JP2020032962A - 制動制御装置 - Google Patents

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康人 石田
Yasuto Ishida
康人 石田
達史 小林
Tatsushi Kobayashi
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Abstract

【課題】2つの液圧供給部をもつ構成において、制動力の応答性を向上させることができる制動制御装置を提供する。【解決手段】本発明は、ホイールシリンダWCに接続された油路Aに第1電磁弁51を介してブレーキ液を供給する第1液圧供給部100Aと、ブレーキ液の供給に関する供給初期の応答特性が第1液圧供給部100Aよりも高く、油路Aのうち第1電磁弁51よりもホイールシリンダWC側にブレーキ液を供給する第2液圧供給部5と、を備え、第1液圧供給部100Aおよび第2液圧供給部5を駆動し、かつ第1電磁弁51を制御する制動制御によって制動力を発生する制動制御装置であって、第1電磁弁51の通常の開度よりも、第1液圧供給部100Aの供給初期の応答特性に基づき、制動制御の実行開始時点から所定の時点まで第1電磁弁51の開度を小さくする特定制御を実行する制御部6を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、制動制御装置に関する。
制動制御装置には、例えば横滑り防止制御等を実行するために、各ホイールシリンダの液圧(ホイール圧)を独立して加圧可能なアクチュエータを備えるものがある。アクチュエータは、複数の電磁弁、電動ポンプ、及びリザーバ等を備えて構成されている。この複数の電磁弁には、上流側と下流側との間の差圧を制御するための差圧制御弁が含まれている。アクチュエータは、差圧制御弁を差圧状態(絞り状態)に制御し、電動ポンプを作動させることで、ホイール圧を加圧可能に構成されている。差圧制御弁を用いた制動制御については、例えば特開2016−20129号公報に記載されている。このブレーキ制御装置では、差圧制御弁によるブレーキ液の漏れを許容する制御を実行している。
特開2016−20129号公報
ここで、制動制御装置には、2つの加圧装置(液圧供給部)、例えば上流側に配置された加圧制御可能な上流加圧装置と、下流側に配置されたアクチュエータのような下流加圧装置と、を備えるものがある。このような制動制御装置では、目標ホイール圧に対して、上下流での協調制御が実行される。アクチュエータの差圧制御弁は、ブレーキ液を上流側に漏らしつつ差圧を制御値に近づける作用を持っている。このため、アクチュエータにおいて、ホイールシリンダと上流加圧装置との間に配置された差圧制御弁を介して、下流側で加圧されたブレーキ液が上流側に漏れるおそれがある。このような構成には、応答性の観点で、改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、2つの液圧供給部をもつ構成において、制動力の応答性を向上させることができる制動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の制動制御装置は、ホイールシリンダに接続された油路に接続され、前記油路に設けられた第1電磁弁を介してブレーキ液を供給する第1液圧供給部と、前記ブレーキ液の供給に関する供給初期の応答特性が前記第1液圧供給部よりも高く、前記油路のうち前記第1電磁弁よりも前記ホイールシリンダ側に前記ブレーキ液を供給する第2液圧供給部と、を備え、前記第1液圧供給部および前記第2液圧供給部を駆動し、かつ前記第1電磁弁を制御する制動制御によって制動力を発生する制動制御装置であって、前記ホイールシリンダの液圧の目標値と前記第1液圧供給部の供給液圧の目標値又は実値とに基づいて設定される前記第1電磁弁の通常の開度よりも、前記第1液圧供給部の前記供給初期の応答特性に基づき、前記制動制御の実行開始時点から所定の時点まで前記第1電磁弁の開度を小さくする特定制御を実行する制御部を備える。
本発明によれば、特定制御の実行により、第1電磁弁の開度が通常制御時の開度よりも小さくなる。このため、供給初期の応答特性(液圧応答性)が相対的に高い第2液圧供給部により供給されたブレーキ液が、第1電磁弁を介して第1液圧供給部側(低圧側)に漏洩することがより確実に抑制される。これにより、制動制御の実行開始に際して、第2液圧供給部の加圧能力を最大限活かすことができ、制動力の応答性を向上させることができる。
本実施形態の制動制御装置の構成図である。 本実施形態のアクチュエータの構成図である。 本実施形態の応答特性を説明するための説明図である。 本実施形態の特定制御を説明するためのタイムチャートである。 本実施形態の変形態様の差圧制御弁及び電磁弁を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。説明に用いる各図は概念図である。車両は、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrr(以下、まとめた表現において車輪W、前輪Wf、後輪Wrとも称する)に制動力を付与して車両を制動させる制動制御装置100を備えている。
