JP2020033931A - エジェクタ装置およびエジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】体格の小さいインジェクタを用いると共に、エジェクタの昇圧性能を維持することの可能なエジェクタ装置を提供する。【解決手段】エジェクタ装置1は、複数のインジェクタ10と、エジェクタ20を備える。複数のインジェクタ10は、エジェクタ20に駆動流体を供給する。エジェクタ20は、複数のインジェクタ10から供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔30を有し、その噴射孔30から噴射された駆動流体の吸引作用により吸引口26から吸引流体を吸引し、駆動流体と吸引流体とが混合された流体を昇圧して送出する。そして、このエジェクタ20は、複数の噴射孔30のうち少なくとも1つの噴射孔31に対して複数のインジェクタ10から駆動流体が供給されるように構成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、エジェクタ装置およびエジェクタに関する。
従来、燃料電池システム等に用いられるエジェクタ装置が知られている。特許文献1に記載のエジェクタ装置は、複数のインジェクタと、エジェクタを備えている。エジェクタ装置は、複数のインジェクタからエジェクタに供給される水素ガスをエジェクタ内で高速で噴射し、その吸引力により燃料電池の燃料極から排出されるオフガスをエジェクタ内に吸引し、それらを混合、昇圧し、燃料電池の燃料極に供給するものである。
特許文献1に記載のエジェクタ装置が備えるエジェクタは、複数のインジェクタから供給される水素ガスをエジェクタ内で噴射する複数の噴射孔を有している。そして、このエジェクタ装置は、複数のインジェクタと、エジェクタが有する複数の噴射孔とが1対1で接続されている。
ところで、一般に、燃料電池システムに用いられる気体用インジェクタから噴き出される水素ガスの体積流量は、ガソリンエンジンなどに用いられる液体燃料用のインジェクタから噴き出される液体燃料の体積流量より大きい。そのため、燃料電池システムに用いる気体用インジェクタを専用設計すると、水素ガスが流れる流体通路の拡大や、弁体を駆動するための電磁駆動部の大型化により、インジェクタの体格が大型化し、製造コストも高くなってしまう。そこで、一般のガソリンエンジンなどに用いられる液体燃料用のインジェクタをベースとして、体格の小さい気体用インジェクタを設計することが考えられる。そうした場合、エジェクタ装置は、燃料電池システムに必要とされる水素ガスの体積流量を確保するため、複数の気体用インジェクタを備えることになる。
ここで、上述した特許文献1に記載のエジェクタ装置では、複数のインジェクタと、エジェクタが有する複数の噴射孔とが1対1で接続されている。そのため、インジェクタの体格の小型化に伴ってインジェクタの数が増加すると、エジェクタが有する噴射孔の数も増加する。しかし、エジェクタが有する噴射孔の数が増加すると、複数の噴射孔から噴射される駆動流体同士が相互に干渉し、流速が低下してしまう。その場合、吸引部から吸引されるオフガスの流量が低下し、エジェクタの昇圧性能が悪化するといった問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、体格の小さいインジェクタを用いると共に、エジェクタの昇圧性能を維持することの可能なエジェクタ装置およびエジェクタを提供する。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、エジェクタ装置(1)は、複数のインジェクタ(10)と、エジェクタ(20)を備える。複数のインジェクタは、エジェクタに駆動流体を供給する。エジェクタは、複数のインジェクタから供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔(30)を有し、その噴射孔から噴射された駆動流体の吸引作用により吸引口(26)から吸引流体を吸引し、駆動流体と吸引流体とが混合された流体を昇圧して送出する。そして、このエジェクタは、複数の噴射孔のうち少なくとも1つの噴射孔(31)に対して複数のインジェクタから駆動流体が供給されるように構成されている。
これによれば、体格の小さいインジェクタを使用し、駆動流体の要求流量を満たすためにそのインジェクタの数を増加する場合、インジェクタの数に対してエジェクタが有する噴射孔の数を少なくすることが可能である。噴射孔の数を少なくすることで、その噴射孔から噴射される駆動流体同士が相互に干渉することが抑制され、駆動流体の流速の低下が防がれる。そのため、吸引流体の吸引量が維持され、それによりエジェクタの昇圧性能が維持される。したがって、このエジェクタ装置は、体格の小さいインジェクタを用いると共に、エジェクタの昇圧性能を維持することができる。
また、エジェクタ装置に要求される駆動流体の要求流量が、1つの噴射孔に接続された複数のインジェクタから供給される合計の流量よりも少ない場合、その1つの噴射孔に接続された複数のインジェクタを交互に使用することが可能である。これにより、1つの噴射孔に接続された複数のインジェクタそれぞれの作動時間を低減し、インジェクタの経年劣化を抑制することができる。
請求項6に係る発明によれば、複数のインジェクタ(10)から供給される駆動流体と吸引口(26)から吸引した吸引流体とを混合して送出するエジェクタ(20)は、ノズル部(23)、吸引部(24)およびディフューザ部(25)を備える。ノズル部は、複数のインジェクタから供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔(30)を有する。吸引部は、噴射孔から噴射された駆動流体の吸引作用により吸引口から吸引流体が吸引されるように設けられている。ディフューザ部は、駆動流体と吸引流体との混合流体を昇圧して送出する。そして、このエジェクタは、複数の噴射孔のうち少なくとも1つの噴射孔(31)に対して複数のインジェクタから駆動流体が供給されるように構成されている。
これによれば、請求項6に係る発明のエジェクタも、請求項1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態のエジェクタ装置1は、燃料電池システム100等に用いられる。燃料電池システム100は、例えば、燃料電池110を走行用モータなどの電源として走行する車両に搭載される。
