JP2020038749A - 半導電性樹脂組成物および電力ケーブルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部半導電層中に発泡が生じることを抑制することができる技術を提供する。【解決手段】絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら絶縁層を押出成形すると同時に、絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する際に用いられる半導電性樹脂組成物であって、半導電性樹脂組成物の吸水率は、1000ppm以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、半導電性樹脂組成物および電力ケーブルの製造方法に関する。
例えば、中心から外周に向けて、導体、内部半導電層、絶縁層および外部半導電層を有する電力ケーブルが広く用いられている。なかでも民需用の低電圧の電力ケーブルでは、これまで、外部半導電層が半導電性のテープを巻き付けることにより形成されていた。しかしながら、外部半導電層が半導電性のテープからなる場合では、外部半導電層としてのテープと絶縁層との間に不純物が混入すると、絶縁層に水トリーが形成される可能性があった。また、外部半導電層としてのテープを巻きつけたラップ面に凹凸が形成されていると、その凹凸に起因して部分放電が生じる可能性があった。このため、外部半導電層と絶縁層との間への不純物の混入を抑制するとともに、外部半導電層の被覆性を改善することが望まれていた。
そこで、近年では、上記した課題を解決するため、外部半導電層を絶縁層等とともに同時に押出成形した電力ケーブルの開発が進められている。この場合、電力ケーブルを低コストに製造するため、シラングラフト・水架橋法により絶縁層を架橋させる方法が用いられている(例えば、特許文献1および2)。
しかしながら、発明者等は、外部半導電層を絶縁層等と同時に押出成形する際に、外部半導電層を構成する半導電性樹脂組成物中の水分が蒸発し、外部半導電層中や絶縁層と外部半導電層との間の界面に発泡(空隙、ボイド)または凹凸が生じてしまう可能性があるという新規な課題を見出した。
本発明の目的は、外部半導電層中や絶縁層と外部半導電層との間の界面に発泡(空隙、ボイド)または凹凸が生じることを抑制することができる技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する際に用いられる半導電性樹脂組成物であって、
前記半導電性樹脂組成物の吸水率は、1000ppm以下である半導電性樹脂組成物が提供される。
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する際に用いられる半導電性樹脂組成物であって、
前記半導電性樹脂組成物の吸水率は、1000ppm以下である半導電性樹脂組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら、導体の外周に前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する押出工程と、
水分の存在下で前記絶縁層を架橋させる水架橋工程と、
を有し、
前記押出工程では、
吸水率が1000ppm以下である半導電性樹脂組成物を用いて前記外部半導電層を押出成形する電力ケーブルの製造方法が提供される。
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら、導体の外周に前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する押出工程と、
水分の存在下で前記絶縁層を架橋させる水架橋工程と、
を有し、
前記押出工程では、
吸水率が1000ppm以下である半導電性樹脂組成物を用いて前記外部半導電層を押出成形する電力ケーブルの製造方法が提供される。
本発明によれば、外部半導電層中に発泡が生じることを抑制することができる
<本発明の一実施形態>
(1)電力ケーブルの構造
本発明の一実施形態に係る電力ケーブルについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電力ケーブル10の軸方向と直交する断面図である。
(1)電力ケーブルの構造
本発明の一実施形態に係る電力ケーブルについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電力ケーブル10の軸方向と直交する断面図である。
(全体構造)
図1に示されているように、電力ケーブル10は、中心から外周に向けて、導体110、内部半導電層120、絶縁層130および外部半導電層140を有している。
図1に示されているように、電力ケーブル10は、中心から外周に向けて、導体110、内部半導電層120、絶縁層130および外部半導電層140を有している。
(導体)
導体110は、例えば、純銅(Cu)、銅合金、純アルミニウム(Al)、アルミニウム合金等からなる複数の導電芯線が撚り合わせられることで構成されている。
導体110は、例えば、純銅(Cu)、銅合金、純アルミニウム(Al)、アルミニウム合金等からなる複数の導電芯線が撚り合わせられることで構成されている。
(内部半導電層)
内部半導電層120は、導体110の外周を覆うように設けられ、導体110および絶縁層130の接着性を向上し、導体110の撚り線表面における電界集中を抑制するよう構成されている。内部半導電層120は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)等の少なくともいずれかと、導電性のカーボンブラックと、を有している。
内部半導電層120は、導体110の外周を覆うように設けられ、導体110および絶縁層130の接着性を向上し、導体110の撚り線表面における電界集中を抑制するよう構成されている。内部半導電層120は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)等の少なくともいずれかと、導電性のカーボンブラックと、を有している。
(絶縁層)
絶縁層130は、内部半導電層120の外周を覆うように設けられている。また、絶縁層130は、例えば、当該絶縁層を構成するベース樹脂(以下、「絶縁層ベース樹脂」とする)に対して、シラン化合物を遊離ラジカル発生剤によってグラフト共重合させ、シラノール縮合触媒および水分の存在下で架橋させることにより形成されている。このような架橋法は、シラングラフト・水架橋法と呼ばれる。
絶縁層130は、内部半導電層120の外周を覆うように設けられている。また、絶縁層130は、例えば、当該絶縁層を構成するベース樹脂(以下、「絶縁層ベース樹脂」とする)に対して、シラン化合物を遊離ラジカル発生剤によってグラフト共重合させ、シラノール縮合触媒および水分の存在下で架橋させることにより形成されている。このような架橋法は、シラングラフト・水架橋法と呼ばれる。
ここで用いられる絶縁層ベース樹脂は、例えば、ポリエチレン系樹脂を主成分としている。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高圧法中密度ポリエチレン、低圧法低密度ポリエチレン(直鎖状及びメタロセン触媒ポリエチレン)、低圧法中密度ポリエチレン(直鎖状及びメタロセン触媒ポリエチレン)等が挙げられる。なお、これらのうちの2種類以上を混合して用いてもよい。
また、ここで用いられるシラン化合物は、一般式:
RR’SiY2
で表されるアルコキシシラン化合物である。式中Rは、オレフィン性不飽和炭化水素基またはハイドロカーボンオキシ基であり、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、シクロペンタジエニル基等であり、好ましくはビニル基である。Yは、加水分解可能な有機基であり、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基のようなアルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオノキシ基のようなアシロキシ基、その他オキシム基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基等であり、好ましくはアルコキシ基である。R’はR基またはY基である。最も好適なシラン化合物は、ビニルアルコキシシランであり、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルエトキシジメチルシランの少なくともいずれかである。
RR’SiY2
