上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る実装ライン管理装置は、それぞれ基板に部品を実装する複数の実装ラインを管理する実装ライン管理装置であって、前記複数の実装ラインのそれぞれについて、当該実装ラインと、実装対象の部品とを関連付けて示す管理データを生成する生成部と、前記管理データを出力する出力部とを備え、前記生成部は、前記複数の実装ラインのそれぞれについて、当該実装ラインと、当該実装ラインにおける実装対象の部品と、少なくとも1つの他の実装ラインにおける実装対象の部品とが関連付けられるように、前記管理データを生成する。
これにより、管理データでは、複数の実装ラインのそれぞれについて、その実装ラインにおける実装対象の部品だけでなく、他の実装ラインにおける実装対象の部品も、その実装ラインに関連付けられる。その結果、このような管理データにしたがって、各部品が各実装ラインに装備されることによって、実装ラインの数を増減させることなく、実装基板の変種変量の生産に容易に対応することができる。つまり、実装基板の生産数を容易に増減させることができ、実装ラインで生産される実装基板の種類を容易に変更または追加させることができる。
また、前記実装ライン管理装置は、さらに、前記複数の実装ラインのそれぞれの稼働率を算出する稼働率算出部と、前記複数の実装ラインのうち、前記稼働率が閾値未満の実装ラインの稼働を停止させる停止部と、前記停止部によって停止される前記実装ラインである停止ラインによって行われる実装作業の少なくとも一部を、前記複数の実装ラインのうちの、前記停止ライン以外の実装ラインに振り分ける振分処理を行う生産振分部と、を備えてもよい。
これにより、低稼働率の実装ラインが停止され、その実装ライン(すなわち停止ライン)の実装作業の少なくとも一部が他の実装ラインに振り分けられる。つまり、停止ラインにおける実装基板の生産が他の実装ラインに振り分けられる。したがって、各種の実装基板の生産数を減らすことなく、稼働する実装ラインの台数を減らすことができる。その結果、複数の実装ラインを含む生産システム全体の消費電力を削減することができる。また、稼働する実装ラインの台数が減るため、その実装ラインのためのオペレータなどの作業員の数も減らすことができる。その結果、実装基板を生産するためのコストの低減を図ることができる。
また、前記停止部は、前記複数の実装ラインのうちの2以上の実装ラインの稼働率が前記閾値未満である場合、前記2以上の実装ラインのうちの何れか1つである前記停止ラインの稼働を停止させ、前記生産振分部は、前記2以上の実装ラインのうちの前記停止ライン以外の実装ラインに、前記停止ラインの実装作業の少なくとも一部を振り分ける振分処理を行ってもよい。
これにより、停止ラインにおける実装基板の生産が、高稼働率の実装ラインではなく、低稼働率の実装ラインに振り分けられる。したがって、高稼働率の実装ラインに、停止ラインにおける実装基板の生産が振り分けられることによって、その高稼働率の実装ラインが過負荷になってしまうことを抑制することができる。
また、前記振分処理では、前記停止ラインにおける実装対象の部品と、前記停止ラインに搬入される基板と、前記実装対象の部品を前記基板に実装するためのパラメータとを示す実装データが、前記停止ライン以外の実装ラインに関連付けられてもよい。
これにより、停止ラインの実装データが、その停止ライン以外の実装ラインに関連付けられるため、停止ラインの実装データにしたがった実装基板の生産を、その実装ラインに適切に実施させることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[システム構成]
図1は、実施の形態における生産システムの構成の一例を示す図である。
本実施の形態における生産システム1000は、n個(nは2以上の整数)の実装ラインL1〜Lnと、実装ライン管理装置200とを備える。
実装ラインL1〜Lnのそれぞれは、基板に部品を実装する。つまり、これらの実装ラインL1〜Lnは、部品が実装された基板である実装基板を生産する。なお、部品は、例えば電子部品であって、そのサイズ、形状、機能および種類などは、限定されることなく、どのようなものであってもよい。
実装ライン管理装置200は、実装ラインL1〜Lnを管理する。例えば、実装ライン管理装置200は、実装ラインL1〜Lnのそれぞれから、その実装ラインの作業状況情報を取得する。そして、実装ライン管理装置200は、それらの作業状況情報に基づいて各実装ラインの稼働率を算出し、その稼働率に基づいて、実装ラインL1〜Lnのうちの何れかの実装ラインにおける実装基板の生産を、他の実装ラインに振り分ける。
[実装ラインの構成]
図2は、実装ラインL1の構成の一例を示す図である。なお、図2は、鉛直方向上側から実装ラインL1を見下ろした場合におけるその実装ラインL1の構成を示す。
実装ラインL1は、はんだペーストを介して部品を基板20に実装することによって実装基板を生産する。例えば図2に示すように、実装ラインL1は、基板20の搬送方向であるX軸方向に沿って連結して配設された、印刷機11aおよび11bと、検査機12と、基板振分装置13と、2つの部品実装機100とを備える。なお、以下、X軸方向と水平面内において直交する方向をY軸方向と定義する。また、図2において紙面左側を上流側、紙面右側を下流側と称する。
印刷機11aおよび11bのそれぞれは、上流側から搬入される基板20を所定の印刷位置に位置決めし、図示しない印刷機構によって基板20の電極に部品接合用のはんだペーストを印刷する。次に、印刷機11aおよび11bのそれぞれは、そのはんだペーストが印刷された基板20を下流側に搬出する。なお、印刷機11aおよび11bの構成は、上述した構成以外に、印刷機11aおよび11bを基板20の搬送方向に並列連結した構成や複数の印刷機構を備えたひとつの印刷機で構成されてもよい。