制動制御装置100は、ホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrr(以下、まとめてホイールシリンダWCとも称する)内の液圧に対応する液圧制動力を車輪Wに付与する装置である。具体的に、制動制御装置100は、ブレーキペダル11と、マスタシリンダ12と、ストロークシミュレータ部13と、リザーバ14と、倍力機構15と、アクチュエータ5と、ブレーキECU(「制御部」に相当する)6と、ホイールシリンダWCと、を備えている。マスタシリンダ12と倍力機構15は、上流側の液圧供給装置である第1液圧供給部100Aを構成している。またアクチュエータ5は、下流側の液圧供給装置である第2液圧供給部(5)を構成している。
ホイールシリンダWCは、車輪Wの回転を規制するものであり、キャリパCL内に設けられている。ホイールシリンダWCは、アクチュエータ5からブレーキ液が供給され、ホイールシリンダWC内の液圧であるホイール圧に基づいて車両の車輪Wに制動力を付与する制動力付与機構である。
ブレーキペダル11は、ブレーキ操作部材の一種であり、操作ロッド11aを介してストロークシミュレータ部13およびマスタシリンダ12に接続されている。
ブレーキペダル11の近傍には、ブレーキペダル11の踏み込みによるブレーキ操作状態であるストローク(ペダルストローク、操作量)を検出するストロークセンサ11cが設けられている。このストロークセンサ11cは、検出信号(検出結果)をブレーキECU6に送信する。
マスタシリンダ12は、ブレーキペダル11の操作量に応じてブレーキ液をアクチュエータ5に供給するものであり、シリンダボディー12a、入力ピストン12b、第一マスタピストン12c、および第二マスタピストン12d等により構成されている。
シリンダボディー12aは、有底略円筒状に形成されている。シリンダボディー12aの内周部には、内向きフランジ状に突出する隔壁部12a2が設けられている。隔壁部12a2の中央には、前後方向に貫通する貫通孔12a3が形成されている。シリンダボディー12aの内周部には、隔壁部12a2より前方の部分に、軸方向に沿って液密かつ移動可能に第一マスタピストン12cおよび第二マスタピストン12dが配設されている。
シリンダボディー12aの内周部には、隔壁部12a2より後方の部分に、軸方向に沿って液密かつ移動可能に入力ピストン12bが配設されている。入力ピストン12bは、ブレーキペダル11の操作に応じてシリンダボディー12a内を摺動するピストンである。
入力ピストン12bには、ブレーキペダル11に連動する操作ロッド11aが接続されている。入力ピストン12bは、圧縮スプリング11bによって第一液圧室R3を拡張する方向すなわち後方(図面右方向)に付勢されている。ブレーキペダル11が踏み込み操作されたとき、操作ロッド11aは、圧縮スプリング11bの付勢力に抗して前進する。操作ロッド11aの前進に伴い、入力ピストン12bも連動して前進する。なお、ブレーキペダル11の踏み込み操作が解除されたとき、入力ピストン12bは、圧縮スプリング11bの付勢力によって後退し、規制凸部12a4に当接して位置決めされる。
第一マスタピストン12cは、前方側から順番に加圧筒部12c1、フランジ部12c2、および突出部12c3が一体となって形成されている。加圧筒部12c1は、前方に開口を有する有底略円筒状に形成され、シリンダボディー12aの内周面との間に液密かつ摺動可能に配設されている。加圧筒部12c1の内部空間には、第二マスタピストン12dとの間に付勢部材であるコイルスプリング12c4が配設されている。コイルスプリング12c4により、第一マスタピストン12cは後方に付勢されている。換言すると、第一マスタピストン12cは、コイルスプリング12c4により後方に付勢され、最終的に規制凸部12a5に当接して位置決めされる。この位置が、ブレーキペダル11の踏み込み操作が解除されたときの原位置(予め設定されている)である。
フランジ部12c2は、加圧筒部12c1よりも大径に形成されており、シリンダボディー12a内の大径部12a6の内周面に液密かつ摺動可能に配設されている。突出部12c3は、加圧筒部12c1よりも小径に形成されており、隔壁部12a2の貫通孔12a3に液密に摺動するように配置されている。突出部12c3の後端部は、貫通孔12a3を通り抜けてシリンダボディー12aの内部空間に突出し、シリンダボディー12aの内周面から離間している。突出部12c3の後端面は、入力ピストン12bの底面から離間し、その離間距離は変化し得るように構成されている。
第二マスタピストン12dは、シリンダボディー12a内の第一マスタピストン12cの前方側に配置されている。第二マスタピストン12dは、前方に開口を有する有底略円筒状に形成されている。第二マスタピストン12dの内部空間には、シリンダボディー12aの内底面との間に、付勢部材であるコイルスプリング12d1が配設されている。コイルスプリング12d1により、第二マスタピストン12dは後方に付勢されている。換言すると、第二マスタピストン12dは、設定された原位置に向けてコイルスプリング12d1により付勢されている。
また、マスタシリンダ12には、第一マスタ室R1、第二マスタ室R2、第一液圧室R3、第二液圧室R4、およびサーボ室(液圧室)R5が形成されている。説明において、第一マスタ室R1及び第二マスタ室R2は、まとめてマスタ室R1、R2と記載する場合がある。第一マスタ室R1は、シリンダボディー12aの内周面、第一マスタピストン12c(加圧筒部12c1の前側)、および第二マスタピストン12dによって、区画形成されている。第一マスタ室R1は、ポートPT4に接続されている油路21を介してリザーバ14に接続されている。また、第一マスタ室R1は、ポートPT5に接続されている油路22を介してアクチュエータ5に接続されている。
