JP2020037193A - ホルダユニットおよびスクライブ装置 - Google Patents

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浩 曽山
純平 飯田
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Abstract

【課題】本発明は、刃先の姿勢を安定化させ、基板の表面に高品質のスクライブラインを形成することが可能なホルダユニット、およびこのようなホルダユニットを備えたスクライブ装置を提供することを目的とする。【解決手段】2つの傾斜面41a、および稜線41bからなる刃先41を備えるスクライビングホイール40で基板15の表面Hにスクライブラインを形成するためのホルダユニット30であって、一対の保持部51a、51bと、刃先41が挿入される保持溝52と、刃先41の外周部を受ける非回転の第1受け部材70と、刃先41の外周部を受ける第2受け部材80と、を備え、第1受け部材70および第2受け部材80は、それぞれ、刃先の周方向に沿うように凹部71が設けられ、凹部71の最深部72に刃先41の稜線41bが接触することなく、第1受け部材70および第2受け部材80に2つの傾斜面41aが接触する。【選択図】図3

Description

本発明は、基板の表面にスクライブラインを形成するための刃先を備えるホルダユニット、およびそのようなホルダユニットを備えるスクライブ装置に関する。
従来、ガラス基板等の脆性材料基板の分断は、基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ工程と、形成されたスクライブラインに沿って基板の表面に所定の力を付加するブレイク工程とによって行われる。スクライブ工程では、スクライビングホイールの刃先が基板の表面に押し付けられながら、所定のラインに沿って移動される。
以下の特許文献1には、所望のスクライブラインを形成するために、安定した姿勢でスクライブ動作を行うホルダが開示されている。特許文献1において、カッターを保持するホルダは、ホルダジョイントの下部に設けられている開口穴から挿入される。開口穴の内側に、平面視でV字形状の平坦面が基板に対して垂直方向に沿って形成されている。この開口穴の上方に位置決め部材のピンが設けられ、ピンよりも上方に磁石が設けられている。ホルダジョイントに挿入されたホルダは、ホルダの上部に形成されている傾斜面にピンが接触して位置決めされるとともに、ホルダの上端部が磁石に吸引されて保持される。このとき、磁石によってホルダが引き上げられて、傾斜面がピンに押し付けられる。また、傾斜面の背面側は、V字形状の平坦面に押し付けられるため、ホルダの姿勢が自動的に一定方向に向いた状態で、ホルダがホルダジョイントに取り付けられる。よって、安定的にスクライブラインを形成することができる。
特開2017−119348号公報
特許文献1では、ホルダの姿勢が安定に維持されることで、基板に良好なスクライブラインが形成されている。しかし、基板に接触している部材はスクライビングホイールであるため、ホルダの姿勢を安定に維持したとしても、スクライビングホイールの姿勢が安定した状態でない場合、スクライビングホイールがふらついて蛇行したスクライブラインが形成される。また、スクライビングホイールは貫通孔を介してピン軸により支持されているため、貫通孔やピン軸の真円度、円筒度やスクライビングホイール側面との直角度などの精度の影響を受け、スクライビングホイールの姿勢の安定性が低下しやすい。
かかる課題に鑑み、本発明は、刃先の姿勢を安定化させ、基板の表面に高品質のスクライブラインを形成することが可能なホルダユニット、およびこのようなホルダユニットを備えたスクライブ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、外周部に互いに異なる方向に傾斜した2つの傾斜面、および前記2つの傾斜面との間に周方向に沿って設けられる稜線からなる刃先を備えるスクライビングホイールで基板の表面にスクライブラインを形成するためのホルダユニットに関する。このホルダユニットは、前記スクライビングホイールを保持するための一対の保持部と、前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの前記刃先を受ける非回転の第1受け部材と、前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの前記刃先を受ける第2受け部材と、を備え、前記第1受け部材および前記第2受け部材は、それぞれ、前記刃先の周方向に沿うように凹部が設けられ、前記凹部の最深部に前記刃先の稜線が接触することなく、前記凹部の端部に前記2つの傾斜面が接触する。
本態様に係るホルダユニットによれば、スクライビングホイールの傾斜面を2つの受け部材がスクライビングホイールを回転可能なように保持する。たとえば、スクライビングホイールに貫通孔を設けて、この貫通孔にスクライビングホイールを支持するためにピン軸が挿入されている場合、スクライビングホイールが転動させられると、貫通孔およびピン軸の精度の影響を受けて、スクライビングホイールの安定性が低下することがある。これに対し、上記の構成であれば、スクライビングホイールの刃先が2つの受け部材によって支持されるため、貫通孔およびピン軸の影響を受けることはない。したがって、2つの受け部材により、スクライビングホイールがふらつくことを防止できる。
また、少なくとも第1受け部材は非回転であるため、第1受け部材と第2受け部材がともに回転可能である場合に比べて、より確実にスクライビングホイールのふらつきを抑制することができる。また、スクライビングホイールの回転抵抗が増加することにより、スクライビングホイールによって基板に深いクラックを形成することができる。
