JP2020033274A - 複合粉体及びこれを含有する化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い皮脂固化能を発揮するにもかかわらず、使用感触が良好な、複合粉体、及びかかる複合粉体を含有する化粧料を提供することを課題とする。【解決手段】(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマー1質量部に対し、酸化亜鉛を0.2〜2質量部被覆した複合粉体、及びかかる複合粉体を含有する化粧料を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、複合粉体及びこれを含有する化粧料に関する。
化粧料は人の肌に塗布して使用するものであるため、皮膚から出る汗や皮脂への耐性が要求され、一般的に油浮きや化粧崩れしないことが求められる。このような要求を満たすため、化粧料に用いる粉体に様々な改良を加えることにより、化粧崩れを防止する検討が行われている。
例えば、多孔質シリカや多孔質球状炭酸マグネシウムなどの無機多孔質粉体を化粧料に配合する方法が挙げられるが、これらの粉体は肌上の水分を吸収し、肌のエモリエント成分が不足して肌の乾燥やかゆみを引き起こすという問題がある(特許文献1や特許文献2)。また、その他にもアクリルポリマー等の有機粉体が皮脂吸着剤として使用されているが、これらの皮脂吸着剤よりも、更に優れた皮脂吸着能を有する素材の開発が期待されている。
一方、酸化亜鉛は化粧料分野ではその粒子サイズによって白色顔料や紫外線遮蔽材料として利用されている。例えば、微粒子酸化亜鉛は皮脂中の脂肪酸と反応して皮脂を固定化させ、皮脂の広がりを抑制することにより、化粧持ちを向上させることが知られている。(特許文献3)しかしながら、このような微粒子酸化亜鉛は化粧料に配合するとキシミ感が出てしまい、感触に劣るという欠点があった。このため、感触に優れ、かつ高い皮脂吸着能を有する酸化亜鉛粒子を得ることができれば、化粧品分野においては非常に有用な素材になる。
特開2009−137806号公報 特開2006−096706号公報 特開平8−41379号公報
高い皮脂固化能を発揮するにもかかわらず、使用感触が良好な、複合粉体、及びかかる複合粉体を含有する化粧料を提供することを課題とする。
(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマー1質量部に対し、酸化亜鉛を0.2〜2質量部被覆した複合粉体、及びかかる複合粉体を含有する化粧料を提供する。
本発明の粉体は、高い皮脂固化効果を発揮する。かかる複合粉体を配合した化粧料は、皮脂崩れしにくく、高い化粧持ち効果を発揮するとともに、使用感触が良好であるという効果を発揮する。
以下本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の複合粉体は、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマー1質量部に対し、酸化亜鉛を0.2〜2質量部被覆した複合粉体である。
本発明で使用する(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマーは、通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されない。(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマーの平均粒子径は5〜20μm、好ましくは5〜10μmのものを用いることが複合化する上で好適である。市販のものを使用することができ、たとえば、テクポリマーACX−806C、テクポリマーACX−1502C(積水化成品工業社製)、MAKIBEADS SP10(大東化成工業社製)等が挙げられる。これらの粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定可能である。
本発で使用する酸化亜鉛は、化粧料に配合し得るものであれば得に限定されない。酸化亜鉛の形状は特に限定されないが、平均粒子径は、皮脂固化能の観点より、10〜200nmであり、15〜100nmが好ましく、さらには15〜50nmがより好ましい。
酸化亜鉛は未処理の酸化亜鉛をそのまま用いることもできるが、疎水化処理を施した酸化亜鉛を用いることが好ましい。疎水化処理剤としては特に限定されるものではなく、ジメチコン、メチルハイロドジェンポリシロキサン、金属石鹸などが例示される。これらの疎水化処理剤の中でも、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いることが好ましい。疎水化処理剤の被覆量は酸化亜鉛を疎水化処理するのに十分な量であればよい。具体的には酸化亜鉛と疎水化処理剤の量目比が85:15〜99:1が好ましく、さらには90:10〜98:2が好ましい。