第二マスタ室R2は、シリンダボディー12aの内周面、および第二マスタピストン12dの前側によって、区画形成されている。第二マスタ室R2は、ポートPT6に接続されている油路23を介してリザーバ14に接続されている。また、第二マスタ室R2は、ポートPT7に接続されている油路24を介してアクチュエータ5に接続されている。
第一液圧室R3は、隔壁部12a2と入力ピストン12bとの間に形成されており、シリンダボディー12aの内周面、隔壁部12a2、第一マスタピストン12cの突出部12c3、および入力ピストン12bによって区画形成されている。第二液圧室R4は、第一マスタピストン12cの加圧筒部12c1の側方に形成されており、シリンダボディー12aの内周面の大径部12a6の内周面、加圧筒部12c1、およびフランジ部12c2によって区画形成されている。第一液圧室R3は、ポートPT1に接続されている油路25およびポートPT3を介して第二液圧室R4に接続されている。
サーボ室R5は、隔壁部12a2と第一マスタピストン12cの加圧筒部12c1との間に形成されており、シリンダボディー12aの内周面、隔壁部12a2、第一マスタピストン12cの突出部12c3、および加圧筒部12c1によって区画形成されている。サーボ室R5は、ポートPT2に接続されている油路26を介して出力室R12に接続されている。
圧力センサ26aは、サーボ室R5に供給されるサーボ圧を検出するセンサであり、油路26に接続されている。圧力センサ26aは、検出信号(検出結果)をブレーキECU6に送信する。圧力センサ26aで検出されるサーボ圧は、サーボ室R5の液圧の実際値であり、以下、実サーボ圧(実液圧)と称する。
ストロークシミュレータ部13は、シリンダボディー12aと、入力ピストン12bと、第一液圧室R3と、第一液圧室R3と連通されているストロークシミュレータ13aとを備えている。
第一液圧室R3は、ポートPT1に接続された油路25,27を介してストロークシミュレータ13aに連通している。なお、第一液圧室R3は、図示しない接続油路を介してリザーバ14に連通している。
ストロークシミュレータ13aは、ブレーキペダル11の操作状態に応じた大きさのストローク(反力)をブレーキペダル11に発生させるものである。ストロークシミュレータ13aは、シリンダ部13a1、ピストン部13a2、反力液圧室13a3、およびスプリング13a4を備えている。ピストン部13a2は、ブレーキペダル11を操作するブレーキ操作に伴ってシリンダ部13a1内を液密に摺動する。反力液圧室13a3は、シリンダ部13a1とピストン部13a2との間に区画されて形成されている。反力液圧室13a3は、接続された油路27,25を介して第一液圧室R3および第二液圧室R4に連通している。スプリング13a4は、ピストン部13a2を反力液圧室13a3の容積を減少させる方向に付勢する。
なお、油路25には、ノーマルクローズタイプの電磁弁である第一電磁弁25aが設けられている。油路25とリザーバ14とを接続する油路28には、ノーマルオープンタイプの電磁弁である第二電磁弁28aが設けられている。第一電磁弁25aが閉状態であるとき、第一液圧室R3と第二液圧室R4とが遮断される。これにより、入力ピストン12bと第一マスタピストン12cとが一定の離間距離を保って連動する。また、第一電磁弁25aが開状態であるとき、第一液圧室R3と第二液圧室R4とが連通される。これにより、第一マスタピストン12cの進退に伴う第一液圧室R3および第二液圧室R4の容積変化が、ブレーキ液の移動により許容される。
また、油路25には、圧力センサ25bが設置されている。圧力センサ25bは、第二液圧室R4および第一液圧室R3の反力液圧を検出するセンサである。圧力センサ25bは、ブレーキペダル11に対する操作力を検出する操作力センサでもあり、ブレーキペダル11の操作量と相互関係を有する。圧力センサ25bは、第一電磁弁25aが閉状態の場合には第二液圧室R4の圧力を検出し、第一電磁弁25aが開状態の場合には連通された第一液圧室R3の圧力(または反力液圧)も検出することになる。圧力センサ25bは、検出信号(検出結果)をブレーキECU6に送信する。
倍力機構15は、ブレーキペダル11の操作量に応じたサーボ圧を発生するものである。倍力機構15は、入力された入力圧が作用して出力圧を出力する液圧発生装置であって、出力圧を増大または減少しようとしたとき、増圧開始当初または減圧開始当初において入力圧に対して出力圧の応答遅れを有する液圧発生装置である。倍力機構15は、レギュレータ15aおよび圧力供給装置15bを備えている。
レギュレータ15aは、シリンダボディー15a1と、シリンダボディー15a1内を摺動するスプール15a2とを有して構成されている。レギュレータ15aには、パイロット室R11、出力室R12、および第三液圧室R13が形成されている。