検査機12は、はんだペーストが印刷された基板20を、上流側の印刷機11bから受け取り、そのはんだペーストの印刷状態を検査する。そして、検査機12は、検査の結果、はんだペーストの印刷状態に異常がなければ、その印刷状態の基板20を下流に搬出する。
基板振分装置13は、検査機12から搬出された基板20を、部品実装機100に設けられた第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bの何れかに振り分ける。例えば、基板振分装置13は、上流側の部品実装機100における第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bのうち、基板20が配置されていない搬送レーン、すなわち空いている搬送レーンを選択する。そして、基板振分装置13は、検査機12から搬出された基板20を、その選択された搬送レーンに振り分ける。
2つの部品実装機100のそれぞれは、第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bの何れかに振り分けられた基板20に対して部品を実装し、その部品が実装された基板20を搬出する。2つの部品実装機100のそれぞれは、第1の搬送レーン101Aに振り分けられた基板20への部品の実装と、第2の搬送レーン101Bに振り分けられた基板20への部品の実装とを、独立に行う。つまり、2つの部品実装機100のそれぞれは、第1の搬送レーン101Aに振り分けられた基板20への部品の実装と、第2の搬送レーン101Bに振り分けられた基板20への部品の実装とを、並行することができる。
このような実装ラインL1では、基板20の表面に対する部品の実装と、基板20の裏面に対する部品の実装とを並行することができる。この場合、例えば、印刷機11aは、基板20の表面に対して印刷を行い、基板20の裏面に対しては印刷を行わず、逆に、印刷機11bは、基板20の裏面に対して印刷を行い、基板20の表面に対しては印刷を行わない。
基板20の表面に対して部品の実装が行われる場合、実装ラインL1の上流側には、表面が鉛直方向上向きに向けられた状態の基板20が搬入される。例えば、印刷機11aは、その基板20の表面に対してはんだペーストを印刷し、印刷機11bは、その印刷された基板20に対してさらに印刷することなく、その基板20を検査機12に搬出する。検査機12は、その基板20の表面の印刷状態を検査する。各部品実装機100は、検査後の基板20が基板振分装置13から搬入されると、その基板20の表面に対して、はんだペーストを介して部品を実装する。
基板20の裏面に対して部品の実装が行われる場合、実装ラインL1の上流側には、裏面が鉛直方向上向きに向けられた状態の基板20が搬入される。例えば、印刷機11aは、その基板20の裏面に対して印刷を行うことなく印刷機11bに搬出する。印刷機11bは、その基板20の裏面に対してはんだペーストを印刷し、その基板20を検査機12に搬出する。検査機12は、その基板20の裏面の印刷状態を検査する。各部品実装機100は、検査後の基板20が基板振分装置13から搬入されると、その基板20の裏面に対して、はんだペーストを介して部品を実装する。
このような実装ラインL1は、コンパクトラインとも呼ばれるラインであって、実装基板のデュアルレーン表裏並行生産に用いられる。なお、実装ラインL2〜Lnのそれぞれも、実装ラインL1と同様の構成を有していてもよい。また、本実施の形態における実装ラインL1〜Lnは、コンパクトラインとして構成されているが、このような構成に限定されることなく、どのような構成を有していてもよい。また、実装ラインL1〜Lnのそれぞれが互いに異なる構成を有していてもよい。
図3は、基板振分装置13および部品実装機100のそれぞれの構成の一例を示す図である。なお、図3は、鉛直方向上側から実装ラインL1を見下ろした場合における、その実装ラインL1に含まれる基板振分装置13および1つの部品実装機100のみの構成を示す。
基板振分装置13は、基台13bと、その基台13b上に設置されたX軸方向に沿う搬送コンベア13aとを備える。搬送コンベア13aは、1対のレールからなり、コンベア移動機構によってY軸方向(矢印bで示す方向)に移動自在に構成されている。基板振分装置13は、その搬送コンベア13aをY軸方向に移動させることによって、印刷機11bから搬出された基板20を、部品実装機100の第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bの何れかに振り分ける。
部品実装機100は、基台107と、部品供給部109Aおよび109Bと、X軸移動テーブル112Aおよび112Bと、Y軸移動テーブル111と、実装ヘッド113Aおよび113Bと、第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bとを備える。
第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bのそれぞれは、1対のレールからなる。このような第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bは、X軸方向に沿って並列した状態で、基台107の上面におけるY軸方向略中央部に設置される。そして、この第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bのそれぞれは、基板振分装置13から搬出された基板20を、部品実装機100内に搬送して所定の実装作業位置に位置決めする機能を有する。
