JP2020038364A - フィルタユニット、アダプタおよび光学機器 - Google Patents
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また、上記特許文献1、2にはフィルタユニットが逆向きの場合にはカメラアクセサリに装着できないようにするための構成は開示されていない。ここでいうフィルタユニットが逆向きの場合とは、例えば、第1の面が被写体側を向いた場合にしかカメラアクセサリに装着できないようになっており、第1の面が被写体側ではなく像面側を向いている場合をいう。フィルタユニットを逆向きにカメラアクセサリに装着できてしまうと、例えば、操作ダイヤルに印字された透過率の情報などが視認できなくなってしまうために好ましくない。また、フィルタの効果が逆になってしまう場合もある。
光学機器に設けられた開口部に挿抜可能な光学素子ユニットであって、
第1の光学素子と、
該第1の光学素子を保持する保持部材と、を備え、
前記開口部は、第1の内径を有する第1の部分と、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を有する第2の部分とを備え、
前記保持部材は、第1の外径を有する第3の部分と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第4の部分とを備え、
前記第1の外径は、前記第2の内径よりも大きく、
前記第1の光学素子の第1の面が第1の方向を向いた状態で前記光学素子ユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第1の部分と対向し、
前記第1の面が第1の方向とは反対の第2の方向を向いた状態で前記光学素子ユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第2の部分と接触することを特徴とする。
以下、図1から図9を参照して、本発明の実施例1に係る光学機器としてのレンズ装置(レンズ鏡筒10)について説明する。なお、各図において、同一の部材及び要素については、同一の参照符号を付すことで、互いに重複する説明を省略する。
なお、内径とは光軸から内周までの距離を意味する。本実施例において、第1の内面部12bや第2の内面部12cの全ての部分が同じ内径を有していなくても良い。光軸を含む少なくとも一つの断面(第1の断面)において、第1の内面部12bが第1の内径を有し、第2の内面部12cが第2の内径を有していればよい。
なおフィルタユニット100の光軸はフィルタユニット100に設けられたフィルタ等の光学素子の光軸に相当し、フィルタユニット100の光軸はフィルタユニット100をレンズ鏡筒10に正しい向きに完全に挿入したときにレンズ鏡筒10の光軸と一致する。
ここで、フィルタホルダ101及びフィルタ枠102は、第1のフィルタ103を保持する保持部材として機能する。
さらに、フィルタユニット100は、ロックコマ110、ロックバネ111、操作ダイヤル112(操作部材)、操作ダイヤル軸113、操作ダイヤル端軸114a、および、操作ダイヤル端軸114bを備える。さらに、フィルタユニット100は、スペーサ115、連結ギア116(連結部材)、連結ギア止めビス117を備える。
ここで、図7および図8に基づいて、本実施例に係るレンズ鏡筒10へフィルタユニット100を挿抜する場合について説明する。
まず初めに、フィルタユニット100の挿入について述べる。図8のように第1の外形部101bと第1の内面部12b、第2の外形部101cと第2の内面部12cは対応したフィットする形状になっており、ガイドとして作用している。
フィルタユニット100をレンズ鏡筒10の開口部12aに対して正しい方向(第1の方向)で挿入する場合、前記第1のフィルタ103(第1の光学素子)の外側の面(第1の面)は被写体方向を向いている。
すなわち、この場合はフィルタユニット100を光学機器(レンズ装置)に装着することができる。
一方、フィルタユニット100を表裏逆に挿入した場合、前記第1のフィルタ103(第1の光学素子)の外側の面(第1の面)は第1の方向とは反対の像面の方向(第2の方向)に向いている。この場合には第2の内面部12cの内径は、第1の外形部101bの外径より小さくなっているので、前記第1の外形部101b(第3の部分)が前記内面部12c(第2の部分)と接触する。
これにより、撮影者が誤った方向(前記第1の方向とは反対側の第2の方向を向いた状態)(裏表逆にした状態)でフィルタユニット100をレンズ鏡筒10へ装着することを防げる。ここで第2の方向は像面方向を意味する。なお、本実施例において、一例として、第2の外形部101cは、第1の外径よりも小さい第2の外径を有するテーパー面(傾斜面)となっているが、この構成に限られるものではない。第2の外形部101cは、第1の外径よりも小さい第2の外径を有していればよく、例えば、段差を有する形状であっても良いし、テーパー面は湾曲していても良い。また、第2の内面部12cは、第2の外形部101cに対応したフィットした形状であれば良い。
