JP2020037360A - バンカー船および燃料移送方法 - Google Patents

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豪 山田
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Abstract

【課題】燃料受給船に対し、バンカー船を用いて安全に燃料移送を行う。【解決手段】バンカー船10は、液化ガス燃料を貯蔵する燃料タンク60、70と、右舷側に防舷材80A、80B、左舷側に防舷材90A、90Bとを備える。さらにバンカー船10は、船体中央付近に第1マニフォールド20と、船首側に第2マニフォールド30とを備える。バンカリングを行うとき、防舷材80A、80Bもしくは防舷材90A、90Bを2船の外板平坦区間に設置できるように、バンカー船10の船首向きを定めて燃料受給船200に対し横付けする。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を船に補給するバンカー船(バンカリング船ともいう)およびSTS(Ship to Ship)方式による燃料移送方法に関する。
近年、大気汚染物質排出の規制に伴い、重油などと比べて環境負荷の小さいLNG(液化天然ガス)あるいはLPG(液化石油ガス)などを燃料とする船舶が増加している。このような燃料を使用する船(以下、燃料受給船という)に対するバンカリング方式として、STS(Ship to Ship)方式がある。
STS方式では、燃料受給船に対しバンカー船を横付けし、2船間係留を行う。このとき、バンカー船から防舷材を投下し、2船の外板の間に設置する。係留後、バンカー船のローディングアームあるいはフレキシブルホースを燃料受給船のマニフォールドに接続し、液化ガスなどの燃料をバンカー船から燃料受給船へ移送する(非特許文献1、2参照)。
柳裕 一朗 他3名、「船舶間LNGバンカリングの安全評価」、日本船舶海洋工学会講演会論文集、平成27年、第20号、437〜440頁 青山 憲之、「LNGバンカリングの手順と安全要件」、日本マリンエンジニアリング学会誌、2016年、第51巻、第1号、12〜16頁
LNGなどの燃料を安全に移送するためには、波浪などの影響によって2船が接触し、あるいは離れたりするのを防止しなければならない。そのため、2船とも船体の外板がフラットな箇所(以下、外板平坦区間という)に防舷材を設置することが求められる。
しかしながら、燃料受給船の大きさ(全長)、船型、マニフォールド設置箇所は様々であり、例えば燃料受給船のマニフォールドが船尾側に設置され、且つ防舷材の投下位置が燃料受給船の先細くなって痩せた箇所に該当する場合、2船の並列状態が崩れる恐れがあるため、バンカリング作業を安全に行うことができない。
したがって、燃料受給船の大きさ、船型、マニフォールド設置箇所などに関係なく、2船の並列状態を維持して安全に2船間係留ができ、燃料移送を行うことができるバンカー船が求められる。
本発明の一態様であるバンカー船は、移送燃料を貯蔵する燃料タンクと、燃料タンクと繋がり、接続口を両舷側に設けたマニフォールドとを備え、マニフォールドを設置する甲板高さにおける外板平坦区間に、複数のマニフォールドが設けられている。複数のマニフォールドは、例えば2つのマニフォールドから構成することが可能であり、その1つを船体中央ライン付近に配置すればよい。
例えば、水面の高さにおける外板平坦区間よりも船首側もしくは船尾側にマニフォールドを設けるようにしてもよい。また、船体中央ラインを挟んで居住区の存在しない船首部区域もしくは船尾部区域にマニフォールドを設けることもできる。さらには、燃料タンクよりも船尾側あるいは船首側にマニフォールドを設けることができる。ただし、船首から船尾の間に1つの燃料タンクあるいは複数の燃料タンクを配置することが可能であることから、例えば、船首部区域の燃料タンク(複数ある場合には最も船首側の燃料タンク)よりも船首側にマニフォールドを配置し、船尾部区域の燃料タンク(複数ある場合には最も船尾側の燃料タンク)よりも船尾側にマニフォールドを配置すればよい。さらに、船首部区域に設置された船首側防舷材よりも船首側に、もしくは船尾部区域に設置された船尾側防舷材よりも船尾側にマニフォールドを設けることも可能である。例えば、船体中央付近に設けられた第1マニフォールドと、船首部区域もしくは船尾部区域に設けられた第2マニフォールドとを備えたバンカー船に対し、第2マニフォールドを上述した配置にすることができる。また、第2マニフォールドから船首もしくは船尾までの距離が、前記第2マニフォールドから船体中央ラインまでの距離よりも短くなるように、第2マニフォールドを配置してもよい。