すなわち、一般に、回転可能な部材とスクライビングホイールとの間で生じる摩擦抵抗は小さいため、回転可能な部材でスクライビングホイールが支持されている場合、スクライビングホイールは円滑に回転する。これに対し、非回転の部材とスクライビングホイールとの間で生じる摩擦抵抗は大きいため、非回転の部材でスクライビングホイールが支持されている場合、スクライビングホイールは回転し難くなる。この状態でスクライビングホイールにスクライブ動作を行わせると、基板により深いクラックが形成される。
また、第1受け部材および第2受け部材は、刃先の稜線部分と非接触状態である。よって、刃先の稜線部分が第1受け部材および第2受け部材との接触により摩耗する虞はない。
第1の態様の構成では、上記のように、刃先を支持する受け部材のうち少なくとも第1受け部材が、非回転である。そのため、第1受け部材と第2受け部材がともに回転可能である場合に比べて、スクライビングホイールは回転し難くなる。よって、スクライビングホイールによって基板に深いクラックを形成することができる。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記スクライビングホイールの回転中心軸に対して前記基板側に位置する前記刃先を、前記スクライビングホイールの厚み方向に挟むとともに、前記刃先を前記第1受け部材および前記第2受け部材に押さえつける規制部材とをさらに備えるよう構成され得る。
この構成によれば、規制部材で刃先の傾斜面を2つの受け部材で押さえてスクライビングホイールを回転可能に保持することにより、より確実にスクライビングホイールのふらつきを防止できる。さらに、基板への接触と離間を繰り返す場合にもスクライビングホイールの移動が規制されるため、スクライブラインの位置の繰り返し精度が向上する。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記規制部材は、前記スクライビングホイールの前記刃先の厚みより小さい幅のスリットを有し、前記スリットから前記刃先の前記稜線部分を突出させつつ、前記スリットの周縁が前記2つの傾斜面に当接するように、前記規制部材が前記一対の保持部に配置されるよう構成され得る。
この構成によれば、規制部材は、刃先の稜線部分と非接触状態である。よって、刃先の稜線部分が規制部材により摩耗する虞はない。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記規制部材は、板状の弾性部材であるよう構成され得る。これにより、規制部材は、刃先の外周部に対して付勢力を付与して、刃先の外周部を第1受け部材および第2受け部材の方により確実に押さえつけることができる。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記第2受け部材は、非回転であるよう構成され得る。
この構成によれば、刃先を支持する第1受け部材および第2受け部材が両方とも非回転であるため、スクライブ動作時、刃先に掛かる摩擦力がより増加する。これにより、第1受け部材のみが非回転の部材である場合よりも、スクライビングホイールは回転し難い状態となる。よって、スクライビングホイールによって、基板により深いクラックが形成され易くなる。
本態様に係るホルダユニットにおいて、前記第2受け部材は、前記スクライビングホイールの回転に伴い回転可能に支持されているよう構成され得る。
上記のとおり、スクライビングホイールを非回転の部材で支持すると、スクライビングホイールと非回転の部材との間に生じる摩擦抵抗が大きいため、スクライビングホイールは回転し難くなり、基板により深いクラックが形成されやすくなる。一方、スクライビングホイールを回転可能な部材で支持すると、刃先と回転可能な部材との間に生じる摩擦抵抗が小さいため、スクライビングホイールは回転し易くなる。
よって、本構成のように、刃先を、非回転の第1受け部材と回転可能な第2受け部材とで支持すれば、過度にスクライビングホイールが回転し難くならないように、スクライビングホイールの回転のし易さを調整できる。
本発明の第2の態様は、外周部に互いに異なる方向に傾斜した2つの傾斜面、および前記2つの傾斜面との間に周方向に沿って設けられる稜線からなる刃先を有するスクライビングホイールで基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ装置に関する。本態様に係るスクライブ装置は、前記スクライビングホイールを保持するための一対の保持部と、前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの前記刃先を受ける非回転の第1受け部材であって、前記刃先の周方向に沿うように凹部が設けられ、前記凹部の最深部に前記刃先の稜線が接触することなく、前記凹部の端部に前記2つの傾斜面が接触する前記第1受け部材と、前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの前記刃先を受ける第2受け部材であって、前記刃先の周方向に沿うように凹部が設けられ、前記凹部の最深部に前記刃先の稜線が接触することなく、前記凹部の端部に前記2つの傾斜面が接触する前記第2受け部材と、を備えるホルダユニットと、前記基板の表面に平行な方向に前記ホルダユニットを移動させるスクライブヘッドと、を備える。
本構成であれば、上記の第1の態様と同様の効果を奏する。
