JP2020040398A - 易開封性フィルムおよびそれを用いた積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)被着体とヒートシール可能であり、ポリオレフィン系樹脂組成物からなるシール層と、該シール層とは反対側に位置する支持体層とを有する積層構成を有し、前記シール層が、粘着付与剤と、非イオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤と有機スルホン酸塩の混合物を含む界面活性剤を0.5〜10重量%、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂を5〜40重量%含有することを特徴とする易開封性フィルム。
(2)前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂である、(1)に記載の易開封性フィルム。
(3)前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニル含有量が20〜40重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体である、(1)に記載の易開封性フィルム。
(4)前記シール層の算術平均表面粗さが0.2μm以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の易開封性フィルム。
(5)前記シール層の0℃、1Hzにおけるせん断貯蔵弾性率が10〜40MPaである、(1)〜(4)のいずれかに記載の易開封性フィルム。
(6)前記シール層に隣接する層が界面活性剤を含有し、該隣接する層中の前記界面活性剤の濃度が0.05〜1重量%の範囲にある、(1)〜(5)のいずれかに記載の易開封性フィルム。
(7)前記シール層が、脂環族系樹脂とロジンエステル系樹脂との混合物からなる粘着付与剤を1〜15重量%含有する、(1)〜(6)のいずれかに記載の易開封性フィルム。
(8)前記非イオン性界面活性剤が3または4価の脂肪族多価アルコールと炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物からなり、有機スルホン酸塩が炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩からなり、非イオン性界面活性剤/有機スルホン酸塩の混合重量比が70/30〜100/0の範囲にある、(1)〜(7)のいずれかに記載の易開封性フィルム。
(9)前記シール層の表面比抵抗が1×1010〜1×1013Ω/□である、(1)〜(8)のいずれかに記載の易開封性フィルム。
(10)前記シール層とA−PETシートをヒートシールした場合のシール強度が雰囲気温度23℃下で10〜25N/15mmで、4℃下および0℃下で5〜20N/15mmの範囲にある、(1)〜(9)のいずれかに記載の易開封性フィルム。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の易開封性フィルムの支持体層上に、該易開封性フィルムとは異種の素材からなる層が積層されている積層体。
本発明の易開封性フィルムは、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる。ポリオレフィン系樹脂組成物とは、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のオレフィンモノマーからの単独重合物やこれらの共重合物、さらにはエチレンとカルボン酸ビニル、エチレンとα、β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体を主体とした樹脂組成物である。
本発明における物性、特性の測定方法並びに効果の評価方法は、次の通りである。
JIS K7112−1980に規定された密度勾配管法に従い密度を測定した。
ダイヤルゲージ式厚さ計(JIS B−7509:1974、測定子5mmφ平型)を用いて、フィルムの長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
フィルムの断面をミクロトームにて切り出し、その断面についてデジタルマイクロスコープVHX−100形(株式会社キーエンス製)を用いて1000倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、各層の厚さ方向の距離を計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚さを求めた。尚、各層の厚さを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真計5枚を使用し、それらの平均値として算出した。
JIS K−7210−1:2014に準拠して、190℃で測定した。
株式会社島津製作所製の示差走査熱量測定装置DSC(DSC−60A)を使用し、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で200℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴う吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とした。
易開封性フィルムとしての積層フィルムを製膜した後、フィルム状態を目視および指でフィルム表面を擦り、白粉が確認されたものを×、フィルム表面に白粉が発生せず綺麗な状態のものを○とした。また、樹脂の混練ムラによるスジについても有無を、×○で判定した。
JIS K−7206:2016に準拠して測定した。
シール層表面の算術平均表面粗さは、(株)小坂研究所製の高精度微細形状測定器(SURFCORDER ET4000A)を用い、JIS B0601−1994に準拠し、幅方向に2mm、長手方向に0.2mmの範囲について、走査方向を幅方向とし、長手方向に10μm間隔で21回の測定を実施し3次元解析を行い、評価した。なお、触針先端半径2.0μmのダイヤモンド針を使用、測定力100μN、カットオフ0.8mmで測定した。算術平均表面粗さが0.2μm以上のものを〇、0.2μm未満のものを△とした。
実施例および比較例に示す易開封性フィルムから、シール層のみを削り取り、これを厚さ1mmに溶融成型したものをサンプルとした。測定はTAインスツルメント社製レオメーターAR2000exを用いて、温度0℃、周波数1Hz、ひずみ0.01%で動的せん断変形させ、せん断貯蔵弾性率を測定した。
易開封性フィルムを温度23℃、相対湿度65%で24時間静置して調湿した後、同条件下でデジタル超高抵抗/微小電流計(アドバンテスト社製R8340A)を用い、印加電圧100Vにて表面比抵抗を測定した。表面比抵抗が1×1010〜1×1013Ω/□の範囲であったものを〇、前記範囲を外れたものを△とした。
押出機にてポリエチレンテレフタレート樹脂を温度160〜200℃で溶融し、ダイよりフィルム状に押し出し、25〜50℃の冷却ロールでキャスト冷却固化し、厚さ300μmの評価用ポリエチレンテレフタレートのシートを作成し、本発明における評価用のA−PETシートとした。