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態のエジェクタ装置1は、燃料電池システム100等に用いられる。燃料電池システム100は、例えば、燃料電池110を走行用モータなどの電源として走行する車両に搭載される。
まず、本実施形態のエジェクタ装置1が用いられる燃料電池システム100について説明する。
図1に示すように、燃料電池システム100は、燃料電池110、燃料ガス供給装置120、燃料ガス供給経路130、オフガス経路140、エジェクタ装置1、空気供給装置150、空気供給経路160、および空気排出経路170などを備えている。
図1に示すように、燃料電池システム100は、燃料電池110、燃料ガス供給装置120、燃料ガス供給経路130、オフガス経路140、エジェクタ装置1、空気供給装置150、空気供給経路160、および空気排出経路170などを備えている。
燃料電池110は、図示しない燃料極、電解質、酸化剤極などを有している。燃料電池110は、燃料極に供給される燃料ガスと、酸化剤極に供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させるものである。本実施形態では、燃料ガスとして水素ガスが用いられ、酸化剤ガスとして空気中の酸素が用いられる。
燃料ガス供給装置120は、燃料ガスタンク180と圧力調整弁190を有している。燃料ガスタンク180には、燃料ガスとしての水素ガスが充填されている。圧力調整弁190は、燃料ガスタンク180から燃料ガス供給経路130に流出する水素ガスの圧力をエジェクタ装置1が有するインジェクタ10の作動圧に低下させる。
燃料ガス供給経路130は、燃料ガス供給装置120から燃料電池110の燃料極へ燃料ガスを導く経路である。オフガス経路140は、燃料電池110の燃料極から排出されたオフガスを燃料ガス供給経路130に合流させる経路である。オフガスには、燃料電池110の燃料極に供給された燃料ガスのうち上記化学反応に用いられなかった未反応ガスが含まれる。
エジェクタ装置1は、燃料ガス供給経路130のうちオフガス経路140の合流位置に設けられている。以下の説明では、燃料ガス供給経路130のうち、エジェクタ装置1より燃料ガス供給装置120側の部位を上流側供給経路131と呼び、エジェクタ装置1より燃料電池110側の部位を下流側供給経路132と呼ぶことがある。
エジェクタ装置1は、上流側供給経路131からインジェクタ10を介して供給される燃料ガスと、オフガス経路140から供給されるオフガスをエジェクタ20内で混合、昇圧し、下流側供給経路132に送出するものである。このエジェクタ装置1については後述する。
空気供給装置150は、燃料電池110の酸化剤極に空気を供給する装置である。空気供給装置150は、空気を圧縮して吐き出す空気圧縮機を有している。空気供給経路160は、空気供給装置150から燃料電池110へ空気を導く経路である。空気排出経路170は、燃料電池110から排出された空気が流れる経路である。
次に、エジェクタ装置1について図2〜図5を参照しつつ説明する。
図2〜図5に示すように、エジェクタ装置1は、複数のインジェクタ10、エジェクタ20、インジェクタ取付部材21および燃料レール22などを備えている。
図2〜図5に示すように、エジェクタ装置1は、複数のインジェクタ10、エジェクタ20、インジェクタ取付部材21および燃料レール22などを備えている。
インジェクタ10は、燃料ガス供給装置120から上流側供給経路131を経由して供給される燃料ガスをエジェクタ20に供給するものである。複数のインジェクタ10の燃料吐出側は、インジェクタ取付部材21に取り付けられている。インジェクタ取付部材21は、複数のインジェクタ10から吐出された燃料ガスをエジェクタ20の噴射孔30に導くための流路211を有している。
一方、複数のインジェクタ10の燃料入口側は、燃料レール22に取り付けられている。燃料レール22は、上流側供給経路131に接続されている。燃料レール22は、上流側供給経路131から複数のインジェクタ10に燃料ガスを導くための流路221を有している。そのため、複数のインジェクタ10には、燃料レール22の流路221を経由して同一圧力の燃料ガスが供給される。
図3に示すように、複数のインジェクタ10の中心軸101と、エジェクタ20の中心軸201(すなわち、ディフューザ部25の中心軸)とは、90°またはそれに近い角度で設置されている。このように、複数のインジェクタ10の中心軸101と、エジェクタ20の中心軸201とのなす角を180°より小さい角度(例えば135°〜45°)で設置することで、エジェクタ装置1の全長を短くすることが可能である。これにより、エジェクタ装置1の車両搭載性を向上することができる。
エジェクタ20は、ノズル部23、吸引部24およびディフューザ部25などを備えている。
ノズル部23は、複数のインジェクタ10から供給される燃料ガスを駆動流体として噴射するための複数の噴射孔30を有している。そして、ノズル部23が有する噴射孔30の数は、インジェクタ10の数より少ない。そのため、複数の噴射孔30のうち、少なくとも1つの噴射孔30に対して複数のインジェクタ10から駆動流体が供給されるように構成されている。
具体的には、第1実施形態のエジェクタ20のノズル部23は、2個の噴射孔30を有している。以下の説明では、2個の噴射孔30のうち、所定の噴射孔30を第1噴射孔31と呼び、それとは別の噴射孔30を第2噴射孔32と呼ぶ。
第1実施形態では、第1噴射孔31に駆動流体を供給するインジェクタ10の数と、第2噴射孔32に駆動流体を供給するインジェクタ10の数とが異なるように構成されている。そして、第1噴射孔31に駆動流体を供給するインジェクタ10の数は、第2噴射孔32に駆動流体を供給するインジェクタ10の数よりも多い。具体的には、第1実施形態では、第1噴射孔31に2個のインジェクタ10が接続されており、第2噴射孔32に1個のインジェクタ10が接続されている。したがって、第1噴射孔31には2個のインジェクタ10から燃料ガスが供給され、第2噴射孔32には1個のインジェクタ10から燃料ガスが供給される。なお、本実施形態では、複数のインジェクタ10の構成は実質的に同一である。なお、インジェクタ10の構成については後述する。