パイロット室R11は、シリンダボディー15a1、およびスプール15a2の第二大径部15a2bの前端面によって区画形成されている。パイロット室R11は、ポートPT11に接続されている減圧弁15b6および増圧弁15b7に(油路31に)接続されている。また、シリンダボディー15a1の内周面には、スプール15a2の第二大径部15a2bの前端面が当接して位置決めされる規制凸部15a4が設けられている。
出力室R12は、シリンダボディー15a1、およびスプール15a2の小径部15a2c、第二大径部15a2bの後端面、および第一大径部15a2aの前端面によって区画形成されている。出力室R12は、ポートPT12に接続されている油路26およびポートPT2を介してマスタシリンダ12のサーボ室R5に接続されている。また、出力室R12は、ポートPT13に接続されている油路32を介してアキュムレータ15b2に接続可能である。
第三液圧室R13は、シリンダボディー15a1、およびスプール15a2の第一大径部15a2aの後端面によって区画形成されている。第三液圧室R13は、ポートPT14に接続されている油路33を介してリザーバ15b1に接続可能である。また、第三液圧室R13内には、第三液圧室R13を拡張する方向に付勢するスプリング15a3が配設されている。
スプール15a2は、第一大径部15a2a、第二大径部15a2bおよび小径部15a2cを備えている。第一大径部15a2aおよび第二大径部15a2bは、シリンダボディー15a1内を液密に摺動するように構成されている。小径部15a2cは、第一大径部15a2aと第二大径部15a2bとの間に配設されるとともに、第一大径部15a2aと第二大径部15a2bとに一体的に形成されている。小径部15a2cは、第一大径部15a2aおよび第二大径部15a2bより小径に形成されている。
また、スプール15a2には、出力室R12と第三液圧室R13とを連通する連通路15a5が形成されている。
圧力供給装置15bは、スプール15a2を駆動させる駆動部でもある。圧力供給装置15bは、低圧力源であるリザーバ15b1と、高圧力源でありブレーキ液を蓄圧するアキュムレータ15b2と、リザーバ15b1のブレーキ液を吸入しアキュムレータ15b2に圧送するポンプ15b3と、ポンプ15b3を駆動させる電動モータ15b4と、を備えている。リザーバ15b1は大気に開放されており、リザーバ15b1の液圧は大気圧と同じである。低圧力源は高圧力源よりも低圧である。圧力供給装置15bは、アキュムレータ15b2から供給されるブレーキ液の圧力を検出してブレーキECU6に出力する圧力センサ15b5を備えている。
さらに、圧力供給装置15bは、減圧弁15b6と増圧弁15b7とを備えている。具体的に、減圧弁15b6は、非通電状態で開く構造(ノーマルオープンタイプ)の電磁弁であり、ブレーキECU6の指令により流量が制御されている。減圧弁15b6の一方は油路31を介してパイロット室R11に接続され、減圧弁15b6の他方は油路34を介してリザーバ15b1に接続されている。増圧弁15b7は、非通電状態で閉じる構造(ノーマルクローズタイプ)の電磁弁であり、ブレーキECU6の指令により流量が制御されている。増圧弁15b7の一方は油路31を介してパイロット室R11に接続され、増圧弁15b7の他方は、油路35および油路35が接続されている油路32を介してアキュムレータ15b2に接続されている。
ここで、レギュレータ15aの作動について簡単に説明する。減圧弁15b6および増圧弁15b7からパイロット室R11にパイロット圧(パイロット室R11の液圧)が供給されていない場合、スプール15a2はスプリング15a3によって付勢されて原位置にある(図1参照)。スプール15a2の原位置は、スプール15a2の前端面が規制凸部15a4に当接して位置決め固定される位置であり、スプール15a2の後端面がポートPT14を閉塞する直前の位置である。
このように、スプール15a2が原位置にある場合、ポートPT14とポートPT12とは連通路15a5を介して連通するとともに、ポートPT13はスプール15a2によって閉塞されている。
減圧弁15b6および増圧弁15b7によってブレーキペダル11の操作量に応じて形成されるパイロット圧が増大される場合、スプール15a2は、スプリング15a3の付勢力に抗して後方(図1の右方)に向かって移動する。そうすると、スプール15a2は、スプール15a2によって閉塞されていたポートPT13が開放される位置まで移動する。また、開放されていたポートPT14はスプール15a2によって閉塞される。この状態のスプール15a2の位置を「増圧位置」とする。このとき、ポートPT13とポートPT12とは、出力室R12を介して連通する。
そして、スプール15a2の第二大径部15a2bの前端面の押圧力と、サーボ圧に対応する力およびスプリング15a3の付勢力の合力とがつりあうことで、スプール15a2は位置決めされる。このとき、スプール15a2の位置を「保持位置」とする。保持位置において、ポートPT13とポートPT14とがスプール15a2によって閉塞される。
また、減圧弁15b6および増圧弁15b7によってブレーキペダル11の操作量に応じて形成されるパイロット圧が減少される場合、保持位置にあったスプール15a2は、スプリング15a3の付勢力によって前方に向かって移動する。そうすると、スプール15a2によって閉塞されていたポートPT13は、閉塞状態が維持される。また、閉塞されていたポートPT14は開放される。この状態のスプール15a2の位置を「減圧位置」とする。このとき、ポートPT14とポートPT12とは連通路15a5を介して連通する。