一方、本発明の一態様である燃料移送方法は、複数のマニフォールドを備えたバンカー船を用いて燃料を移送する方法であって、燃料受給船のマニフォールド(以下、燃料マニフォールドという)の位置に合わせて、バンカー船を燃料受給船に横付けして係留し、バンカー船に装備された防舷材を、燃料受給船およびバンカー船の水面の高さにおける外板平坦区間に設置し、燃料マニフォールド近くに位置するバンカー船のマニフォールドを、ローディングアームもしくはフレキシブルホースを介して燃料マニフォールドに接続し、バンカー船の燃料タンクに貯蔵された燃料を、燃料受給船に移送する。バンカー船を燃料受給船に横付けするとき、バンカー船の船首を、バンカー船の防舷材が燃料受給船およびバンカー船の水面の高さにおける外板平坦区間に設置可能な向きにする。
例えば、船体中央付近に設けられた第1マニフォールドと、船首部区域に設けられた第2マニフォールドとを備えたバンカー船の場合、燃料受給船の燃料マニフォールドが船体中央より船尾側に設けられていても、バンカー船の船首を燃料受給船の船首と反対向きにして横付けすることにより、2船の並列状態を維持することができる。また、船尾部区域に設けられた第2マニフォールドを備えたバンカー船の場合、燃料受給船の燃料マニフォールドが船体中央より船首側に配置されていれば、バンカー船の船首を燃料受給船の船首と反対向きにして横付けすることにより、2船の並列状態を維持することができる。
本発明によれば、燃料受給船に対し、バンカー船を用いて安全に燃料移送を行うことができる。
本実施形態であるバンカー船を上から見た概略的平面図である。 バンカー船を燃料受給船に横付けしたときの状態を示した概略的平面図である。 バンカー船のマニフォールドを設置する甲板高さおよび水面の高さにおける外板平坦区間を示した概略的側面図である。 バンカー船の船首を燃料受給船の船首と反対向きにして横付けした状態を示した概略的平面図である。 バンカリング作業のフローを示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態であるバンカー船を上から見た概略的平面図である。
バンカー船10は、LNGを燃料とする燃料受給船に対してLNGを移送する燃料補給船であり、海上でSTS方式によるバンカリングを行うために使用される。バンカー船10では、操縦系のあるブリッジを含む居住区40が船尾側に配され、その下方には、図示しない推進装置と連結する主機などを収めた機関室50が配置されている。バンカー船10は、船体中央ラインC2を挟んで船首側に配置しているタンク70と、船尾側に配置しているタンク60とを備え、一対の燃料タンク60、70は、図示しないパイプを介してマニフォールド20、30と繋がっている。
中心ラインC1の方向に所定間隔をもって配置された2つのマニフォールド20、30は、それぞれ船体中央ラインC2と略平行であり、マニフォールド20(以下、第1マニフォールドという)は、燃料タンク60、70の間の船体中央ラインC2付近に配置され、ここでは船体中央ラインC2よりわずかに船首側の区域(船首部区域)に配置されている。マニフォールド30(以下、第2マニフォールドという)も船首部区域に配置され、燃料タンク70より船首側に位置する。
バンカー船10の外板10F1、10F2は、図1に示す外板平坦区間FDにおいて、中心ラインC1と略平行であり、第1マニフォールド20、第2マニフォールド30は、外板平坦区間FD内に設置されている。ただし、外板平坦区間FDは、フラットな外板部分の区間を表すとともに、後述するように、バンカー船10のマニフォールドを設置する甲板の高さにおける平坦区間を表す。第2マニフォールド30は、ここでは外板平坦区間FDの端に設置されている。第2マニフォールド30から船首までの距離は、第2マニフォールド30から船体中央ラインC2までの距離よりも短い。
第1マニフォールド20は、LNG供給用配管20Aとリターンガス用配管20Bとを備え、それぞれ両舷に向く接続口(配管口)を設けている。LNG供給用配管20Aは、その接続口からLNGを燃料受給船に移送し、リターンガス用配管20Bには、燃料受給船からのリターンガスが返送される。第2マニフォールド30も同様に、両舷に接続口を設けたLNG供給用配管30Aとリターンガス用配管30Bとを備える。
燃料タンク60、70の付近には、ローディングアーム100、110がそれぞれ設置されている。ローディングアーム100は、第1マニフォールド20と接続可能であり、バンカリングを行う場合、アーム先端部を燃料受給船のマニフォールド(以下、燃料マニフォールドという)に繋いでLNGを移送する。ローディングアーム110は、第2マニフォールド30と接続可能であり、同様に燃料移送を行う。なお、ローディングアーム100、110の代わりに、フレキシブルホースを用いて燃料移送を行うことが可能である。
バンカー船10の上甲板10D上には、右舷側に防舷材80A、80B、左舷側に防舷材90A、90Bが装備されている。防舷材80A、80Bは、船体中央ラインC2を間に所定間隔離れて配置されている。ここでは、燃料タンク60、70と対向する位置に設置されている。バンカー船10を右舷側から燃料受給船に接舷する場合、防舷材80A、80Bが上甲板10Dから投下され、左舷側から接舷する場合、防舷材90A、90Bが投下される。また、バンカー船10の上甲板10Dには、図示しない係留装置が装備されている。
