JP2020035514A - 画像形成装置及びこれに用いられる画像加熱装置 - Google Patents

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Yusuke Isomi
優介 磯見
雅俊 伊藤
Masatoshi Ito
雅俊 伊藤
林崎 実
Minoru Hayashizaki
実 林崎
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Abstract

【課題】磁気飽和を回避するため、インバータを動作させつつ、導通期間を制御することで簡便にスイッチング素子を保護することができる画像形成装置及びこれに用いられる画像加熱装置を提供する。【解決手段】記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、電磁誘導加熱方式の画像加熱部におけるニップ部を加熱するために第1のスイッチング素子604と第2のスイッチング素子605を備えたハーフブリッジ回路を有するインバータ16と、励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出部612と、電流が互いに逆方向の第1及び第2の方向にそれぞれ流れるとき、それぞれの閾値とそれぞれの電流検出部の出力とを比較し、第1及び第2の閾値判断信号を出力する閾値判断回路(閾値判断部)624と、第1及び第2の閾値判断信号を基に、導通期間を制御して第1及び第2のスイッチング素子を駆動する第1及び第2のゲート駆動信号を出力する制御部40と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等、記録材上に画像形成可能な画像形成装置及びこれに用いられる電磁誘導加熱方式の画像加熱装置に関する。
電磁誘導加熱方式の画像加熱装置における電力供給手段として用いられるインバータ(交流の電気の電圧や周波数を変更するため、交流を直流に変換し、再度交流に戻す)は、誘導加熱用のコイルのインダクタンスを利用して共振動作を行う。一方、コイルに流せる電流値は、コイルを巻く磁性コア(コア)の最大磁束密度によって決まる。コアの最大磁束密度を超える磁束を発生させるような大電流をコイルに流した場合、磁気飽和が発生し、コアの透磁率μが非常に小さな値になることが知られている。
コアの透磁率μが小さくなることでコイルのインダクタンスが小さくなり、コイルのインダクタンスを利用して駆動するインバータのスイッチング素子に流れる電流ピークが非常に高くなる。これにより、スイッチング素子が過電流破壊してインバータが壊れてしまうという問題があった。
特許文献1では、磁気飽和を回避するため、入力電圧と検出電流に基づきコイルのインダクタンスを算出し、インダクタンスと入力電圧に基づきスイッチング手段のオン期間とオフ期間を補正することで、スイッチング素子を保護することが提案されている。
特開2004−21174号公報
しかしながら、特許文献1では、コイルのインダクタンスを算出する必要があり、インダクタンスの算出がなくてもスイッチング素子を保護できる装置が望まれていた。
本発明の目的は、磁気飽和を回避するため、インバータを動作させつつ、導通期間を制御することで簡便にスイッチング素子を保護することができる画像形成装置及びこれに用いられる画像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、導電層を有する回転可能な円筒状回転体と、前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記円筒状回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向を中心軸として前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、前記円筒状回転体に対向し、前記円筒状回転体と共に前記トナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、前記ニップ部を加熱するために第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子を備えたハーフブリッジ回路を有するインバータと、前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流が互いに逆方向の第1及び第2の方向にそれぞれ流れるとき、それぞれの閾値とそれぞれの前記電流検出部の出力とを比較し、第1及び第2の閾値判断信号を出力する閾値判断部と、前記第1及び第2の閾値判断信号を基に、導通期間を制御して前記第1及び第2のスイッチング素子を駆動する第1及び第2のゲート駆動信号を出力する制御部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る画像加熱装置は、導電層を有する回転可能な円筒状回転体と、前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記円筒状回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向を中心軸として前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、前記円筒状回転体に対向し、前記円筒状回転体と共にトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、前記ニップ部を加熱するために第1及び第2のスイッチング素子を備えたハーフブリッジ回路を有するインバータと、前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流が互いに逆方向の第1及び第2の方向にそれぞれ流れるとき、それぞれの閾値とそれぞれの前記電流検出部の出力とを比較し、第1及び第2の閾値判断信号を出力する閾値判断部と、前記第1及び第2の閾値判断信号を基に、導通期間を制御して前記第1及び第2のスイッチング素子を駆動する第1及び第2のゲート駆動信号を出力する制御部と、を有することを特徴とする。
(作用)
励磁コイルを流れる電流を監視することで、磁気飽和の兆候を検知し、インバータのスイッチング素子に所定値を超える過電流が働かないようにする。
本発明によれば、磁気飽和を回避するため、インバータを動作させつつ、導通期間を制御することで簡便にスイッチング素子を保護することができる。
