囲であり、硬化時間は通常、10分間〜5時間程度である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断りがない限り「部」は質量部を表し、「%」は質量%を表す。測定方法はそれぞれ以下の方法により測定した。当量の単位はいずれも「g/eq.」である。
(1)アミノ基当量:
JIS K 7237規格に準拠して測定した。具体的には、電位差滴定装置を用い、溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、0.1mol/L過塩素酸−酢酸溶液を用いた。
(2)水酸基当量:
JIS K 0070規格に準拠して測定した。アミノ基についても検出することから、JIS K 7237に準拠して測定したアミノ基当量を除外することで算出した。
(3)軟化点:
JIS K 7234規格、環球法に準拠して測定した。具体的には、自動軟化点装置(株式会社メイテック製、ASP−MG4)を用いた。
(4)ガラス転移温度(Tg):
JIS C 6481規格に準拠して測定した。動的粘弾性測定装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、EXSTAR DMS6100)にて5℃/分の昇温条件で測定を行った時のtanδピークトップで表した。
(5)銅箔剥離強さ:
JIS C 6481規格に準拠して測定した。
(6)比誘電率および誘電正接:
IPC−TM−650 2.5.5.9規格に準じてマテリアルアナライザー(AGILENT Technologies社製)を使用し、容量法により周波数1GHzにおける誘電率および誘電正接を測定した。
合成例1
アニリン100部、1−ナフトール66部、パラキシレンジクロライド(PXDC)54部を仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し溶解させた。次に、撹拌しながら180℃まで昇温し、5時間反応させた。その後トルエン330部に溶解させてから、48%水酸化ナトリウム水溶液51部にて中和し、分液を行った。トルエン溶液を減圧下220℃にて未反応ナフトール、アニリンを除去し、アミノ基含有フェノール樹脂を得た。得られたアミノ基含有フェノール樹脂のアミノ基当量および水酸基当量を測定した。
続いて、ディーンスターク管を取り付けたフラスコに、得られたアミノ基含有フェノール樹脂全量、無水マレイン酸53部、p−トルエンスルホン酸(PTS)1.4部、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)70部、トルエン70部を仕込み、窒素を導入しながら90℃に加熱し溶解させた。さらに、撹拌しながら115℃まで加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、トルエンだけを系内に戻して脱水を行った。115℃で還流脱水しながら6時間反応させた。反応終了後、120℃でトルエンを減圧除去し、樹脂液を大量の水に注ぎこみ、PTSと過剰の無水マレイン酸を除去した。沈殿した樹脂を濾過で回収し、減圧乾燥することで水酸基含有イミド樹脂(樹脂1)110部を得た。軟化点は96℃であった。
合成例2〜14
表1、表2に示す各原料の仕込量(部)に従い、合成例1と同様の装置を使用し、同様の操作で、水酸基含有イミド樹脂(樹脂2〜14)を得た。合成例1と同様に、得られた樹脂の軟化点を測定し結果を表1、表2に示す。
なお、表中のモル比は、水酸基含有イミド化合物のイミド基と水酸基のモル比(イミド基/水酸基)であり、上記樹脂のアミノ基当量と水酸基当量の測定結果から、イミド基当量は樹脂のアミノ基が全てイミド化されたと仮定して算出した。
Figure 2020041004
Figure 2020041004
架橋反応可能な化合物、エポキシ樹脂、その他の材料の略号について以下に示す。
(イミド基と架橋反応可能な化合物)
b1:ナフトールアラルキル樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、SN−485、軟化点85℃)
b2:2,4−ジアミノトルエン
b3:スチレン末端変性ポリフェニレンオキサイド(三菱ガス化学株式会社製、OPE−2St)
(エポキシ樹脂)
e1:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、NC−3000、エポキシ当量275)
(その他)
BCMB:4,4’−ビスクロロメチルビフェニル
2E4MZ:硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、キュアゾール2E4MZ)
パーブチルP:重合開始剤(α,α’−ビス(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、日本油脂株式会社製、パーブチルP)
実施例1
合成例1で得られた樹脂1を100部、b1を15部、2E4MZを1.7部配合し、メチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂濃度50%の樹脂組成物ワニスを得た。
得られた樹脂組成物ワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製、WEA 7628 XS13、0.18mm厚)に含浸した。含浸したガラスクロスを150℃の熱風循環オーブン中で11分間乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ8枚と、上下に銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−III、厚み35μm)を重ね、130℃×15分+220℃×120分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、1.6mm厚の積層板を得た。積層板の銅箔剥離強さ、Tgの測定結果を表3に示す。
また、得られたプリプレグをほぐし、篩で100メッシュパスの粉状のプリプレグパウダーとした。得られたプリプレグパウダーをフッ素樹脂製の型に入れて、130℃×15分+220℃×120分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、50mm角×2mm厚の硬化樹脂試験片を得た。試験片の比誘電率および誘電正接の測定結果を表3に示す。
実施例2〜12、比較例1〜4、参考例1
表3、表4の処方の配合量(部)で配合し、実施例1と同様の装置を使用して、同様の操作で、樹脂組成物ワニスを得て、さらに積層板と硬化樹脂試験片を得た。実施例1と同様の試験を行い、その結果を表3、表4に示す。なお、使用樹脂の配合量はいずれも100部である。
Figure 2020041004
Figure 2020041004
実施例13
合成例1で得られた樹脂1を100g、2E4MZを1.5部で配合し、MEKに溶解して樹脂濃度50%の樹脂組成物ワニスを得た。
得られた樹脂物組成物ワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製、WEA 7628 XS13、0.18mm厚)に含浸した。含浸したガラスクロスを150℃の熱風循環オーブン中で11分間乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ8枚と、上下に銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−III、厚み35μm)を重ね、130℃×15分+220℃×120分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、1.6mm厚の積層板を得た。積層板の銅箔剥離強さ、Tgの測定結果を表5に示す。
また、得られたプリプレグをほぐし、篩で100メッシュパスの粉状のプリプレグパウダーとした。得られたプリプレグパウダーをフッ素樹脂製の型に入れて、130℃×15分+220℃×120分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、50mm角×2mm厚の硬化樹脂試験片を得た。試験片の比誘電率および誘電正接の測定結果を表5に示す。
実施例14〜実施例22、比較例6〜比較例9
表5、表6の処方の配合量(部)で配合し、実施例13と同様の装置を使用して、同様の操作で、水酸基含有イミド化合物組成物ワニスを得て、さらに積層板と硬化樹脂試験片を得た。実施例13と同様の試験を行い、その結果を表5、表6に示す。なお、使用樹脂の配合量は、いずれも100部である。
Figure 2020041004
Figure 2020041004
本発明の樹脂組成物またはこれから得られる硬化物は、高いガラス転移点と低誘電特性と接着性に優れ、電子回路基板用の熱硬化性樹脂として利用することができる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される水酸基含有イミド樹脂およびイミド基と架橋反応可能な化合物を含むことを特徴とする樹脂組成物。