で表されるアルコキシシラン化合物である。式中Rは、オレフィン性不飽和炭化水素基またはハイドロカーボンオキシ基であり、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、シクロペンタジエニル基等であり、好ましくはビニル基である。Yは、加水分解可能な有機基であり、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基のようなアルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオノキシ基のようなアシロキシ基、その他オキシム基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基等であり、好ましくはアルコキシ基である。R’はR基またはY基である。最も好適なシラン化合物は、ビニルアルコキシシランであり、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルエトキシジメチルシランの少なくともいずれかである。
また、ここで用いられる遊離ラジカル発生剤は、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ブチルクミルパーオキサイド、イソプロピルクミル−t−ブチルパーオキサイド等の少なくともいずれかである。
シラノール縮合触媒は、絶縁層ベース樹脂中に添加されるか、或いは、成形物表面から絶縁層ベース樹脂中に浸透させられる。シラノール縮合触媒は、例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属のカルボン酸塩、有機塩基、無機酸、有機酸などである。具体的には、シラノール縮合触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクタエート、酢酸第一錫、カブリル酸第一錫、ナフテン酸鉛、カブリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン、硫酸、塩酸などの無機酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸などの有機酸等が挙げられる。
(外部半導電層)
外部半導電層140は、絶縁層130の外周を被覆し、電界集中を抑制するよう構成されている。本実施形態の外部半導電層140は、後述の押出工程S120において、絶縁層ベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら絶縁層130を押出成形すると同時に、半導電性樹脂組成物を用いて絶縁層130の外周に押出成形することにより形成されている。このように外部半導電層140を押出成形することにより、外部半導電層140と絶縁層130との間への不純物の混入を抑制するとともに、絶縁層130の外周への外部半導電層140の被覆性を向上させることができる。なお、本実施形態の外部半導電層140を形成する半導電性樹脂組成物については、詳細を後述する。
外部半導電層140は、絶縁層130の外周を被覆し、電界集中を抑制するよう構成されている。本実施形態の外部半導電層140は、後述の押出工程S120において、絶縁層ベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら絶縁層130を押出成形すると同時に、半導電性樹脂組成物を用いて絶縁層130の外周に押出成形することにより形成されている。このように外部半導電層140を押出成形することにより、外部半導電層140と絶縁層130との間への不純物の混入を抑制するとともに、絶縁層130の外周への外部半導電層140の被覆性を向上させることができる。なお、本実施形態の外部半導電層140を形成する半導電性樹脂組成物については、詳細を後述する。
(電力ケーブルのその他の構成)
その他、外部半導電層140の外側には、必要に応じて遮蔽層やシースが設けられていても良い。遮蔽層は、例えば外部半導電層140の外周に巻かれた銅テープや、複数の軟銅線等の導電素線が被覆されたワイヤシールド等である。また、被覆層(防御層)は、例えばポリ塩化ビニル等からなる。
その他、外部半導電層140の外側には、必要に応じて遮蔽層やシースが設けられていても良い。遮蔽層は、例えば外部半導電層140の外周に巻かれた銅テープや、複数の軟銅線等の導電素線が被覆されたワイヤシールド等である。また、被覆層(防御層)は、例えばポリ塩化ビニル等からなる。
(各寸法等)
なお、電力ケーブル10における具体的な寸法としては、例えば、導体110の直径は3mm以上60mm以下であり、内部半導電層120の厚さは0.5mm以上3mm以下であり、絶縁層130の厚さは2mm以上10mm以下であり、外部半導電層140の厚さは0.5mm以上3mm以下である。本実施形態の電力ケーブル10に適用される電圧は、例えば3.3kV以上33kV以下である。
なお、電力ケーブル10における具体的な寸法としては、例えば、導体110の直径は3mm以上60mm以下であり、内部半導電層120の厚さは0.5mm以上3mm以下であり、絶縁層130の厚さは2mm以上10mm以下であり、外部半導電層140の厚さは0.5mm以上3mm以下である。本実施形態の電力ケーブル10に適用される電圧は、例えば3.3kV以上33kV以下である。
(2)半導電性樹脂組成物
次に、外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物について説明する。
次に、外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物について説明する。
本実施形態の外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物の吸水率は、例えば、1000ppm以下である。ここでいう「吸水率」は、外部半導電層140を押出成形する前の半導体樹脂組成物について、カールフィッシャー法により測定される吸水率のことを意味している。
なお、カールフィッシャー法としては、電量滴定法、容量滴定法、および水分気化法がある。カールフィッシャー法のうち、電量滴定法では、ヨウ化物イオンを混合した水分滴定用試液の電解によりヨウ素を発生させ、電気量により水分を測定する。容量滴定法では、ヨウ素を水分測定用試液中に溶解させ、試料中の水と反応して消費されたヨウ素の滴定量より水分を測定する。また、水分気化法では、試料を加熱し、蒸発(気化)する水分を溶媒に捕集し測定する。本実施形態では、例えば、カールフィッシャー法のうちの電量滴定法と水分気化法とを組み合わせて用いる。なお、カールフィッシャー法のうちの容量滴定法を用いてもよい。
ここで、例えば、絶縁層130をシラングラフト・水架橋法により架橋されるよう構成し、且つ、内部半導電層120、絶縁層130および外部半導電層140を3層同時押出する場合では、絶縁層130の押出機の温度は、絶縁層ベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させるために高温に設定され、内部半導電層120および外部半導電層140の押出機の温度も、絶縁層130の押出機の温度と同等の温度に設定される。これにより、各層間で温度差が生じることを抑制し、各層間の接着性を制御し、また、歪が生じることを抑制することができる。
このとき、外部半導電層140を押出成形する際に用いられる半導電性樹脂組成物の吸水率が1000ppm超であると、外部半導電層140の押出の際に、半導電性樹脂組成物中の水分が蒸発し、外部半導電層140中や絶縁層130と外部半導電層140との間の界面に発泡(空隙、ボイド)または凹凸が生じる可能性がある。外部半導電層140中や絶縁層130と外部半導電層140との間の界面に発泡または凹凸が生じると、外部半導電層140中や絶縁層130と外部半導電層140との間の界面における発泡または凹凸を起点として絶縁層130中に水分が浸入し易くなり、電力ケーブル10の通電時に外部半導電層140側から絶縁層130中に水トリーが形成されてしまう可能性がある。水トリーとは、電力ケーブル10の外部から絶縁層130中に水分が侵入した状態で電力ケーブル10に電界が印加されたときに、絶縁層130中に形成される樹枝状の微細な亀裂または空隙のことをいう。このような水トリーが絶縁層130中に形成されると、絶縁層130において所望の絶縁性能が得られず、電力ケーブル10の通電時に絶縁破壊が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とすることにより、外部半導電層140を絶縁層130等と同時に押出成形する際に、外部半導電層140中や絶縁層130と外部半導電層140との間の界面に発泡または凹凸が生じることを抑制することができる。これにより、絶縁層130中に水トリーが形成されることを抑制し、電力ケーブル10の通電時に絶縁破壊が生じることを抑制することができる。
なお、半導電性樹脂組成物の吸水率について上限値を記載したが、半導電性樹脂組成物の下限値は特に制限がなく、ゼロであることが好ましく、すなわち、半導電性樹脂組成物が限りなく水分を含まないことが好ましい。しかしながら、半導電性樹脂組成物の製造過程において不可避的に水分が含まれることがある。このような理由から、半導電性樹脂組成物の吸水率は、100ppm以上となることが考えられる。