以下の説明では、必要に応じて、エジェクタ20の第1噴射孔31に接続されるインジェクタ10を第1インジェクタ11および第2インジェクタ12と呼び、エジェクタ20の第2噴射孔32に接続されるインジェクタ10を第3インジェクタ13と呼ぶことがある。
ここで、複数のインジェクタ10が接続されている噴射孔30の開口面積は、その噴射孔30に接続されている複数のインジェクタ10それぞれの開弁部の流路断面積の合計より小さく形成されている。また、複数のインジェクタ10が接続されている噴射孔30の開口面積は、その噴射孔30に接続されている複数のインジェクタ10から1つのインジェクタ10を除いた残りのインジェクタ10の開弁部の流路断面積の合計より大きく形成されている。そのため、第1実施形態では、第1噴射孔31の開口面積S1は、2個のインジェクタ10それぞれの開弁部の流路断面積の合計より小さく、且つ、1個のインジェクタ10の開弁部の流路断面積より大きく形成されている。
一方、1個のインジェクタ10が接続されている第2噴射孔32の開口面積S2は、その1個のインジェクタ10の開弁部の流路断面積の合計より小さく形成されている。したがって、第1噴射孔31の開口面積S1は、第2噴射孔32の開口面積S2よりも大きく形成されている。
なお、第1噴射孔31と第2噴射孔32は、いずれもテーパ状に形成されている。そのため、第1噴射孔31と第2噴射孔32はいずれもノズル部23の先端の開口面積が最も小さい。ただし、噴射孔30から噴射される燃料ガスの流速が要求される流速を満たす範囲で、噴射孔30はノズル部23の先端よりも流路内側の部位の開口面積を最も小さくしてもよい。
また、第1噴射孔31の先端部分311と第2噴射孔32の先端部分321にはそれぞれ、エジェクタ20の中心軸201(すなわち、ディフューザ部25の中心軸)に平行な平行部が設けられている。そのため、第1噴射孔31と第2噴射孔32からそれぞれ噴射される燃料ガス同士の干渉が抑制されるようになっている。第1噴射孔31と第2噴射孔32からそれぞれ高速で噴射される燃料ガスは、オフガス経路140を流れるオフガスの圧力以下まで減圧される。
ディフューザ部25は、噴射孔30から噴射された燃料ガスが流れる流路である。吸引部24は、ノズル部23に対し径方向外側に設けられた吸引口26と、ディフューザ部25とを連通する流路である。吸引口26には、オフガス経路140が接続される。なお、図5は、図2および図3に対して吸引口26の位置が周方向に90°ずれているが、吸引口26はエジェクタ20の周方向のいずれの位置にあってもよい。噴射孔30から高速で噴射された燃料ガスの吸引作用により、吸引口26から吸引流体としてのオフガスが吸引部24を通って吸引される。
そして、ディフューザ部25では、駆動流体としての燃料ガスと吸引流体としてのオフガスとが混合され、混合流体としての混合ガスとなる。ディフューザ部25は、流路面積が下流側に向かって次第に大きくなるように形成されている。ディフューザ部25は、混合ガスを減速させ、圧力を上昇させる。すなわち、ディフューザ部25は、混合ガスの速度エネルギを圧力エネルギに変換し、混合ガスを昇圧する。ディフューザ部25は、昇圧した混合ガスを下流側供給経路132に送出する。
このように、エジェクタ20は、複数のインジェクタ10から供給される燃料ガスを複数の噴射孔30から高速噴射し、その噴射された燃料ガスの吸引作用によりオフガス経路140からオフガスを吸引し、燃料ガスとオフガスとが混合された混合ガスを昇圧して送出する。
次に、エジェクタ20に燃料ガスを供給するインジェクタ10の構成の一例について説明する。
図6および図7に示すように、本実施形態のインジェクタ10は、ハウジング40、駆動部50、および弁体としてのニードル弁60などを備えている。
図6および図7に示すように、本実施形態のインジェクタ10は、ハウジング40、駆動部50、および弁体としてのニードル弁60などを備えている。
ハウジング40は、筒状に形成され、燃料入口45側から第1磁性部41、非磁性部43および第2磁性部42をこの順に有している。第1磁性部41の燃料入口45側の端部には、燃料ガスが供給される入口部材44が設けられている。
他方、第2磁性部42の燃料出口側の端部には、弁座部材70が設けられている。弁座部材70は、エジェクタ20に燃料ガスを供給するための吐出流路71を有している。また、弁座部材70は、吐出流路71の周りにニードル弁60の端部が着座および離座するための弁座72を有している。
駆動部50は、固定コア51、可動コア52およびコイル53などから構成されている。固定コア51は、ハウジング40の内側に固定されている。可動コア52は、固定コア51に対して弁座部材70側で、軸方向に往復移動可能に設けられている。コイル53は、ハウジング40の外側に設けられている。コイル53の外側にはヨーク54が設けられている。
ニードル弁60は、可動コア52の中央に設けられた穴を挿通している。ニードル弁60は、第1スプリング61とは反対側の端部62が、弁座部材70の有する弁座72に着座および離座可能に設けられている。なお、ニードル弁60の端部62には、図示しないシール部材を設けてもよい。
ニードル弁60は、第1スプリング61によって弁座部材70側に付勢されている。そのため、図6に示すように、コイル53に通電されていない状態で、ニードル弁60の端部62は、弁座部材70の弁座72に着座し、吐出流路71を閉塞している。なお、可動コア52は、第2スプリング55によって第1スプリング61より弱い力で固定コア51側に付勢されている。
一方、コイル53に通電されると、第1磁性部41、固定コア51、可動コア52、第2磁性部42およびヨーク54等により形成される磁気回路に磁束が流れ、可動コア52が固定コア51側に磁気吸引される。これにより、図7に示すように、可動コア52と共にニードル弁60が入口部材44側に移動し、ニードル弁60の端部62は、弁座72から離座する。これにより、弁座部材70の吐出流路71からエジェクタ20の噴射孔30に燃料ガスが供給される。
本実施形態では、複数のインジェクタ10の構成は実質的に同一である。すなわち、複数のインジェクタ10は、通電時に弁座72からニードル弁60が離座したときに形成される開弁部の流路断面積(すなわち、インジェクタ10の開弁部の流路断面積)が同一である。これにより、複数のインジェクタ10の流量特性を共通化することで、エジェクタ装置1の構成を簡素なものにできると共に、エジェクタ装置1における燃料ガスの流量制御を容易に行うことができる。