    H−L−(X−L)n−H (1)

    (式中、Lは下記式(2)および式(3)で表される基のいずれかであり、式(2)に由来するイミド基と式(3)に由来する水酸基のモル比(イミド基/水酸基)は10/90〜90/10である。Xは下記式(a)または式(b)で表される架橋基である。nは1〜10の数である。)
    Figure 2020041004

    (式中、Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、および炭素数6〜24の不飽和環状脂肪族基からなる群より選ばれた2価の基である。Rはハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜8の炭化水素基、または炭素数1〜8の炭化水素オキシ基である。pは1〜3の整数であり、qは0〜3の整数であり、pとqの和は1〜4の整数である。)
    Figure 2020041004

    (式中、Aはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、またはビスフェニル構造から選ばれる芳香族環基であり、これらの芳香族環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜13の炭化水素基、または炭素数1〜13の炭化水素オキシ基を芳香族環の置換基として有してもよい。mは1〜3の整数である。)
    Figure 2020041004

    (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基である。Bはベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル環から選ばれる芳香族環基であり、これらの芳香族環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜13の炭化水素基、または炭素数1〜13の炭化水素オキシ基を芳香族環の置換基として有してもよい。)
  2. イミド基と架橋反応可能な化合物が、水酸基、アミノ基、シアネート基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、および共役ジエン基からなる群から選ばれる官能基を少なくとも2つ以上有する化合物である請求項1項に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  4. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする封止材。
  5. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする回路基板用材料。
  6. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とするプリプレグ。
  7. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする積層板。
  8. 下記一般式(1)で表される水酸基含有イミド樹脂を用いたことを特徴とする積層板。

    H−L−(X−L)n−H (1)

    (式中、Lは下記式(2)および式(3)で表される基のいずれかであり、式(2)に由来するイミド基と式(3)に由来する水酸基のモル比(イミド基/水酸基)は10/90〜90/10である。Xは下記式(a)または式(b)で表される架橋基である。nは1〜10の数である。)
    Figure 2020041004

    (式中、Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、炭素数6〜24の不飽和環状脂肪族基からなる群より選ばれた2価の基である。Rはハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜8の炭化水素基、または炭素数1〜8の炭化水素オキシ基である。pは1〜3の整数であり、qは0〜3の整数であり、pとqの和は1〜4の整数である。)
    Figure 2020041004

    (式中、Aはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、またはビスフェニル構造から選ばれる芳香族環基であり、これらの芳香族環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜13の炭化水素基、または炭素数1〜13の炭化水素オキシ基を芳香族環の置換基として有してもよい。mは1〜3の整数である。)
    Figure 2020041004

    (式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基である。Bはベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル環から選ばれる芳香族環基であり、これらの芳香族環基は、ハロゲン原子、炭素数1〜13の炭化水素基、または炭素数1〜13の炭化水素オキシ基を芳香族環の置換基として有してもよい。)
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