(半導電性樹脂組成物の具体的な組成)
本実施形態の外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物は、例えば、酢酸ビニル(VA)を含むエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)とプロピレン−オレフィン共重合体とを有するベース樹脂と、導電性のカーボンブラックと、を有している。なお、以下において、単に「ベース樹脂」と呼んだ場合は、外部半導電層140を構成するベース樹脂のことを意味し、上述の絶縁層ベース樹脂と区別して用いるものとする。
本実施形態の外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物は、例えば、酢酸ビニル(VA)を含むエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)とプロピレン−オレフィン共重合体とを有するベース樹脂と、導電性のカーボンブラックと、を有している。なお、以下において、単に「ベース樹脂」と呼んだ場合は、外部半導電層140を構成するベース樹脂のことを意味し、上述の絶縁層ベース樹脂と区別して用いるものとする。
(ベース樹脂)
本実施形態のベース樹脂の吸水率は、1000ppm以下となっている。つまり、ベース樹脂として含まれるEVA、プロピレン−オレフィン共重合体(およびポリプロピレン)のそれぞれの吸水率は、1000ppm以下となっている。ベース樹脂の吸水率を上記範囲としつつ、後述のように所定の特性を有するカーボンブラックを用いることにより、半導電性樹脂組成物全体としての吸水率を1000ppm以下とすることが可能となる。
本実施形態のベース樹脂の吸水率は、1000ppm以下となっている。つまり、ベース樹脂として含まれるEVA、プロピレン−オレフィン共重合体(およびポリプロピレン)のそれぞれの吸水率は、1000ppm以下となっている。ベース樹脂の吸水率を上記範囲としつつ、後述のように所定の特性を有するカーボンブラックを用いることにより、半導電性樹脂組成物全体としての吸水率を1000ppm以下とすることが可能となる。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)
半導電性樹脂組成物のベース樹脂は、多段重合により合成され、分子量の大きいEVAを有している。EVAのメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210の試験法により、測定温度190℃、荷重2.16kgfとしたとき、例えば、0.1g/10min以上10g/10min以下であることがより好ましい。EVAのMFRが10g/10min以下、すなわち、EVAが高分子量化されていることにより、絶縁層130と外部半導電層140との界面における高分子の分子拡散が抑制され、絶縁層130からの剥離性が向上する。
半導電性樹脂組成物のベース樹脂は、多段重合により合成され、分子量の大きいEVAを有している。EVAのメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210の試験法により、測定温度190℃、荷重2.16kgfとしたとき、例えば、0.1g/10min以上10g/10min以下であることがより好ましい。EVAのMFRが10g/10min以下、すなわち、EVAが高分子量化されていることにより、絶縁層130と外部半導電層140との界面における高分子の分子拡散が抑制され、絶縁層130からの剥離性が向上する。
また、EVAの融点は、例えば、50℃以上100℃以下であり、好ましくは60℃以上80℃以下である。EVAの融点が50℃未満である場合、後述の水架橋工程において隣接する電力ケーブル10の外部半導電層140が粘着する可能性がある。一方で、EVAの融点が100℃より高い場合、すなわち、EVA中のVAの含有量が少ない場合、外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物の極性が低下するため、外部半導電層140が非極性のポリエチレンからなる絶縁層130と接着し易くなる。このため、外部半導電層140の絶縁層130からの剥離性が不十分となる可能性がある。
また、EVAはVAを含んでおり、EVAに対するVAの含有量は、例えば、25質量%以上50質量%以下である。このようにVAが予め定められた含有量で含まれるEVAと、後述するプロピレン−オレフィン共重合体と、を所定の混合比率で混合することにより、ベース樹脂に対するVAの含有量を所望の値に調整することができる。
なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体の硬度は、ショアA65以上80以下である。
(プロピレン−オレフィン共重合体)
半導電性樹脂組成物のベース樹脂は、EVAに加えて、プロピレン−オレフィン共重合体(ポリプロピレン系エラストマー)を有している。ポリエチレンを主成分とする絶縁層130に対して相溶性(接着性)が低いプロピレン−オレフィン共重合体を混合することにより、絶縁層130からの外部半導電層140の剥離性を向上させることができる。
半導電性樹脂組成物のベース樹脂は、EVAに加えて、プロピレン−オレフィン共重合体(ポリプロピレン系エラストマー)を有している。ポリエチレンを主成分とする絶縁層130に対して相溶性(接着性)が低いプロピレン−オレフィン共重合体を混合することにより、絶縁層130からの外部半導電層140の剥離性を向上させることができる。
本実施形態でのプロピレン−オレフィン共重合体は、ポリプロピレンの結晶の大きさをナノオーダーで制御した共重合体である。本実施形態でのプロピレン−オレフィン共重合体は、プロピレンに由来する構成単位と、及び炭素数2以上のオレフィンに由来する構成単位と、を含んでいる。炭素数2以上のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等である。炭素数2以上のオレフィンは単独で用いても良く、2種類以上を併用してもよい。
また、プロピレン−オレフィン共重合体の密度は、850kg/m3以上900kg/m3以下、好ましくは860kg/m3以上880kg/m3以下である。
また、プロピレン−オレフィン共重合体のショアA硬度は、70以上85以下である。プロピレン−オレフィン共重合体の硬度が上記範囲内であることにより、EVAとの混練性、相溶性を向上させることができる。
また、プロピレン−オレフィン共重合体の融点は、EVAの融点よりも高く、且つ、水架橋工程における温度以上である。具体的には、上述のようにEVAの融点が50℃以上100℃以下であるのに対して、プロピレン−オレフィン共重合体の融点は、140℃以上180℃以下である。このように、ベース樹脂中に含まれるプロピレン−オレフィン共重合体の融点が高いことにより、半導電性樹脂組成物全体としての融点を高く維持することができる。具体的には、半導電性樹脂組成物の全体としての融点を、100℃以上180℃以下とすることができる。これにより、水架橋工程において隣接する電力ケーブル10の外部半導電層140が相互に粘着することを抑制することができる。
また、プロピレン−オレフィン共重合体のMFRは、JIS K7210の試験法により、測定温度190℃、荷重2.16kgfとしたとき、1g/10min以上20g/10min以下である。プロピレン−オレフィン共重合体のMFRが上記範囲内であること、すなわちプロピレン−オレフィン共重合体の分子量が大きいことにより、外部半導電層140から絶縁層130への分子の拡散が抑制され、外部半導電層140を絶縁層130から剥離し易くすることができる。
また、ベース樹脂に対するプロピレン−オレフィン共重合体の混合比率は、ベース樹脂に対するVAの含有量が所望の値となるように調整される。具体的には、プロピレン−オレフィン共重合体の含有量は、ベース樹脂を100質量部としたとき、1質量部以上50質量部以下である(すなわち、EVAの含有量は50質量部以上99質量部以下である)。
上述のように、VAが予め定められた含有量で含まれるエチレン−酢酸ビニル共重合体と、プロピレン−オレフィン共重合体との混合比を調整することにより、ベース樹脂に対するVAの含有量は、10質量%以上25質量%未満に調整される。ベース樹脂に対するVAの含有量を10質量%以上とすることにより、外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物の極性を大きくし、外部半導電層140を絶縁層130から剥離し易くすることができる。一方で、ベース樹脂に対するVAの含有量を25質量%未満とすることにより、半導電性樹脂組成物の融点の低下を抑制することができる。その結果、水架橋工程において、隣接する電力ケーブル10の外部半導電層140が粘着することを抑制することができる。
なお、ベース樹脂は、複数種のプロピレン−オレフィン共重合体を含んでいても良い。