以上のとおり、本発明によれば、刃先の姿勢を安定化させ、基板の表面に高品質のスクライブラインを形成することが可能なホルダユニット、およびこのようなホルダユニットを備えたスクライブ装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の1つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1は、実施形態1に係るホルダユニットを備えるスクライブ装置の構成を模式的に示す図である。 図2(a)、(b)は、それぞれ、実施形態1に係るホルダユニットをX軸負側、およびをY軸正側から見た図である。 図3(a)は、実施形態1に係るホルダユニットをZ軸負側から見た図である。図3(b)は、実施形態1に係るホルダユニットにおけるスクライビングホイールおよび2つの回転部材の配置を説明するための図である。 図4(a)、(b)は、それぞれ、実施形態1に係る検証結果を示す図である。 図5(a)、(b)は、それぞれ、実施形態1に係るスクライビングホイールと、第1受け部材および第2受け部材との配置を説明するための図である。 図6(a)、(b)は、それぞれ、変形例に係るスクライビングホイールを模式的に示すY軸正側、およびX軸正側から見た図である。 図7(a)、(b)は、それぞれ、別の変形例に係る溝の内側面を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図には、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が付記されている。Z軸は、スクライビングホイールの中心軸に垂直であり、鉛直方向における上方および下方を示す。以降、上方および下方は、それぞれZ軸正側およびZ軸負側を意味する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るスクライブ装置1の構成を模式的に示す図である。スクライブ装置1は、移動台10を備えている。移動台10は、ボールネジ11と螺合されている。移動台10は、一対の案内レール12によってY軸方向に移動可能に支持されている。モータの駆動によりボールネジ11が回転することで、移動台10が、一対の案内レール12に沿ってY軸方向に移動する。
移動台10の上面には、モータ13が設置されている。モータ13は、上部に位置するテーブル14をXY平面で回転させて所定角度に位置決めする。モータ13により水平回転可能なテーブル14は、図示しない真空吸着手段を備えている。テーブル14上に載置された基板15は、この真空吸着手段によって、テーブル14上に保持される。
基板15は、ガラス基板、低温焼成セラミックスや高温焼成セラミックスからなるセラミック基板、シリコン基板、化合物半導体基板、サファイア基板、石英基板等である。また、基板15は、基板の表面または内部に脆性材料に該当しない薄膜あるいは半導体材料を付着させたり、含ませたりしたものであってもよい。
スクライブ装置1は、テーブル14に載置された基板15の上方に、この基板15に形成されたアライメントマークを撮像する二台のカメラ16を備えている。また、移動台10とその上部のテーブル14とを跨ぐように、ブリッジ17が支柱18a、18bに架設されている。
ブリッジ17には、ガイド19が取り付けられている。スクライブヘッド20は、このガイド19に案内されてX軸方向に移動するように設置されている。スクライブヘッド20は、下端にホルダジョイント21を備えている。ホルダ50にスクライビングホイール40が保持されているホルダユニット30が、ホルダジョイント21を介してスクライブヘッド20に取り付けられている。
スクライブ装置1を用いて基板15の表面Hにスクライブラインを形成する場合、まず、スクライビングホイール40が取り付けられたホルダユニット30がスクライブヘッド20に取り付けられる。次に、スクライブ装置1は、一対のカメラ16によって基板15の位置決めを行う。そして、スクライブ装置1は、スクライブヘッド20を所定の位置に移動させ、スクライビングホイール40に対して所定の荷重を印加して、基板15へ接触させる。その後、スクライブ装置1は、スクライブヘッド20をX軸方向に移動させることにより、基板15の表面に所定のスクライブラインを形成する。なお、スクライブ装置1は、必要に応じてテーブル14を回動ないしY軸方向に移動し、上記の場合と同様にしてスクライブラインを形成する。
上記の実施形態においては、スクライブヘッド20がX軸方向に移動し、テーブル14がY軸方向に移動すると共に、回転するスクライブ装置について示したが、スクライブ装置1はスクライブヘッド20とテーブル14とが相対的に移動するものであればよい。たとえば、スクライブヘッド20が固定され、テーブル14がX軸、Y軸方向に移動し、かつ回転するスクライブ装置1であってもよい。また、この場合、カメラ16はスクライブヘッド20に固定されていてもよい。
図2(a)は、ホルダユニット30をX軸負側から見た図であり、図2(b)は、ホルダユニット30をY軸正側から見た図である。なお、図2(a)、(b)には、ホルダユニット30が直接取り付けられるホルダジョイント21が併せて図示されている。
ホルダユニット30は、スクライビングホイール40と、ホルダ50と、規制部材60と、第1受け部材70と、第2受け部材80と、から構成されている。
ホルダユニット30は、図2(a)、(b)に示すようにホルダジョイント21に取付ネジ31によって取り付けられている。ホルダジョイント21は、取付部22と、回転軸23と、2つのベアリング24a、24bと、で構成されている。取付部22は、断面形状が逆L字状となっている。取付部22は、鉛直方向に延びる壁22aと、水平方向に延びる壁22bからなっている。回転軸23は、取付部22の壁22bの天面側から鉛直方向に延びている。ベアリング24a、24bには、回転軸23が挿通されている。