次に、本実施形態のエジェクタ装置1における燃料ガスの流量制御について説明する。
以下の説明では、エジェクタ20の第1噴射孔31に接続されるインジェクタ10を第1インジェクタ11および第2インジェクタ12と呼び、エジェクタ20の第2噴射孔32に接続されるインジェクタ10を第3インジェクタ13と呼ぶこととする。なお、図8〜図15では、第1〜第3インジェクタ11、12、13をそれぞれ、INJ1、INJ2、INJ3と表記している。第1〜第3インジェクタ11、12、13は、図示しない制御装置によって駆動制御される。
以下の説明では、エジェクタ20の第1噴射孔31に接続されるインジェクタ10を第1インジェクタ11および第2インジェクタ12と呼び、エジェクタ20の第2噴射孔32に接続されるインジェクタ10を第3インジェクタ13と呼ぶこととする。なお、図8〜図15では、第1〜第3インジェクタ11、12、13をそれぞれ、INJ1、INJ2、INJ3と表記している。第1〜第3インジェクタ11、12、13は、図示しない制御装置によって駆動制御される。
また、図8〜図15では、各インジェクタ10が有するコイル53への通電を「ON」と表記し、コイル53への通電停止を「OFF」と表記している。各インジェクタ10は、コイル53への通電時にエジェクタ20へ燃料ガスを供給し、コイル53への通電停止時にエジェクタ20への燃料ガスの供給を停止する。なお、以下の説明において、インジェクタ10への通電というときは、インジェクタ10が有するコイル53への通電を意味している。
<最大流量時>
図8に示すように、最大流量時では、第1〜第3インジェクタ11、12、13への通電が連続して行われている。そのため、第1〜第3インジェクタ11、12、13からエジェクタ20へ燃料ガスが連続して供給される。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31および第2噴射孔32から最大流量の燃料ガスが噴射される。
図8に示すように、最大流量時では、第1〜第3インジェクタ11、12、13への通電が連続して行われている。そのため、第1〜第3インジェクタ11、12、13からエジェクタ20へ燃料ガスが連続して供給される。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31および第2噴射孔32から最大流量の燃料ガスが噴射される。
<大流量時−第1例>
図9に示すように、大流量時の第1例では、第1インジェクタ11への通電が連続して行われており、第2インジェクタ12への通電が断続的に行われている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から大流量の燃料ガスが噴射される。なお、第2インジェクタ12へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、流量制御を行うことができる。
図9に示すように、大流量時の第1例では、第1インジェクタ11への通電が連続して行われており、第2インジェクタ12への通電が断続的に行われている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から大流量の燃料ガスが噴射される。なお、第2インジェクタ12へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、流量制御を行うことができる。
この大流量時の第1例では、第1インジェクタ11への通電が連続して行われるので、第1インジェクタ11の作動回数を減らし、経年劣化を防ぐことができる。なお、この大流量時の制御とこれよりも少ない流量時の制御では、エジェクタ20が有する複数の噴射孔30の中で、燃料ガスを噴射する噴射孔30の数を減らすことで、燃料ガス同士の干渉を抑制し、燃料ガスの流速を維持することができる。そのため、吸引部24から吸引されるオフガスの吸引量の低下を防ぎ、エジェクタの昇圧性能を維持することができる。
<大流量時−第2例>
図10に示すように、大流量時の第2例では、第1インジェクタ11への通電と第2インジェクタ12への通電がいずれも断続的に行われている。そして、第1インジェクタ11への通電オフのタイミングと、第2インジェクタ12への通電オフのタイミングとがずれるように制御されている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から大流量の燃料ガスが噴射される。なお、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、より細かな流量制御を行うことができる。
図10に示すように、大流量時の第2例では、第1インジェクタ11への通電と第2インジェクタ12への通電がいずれも断続的に行われている。そして、第1インジェクタ11への通電オフのタイミングと、第2インジェクタ12への通電オフのタイミングとがずれるように制御されている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から大流量の燃料ガスが噴射される。なお、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、より細かな流量制御を行うことができる。
この大流量時の第2例では、第1噴射孔31から噴射される燃料ガスの脈動を低減することができる。したがって、吸引部24から吸引されるオフガスの吸引量の低下を防ぎ、エジェクタの昇圧性能を維持することができる。
<中流量時−第1例>
図11に示すように、中流量時の第1例では、第1インジェクタ11への通電と第2インジェクタ12への通電がいずれも断続的に行われている。そして、第1インジェクタ11への通電と、第2インジェクタ12への通電とが交互に行われるように制御されている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から中流量の燃料ガスが噴射される。なお、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、より細かな流量制御を行うことができる。