また、ベース樹脂は、プロピレン−オレフィン共重合体に加え、単独重合体のポリプロピレンを含んでいても良い。ここで、ポリプロピレンのロックウェル硬度は、80以上であり、ポリプロピレンの融点は、140℃以上180℃以下である。ベース樹脂に混合されるポリプロピレンの硬度がEVAの硬度よりも高いことにより、外部半導電層140の絶縁層130からの剥離性を向上させることができる。また、ベース樹脂に混合されるポリプロピレンの融点がEVAよりも高いことにより、水架橋工程における外部半導電層140の非粘着性を向上させることができる。
(カーボンブラック)
半導電性樹脂組成物中に含まれるカーボンブラックの平均粒子径は、例えば、35nm以上100nm以下である。なお、ここでいう「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法による粒径測定によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。カーボンブラックの平均粒子径が35nm未満であると、カーボンブラックの比表面積(単位質量あたりの表面積)が大きくなり、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量が増加する可能性がある。その結果、半導電性樹脂組成物の吸水率が1000ppm超となる可能性がある。これに対し、カーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とすることにより、カーボンブラックの比表面積を縮小させ、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量の増加を抑制することができる。その結果、半導電性樹脂組成物の吸水率を安定的に1000ppm以下とすることができる。一方で、カーボンブラックの平均粒子径が100nm超であると、外部半導電層中において、カーボンブラックの分散性が低下し、所望の導電性が得られなくなる可能性がある。これに対し、カーボンブラックの平均粒子径を100nm以下とすることにより、外部半導電層中において、カーボンブラックの分散性を向上させ、所望の導電性を得ることができる。
半導電性樹脂組成物中に含まれるカーボンブラックの平均粒子径は、例えば、35nm以上100nm以下である。なお、ここでいう「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法による粒径測定によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。カーボンブラックの平均粒子径が35nm未満であると、カーボンブラックの比表面積(単位質量あたりの表面積)が大きくなり、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量が増加する可能性がある。その結果、半導電性樹脂組成物の吸水率が1000ppm超となる可能性がある。これに対し、カーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とすることにより、カーボンブラックの比表面積を縮小させ、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量の増加を抑制することができる。その結果、半導電性樹脂組成物の吸水率を安定的に1000ppm以下とすることができる。一方で、カーボンブラックの平均粒子径が100nm超であると、外部半導電層中において、カーボンブラックの分散性が低下し、所望の導電性が得られなくなる可能性がある。これに対し、カーボンブラックの平均粒子径を100nm以下とすることにより、外部半導電層中において、カーボンブラックの分散性を向上させ、所望の導電性を得ることができる。
また、カーボンブラックのヨウ素吸着量は、例えば、20mg/g以上70mg/g以下である。なお、ここでいう「ヨウ素吸着量」は、ASTM D−1510に準拠した測定方法により、カーボンブラックの比表面積に相当する指標として測定されるものである。カーボンブラックのヨウ素吸着量が20mg/g未満であると、カーボンブラックの粒子径が大きいことに相当する。このため、外部半導電層中において、カーボンブラックの分散性が低下し、所望の導電性が得られなくなる可能性がある。これに対し、カーボンブラックのヨウ素吸着量を20mg/g以上とすることにより、カーボンブラックの粒子径を縮小させることに相当する。これにより、外部半導電層中において、カーボンブラックの分散性を向上させ、所望の導電性を得ることができる。一方で、カーボンブラックのヨウ素吸着量が70mg/g超であると、カーボンブラックの表面の活性が高く、且つ、カーボンブラックの比表面積が大きいことに相当し、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量が増加する可能性がある。これに対し、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g以下とすることにより、カーボンブラックの表面の活性を低くし、且つ、カーボンブラックの比表面積を縮小させることに相当し、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量の増加を抑制することができる。その結果、半導電性樹脂組成物の吸水率を安定的に1000ppm以下とすることができる。
また、カーボンブラック中に含まれる灰分は、カーボンブラック全体を100質量%として、例えば、0.1質量%以下である。灰分が0.1質量%超であると、不純物に相当する成分が多いこととなる。灰分を0.1質量%以下とすることにより、不純物に相当する成分を少なくすることができる。なお、カーボンブラック中に含まれる灰分の下限値は、特に制限が無く、ゼロであることが好ましい。しかしながら、カーボンブラックの製造過程において不可避的に灰分が含まれることがある。このような理由から、カーボンブラック中に含まれる灰分は、例えば、0.01質量%以上となることが考えられる。
また、カーボンブラックは、例えば、ファーネスカーボンブラックおよびアセチレンカーボンブラックブラックの少なくともいずれかである。ここでいう「ファーネスカーボンブラック」とは、油等を燃焼させることで生成されるカーボンブラックのことをいう。また、ここでいう「アセチレンカーボンブラック」とは、原料としてのアセチレンを熱分解させることで生成されるカーボンブラックのことをいう。ファーネスカーボンブラックとアセチレンカーボンブラックとでは、例えば、不純物の含有量が異なっている。ファーネスカーボンブラック中には、原料の油由来の硫黄(S)等の不純物が含まれている。具体的には、ファーネスカーボンブラック中のSの含有量は、例えば、0.05質量%以上1.0質量%以下である。一方で、アセチレンカーボンブラック中の不純物の含有量は少なく、アセチレンカーボンブラックの純度は、例えば、99.0%以上99.99質量%以下である。また、アセチレンカーボンブラック中の灰分は、ファーネスカーボンブラック中の灰分よりも少ない。なお、ファーネスカーボンブラックとアセチレンカーボンブラックとは、上記不純物の含有量や灰分のほかに、ストラクチャーや表面の官能基などが異なっている。しかしながら、これらの特徴を文言や数値等で一義的に定義することは困難である。
ここで、例えば、外部半導電層を絶縁層とともにパーオキサイド架橋させる場合について考える。この場合、外部半導電層中に含まれるカーボンブラックがアセチレンカーボンブラックであると、アセチレンカーボンブラック中の不純物の含有量が少ないことにより、アセチレンカーボンブラックを含む外部半導電層と絶縁層との間の界面における架橋が強固となり、これらの密着性が向上する。一方で、カーボンブラックがファーネスカーボンブラックであると、ファーネスカーボブラック中に原料由来のS等の不純物が含まれるため、ファーネスカーボンブラックを含む外部半導電層と絶縁層との間の界面における架橋が阻害され、これらの密着性が低下する。
本実施形態では、絶縁層130をシラングラフト・水架橋法により架橋させ、外部半導電層140を必ずしも架橋させないため、本実施形態での外部半導電層140と絶縁層130との界面の状態は、上記のような外部半導電層を絶縁層とともにパーオキサイド架橋させる場合でのこれらの界面の状態と異なる。しかしながら、本実施形態においても、カーボンブラックの種類を選択することにより、上記のような外部半導電層を絶縁層とともにパーオキサイド架橋する場合と同様のメカニズムによって、外部半導電層140と絶縁層130との密着性(本実施形態でいう「剥離性」)を調整することができると考えられる。
カーボンブラックがアセチレンカーボンブラックであると、アセチレンカーボンブラック中の不純物の含有量が少なく、すなわち、アセチレンカーボンブラックの粒子表面に付着する不純物が少なくなる。このため、外部半導電層140中においてアセチレンカーボンブラックとベース樹脂との結合力が向上し、アセチレンカーボンブラックを含む外部半導電層140と絶縁層130とが強固に密着する。その結果、外部半導電層140と絶縁層130との剥離性が低下する可能性がある。