ホルダユニット30がホルダジョイント21に取り付けられると、ホルダユニット30の側面が取付部22の壁22aと接触し、ホルダユニット30の上面が壁22bと接触する。また、壁22aには、図2(a)に示すように取付ネジ31が挿入されるネジ孔25が形成されている。
ホルダジョイント21は、取付部22に取り付けられたホルダユニット30がスクライブヘッド20の下端から露出するように、スクライブヘッド20の内部へと固定される。このとき、ホルダユニット30は、ホルダジョイント21の回転軸23を中心として回転自在となっている。なお、二点鎖線は、回転軸23の軸中心Sを示しており、破線は、基板15の表面Hを示している。表面Hは、水平面に平行で、回転軸23に対して垂直である。
スクライブ装置1を用いて基板15の表面Hにスクライブラインを形成する場合、スクライビングホイール40は、X軸正方向に進むように転動させられる。なお、スクライブ装置1は、ホルダジョイント21を用いないで、ホルダユニット30自身が回転軸23やベアリング24a、24bを備える構成であってもよい。
スクライビングホイール40は、たとえば、焼結ダイヤモンドや超硬合金等で形成された、円板状の部材である。スクライビングホイール40は、外周部に沿って互いに異なる方向に傾斜した2つの傾斜面41aが形成されており、この2つの傾斜面41aとの間に周方向に沿って稜線41bが設けられる。2つの傾斜面41aと稜線41bとが刃先41を構成する。スクライビングホイール40は、たとえば、厚さが0.4〜1.1mm程度、外径が1.0〜6.0mm程度、2つの傾斜面41のなす角は、90〜150°程度である。
ホルダ50は、ステンレスや炭素工具鋼からなっている。ホルダ50の下部は、それぞれ保持部51a、51bが形成され、保持部51a、51bとの間に保持溝52が形成されている。保持溝52の互いに対向する内側面54a、54bは、水平面(XY平面)に垂直である。また、保持部51a、51bには、第1受け部材70が挿入される孔53a、53bが、保持溝52を跨ぐように同軸上に形成されている。同様に、第2受け部材80が挿入される孔53c、53dと、保持溝52を跨ぐように同軸上に形成されている。なお、図2(a)では、第2受け部材80が挿入される2つの孔は、図示されていない。
ホルダ50の下端面、すなわち、保持部51a、51bの下端面は、保持溝52の互いに対向する内側面54a、54bと直交する面55a、55bと、面55a、55bからX軸負側へ延びる傾斜面56a、56bと、面55a、55bからX軸正側へ延びる傾斜面57a、57bとを含む。なお、傾斜面56bおよび傾斜面57bは、図2(a)、(b)には図示されておらず、図3(a)に図示される。
なお、図2(a)、(b)の構成では、ホルダ50が、1つの基材で構成されているが、たとえば、保持部51a、51bをそれぞれ有する2つの基材を固定することでホルダ50が形成されてもよい。また、ホルダ50の上部には、取付ネジ31が挿入されるネジ孔50aが形成されている。
図3(a)は、ホルダユニット30をZ軸負側から見た平面図である。図3(b)は、スクライビングホイール40、第1受け部材70、および第2受け部材80との配置を説明するための図であり、Y軸正側から見た図である。説明の便宜上、図3(b)では、スクライビングホイール40、第1受け部材70、および第2受け部材80のみが実線で示されている。また、実施形態1では、第1受け部材70および第2受け部材80は、非回転の部材である。
規制部材60は、スクライビングホイール40がスクライブ方向に対してふらつくことをさらに規制するための部材である。規制部材60は、スクライビングホイール40の回転中心軸が通る点Oに対して基板15側に位置するスクライビングホイール40の刃先41を、スクライビングホイール40の厚み方向に規制する。図3(a)に示すように、規制部材60は傾斜面57a、57bを覆うように配置される。さらに規制部材60のうちX軸負側の領域は、スクライビングホイール40の刃先41に接触するように配置され、X軸正側の領域と傾斜面57a、57bとは、保持溝52を挟む位置に2つのネジ61で接続される。
規制部材60のX軸負側には、スリット62が形成されている。スリット62から刃先41の稜線41bが突出しつつ、スリット62の周縁63が刃先41の2つの傾斜面41aに当接するように、傾斜面57a、57bに配置される。
規制部材60の厚みは、0.1〜0.2mm程度である。また、スリット62のY軸方向の幅は、スクライビングホイール40の厚みより小さい。また、スリット62の周縁63のうちX軸正側の周縁64は、刃先41の稜線41bと接触しない位置に位置付けられる。
なお、図3(a)では、規制部材60は、傾斜面57a、57bの全面を覆ってはいないが、傾斜面57a、57bの略全面を覆うように規制部材60を形成してもよい。また、規制部材60のX軸正側の領域は、傾斜面57a、57bとネジ61で接続されているが、ネジ61を用いず、たとえば、規制部材60のX軸正側の領域と傾斜面57a、57bとを接着剤で接続してもよい。
また、規制部材60の材質は、板状の弾性部材であることが好ましい。この場合、規制部材60の弾性復帰力により、スリット62の周縁63が刃先41の2つの傾斜面41aに押しつけられると、スクライビングホイール40には、2つの傾斜面41aを介してスクライビングホイール40を第1受け部材70、第2受け部材80の方向に押さえる力が掛かる。これにより、基板15との接触位置付近のスクライビングホイール40の部分が、スクライビングホイール40の厚み方向にふらつくことを確実に防止する。さらに、複数回のスクライブ動作を連続して行う際には、基板15に対してスクライビングホイール40が接触と離間を繰り返すこととなる。この場合にもスクライビングホイール40の厚み方向への移動が規制されるため、スクライブラインの位置の繰り返し精度が向上する。