部品供給部109Aは、基台107におけるY軸方向の一端側に配設され、部品供給部109Bは、基台107におけるY軸方向の他端側に配設されている。これらの部品供給部109Aおよび109Bのそれぞれには、X軸方向に並んで配置された複数のテープフィーダ110がセットされている。テープフィーダ110は、キャリアテープに保持された部品をピッチ送りして、実装ヘッド113Aまたは113Bによるピックアップ位置まで部品を供給する。
Y軸移動テーブル111は、基台107におけるX軸方向の一端側にY軸方向に沿うように設けられている。2つのX軸移動テーブル112Aおよび112Bは、Y軸方向に移動自在にY軸移動テーブル111に連結されている。また、これらの2つのX軸移動テーブル112Aおよび112Bは、X軸方向に沿うように配置されている。
実装ヘッド113Aは、X軸方向に移動自在にX軸移動テーブル112Aに装着され、実装ヘッド113Bは、X軸方向に移動自在にX軸移動テーブル112Bに装着されている。したがって、実装ヘッド113Aおよび113Bは、Y軸移動テーブル111とX軸移動テーブル112Aおよび112Bによって、X軸方向およびY軸方向に移動することができる。
このような実装ヘッド113Aおよび113Bは、部品供給部109Aおよび109Bから供給される部品をピックアップして実装作業位置に位置決めされた基板20に実装する。このとき、実装ヘッド113Aは、第1の搬送レーン101Aによって搬送された基板20のみを作業対象としてもよく、第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bの双方によって搬送された2つの基板20を作業対象としてもよい。同様に、実装ヘッド113Bは、第2の搬送レーン101Bによって搬送された基板20のみを作業対象としてもよく、第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bの双方によって搬送された2つの基板20を作業対象としてもよい。このように、本実施の形態における部品実装機100は、第1の搬送レーン101Aおよび第2の搬送レーン101Bによって搬送された2枚の基板20に対して、並行して部品の実装作業を行うことが可能である。
[実装ライン管理装置の構成]
図4は、本実施の形態における実装ライン管理装置200の機能構成例を示すブロック図である。
実装ライン管理装置200は、入力部201と、表示部202と、格納部203と、生成部204と、稼働率算出部205、停止部206と、生産振分部207と、通信部208とを備える。
入力部201は、例えばキーボード、マウス、またはタッチパネルなどで構成されており、オペレータからの操作を受け付けて、その操作結果を例えば生成部204などの構成要素に通知する。
表示部202は、例えば液晶ディスプレイなどで構成されており、例えば生成部204などの構成要素の動作状態を表示したり、格納部203に格納されているデータを表示したりする。
生成部204は、管理データDt1と実装データDt2とを生成し、これらの生成されたデータを格納部203に格納する。また、生成部204は、それらのデータを表示部202に表示させたり、通信部208を介して実装ラインL1〜Lnの何れかに送信する。
管理データDt1は、実装ラインL1〜Lnのそれぞれについて、その実装ラインと、実装対象の部品とを関連付けて示す。
実装データDt2は、実装ラインL1〜Lnのそれぞれについて、その実装ラインにおける実装対象の部品と、その実装ラインに搬入される基板20と、その実装対象の部品をその基板20に実装するためのパラメータとを示す。
格納部203は、管理データDt1および実装データDt2などを格納するための記録媒体である。この記録媒体は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。具体的には、格納部203は、例えば、ハードディスクまたは半導体素子メモリであってもよい。
稼働率算出部205は、実装ラインL1〜Lnのそれぞれの稼働率を算出する。停止部206は、実装ラインL1〜Lnのうち、稼働率算出部205によって算出された稼働率が閾値未満の実装ラインの稼働を停止させる。
生産振分部207は、停止部206によって停止される実装ラインである停止ラインによって行われる実装作業の少なくとも一部を、実装ラインL1〜Lnのうちの、停止ライン以外の実装ラインに振り分ける振分処理を行う。
通信部208は、各部品実装機100と通信する。例えば、通信部208は、格納部203に格納されている管理データDt1および実装データDt2を実装ラインL1〜Lnの何れかに送信することにより、それらのデータにしたがった部品の実装をその実装ラインに対して実行させる。
なお、本実施の形態では、表示部202および通信部208の少なくとも一方が、管理データDt1および実装データDt2の少なくとも一方を出力する出力部として構成されている。
[管理データ]
図5は、本実施の形態における管理データDt1の一例を示す図である。
管理データDt1は、上述のように、実装ラインL1〜Lnのそれぞれについて、その実装ラインと、実装対象の部品とを関連付けて示す。例えば、管理データDt1は、図5に示すように、実装ラインL1と、その実装ラインL1におけるメイン部品群として、製品ID「A01」用の部品群とを関連付けて示す。製品IDは、実装ラインによる部品の基板20への実装によって生成される実装基板を識別するための識別情報である。つまり、実装ラインL1は、主に製品ID「A01」の実装基板を生産するラインであって、その実装ラインL1には、その実装基板の生産に必要とされる部品群が装備される。言い換えれば、実装ラインL1の部品実装機100における部品供給部109Aおよび109Bには、その部品群を有する複数のテープフィーダ110がセットされる。