図11に示すように、中流量時の第1例では、第1インジェクタ11への通電と第2インジェクタ12への通電がいずれも断続的に行われている。そして、第1インジェクタ11への通電と、第2インジェクタ12への通電とが交互に行われるように制御されている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から中流量の燃料ガスが噴射される。なお、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、より細かな流量制御を行うことができる。
この中流量時の第1例では、第1噴射孔31から噴射される燃料ガスの脈動を低減することができる。したがって、吸引部24から吸引されるオフガスの吸引量の低下を防ぎ、エジェクタの昇圧性能を維持することができる。
<中流量時−第2例>
図12に示すように、中流量時の第2例では、第1インジェクタ11への通電が連続して停止されており、第2インジェクタ12への通電が連続して行われている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から中流量の燃料ガスが噴射される。
図12に示すように、中流量時の第2例では、第1インジェクタ11への通電が連続して停止されており、第2インジェクタ12への通電が連続して行われている。なお、第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から中流量の燃料ガスが噴射される。
この中流量時の第2例では、第1インジェクタ11への通電が停止されているので、第1インジェクタ11の作動回数を減らし、経年劣化を防ぐことができる。
<中流量時−第3例>
図13に示すように、中流量時の第3例では、第1インジェクタ11への通電が連続して停止されており、第2インジェクタ12への通電が断続的に行われている。第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から中流量の燃料ガスが噴射される。
図13に示すように、中流量時の第3例では、第1インジェクタ11への通電が連続して停止されており、第2インジェクタ12への通電が断続的に行われている。第3インジェクタ13への通電は停止している。これにより、エジェクタ20の第1噴射孔31から中流量の燃料ガスが噴射される。
この中流量時の第3例では、第2インジェクタ12へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、より細かな流量制御を行うことが可能である。
<小流量時>
図14に示すように、小流量時では、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12への通電が停止されている。そして、第3インジェクタ13への通電が連続して行われている。なお、上述したように、エジェクタ20の第2噴射孔32の開口面積S2は、第1噴射孔31の開口面積S1より小さく形成されている。そのため、エジェクタ20の第2噴射孔32から小流量の燃料ガスが噴射される。
図14に示すように、小流量時では、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12への通電が停止されている。そして、第3インジェクタ13への通電が連続して行われている。なお、上述したように、エジェクタ20の第2噴射孔32の開口面積S2は、第1噴射孔31の開口面積S1より小さく形成されている。そのため、エジェクタ20の第2噴射孔32から小流量の燃料ガスが噴射される。
この小流量時では、エジェクタ20の第1噴射孔31よりも開口面積の小さい第2噴射孔32を使用することで、燃料ガスの流速を維持しつつ、小流量の燃料ガスを噴射することができる。
<極小流量時>
図15に示すように、極小流量時では、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12への通電が停止されている。そして、第3インジェクタ13への通電が断続的に行われている。これにより、エジェクタ20の第2噴射孔32から極小流量の燃料ガスが噴射される。なお、第3インジェクタ13へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、より細かな流量制御を行うことができる。
図15に示すように、極小流量時では、第1インジェクタ11と第2インジェクタ12への通電が停止されている。そして、第3インジェクタ13への通電が断続的に行われている。これにより、エジェクタ20の第2噴射孔32から極小流量の燃料ガスが噴射される。なお、第3インジェクタ13へ断続的に通電する際のデューティ比を変えることで、より細かな流量制御を行うことができる。
この極小流量時では、第3インジェクタ13へ断続的に通電することで、燃料ガスの流速を維持しつつ、極小流量の燃料ガスを噴射することができる。
ここで、上述した第1実施形態のエジェクタ装置1と比較するため、比較例のエジェクタ装置について説明する。
図19に、第1比較例のエジェクタ装置2を示す。第1比較例では、エジェクタ20は1個の噴射孔30を有している。具体的には、第1比較例のエジェクタ装置2は、5個のインジェクタ10から、エジェクタ20が有する1個の噴射孔30に燃料ガスが供給される。なお、エジェクタ20が有する1個の噴射孔30の開口面積は、5個のインジェクタ10それぞれの開弁部の流路断面積の合計より小さく、且つ、5個のインジェクタ10それぞれの開弁部の流路断面積の合計より大きく形成されている。
第1比較例では、エジェクタ20は1個の噴射孔30を有しており、複数の噴射孔30を有していない。そのため、第1比較例では、エジェクタ20の噴射孔30から噴射される燃料ガスの流量制御範囲が狭いものとなる。
図20に、第2比較例のエジェクタ装置3を示す。第2比較例では、エジェクタ20は複数の噴射孔30を有している。しかし、第2比較例では、複数のインジェクタ10とエジェクタ20が有する複数の噴射孔30とが1対1で接続されている。具体的には、第2比較例では、5個のインジェクタ10からエジェクタ20の5個の噴射孔30に対してそれぞれ燃料ガスが供給される。そのため、第2比較例では、エジェクタ20が有する噴射孔30の数が多くなっている。したがって、第2比較例では、エジェクタ20の噴射孔30から噴射される燃料ガス同士が相互に干渉し、その流速が低下するため、吸引部24から吸引されるオフガスの量が低下し、エジェクタ20の昇圧性能が悪化する。
