JP2020033953A - 多気筒内燃機関のバルブリフト量可変式動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高低高さが異なる複数の単位カム部を備えたリフト量可変式動弁装置において、構造の簡単化・軽量化を図る。【解決手段】カム軸1を構成する1本の外筒に、各気筒に対応したカム部ユニット5a,5b,5cを形成している。ロッカーアーム等のバルブ側部材9の幅寸法Wとして、第1カム部ユニット5aでは、高単位カム部6aの幅はW、低単位カム部7aの幅寸法は2W、第2及び第3カム部ユニット5b,5cでは、高単位カム部6b,6cの幅寸法は2W、低単位カム部7b,7cの幅寸法はWになっている。各カム部ユニット5a〜5cを一斉に移動させても、バルブ側部材9が単位カム部をスライドするユニットが存在することにより、各カム部ユニット5a〜5cを一斉にスライドさせて高低単位カム部の切替えを実現できる。【選択図】図2

Description

本願発明は、多気筒内燃機関において、吸気バルブ又は排気バルブ若しくは両方のバルブのリフト量を変更できる動弁装置に関するものである。
内燃機関において、吸気バルブや排気バルブのリフト量を変更できるようにすることが行われており、その例が特許文献1に開示されている。この特許文献1において、カム軸は、芯軸とこれに被嵌したカムキャリア(外筒)とで構成されている。カムキャリアは各気筒ごとに個別に配置されており、各カムキャリアに、回転軸心からの高さが異なる(プロフィールが異なる)2つの単位カム部から成るカム部ユニットを形成して、カムキャリアをアクチュエータ(シフター)で軸方向に移動させることにより、高さが相違する2つの単位カム部を、ロッカーアームのようなバルブ側部材に選択的に当てている。
特許文献1では、各気筒に対応したカムキャリア毎に、一対のガイド溝と、ガイド内を摺動する一対のピンと、該ピンを駆動する一対のアクチュエータとが備えられており、アクチュエータを駆動して何れかのピンを溝の内面に摺接させることにより、任意のカムキャリアを軸方向にスライドさせて、バルブ側部材に当たるカム部を切り替えることができ、その結果、バルブリフト量を変更することができる。
しかし、特許文献1では、カムキャリアは各気筒毎に分断されていて個別にスライド制御されるため、構成部品点数が多くなってコスト及び重量が増加してしまう問題や、カムキャリアの制御のための部材が相当のスペースを取るため、他の部材の配置が非常に厄介になるという問題があった。
この問題点の解消策として、特許文献2では、1つのカムキャリアを複数の気筒に跨がるように形成して、1つのカムキャリアに、各気筒に対応したカム部の組(カム部ユニット)を設けることが開示されている。
特表2006−520869号公報 特開2009−228543号公報
特許文献2の請求項1には、
「線状の溝と高リフト用カム及び低リフト用カムとが設けられたカムキャリアを有し、電磁ピンを該溝内を摺動させることにより該カムキャリアを軸方向にスライドさせることで該高リフト用及び低リフト用カムを切り替え可能な内燃機関の可変動弁機構であって、前記カムキャリアは、前記内燃機関の複数の気筒に跨るように形成され」、
と記載されているが、これに続いて、
「前記カムキャリアの一気筒に対応する部分に、該カムキャリアを一方向にスライドさせるための第1溝と、該第1溝に挿入される第1電磁ピンと、該第1電磁ピンを駆動する第1アクチュエータとが設けられ、前記カムキャリアの他気筒に対応する部分に、該カムキャリアを該一方向とは反対の他方向にスライドさせるための第2溝と、該第2溝に挿入される第2電磁ピンと、該第2電磁ピンを駆動する第2アクチュエータとが設けられ」、
と記載されており、
「カムキャリアが複数の気筒に跨がるように形成され」と記載されているものの、実施形態同様、1つの気筒に対応する部分と、他の気筒に対応する部分の2つの気筒に跨がる場合を想定していると思われ、2気筒以上の気筒に跨がるキャリアとその駆動方法等は開示示唆されていない。従って、部材点数の低減効果はまだ不十分であった。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は、
「クランク軸に連動して回転するカム軸のうち、複数の気筒毎に対応した複数箇所に、ベース円からの突出高さが異なる単位カム部によって構成されたカム部ユニットが、周方向に位相をずらした状態で配置されていて、
前記各カム部ユニットは、前記カム軸が所定角度回転する間に軸方向に所定寸法だけ移動すると、ロッカーアームその他のバルブ側部材に摺接する駆動単位カム部が切替えられて、バルブのリフト量が変更されるようになっており、
かつ、前記各カム部ユニットを所定寸法だけ同時に移動させて、各カム部ユニットにおける駆動単位カム部の切替えを順次行えるようになっている」
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成において、
「前記各カム部ユニットが所定寸法だけ同時に移動するときに、前記バルブ側部材が、必ず隣り合った単位カム部の境界線上において前記ベース円上を通過するように、前記各カム部ユニットにおける各単位カム部の軸方向の幅寸法の比率を設定しており、