易開封性フィルムの支持体層側に厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、P60(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標))をポリウレタン接着剤で塗布量2g/m2にてドライラミネートし、40℃、72時間エージングしたサンプルをシール用複合フィルム(本発明に係る積層体構成のシール用複合フィルム)とした。
(12)で作成したシール用複合フィルムを100mm×15mmに切り出し、シール層と(11)で作成した厚さ300μmの評価用A−PETシートに重ね、テスター産業株式会社製の平板ヒートシールテスター(TP−701B)を使用し、シール温度140〜180℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを、雰囲気温度23℃、4℃、0℃中で2分間放置後に、株式会社オリエンテック製のテンシロン(RTC−1210A)を使用して300mm/分の引張速度で、剥離角度を保持せずに剥離した時のヒートシール強度を測定した。その時、1試料についてn数10の測定値の平均値をとり、雰囲気温度23℃で10〜25N/15mm、雰囲気温度0〜4℃で5〜20N/15mmであるものを〇とし、該範囲を外れたものを×とした。
(12)で作成したシール用複合フィルムを100mm×100mmにサンプルを切り出し、シール層を水50cc注入したポリプロピレン製容器(70φ×55H、東罐興業株式会社製)に重ねて、エーシンパック工業株式会社製のハンドシーラーを使用し、ヒートシール温度180℃、シール圧力0.3MPa、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを作成した。そのサンプルを3〜4℃の冷蔵庫内で24時間放置した後、目視で曇り度合を評価し次の判定を行った。〇:曇らない。△:少し曇る。×:曇る。
ロール状に積層された易開封性フィルムを巻き出す際に静電気の発生が少なく、作業性に問題なかったものを〇、静電気が発生し、塵埃の付着が生じたものを△とした。
(12)で作成したシール用複合フィルムの易開封性フィルムの支持層と2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(P60)間のラミネート強度を測定した。その時、1試料についてn数10の測定値の平均値をとり、5N/15mm以上もしくは易開封性フィルムが破断したものを〇とし、3〜5N/15mmの範囲を△、該範囲を外れたものを×とした。
(12)で作成したシール用複合フィルムを2枚準備し、シール層と2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(P60)面を30mm×40mmの範囲を重ね合わせて、その範囲に200gの荷重をかけ、40℃のオーブン内で1日保管した後、23℃、湿度65%の雰囲気下に30分以上放置した後、オリエンテック社製テンシロンを使用して300mm/分の引張速度でせん断剥離力を測定した。せん断剥離力の最大値が8N/12cm2以下のものを〇、8N/12cm2を超えるものを△とした。
(1)高密度ポリエチレン(HD−1)
MFR=7.5g/10分、密度=0.961g/cm3、Tm=132℃。
酢酸ビニル含有量が6重量%、MFR=16g/10分、ビカット軟化点75℃のエチレン・酢酸ビニル共重合体に粘着付与剤(脂環族系炭化水素樹脂(荒川化学(株)製、“アルコン”P90)とロジンエステル系樹脂(荒川化学(株)製、AA−L)を等量配合したもの)を11重量%を溶融混錬し得たマスターバッチ。
上記MB−1を85重量%と界面活性剤(ジグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、“ポエム”DS−100A)とアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(日油(株)製、“ニューレックス”R)を混合重量比75/25で配合したもの)15重量%を溶融混錬し得たマスターバッチ(粘着付与剤は9重量%)。
MFR=2.1g/10分、密度=0.92g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンに界面活性剤15重量%を溶融混錬したマスターバッチ。
MFR=30g/10分、密度=0.954g/cm3、Tm=64℃、ビカット軟化点=40℃以下、酢酸ビニル含有量=32重量%。
MFR=18g/10分、密度=0.949g/cm3、Tm=69℃、ビカット軟化点=40℃、酢酸ビニル含有量=28重量%。
MFR=30g/10分、密度=0.88g/cm3、Tm=66℃、ビカット軟化点=40℃以下。
MFR=2.5g/10分、密度0.925g/cm3、Tm=99℃、ビカット軟化点=80℃、酢酸ビニル含有量=6重量%。
MFR=2.0g/10分、密度=0.90g/cm3、Tm=115℃、ビカット軟化点=67℃。
MFR=2.1g/10分、密度=0.92g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンに平均粒子径9μmの市販のアクリル粒子10重量%を溶融混練したマスターバッチ。
MFR=2.1g/10分、密度=0.92g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンに平均粒子径10μmの市販のポリエチレン粒子10重量%を溶融混練したマスターバッチ。
支持層の樹脂として、高密度ポリエチレン(HD−1)97重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)3重量%を混合した樹脂組成物を用い、シール層の樹脂として粘着剤マスターバッチ(MB−1)70重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)25重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用い、これらを押出機2台に各々投入し、各々200℃の押出温度で2層共押出積層のT型口金より押出、40℃のキャスティングロールで急冷し2層積層の易開封性フィルムを製膜した。得られた易開封性フィルムの総厚さは30μm、支持層/シール層の積層比が4/1であった。積層性は良好で、キャスト時のエッジ安定性はよく、滑り性も良好で安定して巻き取ることができた。得られた易開封性フィルムを用いて、実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)70重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)70重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−2)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−2)60重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−2)40重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。また、雰囲気温度0〜4℃でのシール強度が十分強く、良好であった。