本発明の複合粉体は、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマー1質量部に対し、酸化亜鉛を0.2〜2質量部、好ましくは0.3〜1.5質量部被覆する。
被覆方法としては、これまで知られた各種方法、例えば物理化学的な混合摩砕法(乾式、湿式)や化学的な沈着法などが選択され実施されるが、複合粉体の皮脂固化能の点から、乾式の混合摩砕法が有利に用いられる。
上記複合粉体を用いて、化粧料を作製することができる。この化粧料は、上記複合粉体を含有することによって、皮脂固化能を有し、優れた化粧持ち効果を発揮する。
複合粉体の化粧料への配合量としては、0.5〜90質量%が好ましい。この配合量が0.5質量%未満では、複合粉体の皮脂固化能が化粧料中で有効に発揮されにくくなる傾向がある。一方、90質量%を超える複合粉体を配合すると、製剤化が困難になる傾向がある。
本発明の化粧料の用途は特に限定されないが、その効果の点から、ファンデーションなどのメイクアップ化粧料や、下地化粧料、日焼け止め化粧料に好適である。
本発明の化粧料の剤型は特に限定されず、粉体化粧料、乳化化粧料、2層化粧料などが例示される。
本願発明の化粧料は、複合粉体の他に、必要に応じて通常化粧料配合される、水性成分、保湿剤、油性成分、色素、界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、美容成分、香料、高分子物質、防菌防微剤、アルコール類、粉体、スクラブ剤、生体由来成分等を適宜配合することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
複合粉体
表1に示した核粉体と酸化亜鉛とを、ブレンダーを用いて2時間混合することにより、複合粉体を得た。この複合粉体を顕微鏡で観察したところ、酸化亜鉛により核粉体が被覆されていた。なお、酸化亜鉛として、5%ジメチコンで処理した平均粒径25μmの酸化亜鉛を用いた。
(オレイン酸固化試験)
(a) 20mLのビーカーにオレイン酸(ミヨシ油脂PM810)5gとイオン交換水1gを計量し、40℃に設定したホットプレートで35〜40℃まで加温する。
(b) (a)に複合粉体0.5gを添加してスパチュラを用い均質になるよう30秒撹拌する。
(c) 撹拌後、すばやく撹拌子を投入して、スターラーにて撹拌(200rpm)する。撹拌開始時間からオレイン酸のゲル化が進行して撹拌子の回転が止まるまでの時間を計測し、固化時間とした。
Figure 2020033274
表1に示したとおり(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマーと酸化亜鉛の複合粉体は、オレイン酸固化時間が非常に早く、皮脂固化効果に優れることが示された。
表2に示した処方で、定法によりプレスタイプのファンデーションを調製した。
(評価方法)
メイクアップ化粧料の専門評価者3名に、実施例3及び比較例20を半顔で使用させ使用時の使用感触及び、高温多湿下の室内で3時間後の皮脂崩れをそれぞれ評価させ合議によりどちらが優れているかを評価した。
Figure 2020033274
表2に示したとおり、本願発明の複合粉体を配合した実施例3は、皮脂崩れしにくく、使用感触が良好であることが示された。
[実施例4]パウダーファンデーション
(1)複合粉体(実施例2) 5.0(質量%)
(2)ジメチコン処理酸化チタン 5.0
(3)ジメチコン処理微粒子酸化チタン 10.0
(4)ステアリン酸マグネシウム 5.0
(5)ジメチコン処理タルク 全量を100とする量
(6)ジメチコン処理黄酸化鉄 適量
(7)ジメチコン処理ベンガラ 適量
(8)ジメチコン処理黒酸化鉄 適量
(9)ポリアクリル酸アルキル 5.0
(10)ジメチコン処理雲母 15.0
(11)ジメチコン 10.0
(12)パラフィンワックス 1.0
(13)ステアリン酸−2−エチルヘキシル 5.0
製法:(1)〜(10)を混合,均一化した後、加熱溶解して75℃とした(11)〜(13)の成分を添加し混練する。アトマイザーで粉砕し、篩過した後、金皿にプレス成型する。
[実施例5]油性ファンデーション(コンパクトタイプ)
(1)複合粉体1(実施例2) 5.0(質量%)
(2)ジメチコン処理タルク 全量を100とする量
(3)ジメチコン処理マイカ 15.0
(4)ジメチコン処理黄酸化鉄 適量
(5)ジメチコン処理ベンガラ 適量
(6)ジメチコン処理黒酸化鉄 適量
(7)固形パラフィン 3.0
(8)マイクロクリスタリンワックス 6.0
(9)ミツロウ 2.0
(10)ワセリン 12.0
(11)スクワラン 6.0
製法:(1)〜(6)を混合,均一化した後、加熱溶解した(7)〜(11)の成分を添加しロールミルで混練する。混練物を再融解し、ゆっくり攪拌して泡を浮上させ、ついで冷却し、60℃で容器に流し込んで放冷,固化する。
[実施例6]シミ隠し用スティック
(1)タルク 5.8(質量%)
(2)カオリン 全量を100とする量
(3)マイカ 3.0
(4)黄酸化鉄 適量