これにより、前記バルブ側部材と単位カム部との干渉を起こすことなく、前記駆動単位カム部の切替えが1つのカム部ユニットから他のカム部ユニットに順次行えるようになっている」
という構成になっている。
本願発明において、カム軸の構造としては、1本のカム軸に、各カム部ユニットを一体的に形成してもよいし、カム軸を、1本の芯軸とこれにスライド自在に被嵌した1本の外筒との複合構造に構成して、外筒に単位カム部(カム部ユニット)を形成してもよい。各カム部ユニットをカム軸自体に形成した場合は、カム軸を軸方向にスライドさせることになる。
カム軸動の駆動装置(タイミングギヤ、スプロケット、プーリー等)を軸方向に移動させることは通常許容されないため、駆動装置とカム軸とをスプライン嵌合するなどして、駆動装置とカム軸とが一緒に回転しつつ軸方向のスライドが許容されるように構成したらよい。カム軸を芯材と外筒との二重構造に形成した場合は、外筒のみをスライドさせたらよい。いずれにしても、カム軸又は外筒は、軸受け部及びカムキャップによってスライド自在に抱持される。
カム部ユニットをカム軸の回転に連動してスライドさせる方法としては、特許文献1,2と同様に、案内溝とこれに嵌まったピン、及びピンを案内溝に挿脱させるアクチュエータ(例えば電磁ソレノイドやモータ)とから成る装置を使用できる。
カム部ユニットをスライドさせる手段として案内溝とスライドピンとからなる機構を採用する場合、カム軸が180度よりも少ない角度で回転する間に単位カム部間の移行が行われるように設定すると、低い単位カム部から高い単位カム部に移行させるための溝と、高い単位カム部から低い単位カム部に移行させるための溝とを周方向に並べて形成することが可能になるため、1つのスライドピン及びアクチュエータによって、リフト量の変更を行うことが可能になる。
180度以上の回転角度の範囲でカム部ユニットのスライドが行われる場合は、カム部ユニットを一方方向に移動させるための溝と、他方に移動させるための溝とを軸方向に離して形成したらよい。
実施形態から理解できるが、各カム部ユニットでの切り換えを完了させるためのカム軸の回転角度は、第1に気筒数に依存し、次に、各カム部ユニットにおける単位カム部の幅寸法とバルブ側部材の幅寸法との関係に依存している。例えば4気筒の場合は、カム軸が1回転する間(360度回転する間)に各カム部ユニットの切り換えを終了させることができる。高低2段階の切替えのみでなく、高・中・低の3段階の高さ切り換えも可能である。
本願発明において、各カム部ユニットを一体に移動させつつバルブ側部材に対応した駆動単位カム部を切り換える具体的な構造は、気筒数や爆発の順序(隣り合った各カム部ユニットでの単位カム部の位相角度の大きさ)などで相違する。3気筒及び4気筒の場合を実施形態で例示している。従って、実施形態を参照することにより、本願発明の特徴を容易に理解できるであろう。なお、本願発明での高さの切り換えには、ベース円と同径になっているゼロリフト構造も含まれる。
カム軸には、外周の一部にカム部が形成されており、カム部でない部分は、軸心からの距離が等しい(すなわち真円)のベース円になっている。そして、特許文献1,2は、ロッカーアーム等のバルブ側部材がベース円に摺接している間にカム部の移動を行うようにしているが、3気筒以上の内燃機関では、軸方向から見ると、複数のカム部が殆ど間断なく連続している一方、ロッカーアーム等のバルブ側部材はカム軸と平行に並んでいるため、全てのカム部に対応した箇所においてバルブ側部材をベース円に摺接させつつ、隣り合った単位カム部間の境界線を通過させることは不可能である。
これに対して本願発明では、カム部ユニットの群を、カム軸の回転に連動させて所定寸法だけ軸方向に移動させるにおいて、前記バルブ側部材が、必ず隣り合った単位カム部の境界線上において前記ベース円上を通過するように、前記各カム部ユニットにおける各単位カム部の軸方向の幅寸法の比率を設定しているため、前記バルブ側部材と単位カム部との干渉を起こすことなく、前記駆動単位カム部の切替えが1つのカム部ユニットから他のカム部ユニットに順次行えるようになっており、全気筒に対応したカム部ユニットにおいて、バルブリフト量の切り換えを完了できる。
従って、単位カム部の切り換えを制御するための駆動装置(アクチュエータ)を簡素化して、コストダウンや軽量化に貢献できると共に、他の部材の配置スペースの浸食を無くして、部材配置の設計の自由性も向上できる。特に、カム軸が180度よりも少ない回転する範囲内でカム部ユニットのスライドが完了する場合は、駆動装置が溝とピンとからなる構造である場合、高から低への切り換えのための溝と低から高への切り換えのための溝とを周方向に並べて形成できることにより、高から低への切り換えと低から高への切り換えを1種類の駆動装置で行えるため、コストダウンや軽量化の効果に特に優れている。
駆動装置が案内溝とピンとからなる構造である場合、180度よりも大きい回転角度で回転する範囲でカム部ユニットのスライドが完了する場合は、高から低への切り換えのための案内溝と、低から高への切り換えのための案内溝とを軸方向に並べることになるが、この場合も、高から低への切り換えと低から高への切り換えを一対の駆動装置で行えるため、コストダウンや軽量化の効果を享受できる。
