JP2020040328A - 金属膜付樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本発明において、「金属膜」は、単一の金属からなる膜に限らず、2種以上の金属からなる合金膜を包含する広義の金属膜をさす。
即ち、樹脂は非導電体であるため、前処理として六価クロム酸エッチングを行って樹脂成形品の表面上に凸凹を形成することで、金属めっき膜に対する物理的密着性を高め、また、シード層の形成としてパラジウム触媒を塗布して触媒活性化して無電解めっき処理することが行われている。
しかも、これらの工程は、水洗、中和等のためにも、多数の処理槽を必要とし、設備数が多く、廃液の処理等の問題もあり、設備面積、製造コスト、生産性等の観点からも好ましくない。このため、無電解めっきに代わる乾式処理で電解めっき膜の下地となる金属皮膜を形成することが望まれる。
本発明の金属膜付樹脂成形品は、ポリカーボネート樹脂(A)を含有するポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形品の表面に金属膜を有する金属膜付樹脂成形品であって、該ポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基濃度が50ppm以上であり、該金属膜について、JIS H8630:2006の付属書1(規定)密着力試験方法に従って測定されたピール強度が2.0N/cm以上であることを特徴とする。
このような本発明の金属膜付樹脂成形品の製造方法は限定されないが、真空雰囲気下でポリカーボネート樹脂成形品の表面をプラズマ処理した後、該プラズマ処理面にスパッタリングにより金属膜を成膜する本発明の金属膜付樹脂成形品の製造方法により製造することができる。なお、このプラズマ処理に先立ち、加熱処理を行ってもよい。
本発明においては、後述のプラズマ工程に先立ち、本発明の成形品を加熱する加熱工程を行ってもよく、加熱工程を行うことで、プラズマ工程における本発明の成形品からの水分やガスの揮散を防止して、より密着性に優れた金属膜を形成することができる。
なお、加熱工程の雰囲気や圧力には特に制限はなく、大気圧下で行ってもよいが、例えばN2雰囲気中133Pa以下の減圧条件としたり、10−1Pa以下の真空条件としたりすることで、加熱温度を下げ、また加熱時間を短くした上で、常圧下での加熱と同等の効果を得ることができる場合がある。
プラズマ工程は、本発明の成形品の表面に反応性官能基を発生させることで、金属原子との結合性を高め、その後のスパッタリングで成膜された金属膜との密着性を向上させるための活性化処理工程である。
また、プラズマ処理でより効率的に本発明の成形品の表面に反応性官能基を発生させるために、後述の通り、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基濃度が、50ppm以上であることが好ましく、また、このポリカーボネート樹脂(A)を加水分解した後に測定された、後述の一般式(1)〜(5)で表されるジヒドロキシ化合物の総量が、ポリカーボネート樹脂(A)全体に対して、100ppm以上であることが好ましい。
また、特に、プラズマ工程と後述のスパッタリング工程とを真空雰囲気下での連続処理を行うことで、プラズマ処理後に本発明の成形品を大気に曝すことなくスパッタリング成膜に供することができ、本発明の成形品のプラズマ処理面の変質等を防止して処理面を安定化させることができる。
即ち、プラズマ発生源から放出された段階ではプラズマは高温であるが、チャンバー内をドリフト中に、チャンバー内に存在する反応ガスとの衝突などにより熱エネルギーを失うため、プラズマ発生源から離隔して配置された処理対象物である本発明の成形品に達した時点ではプラズマの温度は低下している。
また、反応ガスとの衝突などにより、プラズマの一部は、プラズマ(帯電状態)から活性化状態(ラジカル状態)に変化している。よって、本発明の成形品は、反応ガスのプラズマのみではなく、活性化状態(ラジカル状態)の反応ガスにも晒されることになる。本明細書では、プラズマ状態の反応ガスと活性化状態(ラジカル状態)の反応ガスを、高反応性化された反応ガスと呼ぶ。また、プラズマ状態の反応ガスとラジカル状態の反応ガスにより、処理対象物である本発明の成形品の表面を活性化することをプラズマ処理と呼ぶ。
しかし、プラズマ発生源と本発明の成形品を設けたチャンバー内を減圧して真空雰囲気下とすることで、プラズマ発生源で発生したプラズマが必要以上に気体分子(反応ガスの分子)と衝突することを防ぎ、高反応性化された反応ガスの濃度の低下を防止することができる。
上記のプラズマ工程により表面を活性化した本発明の成形品のプラズマ処理面に、次いでスパッタリングにより金属膜を成膜する。
前述の通り、このスパッタリング工程は、プラズマ処理後の本発明の成形品を大気に晒すことなく行うことが、より密着性の高い金属膜を成膜する上で重要である。