第1の実施形態の画像加熱装置(定着装置)を搭載した画像形成装置の概略断面図 第1の実施形態の定着装置の要部の横断側面模型図 第1の実施形態の定着装置の要部の正面模型図 第1の実施形態の定着装置の要部の斜視図と制御ブロック図 第1の実施形態の定着駆動回路の概略を説明する図 第1の実施形態の定着駆動回路の動作を説明する図 第1の実施形態の閾値判断回路の概略を説明する図 第1の実施形態の閾値判断回路の動作を説明する図 第1の実施形態のエンジン制御部の概略を説明する図 第1の実施形態の磁気飽和保護時における定着駆動回路の動作を説明する図 第1の実施形態の定着駆動回路の制御フローチャート 第1の実施形態の磁気飽和保護時における定着駆動回路の動作を説明する図 第2の実施形態の定着駆動回路の概略を説明する図 第2の実施形態のエンジン制御部の概略を説明する図 第2の実施形態の定着駆動回路の制御フローチャート 第2の実施形態の磁気飽和保護時における定着駆動回路の動作を説明する図
以下、好ましい実施の形態を図に基づいて説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図1は、本実施形態に従う画像形成装置100の概略構成図である。本実施形態の画像形成装置100は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。101は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム)であり、矢示の時計回りに所定の周速度にて回転駆動される。感光ドラム101は、その回転過程で接触帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
103は、画像露光手段としてのレーザービームスキャナである。不図示のイメージスキャナ・コンピュータ等の外部機器から入力する目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して、オン/オフ変調したレーザー光Lを出力して、感光ドラム101の帯電処理面を走査露光(照射)する。この走査露光により、感光ドラム101表面の露光明部の電荷が除電されて感光ドラム101表面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
104は現像装置であり、現像スリーブ104aから感光ドラム101表面に現像剤(トナー)が供給されて感光ドラム101表面の静電潜像が可転写像であるトナー像として順次に現像される。
105は給紙カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ106が駆動され、給紙カセット105内の記録材Pが一枚ずつ分離給紙される。そして、レジストローラ107を介して、感光ドラム101と接触型・回転型の転写部材としての転写ローラ108との当接ニップ部(画像形成部)である転写部位108Tに所定のタイミングで導入される。
すなわち、感光ドラム101上のトナー像の先端部が転写部位108Tに到達したとき、記録材Pの先端部も丁度、転写部位108Tに到達するタイミングとなるようにレジストローラ107で記録材Pの搬送が制御される。転写部位108Tに導入された記録材Pは、この転写部位108Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ108には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。
転写ローラ108には、トナーと逆極性の転写バイアスが印加されることで、転写部位108Tにおいて感光ドラム101表面側のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。転写部位108Tにおいてトナー像の転写を受けた記録材Pは、感光ドラム101表面から分離されて搬送ガイド109を通って像加熱手段である画像加熱装置Aに導入されてトナー画像の熱定着処理を受ける。
記録材分離後(記録材Pに対するトナー像転写後)の感光ドラム101表面は、クリーニング装置110で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。画像加熱装置Aを通った記録材Pは、排紙口111から排紙トレイ112上に排出される。
プリンタ制御部40は、画像形成装置100のプリント動作を制御する。詳細は後述する。定着回路ブロック121は、インバータ16を含み、画像加熱装置Aに電力を投入する。
(画像加熱装置)
本実施形態において、画像加熱装置(像加熱装置、定着装置)Aは電磁誘導加熱方式の装置である。ここで、本明細書において、長手方向とは、記録材の搬送方向および記録材の厚さ方向に直交する方向である。図2は本例の画像加熱装置Aの要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の斜視図と電力制御ブロック図である。
導電層を有し回転可能な円筒状回転体である定着スリーブ1に対向し、定着スリーブ1と共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体として、本実施形態では加圧部材としての加圧ローラ8を用いる。加圧ローラ8は、芯金8aと、芯金8a周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた耐熱性・弾性材層8bとで構成されており、表層に離型層8cを設けてある。弾性層8bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよい材質が好ましい。
芯金8aの両端部は、画像加熱装置Aの不図示のシャーシ側板金間に導電性軸受けを介して回転自由に保持させて配設してある。また、図3に示すように、加圧用ステイ5の両端部と画像加熱装置Aのシャーシ側のバネ受け部材18a、18bとの間に、それぞれ加圧バネ17a、17bを縮設することで加圧用ステイ5に押し下げ力を作用させている。本実施形態の画像加熱装置Aでは、総圧約100N〜250N(約10kgf〜約25kgf)の押圧力を与えている。
これにより、耐熱性樹脂PPS等で構成されたスリーブガイド部材6の下面と加圧ローラ8の上面とが、円筒形回転体である定着スリーブ1を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。加圧ローラ8は、不図示の駆動手段により矢印の反時計回り方向に回転駆動し、定着スリーブ1の外面との摩擦力で定着スリーブ1に回転力が作用される。