3気筒内燃機関に適用した第1実施形態を示す図で、(A)は全体の側面図、(B)は(A)のB−B視図、(C)は(A)のC−C視図、(D)は(A)のD−D視図である。 第1実施形態の第1使用例を示す模式図である。 第1実施形態の第2使用例を示す模式図である。 第2実施形態の模式図である。 第2実施形態の模式図である。 第3実施形態の模式図である。 第3実施形態の模式図である。
(1).第1実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜図3に示す第1実施形態を説明する。この実施形態は、3気筒内燃機関に適用している。カム軸1は吸気用又は排気用であり、1本の芯軸2とこれに被嵌した1本の外筒3とを備えており、外筒3は、芯軸2に対して、スプライン嵌合等により、軸方向にスライド自在で一体に回転するように嵌合している。芯軸2のうちタイミイグングチェーンに近い一端部(前端部)には、タイミングチェーンの動力を伝達する駆動装置の一部が取り付くが、図ではこれらの構造は捨象して簡略表示している。
外筒3は複数の軸受け部4を有しており、隣り合った軸受け部4の間に、前から順に、第1カム部ユニット5a、第2カム部ユニット5b、第3カム部ユニット5cを設けている。各カム部ユニット5a,5b,5cは、各気筒の吸気及び排気が2弁式であることに対応して、高単位カム部6a,6b,6cと低単位カム部7a,7b,7cとの高低2つの単位カム部の対から成っている。
なお、図1(B)〜(D)では、単位カム部は120°の範囲に形成しているが、実際には90°の範囲に形成している。従って、各単位カム部の箇所において、ベース円8の広がり範囲は図示の状態よりも周方向に長くなっている。
以下では、3つの気筒を、内燃機関の前端から後端に向けて順に(図1(A)において左から右に向けて順に)、第1気筒、第2気筒、第3気筒と呼ぶこととして、これに対応して、カム部ユニット5a,5b,5cは、内燃機関の前端から後端に向けて(図1において左から右に向けて)、第1カム部ユニット5a、カム部ユニット5b、第3カム部ユニット5cと呼ぶこととする。気筒の爆発順序は、第1気筒→第2気筒→第3気筒の順になる。
各カム部ユニット5a〜5cにおいて、高単位カム部6a〜6c及び低単位カム部7a〜7cは外周の一部に形成されているため、各カム部ユニット5a〜5cは、各単位カム部6a〜6c,7a〜7cに対応したベース円8を備えている。そして、第1カム部ユニット5a、第2カム部ユニット5b、第3カム部ユニット5cは、周方向に120°間隔で位相がずれている。
第1カム部ユニット5aは下向きになっているのに対して、第2及び第2カム部ユニット5b,5cは斜め上向きになっている。図1では、各カム部ユニット5a〜5bを構成する単位カム部6a〜6c,7a〜7cの幅寸法の関係を明示するため、便宜的に、一点鎖線により、第2及び第2カム部ユニット5b,5cを下向きに表示した状態を表示している。
各カム部ユニット5a〜5cの単位カム部6a〜6c,7a〜7cによって、ロッカーアームやタペット等のバルブ側部材9が押し下げられる。図1では、バルブ側部材9のうち単位カム部6a〜6c,7a〜7cに摺接する部分を便宜的に横長の白抜き線で表示している(他の図も同様である。)。
バルブ側部材9の軸方向の幅寸法をWとすると、第1カム部ユニット5aにおける高単位カム部6aの幅寸法はWと略同じ寸法になって、低単位カム部7aの幅寸法は略2Wになっている。他方、第2及び第3のカム部ユニット5b,5cでは、高単位カム部6b,6cの幅寸法は略2Wで、低単位カム部7b,7cの幅寸法はWと略同じ寸法になっている。
外筒3のうち後端部には螺旋溝(ガイド溝)11を形成しており、電磁ソレノイド等のアクチュエータ12に設けたピン13を螺旋溝11に差し込むことにより、外筒3がその回転によって軸方向にスライドするようになっている。図1(A)に現れている螺旋溝は外筒3を右方向にスライドさせるためのものであり、螺旋溝11は外周の約120°(位相0°から120°)の範囲に形成されている。外筒3を左方向にスライドさせる螺旋溝は紙面の奥側に形成されており、これも外周の約120°(位相240°から360°)の範囲に形成されている。
(2).低リフト状態から高リフト状態への切り換えの第1態様
次に、第1実施形態の制御態様を説明する。まず、第1制御態様を、図2を参照して説明する。なお、図では、バルブ側部材9が動いた状態に表示しているが、これは作図上の便宜的な措置であり、実際には、カム軸1が回転してカム部ユニット5a〜5cが横移動(スライド)する。
また、以下の説明では、バルブ側部材9が移動するという表現を使用するが、これも説明上を判りやすくするための便宜的なものであり、実際には、バルブ側部材9の位置は固定されており、単位カム部が移動する。更に、図2では、各カム部ユニット5a〜5cは1つずつしか表示していないが、実際には一対ずつ存在している。これらは、図3以下の実施形態も同様である。