このような第1、第2マニフォールド20、30を装備したバンカー船10を用いて、以下に説明するバンカリングを行うことができる。
図2は、バンカー船を燃料受給船に横付けしたときの状態を示した概略的平面図である。図3は、バンカー船のマニフォールドを設置する甲板高さおよび水面の高さにおける外板平坦区間を示した概略的側面図である。図4は、バンカー船の船首を燃料受給船の船首と反対向きにして横付けした状態を示した概略的平面図である。そして図5は、バンカリング作業のフローを示した図である。なお、図2〜図4では、図1に示したバンカー船10の一部構成を省略して描いている。
図2に示す燃料受給船200は、LNGを燃料として航行する船舶であり、バンカー船10よりも全長が長く、船尾側に居住区240、機関室250を設けている。また、燃料受給船200は図示しない燃料タンクを備え、燃料受給船200の燃料マニフォールド220は、船体中央ラインC2’付近に配置されている。燃料受給船200の外板平坦区間FD1は、燃料マニフォールド220を設置する甲板の高さにおける外板200F1、200F2の平坦区間を表す。
このような燃料受給船200に対し、次のようにバンカリング作業を行う。まず、バンカー船10の船首を燃料受給船200の船首方向(符号F参照)と同方向に向けながら、バンカー船10を燃料受給船200に横付けする(図5のS101)。そしてバンカー船10と燃料受給船200との間で、それぞれの係留装置などを使って係留を行う(S102)。
横付けおよび係留のとき、バンカー船10の左舷側の防舷材90A、90Bを投下し、防舷材90A、90Bをバンカー船10の外板10F1と燃料受給船200の外板200F2との間に配置する。ここで図3に示すように、バンカー船10の外板10F2は、中心ラインC1と略平行な平坦面である平坦領域FA(図3の網掛け部分)を有する。この平坦領域FAは、船体の推進性能を確保するため船底に近づくほど船長方向の長さが短くなっており、高さ方向に関してその区間長さが異なる。水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’は、マニフォールドを設置する甲板の高さにおける外板平坦区間FDよりも短い。外板10F1についても同じである。防舷材90A、90Bの設置(投下)箇所は、バンカー船10の水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’および燃料受給船200の水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’1(図2参照)に収まる。
係留後、バンカー船10の第1マニフォールド20と燃料受給船200の燃料マニフォールド220を接続する(S103)。図2では、フレキシブルホース130によってマニフォールド間を接続しているが、ローディングアーム100を使用してもよい。マニフォールド間の接続作業が終わると、窒素ガスなどによってパージングを行い、その後、バンカー船10内に装備されたポンプ(図示せず)などを動作させ、燃料移送を行う(S104)。
燃料移送が終了すると、残留する燃料ガスを窒素ガスなどによってパージした後、フレキシブルホース130を取り外し、マニフォールド間の接続を切り離す(S105)。そして、2船間係留を解除する(S106)。
一方、図4に示す燃料受給船300は、燃料受給船200と全長が略同じであって、燃料マニフォールド320を設置する甲板の高さにおける外板平坦区間FD2および水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’2は、燃料受給船200の燃料マニフォールド220を設置する甲板の高さにおける外板平坦区間FD1、水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’1と略等しい。また、燃料受給船300は、燃料受給船200と同様、居住区340を船尾側に設け、その下方に機関室350を備えている。しかしながら、燃料マニフォールド320は、機関室350に近い船尾側に配置されている。
このような燃料受給船300に対してバンカリングを行う場合、バンカー船10の船首方向を燃料受給船300の船首方向とは反対向きにして横付けし、2船間係留を行う。この場合、右舷側の防舷材80A、80Bを投下し、バンカー船10の外板10F2と燃料受給船300の外板300F2との間に配置する。防舷材80A、80Bの配置箇所は、バンカー船10の水面WLにおける外板平坦区間FD’および燃料受給船300の水面WLにおける外板平坦区間FD’2に収まる。そして上述したように、マニフォールド間の接続、燃料移送、マニフォールド間の接続切り離し、係留解除の手順でバンカリングを行う。ただし、マニフォールド間の接続には、第2マニフォールド30が使用される。また、フレキシブルホース130の代わりにローディングアーム110を使用してもよい。