上述した倍力機構15は、減圧弁15b6および増圧弁15b7によってブレーキペダル11のストロークに応じてパイロット圧を形成し、そのパイロット圧によってブレーキペダル11のストロークに応じたサーボ圧を発生させる。発生したサーボ圧は、マスタシリンダ12のサーボ室R5に供給され、マスタシリンダ12は、ブレーキペダル11のストロークに応じて発生されるマスタ圧をホイールシリンダWCに供給する。
(アクチュエータ)
アクチュエータ5は、ブレーキECU6の指示に応じて、ホイールシリンダWCの液圧(ホイール圧)を調整する装置である。具体的に、アクチュエータ5は、図2に示すように、油圧回路5Aと、モータ8と、を備えている。油圧回路5Aは、第1配管系統50aと、第2配管系統50bと、を備えている。第1配管系統50aは、車輪Wrl、Wrrに加えられる液圧(ホイール圧)を制御する系統である。第2配管系統50bは、車輪Wfl、Wfrに加えられる液圧(ホイール圧)を制御する系統である。また、各車輪Wに対して、車輪速度センサSが設置されている。
第1配管系統50aは、主管路(「油路」に相当する)Aと、差圧制御弁(「第1電磁弁」に相当する)51と、増圧弁52、53と、減圧管路Bと、減圧弁54、55と、調圧リザーバ56と、還流管路Cと、ポンプ57と、補助管路Dと、オリフィス部41と、ダンパ部42と、を備えている。説明上の表現において、管路は、例えば液圧路、流路、油路、又は配管等に置換可能である。
主管路Aは、油路24とホイールシリンダWCrl、WCrrとを接続する管路である。差圧制御弁51は、主管路Aに設けられ、主管路Aを連通状態と差圧状態に制御する電磁弁である。差圧状態は、弁により流路が制限された状態であり、絞り状態ともいえる。差圧制御弁51は、ブレーキECU6の指示に基づく制御電流に応じて、自身のマスタシリンダ12側と自身のホイールシリンダWCrl、WCrr側の液圧との差圧(以下、「第一差圧」とも称する)を制御する。換言すると、差圧制御弁51は、主管路Aのマスタシリンダ12側の部分の液圧と主管路AのホイールシリンダWCrl、WCrr側の部分の液圧との差圧を制御可能に構成されている。
差圧制御弁51は、非通電状態で連通状態となるノーマルオープンタイプである。差圧制御弁51に印加される制御電流が大きいほど、第一差圧は大きくなる。差圧制御弁51が差圧状態に制御されてポンプ57が駆動することで、制御電流、すなわち第一差圧の目標値(目標第一差圧)に対応する電流に基づき、マスタシリンダ12側の液圧よりもホイールシリンダWCrl、WCrr側の液圧のほうが大きくなる。
差圧制御弁51に対しては、機械的な(電子制御不要の)逆止弁51aが並列に設置されている。逆止弁51aは、機械的に、自身のホイールシリンダWCrl、WCrr側から自身のマスタシリンダ12側へのブレーキ液の流動を禁止し、その反対方向のブレーキ液の流動を所定条件のもとで許容する弁である。所定条件について、逆止弁51aは、自身を中心として、マスタシリンダ12側の液圧がホイールシリンダWCrl、WCrr側の液圧より所定圧高くなった場合、マスタシリンダ12側からホイールシリンダWCrl、WCrr側へのブレーキ液の流入を許容するように構成されている。
また、主管路Aは、ホイールシリンダWCrl、WCrrに対応するように、差圧制御弁51の下流側の分岐点Xで2つの管路A1、A2に分岐している。
増圧弁52、53は、ブレーキECU6の指示により開閉する電磁弁であって、非通電状態で開状態(連通状態)となるノーマルオープンタイプの電磁弁である。増圧弁52は管路A1に配置され、増圧弁53は管路A2に配置されている。増圧弁52、53は、増圧制御時に非通電状態で開状態となってホイールシリンダWCと分岐点Xと連通させ、保持制御及び減圧制御時に通電されて閉状態となりホイールシリンダWCと分岐点Xとを遮断する。
減圧管路Bは、管路A1における増圧弁52とホイールシリンダWCrlの間と調圧リザーバ56とを接続し、管路A2における増圧弁53とホイールシリンダWCrrの間と調圧リザーバ56とを接続する管路である。増圧弁52、53は、例えば、減圧制御時には、閉状態に制御され、マスタシリンダ12とホイールシリンダWCrl、WCrrを遮断する。
減圧弁54、55は、ブレーキECU6の指示により開閉する電磁弁であって、非通電状態で閉状態(遮断状態)となるノーマルクローズタイプの電磁弁である。減圧弁54は、ホイールシリンダWCrl側の減圧管路Bに配置されている。減圧弁55は、ホイールシリンダWCrr側の減圧管路Bに配置されている。減圧弁54、55は、主に減圧制御時に通電されて開状態となり、減圧管路Bを介してホイールシリンダWCrl、WCrrと調圧リザーバ56とを連通させる。調圧リザーバ56は、シリンダ、ピストン、及び付勢部材を有するリザーバである。
還流管路Cは、減圧管路B(又は調圧リザーバ56)と、主管路Aにおける差圧制御弁51と増圧弁52、53の間(ここでは分岐点X)とを接続する管路である。ポンプ57は、吐出ポートが分岐点X側で吸入ポートが調圧リザーバ56側に配置されるように、還流管路Cに設けられている。ポンプ57は、モータ8によって駆動されるピストン式の電動ポンプである。ポンプ57は、還流管路Cを介して、調圧リザーバ56からマスタシリンダ12側又はホイールシリンダWCrl、WCrr側にブレーキ液を流動させる。つまり、アクチュエータ5は、主管路A(主管路Aにおける差圧制御弁51と増圧弁52、53の間)にブレーキ液を吐出するポンプ57を備えている。