また、少なくともスクライビングホイール40の刃先41と接触することとなるスリット62の周縁63が、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)や多結晶ダイヤモンド膜、あるいはダイヤモンド粒子を含んだめっき等で被覆されることが好ましい。同様に、規制部材60のスクライビングホイール40の刃先41との接触部となるX軸負側の領域の一部またはすべてを、焼結ダイヤモンド等の硬度の高い部材で構成してもよい。これにより、刃先41と規制部材60との摺動抵抗を低減させるとともに、規制部材60の耐摩耗性を向上させることができる。
図3(a)に示すように、第1受け部材70の長手方向の中央部分には、外周部の周方向に沿って凹部71が設けられる。第1受け部材70を孔53a、53bに設置した状態において、凹部71は保持溝52内に位置付けられ、凹部71が刃先41の2つの傾斜面41aを挟み込むようにして受ける。このとき、凹部71の端部が2つの傾斜面41aに接触するが、凹部71の最深部72は、刃先41の稜線41bに接触しない。なお、2つの傾斜面41aに接触する凹部71の端部には面取り加工が行われてもよい。また、第1受け部材70は孔53a、53b内で回転しないよう、圧入や接着等で固定されることが好ましい。
図3(a)では、第2受け部材80が図示されていないが、第2受け部材80も第1受け部材70と同様に構成される。すなわち、第2受け部材80の長手方向の中央部分には、外周部の周方向に沿って凹部が設けられる。第2受け部材80を保持部51a、51bに同軸上にそれぞれ設けられた孔に設置した状態において、第2受け部材80の凹部は保持溝52内に位置付けられ、凹部が刃先41の2つの傾斜面41aを挟み込むようにして受ける。このとき、第2受け部材80の凹部の端部が2つの傾斜面41aに接触するが、第2受け部材80の凹部の最深部は、刃先の40の稜線41bに接触しない。なお、2つの傾斜面41aに接触する凹部の端部には面取り加工が行われてもよい。また、第2受け部材80は、孔内で回転しないよう、圧入や接着等で固定されることが好ましい。
図3(b)に示すように、第1受け部材70および第2受け部材80は、スクライビングホイール40の基板15と反対側の刃先41を支持するように配置される。第1受け部材70および第2受け部材80は、スクライビングホイールの回転中心軸が通る点Oおよび第1受け部材70の回転中心軸が通る点Pを結ぶ線分L1と、点Oおよび第2受け部材80の回転中心軸が通る点Qを結ぶ線分L2とのなす角α1が、80°〜100°であるように、保持部51a、51bに配置されることが好ましい。線分L1とL2とのなす角α1が80°よりも小さい場合、第1受け部材70と第2受け部材80とが近接し過ぎる。このため、第1受け部材70と第2受け部材80とがスクライビングホイール40の傾斜面41aを適切に挟み込めるように、第1受け部材70と第2受け部材80とをスクライビングホイール40の刃先41に配置し難くなる。
また、線分L1とL2とのなす角α1が100°よりも大きい場合、第1受け部材70と第2受け部材80とが離間してスクライビングホイール40の刃先41に配置される。このような場合、第1受け部材70と第2受け部材80とは、いわゆる、楔効果により、刃先41の傾斜面41aを挟み込む力が大きくなり、刃先41が回転し難くなる虞がある。
<検証>
上記実施形態では、スクライビングホイール40の上方において、第1受け部材70と第2受け部材80とが、スクライビングホイール40の2つの傾斜面41aを挟み込む。このため、本実施の形態では、従来のホルダおよびスクライビングホイールの貫通孔に挿入され、スクライビングホイールを支持しているピン軸を不要とすることができる。
ここで、発明者は、本実施の形態のように、スクライビングホイールがピン軸に支持されることなく、2つの非回転の部材で支持されたホルダユニットを用いてスクライブを行い、基板に形成されたリブマークを観察した。これを実施例とする。比較例として、貫通孔を有し、ピン軸により支持されたスクライビングホイールを用いて、基板にスクライブラインを形成した。
下記条件にてガラス基板の表面にスクライビングホイールを走行させた。
・ガラス基板 … 厚み0.2mm
・走行荷重 … 5N
・走行速度 … 100mm/sec
・刃先の角度 … 100度
・スクライビングホイールの径 … 2mm
そして、分断後のガラス基板の端面を撮像し、基板に形成されたリブマークを観察した。
<検証結果>
検証結果を図4に示す。図4(a)は、実施例に係るリブマークを撮像した写真である。図4(b)は、比較例に係るリブマークを撮像した写真である。
図4(a)と図4(b)とを比較すると、図4(a)においては、基板の上部に深いリブマークが明瞭に現れており、比較的リブマークが整列している。これに対し、図4(b)は、比較的リブマークの深さが浅かった。実際のリブマークの深さは、実施例においては、68μmであり、比較例においては、51μmであった。
この検証結果から、実施形態1に係るスクライビングホイールでスクライブ動作を行った場合、ガラス基板に深く、また、きれいに整列したリブマークが形成されることが分かった。
上記のような検証結果が得られた理由として、2つの非回転の部材によって、スクライビングホイールのふらつきが抑止されていたことが挙げられる。これにより、スクライブ動作時、スクライビングホイールは蛇行することなく、円滑にスクライブ動作を行うことができたと考えられる。