本実施形態による第1、第2マニフォールド20、30を備えたバンカー船10によれば、燃料受給船の燃料マニフォールド配置箇所に応じてバンカー船10の接舷時の船首方向を調整することにより、防舷材80A、80Bあるいは防舷材90A、90Bを、バンカー船および燃料受給船の水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’、FD’1(FD’2)に設置することができる。すなわち、2船が並列状態で、防舷材80A、80Bの両方、あるいは防舷材90A、90Bの両方を2船の外板に接触させ、係留することができる。
LNGの燃料移送は、重油などと比べてその安全基準が厳しく、バンカー船のマニフォールドと燃料受給船の燃料マニフォールドをできる限り並列させなければならない。この場合、バンカー船のマニフォールドが船体中央ライン付近に一箇所しか設置されていないと、燃料マニフォールドが船尾側に配置されている燃料受給船に横付けするとき、燃料受給船の水面高さにおける外板平坦区間に収まらない場所に防舷材を投下しなければならなくなり、安全にバンカリングを行うことができない。
例えば、図4のように燃料受給船300の船尾側に配置されている燃料マニフォールド320の位置に対してバンカー船10の第1マニフォールド20の位置を合わせるように、バンカー船10の船首を図2のように燃料受給船の船首と同じ向き、あるいは図4のように反対向きにして横付けしようとしても、防舷材の投下位置の一部が燃料受給船の船尾側の痩せた部分(図2、図4の符号TD参照)に該当し、安全上の観点からバンカリングを行うことができない。
本実施形態のバンカー船10によれば、第1マニフォールド20、第2マニフォールド30を燃料受給船に応じて使い分けることにより、防舷材80A、80B(90A、90B)を2船両方の水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’、FD’1(FD’2)に設置することができる。したがって、2船の並列状態を維持することが可能となり、燃料移送中に波浪などにより船体動揺が生じても、安全なバンカリング作業を行うことができる。
また、第1マニフォールド20および第2マニフォールド30が居住区40の存在しない船体前部の区域に設置されるため、乗船者は、第1マニフォールド20および第2マニフォールド30をブリッジなどから良好に視認することができ、バンカリング作業を十分監視することができる。また、LNG漏洩などに起因する事故が発生しても、LNG漏洩の可能性が高いマニフォールドが居住区40および居住区40近傍に通常設けられる脱出装置から離れているため、被害を最小限に抑えることができる。
さらに第2マニフォールド30は、燃料タンク70、一対の防舷材80A、90Aよりも船首側に配置され、水面WLの高さにおける外板平坦区間FD’よりも船首側に位置し、マニフォールドを設置する甲板の高さにおける外板平坦区間FDの端近くに設置されている。すなわち、第2マニフォールド30は、船体中央付近の第1マニフォールド20から離れ、船首により近い位置に配置されている。これによって、燃料マニフォールドの位置、船型が様々である燃料受給船に対し、防舷材80A、80B(90A、90B)を2船両方の水面WLでの外板平坦区間に設置することができる。また、第1、第2マニフォールド20、30は、バンカー船10のマニフォールドを設置する甲板高さにおける外板平坦区間FD内に位置するため、フレキシブルホース130を使うときも、最短距離でマニフォールド間の接続を行うことができ、余裕をもってマニフォールド間のホース接続作業をすることができる。
なお、バンカー船10の居住区40を船首部区域に配置した場合は、第2マニフォールド30を、船体中央ラインC2に対して居住区40と反対側になる船尾部区域に設ければよい。この場合、第2マニフォールド30を、マニフォールドを設置する甲板の高さにおける外板平坦区間FDの端近くであって、船尾側に配置している燃料タンク60および防舷材80B、90Bよりも船尾側に配置すればよい。第1マニフォールド20、第2マニフォールド30の設置箇所、距離間隔も、様々に設定することが可能であり、防舷材80A、80B(90A、90B)の位置、燃料タンク60、70の位置に合わせて設定すればよい。なお、燃料タンクの数は、バンカー船のサイズなどに応じて任意であることを考慮すれば、第2マニフォールド30は、船首部区域に位置する燃料タンク(複数ある場合は最も船首側の燃料タンク)よりも船首側に配置すればよく、船尾部区域に位置する燃料タンク(複数ある場合は最も船尾側の燃料タンク)よりも船尾側に配置すればよい。この場合、防舷材の位置に関係なく第2マニフォールドの位置を定めてもよい。逆に、第2マニフォールドの位置を、燃料タンクの位置に関係なく、船体中央ラインC2より船首側に配置された防舷材よりも船首側、あるいは船体中央ラインC2よりも船尾側に配置された防舷材よりも船尾側に配置してもよい。一方、船尾部区域に第2マニフォールドを配置したバンカー船によって燃料移送を行う場合、燃料マニフォールドが船体中央より船首側にある燃料受給船に対しては、バンカー船の船首を燃料受給船の船首と反対向きにして横付けすることで、2船の並列状態を維持することが可能となる。