通常、スパッタ装置では、成膜する膜の純度を高めるために、スパッタ装置内の圧力を0.1Pa程度に減圧して成膜を行うのが一般的である。スパッタ装置内の圧力がこれより高いと、スパッタ装置内に残留する、あるいは処理対象物から放出される水等の不純物の除去が困難であり、その結果、不純物が膜に混入し膜の品質が低下するためである。しかし、特に処理対象物が樹脂である場合には、処理対象物から放出される不純物の量が多く、かつ、長時間にわたって不純物を放出し続けるため、従来のスパッタ装置のように、0.1Pa程度に減圧して成膜を行うことは困難である。
また、スパッタリングに形成する金属膜の厚さは、100〜500nm程度であることが好ましい。この膜厚が上記下限以上であれば、電気抵抗を下げてシード層としての機能を十分に得ることができる。この膜厚が上記上限以下であれば、成膜時間を徒に長くすることなく、製造コストを抑えることができる。
上記の通り、プラズマ処理面に金属膜をスパッタリング成膜してなる本発明の金属膜付樹脂成形品の金属膜は、JIS H8630:2006の付属書1(規定)密着力試験方法に従って測定されたピール強度が2.0N/cm以上の高い密着強度を示す。このピール強度は好ましくは3.0N/cm以上であり、さらに好ましくは5.0N/cm以上である。
なお、金属膜のピール強度は、具体的には後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
以下に本発明のポリカーボネート樹脂組成物について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、3mm厚みで測定した全光線透過率が50%以上であることが好ましい。該全光線透過率は70%以上がさらに好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上が最も好ましい。全光線透過率が高いことで、成形品の透明性が高くなり、良好な外観や意匠性を有する成形品を得ることができる。全光線透過率が低すぎると成形品が不透明となり、良好な外観や意匠性が保てなくなる場合がある。
尚、全光線透過率はJIS K7105に準じた方法で測定される。具体的な測定方法は、後述の実施例の項に示す。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、樹脂成分としてポリカーボネート樹脂(A)(以下、「本発明のポリカーボネート樹脂(A)」と称す場合がある)を主成分として含むものである。ここで「主成分」とは、樹脂成分中に最も多く含まれている成分をさし、通常、ポリカーボネート樹脂組成物中に50質量%以上、好ましくは60〜100質量%含まれる成分である。
ポリカーボネート樹脂の一方の原料である炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と称する場合がある。)、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基濃度は、50ppm以上が好ましく、100ppm以上がより好ましく、200ppm以上がさらに好ましく、500ppm以上が最も好ましい。また、2000ppm以下が好ましく、1500ppm以下がより好ましく、1300ppm以下がさらに好ましく、1000ppm以下が最も好ましい。プラズマ処理により、高いプラズマ処理効果を得るために効果的であり、末端水酸基量が多い程、前記金属膜の密着強度が向上する傾向がある。但し、末端水酸基量が多すぎると、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用した際の、色相や透明性、機械的強度の悪化抑制が不十分となる場合がある。
なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート樹脂質量に対する、末端水酸基の質量をppmで表示したものである。ポリカーボネート樹脂の末端水酸基量の測定方法については、後述の実施例の項に具体的に記載する。
なお、これらのジヒドロキシ化合物は、本発明のポリカーボネート樹脂(A)を加水分解した後に定量分析することにより、その含有量を測定することができる。具体的な測定方法は、後述の実施例の項に示す。
ここで粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、20℃の温度で測定した溶液粘度より換算して求めたものであり、その具体的な測定方法は、後述の実施例の項に記載する通りである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明のポリカーボネート樹脂(A)を主成分として含むものであれば、特に限定されないが、必要に応じて添加剤やポリカーボネート樹脂(A)以外の樹脂を配合することもできる。添加剤としては、安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、分散剤、流動性改良剤、抗菌剤、着色剤等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、安定剤を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性及び色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