また、レンズ鏡筒10は、マウント13が不図示のカメラ本体に装着されて使用されるものであるから、像面側の角隅部に応力が集中する傾向がある。本実施例のレンズ鏡筒10は、内径の小さい第2の内面部12cが、第1の内面部12bよりも像面側、すなわち、マウント13側に形成されているため、応力集中を緩和して強度を向上することが可能となる。第2の内面部12cは前述のフィルタユニット100の逆差し防止構造に加えて、レンズ鏡筒10の強度アップも兼ねている。
即ち、前記第1の面が前記第1の方向を向いた状態において、前記ギア部112a(第4の伝達部)は、前記フランジ部よりも前記第1の方向の側に配置されており、かつ前記ギア部112a(第4の伝達部)の外接円よりも前記前記フランジ部の径が大きい。
ギア部112aのモジュール値は0.3以上が望ましく、0.3が最適である。
フィルタ枠ギア102aは、光軸方向から見たときに第2の外形部101cと重なる。また、光軸直交方向から見たときには前記第1の外形部101b(第3の部分)と光軸方向に重なり、前記第2の外形部101c(第4の部分)と光軸方向に重ならない位置に配置される。
なお、前記フィルタユニット100の光軸方向は、本実施例では第1のフィルタ103(第1の光学素子)の被写体側の面(第1の面)の中心の法線方向に相当する。
また前記第2の光学素子は前記第1の面の法線方向において、前記第3の部分と重ならず、かつ前記第4の部分と重なる。また、前記第1の面が第1の方向を向いた状態において、前記第1の光学素子は、前記第2の光学素子よりも前記第1の方向の側に配置される。
フィルタ枠102は、外周にフィルタ枠ギア102aを形成しているために、外径が大きくなるがこのような構成とすることで、フィルタユニット100やフィルタホルダ101を小型化することができる。フィルタ枠ギア102aのモジュール値は、0.2以上が望ましく0.2が最適である。また、ギア部112aのモジュール値よりも小さいことが望ましい。
連結ギア116の外周には、第2の伝達部としてのギア部116aと第3の伝達部としてのギア部116bが形成されている。すなわち、ギア部116aとギア部116bは、連動しており、同軸で回転可能である。
以下、図10および図11を参照して、本発明の実施例2に係る光学機器について説明する。なお、本実施例では実施例1とは異なるフィルタユニット200についてのみ説明を行い、その他同一の部分については同一の符号を付して、説明を省略する。
フィルタ枠ギア202aのモジュール値は、ギア部112aのモジュール値よりも小さいので、フィルタ枠ギア202aの一歯あたりの大きさを小さくして、フィルタ枠202を小型化することができる。
図12は、カメラシステムの例を示す図である。カメラシステムは、上述のレンズ鏡筒10と、当該レンズ鏡筒10が装着されるカメラ本体50と、を備える。カメラ本体50は、レンズ鏡筒10からの光を受光する撮像素子70を有する光学機器(撮像装置)として機能する。撮像素子70は、CCD、CMOSイメージセンサなどである。上述の実施例のフィルタユニットは、このようなカメラシステムに適用することも可能である。なおカメラ本体50やレンズ鏡筒10に結像光学系が内蔵されていても良い。
図13は、アダプタの例を示す図である。上述の実施例のフィルタユニットは、結像光学系を保持するレンズ鏡筒20と、レンズ鏡筒20からの光を受光する撮像素子70を保持するカメラ本体50と、を接続するアダプタ30に挿抜可能であっても良い。ここで、レンズ鏡筒20とアダプタ30とカメラ本体50(撮像装置)によって撮像システムが構成されており、前記フィルタユニットは前記撮像システムに挿抜可能である。
図14は、アダプタ30とフィルタユニット300を示す図である。アダプタ30は、レンズ鏡筒20とカメラ本体50の間に装着可能である。レンズ鏡筒20はカメラ本体50に直接装着することはできないマウント構造を有し、アダプタ30を間にいれることによってカメラ本体50に直接装着することができるものである。レンズ鏡筒10はカメラ本体50に直接装着することができるマウント構造を有する。
(変形例)
即ち、前記光学素子ユニットを前記開口部に挿抜する方向から見たとき、前記第2の内面部12c(第2の部分)は前記第1の内面部12b(第1の部分)に対して傾斜した傾斜面を含む。
しかしながら、第2の内面部12cは斜面部でなくてもよく、例えば、第2の内面部12cを第1の内面部12bから続く平面部とし、第2の内面部12cに相当する部分に突起部を設け、この突起部を新たな第2の内面部としてもよい。
また、第1の外形部101b及び201bは1つの外径を有している、言い換えれば、第1の外形部101b及び201bの外周面は凹凸のない状態になっているが、第1の外形部101b及び201bに凹凸を設けてもよい。
第1の面が像面方向(第2の方向)を向いた状態でフィルタユニット100あるいは200を開口部14aに挿入した場合に、第1の外形部101bあるいは201bの少なくとも一部(例えば突起部)が、第2の内面部12cと接触すれば良い。それによってフィルタユニットが開口部の中に完全には装着できないようにすればよい。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