これに対し、カーボンブラックをファーネスカーボンブラックとした場合では、ファーネスカーボンブラック中に原料由来の不純物が含まれ、ファーネスカーボンブラックの粒子表面に所定量の不純物が付着した状態となる。これにより、外部半導電層140中においてファーネスカーボンブラックとベース樹脂との結合力を低下させ、ファーネスカーボンブラックを含む外部半導電層140と絶縁層130との密着性を阻害することができる。その結果、外部半導電層140と絶縁層130との剥離性を向上させることが可能となる。したがって、本実施形態で用いられるカーボンブラックは、ファーネスカーボンブラックであることが好ましい。
カーボンブラックの含有量は、所望の導電性に応じて設定され、例えば、ベース樹脂を100質量部としたとき、10質量部以上100質量部以下であり、好ましくは10質量部以上80質量部以下である。カーボンブラックの含有量を10質量部以上とすることにより、外部半導電層140の体積固有抵抗値が100Ω・cm未満となり、外部半導電層140として充分な導電性が得られる。一方、カーボンブラックの含有量を100質量部以下とすることにより、電力ケーブル10を安定的に押出成形することができ、電力ケーブル10の良好な機械的特性が得られる。好ましくは、カーボンブラックの含有量を80質量部以下とすることにより、電力ケーブル10をさらに安定的に押出成形することができ、電力ケーブル10の機械的特性をさらに向上させることができる。
(半導電性樹脂組成物のその他の構成)
半導電性樹脂組成物は、上記の構成物のほかに、添加剤として、酸化防止剤、銅害防止剤、受酸剤等を含んでいても良い。酸化防止剤は、例えば、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール等である。銅害防止剤は、例えば1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジン、2−ヒドロキシ−N−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルベンズアミド、N’1,N’12−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等である。受酸剤は、湿熱環境下で使用される際に導体110の変色を抑えるために用いられ、例えば、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等である。
半導電性樹脂組成物は、上記の構成物のほかに、添加剤として、酸化防止剤、銅害防止剤、受酸剤等を含んでいても良い。酸化防止剤は、例えば、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール等である。銅害防止剤は、例えば1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジン、2−ヒドロキシ−N−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルベンズアミド、N’1,N’12−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等である。受酸剤は、湿熱環境下で使用される際に導体110の変色を抑えるために用いられ、例えば、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等である。
なお、外部半導電層140は、非架橋であってもよいし、或いは、架橋されてもよい。外部半導電層140の架橋方法としては、例えば絶縁層130と同様の架橋法、すなわちシラングラフト・水架橋法が用いられる。この場合、半導電性樹脂組成物は、上述のシラン化合物、遊離ラジカル発生剤、およびシラノール縮合触媒を含んでいても良い。
(3)半導電性樹脂組成物の製造方法
本発明の一実施形態に係る半導電性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の一実施形態に係る半導電性樹脂組成物の製造方法について説明する。
バンバリミキサを用い、以下のように半導電性樹脂組成物を構成する材料を混練する。まず、バンバリミキサのホッパ部から、VAを含むEVAとプロピレン−オレフィン共重合体とを有するベース樹脂と、導電性のカーボンブラックと、を投入する。
このとき、ベース樹脂として含まれるEVA、プロピレン−オレフィン共重合体(およびポリプロピレン)のそれぞれの吸水率を1000ppm以下とする。また、カーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とし、カーボンブラックの比表面積の指標であるヨウ素吸着量を70mg/g以下とし、灰分を0.1質量%以下とする。これにより、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とすることができる。
また、このとき、EVAに対するVAの含有量は、使用する材料の組成によって25質量%以上50質量%以下に予め定められている。また、ベース樹脂を100質量部としたとき、プロピレン−オレフィン共重合体を1質量部以上50質量部以下として、EVAとプロピレン−オレフィン共重合体と混合する。これにより、ベース樹脂に対するVAの含有量を、10質量%以上25質量%未満となるように調整する。なお、半導電性樹脂組成物の添加剤として、酸化防止剤、銅害防止剤、受酸剤等を同時に投入してもよい。
次に、バンバリミキサのホッパ部からケーシングに上記の材料を押し込んでいく。材料を噛み込むようにロータを回転させることにより、ロータおよびケーシングの間で発生する剪断力を材料に加え、材料を混練する。
次に、材料の混練が所定時間終了したとき、バンバリミキサの排出口を開け、混練物を排出する。次に、バンバリミキサから排出された混練物をペレット状に成形する。以上により、半導電性樹脂組成物が製造される。
なお、半導電性樹脂組成物をバンバリミキサで混練した後、押出機でストランド押出し、水槽を通してストランドを細かくペレット状にカットすることがある。この場合、半導電性樹脂組成物が吸湿する可能性がある。このような場合、半導電性樹脂組成物を70℃に保った恒温槽に入れて乾燥させてもよい。なお、半導電性樹脂組成物を長期保管することで半導電性樹脂組成物が吸湿する可能性がある場合にも、上記した乾燥を行ってもよい。
(4)電力ケーブルの製造方法
図2を用い、本発明の一実施形態に係る電力ケーブル10の製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係る電力ケーブルの製造方法を示すフローチャートである。なお、ステップをSと略している。
図2を用い、本発明の一実施形態に係る電力ケーブル10の製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係る電力ケーブルの製造方法を示すフローチャートである。なお、ステップをSと略している。
(S110:半導電性樹脂組成物形成工程)
まず、上述した半導電性樹脂組成物の製造方法により、外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物を形成する。
まず、上述した半導電性樹脂組成物の製造方法により、外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物を形成する。
なお、この段階で、複数の導体芯線を撚り合わせることにより、導体110を予め形成しておく。
(S120:押出工程)
まず、3層同時押出機のうち、内部半導電層120を押出成形する押出機Aに、例えば、EEA等と、導電性のカーボンブラックと、を所定の割合で混合した半導電性樹脂組成物のペレットを投入する。このとき、内部半導電層120を押出成形する押出機Aの温度を、後述の絶縁層130を押出成形する押出機Bの温度と同等の温度に設定し、例えば、150℃以上230℃以下とする。
まず、3層同時押出機のうち、内部半導電層120を押出成形する押出機Aに、例えば、EEA等と、導電性のカーボンブラックと、を所定の割合で混合した半導電性樹脂組成物のペレットを投入する。このとき、内部半導電層120を押出成形する押出機Aの温度を、後述の絶縁層130を押出成形する押出機Bの温度と同等の温度に設定し、例えば、150℃以上230℃以下とする。
次に、絶縁層130を押出成形する押出機Bに、例えば、直鎖状ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂を主成分とする絶縁層ベース樹脂、ビニルアルコキシシラン等のシラン化合物、ジクミルパーオキサイド等の遊離ラジカル発生剤、およびジブチル錫ジラウレート等のシラノール縮合触媒を所定の割合で含む樹脂組成物を投入し、加熱して混練する。