このような第1比較例および第2比較例に対し、第1実施形態のエジェクタ装置1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第1実施形態のエジェクタ装置1は、複数の噴射孔30のうち少なくとも1つの噴射孔31に対し、複数のインジェクタ10から駆動流体が供給されるように構成されている。具体的には、第1実施形態のエジェクタ装置1は、エジェクタ20が有する複数の噴射孔30のうち第1噴射孔31に対し、2個のインジェクタ10が接続されている。
(1)第1実施形態のエジェクタ装置1は、複数の噴射孔30のうち少なくとも1つの噴射孔31に対し、複数のインジェクタ10から駆動流体が供給されるように構成されている。具体的には、第1実施形態のエジェクタ装置1は、エジェクタ20が有する複数の噴射孔30のうち第1噴射孔31に対し、2個のインジェクタ10が接続されている。
これによれば、体格の小さいインジェクタ10を使用しつつ、駆動流体としての燃料ガスの要求流量を満たすためにそのインジェクタ10の数を増加する場合、インジェクタ10の数に対してエジェクタ20が有する噴射孔30の数を少なくすることが可能である。噴射孔30の数を少なくすることで、その噴射孔30から噴射される燃料ガス同士が相互に干渉することが抑制され、燃料ガスの流速の低下が防がれるので、オフガスの吸引量が維持され、それによりエジェクタ20の昇圧性能が維持される。したがって、このエジェクタ装置1は、体格の小さいインジェクタ10を用いると共に、エジェクタ20の昇圧性能を維持することができる。
また、エジェクタ装置1に要求される駆動流体としての燃料ガスの流量が、1つの噴射孔30に接続された複数のインジェクタ10から供給される合計の流量よりも少ない場合(すなわち、最大流量時未満の場合)、複数のインジェクタ10を交互に使用することが可能である。これにより、1つの噴射孔31に接続された複数のインジェクタ10それぞれの作動時間を低減し、インジェクタ10の経年劣化を抑制することができる。
(2)第1実施形態では、複数の噴射孔30のうち第1噴射孔31に2つのインジェクタ10が接続され、第2噴射孔32に1つのインジェクタ10が接続されている。すなわち、エジェクタ装置1は、複数の噴射孔30のうち所定の噴射孔30に駆動流体を供給するインジェクタ10の数と、別の噴射孔30に駆動流体を供給するインジェクタ10の数とが異なるように構成されている。
これによれば、所定の噴射孔30から噴射される駆動流体の流量と、別の噴射孔30から噴射される駆動流体の流量とを変えることが可能である。そのため、エジェクタ装置1に必要とされる駆動流体の流量に応じて容易に流量制御を行うことができる。
(3)第1実施形態では、エジェクタ20の第1噴射孔31の開口面積S1は、第2噴射孔32の開口面積S2よりも大きく形成されている。そして、第1噴射孔31に駆動流体を供給するインジェクタ10の数は、第2噴射孔32に駆動流体を供給するインジェクタ10の数よりも多い。
これによれば、第1噴射孔31のみを使用して大流量〜中流量を噴射し、第2噴射孔32のみを使用して小流量〜極小流量を噴射することが可能である。また、第1噴射孔31と第2噴射孔32の両方を使用して最大流量を噴射することが可能である。そのため、エジェクタ装置1に必要とされる駆動流体の流量に応じて、最大流量から極小流量まで容易に流量制御を行うことができる。
(4)第1実施形態では、第1噴射孔31の開口面積S1は、2個のインジェクタ10それぞれの開弁部の流路断面積の合計より小さく、且つ、1個のインジェクタ10の開弁部の流路断面積より大きく形成されている。すなわち、複数のインジェクタ10が接続されている噴射孔30の開口面積は、その噴射孔30に接続されている複数のインジェクタ10それぞれの開弁部の流路断面積の合計より小さく形成されている。また、その噴射孔30の開口面積は、その噴射孔30に接続されている複数のインジェクタ10から1つのインジェクタ10を除いた残りのインジェクタ10の開弁部の流路断面積の合計より大きく形成されている。
これによれば、複数のインジェクタ10から噴射孔30に供給される駆動流体を、その噴射孔30の開口部から高速で噴射することができる。
(5)第1実施形態では、複数のインジェクタ10は、通電時に弁座72から弁体が離座したときに形成される開弁部の流路断面積が同一である。
これによれば、複数のインジェクタ10の流量特性を共通化することで、エジェクタ装置1の構成を簡素なものにできると共に、エジェクタ装置1における駆動流体の流量制御を容易に行うことができる。
これによれば、複数のインジェクタ10の流量特性を共通化することで、エジェクタ装置1の構成を簡素なものにできると共に、エジェクタ装置1における駆動流体の流量制御を容易に行うことができる。
(第2〜第4実施形態)
第2〜第4実施形態について説明する。第2〜第4実施形態は、第1実施形態に対してインジェクタ10の数を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2〜第4実施形態について説明する。第2〜第4実施形態は、第1実施形態に対してインジェクタ10の数を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
(第2実施形態)
図16に示すように、第2実施形態では、エジェクタ装置1は、4個のインジェクタ10からエジェクタ20に燃料ガスが供給される。そのエジェクタ20のノズル部23は2個の噴射孔30を有している。その2個の噴射孔30のうち、第1噴射孔31には3個のインジェクタ10から燃料ガスが供給され、第2噴射孔32には1個のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。
図16に示すように、第2実施形態では、エジェクタ装置1は、4個のインジェクタ10からエジェクタ20に燃料ガスが供給される。そのエジェクタ20のノズル部23は2個の噴射孔30を有している。その2個の噴射孔30のうち、第1噴射孔31には3個のインジェクタ10から燃料ガスが供給され、第2噴射孔32には1個のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。