ポンプ57は、ブレーキ液を吐出する吐出過程と、ブレーキ液を吸入する吸入過程と、を繰り返すように構成されている。つまり、ポンプ57は、モータ8により駆動されると、吐出過程と吸入過程とを交互に繰り返して実行する。吐出過程では、吸入過程で調圧リザーバ56から吸入したブレーキ液が、分岐点Xに供給される。モータ8は、ブレーキECU6の指示により、リレー(図示せず)を介して通電され、駆動する。ポンプ57とモータ8は、併せて電動ポンプともいえる。
オリフィス部41は、還流管路Cのポンプ57と分岐点Xとの間の部分に設けられた、絞り形状部位(いわゆるオリフィス)である。ダンパ部42は、還流管路Cのポンプ57とオリフィス部41との間の部分に接続されたダンパ(ダンパ機構)である。オリフィス部41及びダンパ部42は、脈動を低減(減衰、吸収)する脈動低減機構といえる。
補助管路Dは、調圧リザーバ56の調圧孔56aと、主管路Aにおける差圧制御弁51よりも上流側(又はマスタシリンダ12)とを接続する管路である。調圧リザーバ56は、ストローク増加による調圧孔56aへのブレーキ液の流入量増加に伴い、弁孔56bが閉塞されるように構成されている。弁孔56bの管路B、C側にはリザーバ室56cが形成される。
ポンプ57の駆動により、調圧リザーバ56又はマスタシリンダ12内のブレーキ液が、還流管路Cを介して主管路Aにおける差圧制御弁51と増圧弁52、53の間の部分(分岐点X)に吐出される。そして、差圧制御弁51及び増圧弁52、53の制御状態に応じて、ホイール圧が加圧される。このようにアクチュエータ5では、ポンプ57の駆動と各種弁の制御により加圧制御が実行される。圧力センサYは、マスタ圧を検出し、検出結果をブレーキECU6及びブレーキECU6に送信する。
第2配管系統50bは、第1配管系統50aと同様の構成であって、前輪Wfl、WfrのホイールシリンダWCfl、WCfrの液圧を調整する系統である。第2配管系統50bは、主管路Aに相当し油路22とホイールシリンダWCfl、Wfrとを接続する主管路Abと、差圧制御弁51に相当する差圧制御弁91と、増圧弁52、53に相当する増圧弁92、93と、減圧管路Bに相当する減圧管路Bbと、減圧弁54、55に相当する減圧弁94、95と、調圧リザーバ56に相当する調圧リザーバ96と、還流管路Cに相当する還流管路Cbと、ポンプ57に相当するポンプ97と、補助管路Dに相当する補助管路Dbと、オリフィス部41に相当するオリフィス部43と、ダンパ部42に相当するダンパ部44と、を備えている。第2配管系統50bの詳細構成については、第1配管系統50aの説明を参照できるため、説明を省略する。なお、配管構成は、X配管でも前後配管でも良い。
アクチュエータ5によるホイール圧の調圧は、マスタ圧をホイールシリンダWCに提供する増圧制御、ホイールシリンダWCを密閉する保持制御、ホイールシリンダWC内のブレーキ液を調圧リザーバ56に流出させる減圧制御、又は差圧制御弁51による絞りとポンプ57の駆動によりホイール圧を加圧する加圧制御を実行することで為されている。
(ブレーキECU)
ブレーキECU6は、CPUやメモリ等を備える電子制御ユニットである。ブレーキECU6は、ホイール圧の目標値である目標ホイール圧に基づいて、倍力機構15及びアクチュエータ5を制御する。ブレーキECU6は、現在のホイール圧を、アクチュエータ5の制御状態及びマスタ圧に基づいて推定する。ただし、車両にホイール圧を検出する圧力センサが設けられている場合、ブレーキECU6は当該圧力センサの検出結果を利用することができる。
ブレーキECU6による倍力機構15への制御について簡単に説明すると、増圧制御では、増圧弁15b7が開状態となり、減圧弁15b6が閉状態となる。減圧制御では、増圧弁15b7が閉状態となり、減圧弁15b6が開状態となる。保持制御では、増圧弁15b7及び減圧弁15b6が閉状態となる。
また、ホイールシリンダWCrlのホイール圧の制御を例にブレーキECU6によるアクチュエータ5への制御結果を簡単に説明すると、増圧制御では、差圧制御弁51及び増圧弁52が開状態となり、減圧弁54が閉状態となる。減圧制御では、増圧弁52が閉状態となり、減圧弁54が開状態となる。保持制御では、増圧弁52及び減圧弁54が閉状態となる。加圧制御では、差圧制御弁51が差圧状態(絞り状態)となり、増圧弁52が開状態となり、減圧弁54が閉状態となり、ポンプ57が駆動する。以下も、原則としてホイールシリンダWCrl又は第1配管系統50aに対する説明を記載し、同様である他のホイールシリンダWC及び第2配管系統50bについては説明を省略する。
(上下流協調制御)
ブレーキECU6は、運転者のブレーキ操作に応じて、すなわちストロークセンサ11cの検出結果及び/又は圧力センサ25bの検出結果に基づいて、目標ホイール圧を算出し設定する。ブレーキECU6は、上下流で、すなわち第1液圧供給部100Aとアクチュエータ5との間で協調制御を実行する。ブレーキECU6は、例えばブレーキ操作の状況に応じて、目標ホイール圧に対して第1液圧供給部100A及びアクチュエータ5が達成するホイール圧の達成割合を設定する。例えば、ブレーキECU6は、ブレーキ操作が通常操作であると判定した場合(例えばストローク変化勾配が所定値未満であった場合)、所定条件下で、目標ホイール圧に対する第1液圧供給部100Aの達成割合を0%とし、アクチュエータ5の達成割合を100%として、第1液圧供給部100A及びアクチュエータ5を制御する。