同様に、管理データDt1は、図5に示すように、実装ラインL2と、その実装ラインL2におけるメイン部品群として、製品ID「A02」用の部品群とを関連付けて示す。さらに、管理データDt1は、実装ラインL3と、その実装ラインL3におけるメイン部品群として、製品ID「A03」用の部品群とを関連付けて示す。
ここで、本実施の形態における生成部204は、管理データDt1の生成では、実装ラインL1〜Lnのそれぞれについて、他の実装ラインにおけるメイン部品群も、サブ部品群として、その実装ラインに関連付ける。つまり、生成部204は、実装ラインL1〜Lnのそれぞれについて、その実装ラインと、その実装ラインにおける実装対象の部品と、少なくとも1つの他の実装ラインにおける実装対象の部品とが関連付けられるように、管理データDt1を生成する。
したがって、管理データDt1は、図5に示すように、実装ラインL1に対して、メイン部品群である製品ID「A01」用の部品群だけでなく、実装ラインL2におけるメイン部品群である製品ID「A02」用の部品群も関連付けて示す。さらに、管理データDt1は、実装ラインL1に対して、実装ラインL3におけるメイン部品群である製品ID「A03」用の部品群も関連付けて示してもよい。なお、製品ID「A02」用の部品群および製品ID「A03」用の部品群は、実装ラインL1に対してはサブ部品群として関連付けられる。
このような管理データDt1にしたがって、実装ラインL1には、実装ラインL1のメイン部品群だけでなく、実装ラインL2およびL3のそれぞれのメイン部品群も有する複数のテープフィーダ110がセットされる。具体的には、実装ラインL1には、製品ID「A01」用の部品群を有する複数のテープフィーダ110と、製品ID「A02」用の部品群を有する複数のテープフィーダ110と、製品ID「A03」用の部品群を有する複数のテープフィーダ110とがセットされる。
したがって、実装ラインL2および実装ラインL3の何れかの実装ラインの稼働が停止されても、実装ラインL1は、その稼働が停止された実装ラインに代わって、その実装ラインが生産する予定の実装基板を、その実装ラインに代わって生産することができる。
同様に、管理データDt1は、図5に示すように、実装ラインL2に対して、実装ラインL2のメイン部品群である製品ID「A02」用の部品群だけでなく、実装ラインL1におけるメイン部品群である製品ID「A01」用の部品群も関連付けて示す。さらに、管理データDt1は、実装ラインL2に対して、実装ラインL3におけるメイン部品群である製品ID「A03」用の部品群も関連付けて示してもよい。また、管理データDt1は、実装ラインL3に対して、実装ラインL3のメイン部品群である製品ID「A3」用の部品群だけでなく、実装ラインL1におけるメイン部品群である製品ID「A01」用の部品群も関連付けて示す。さらに、管理データDt1は、実装ラインL3に対して、実装ラインL2におけるメイン部品群である製品ID「A02」用の部品群も関連付けて示してもよい。
本実施の形態では、このような管理データDtにしたがって、各部品群、すなわち複数のテープフィーダ110が各実装ラインに装備される。したがって、実装ラインL1〜L3のうちの何れの実装ラインの稼働を停止させても、実装ラインL1〜L3のうちの他の実装ラインが、その稼働が停止された実装ラインである停止ラインに代わって、その停止ラインが生産する予定の実装基板を生産することができる。その結果、実装ラインの数を増減させることなく、実装基板の変種変量の生産に容易に対応することができる。つまり、実装基板の生産数を容易に増減させることができ、実装ラインで生産される実装基板の種類を容易に変更または追加させることができる。
[生産振り分け]
図6Aおよび図6Bは、実装基板の生産振り分けの一例を示す図である。なお、図6Aおよび図6Bでは、n=3の場合、すなわち生産システム1000が3つの実装ラインL1〜L3を備えている場合における生産振り分けの例を示す。
稼働率算出部205は、例えば、図6Aに示すように、実装ラインL1〜L3のそれぞれの稼働率を算出する。具体的には、稼働率算出部205は、実装ラインL1〜L3のそれぞれから通信部208を介して作業状況情報を取得する。作業状況情報は、例えば、実装ラインによって1つの実装基板が生産されたことを示す。つまり、実装ラインL1〜L3のそれぞれは、1つの実装基板が生産されるたびに、自らの実装ラインの識別情報と、自らの実装ラインによって1つの実装基板が生産されたこととを示す作業状況情報を出力する。稼働率算出部205は、その作業状況情報に基づいて、実装ラインの稼働率を算出する。例えば、稼働率は、単位時間あたりの実装基板の最大の生産数に対する、単位時間あたりの実際の生産数の割合である。この単位時間あたりの実際の生産数は、上述の作業状況情報によって得られる。また、最大の生産数は、例えば実装ラインの仕様および基板1枚あたりの部品の実装点数などによって予め算出されている。
あるいは、稼働率は、実装ラインの消費電力量によって算出されてもよい。つまり、実装ラインL1〜L3のそれぞれは、自らの実装ラインの識別情報と、自らの実装ラインにおける単位時間あたりの消費電力量とを示す作業状況情報を出力する。稼働率算出部205は、実装ラインの単位時間あたりの最大消費電力量に対する、単位時間あたりの実際の消費電力量の割合を、稼働率として算出する。この単位時間あたりの実際の消費電力量は、上述の作業状況情報によって得られる。