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−2)65重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EAV−1)35重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。また、雰囲気温度0〜4℃でのシール強度が十分強く、良好であった。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)55重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)10重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)35重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。また、雰囲気温度0〜4℃でのシール強度が十分強く、良好であった。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)70重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)60重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%とエチレン・ビニル共重合体(EVA−1)5重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)10重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
支持層の樹脂として高密度ポリエチレン(HD−1)99.5重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)0.5重量%を混合した樹脂組成物を用い、シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)70重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)25重量%とエチレン・ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
支持層の樹脂として高密度ポリエチレン(HD−1)94重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)6重量%を混合した樹脂組成物を用い、シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)70重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%とエチレン・ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
支持層の樹脂として高密度ポリエチレン(HD−1)85重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)15重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例10と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であり、さらにラミネート強度が少し弱く△であったが、その他は本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
支持層の樹脂として高密度ポリエチレン(HD−1)99.8重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)0.2重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例10と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であり、さらに曇り度合は少し曇り△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)65重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)25重量%とアクリル粒子マスターバッチ(MB−4)5重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、雰囲気温度0〜4℃でのシール強度が少し弱く△であったが、そのほかは本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)65重量%と界面活性剤マスターバッチ(MB−3)25重量%とポリエチレン粒子マスターバッチ(MB−5)5重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、雰囲気温度0〜4℃でのシール強度が少し弱く△であったが、本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)55重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%とエチレン・ビニル共重合体(EVA−1)5重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)10重量%とアクリル粒子マスターバッチ(MB−4)を5重量%混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、本発明のフィルムとして要求特性を全て満足していた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−2)55重量%とアクリル粒子マスターバッチ(MB−4)5重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−2)40重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、本発明のフィルムとして要求特性を全て満足しており、さらに雰囲気温度0〜4℃でのシール強度が十分強く、良好であった。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)100重量%を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、表面比抵抗が大きいためハンドリング性が△であり、また算術平均表面粗さが小さいためブロッキングせん断力が△であった。また、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂と界面活性剤の添加がなく、雰囲気温度0〜4℃のシール強度と曇り度合が該範囲を外れた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)75重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であった。また、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂の添加がなく、雰囲気温度0〜4℃のシール強度が該範囲を外れた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)93重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)2重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、表面比抵抗が大きいためハンドリング性が△であり、また算術平均表面粗さが小さいためブロッキングせん断力が△であった。