また、例えば、ブレーキECU6は、ブレーキ操作が緊急操作であると判定した場合(例えばストローク変化勾配が所定値以上になった場合)、応答性を最大限優先させるために、目標ホイール圧に対する第1液圧供給部100Aの達成割合とアクチュエータ5の達成割合との両方を100%にして、第1液圧供給部100A及びアクチュエータ5の両方を目標ホイール圧達成に向けて作動させる。
このように、本実施形態の制動制御装置100は、ホイールシリンダWCrl、WCrrに接続された主管路(油路)Aに接続され、主管路Aに設けられた差圧制御弁51を介してブレーキ液を供給する第1液圧供給部100Aと、主管路Aのうち差圧制御弁51よりもホイールシリンダWCrl、WCrr側にブレーキ液を供給するアクチュエータ5(第2液圧供給部)と、を備え、第1液圧供給部100Aおよびアクチュエータ5を駆動し、かつ差圧制御弁51を制御する制動制御によって制動力を発生する装置である。この構成は、第2配管系統50b(差圧制御弁91)に対しても同様である。本実施形態の構成では、緊急制動時には、第1液圧供給部100Aの供給液圧(マスタ圧)とアクチュエータ5の供給液圧とで高いほうの液圧が最終的にホイール圧に反映される。
(特定制御)
図3に示すように、アクチュエータ5のブレーキ液の供給に関する供給初期の応答特性(液圧応答性)は、第1液圧供給部100Aよりも高い。一方で、所定の時点以降の応答特性は、第1液圧供給部100Aのほうがアクチュエータ5よりも高い。つまり、供給液圧の立ち上がりはアクチュエータ5が相対的に早く、高い液圧に達するのは第1液圧供給部100Aが相対的に早い。したがって、早くかつ強い制動力が必要な場面では、第1液圧供給部100Aによる液圧供給が適しているといえる。一方、細かい制動力の調整が必要な場面では、アクチュエータ5による液圧供給が適しているといえる。また一方で、ブレーキECU6は、例えば緊急制動時のように、第1液圧供給部100A及びアクチュエータ5の両方を目標ホイール圧に基づき作動させる場合もある。
ここで、ブレーキECU6は、例えば第1液圧供給部100A及びアクチュエータ5の両方を作動させる場合に、差圧制御弁51の通常の開度よりも、第1液圧供給部100Aの供給初期の応答特性に基づき、制動制御の実行開始時点から所定の時点まで差圧制御弁51の開度を小さくする「特定制御」を実行する。差圧制御弁51の通常の開度とは、目標ホイール圧(目標値)と、第1液圧供給部100Aの供給液圧の目標値(目標マスタ圧)又は実値(圧力センサYで検出される圧力)とに基づいて設定される開度である。差圧制御弁51の通常の開度は、例えば目標ホイール圧から現在のマスタ圧を減算した圧力値(目標第一差圧)を達成させるための開度であって、目標第一差圧に対応する開度である。差圧制御弁51の開度は、差圧制御弁51に供給される制御電流の大きさに相当し、絞りの強さともいえる。つまり、本実施形態において、差圧制御弁51の開度を通常の開度より小さくするとは、差圧制御弁51に供給する制御電流を目標第一差圧に対応する制御電流よりも大きくすることに相当する。
図4に示すように、ブレーキECU6は、特定制御において、制動制御開始時点t0から所定の時点t1まで、差圧制御弁51に供給する制御電流を、目標第一差圧に対応する制御電流(以下「通常制御電流」という)よりも大きくする。ブレーキECU6は、特定制御において、通常制御電流に所定電流値を加算した電流値を、差圧制御弁51に供給する制御電流の電流値に設定する。
本実施形態によれば、特定制御の実行により、差圧制御弁51の開度が通常制御時の開度よりも小さくなる。このため、供給初期の応答特性(液圧応答性)が相対的に高いアクチュエータ5により供給されたブレーキ液が、差圧制御弁51を介して第1液圧供給部100A側(低圧側)に漏洩することがより確実に抑制される。これにより、制動制御の実行開始に際して、アクチュエータ5の加圧能力を最大限活かすことができ、制動力の応答性を向上させることができる。
ここで、本実施形態において、所定の時点t1は、第1液圧供給部100Aの供給液圧(マスタ圧)がアクチュエータ5の供給液圧(ここではホイール圧)に追いついた時点である。ここで、当該追いついた時点とは、圧力センサYにより検出されたマスタ圧とホイール圧との差が所定圧以下になった時点である。ブレーキECU6は、第1液圧供給部100Aの供給液圧がアクチュエータ5の供給液圧に追いついた場合、特定制御を終了させる。
これにより、上流側が相対的に高圧になった際に、通常制御時のように、差圧制御弁51の目標第一差圧が0に近づき(開度が大きくなり)、第1液圧供給部100AからホイールシリンダWCに向けてブレーキ液が供給されやすくなる。つまり、高い応答性が維持される。
(変形態様)
ここで、本実施形態の変形態様では、図5に示すように、逆止弁51aが、電磁弁(「第2電磁弁」に相当する)7に置き換えられている。電磁弁7は、主管路Aのうち差圧制御弁51よりも第1液圧供給部100A側の部分とホイールシリンダWC側の部分とを連通する連通路71に設けられ、差圧制御弁51に並列に配置された電磁弁である。電磁弁7は、例えば、オンオフ弁(全開と全閉との2値制御弁)であって、ノーマルクローズタイプの電磁弁である。この構成においても、上記実施形態同様、ブレーキECU6は、特定制御を実行し、差圧制御弁51の開度を小さくする。なお、図5では差圧制御弁51及び電磁弁7のみを示し、他の部分は図2を参照できるため省略している。