また、上記の理由として、スクライビングホイールを支持していた部材が、2つの非回転の部材であったことも挙げられる。スクライビングホイールと2つの非回転の部材との間に生じる摩擦抵抗は大きい。このため、2つの非回転の部材で支持されている実施例のスクライビングホイールは、比較例のスクライビングホイールよりも、基板上を回転し難くなる。よって、比較例の場合よりも、ガラス基板に深いリブマークが形成されたと考えらえる。
上記の検証より、非回転の部材でスクライビングホイールを支持した場合、基板に高品質のスクライブラインが形成されていた。このことから、スクライビングホイールに、さらに、スクライビングホイールの外周部を支持するような規制部材を設けた場合、スクライビングホイールの安定性がより向上するため、基板により深いリブマークが形成されることが期待される。また、スクライビングホイールのふらつきをより確実に防止でき、真直性の高いスクライブラインが基板に形成されることも期待できる。
<実施形態1の効果>
図3(a)、(b)に示すように、実施形態1では、スクライビングホイール40が、規制部材60によって第1受け部材70および第2受け部材80に押しつけられることにより支持されている。よって、スクライビングホイール40を、貫通孔を設けることなく、ピン軸に支持されずに回転可能にホルダ50に保持させることができる。これにより、貫通孔およびピン軸の精度の影響を受けず、スクライビングホイール40のふらつきを防止できる。これにより、スクライブ動作時、スクライビングホイール40は基板15の表面Hを蛇行することなく、安定した状態でスクライブ動作を行い得る。
一般に、非回転の部材とスクライビングホイール40との間で生じる摩擦抵抗は大きいため、非回転の部材でスクライビングホイール40が支持されている場合、スクライビングホイールは回転し難くなる。一方、回転可能な部材とスクライビングホイール40との間で生じる摩擦抵抗は小さいため、回転可能な受け部材でスクライビングホイール40が支持されている場合、スクライビングホイール40は円滑に回転する。
図3(a)〜4(b)に示すように、実施形態1では、スクライビングホイール40を支持する第1受け部材70および第2受け部材80はともに非回転の部材である。したがって、受け部材に回転可能な部材を用いるよりも、スクライビングホイール40は回転し難くなり、基板15の表面Hに、より深いリブマークを形成することができる。
図3(a)に示すように、規制部材60の領域60aにスリット62が設けられているため、刃先41の稜線41bは、規制部材60とは接触しない。よって、刃先41の稜線41bが基板15に接触すること以外で摩耗することが防止される。
また、規制部材60と同様に、第1受け部材70の凹部71、および第2受け部材80の凹部81は、刃先41の稜線41bとは接触しない。このように、スクライビングホイール40は、規制部材60と第1受け部材70、および第2受け部材80とにより支持されているが、何れの部材も刃先41の稜線41bの摩耗に影響を及ぼすことはない。これにより、刃先41が早期に劣化することを防止できる。
図3(b)に示すように、線分L1とL2とのなす角α1が80°〜100°程度が好ましい。この範囲であれば、第1受け部材70および第2受け部材80は、それぞれの凹部71および凹部81で刃先41の傾斜面41aを受けることができ、スクライビングホイール40を適切に支持することができる。
<実施形態2>
上記の実施形態1では、第1受け部材70と第2受け部材80とが非回転の部材で構成されていた。実施形態2では、第2受け部材90を、非回転の部材から、回転可能な部材に替えてホルダユニット30を構成する。
なお、第2受け部材90を回転可能な部材に変更したこと以外は、実施形態1の構成と同様である。すなわち、第2受け部材90は、第1受け部材70と同様に、長手方向の中央部分に、外周部の周方向に沿って凹部が設けられる。一方、第2受け部材90の中央部分を除く左右側は中央部分より外径が小さい回転軸となっており、保持部51a、51bの孔53a、53b内に設けられた、図示を省略するボールベアリング等の軸受けにより保持されている。第2受け部材90を保持部51a、51bに同軸上にそれぞれ設けられた孔に設置した状態において、第2受け部材90の凹部は保持溝52内に位置付けられ、凹部が刃先41の2つの傾斜面41aを受ける。このとき、第2受け部材90の凹部の最深部は、刃先41の稜線41bに接触しない。また、スクライブ時には、回転部材70aはスクライビングホイール40とともに回転する。
図5(a)、(b)は、スクライビングホイール40と、第1受け部材70および第2受け部材90との配置を説明するための図であり、Y軸正側から見た図である。説明の便宜上、図5(a)、(b)は、スクライビングホイール40、第1受け部材70、および第2受け部材90のみ実線で示す。また、点Rは、第2受け部材90の回転中心軸を通る点であり、線分L3は、点Оと点Rとを結ぶ線分である。
図5(a)は、第1受け部材70がX軸正側、つまり、スクライブ方向の前方側に配置され、第2受け部材90がX軸負側、つまり、スクライブ方向の後方側に配置された場合を示している。スクライブ時には、スクライビングホイール40はスクライブ方向の後方側の第2受け部材90に対して、より強い力で押しつけられることとなる。このとき、第2受け部材90がスクライビングホイール40に対して回転可能であることから、スクライビングホイール40が受ける摩擦抵抗がより小さくなり、スクライビングホイール40はより回転し易くなる。