本実施形態は3気筒であるため、隣り合ったカム部ユニット5a〜5cの間には、軸方向から見て約120°の位相間隔でベース円8が広がっている。そして、図1では、各カム部ユニット5a〜5cの低単位カム部7a〜7cでバルブ側部材9が駆動されるようになっている。すなわち、図2では、低単位カム部7a,7b,7cが駆動単位カム部になっている。
そして、バルブ側部材9を駆動する単位カム部を低単位カム部7a〜7cから高単位カム部6a〜6cに移行させるに当たっては、矢印Xで示すように、第1カム部ユニット5aにおける低単位カム部6aの頂点がバルブ側部材9に当たっている状態を外筒3のスラド開始の始点(位相角0°=360°)として、この状態から外筒3の右向き移動を開始して、外筒3が120度回転する間に、各カム部ユニット5a,5b,5cを2Wだけ移動させることにより、各カム部ユニット5a,5b,5cの駆動単位カム部が、低単位カム部7a,7b,7cから高単位カム部6a,6b,6cに切り替わる。
この外筒3の左向きスライドにおいて、螺旋溝11は外周の約120(位相0°から120°)の範囲に形成されているので、第1カム部ユニット5aでは、外筒3が約60°回転すると全スライド量(バルブ側部材9の左端部が高単位カム部6aの左端部に到達するまでの距離(2W)の1/2の距離だけ移動し、この間でバルブ側部材9と第1カム部ユニット5aの摺接面はベース円8に移行しきる。
第1カム部ユニット5aでは、低単位カム部7aの左右幅は2Wで、高単位カム部7aの幅の略2倍あるため、外筒3が60度が回転する間では、バルブ側部材9は低単位カム部6aに当接した状態のままであり、バルブ側部材9が高単位カム部6aと緩衝することはない。
すなわち、第1カム部ユニット5aでは、外筒3が横移動を開始してから約60°の範囲で、バルブ側部材9が、低単位カム部7a上を摺接しながら低単位カム部7aと高単位カム部6aとの境界線14aに向けて相対移動するが、外筒3が60°を越えて回転してバルブ側部材9が境界線14aを超えるときに、バルブ側部材9はベース円8に到達している。
従って、バルブ側部材9が高単位カム部6aに衝突(干渉)することはなくて、高単位カム部6a低単位カム部7aから高単位カム部6aへの移行がスムースに行われる。逆に見ると、外筒3が約60°だけ回転する範囲でバルブ側部材9が低単位カム部7aから境界線14を越えて高単位カム部6aに移行することがないように、低単位カム部7aの幅寸法W1とバルブ側部材9の幅寸法Wとの関係を設定している。
第2カム部ユニット5bは、第1カム部ユニット5aのカムプロフィールに対して位相が120°遅れている。従って、カム部ユニット5bが移動開始した時点では、バルブ側部材9はベース円8に摺接しており、外筒3が約60°回転すると、全スライド量の1/2の距離(バルブ側部材9の軸方向の幅寸法)だけ移動するので、バルブ側部材9は、低単位カム部7bと高単位カム部6bとの境界線14bを既に通過している。
すなわち、第2カム部ユニット5bでは、低単位カム部7bがベース円8上を摺接している間に、バルブ側部材9は境界線を14bを越えて高単位カム部6bに移行するのであり、従って、バルブ側部材9が高単位カム部6bに衝突することはない。そして、残りの60°回転してWだけ移動すると、バルブ側部材9は高単位カム部6b上を摺接して、高単位カム部6bの左端部に位置してスライドが完了する。
第3カム部ユニット5cは、第1カム部ユニット5aのカムプロフィールに対して位相が240°遅れている。従って、外筒3が移動を開始してから約180°の間は、バルブ側部材9はベース円8上に摺接した状態になっており、外筒3が約120°回転する間に、バルブ側部材9は、ベース円8上を摺接した状態で境界線14cを通過し、高単位カム部6cに摺接し得る部位への移動が終了している。従って、バルブ側部材9が高単位カム部6cに衝突するようなことはなくて、低単位カム部7cから高単位カム部6cへの切替えがスムースに行われる。第3カム部ユニット5cでは、全体の幅寸法が3Wであれば良い。
(3).高リフト状態から低リフト状態への切り換えの第1態様
高リフト状態から低リフト状態への切り換え態様は、図2に矢印Yで示す手順で行われる。すなわち、第3カム部ユニット5cの箇所においてバルブ側部材9が高単位カム部6cの頂点に当たっている状態をスライド開始点として、外筒3が120度回転する間に右向きスライドが完了するようになっている。
この場合、第3カム部ユニット5cの箇所では、バルブ側部材9が、全スライド量(=2W)の1/2、すなわちW(バルブ側部材9の軸方向の幅寸法)だけ移動し、外筒3が横移動を開始してから約60°の範囲で、バルブ側部材9が高単位カム部6c上を摺接していき、外筒3が60°を越えて回転してバルブ側部材9が境界線14cを越えるときには、バルブ側部材9はベース円8上に到達している。従って、バルブ側部材9は、高単位カム部6cから低単位カム部7cに落ちることなく、高単位カム部6cから低単位カム部7cへの切り換えがスムースに行われる。