ここで、ブレーキECU6は、制動制御の実行開始から第1液圧供給部100Aの供給液圧がアクチュエータ5の供給液圧に追いつくまでの期間(以下「特定期間」という)、電磁弁7を閉弁させ、当該特定期間の終了後に電磁弁7を開弁させることに応じて、アクチュエータ5による液圧供給を停止させる。特定期間は、制動制御の実行開始時点から第1液圧供給部100Aの供給液圧がアクチュエータ5の供給液圧に追いついた時点までの期間である。
このような電磁弁7の制御により、特定期間中、逆止弁51a同様、電磁弁7からのブレーキ液の漏洩は防止される。さらに、特定期間終了後、電磁弁7が開弁されることで、素早く上下間の流路を確保でき、第1液圧供給部100Aからの供給液圧をより早くホイール圧に反映させることができる。つまり、制動力の応答性を向上させることができる。逆止弁51aの場合、上流圧が下流圧よりも所定圧高くなるまで上流から下流へのブレーキ液の流動が許容されないため、当該所定圧の差圧が発生するまでの間、上流からのブレーキ液の供給路は差圧制御弁51を介した流路となる。しかし、この変形態様の構成によれば、所定圧が発生するまで待つことなく、特定期間の後すぐに上下間流路を拡大させることができる。
また、特定期間の終了後に、アクチュエータ5の液圧供給が停止することで、例えば上下流間での液圧のハンチングが抑制され、より安定した液圧制御が可能となる。また、この構成は、省エネルギー及び静音の観点でも有効である。
さらに、この変形態様において、ブレーキECU6は、第1液圧供給部100Aの供給液圧がアクチュエータ5の供給液圧に追いついた場合、差圧制御弁51の差圧の目標値(目標第一差圧)を0にする。これにより、特定期間が終了したとき、差圧制御弁51の開度も全開に向けて制御され、素早く上下間流路を確保することができる。
この際、ブレーキECU6は、特定期間の終了前から、例えば上流圧と下流圧との差が所定値未満になってから(上流圧<下流圧)、差圧制御弁51の目標第一差圧を徐々に0に向けて小さくしてもよい。これにより、特定期間終了に向けて、差圧制御弁51が徐々に全開する準備がなされ、特定期間終了時に開度の目標値と実際の開度とが一致しやすくなる。つまり、差圧制御弁51の制御に対する応答遅れが抑制され、制動力の応答性の向上が可能となる。なお、目標第一差圧を特定期間終了時に一気に0にする構成であっても、通常制御時よりも素早く上下間流路を確保することができる。
(その他)
本発明は、上記実施形態及び変形態様に限られない。例えば、ブレーキECU6は、特定制御において、目標第一差圧の変動にかかわらず、目標第一差圧よりも大きい一定の制御電流を差圧制御弁51に供給してもよい。また、第1液圧供給部100Aは、上記構成に限らず、例えばボールねじとモータによりマスタピストンを駆動してマスタ圧を制御する構成であってもよい。また、本構成は、例えばハイブリッド車両など回生制動装置を備える車両における回生協調制御にも適用できる。
100…制動制御装置、100A…第1液圧供給部、5…アクチュエータ(第2液圧供給部)、51…差圧制御弁(第1電磁弁)、6…ブレーキECU(制御部)、7…電磁弁(第2電磁弁)、A…主管路(油路)、WC…ホイールシリンダ。

Claims (4)

  1. ホイールシリンダに接続された油路に接続され、前記油路に設けられた第1電磁弁を介してブレーキ液を供給する第1液圧供給部と、前記ブレーキ液の供給に関する供給初期の応答特性が前記第1液圧供給部よりも高く、前記油路のうち前記第1電磁弁よりも前記ホイールシリンダ側に前記ブレーキ液を供給する第2液圧供給部と、を備え、前記第1液圧供給部および前記第2液圧供給部を駆動し、かつ前記第1電磁弁を制御する制動制御によって制動力を発生する制動制御装置であって、
    前記ホイールシリンダの液圧の目標値と前記第1液圧供給部の供給液圧の目標値又は実値とに基づいて設定される前記第1電磁弁の通常の開度よりも、前記第1液圧供給部の前記供給初期の応答特性に基づき、前記制動制御の実行開始時点から所定の時点まで前記第1電磁弁の開度を小さくする特定制御を実行する制御部を備える制動制御装置。
  2. 前記所定の時点は、前記第1液圧供給部の供給液圧が前記第2液圧供給部の供給液圧に追いついた時点である請求項1に記載の制動制御装置。
  3. 前記油路のうち前記第1電磁弁よりも前記第1液圧供給部側の部分と前記ホイールシリンダ側の部分とを連通する連通路に設けられ、前記第1電磁弁に並列に配置された第2電磁弁を備え、
    前記制御部は、前記制動制御の実行開始時点から前記第1液圧供給部の供給液圧が前記第2液圧供給部の供給液圧に追いついた時点までの期間、前記第2電磁弁を閉弁させ、前記期間の終了後に前記第2電磁弁を開弁させる請求項1又は2に記載の制動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記期間の終了後に前記第2電磁弁を開弁させることに応じて、前記第2液圧供給部による液圧供給を停止させる請求項3に記載の制動制御装置。
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