ここで、停止部206は、例えば、実装ラインL1〜L3のうち、稼働率算出部205によって算出された稼働率が閾値未満の実装ラインの稼働を停止させる。具体的には、図6Aに示すように、製品ID「A03」の実装基板を生産する実装ラインL3の稼働率は、時刻t0から時刻t1の直前まで閾値80%を超えていたが、時刻t1にその閾値80%未満に低下する。この場合、停止部206は、稼働率が閾値80%未満の実装ラインL3の稼働を停止させる。つまり、停止部206は、実装ラインL3に対して停止信号を、通信部208を介して送信する。ここで、実装ラインL3に対しての停止は、実装ラインL3の上流側の設備(印刷機11)から停止信号を送り、生産が完了した設備から停止させてもよいし、実装ラインL3の全体に停止信号を送り、停止させてもよい。
その結果、生産振分部207は、停止部206によって停止される実装ラインL3である停止ラインによって行われる実装作業の残りを、実装ラインL1〜L3のうちの、停止ライン以外の実装ラインL1およびL2に振り分ける振分処理を行う。なお、このような実装作業の振り分けを、生産振り分けともいう。
このように本実施の形態では、低稼働率の実装ラインが停止され、その実装ライン(すなわち停止ライン)の実装作業の少なくとも一部が他の実装ラインに振り分けられる。つまり、停止ラインにおける実装基板の生産が他の実装ラインに振り分けられる。これにより、生産システム1000に含まれる稼働中の全ての実装ラインの稼働率を上述の閾値以上に維持することができる。
また、各種の実装基板の生産数を減らすことなく、稼働する実装ラインの台数を減らすことができる。その結果、複数の実装ラインL1〜Lnを含む生産システム1000全体の消費電力を削減することができる。また、稼働する実装ラインの台数が減るため、その実装ラインのためのオペレータなどの作業員の数も減らすことができる。その結果、実装基板を生産するためのコストの低減を図ることができる。
また、停止部206は、図6Bに示すように、実装ラインL1〜L3のうちの2以上の実装ラインの稼働率が閾値80%未満である場合、その2以上の実装ラインのうちの何れか1つの実装ラインの稼働を停止させてもよい。このような場合、生産振分部207は、その2以上の実装ラインのうち、その稼働が停止される実装ラインである停止ライン以外の実装ラインに、停止ラインの実装作業の少なくとも一部を振り分ける振分処理を行う。
具体的には、図6Bに示すように、製品ID「A02」の実装基板を生産する実装ラインL2と、製品ID「A03」の実装基板を生産する実装ラインL3とのそれぞれの稼働率が、時刻t1にその閾値80%未満に低下する。この場合、停止部206は、稼働率が閾値80%未満の実装ラインL2および実装ラインL3のうち、実装ラインL3の稼働を停止させる。つまり、停止部206は、実装ラインL3に対して停止信号を、通信部208を介して送信する。その結果、実装ラインL3が停止ラインとなる。そして、生産振分部207は、実装ラインL2およびL3のうちの停止ラインL3以外の実装ライン、すなわち実装ラインL2に、停止ラインL3の実装作業の少なくとも一部を振り分ける振分処理を行う。
なお、稼働率が閾値未満の2以上の実装ラインの中から何れの実装ラインを停止させるかは、予め定められたルールにしたがって判断されてもよい。例えば、停止部206は、稼働率が閾値未満の2以上の実装ラインの中から、それらの実装ラインに予め設定されている優先度にしたがって、停止させる実装ラインを決定してもよい。
このように本実施の形態では、停止ラインにおける実装基板の生産が、高稼働率の実装ラインではなく、低稼働率の実装ラインに振り分けられる。したがって、高稼働率の実装ラインに、停止ラインにおける実装基板の生産が振り分けられることによって、その高稼働率の実装ラインが過負荷になってしまうことを抑制することができる。
なお、実装ラインの稼働率が閾値80%未満になって停止された原因が、実装作業のエラーまたは故障などの不具合である場合、オペレータがその原因を分析して修復し、その実装ラインを実装基板の生産に復帰させてもよい。つまり、停止ラインを再稼働させてもよい。
図7は、振分処理を説明するための図である。
振分処理は、停止ラインの実装データDt2を停止ライン以外の実装ラインに関連付ける処理である。つまり、振分処理では、停止ラインにおける実装対象の部品と、その停止ラインに搬入される基板20と、実装対象の部品をその基板20に実装するためのパラメータとを示す実装データDt2が、停止ライン以外の実装ラインに関連付けられる。
例えば、実装ラインL3の実装データDt2は、図7に示すように、製品IDと、その製品IDの実装基板の生産数と、基板IDと、部品種IDと、X座標およびY座標と、実装角度とを関連付けて示す。その生産数は、実装ラインL3において未生産の実装基板の生産数であってもよい。
基板IDは、その製品IDの実装基板の生産に用いられる基板20を識別するための情報である。部品種IDは、その基板IDによって示される基板20に実装される部品の種類を識別するための情報である。X座標およびY座標は、その部品種IDによって示される種類の部品における実装点の座標位置、つまり、その部品が基板20に実装される座標位置である。実装角度は、その実装点に実装される部品を吸着した実装ヘッド113Aまたは113Bが回転すべき角度、つまり、XY平面においてその部品を回転させる角度である。
具体的には、実装ラインL3の実装データDt2は、実装ラインL3によって生産される実装基板の製品IDおよびその生産数として、「A03」と「M個」を示す。また、実装ラインL3の実装データDt2は、その製品ID「A03」の実装基板の生産に用いられる基板20の基板IDとして、「S001」を示す。また、実装ラインL3の実装データDt2は、基板ID「S001」の基板20におけるX座標「X11」およびY座標「Y11」の実装点に、部品種ID「P001」の部品が実装角度「θ11」で回転されて実装されることを示す。