図5(b)は、図5(a)とは逆に、第1受け部材70がX軸負側、第2受け部材90がX軸正側に配置された場合を示している。スクライブ時には、スクライビングホイール40はスクライブ方向の後方側の第1受け部材70に対して、より強い力で押しつけられることとなる。このとき、第1受け部材70がスクライビングホイール40に対して非回転であることから、スクライビングホイール40はより大きな摩擦抵抗を受け、基板15に深いクラックが形成されやすくなる。
図5(a)、(b)に示すように、実施形態2において、線分L1と線分L3とのなす角α2は、実施形態1と同様に、80°〜100°程度であることが好ましい。この範囲であれば、第1受け部材70と第2受け部材90とで、スクライビングホイール40を適切に支持することができる。
また、上記実施形態1で説明したように、スクライビングホイール40を非回転の部材で支持すると、スクライビングホイール40と非回転の部材との間に生じる摩擦抵抗が大きいため、スクライビングホイール40は回転し難くなり、基板15に深いクラックが形成される。一方、スクライビングホイール40を回転可能な部材で支持すると、スクライビングホイール40と回転可能な部材との間に生じる摩擦抵抗が小さいため、スクライビングホイール40は回転し易くなる。
実施形態2では、図5(a)、(b)に示すように、スクライビングホイール40を回転可能な部材である第2受け部材90と非回転の部材である第1受け部材70とで支持する。さらに、スクライブ方向に対する第1受け部材70と第2受け部材90、およびスクライビングホイール40の位置関係により、摩擦抵抗の大きさを変化させることができる。よって、過度にスクライビングホイール40が回転し難くならないように、スクライビングホイール40の回転のし易さを調整でき、これにより、基板に形成されるクラックを最適な深さに調整することできる。
<実施形態3>
図6(a)、(b)は、実施例において用いられた実施形態3に係るスクライビングホイール40を模式的に示す側面図および正面図である。
図6(a)、(b)は、スクライビングホイール40の稜線41bに沿って一定間隔で溝部が形成された場合を示している。図6(a)、(b)に示すように、スクライビングホイール40の刃先41には、側面視において、互いに異なる方向に傾斜した2つの傾斜面41aが形成されている。2つの傾斜面41aが交差することにより、稜線41b及びその周囲の刃部42が形成され、さらに、周方向に隣り合う刃部42の間に、点O側に凹んだ溝部43が形成されている。
溝部43は、周方向に見て点Oから離れる方向に凸の曲面からなっている。また、溝部43と刃部42との境界から溝部43の周方向中央の溝底部に向かってスクライビングホイール40の径方向の断面における曲率半径が徐々に大きくなっている。
このようにスクライビングホイール40の刃先41を加工すると、スクライビングホイール40が基板15を転動させられたとき、基板15に刃部42が食い込みやすい。これにより、基板15に深いクラックを形成することができる。
なお、回転可能な部材である第2受け部材90の凹部、または凹部と接触する刃先41の傾斜面41aに対し、周方向に所定の間隔で凹凸を設けてもよい。これにより、スクライビングホイール40の回転のし易さを間欠的に変化させることができる。よって、より深いクラックが基板15に形成される効果を期待できる。
<変形例>
図7(a)、(b)は、変形例に係る保持溝52の内側面54a、54bを模式的に示す図である。
上記実施形態1および実施形態2では、スクライビングホイール40をピン軸で支持することなく、規制部材60、第1受け部材70、および第2受け部材80または、第2受け部材90により、スクライビングホイール40を支持した。ピン軸によらずスクライビングホイール40を支持するという点で、次のような構成が可能である。なお、この変形例では、スクライビングホイール40は、非回転の部材である第1受け部材70と第2受け部材80との組み合わせか、非回転の部材である第1受け部材70と回転可能な第2受け部材90との組み合わせの何れかで支持されている。この変形例の場合は、規制部材60は用いなくともよい。
図7(a)に示すように、保持溝52の内側面54a、54bは、Y軸正側に傾斜して形成されている。また、図7(b)に示すように、保持溝52の内側面54a、54bは、Z軸負側に向かって保持溝52の幅が狭くなるように形成されている。
図7(a)、(b)のように、保持溝52の内側面54a、54bを形成すれば、スクライブ動作時、傾斜した内側面54a、54bでスクライビングホイール40のふらつきを規制することができる。これにより、スクライビングホイール40の蛇行を抑制することができる。なお、ホルダ50及びスクライビングホイール40にそれぞれ貫通孔を設けて、この貫通孔に針金やピン等を通してスクライビングホイール40をホルダ50に接続することが好ましい。これにより、スクライビングホイール40が保持溝52から脱落することを防止することができる。あるいは、スクライビングホイール40が保持溝52から脱落することを防止するため、さらに規制部材60を設けてもよい。
また、上記実施形態1、2、および変形例のホルダユニットは、第1受け部材70と、第2受け部材80または第2受け部材90とを備えるが、さらに、刃先41の外周部を受ける部材を備えてもよい。
また、上記実施形態において、スクライビングホイール40は、規制部材60と、第1受け部材70および第2受け部材80、または、規制部材60と、第1受け部材70および第2受け部材90とで支持されたが、スクライビングホイール40が保持保持溝52から脱落することを防ぐため、たとえば、ホルダ50及びスクライビングホイール40にそれぞれ貫通孔を設けて、この貫通孔に針金やピン等を通して、スクライビングホイール40をホルダ50に接続してもよい。