第1カム部ユニット5aでは、スライド開始時点では、バルブ側部材9はベース円8に摺接している。そして、高単位カム部6aの軸方向幅寸法はWであるが、外筒3が60°回転した段階で、バルブ側部材9は、高単位カム部6aと低単位カム部7aとの境界線14aを通過しており、それから低単位カム部7aへの摺接に移行して60°回転すると、バルブ側部材9は、低単位カム部7aを左から右に移行していき、回転開始から120度を経過すると、バルブ側部材9は低単位カム部7aの右端部に到達してスライドは終了する。従って、第1カム部ユニット5aの箇所でも、バルブ側部材9が低単位カム部7aに落ち込むような不具合を招来することなく、切り換えはスムースに行われる。
第2カム部ユニット5bの箇所では、外筒3の移動が開始してから終了するまで、バルブ側部材9はベース円8に摺接しており、バルブ側部材9は、ベース円8に摺接した状態で、高単位カム部6bと低単位カム部7bとの境界線14bを通過する。従って、高単位カム部6bから低単位カム部7bへの切り換えはスムースに行われる。
(4).切替えの第2態様
図3では、第1実施形態における切替えの第2態様を示している。第1態様では、外筒3が120°回転する間に切替えが完了したが、この第2態様では、外筒3が240°回転する間に、各カム部ユニット5a,5b,5cの移動が終了するように設定されている。
まず、低単位カム部7a,7b,7cから高単位カム部6a,6b,6cへの切替えを説明する。この第2態様では、外筒3の回転は、第2カム部ユニット5bのカム部6b,7bが真上を向いている状態から開始される。
外筒3の回転開始時点において、第1カム部ユニット5aでは、単位カム部6a,7aは斜め下方を向いていて、バルブ側部材9はベース円8に当接しており、外筒3が120°回転する間に、バルブ側部材9は、低単位カム部7aを摺接しつつWの距離を横移動する。
一方、外筒3が120°回転すると、バルブ側部材9は低単位カム部7aと高単位カム部6aとの境界線14aに到達するが、低単位カム部7aは2Wの幅があるため、外筒3が120°回転した段階では、バルブ側部材9は低単位カム部7aから外れて、ベース円8に移行しきっている。従って、バルブ側部材9が高単位カム部6aに衝突することはなくて、低単位カム部7aから高単位カム部6aへの切替えがスムースに行われる。
第2カム部ユニット5bの箇所では、既述のとおり、外筒3が回転を開始した時点では、単位カム部6b,7bは真上を向いていて、バルブ側部材9はベース円8に当接している。従って、バルブ側部材9は、外筒3の回転に伴ってベース円8を摺接しながら横移動していくが、外筒3が120度回転すると、バルブ側部材9は、高単位カム部6bと低単位カム部7bとの境界線14bを通過しきっており、外筒3が120°回転した後は、バルブ側部材9は、ベース円8を経由して高単位カム部6aに移行し、高単位カム部6bを摺接しつつ左方向に横移動していく。
そして、外筒3の240°の回転が終了すると、外筒3は高単位カム部6bの左端に位置する。従って、第2カム部ユニット5bにおける低単位カム部7bから高単位カム部6bの切替えがスムースに行われる。
第3カム部ユニット5cの箇所では、外筒3の回転が開始した時点では、バルブ側部材9は低単位カム部7cから外れた後であり、その後、外筒3が240°回転する間、バルブ側部材9はずっとベース円8に摺接したままであり、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ、低単位カム部7cと高単位カム部6cとの境界線14cを通過する。
そして、外筒3が240°回転した段階でも、バルブ側部材9はベース円8の左端部に位置している。従って、第3カム部ユニット5cの箇所においても、低単位カム部7cから高単位カム部6cへの切替えはスムースに行われる。
高単位カム部6a,6b,6cから低単位カム部7a,7b,7cの切替えは、第1カム部ユニット5aにおいて単位カム部6a,7aが真上に向いた状態を始点として行われる。
高単位カム部6aから低単位カム部7aへの切替えにおいて、外筒3が120°回転すると、第1カム部ユニット5aでは、外筒3が高低単位カム部6a,7aの境界線14aを通過しきるが、第1カム部ユニット5aでは、外筒3が回転を開始してから120°の範囲ではバルブ側部材9がベース円8に摺接した状態が保持されるため、バルブ側部材9は、ベース円8に摺接した状態で境界線14aを通過する。従って、高単位カム部6aから低単位カム部7aへの切替えは、スムースに行われる。
第2カム部ユニット5bの箇所では、外筒3が回転を開始した時点では、外筒3は高単位カム部6bを外れてベース円8に移行した直後であり、その後は、外筒3が240°回転する間中、外筒3はベース円8に摺接した状態で横移動する。従って、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接した状態で、高低単位カム部6b,7bの境界線14bを通過する。従って、第2カム部ユニット5bの箇所でも、高単位カム部6bから低単位カム部7bへの切替えは支障なくスムースに行われる。
第3カム部ユニット5cの箇所では、外筒3が回転を開始した時点でバルブ側部材9はベース円8に当接しており、外筒3の回転に連れて、外筒3は高単位カム部6cを摺接しながら横移動する。そして、外筒3が120°回転すると、バルブ側部材9は高単位カム部6cを外れてベース円8に移行し、その後、高低単位カム部6c,7cの境界線14cを通過する。従って、第3カム部ユニット5cの箇所でも、高単位カム部6cから低単位カム部7cへの切替えは、支障なくスムースに行われる。