本実施形態におけるバンカー船では、各マニフォールドは、燃料供給用配管とリターンガス用配管によって構成されているが、配管の種類、数はこれに限定されない。また、船首から船尾の間に3つ以上のマニフォールドを設けるように構成することも可能である。さらに、LNG以外の液化ガス燃料あるいは液体燃料などその他燃料を移送する場合にも、2船の並列状態を維持することが可能になるため、安全な燃料移送が可能となることから、本実施形態のバンカー船を適用することが可能である。
10 バンカー船
20 第1マニフォールド
30 第2マニフォールド
40 居住区
50 機関室
60 燃料タンク
70 燃料タンク
80A、80B 防舷材
90A、90B 防舷材
100、110 ローディングアーム
130 フレキシブルホース
200、300 燃料受給船

Claims (11)

  1. 移送燃料を貯蔵する燃料タンクと、
    前記燃料タンクと繋がり、接続口を両舷側に設けたマニフォールドとを備え、
    前記マニフォールドが、マニフォールドを設置する甲板高さにおける外板平坦区間に、複数設けられていることを特徴とするバンカー船。
  2. 前記複数のマニフォールドが、水面の高さにおける外板平坦区間よりも船首側もしくは船尾側に設けられているマニフォールドを含むことを特徴とする請求項1に記載のバンカー船。
  3. 前記複数のマニフォールドが、船体中央ラインを挟んで居住区の存在しない船首部区域もしくは船尾部区域に設けられているマニフォールドを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のバンカー船。
  4. 前記複数のマニフォールドが、船首部区域に設置された船首側燃料タンクよりも船首側に、もしくは船尾部区域に設置された船尾側燃料タンクよりも船尾側に設けられているマニフォールドを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバンカー船。
  5. 前記複数のマニフォールドが、船首部区域に設置された船首側防舷材よりも船首側に、もしくは船尾部区域に設置された船尾側防舷材よりも船尾側に設けられているマニフォールドを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のバンカー船。
  6. 前記複数のマニフォールドが、船体中央付近に設けられた第1マニフォールドと、船首部区域もしくは船尾部区域に設けられた第2マニフォールドとを含み、
    前記第2マニフォールドから船首もしくは船尾までの距離が、前記第2マニフォールドから船体中央ラインまでの距離よりも短いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のバンカー船。
  7. 前記バンカー船が、液化ガス燃料を移送することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のバンカー船。
  8. それぞれ接続口を両舷側に設けた複数のマニフォールドを備えたバンカー船を用いて、燃料を移送する方法であって、
    燃料受給船の燃料マニフォールドの位置に合わせて、前記バンカー船を前記燃料受給船に横付けして係留し、
    前記バンカー船に装備された防舷材を、前記燃料受給船および前記バンカー船の水面高さにおける外板平坦区間に設置し、
    前記燃料マニフォールド近くに位置する前記バンカー船のマニフォールドを、ローディングアームもしくはフレキシブルホースを介して前記燃料マニフォールドに接続し、
    前記バンカー船の燃料タンクに貯蔵された燃料を、前記燃料受給船に移送する方法であって、
    前記バンカー船の船首を、前記バンカー船の防舷材が前記燃料受給船および前記バンカー船の水面の高さにおける外板平坦区間に設置可能な向きにして、横付けすることを特徴とする燃料移送方法。
  9. 前記バンカー船の複数のマニフォールドが、船体中央付近に設けられた第1マニフォールドと、船首部区域に設けられた第2マニフォールドとを含み、
    前記燃料マニフォールドが船体中央より船尾側に設けられている場合、前記バンカー船の船首を前記燃料受給船の船首と反対向きにして、横付けすることを特徴とする請求項8に記載の燃料移送方法。
  10. 前記バンカー船の複数のマニフォールドが、船体中央付近に設けられた第1マニフォールドと、船尾部区域に設けられた第2マニフォールドとを含み、
    前記燃料マニフォールドが船体中央より船首側に設けられている場合、前記バンカー船の船首を前記燃料受給船の船首と反対向きにして、横付けすることを特徴とする請求項8に記載の燃料移送方法。
  11. 液化ガス燃料を移送することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の燃料移送方法。
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