生産振分部207は、振分処理によって、停止ラインの実装データDt2を、停止ライン以外の実装ラインに関連付ける。例えば実装ラインL3が停止ラインとして扱われる場合、生産振分部207は、実装ラインL3の実装データDt2を例えば実装ラインL2に関連付ける。つまり、停止ラインである実装ラインL3における実装対象の部品と、その実装ラインL3に搬入される基板20と、実装対象の部品をその基板20に実装するための実装点および実装角度などのパラメータとを示す実装データDt2が、実装ラインL3以外の実装ラインL2に関連付けられる。
そして、生産振分部207は、その実装データDt2が関連付けられた実装ラインL2に対して、その実装データDt2を、通信部208を介して送信する。
その結果、実装ラインL2は、サブ部品群である製品ID「A03」用の部品群を有する複数のテープフィーダ110から供給される部品を用いて、実装ラインL3の代わりに製品ID「A03」の生産を開始する。
これにより、停止ラインの実装データDt2が、その停止ライン以外の実装ラインに関連付けられるため、停止ラインの実装データDt2にしたがった実装基板の生産を、その停止ライン以外の実装ラインに適切に実施させることができる。
[処理フロー]
図8Aは、実装ライン管理装置200の処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、実装ライン管理装置200の生成部204は、各実装ラインL1〜Lnに対して、その実装ライン(すなわち自ライン)の部品群と、他の実装ライン(すなわち他ライン)の部品群とを振り分ける(ステップS101)。これにより、生成部204は、管理データDt1を生成する。自ラインの部品群は、自ラインのメイン部品群であり、他ラインの部品群は、他ラインのメイン部品群である。その結果、各実装ラインには、その実装ラインのメイン部品群だけでなく、他の実装ラインのメイン部品群も有する複数のテープフィーダ110がセットされる。
次に、実装ライン管理装置200は、各実装ラインL1〜Lnに対して実装基板の生産を開始させる(ステップS102)。生産が開始されると、実装ライン管理装置200の稼働率算出部205は、各実装ラインL1〜Lnの稼働率を算出する(ステップS103)。
次に、実装ライン管理装置200の停止部206は、実装ラインL1〜Lnの中に、稼働率が閾値未満の実装ラインがあるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、稼働率が閾値未満の実装ラインがあると判定すると(ステップS104のYes)、停止部206は、その実装ラインを停止ラインとして停止させる。そして、このとき、実装ライン管理装置200の生産振分部207は、実装ラインL1〜Lnのうちの停止ライン以外の実装ラインに、その停止ラインの実装作業(すなわち実装基板の生産)を振り分ける振分処理を行う(ステップS105)。そして、実装ライン管理装置200は、ステップS103からの処理を繰り返し実行する。
また、ステップS104において、稼働率が閾値未満の実装ラインがないと判定されると(ステップS104のNo)、実装ライン管理装置200は、実装ラインL1〜Lnによる実装基板の生産が完了したか否かを判定する(ステップS106)。ここで、生産が完了していないと判定すると(ステップS106のNo)、実装ライン管理装置200は、ステップS103からの処理を繰り返し実行する。一方、生産が完了したと判定すると(ステップS106のYes)、実装ライン管理装置200は、実装基板の生産に関する処理を終了する。
これにより、低稼働率の実装ラインは停止されるため、消費電力および作業員の数の削減を図ることができる。その結果、実装基板を生産するためのコストの低減を図ることができる。
図8Bは、実装ライン管理装置200の処理動作の他の例を示すフローチャートである。なお、図8Bのフローチャートに含まれる各ステップのうち、図8Aのフローチャートにおけるステップと同一の処理を行うステップについては、図8Aに示す符号と同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。図8Bのフローチャートでは、図8AのステップS104およびS105の代わりに、ステップS104aおよびS105aの処理が行われる。
つまり、実装ライン管理装置200の停止部206は、ステップS103において各実装ラインL1〜Lnの稼働率が算出されると、その実装ラインL1〜Lnの中に、稼働率が閾値未満の実装ラインが2つ以上あるか否かを判定する(ステップS104a)。ここで、その実装ラインが2つ以上あると判定されると(ステップS104aのYes)、停止部206は、その2つ以上の実装ラインのうちの1つの実装ラインを停止ラインとして停止させる。例えば、停止部206は、各実装ラインL1〜Lnのそれぞれに対して予め定められた優先度に基づいて、その1つの実装ラインを停止ラインとして選択してもよい。そして、このとき、実装ライン管理装置200の生産振分部207は、その2つ以上の実装ラインのうちの停止ライン以外の実装ラインに、その停止ラインの実装作業(すなわち実装基板の生産)を振り分ける振分処理を行う(ステップS105a)。その後、実装ライン管理装置200は、ステップS103からの処理を繰り返し実行する。
これにより、高稼働率の実装ラインに、停止ラインにおける実装基板の生産が振り分けられることによって、その高稼働率の実装ラインが過負荷になってしまうことを抑制することができる。
(変形例)