この第2態様では、外筒3が240°が回転する間に切替えが行われるため、外筒3の単位回転角度当たりのバルブ側部材9の移動距離は、第1態様よりも少なくなる。従って、バルブ側部材9とカム部ユニット5a,5b,5cとの間の滑りを滑らかにできる。また、図1に示した案内溝11は、低単位カム部7a,7b,7cから高単位カム部6a,6b,6cへの切替え用のものと、高単位カム部6a,6b,6cから低単位カム部7a,7b,7cへの切替え用のものとは軸方向にずらして形成されるため、2つの案内溝11の形成位置の自由性が向上する。
第1実施形態は、カム部ユニット5a,5b,5cの横幅を全体として3Wに設定して、外筒3の移動ストロークを2Wに設定しているが、高単位カム部6a,6b,6cを3Wの寸法に設定して、外筒3の移動ストロークを3Wに設定してもよい。
(5).第2実施形態
図4に示す第2実施形態では、3気筒内燃機関において、バルブリフト量を高・中・低の3段階に切り換えできる動弁装置に適用している。従って、この実施形態では、高単位カム部6a〜6cと低単位カム部7a〜7cとの間に、中単位カム部15a〜15cが存在している。
そして、この実施形態では、バルブ側部材9の横幅をWとしたとき、まず、第1カム部ユニット5aにおいては、高単位カム部6aは略2Wの幅寸法で、中単位カム部15aはWの幅寸法、低単位カム部7aの幅寸法は略2Wに前提されている。第2カム部ユニット5bの箇所では、高単位カム部6aはWの幅寸法、中単位カム部15aは3Wの幅寸法、低単位カム部6aはWの幅寸法になっている。更に、第3カム部ユニット5cでは、高単位カム部6aと低単位カム部7cとは2Wで、中単位カム部15cはWの幅寸法になっている。
この実施形態では、低単位カム部7a〜7cから中単位カム部15a〜15cへの移行は、第1カム部ユニット5aにおいてバルブ側部材9が低単位カム部6aの頂点に当たっている状態を開始位置として、外筒3が120度回転する範囲で行われる。各カム部ユニット5a,5b,5cの全幅は5Wであるので、バルブ側部材9の移動ストロークは4Wの寸法になる。
(6).第2実施形態におけるリフト量増加の切替え
この実施形態では、外筒3は、60°の回転でWの距離だけ移動する。そして、低単位カム部7a,7b,7cから中単位カム部15a〜15cへの切替えは、第1カム部ユニット5aおいて高低単位カム部6a,7aが下向きになっている姿勢を始点として、外筒3が120°回転する範囲で行われる。
また、中単位カム部15a〜15cから高単位カム部6a,6b,6cへの切替えは、第2カム部ユニット5bにおいて高低単位カム部6b,7bが真下を向いている姿勢を始点として、外筒3が120°回転する範囲で行われる。低単位カム部7a,7b,7cから高単位カム部6a,6b,6cへの切替えは両者を複合させたものであり、第1カム部ユニット5aおいて高低単位カム部6a,7aが下向きになっている姿勢を始点として、外筒3が240°回転する範囲で行われる。
低単位カム部7a,7b,7cから中単位カム部15a〜15cへの切替えにおいて、第1カム部ユニット5aでは、低単位カム部7aは2Wの幅であるため、外筒3が60°回転すると、バルブ側部材9は低単位カム部7aの左端に移行するが、この段階ではバルブ側部材9はベース円8に移行している。従って、バルブ側部材9は、ベース円8において、低中単位カム部7a,15aの境界線14aを通過する。従って、低単位カム部7aから中単位カム部15aへの切替えは、支障なくスムースに行われる。
更に、中単位カム部15aから高単位カム部6aに移行するに際しては、バルブ側部材9がベース円8に摺接している状態で開始するが、120°回転する間、バルブ側部材9はベース円8に摺接した状態が維持されている。従って、バルブ側部材9は、ベース円8に摺接した状態で、中単位カム部15aと高単位カム部6aとの境界線16aを通過する。従って、中単位カム部15aから高単位カム部6aへの切替えは、支障なくスムースに行われる。
第2カム部ユニット5bの箇所では、低単位カム部7bから中単位カム部15bへの切替えは、バルブ側部材9がベース円8に当たっている状態から開始する。そして、バルブ側部材9がWだけ移動すると、バルブ側部材9は、低中単位カム部7b,15bの境界線14bを通過しきるが、外筒3が60°回転するとバルブ側部材9はWだけ移動するため、低単位カム部7bから中単位カム部15bへの切替えはスムースに行われる。
第2カム部ユニット5bにおいて、中単位カム部15bから高単位カム部6bへの切替えは、バルブ側部材9が中単位カム部15bの中間部に当接した状態から開始されるが、中単位カム部15bは3Wの幅があって、外筒3が120°回転する範囲で、バルブ側部材9はベース円8に摺接しているため、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ、中高単位カム部15b,6bの境界線16bを通過する。従って、第2カム部ユニット5bにおいても、中単位カム部15bから高単位カム部6bへの切替えはスムースに行われる。