フランジ部材12a・12bは、スリーブガイド6の長手方向の左右の両端部に外嵌され、左右位置を規制部材13a・13bで固定しつつ回転自在に取り付けられる。そして、定着スリーブ1の回転時に定着スリーブ1の長手方向の端部を受けてスリーブガイド6の長手方向に沿う寄り移動を規制する役目をする。フランジ部材12a・12bの材質としては、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂等の耐熱性の良い材料が好ましい。
定着スリーブ1は、直径10〜50mmの、基層となる導電性部材でできた発熱層1aと、その外面に積層した弾性層1bと、その外面に積層した離型層1cの複合構造の筒形回転体である。
この発熱層1aに、後述する励磁コイル3に流れる高周波電流によって周期的に極性が反転する交番磁束が作用することにより、発熱層1aに周回電流が発生して発熱層1aが発熱する。この熱が弾性層1b、離型層1cに伝達されて、定着スリーブ1全体が加熱され、定着ニップ部Nに通紙される記録材Pを加熱してトナー像Tの定着がなされる。
定着スリーブ1の内部にて、この回転軸線方向(長手方向)に磁性芯材である磁性コア2が挿通されている。そして、その磁性コア2の周囲に、励磁コイル3が巻かれている。図3に示す温度検出素子9、10、11については、後述する。
図4は、定着スリーブ1を誘導加熱する磁性コア2と励磁コイル3と、定着スリーブ1の斜視図と定着スリーブ1に電力を供給する制御ブロックを示したものである。磁性コア2は、不図示の固定手段で定着スリーブ1の中空部を貫通して配置させている。そして、磁性コア2は、励磁コイル3にて生成された交流磁界による磁力線を定着スリーブ1内部に誘導し、磁力線の通路(磁路)を形成する部材として機能する。
励磁コイル3は、スリーブ1の中空部において、通常の単一導線を、磁性コア2の長手方向を中心軸にして螺旋状に巻くことで形成される。定着スリーブ1内部にて、この励磁コイル3にインバータ16と給電接点部3a,3bを介して高周波電流を流すと、定着スリーブ1の軸Xの平行方向に磁束を発生させることが出来る。
画像加熱装置Aの温度検出は、図3および図4に示すように、記録材Pが画像加熱装置Aに搬送されてくる側の、定着スリーブ1における長手方向の中央部および両端部に温度検出手段として配設された温度検出素子9、10、11により行われる。そして、定着スリーブ1は、誘導加熱されて表面の温度が所定の目標温度に維持・調整される。
(プリンタ制御部40)
次に、図4に関し、プリンタ制御部40を説明する。プリンタコントローラ41は、後述するホストコンピュータ42との間で通信と画像データの受信、及び受け取った画像データを画像形成装置100が印字可能な情報に展開する。それと共に、エンジン制御手段であるエンジン制御部43との間で、タイミング信号の受け渡し及びシリアル通信を行う。
エンジン制御部43は、プリンタコントローラ41との間でタイミング信号の受け渡しを行い、さらに、シリアル通信を介して画像形成装置100の各ユニットの制御を行う。エンジン制御部43は、後述する記憶部901を備える。そして、温度検出素子9、10、11によって検出された温度を基に、画像加熱装置Aの温度制御、異常検出等を行うと共に、インバータ16に用いられるスイッチング素子の駆動周波数と導通時間を制御して電力の制御を行う。
このようなプリンタ制御部40を有する画像形成装置100において、ホストコンピュータ42は、プリンタコントローラ41に画像データを転送する。また、ユーザからの要求に応じてプリンタコントローラ41に記録材Pのサイズ等、様々なプリント条件を設定する。
(定着回路ブロック121)
次に、図5を基に、定着回路ブロック121の具体的な構成について説明する。601はACフィルタ、602はダイオードブリッジ、603はコンデンサである。604は第1のスイッチング素子であるFET、605は第2のスイッチング素子であるFET、606はコンデンサである。本実施形態では、第1のスイッチング素子をFET604、第2のスイッチング素子をFET605としたが、第1のスイッチング素子をFET605、第2のスイッチング素子をFET604としてもよく、本構成に限定されるものではない。
607は定着スリーブ1を励磁コイル3から見た等価抵抗、608は励磁コイル3と定着スリーブ1のリーケージインダクタンス、611は励磁コイル3と定着スリーブ1の励磁インダクタンスである。609は電流共振コンデンサ、9、10、11は温度検出素子、43はインバータ16の電力制御を行うだけでなく、画像形成装置100の動作シーケンス等を制御するエンジン制御部、620は商用電源である。
第1及び第2のスイッチング素子としてのFET604、605を駆動するために、エンジン制御部43から出力されるゲート駆動信号628、629が、絶縁素子626、627を介してFET604、605のゲートに伝達される。本実施形態におけるインバータ16では、FET604、605、励磁コイル3、電流共振コンデンサ609から成り、定着スリーブ1を介してハーフブリッジ回路を構成している。
図4に示す1117は、ゼロクロス生成回路である。ACフィルタ601を介した商用電源620の電圧は、ゼロクロス生成回路1117に入力される。ゼロクロス生成回路1117は、商用電源620の電圧が0V近辺のある閾値電圧以下の電圧になっている時にHigh(Hi、H)レベルないしはLow(Lo、L)レベルの信号を出力する。そして、それ以外の場合にLowレベルないしはHighレベルの信号を出力する構成となっている。そして、エンジン制御部43は、ゼロクロス信号のHigh→LowまたはLow→Highに変化するエッジを検出し、インバータ16の電力制御に利用する。
エンジン制御部43は、所定の周波数のゲート駆動信号を、図4に示す絶縁素子626、627を介してFET604、605のゲートに出力する。電流検出部612、閾値判断回路(閾値判断部)624については、後述する。
(インバータ16)
図5で、商用電源620から入力された交流電圧は、ダイオードブリッジ602で整流されてコンデンサ603に充電される。コンデンサ603の容量は、スイッチング電流を流して画像形成装置100の外に出るノイズを許容出来るレベルとする程度の容量としている。これは、大きな容量を接続してしまうと力率が劣化する為である。コンデンサ603には、インバータ16が接続されている。