上記実施の形態における実装ライン管理装置200は、各実装ラインL1〜Lnのそれぞれに対して算出される稼働率に基づいて、実装基板の生産を振り分ける。これにより、実装ラインL1〜Lnのうちの少なくとも1つの実装ラインに、他の実装ラインによる実装基板の生産が振り分けられ、他の実装ラインの稼働が停止される。つまり、実装基板の生産が、一部の実装ラインに偏って行われる。このような生産の偏りは、生産スケジュールにおいて実行されてもよい。
本変形例に係る実装ライン管理装置200は、実装基板の生産に偏りが生じるように生産スケジュールを生成する。
図9は、実装基板の生産順序の決定を説明するための図である。
例えば、実装ライン管理装置200の生成部204は、入力部201または通信部208を介して、生産オーダk1〜k7を受け付ける。例えば、生産オーダk1〜k7のそれぞれは、生産対象の実装基板の製品IDと、その製品IDの実装基板の生産数と、その製品IDの実装基板の最短納期とを示す。例えば、生産オーダk1は、製品ID「A01」と、生産数「250」と、最短納期「6月1日」とを示す。また、生産オーダk1〜k7のそれぞれは、その生産オーダに対応する実装基板を、その生産オーダに対応する生産数だけ生産するために必要な生産期間を示してもよい。例えば、図9に示す例では、生産オーダk1〜k7のそれぞれの生産期間が、その生産オーダに対応する矩形枠の横幅によって示される。
生成部204は、これらの生産オーダk1〜k7を最短納期が早い順に配置することによって、各種の実装基板の生産順序を決定する。具体的には、図9に示す例の場合、生産オーダk1、k2、・・・k7の最短納期は、それぞれ6月1日、6月2日、6月3日、6月5日、6月2日、6月3日、6月5日である。したがって、生成部204は、生産オーダk1〜k7を、生産オーダk1、生産オーダk2、生産オーダk5、生産オーダk3、生産オーダk6、生産オーダk4、生産オーダk7の順に配置する。ここで、生産オーダk1〜k7が示す製品IDは、それぞれ「A01」、「A02」、「A01」、「A03」、「A04」、「A05」、「A06」である。したがって、各種の実装基板の生産順序は、製品ID「A01」の実装基板、製品ID「A02」の実装基板、製品ID「A04」の実装基板、製品ID「A01」の実装基板、製品ID「A05」の実装基板、製品ID「A03」の実装基板、製品ID「A06」の実装基板の順に、決定される。
次に、実装ラインL1〜Lnが例えば3つの実装ラインからなる場合、生成部204は、その実装ラインL1〜L3に生産オーダk1〜k7を振り分ける。
図10は、具体的な生産スケジュールの生成工程の一例を示す図である。
生成部204は、決定された生産順序にしたがって生産オーダk1〜k7を実装ラインL1〜L3に振り分ける。つまり、生成部204は、生産順序が早い生産オーダから順に、その生産オーダを、最も高い優先度の実装ラインに振り分ける。例えば、(実装ラインL1の優先度)>(実装ラインL2の優先度)>(実装ラインL3の優先度)のように、実装ラインL1〜L3に対して優先度が設定されている。この場合、生成部204は、最も優先度が高い実装ラインL1に、生産オーダk1、生産オーダk2、生産オーダk5、生産オーダk3、生産オーダk6、生産オーダk4、生産オーダk7の順に、それらの生産オーダを振り分けようとする。
しかし、6月1日〜6月2日までの生産スケジュールには、それらの全ての生産オーダk1〜k7を実装ラインL1に振り分けることができない場合がある。このような場合、生成部204は、実装ラインL1に振り分けられた生産オーダを除く残りの生産オーダを、実装ラインL1の次に優先度が高い実装ラインに振り分ける。
図11は、具体的な生産スケジュールの生成工程の一例を示す図である。詳しくは、図11は、図10に示す工程の次に行われる工程を示す。
例えば、図11に示すように、生成部204は、生産オーダk1、生産オーダk2、生産オーダk5および生産オーダk3を実装ラインL1に振り分ける。そして、生成部204は、残りの生産オーダを実装ラインL1に振り分けることができない場合、実装ラインL1の次に優先度が高い実装ラインにその残りの生産オーダを振り分けようとする。これにより、残りの生産オーダ、例えば、生産オーダk6、生産オーダk4および生産オーダk7が実装ラインL2に振り分けられる。その結果、実装ラインL3に対して生産オーダを振り分けずに、その実装ラインL3を停止ラインにすることができる。このように、本変形例では、実装基板の生産に偏りが生じるように、生産スケジュールが生成される。
図12は、本変形例に係る生成部204の処理動作を示すフローチャートである。
まず、生成部204は、所定期間内の納期を有する複数の生産オーダを取得する(ステップS201)。次に、生成部204は、その複数の生産オーダの順序を納期順にしたがって決定する(ステップS202)。そして、生成部204は、実装ラインL1〜Lnから優先度が最も高い実装ラインを選択する(ステップS203)。
その後、生成部204は、ステップS203において選択された実装ラインに、ステップS202において決定された順序にしたがって、複数の生産オーダを振り分ける(ステップS204)。ここで、生成部204は、ステップS201で取得された全ての生産オーダの振り分けが完了したか否かを判定する(ステップS205)。