また、界面活性剤の添加量が少なく、曇り度合が該範囲を外れた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)15重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)80重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であり、また雰囲気温度0〜4℃でのシール強度が少し弱く△であった。さらに、界面活性剤の添加量が多すぎ、フィルムに白粉が析出し見栄えが悪いものとなり、またラミネート強度が該範囲を外れた。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)65重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−3)10重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であった。また、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂の添加がなく、雰囲気温度0〜4℃のシール強度が該範囲を外れた。また、EVA−3のMFRが小さく、MB−1、2との混練性が悪いためフィルムスジが発生し見栄えが悪くなった。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−1)65重量%と粘着剤マスターバッチ(MB−2)25重量%と低密度ポリエチレン(LD−1)10重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であった。また、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂の添加がなく、雰囲気温度0〜4℃のシール強度が該範囲を外れた。また、LD−1のMFRが小さく、MB−1、2との混練性が悪いためフィルムスジが発生し見栄えが悪くなった。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−2)10重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)90重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であった。また、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂の添加量が多かったが、粘着付与剤の添加量が少なく雰囲気温度23℃のシール強度が低く開封性が悪くなった。
シール層の樹脂として、界面活性剤マスターバッチ(MB−3)25重量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)75重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、算術平均表面粗さが小さいため、ブロッキングせん断力が△であった。また、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂の添加量が多かったが、粘着付与剤の添加がなく、雰囲気温度23℃のシール強度が低いものとなった。
シール層の樹脂として、粘着剤マスターバッチ(MB−2)10重量%とアクリル粒子マスターバッチ(MB−4)5質量%とエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA−1)85重量%を混合した樹脂組成物を用い、それ以外は実施例1と同様に2層積層の易開封性フィルムを得た。実施例に記載の評価を行った結果、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂の添加量が多く、また粘着付与剤の添加量が少なく雰囲気温度23℃のシール強度が低く開封性が悪くなった。
Claims (11)
- 被着体とヒートシール可能であり、ポリオレフィン系樹脂組成物からなるシール層と、該シール層とは反対側に位置する支持体層とを有する積層構成を有し、前記シール層が、粘着付与剤と、非イオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤と有機スルホン酸塩の混合物を含む界面活性剤を0.5〜10重量%、ビカット軟化点が50℃未満のポリオレフィン系樹脂を5〜40重量%含有することを特徴とする易開封性フィルム。
- 前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂である、請求項1に記載の易開封性フィルム。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が、酢酸ビニル含有量が20〜40重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体である、請求項1に記載の易開封性フィルム。
- 前記シール層の算術平均表面粗さが0.2μm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性フィルム。
- 前記シール層の0℃、1Hzにおけるせん断貯蔵弾性率が10〜40MPaである、請求項1〜4のいずれかに記載の易開封性フィルム。
- 前記シール層に隣接する層が界面活性剤を含有し、該隣接する層中の前記界面活性剤の濃度が0.05〜1重量%の範囲にある、請求項1〜5のいずれかに記載の易開封性フィルム。
- 前記シール層が、脂環族系樹脂とロジンエステル系樹脂との混合物からなる粘着付与剤を1〜15重量%含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の易開封性フィルム。
- 前記非イオン性界面活性剤が3または4価の脂肪族多価アルコールと炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物からなり、有機スルホン酸塩が炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩からなり、非イオン性界面活性剤/有機スルホン酸塩の混合重量比が70/30〜100/0の範囲にある、請求項1〜7のいずれかに記載の易開封性フィルム。
- 前記シール層の表面比抵抗が1×1010〜1×1013Ω/□である、請求項1〜8のいずれかに記載の易開封性フィルム。
- 前記シール層とA−PETシートをヒートシールした場合のシール強度が雰囲気温度23℃下で10〜25N/15mmで、4℃下および0℃下で5〜20N/15mmの範囲にある、請求項1〜9のいずれかに記載の易開封性フィルム。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の易開封性フィルムの支持体層上に、該易開封性フィルムとは異種の素材からなる層が積層されている積層体。
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