図6に、FET604のゲートソース間電圧、FET605のゲートソース間電圧、FET605ドレイン(D)電圧と励磁コイル3の電流、電流共振コンデンサ609のコンデンサ電圧を示す。FET604、605は、デューティ約50%で交互に駆動される。FET604、605の両方の導通を避けるため、FET604、605を同時にターンオフしている期間としてデッドタイムを必ず設けている(図6の期間2、期間4)。
FET605のドレインーソース端子間には、コンデンサ606を接続している。FET604がターンオンしてコンデンサ603から電流が流れると、コンデンサ606の電圧がコンデンサ603と略同じとなり、その後像加熱装置A内の励磁コイル3とコンデンサ609による直列共振回路へ電流が流れ始める(図6の期間1)。
上述したとおり、電流共振が直列共振回路への電流なので、励磁コイル3及び電流共振コンデンサ609に流れる電流は正弦波状になる。励磁コイル3の電流が電流共振コンデンサ609を充電している期間内にFET604をターンオフする。画像加熱装置A内の励磁コイル3には引き続き電流が流れ続けようとする為、電流はコンデンサ609、FET605に備わっている不図示の逆導通ダイオードに電流が流れる(図6の期間2)。
FET605のドレイン電圧は、ソース電圧よりも逆導通ダイオードの順方向電圧だけ低くなる。図6の期間2の間、エンジン制御部43は絶縁素子627を介してFET605をターンオンする。すると、画像加熱装置A内の励磁コイル3に流れていた電流は、FET605のドレイン方法に流れる向きを変えて励磁コイル3に蓄えていたエネルギーを全て吐き出して0になる。同時に、コンデンサ609に蓄えた電圧は最も高電圧となり、逆方向に電流が流れ始める(図6の期間3)。
次に、逆方向に流れている電流が0Aになる前にFET605をターンオフする。すると、流れていた電流はコンデンサ606を充電し始め、FET605のドレイン電圧が上昇していく(図6の期間4)。FET605のドレイン電圧が、コンデンサ603の電圧よりも高くなると、FET604に備わっている不図示の逆導通ダイオードに電流が流れ始める。
コンデンサ606の電圧は、コンデンサ603の電圧とFET604に備わっている不図示の逆導通ダイオードの順方向電圧の和となる。この期間にエンジン制御部43は、絶縁素子626を介してFET604をターンオンする(図6の期間1)。以降、上述した区間1から区間4のスイッチング制御を繰り返す。
以上のように、コンデンサ606の容量と、ターンオフ時の電流と、デッドタイム時間(期間2または期間4)を適切に設定することによりFET604,605はソフトスイッチング動作がなされており、高い効率を保つ事が可能となっている。
(電流検出部612)
次に、電流検出手段の一例である電流検出部612(図5)の具体的構成と動作を説明する。リーケージインダクタンス608の電流は、絶縁素子であるカレントトランス613を介して電流検出部612の小信号系ラインに伝達される。抵抗607の上端から下端に電流が流れている期間、伝達された電流は、カレントトランス613の右端からダイオード617、抵抗619、ダイオード623を介して、カレントトランス613の左端に流れる。
このとき、抵抗619の右端電圧513を閾値判断回路624に入力する。一方、抵抗607の下端から上端に電流が流れている期間、伝達された電流は、カレントトランス613の左端からダイオード621、抵抗622、ダイオード625を介してカレントトランス613の右端に流れる。このとき、抵抗622の左端電圧514を閾値判断回路624に入力する。
(閾値判断回路624)
次に、図7を用いて、閾値判断回路624(図6)の具体的構成と動作を説明する。閾値判断回路624は、抵抗619の右端電圧513を入力として正側閾値判断信号516を出力する回路部と、抵抗622の左端電圧514を入力として負側閾値判断信号517を出力する回路部で構成される。
正側閾値判断信号516を出力する回路は、コンパレータ501と、抵抗503、504で構成される。コンパレータ501は、不図示の電源より生成された電源電圧518で動作する。そして、コンパレータ501は、電源電圧518の抵抗503と抵抗504の分圧(以降、正側閾値信号520と呼ぶ)を正側入力とし、負側入力を抵抗619の右端電圧513とする。そして、正側閾値信号520を右端電圧513が下回る場合Hi信号を出力する。正側閾値信号520を右端電圧513が上回る場合は、コンパレータ501はLo信号を出力する。
一方、負側閾値判断信号517を出力する回路は、コンパレータ502、抵抗505、506で構成される。コンパレータ502は、不図示の電源より生成された電源電圧515で動作する。そして、コンパレータ502は、電源電圧515の抵抗505と抵抗506の分圧(以降、負側閾値信号521と呼ぶ)を正側入力とし、負側入力を抵抗622の左端電圧514とする。そして、負側閾値信号521を左端電圧514が下回る場合Hi信号を出力する。負側閾値信号521を左端電圧514が上回る場合は、コンパレータ507はLoを出力する。
(正側閾値信号520と負側閾値信号521の設定方法)
正側閾値信号520と負側閾値信号521は、それぞれFET604、605が過電流破壊しないように許容電流値にマージンを持たせる目的で、以下のように設定する。すなわち、許容電流値の80%のピークを持った電流が流れた時に、図5に示す抵抗619の右端電圧513と抵抗622の左端電圧514がそれぞれ正負の閾値信号をまたぐような値に設定する。
(電流検出部612と閾値判断回路624の動作)
図5に示すように、閾値判断回路624への入力信号は、抵抗619の右端電圧513、抵抗622の左端電圧514であり、閾値判断回路624の出力信号は、正側閾値判断信号516、負側閾値判断信号517である。
図8で、リーケージインダクタンス608に流れる電流、抵抗619の右端電圧513、抵抗622の左端電圧514、閾値判断回路624の出力信号である正側閾値判断信号516、負側閾値判断信号517の関係を説明する。図8は、通常動作時と磁気飽和発生時の2つの動作に分かれる。
先ず、通常動作時の動きを図8(a)に示した5つの波形を用いて説明する。上から順に、リーケージインダクタンス608の電流801、抵抗619の右端電圧513、抵抗622の左端電圧514、正側閾値判断信号516、負側閾値判断信号517を示している。電流801は、リーケージインダクタンス608の左端から右端に流れている期間を正とする。横軸は、全て時間である。