また、上記実施形態1において、第1受け部材70の径と、第2受け部材80の径とは、互いに異なるように構成してもよい。この場合、それぞれの受け部材とスクライビングホイール40との間に生じる摩擦抵抗が異なるため、スクライビングホイール40の回転のし難さを調整できる。これにより、基板に形成されるクラックの深さを調整することができる。
また、上記実施形態2においても、第1受け部材70の径と第2受け部材90の径とを適宜変更することができる。これにより、それぞれの受け部材とスクライビングホイール40との間に生じる摩擦抵抗が変化するため、スクライビングホイール40の回転のし易さを調整できる。これにより、基板に形成されるクラックを最適な深さに調整することができる。
また、上記実施形態において、スクライブ方向はX軸正側としたが、X軸負側としてもよい。すなわち、スクライブ方向後方に規制部材60を設けてもよい。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … スクライブ装置
15 … 基板
30 … ホルダユニット
40 … スクライビングホイール
41 … 刃先
41a … 傾斜面
41b … 刃先の稜線
50 … ホルダ
51a、51b … 保持部
53a、53b … 軸孔
60 … 規制部材
62 … スリット
63 … スリットの周縁
64 … スリットの周縁(X軸正側)
70 … 第1受け部材(非回転の部材)
71 … 凹部
72 … 凹部の最深部
80 … 第2受け部材(非回転の部材)
90 … 第2受け部材(回転可能な部材)
H … 基板の表面

Claims (7)

  1. 外周部に互いに異なる方向に傾斜した2つの傾斜面、および前記2つの傾斜面との間に周方向に沿って設けられる稜線からなる刃先を備えるスクライビングホイールで基板の表面にスクライブラインを形成するためのホルダユニットであって、
    前記スクライビングホイールを保持するための一対の保持部と、
    前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、
    前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの前記刃先を受ける非回転の第1受け部材と、
    前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの前記刃先を受ける第2受け部材と、を備え、
    前記第1受け部材および前記第2受け部材は、それぞれ、前記刃先の周方向に沿うように凹部が設けられ、前記凹部の最深部に前記刃先の稜線が接触することなく、前記凹部の端部に前記2つの傾斜面が接触することを特徴とするホルダユニット。
  2. 請求項1に記載のホルダユニットにおいて、
    前記刃先の回転中心軸に対して前記基板側に位置する前記刃先を、前記刃先の厚み方向に挟むとともに、前記刃先を前記第1受け部材および前記第2受け部材に押さえる規制部材をさらに備える、ことを特徴とするホルダユニット。
  3. 請求項2に記載のホルダユニットにおいて、
    前記規制部材は、前記スクライビングホイールの前記刃先の厚みより小さい幅のスリットを有し、
    前記スリットから前記刃先の前記稜線部分を突出させつつ、前記スリットの周縁が前記2つの傾斜面に当接するように、前記規制部材が前記一対の保持部に配置される、ことを特徴とするホルダユニット。
  4. 請求項2または3に記載のホルダユニットにおいて、
    前記規制部材は、板状の弾性部材である、ことを特徴とするホルダユニット。
  5. 請求項1ないし4の何れか一項に記載のホルダユニットにおいて、
    前記第2受け部材は、非回転である、ことを特徴とするホルダユニット。
  6. 請求項1ないし4の何れか一項に記載のホルダユニットにおいて、
    前記第2受け部材は、前記スクライビングホイールの回転に伴い回転可能に支持されている、ことを特徴とするホルダユニット。
  7. 外周部に互いに異なる方向に傾斜した2つの傾斜面、および前記2つの傾斜面との間に周方向に沿って設けられる稜線からなる刃先を備えるスクライビングホイールで基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ装置であって、
    前記スクライビングホイールを保持するための一対の保持部と、
    前記一対の保持部の間に形成され、前記スクライビングホイールが挿入される保持溝と、
    前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの前記刃先を受ける非回転の第1受け部材であって、前記刃先の周方向に沿うように凹部が設けられ、前記凹部の最深部に前記刃先の稜線が接触することなく、前記凹部の端部に前記2つの傾斜面に接触する前記第1受け部材と、
    前記一対の保持部に設けられ、前記保持溝に挿入された前記スクライビングホイールの刃先を受ける第2受け部材であって、前記刃先の周方向に沿うように凹部が設けられ、前記凹部の最深部に前記刃先の稜線が接触することなく、前記凹部の端部に前記2つの傾斜面が接触する前記第2受け部材と、
    を備えるホルダユニットと、
    前記基板の表面に平行な方向に前記ホルダユニットを移動させるスクライブヘッドと、
    を備えることを特徴とする、スクライブ装置。
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