12a 開口部
12b 第1の内面部(第1の部分)
12c 第2の内面部(第2の部分)
101b、201b 第1の外形部(第3の部分)
101c、201c 第2の外形部(第4の部分)
レンズ装置と撮像装置とを接続するためのアダプタに設けられた開口部に挿抜可能なフィルタユニットであって、
第1のフィルタと、該第1のフィルタを保持する保持部材とを有し、
前記開口部は、第1の内径を有する第1の部分と、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を有する第2の部分とを備え、
前記保持部材は、前記第2の内径よりも大きい第1の外径を有する第3の部分と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第4の部分とを備え、
前記第1のフィルタの第1の面が前記レンズ装置の光軸方向における第1の側を向いた状態で前記フィルタユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第1の部分と対向し、前記フィルタユニットは前記アダプタに装着され、
前記第1の面が第1の側とは反対の第2の側を向いた状態で前記フィルタユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第2の部分と接触し、前記フィルタユニットは前記アダプタに装着されないことを特徴とする。
レンズ装置と撮像装置とを接続するためのアダプタに設けられた開口部に挿抜可能なフィルタユニットであって、
第1のフィルタと、該第1のフィルタを保持する保持部材と、ロックコマ爪を含むロックコマとを有し、
前記開口部は、第1の内径を有する第1の部分と、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を有する第2の部分とを備え、
前記保持部材は、前記第2の内径よりも大きい第1の外径を有する第3の部分と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第4の部分とを備え、
該第4の部分は、前記第1のフィルタの第1の面の法線方向に対して傾斜した傾斜面を含み、
前記第1の面が前記レンズ装置の光軸方向における第1の側を向いた状態で前記フィルタユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第1の部分と対向し、前記第4の部分は前記第2の部分と対向し、前記ロックコマ爪は前記開口部の前記光軸方向における前記第1の部分の側に設けられたロックコマ端と係合し、前記フィルタユニットは前記アダプタに装着され、
前記第1の面が第1の側とは反対の第2の側を向いた状態で前記フィルタユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第2の部分と接触し、前記フィルタユニットは前記アダプタに装着されないことを特徴とする。
フィルタ枠ギア102aは、光軸直交方向から見たときには、前記第1の外形部101b(第3の部分)と光軸方向に重なり、かつ前記第2の外形部101c(第4の部分)と光軸方向に重ならない位置に配置される。
なお、前記フィルタユニット100の光軸方向は、本実施例では第1のフィルタ103(第1の光学素子)の被写体側の面(第1の面)の中心の法線方向に相当する。
また前記第2の光学素子は前記第1の面の法線方向に垂直な方向から見たとき、前記第3の部分と重ならず、かつ前記第4の部分と重なる。また、前記第1の面が第1の方向を向いた状態において、前記第1の光学素子は、前記第2の光学素子よりも前記第1の方向の側に配置される。
フィルタ枠102は、外周にフィルタ枠ギア102aを形成しているために、外径が大きくなるがこのような構成とすることで、フィルタユニット100やフィルタホルダ101を小型化することができる。フィルタ枠ギア102aのモジュール値は、0.2以上が望ましく0.2が最適である。また、ギア部112aのモジュール値よりも小さいことが望ましい。
Claims (20)
- 光学機器に設けられた開口部に挿抜可能な光学素子ユニットであって、
第1の光学素子と、
該第1の光学素子を保持する保持部材と、を備え、
前記開口部は、第1の内径を有する第1の部分と、前記第1の内径よりも小さい第2の内径を有する第2の部分とを備え、
前記保持部材は、第1の外径を有する第3の部分と、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第4の部分とを備え、
前記第1の外径は、前記第2の内径よりも大きく、
前記第1の光学素子の第1の面が第1の方向を向いた状態で前記光学素子ユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第1の部分と対向し、