磁気飽和が起きていない状態では、リーケージインダクタンス608の電流801はsin波状に流れる。正方向に電流801が流れている期間、抵抗619の右端電圧513は正方向に流れるコイル電流801に相似の電圧波形となる。この時、抵抗622の左端電圧514はゼロ近傍レベルの電圧を出力する。一方、負方向に電流801が流れている期間、抵抗622の左端電圧514は負方向に流れる電流801に相似の電圧波形となる。この時、抵抗619の右端電圧513はゼロ近傍レベルの電圧を出力する。
正側閾値判断信号516と負側閾値判断信号517は、抵抗619の右端電圧513と抵抗622の左端電圧514がそれぞれ正側閾値信号と負側閾値信号を超過しないため、HI信号を出力し続ける。
続いて、磁気飽和発生時の動きを図8(b)に図示した5つの波形を用いて説明する。通常動作時の同じ動きは説明を省略する。リーケージインダクタンス608の電流801、抵抗619の右端電圧513、抵抗622の左端電圧514、正側閾値判断信号516、負側閾値判断信号517を示している。磁気飽和発生時、電流801は、通常動作時と比較して電流801のピーク値が高くなる。これは、励磁コイル3中の磁性コア2が部分的に磁気飽和を起こし始めると、励磁インダクタンス611が小さくなることで、通常動作時と比較して、励磁インダクタンス611に流れる電流が大きくなるためである。
図8(b)に示す正側閾値判断信号516は、抵抗619の右端電圧513が正側閾値信号520を超過した時のみLOW信号を出力する。これにより、図10(g)に示す破線形状が実線形状となる。
また、負側閾値判断信号517は、抵抗622の左端電圧514が負側閾値信号521を超過した時のみLOW信号を出力する。これにより、図10(g)に示す破線形状が実線形状となる。
(エンジン制御部43)
次に、エンジン制御部43の構成と動きを説明する。図9は、エンジン制御部43の内部構成を示すブロック図である。図9において、駆動波形演算部902は、記憶部901に保存されているプログラムと、温度検出手段9、10、11で検出した定着スリーブ1の温度に基づき、以下の情報を演算する。すなわち、定着スリーブ1の温度を所定の温度に制御するために必要なFET604、FET605の駆動パルス幅と駆動パルス周期を演算する。
例えば定数K1を用いて、駆動パルス周期=K1×(温度検出手段9の検出結果−温度検出手段10の検出結果)と決定する。駆動パルス幅は、駆動パルス幅=(駆動パルス周期−2×デッドタイム)÷2で決定する。そして、演算結果を駆動信号生成部905に出力する。
また、正側閾値判断信号516は、正側閾値エッジ検知部903に入力される。正側閾値エッジ検知部903は、入力された正側閾値判断信号516の立下りタイミングで、所定の時間オンする正側閾値超過信号1103を生成する。生成された正側閾値超過信号1103は、駆動信号生成部905に出力される。
同様に、負側閾値判断信号517は負側閾値エッジ検知部904に入力される。負側閾値エッジ検知部904は、入力された負側判断信号517の立下りタイミングで、所定の時間オンする負側閾値超過信号1104を生成する。生成された負側閾値超過信号1104は、駆動信号生成部905に出力される。
駆動信号生成部905は、駆動波形演算部902からの指示と、正側閾値エッジ検知部903と負側閾値エッジ検知部904が出力する両閾値超過信号に基づき、以下を制御する。すなわち、FET604を駆動するハイサイドFETゲート駆動信号628と、FET605を駆動するローサイドFETゲート駆動信号629を制御する。
図10は、閾値判断信号516、517が駆動波形演算部902に入力された時の波形のタイムチャートである。上から正側閾値判断信号516、負側閾値判断信号517、正側閾値超過信号1103、負側閾値超過信号1104、ハイサイドFETゲート駆動信号628、ローサイドFETゲート駆動信号629、リーケージインダクタンス608の電流801の波形を示す。
正側閾値判断信号516の立下りに同期して、正側閾値エッジ検知部903は駆動信号生成部905に対し、正側閾値超過信号1103をHI出力する。駆動信号生成部905は正側閾値超過信号1103のHI出力を受けて、ハイサイドFETゲート駆動信号628をLOW出力する。このとき、リーケージインダクタンス608の電流801のピーク値は、本来波線で示した値まで上昇するところ、実線で示した値に抑制されることで、FET604の過電流破壊を防ぐことができる。
一方、負側閾値判断信号517がLOWに変化する場合、負側閾値判断信号517の立下りエッジに同期して、負側閾値エッジ検知部904は駆動信号生成部905に対し、負側閾値超過信号1104をHI出力する。駆動信号生成部905は負側閾値超過信号1104のLOW出力を受けて、ローサイドFETゲート駆動信号629をLOW出力する。このとき、リーケージインダクタンス608の電流801のピーク値は、正側閾値判断信号516を受けて行う保護動作時と同様に、本来波線で示した値まで上昇するところ、実線で示した値に抑制されることで、FET605の過電流破壊を防ぐことができる。
(駆動信号生成部905の動作シーケース)
ここで、駆動信号生成部905の動作について、図11のフローチャートを用いて説明する。制御が開始されると、駆動信号生成部905は、駆動波形演算部902が演算したFET604のオン時間を取得し(S1001)、ハイサイドFETゲート駆動信号628をターンオンする(S1002)。
ハイサイドFETゲート駆動信号628をターンオンしてからの経過時間が、取得したFET604のオン時間を超えたかどうかを判断し(S1003)、超えていた場合にはハイサイドFETゲート駆動信号628をターンオフする(S1006)。
ハイサイドFETゲート駆動信号628をターンオンしてからの経過時間が、取得したFET604のオン時間を超えていない場合は、正側閾値エッジ検知部903から入力される正側閾値超過信号1103を取得したかどうかを確認する(S1004)。取得していた場合には、ハイサイドFETゲート駆動信号628をターンオフする(S1006)。そうでない場合は、定期間待機後(S1005)、再びS1003を実施する。
ハイサイドFETゲート駆動信号628をターンオフした後は、FET604とFET605の間に貫通電流が発生しない十分なデッドタイムを確保する(S1007)。その後、駆動信号生成部905は、駆動波形演算部902が演算したFET605のオン時間を取得し(S1008)、ローサイドFETゲート駆動信号629をターンオンする(S1009)。