ホスフェートとしては、モノステアリルアシッドホスフェートとジステアリルアシッドホスフェートの混合物などを好ましく用いることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤を含有することも好ましい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、樹脂成分として、ポリカーボネート樹脂(A)以外の他の樹脂を含有していてもよい。配合し得る他の樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂(A)以外のポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙られる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)及び必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
上記したポリカーボネート樹脂組成物(ペレット)は、各種の成形法で成形して本発明の成形品とされる。本発明の成形品の形状としては、特に制限はなく、用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
また、本発明により金属膜を形成する成形面は平面であってもよく曲面であってもよい。
本発明の金属膜付樹脂成形品の用途としては特に制限はないが、本発明の金属膜付樹脂成形品に形成された金属膜をシード層として、更に通常の電解めっきにより1〜50μm程度の金属膜を形成して、樹脂成形品に、装飾性、耐食性、耐摩耗性、はんだ付け性、電気伝導性、電磁波シールド性、磁気特性、耐熱性などの様々な機能を付与する目的で有効に利用することができ、得られためっき製品は、例えば、携帯電子機器部品、具体的には、電子手帳、携帯用コンピューター等の携帯情報端末、ポケットベル、携帯電話、PHSなどの内部構造物及び筐体などとして有用である。
なお、以下の説明において[部]とは、特に断りのない限り、質量基準に基づく「質量部」を表す。
ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液(濃度(C)は0.6g/dl)を調製し、ウベローデ粘度計を用いて、この溶液の温度20℃における比粘度(ηsp)を測定し、下記の式により粘度平均分子量(Mv)を算出した。
ηsp/C=[η](1+0.28ηsp)
[η]=1.23×10−4Mv0.83
ポリカーボネート樹脂0.1gを塩化メチレン10mlに溶解し、これに酢酸(和光純薬工業社製、試薬特級)の5%塩化メチレン溶液5mlと、四塩化チタン(和光純薬工業社製、試薬特級)の2.5%塩化メチレン溶液10mlを加えて発色させ、分光光度計(島津製作所社製、「UV160型」)を使用し、546nmの波長での吸光度を測定した。別に、樹脂製造時に使用した二価フェノールの塩化メチレン溶液を使用して吸光係数を求め、サンプル中の末端水酸基濃度を定量した。
ポリカーボネート樹脂0.5gを塩化メチレン5mlに溶解した後、メタノール45ml及び25重量%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え、70℃で30分間撹拌して加水分解した(塩化メチレン溶液)。その後、この塩化メチレン溶液に6規定の塩酸を加え、溶液のpHを2程度とし、純水にて100mlとなるように調整した。
次に、調製した塩化メチレン溶液20μlを液体クロマトグラフィーに注入し、前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)で表されるジヒドロキシ化合物の含有量(以下、「一般式(1)〜(5)の合計量」と記載する。)を測定した(単位:ppm)。
用いた液体クロマトグラフィー及び測定条件は以下の通りである。
液体クロマトグラフィー:島津製作所社製、LC−10AD
カラム:YMC PACK ODS−AM M−307−3
4.6mmID×75mmL
検出器:UV280nm
溶離液:(a)0.05%トリフルオロ酢酸水溶液及び(b)メタノール
グラジェント条件:0分((b)が40%)、25分((b)が95%)
一般式(1)〜(5)の合計量は、ビスフェノールAにより作成した検量線に基づき、各々のピーク面積より算出した。
ポリカーボネート樹脂成形品について、JIS K7105に順じ、日本電色工業社製のNDH−2000型ヘイズメーターを使用し、D65光源、10°視野にて、全光線透過率(単位:%)を測定した。