押出機B内では、まず、遊離ラジカル発生剤としてのパーオキサイドを熱分解させることで、オキシラジカルを生成させる。オキシラジカルを生成させたら、オキシラジカルによって、絶縁層ベース樹脂としてのポリエチレン中の水素を引き抜くことで、ポリエチレンのラジカルを生成させる。ポリエチレンのラジカルを生成されたら、ポリエチレンのラジカルと、シラン化合物が有する不飽和結合(例えばビニル基)とを反応させ、互いに結合させる。これにより、絶縁層ベース樹脂としてのポリエチレンに対してシラン化合物をグラフト共重合させることができる。
このとき、絶縁層130を押出成形する押出機Bの温度を、例えば、150℃以上230℃以下とする。押出機Bの温度が150℃未満であると、ポリエチレン系樹脂を主成分とする絶縁層ベース樹脂に対してシラン化合物を充分にグラフト共重合させることができない可能性がある。これに対し、押出機Bの温度を150℃以上とすることにより、遊離ラジカル発生剤によって、ポリエチレン系樹脂を主成分とする絶縁層ベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させることができる。一方で、押出機Bの温度が230℃超であると、絶縁層130を構成する樹脂組成物が押出機内で早期架橋したり、該樹脂組成物が酸化劣化することにより、いわゆるアンバが生成されたりする可能性がある。これに対し、押出機Bの温度を230℃以下とすることにより、絶縁層130を構成する樹脂組成物の早期架橋を抑制するとともに、樹脂組成物の酸化劣化を抑制し、アンバの生成を抑制することができる。その結果、長時間安定した絶縁層130の成形が可能となる。
なお、本実施形態のように、押出機B内で絶縁層ベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させると同時に、絶縁層130を押出成形する方法は、「1ショット法」と呼ばれている。一方で、シラン化合物を予めグラフト共重合させた絶縁層ベース樹脂と、シラノール縮合触媒を含むマスタバッチと、を押出機に投入して絶縁層を押出成形する方法は、「2ショット法」と呼ばれている。
次に、外部半導電層140を押出成形する押出機Cに、上記のようにペレット状に形成された半導電性樹脂組成物を投入する。このとき、外部半導電層140を押出成形する押出機Aの温度を、絶縁層130を押出成形する押出機Bの温度と同等の温度に設定し、例えば、150℃以上230℃以下とする。
次に、押出機A〜Cからのそれぞれの混合物と、導体110とをコモンヘッドに導き、導体110の外周に、中心から外周に向けて、内部半導電層120、絶縁層130および外部半導電層140を同時に押出すことにより、ケーブル中間体(押出成形物または未架橋電力ケーブル)を形成する。その後、ケーブル中間体を温水槽に導き、内部半導電層120、絶縁層130および外部半導電層140をそれぞれ固化させる。
(S130:水架橋工程)
次に、3層同時押出機からケーブル中間体を押出して温水槽に導いた後、ケーブル中間体をドラムに巻き付けていく。ケーブル中間体をドラムに巻きつけたら、ドラムに巻き付けた状態のケーブル中間体を、所定の温度および湿度に保たれた恒温恒湿室または所定の温度に保たれた温水槽に投入する。
次に、3層同時押出機からケーブル中間体を押出して温水槽に導いた後、ケーブル中間体をドラムに巻き付けていく。ケーブル中間体をドラムに巻きつけたら、ドラムに巻き付けた状態のケーブル中間体を、所定の温度および湿度に保たれた恒温恒湿室または所定の温度に保たれた温水槽に投入する。
ここでは、まず、絶縁層ベース樹脂に対してグラフト共重合されたシラン化合物のアルコキシ基を、絶縁層130内に浸透した水分とシラノール縮合触媒とにより加水分解させることで、シラノール基を生成させる。シラノール基を生成させたら、シラノール基同士を脱水縮合させることで、隣接する絶縁層ベース樹脂同士を架橋させる。このようにして、水分の存在下で絶縁層130を架橋させることができる。
このとき、恒温恒湿室において、ケーブル中間体を70℃以上100℃以下で且つ80%RH以上95%RH以下の雰囲気に12時間以上48時間以下曝す。ケーブル中間体を上記の雰囲気に曝すことにより、外部半導電層140を介して絶縁層130に水分を浸透させ、絶縁層130を安定的に水架橋させることができる。
以上により、本実施形態に係る電力ケーブル10が製造される。
(5)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態では、外部半導電層140を構成する半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とすることにより、外部半導電層140を絶縁層130等と同時に押出成形する際に、外部半導電層140中や絶縁層130と外部半導電層140との間の界面に発泡または凹凸が生じることを抑制することができる。これにより、絶縁層130中に水トリーが形成されることを抑制し、電力ケーブル10の通電時に絶縁破壊が生じることを抑制することができる。
(b)半導電性樹脂組成物中に含まれるカーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とすることで、カーボンブラックの比表面積を縮小させ、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量の増加を抑制することができる。その結果、半導電性樹脂組成物の吸水率を安定的に1000ppm以下とすることができる。
(c)半導電性樹脂組成物中に含まれるカーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g以下とすることで、カーボンブラックの比表面積を縮小させることに相当し、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量の増加を抑制することができる。その結果、半導電性樹脂組成物の吸水率を安定的に1000ppm以下とすることができる。
(d)半導電性樹脂組成物中に含まれるカーボンブラックをファーネスカーボンブラックとすることで、ファーネスカーボンブラック中に原料由来の不純物が含まれ、ファーネスカーボンブラックの粒子表面に所定量の不純物が付着した状態とすることができる。これにより、外部半導電層140中においてファーネスカーボンブラックとベース樹脂との結合力を低下させ、ファーネスカーボンブラックを含む外部半導電層140と絶縁層130との密着性を阻害することができる。その結果、外部半導電層140と絶縁層130との剥離性を向上させることが可能となる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、カーボンブラックとしてファーネスカーボンブラックを単独で用いる場合について説明したが、ファーネスカーボンブラックとアセチレンカーボンブラックとを混合して用いてもよい。
次に、本発明に係る実施例について説明する。
(1)半導電性樹脂組成物の作製
表1および以下に示すように、試料1〜10の電力ケーブルの作製に用いられる半導電性樹脂組成物を作製した。
(ベース樹脂)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA):70質量部
三井・デュポン ポリケミカル製 EV170
酢酸ビニル含有量33質量% MFR1.0g/10min
・プロピレン−オレフィン共重合体:下記ポリプロピレンと合わせて30質量部
三井化学製 タフマー(登録商標)PN−2070
融点140℃ ショアA硬度75 MFR3.2g/10min
・ポリプロピレン:日本ポリプロ製
ノバテック(登録商標)PP EC7
融点140℃以上170℃以下 ロックウェル硬度80
(カーボンブラック)
・ファーネスカーボンブラックまたはアセチレンカーボンブラック:70質量部
表1および以下に示すように、試料1〜10の電力ケーブルの作製に用いられる半導電性樹脂組成物を作製した。
(ベース樹脂)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA):70質量部
三井・デュポン ポリケミカル製 EV170
酢酸ビニル含有量33質量% MFR1.0g/10min
・プロピレン−オレフィン共重合体:下記ポリプロピレンと合わせて30質量部
三井化学製 タフマー(登録商標)PN−2070
融点140℃ ショアA硬度75 MFR3.2g/10min
・ポリプロピレン:日本ポリプロ製
ノバテック(登録商標)PP EC7
融点140℃以上170℃以下 ロックウェル硬度80
(カーボンブラック)
・ファーネスカーボンブラックまたはアセチレンカーボンブラック:70質量部
なお、表1に記載の半導電性樹脂組成物の吸水率は、カールフィッシャー法のうちの電量滴定法と水分気化法とを組み合わせて測定した。
(2)電力ケーブルの作製
次に、以下のようにして、試料1〜10の電力ケーブルを作製した。
次に、以下のようにして、試料1〜10の電力ケーブルを作製した。