第3カム部ユニット5cの箇所では、低単位カム部7cから中単位カム部15cへの切替えは、バルブ側部材9がベース円8に当接している状態から開始するが、外筒3が120°回転する範囲では、バルブ側部材9はベース円8に摺接した状態が維持されている。従って、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接した状態で低中単位カム部7c,15cの境界線14cを通過する。従って、低単位カム部7cから中単位カム部15cへの切替えはスムースに行われる。
第3カム部ユニット5cにおいて、中単位カム部15cから高単位カム部6cへの切替えは、バルブ側部材9がベース円8に当たっている状態から開始するが、外筒3が60°回転する間は、バルブ側部材9がベース円8に摺接している状態が維持されている一方、中単位カム部15cはWの幅であって、外筒3が60°回転する間にバルブ側部材9は中単位カム部15cを通過してしまうため、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ中高単位カム部15c,6cの境界線16cを通過する。
従って、第3カム部ユニット5cにおいても、低単位カム部7cから中単位カム部15cへの切替え、及び、中単位カム部15cから高単位カム部6cへの切替えはスムースに行われる。
(7).第2実施形態におけるリフト量低下の切替え
第2実施形態において、リフト量を低下させる切替え制御の例は図5に表示している。リフト量増加の切替え制御と裏腹の関係で、高単位カム部6a,6b,6cから中単位カム部15a〜15cへの切替え、及び、中単位カム部15a〜15cから低単位カム部7a,7b,7cへの切替えは、それぞれ外筒3を120°回転させることによって行われ、高単位カム部6a,6b,6cから低単位カム部7a,7b,7cへの切替えは、両者を複合させて、外筒3を240°回転させる間に行われる。
高単位カム部6a,6b,6cから中単位カム部15a〜15cへの切替えは、第1カム部ユニット5aにおいて単位カム部6a,15a,7aが真下を向いている状態を始点として行われる。
そして、第1カム部ユニット5aでは、回転開始してから120°を経過すると、バルブ側部材9が高単位カム部6aから外れるが、この時点で、バルブ側部材9はベース円8に移行している。従って、バルブ側部材9はベース円8において、高中単位カム部6a,15aの境界線16aの境界線を通過する。従って、高単位カム部6aから中単位カム部15aへの切替えはスムースに行われる。
第1カム部ユニット5aにおいて、中単位カム部15aから低単位カム部7aへの切替えが行われている間、バルブ側部材9はベース円8に摺接している。従って、バルブ側部材9は、ベース円8に摺接した状態で、中低単位カム部15a,7aの境界線14aを通過する。従って、中単位カム部15aから低単位カム部7aへの切替えをスムースに行える。
第2カム部ユニット5bにおいては、外筒3が回転を開始した時点では、バルブ側部材9はベース円8に当たっており、60°回転する範囲では、バルブ側部材9がベース円8に摺接している状態が維持される。そして、60°回転すると、バルブ側部材9は中単位カム部15bに移行する。従って、バルブ側部材9は、ベース円8に摺接した状態では、高中単位カム部6b,15bの境界線16bを通過する。
中単位カム部15bから低単位カム部7cへの移行は120°の範囲で行われるが、この範囲では、バルブ側部材9はベース円8に摺接している状態が保持されている。従って、第2カム部ユニット5bでも、高単位カム部6bから中単位カム部15bへの切替え、及び、中単位カム部15bから低単位カム部7bへの切替えがスムースに行われる。
第3カム部ユニット5cにおいても同様であり、図面から明瞭に把握できるように、バルブ側部材9が高単位カム部6cから中単位カム部15cに移行するにおいては、バルブ側部材9は、ベース円8に摺接した状態では、高中低単位カム部15b,7cの境界線14cを通過する。また、中単位カム部15cから低単位カム部7cに移行するにおいては、外筒3が60°回転する間は、バルブ側部材9はベース円8に摺接しているため、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ、中低単位カム部15c,7cの境界線14cを通過する。
(8).第3実施形態
第6,7では、4気筒内燃機関に適用した第3実施形態を示している。この実施形態では、第1〜第4の気筒に対応して第1〜第4のカム部ユニット5a〜5dを備えており、第1カム部ユニット5a〜5dは、90度の位相で順次ずれている。第1カム部ユニット5aと第2カム部ユニット5bとは位相が90°ずれて、第2カム部ユニット5bと第3カム部ユニット5cとは位相が180°ずれている。第3カム部ユニット5cと第4カム部ユニット5dとは位相が270°(−90°)ずれて、第4カム部ユニット5dと第1カム部ユニット5aとは、位相が180°ずれている。