すなわち、第2実施形態のエジェクタ20も複数の噴射孔30を有している。そして、複数の噴射孔30のうち少なくとも1つの噴射孔30に対して複数のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。また、第1噴射孔31に燃料ガスを供給するインジェクタ10の数と、第2噴射孔32に燃料ガスを供給するインジェクタ10の数とが異なっている。したがって、第2実施形態も、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
図17に示すように、第3実施形態では、エジェクタ装置1は、5個のインジェクタ10からエジェクタ20に燃料ガスが供給される。そのエジェクタ20のノズル部23は2個の噴射孔30を有している。その2個の噴射孔30のうち、第1噴射孔31には3個のインジェクタ10から燃料ガスが供給され、第2噴射孔32には2個のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。
図17に示すように、第3実施形態では、エジェクタ装置1は、5個のインジェクタ10からエジェクタ20に燃料ガスが供給される。そのエジェクタ20のノズル部23は2個の噴射孔30を有している。その2個の噴射孔30のうち、第1噴射孔31には3個のインジェクタ10から燃料ガスが供給され、第2噴射孔32には2個のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。
すなわち、第3実施形態のエジェクタ20も複数の噴射孔30を有している。そして、複数の噴射孔30はいずれも、複数のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。また、第1噴射孔31に燃料ガスを供給するインジェクタ10の数と、第2噴射孔32に燃料ガスを供給するインジェクタ10の数とが異なっている。したがって、第3実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第4実施形態)
図18に示すように、第4実施形態では、エジェクタ装置1は、4個のインジェクタ10からエジェクタ20に燃料ガスが供給される。そのエジェクタ20のノズル部23は2個の噴射孔30を有している。その2個の噴射孔30のうち、第1噴射孔31には2個のインジェクタ10から燃料ガスが供給され、第2噴射孔32にも2個のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。
図18に示すように、第4実施形態では、エジェクタ装置1は、4個のインジェクタ10からエジェクタ20に燃料ガスが供給される。そのエジェクタ20のノズル部23は2個の噴射孔30を有している。その2個の噴射孔30のうち、第1噴射孔31には2個のインジェクタ10から燃料ガスが供給され、第2噴射孔32にも2個のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。
すなわち、第4実施形態のエジェクタ20も複数の噴射孔30を有している。そして、複数の噴射孔30はいずれも、複数のインジェクタ10から燃料ガスが供給されるように構成されている。なお、第4実施形態では、第1噴射孔31に燃料ガスを供給するインジェクタ10の数と、第2噴射孔32に燃料ガスを供給するインジェクタ10の数とは同じである。第4実施形態は、第1〜第3実施形態と比べて駆動流体の流量調整機能が僅かに劣るものの、それ以外は、第1〜第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、エジェクタ装置1は、燃料電池システム100に用いられるものとして説明したが、それに限らず、種々のシステムに用いることが可能である。また、燃料電池システム100は、車両に限らず、種々の用途に用いることが可能である。
また、上記各実施形態では、エジェクタ20は2個の噴射孔30を有するものとして説明したが、駆動流体同士の干渉が抑制され、その流速が確保できる範囲であれば、エジェクタ20は3個以上の噴射孔30を有してもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、エジェクタ装置は、複数のインジェクタと、エジェクタを備える。複数のインジェクタは、エジェクタに駆動流体を供給する。エジェクタは、複数のインジェクタから供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔を有し、その噴射孔から噴射された駆動流体の吸引作用により吸引口から吸引流体を吸引し、駆動流体と吸引流体とが混合された流体を昇圧して送出する。そして、このエジェクタは、複数の噴射孔のうち少なくとも1つの噴射孔に対して複数のインジェクタから駆動流体が供給されるように構成されている。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、エジェクタ装置は、複数のインジェクタと、エジェクタを備える。複数のインジェクタは、エジェクタに駆動流体を供給する。エジェクタは、複数のインジェクタから供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔を有し、その噴射孔から噴射された駆動流体の吸引作用により吸引口から吸引流体を吸引し、駆動流体と吸引流体とが混合された流体を昇圧して送出する。そして、このエジェクタは、複数の噴射孔のうち少なくとも1つの噴射孔に対して複数のインジェクタから駆動流体が供給されるように構成されている。
第2の観点によれば、複数の噴射孔のうち所定の噴射孔に駆動流体を供給するインジェクタの数と、別の噴射孔に駆動流体を供給するインジェクタの数とが異なるように構成されている。
これによれば、所定の噴射孔から噴射される駆動流体の流量と、別の噴射孔から噴射される駆動流体の流量とを変えることが可能である。そのため、エジェクタ装置に必要とされる駆動流体の流量に応じて容易に流量制御を行うことができる。
第3の観点によれば、所定の噴射孔の開口面積は、別の噴射孔の開口面積よりも大きく形成されている。そして、所定の噴射孔に駆動流体を供給するインジェクタの数は、別の噴射孔に駆動流体を供給するインジェクタの数よりも多い。