ローサイドFETゲート駆動信号629をターンオンしてからの経過時間が、取得したFET605のオン時間を超えたかどうかを判断し(S1010)、超えていた場合にはローサイドFETゲート駆動信号629をターンオフする(処理612)。
ローサイドFETゲート駆動信号629をターンオンしてからの経過時間が、取得したFET605のオン時間を超えていない場合は、負側閾値エッジ検知部904から入力される負側閾値超過信号1104を取得したかどうかを確認する(S1011)。取得していた場合には、ローサイドFETゲート駆動信号629をターンオフする(S1012)。そうでない場合は、一定期間待機後、再びS1010を実施する。
ローサイドFETゲート駆動信号629をターンオフした後は、デッドタイムを確保した後(S1013)、像加熱装置Aの加熱が終了しているかどうかを判断し(S1014)、終了していなければ、S1001から前述した動作を繰り返す。
以上のように、駆動波形演算部902から指示されるゲートオン時間による判断と、正側閾値超過信号1103および負側閾値超過信号1104による判断とを行う。この2つの判断基準によって、ハイサイドFETゲート駆動信号628およびローサイドFETゲート駆動信号629を制御する。
(保護動作時の各波形と動作)
図12を用いて、磁気飽和に対する保護動作時の各波形と動作を説明する。図12は、上から順に、ハイサイドFETゲート駆動信号628、ローサイドFETゲート駆動信号629、FET604のドレイン電流波形1101を示す。更に、順にFET605のドレイン電流波形1102、リーケージインダクタンス608の電流801、正側閾値超過信号1103、負側閾値超過信号1104を示している。
期間1〜期間4は磁気飽和保護が動作していない時の波形、期間5〜期間7は磁気飽和保護が動作している時の波形を示している。磁気飽和保護が動作していない時の各波形の説明は、前述したハーフブリッジ回路の基本動作説明で行っているため割愛する。
磁気飽和保護動作時の動作として、以下の2通りの動作を行う。正側閾値超過信号1103がHレベルを出力した時にFET604がオンになっている場合には、強制的にFET604とFET605のオンオフを切り替える。また、負側閾値超過信号1104がHレベルを出力した時にFET605がオンになっている場合にも、強制的にFET604とFET605のオンオフを切り替える。
以下、磁気飽和保護動作時の期間5〜期間7の動きを説明する。図12に示す期間5(FET604はオフ、FET605はオン)において、共振電流はコンデンサ609→リーケージインダクタンス608→FET605の経路で流れる。しかし、磁気飽和が発生し、リーケージインダクタンス608の電流801の電流ピーク値が大きくなると、FET605の許容電流を超えて、FET605が過電流故障してしまう。
そこで、駆動信号生成部905は、負側閾値超過信号1104がHレベルを出力したタイミングで、電流801がFET605の許容電流を超える前にローサイドFETゲート駆動信号629をロー出力することでFET605をオフする。期間6でデッドタイムをおく。その後、期間7でハイサイドFETゲート駆動信号628をハイ出力することでFET604をオンにする。以上の動作を行うことで、過電流がFET605に流れてFET605が破壊することを防止しつつインバータ16を動作させることができる。
《第2の実施形態》
第1の実施形態では、まずエンジン制御部43で生成した閾値超過信号1103、1104を駆動信号生成部905に入力する。次に、入力された閾値超過信号1103、1104に基づきFET604、605のオン時間を制御することで磁気飽和によるFET604、605の破壊を防止しつつ動作させる方法を提案した。
本実施形態は、まずエンジン制御部43で生成した閾値超過信号1103、1104を駆動波形演算部902に入力する。次に、入力された閾値超過信号に基づきインバータ16への入力電圧を制御することで、磁気飽和によるFET604、605の破壊を防止しつつ動作させる方法を説明する。以下では、本実施形態について、第1の実施形態と異なる点を主として説明し、共通する構成については、同一符号を付けて説明を省略する。
(定着回路ブロック121の具体的構成と動作)
図13を用いて、定着回路ブロック121における第1の実施形態と異なる部分の構成を説明する。エンジン制御部43に入力された閾値判断回路624の出力である正負の閾値判断信号516、517に基づいて、インバータ16の入力電圧を制御する電圧制御手段である電圧制御回路632の構成を説明する。電圧制御回路632は、第3のスイッチング素子であるFET636、コイル638、コンデンサ639、ダイオード637で構成される降圧コンバータである。
FET636は、絶縁素子633を介してエンジン制御部43から送られる所定の周波数で駆動パルス幅可変のゲート駆動信号(以後、降圧用FETゲート駆動信号634と呼ぶ)により駆動される。
(電圧制御回路632の動作)
以下、電圧制御回路632の動作を説明する。インバータ16の入力電圧となる、コンデンサ639の両端電圧は、以下のようになる。すなわち、コンデンサ603の両端電圧と降圧用FETゲート駆動信号634の駆動パルス幅/駆動周期(以後、デューティ(DUTY)と呼ぶ)を用いて(コンデンサ639の両端電圧)=(コンデンサ603の両端電圧)×(デューティ)となる。デューティを50%と設定した場合、コンデンサ603の両端電圧はコンデンサ639の両端電圧の50%の電圧となる。
FET636がオンしている期間、コンデンサ603→FET636→コイル638→コンデンサ639の順に電流が発生する。コイル638は、コイル638中を流れる電流を磁気エネルギーとして蓄える。FET636がオフしている期間、コイル636は、磁気エネルギーとして蓄えていたエネルギーを電流として吐き出す。このとき吐き出された電流の経路は、コイル638→コンデンサ639→ダイオード637である。このように、FET636のデューティを変える(導通期間と非導通期間の比も変わる)ことで、電圧制御回路632はコンデンサ639の両端電圧を変えることができる。
これにより、電流検出部612の検出結果が閾値を超えた場合、後述するように第3のスイッチング素子であるFET636を非導通状態とし所定の時間をおいて再び導通状態とすることで、インバータ16に供給する電圧を変化させることができる。