前記第1の面が第1の方向とは反対の第2の方向を向いた状態で前記光学素子ユニットが前記開口部に挿入された場合、前記第3の部分は前記第2の部分と接触することを特徴とする光学素子ユニット。 - 前記第1の光学素子は、前記第1の面の法線方向において、前記第3の部分と重なり、かつ前記第4の部分と重ならないことを特徴とする請求項1に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1の面の法線方向において、前記第3の部分と重ならず、かつ前記第4の部分と重なる第2の光学素子を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1の面が第1の方向を向いた状態において、前記第1の光学素子は、前記第2の光学素子よりも前記第1の方向の側に配置されることを特徴とする請求項3に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1及び第2の光学素子は、それぞれ特定の偏光を透過させるフィルタであることを特徴とする請求項3又は4に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1及び第2の光学素子が相対的に回転することで、前記光学素子ユニットを通過する光の量が変化することを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の光学素子ユニット。
- 前記保持部材は、外部からの駆動力を前記第1の光学素子に伝達する第1の伝達部を有し、前記第1の面が第1の方向を向いた状態において、前記第1の伝達部は、前記第1の光学素子よりも前記第1の方向の側に配置されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1の伝達部と係合する第2の伝達部と、前記第2の伝達部と連動する第3の伝達部とを有する連結部材と、
前記第1の面の法線方向における前記連結部材の位置を規制するスペーサと、
前記第3の伝達部と係合する第4の伝達部を有し、前記外部からの駆動力を、前記連結部材を介して前記第1の光学素子に伝達する操作部材とを備え、
前記保持部材には、前記連結部材と嵌合する穴部と前記操作部材が収納される凹部とが設けられており、
前記第1の面が第1の方向を向いた状態において、前記穴部は前記凹部よりも前記第1の方向の側に配置されることを特徴とする請求項7に記載の光学素子ユニット。 - 前記第1乃至第4の伝達部の夫々はギア部であり、前記第1及び第2の伝達部のモジュール値は、前記第3及び第4の伝達部のモジュール値よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の光学素子ユニット。
- 前記操作部材は、前記第1の面の法線方向から見たとき、前記第4の伝達部の外接円よりも径が大きいフランジ部を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1の面が前記第1の方向を向いた状態において、前記第4の伝達部は、前記フランジ部よりも前記第1の方向の側に配置されることを特徴とする請求項10に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1の外径は前記第1の内径よりも小さく、前記第2の外径は前記第2の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の光学素子ユニット。
- 前記第1の面の法線と直交する方向において、前記第4の部分と前記開口部との間の距離は、前記第3の部分と前記開口部との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の光学素子ユニット。
- 前記光学素子ユニットを前記開口部に挿抜する方向から見たとき、前記第2の部分は前記第1の部分に対して傾斜した傾斜面を含むことを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学素子ユニット。
- 前記光学素子ユニットを前記開口部に挿抜する方向から見たとき、前記第2の部分は前記第1の部分に対して突出した突起部を含むことを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の光学素子ユニット。
- 請求項1乃至15の何れか一項に記載の前記光学素子ユニットが挿抜可能である前記開口部が設けられたことを特徴とする光学機器。
- 結像光学系を備えることを特徴とする請求項16に記載の光学機器。
- 前記第2の部分は、前記第1の部分よりも像面側に配置されることを特徴とする請求項17に記載の光学機器。
- 前記結像光学系を介した光を受光する撮像素子を備えることを特徴とする請求項17又は18に記載の光学機器。
- 結像光学系を備えるレンズ装置と撮像素子を備える撮像装置からなる撮像システムに対して着脱可能であることを特徴とする請求項16乃至18の何れか一項に記載の光学機器。
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