(5)ベンガラ 適量
(6)黒酸化鉄 適量
(7)複合粉体1(実施例2) 4.0
(8)二酸化チタン 6.0
(9)固形パラフィン 3.0
(10)マイクロクリスタリンワックス 7.0
(11)ワセリン 15.0
(12)メチルフェニルポリシロキサン 3.0
(13)スクワラン 5.0
(14)パルミチン酸イソプロピル 17.0
製法:(9)〜(14)を85℃で溶解し、混合,均一化した(1)〜(8)の成分を攪拌しながら添加する。コロイドミルで磨砕分散させ、脱気後70℃で容器に流し込み冷却する。
[実施例7]O/W乳化型ファンデーション
(1)タルク 3.0(質量%)
(2)黄酸化鉄 適量
(3)ベンガラ 適量
(4)黒酸化鉄 適量
(5)複合粉体1(実施例2) 3.0
(6)カオリン 0.5
(7)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.9
(8)トリエタノールアミン 1.0
(9)プロピレングリコール 10.0
(10)精製水 全量を100とする量
(11)ステアリン酸 2.2
(12)イソヘキサデシルアルコール 7.0
(13)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(14)液状ラノリン 2.0
(15)流動パラフィン 8.0
製法:(6)を(9)に分散させて(10)に添加し、70℃でホモミキサー処理した後、(7)及び(8)を添加し十分に攪拌する。これに混合,均一化した(1)〜(5)を添加し、ホモミキサーで均一に混合する。75℃で加熱溶解,均一化した(11)〜(15)の成分を添加し、ホモミキサーにて乳化後、冷却する。
[実施例8]W/O乳化型ファンデーション
(1)セリサイト 10.0(質量%)
(2)黄酸化鉄 適量
(3)ベンガラ 適量
(4)黒酸化鉄 適量
(5)複合粉体1(実施例2) 2.0
(6)デカメチルシクロペンタシロキサン 12.0
(7)ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0
(8)精製水 全量を100とする量
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)塩化ナトリウム 2.0
製法:(8)〜(10)を加熱溶解均一化し、(1)〜(5)を添加してホモミキサーにて均一に分散させる。均一に溶解した(6)、(7)の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後冷却する。
[実施例9] O/W乳化型日焼け止めクリーム
(1)オキシベンゾン 2.0(質量%)
(2)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.0
(3)スクワラン 10.0
(4)ワセリン 5.0
(5)ステアリルアルコール 3.0
(6)ステアリン酸 3.0
(7)グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
(8)ポリアクリル酸エチル 1.0
(9)精製水 全量を100とする量
(10)1,3−ブチレングリコール 7.0
(11) 微粒子酸化チタン 3.0
(12)複合粉体1(実施例2) 2.0
(13)トリエタノールアミン 1.0
製法:(9)〜(13)を混合した後ホモミキサーを用いて均質に分散させた後、加熱溶解して75℃とした(1)〜(8)の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後冷却する。
[実施例10 ]W/O乳化型日焼け止め乳液
(1)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.0(質量%)
(2)オキシベンゾン 3.0
(3)4-tert-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン 1.0
(4)ジメチコン処理微粒子酸化チタン 5.0
(5)複合粉体1(実施例2) 5.0
(6)スクワラン 20.0
(7)ジメチコン 全量を100とする量
(8)シリコーンレジン 2.0
(9)ジイソステアリン酸グリセリン 2.0
(10)有機変性モンモリロナイト 0.5
(11)精製水 28.5
(12)1,3−ブチレングリコール 5.0
製法:(1)〜(10)を加熱溶解、混合後ホモミキサーを用いて均質に分散させ、均一に溶解した(11)、(12)を添加して、ホモミキサーにて乳化後冷却する。

Claims (2)

  1. (アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)クロスポリマー1質量部に対し、酸化亜鉛を0.2〜2質量部被覆した複合粉体。
  2. 請求項1に記載した複合粉体を含有する化粧料。




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