そして、FET636のデューティに関し、後述するように第3のスイッチング素子の導通期間を、円筒状回転体の温度を検出する温度検出手段の検出結果と予め設定した目標温度の差分に応じて決定するようにできる。
(エンジン制御部43の具体的構成と動作)
次に、エンジン制御部43の構成と動きを説明する。図14は、エンジン制御部43の内部構成を示すブロック図である。駆動波形演算部902は、記憶部901に保存されているプログラムと、温度検出手段9、10、11で検出した定着スリーブ1の温度、正側閾値エッジ検知部903と負側閾値エッジ検知部904が出力する両閾値超過信号に基づき、以下を演算する。すなわち、電圧制御回路632を制御するために必要なFET636の駆動周波数とデューティを演算する。そして、演算結果を駆動信号生成部905に出力する。
駆動信号生成部905は、駆動波形演算部901からの指示に従い降圧用FETゲート駆動信号634を制御する。
(駆動波形演算部902の動作シーケース)
駆動波形演算部902の動作について、図15のフローチャートを用いて説明する。制御が開始されると、駆動波形演算部902は降圧用FET636のDUTY(デューティ)を100%に設定する(S1401)。S1402で、正側閾値超過信号1103を取得した場合はS1404に移行する。S1402で、正側閾値超過信号1103を取得しなかった場合、S1403で負側閾値超過信号1104が出力されたか確認する。
負側閾値超過信号1104を取得した場合、S1404に移行する。負側閾値超過信号1104を取得しなかった場合は、S1404に移行する。S1404では、温度検出素子9、10、11の温度情報を取得する。S1405では、温度検出素子9、10、11の温度情報から降圧コンバータとしての電圧制御回路632に備わるFET636のDUTYを100%から新たな値に再設定する。
DUTYの設定は、係数K(Kは1未満とする)と、3つの温度検出素子9、10、11のうち最も高い温度情報と、像加熱装置Aの目標温度を用いて決定する。例えば、温度検出素子10が最も高温だった場合、DUTY=K*(目標温度/温度検出素子10の温度情報)で決定する。S1407で、ゼロクロス信号1502の立上りないしは立下りエッジを検出する。エッジ検出したら、駆動信号生成部905に降圧用FET635のDUTYを送る(S1407)。
加熱終了したかS1408で確認し、終了していなければ、S1401からS1408のシーケンスを繰り返す。終了した場合、制御を終了する(S1408)。
(保護動作時の各波形と動作)
図16を用いて、磁気飽和に対する保護動作時の各波形と動作を説明する。図16は、上から順に、商用電源電圧波形1501、ゼロクロス信号波形1502、降圧用FET639のゲート駆動信号634を示す。更に、順にコンデンサ639の両端電圧1501、リーケージインダクタンス608に流れる電流801、正側閾値超過信号1103、負側閾値超過信号1104を示している。
期間1は閾値超過信号1103、1104を出力している期間の波形、期間2は閾値超過信号1103、1104に基づき電圧制御している時の波形を示している。閾値超過信号1103、1104を出力している期間の各波形の説明は、第1の実施形態で行っているため省略するので、閾値超過信号1103、1104に基づき電圧制御している時の動作として、以下の動作を行う。
正側閾値超過信号1103、ないしは負側閾値超過信号1104がHレベルを出力したゼロクロス周期の次のゼロクロス周期に電圧制御回路632のゲート駆動信号634を制御することで、インバータ16の入力電圧を制限する。以降、期間1〜期間2の動きを説明する。
共振電流は、FET604→リーケージインダクタンス608→コンデンサ609の経路で流れる。しかし、磁気飽和が発生し、リーケージインダクタンス608の電流801の電流ピーク値が大きくなると、FET604、605の許容電流を超えて、FET604、605が過電流故障してしまう。
そこで、本実施形態では、正側閾値超過信号1103および負側閾値超過信号1104を判断基準として、電流801がFET604、605の許容電流を超える前にコンデンサ639の両端電圧を低電圧に制御する。これにより、電流801を小さくする、すなわち降圧用FETゲート駆動信号634のデューティを低くする。
期間1(FET636はデューティ100%で駆動)において、商用電源電圧波形1501のピーク電圧値近傍で、リーケージインダクタンス608を流れる電流801の電流ピーク値が、正負の閾値判断信号516、517を超過する。すると、正負の閾値超過信号1103、1104が出力される。
期間2では、期間1で出力された正負の閾値超過信号1103、1104を受けて、ゼロクロス信号波形1502の立上りタイミングで、降圧用FETゲート駆動信号634のデューティを切り替える。降圧用FETゲート駆動信号634のデューティを低くすることで、コンデンサ639の両端電圧1501を低くする。その結果、電流801を小さくすることができる。
以上の動作を行うことにより、磁気飽和が発生してFET604、605に過電流が流れる前に、FET604とFET605に流れる電流801を小さくすることができる。これにより、磁気飽和によるFET604、605の過電流破壊を防止しつつインバータ16を動作させることができる。
本実施形態では、電圧制御回路として降圧コンバータを用いたが、本構成に限定されるものではなく、電圧制御用スイッチング素子のみの構成でも良い。電圧制御用スイッチング素子のみを用いた場合、閾値超過信号1103、1104が出力された期間の次のゼロクロスの期間は、電圧制御用スイッチング素子をオフする。オフした結果、FET604、605に過電流が流れる前に電流801を小さくすることができ、磁気飽和によるFET604、605の過電流破壊を防止しつつ、インバータ16を動作させることができる。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。そして、上述の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。
(変形例1)
上述した実施形態では、閾値に関し特に限定していないが、第1及び第2のスイッチング素子のそれぞれの導通抵抗ないしは導通電圧と、過渡熱抵抗と許容温度で決定されるそれぞれの最大許容電流値に基づき決定されるようにしても良い。
(変形例2)