まず、断面積が60mm2である銅導体を用意した。次に、3層同時押出機のうち、内部半導電層を押出成形する押出機AにEEAおよびカーボンブラックを含む半導電性樹脂組成物を投入し、絶縁層を押出成形する押出機Bに直鎖状ポリエチレン、ビニルアルコキシシラン、ジクミルパーオキサイドおよびジブチル錫ジラウレートを含む樹脂組成物を投入し、外部半導電層を押出成形する押出機Bに上記した半導電性樹脂組成物を投入した。これらからのそれぞれの混合物と、上記の導体とをコモンヘッドに導き、導体の外周に、中心から外周に向けて、内部半導電層、絶縁層および外部半導電層を同時に押し出すことにより、ケーブル中間体を形成した。このとき、内部半導電層を押出成形する押出機Aの温度、絶縁層を押出成形する押出機Bの温度、および外部半導電層を押出成形する押出機Cの温度を、ともに200℃とした。また、このとき、内部半導電層の厚さ、絶縁層の厚さ、および外部半導電層の厚さを、それぞれ、0.7mm、3.2mm、0.7mmとした。次に、ケーブル中間体をドラムに巻きつけた状態で70℃95%RHに保たれた恒温恒湿室に投入することで、絶縁層を架橋させた。次に、絶縁層の外周を覆うように、遮蔽層として厚さ0.13mmの銅テープとその上に抑えテープを巻回した。その後、遮蔽層の外周に、ポリ塩化ビニル(PVC)からなる厚さ2mmの防御層を押出被覆した。以上により、試料1〜10の電力ケーブルを作製した。
(3)評価
上記した試料1〜10の電力ケーブルを用い、以下の評価を行った。
上記した試料1〜10の電力ケーブルを用い、以下の評価を行った。
(長時間押出性)
上記のように各押出機の温度を200℃とし、24時間連続でケーブル中間体を押し出した後に、外部半導電層表面における凹凸の発生を肉眼で確認した。また、電力ケーブルを軸方向に直交する任意の断面で切断し、外部半導電層中における発泡の有無を実体顕微鏡で観察した。その結果、外部半導電層表面に凹凸が発生していたり、外部半導電層中に発泡が生じていたりした場合を×とし、一方で、外部半導電層表面に凹凸が発生しておらず、且つ、外部半導電層中に発泡が生じていない場合を○とした。
上記のように各押出機の温度を200℃とし、24時間連続でケーブル中間体を押し出した後に、外部半導電層表面における凹凸の発生を肉眼で確認した。また、電力ケーブルを軸方向に直交する任意の断面で切断し、外部半導電層中における発泡の有無を実体顕微鏡で観察した。その結果、外部半導電層表面に凹凸が発生していたり、外部半導電層中に発泡が生じていたりした場合を×とし、一方で、外部半導電層表面に凹凸が発生しておらず、且つ、外部半導電層中に発泡が生じていない場合を○とした。
(長期浸水課電特性)
試料1〜10の電力ケーブルのそれぞれに対して、導体内に浸水させるとともに、PVCからなる防御層に所定の傷をつけて外部から絶縁層に向けて浸水させた状態で、約4kV/mmの電界を印加しつつ、温度が60℃8時間、常温16時間となるようなヒートサイクル試験を120日間行った。ヒートサイクル試験後、それぞれの電力ケーブルに対して、残存性能試験として交流絶縁破壊試験を実施した。また、ヒートサイクル試験後、それぞれの電力ケーブルを軸方向に直交する方向に1mmの厚さにスライスして、スライスした試験片をメチレンブルーで染色させた。その後、試験片を光学顕微鏡によって観察することで、絶縁層中における水トリーの有無を確認した。
試料1〜10の電力ケーブルのそれぞれに対して、導体内に浸水させるとともに、PVCからなる防御層に所定の傷をつけて外部から絶縁層に向けて浸水させた状態で、約4kV/mmの電界を印加しつつ、温度が60℃8時間、常温16時間となるようなヒートサイクル試験を120日間行った。ヒートサイクル試験後、それぞれの電力ケーブルに対して、残存性能試験として交流絶縁破壊試験を実施した。また、ヒートサイクル試験後、それぞれの電力ケーブルを軸方向に直交する方向に1mmの厚さにスライスして、スライスした試験片をメチレンブルーで染色させた。その後、試験片を光学顕微鏡によって観察することで、絶縁層中における水トリーの有無を確認した。
(剥離強度)
試料1〜10の電力ケーブルのそれぞれにおいて、外部半導電層に0.5inch幅の切れ目を入れ、引張試験機によって外部半導電層を絶縁層から引っ張ることで、外部半導電層と絶縁層との剥離強度を測定した。
試料1〜10の電力ケーブルのそれぞれにおいて、外部半導電層に0.5inch幅の切れ目を入れ、引張試験機によって外部半導電層を絶縁層から引っ張ることで、外部半導電層と絶縁層との剥離強度を測定した。
(4)結果
(半導電性樹脂の吸水率)
表1において、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とした試料1〜7と、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm超とした試料8〜10とを比較する。
(半導電性樹脂の吸水率)
表1において、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とした試料1〜7と、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm超とした試料8〜10とを比較する。
半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm超とした試料8〜10では、外部半導電層の押出の際に、半導電性樹脂組成物中の水分が蒸発したため、外部半導電層表面に凹凸が生じるとともに、外部半導電層中に発泡が生じていた。具体的には、試料8〜10で生じていた凹凸または発泡の直径は、およそ1000μm超であった。また、試料8〜10では、ヒートサイクル試験中に、外部半導電層中の発泡を起点として絶縁層中に水分が浸入し、外部半導電層側から絶縁層中に水トリーが形成されていた。具体的には、試料8〜10で生じていた水トリーの長さは、およそ1000μm超であった。このため、試料8〜10では、絶縁破壊強さが25kV/mm未満であった。
これに対し、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とした試料1〜7では、外部半導電層表面に凹凸が生じておらず、且つ、外部半導電層中に発泡が生じていないことを確認した。また、試料1〜7では、絶縁層中に水トリーが形成されていないことを確認するとともに、絶縁破壊強さが25kV/mm以上であることを確認した。以上の結果から、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とすることにより、外部半導電層を絶縁層等と同時に押出成形する際に、外部半導電層中に発泡が生じることを抑制することができることを確認した。これにより、絶縁層中に水トリーが形成されることを抑制し、電力ケーブルの通電時に絶縁破壊が生じることを抑制することができることを確認した。
(カーボンブラックの平均粒子径)
次に、カーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とした試料1〜7と、カーボンブラックの平均粒子径を35nm未満とした試料8〜10とを比較する。
次に、カーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とした試料1〜7と、カーボンブラックの平均粒子径を35nm未満とした試料8〜10とを比較する。
カーボンブラックの平均粒子径を35nm未満とした試料8〜10では、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とすることができなかった。カーボンブラックの比表面積が大きくなり、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量が増加したためと考えられる。その結果、上述のように、外部半導電層中に発泡が生じ、絶縁破壊強さが25kV/mm未満となっていた。
これに対し、カーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とした試料1〜7では、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下となっていることを確認した。その結果、上述のように、外部半導電層中に発泡が生じておらず、絶縁破壊強さが25kV/mm以上であることを確認した。以上の結果から、カーボンブラックの平均粒子径を35nm以上とすることにより、カーボンブラックの比表面積を縮小させ、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量の増加を抑制することができることを確認した。これにより、半導電性樹脂組成物の吸水率を安定的に1000ppm以下とすることができることを確認した。その結果、外部半導電層中に発泡が生じることを抑制し、電力ケーブルの通電時に絶縁破壊が生じることを抑制することができることを確認した。
(カーボンブラックのヨウ素吸着量)