竪型撹拌反応器3基及び横型撹拌反応器1基を有する連続製造装置を用いて製造した。第1竪型撹拌反応器は温度220℃、圧力13kPa、第2竪型撹拌反応器は温度260℃、圧力4kPa、第3竪型撹拌反応器は温度270℃、圧力0.4kPa、第4横型撹拌反応器は温度280℃、圧力0.07kPaに設定した。次に別途、原料調製工程にて窒素ガス雰囲気下、BPA(三菱ケミカル社製)とDPC(三菱ケミカル社製)とを一定のモル比(BPA/DPC=1.025)で混合し、155℃に加熱して、原料混合溶融液を得た。
第4横型攪拌反応器から抜き出された溶融ポリカーボネート樹脂は、ギヤポンプにより二軸押出機に移送された。二軸押出機は3つのベント口を有し、真空ポンプを用いてベント口より脱揮し、また第2ベント口と第3ベント口の間に触媒失活剤添加口を有し、触媒失活剤(p−トルエンスルホン酸ブチル)をポリカーボネート樹脂に対し、5ppmとなるように添加した。二軸押出機の排出側にはギヤポンプとポリマーフィルターを設置し、溶融ポリカーボネート樹脂を供給した。
表1に、以下の実施例及び比較例において使用したポリカーボネート樹脂A1,A2の分析結果を示す。
表1に示したポリカーボネート樹脂A1,A2のペレットを、それぞれ、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日本製鋼所社製「J180AD」)を用い、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、それぞれ100mm×150mm×3mm厚みの板状の成形品を得た。
ポリカーボネート樹脂A1成形品について測定した全光線透過率は89.3%、ポリカーボネート樹脂A2成形品について測定した全光線透過率は89.4%であった。
得られたポリカーボネート樹脂A1,A2成形品を120℃で、1時間から3時間、大気・N2・真空雰囲気下、圧力大気:大気圧、N2:133Pa以下、真空:10−1Pa以下にて1〜3時間加熱する加熱処理を行った後、ただちに(0〜30分以内)、ホローカソード電極を用いたプラズマ処理とスパッタリング処理とを真空条件下の連続処理で行える成膜装置により、真空雰囲気下でプラズマCVD処理とスパッタリング処理を、処理中の樹脂成形品を大気に晒すことなく連続的に行い、膜厚200nm以上のCu膜を形成した。プラズマCVD条件、スパッタリング条件は以下の通りとした。
樹脂成形品とホローカソード電極との距離を100から200mmとし、前述の好適プラズマCVD条件で行った。
反応ガスとしては、酸素濃度:99.9%%以上の酸素/アルゴン混合ガスを用いた。
電力:10〜40kW
圧力:1.0〜10Pa
実施例1において、プラズマCVD処理を行わず、樹脂成形品を直接スパッタリング処理に供したこと以外は同様にCu膜の形成を行った。
実施例及び比較例で得られた金属膜付樹脂成形品の金属膜面に、常法に従って電解めっき処理により厚さ15〜30μmのCu膜を形成し、試験片とした。
ピール強度は、得られた試験片のCu膜について、JIS H8630:2006の付属書1(規定)密着力試験方法に従って、次の条件で測定した。
・試験片形状:100mm×100mm×3mm厚み平板
・試料調整:めっき後48時間以上放置
・測定機:株式会社エー・アンド・ディ社製 万能試験機「テンシロンRTF2350」
また、実施例1と実施例2の対比から、ポリカーボネート樹脂の末端水酸基量が高く、一般式(1)〜(5)の合計量が多いと、金属膜の密着性をより一層高めることができることが分かる。
Claims (4)
- ポリカーボネート樹脂(A)を含有するポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形品の表面に金属膜を有する金属膜付樹脂成形品であって、該ポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基濃度が50ppm以上であり、該金属膜について、JIS H8630:2006の付属書1(規定)密着力試験方法に従って測定されたピール強度が2.0N/cm以上であることを特徴とする金属膜付樹脂成形品。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物の3mm厚みで測定した全光線透過率が50%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属膜付樹脂成形品。
- 真空雰囲気下でポリカーボネート樹脂成形品の表面をプラズマ処理した後、該プラズマ処理面にスパッタリングにより金属膜を成膜することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの金属膜付樹脂成形品の製造方法。
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