これによれば、所定の噴射孔を使用して大流量〜中流量を噴射し、別の噴射孔を使用して小流量〜極小流量を噴射することが可能である。また、所定の噴射孔と別の噴射孔の両方を使用して最大流量を噴射することが可能である。そのため、エジェクタ装置に必要とされる駆動流体の流量に応じて、最大流量から極小流量まで容易に流量制御を行うことができる。
第4の観点によれば、複数のインジェクタが接続されている噴射孔の開口面積は、その噴射孔に接続されている複数のインジェクタそれぞれの開弁部の流路断面積の合計より小さく、その噴射孔に接続されている複数のインジェクタから1つのインジェクタを除いた残りのインジェクタの開弁部の流路断面積の合計より大きい。
これによれば、複数のインジェクタから供給される駆動流体を、噴射孔の開口部から高速で噴射することができる。
第5の観点によれば、複数のインジェクタは、燃料を吐出する吐出流路の周囲に形成される弁座と、弁座に対し着座および離座する弁体を有するものである。複数のインジェクタは、通電時に弁座から弁体が離座したときに形成される開弁部の流路断面積が同一である。
これによれば、複数のインジェクタの流量特性を共通化することで、エジェクタ装置の構成を簡素なものにできると共に、エジェクタ装置における駆動流体の流量制御を容易に行うことができる。
これによれば、複数のインジェクタの流量特性を共通化することで、エジェクタ装置の構成を簡素なものにできると共に、エジェクタ装置における駆動流体の流量制御を容易に行うことができる。
第6の観点によれば、複数のインジェクタから供給される駆動流体と吸引口から吸引した吸引流体とを混合して送出するエジェクタは、ノズル部、吸引部およびディフューザ部を備える。ノズル部は、複数のインジェクタから供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔を有する。吸引部は、噴射孔から噴射された駆動流体の吸引作用により吸引口から吸引流体が吸引されるように設けられている。ディフューザ部は、駆動流体と吸引流体との混合流体を昇圧して送出する。そして、このエジェクタは、複数の噴射孔のうち少なくとも1つの噴射孔に対して複数のインジェクタから駆動流体が供給されるように構成されている。
1 エジェクタ装置
10 インジェクタ
20 エジェクタ
26 吸引口
30 噴射孔
10 インジェクタ
20 エジェクタ
26 吸引口
30 噴射孔
Claims (6)
- 駆動流体を供給する複数のインジェクタ(10)と、
複数の前記インジェクタから供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔(30)を有し、前記噴射孔から噴射された駆動流体の吸引作用により吸引口(26)から吸引流体を吸引し、駆動流体と吸引流体とが混合された流体を昇圧して送出するエジェクタ(20)と、を備えるエジェクタ装置(1)において、
複数の前記噴射孔のうち少なくとも1つの前記噴射孔(31)に対して複数の前記インジェクタから駆動流体が供給されるように構成されているエジェクタ装置。 - 複数の前記噴射孔のうち所定の前記噴射孔(31)に駆動流体を供給する前記インジェクタの数と、別の前記噴射孔(32)に駆動流体を供給する前記インジェクタの数とが異なるように構成されている、請求項1に記載のエジェクタ装置。
- 所定の前記噴射孔の開口面積(S1)は、別の前記噴射孔の開口面積(S2)よりも大きく形成されており、
所定の前記噴射孔に駆動流体を供給する前記インジェクタの数は、別の前記噴射孔に駆動流体を供給する前記インジェクタの数よりも多い、請求項2に記載のエジェクタ装置。 - 複数の前記インジェクタが接続されている前記噴射孔の開口面積は、その噴射孔に接続されている複数の前記インジェクタそれぞれの開弁部の流路断面積の合計より小さく、その噴射孔に接続されている複数の前記インジェクタから1つの前記インジェクタを除いた残りの前記インジェクタの開弁部の流路断面積の合計より大きい、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエジェクタ装置。
- 複数の前記インジェクタは、燃料を吐出する吐出流路(71)の周囲に形成される弁座(72)と、前記弁座に対し着座および離座する弁体(60)を有するものであり、
複数の前記インジェクタは、通電時に前記弁座から前記弁体が離座したときに形成される開弁部の流路断面積が同一である、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタ装置。 - 複数のインジェクタ(10)から供給される駆動流体と吸引口(26)から吸引した吸引流体とを混合して送出するエジェクタ(20)において、
複数の前記インジェクタから供給される駆動流体を噴射する複数の噴射孔(30)を有するノズル部(23)と、
前記噴射孔から噴射された駆動流体の吸引作用により前記吸引口から吸引流体が吸引されるように設けられた吸引部(24)と、
駆動流体と吸引流体との混合流体を昇圧して送出するディフューザ部(25)と、を備え、
複数の前記噴射孔のうち少なくとも1つの前記噴射孔(31)に対して複数の前記インジェクタから駆動流体が供給されるように構成されているエジェクタ。
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---|---|---|---|
JP2018160631A JP2020033931A (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | エジェクタ装置およびエジェクタ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022138350A (ja) * | 2021-03-10 | 2022-09-26 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
-
2018
- 2018-08-29 JP JP2018160631A patent/JP2020033931A/ja active Pending
Cited By (2)
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