そして、バルブ側部材9の幅Wを基準にして、第1及び第2のカム部ユニット5a,5bでは、高単位カム部6a,6bが3Wで、低単位カム部7a,7bが2Wとなっており、第3及び第4のカム部ユニット5c,5dでは、高単位カム部6c,6dがWで、低単位カム部7c,7dが4Wになっている。従って、外筒3は4Wの寸法だけ移動する。
この実施形態では、低単位カム部7a〜7dから高単位カム部6a〜6dへの切替えは、第1カム部ユニット5aにおいて単位カム部6a,7aが真下を向いている姿勢を始点として行い、外筒3を360°回転させることによって行われる。
そして、第1カム部ユニット5aでは、外筒3が90度回転した時点で、バルブ側部材9はベース円8に移行する。第3カム部ユニット5aでは、移行開始から90度までの範囲ではバルブ側部材9はベース円8を滑り移動し、90度を経過してから、低単位カム部7cを経由して高単位カム部6aに移行する。第2及び第4のカム部ユニット5b,5dでは、バルブ側部材9は移動の開始から終了までベース円8に当たっている。従って、いずれのカム部ユニット5a〜5dにおいても、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ境界線14a〜14dを通過する。
高単位カム部6a〜6dから低単位カム部7a〜7dへの移行は、図7に示すように、バルブ側部材9の動きに示すように、第1カム部ユニット5aにおいて単位カム部6a,7aが横向きで、第3カム部ユニット5cにおいて単位カム部6c,7cが上向き姿勢の状態を始点として、360°の回転範囲に行われる。
第1カム部ユニット5aでは、バルブ側部材9はベース円8に当たった状態で開始し、高単位カム部6aを経由してからベース円8に移行し、次いで、低単位カム部7aに移行する。そして、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ高低単位カム部6a,7aの境界線14aを通過する。
第2カム部ユニット5bでは、バルブ側部材9は、高単位カム部6bから出発し、ベース円8を経由して低単位カム部7bに移行する。そして、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ高低単位カム部6b,7bの境界線14bを通過する。
第3及びカム部ユニット5c,5dでは、バルブ側部材9は、ベース円8から出発し、バルブ側部材9は、ベース円8を摺接しつつ高低単位カム部6b,7bの境界線14c,14dを通過してから、低単位カム部7c,7dに移行する。
(9).その他
以上、3気筒及び直列4気筒の内燃機関に適用した例を説明したが、本願発明は、直列6気筒内燃機関や、V型6気筒などの他の多気筒内燃機関にも適用できる。外筒のスライド手段としては、実施形態のような案内溝(カム溝)とピンとのみ組み合わせには限らず、ギアのシフターと同様の機構なども採用可能である。
各単位カム部の幅寸法の設定は、バルブ側部材の幅寸法、カム軸の所定の回転角当りの外筒の移動距離、気筒数により、適宜変更可能である。また、カム軸前端にカム位相を可変とするVVT装置が装着される場合においてもクランク回転に対するカムの回転位相が螺旋溝と一体でずれるだけなので、アクチュエータのピンの出入りタイミングを位相の変化に合わせて変化させることでそのまま成立する。
本願発明は、多気筒内燃機関の動弁装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 カム軸
2 芯軸
3 外筒
4 軸受け部
5a,5b,5c,7d カム部ユニット
6a,6b,6c,6d 高単位カム部
7a,7b,7c,7d 低単位カム部
8 ベース円
9 バルブ側部材(例えばロッカーアーム)
11 スライド手段を構成する螺旋溝
12 アクチュエータ
13 ピン
14a〜14d,16a〜16d 単位カム部間の境界線
15a〜15d 中単位カム部

Claims (1)

  1. クランク軸に連動して回転するカム軸のうち、複数の気筒毎に対応した複数箇所に、ベース円からの突出高さが異なる単位カム部によって構成されたカム部ユニットが、周方向に位相をずらした状態で配置されていて、
    前記各カム部ユニットは、前記カム軸が所定角度回転する間に軸方向に所定寸法だけ移動すると、ロッカーアームその他のバルブ側部材に摺接する駆動単位カム部が切替えられて、バルブのリフト量が変更されるようになっており、
    かつ、前記各カム部ユニットを所定寸法だけ同時に移動させて、各カム部ユニットにおける駆動単位カム部の切替えを順次行えるようになっている構成であって、
    前記各カム部ユニットが所定寸法だけ同時に移動するときに、前記バルブ側部材が、必ず隣り合った単位カム部の境界線上において前記ベース円上を通過するように、前記各カム部ユニットにおける各単位カム部の軸方向の幅寸法の比率を設定しており、
    これにより、前記バルブ側部材と単位カム部との干渉を起こすことなく、前記駆動単位カム部の切替えが1つのカム部ユニットから他のカム部ユニットに順次行えるようになっている、
    多気筒内燃機関のバルブリフト量可変式動弁装置。
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