次に、カーボンブラックをファーネスカーボンブラックとし、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g以下とした試料1〜6と、カーボンブラックをファーネスカーボンブラックとし、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g超とした試料8〜10とを比較する。
次に、カーボンブラックをファーネスカーボンブラックとし、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g以下とした試料1〜6と、カーボンブラックをファーネスカーボンブラックとし、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g超とした試料8〜10とを比較する。
カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g超とした試料8〜10では、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下とすることができなかった。カーボンブラックのヨウ素吸着量が70mg/g超であったため、カーボンブラックの比表面積が大きいことに相当し、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量が増加したためと考えられる。その結果、上述のように、上述のように、外部半導電層中に発泡が生じ、絶縁破壊強さが25kV/mm未満となっていた。
これに対し、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g以下とした試料1〜6では、半導電性樹脂組成物の吸水率を1000ppm以下となっていることを確認した。その結果、上述のように、外部半導電層中に発泡が生じておらず、絶縁破壊強さが25kV/mm以上であることを確認した。以上の結果から、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g以下とすることにより、カーボンブラックの比表面積を縮小させることに相当し、カーボンブラックの表面に対する水分の吸着量の増加を抑制することができることを確認した。これにより、半導電性樹脂組成物の吸水率を安定的に1000ppm以下とすることができることを確認した。その結果、外部半導電層中に発泡が生じることを抑制し、電力ケーブルの通電時に絶縁破壊が生じることを抑制することができることを確認した。
なお、試料7では、カーボンブラックのヨウ素吸着量を70mg/g超であるにもかかわらず、半導電性樹脂組成物の吸水率が1000ppm以下であった。詳細な理由は不明ではあるが、おそらくアセチレンカーボンブラック中の不純物および灰分が少ないことにより、吸水率が低くなったと考えられる。
(カーボンブラックの種類)
カーボンブラックの種類について、試料1〜6と、試料7とを比較する。なお、外部半導電層中に発泡が生じた試料8〜10については、外部半導電層中の発泡が外部半導電層の剥離性に影響を与えることが考えられるため、この比較対象から外すこととする。
カーボンブラックの種類について、試料1〜6と、試料7とを比較する。なお、外部半導電層中に発泡が生じた試料8〜10については、外部半導電層中の発泡が外部半導電層の剥離性に影響を与えることが考えられるため、この比較対象から外すこととする。
カーボンブラックをアセチレンカーボンブラックとした試料7では、外部半導電層の剥離強度が高く、外部半導電層を絶縁層から剥離することができなかった。アセチレンカーボンブラックの粒子表面に付着する不純物が少ないことに起因して、外部半導電層中においてアセチレンカーボンブラックとベース樹脂との結合力が向上し、アセチレンカーボンブラックを含む外部半導電層と絶縁層とが強固に密着していたためと考えられる。
これに対し、カーボンブラックをファーネスカーボンブラックとした試料1〜6では、外部半導電層の剥離強度が50N/0.5inch以下であり、絶縁層から外部半導体層を容易に剥離可能であることを確認した。以上の結果から、カーボンブラックをファーネスカーボンブラックとすることにより、ファーネスカーボンブラックの粒子表面に所定量の不純物が付着している状態とし、外部半導電層中においてファーネスカーボンブラックとベース樹脂との結合力を低下させ、ファーネスカーボンブラックを含む外部半導電層と絶縁層との密着性を阻害することができることを確認した。これにより、外部半導電層と絶縁層との剥離性を向上させることができることを確認した。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する際に用いられる半導電性樹脂組成物であって、
前記半導電性樹脂組成物の吸水率は、1000ppm以下である半導電性樹脂組成物。
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する際に用いられる半導電性樹脂組成物であって、
前記半導電性樹脂組成物の吸水率は、1000ppm以下である半導電性樹脂組成物。
(付記2)
平均粒子径が35nm以上であるカーボンブラックを含む付記1に記載の半導電性樹脂組成物。
平均粒子径が35nm以上であるカーボンブラックを含む付記1に記載の半導電性樹脂組成物。
(付記3)
ヨウ素吸着量が70mg/g以下であるカーボンブラックを含む付記1又は2に記載の半導電性樹脂組成物。
ヨウ素吸着量が70mg/g以下であるカーボンブラックを含む付記1又は2に記載の半導電性樹脂組成物。
(付記4)
灰分が0.1質量%以下であるカーボンブラックを含む付記1〜3のいずれか1つに記載の半導電性樹脂組成物。
灰分が0.1質量%以下であるカーボンブラックを含む付記1〜3のいずれか1つに記載の半導電性樹脂組成物。
(付記5)
前記カーボンブラックは、ファーネスカーボンブラックである付記2〜4のいずれか1つに記載の半導電性樹脂組成物。
前記カーボンブラックは、ファーネスカーボンブラックである付記2〜4のいずれか1つに記載の半導電性樹脂組成物。
(付記6)
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら、導体の外周に前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する押出工程と、
水分の存在下で前記絶縁層を架橋させる水架橋工程と、
を有し、
前記押出工程では、
吸水率が1000ppm以下である半導電性樹脂組成物を用いて前記外部半導電層を押出成形する電力ケーブルの製造方法。
絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら、導体の外周に前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する押出工程と、
水分の存在下で前記絶縁層を架橋させる水架橋工程と、
を有し、
前記押出工程では、
吸水率が1000ppm以下である半導電性樹脂組成物を用いて前記外部半導電層を押出成形する電力ケーブルの製造方法。
(付記7)
前記押出工程では、
前記外部半導電層を押出成形する際の温度を150℃以上230℃以下とする付記6に記載の電力ケーブルの製造方法。
前記押出工程では、
前記外部半導電層を押出成形する際の温度を150℃以上230℃以下とする付記6に記載の電力ケーブルの製造方法。
10 直流電力ケーブル
110 導体
120 内部半導電層
130 絶縁層
140 外部半導電層
110 導体
120 内部半導電層
130 絶縁層
140 外部半導電層
Claims (6)
- 絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する際に用いられる半導電性樹脂組成物であって、
前記半導電性樹脂組成物の吸水率は、1000ppm以下である半導電性樹脂組成物。 - 平均粒子径が35nm以上であるカーボンブラックを含む請求項1に記載の半導電性樹脂組成物。
- ヨウ素吸着量が70mg/g以下であるカーボンブラックを含む請求項1又は2に記載の半導電性樹脂組成物。
- 灰分が0.1質量%以下であるカーボンブラックを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導電性樹脂組成物。
- 前記カーボンブラックは、ファーネスカーボンブラックである請求項2〜4のいずれか1項に記載の半導電性樹脂組成物。
- 絶縁層を構成するベース樹脂に対してシラン化合物をグラフト共重合させながら、導体の外周に前記絶縁層を押出成形すると同時に、前記絶縁層の外周に外部半導電層を押出成形する押出工程と、
水分の存在下で前記絶縁層を架橋させる水架橋工程と、
を有し、
前記押出工程では、
吸水率が1000ppm以下である半導電性樹脂組成物を用いて前記外部半導電層を押出成形する電力ケーブルの製造方法。
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