生成部204は、全ての生産オーダの振り分けが完了したと判定すると(ステップS205のYes)、生産スケジュールの生成を終了する。これにより、生産スケジュールが完成される。一方、全ての生産オーダの振り分けが完了していないと判定すると(ステップS205のNo)、生成部204は、振り分け可能な実装ラインがあるか否かを判定する(ステップS206)。ここで、振り分け可能な実装ラインがないと判定すると(ステップS206のNo)、生成部204は、ステップS201において取得された複数の生産オーダの生産数が、生産システム1000の許容数を超えていることを示す警告を、例えば表示部202に表示する(ステップS207)。一方、振り分け可能な実装ラインがあると判定すると(ステップS206のYes)、生成部204は、振り分け可能な1つ以上の実装ラインから、1つの実装ラインを選択する(ステップS208)。例えば、実装ラインL1〜Lnのうち、既に選択された実装ラインを除く1以上の実装ラインから、最も優先度が高い1つの実装ラインが選択される。そして、生成部204は、ステップS204からの処理を繰り返し実行する。
このように生成された生産スケジュールは、例えば表示部202によって表示されたり、通信部208を介して実装ライン管理装置200の外部に送信される。例えば、実装ラインL1〜Lnのそれぞれに生産スケジュールが送信される。つまり、表示部202および通信部208は、生産スケジュールを出力する出力部として構成されている。
このように、本変形例における実装ライン管理装置200は、複数の実装ラインを管理する装置であって、生産スケジュールを生成する生成部204と、その生産スケジュールを出力する出力部とを備える。生成部204は、実装基板の生産をその複数の実装ラインに振り分けることによって生産スケジュールを生成する。この実装基板の生産の振り分けでは、生成部204は、複数種の実装基板のそれぞれの生産予定データの順序を、その生産予定データに示される納期にしたがって決定する。生産予定データは、上述の生産オーダに相当し、納期だけでなく、例えば、実装基板の種類(具体的には、上述の製品ID)と、その実装基板の生産数とを示す。また、生産予定データは、生産期間も示していてもよい。次に、生成部204は、複数の実装ラインから、生産予定データが振り分けられていない実装ラインを選択する。生成部204は、実装ラインを選択するたびに、その選択された実装ラインによる実装作業の期間によって所定期間が満たされるまで、上述の複数の生産予定データを、決定された順序にしたがって、その選択された実装ラインに振り分ける。
これにより、複数の実装ラインにおいて実装基板の生産に偏りが生じるように、生産スケジュールを生成し、その生産スケジュールにしたがって複数の実装ラインを稼働させることができる。その結果、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、本変形例では、実装基板の生産に予め偏りが生じるように生産スケジュールを生成するが、予め生成された生産スケジュールを修正することによって、実装基板の生産に偏りを生じさせてもよい。この場合、稼働率算出部205は、予め定められた生産スケジュールに基づいて、実装ラインL1〜Lnのそれぞれの稼働率を算出する。そして、生成部204は、生産スケジュールにおいて、稼働率が上述の閾値未満となる実装ラインに振り分けられている生産オーダ(または生産予定データ)を、他の実装ラインに再振り分けすることによって、その生産スケジュールを変更する。これにより、実装基板の生産に偏りをもたせることができる。
[まとめ]
以上のように、上記実施の形態およびその変形例に係る実装ライン管理装置200では、実装基板の変種変量の生産に容易に対応することができる。また、上記実施の形態およびその変形例に係る実装ライン管理装置200は、生成部204、表示部202および通信部208以外の構成要素も備えているが、これらの構成要素を備えていなくてもよい。
図13は、上記実施の形態における実装ライン管理装置200の他の機能構成例を示すブロック図である。
実装ライン管理装置200は、それぞれ基板に部品を実装する複数の実装ラインL1〜Lnを管理する装置であって、生成部204と出力部209とを備える。生成部204は、複数の実装ラインL1〜Lnのそれぞれについて、当該実装ラインと、実装対象の部品とを関連付けて示す管理データDt1を生成する。出力部209は、管理データDt1を出力する。なお、出力部209は、上述の表示部202および通信部208のうちの少なくとも一方の機能を有していてもよい。また、生成部204は、複数の実装ラインL1〜Lnのそれぞれについて、当該実装ラインと、当該実装ラインにおける実装対象の部品と、少なくとも1つの他の実装ラインにおける実装対象の部品とが関連付けられるように、管理データDt1を生成する。
このような構成であっても、実装ライン管理装置200は、実装基板の変種変量の生産に容易に対応することができる。
以上、一つまたは複数の態様に係る実装ライン管理装置および実装ライン管理方法について、実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態およびその変形例に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
なお、上記実施の形態およびその変形例において、実装ライン管理装置200に含まれる各構成要素は、専用のハードウェアまたは回路で構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、例えば、生成部204、稼働率算出部205、停止部206、生産振分部207および通信部208などである。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態およびその変形例の実装ライン管理装置200などを実現するソフトウェアは、図8A、図8B、または図12に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させる。