上述した実施形態では、定着スリーブ1に対向し、定着スリーブ1と共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向部材として、加圧ローラ8を用いたが、これに限定あれるものではなく、回転可能な無端ベルトで構成されても良い。
1・・定着スリーブ、2・・磁性コア(コア)、3・・励磁コイル、8・・加圧ローラ、16・・インバータ、43・・エンジン制御部、101・・感光ドラム、108・・転写ローラ、604、605・・FET(スイッチング素子)、612・・電流検出部、624・・閾値判断回路、628、629・・ゲート駆動信号

Claims (9)

  1. 記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
    導電層を有する回転可能な円筒状回転体と、
    前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記円筒状回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、
    前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向を中心軸として前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、
    前記円筒状回転体に対向し、前記円筒状回転体と共に前記トナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、
    前記ニップ部を加熱するために第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子を備えたハーフブリッジ回路を有するインバータと、
    前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記電流が互いに逆方向の第1及び第2の方向にそれぞれ流れるとき、それぞれの閾値とそれぞれの前記電流検出部の出力とを比較し、第1及び第2の閾値判断信号を出力する閾値判断部と、
    前記第1及び第2の閾値判断信号を基に、導通期間を制御して前記第1及び第2のスイッチング素子を駆動する第1及び第2のゲート駆動信号を出力する制御部と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記それぞれの閾値は、前記第1及び第2のスイッチング素子のそれぞれの導通抵抗ないしは導通電圧と、過渡熱抵抗と許容温度で決定されるそれぞれの最大許容電流値に基づき決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記電流検出部の出力が前記閾値を超えたと判断すると、前記第1及び第2のスイッチング素子のうち、前記閾値を超える電流が流れたときに導通状態の前記第1のスイッチング素子を非導通状態とし、所定の時間をおいてこれまで非導通状態であった前記第2のスイッチング素子を導通状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 電圧制御用の第3のスイッチング素子を備え、商用電源と前記インバータの間に前記インバータに供給する電圧を変化させるための電圧制御手段を有し、
    前記制御部は、前記電流検出部の出力が前記閾値を超えた場合、前記第3のスイッチング素子を制御することで前記インバータに供給する電圧を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 電圧制御用の第3のスイッチング素子を備えた電圧制御手段を有し、
    前記電流検出部の出力が前記閾値を超えた場合、前記第3のスイッチング素子を非導通状態とし所定の時間をおいて再び導通状態とすることで、前記インバータに供給する電圧を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 電圧制御用の第3のスイッチング素子を備えた電圧制御手段を有し、
    前記電流検出部の出力が前記閾値を超えた場合、所定の時間、前記第3のスイッチング素子の所定の周期における導通期間と非導通期間の比を制御することで、前記インバータに供給する電圧を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記円筒状回転体の温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記制御部は、前記電流検出部の出力が前記閾値を超えた場合、前記第3のスイッチング素子の導通期間を、前記温度検出手段の検出結果と予め設定した目標温度の差分に応じて決定することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 導電層を有する回転可能な円筒状回転体と、
    前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記円筒状回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、
    前記円筒状回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向を中心軸として前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、
    前記円筒状回転体に対向し、前記円筒状回転体と共にトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、
    前記ニップ部を加熱するために第1及び第2のスイッチング素子を備えたハーフブリッジ回路を有するインバータと、
    前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記電流が互いに逆方向の第1及び第2の方向にそれぞれ流れるとき、それぞれの閾値とそれぞれの前記電流検出部の出力とを比較し、第1及び第2の閾値判断信号を出力する閾値判断部と、
    前記第1及び第2の閾値判断信号を基に、導通期間を制御して前記第1及び第2のスイッチング素子を駆動する第1及び第2のゲート駆動信号を出力する制御部と、
    を有することを特徴とする画像加熱装置。
  9. 前記対向体は加圧ローラであることを特徴とする請求項8に記載の画像加熱装置。
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