JP2020032858A - 飛行体の製造方法および飛行体 - Google Patents

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史雄 村松
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【課題】安定した飛行制御を行うことができる飛行体の製造方法を提供する。【解決手段】飛行体の製造方法は、プロペラ、および、プロペラを駆動するモータを有するロータユニット30と、上下方向に貫通し、内部にロータユニット30が配置される通気孔、および、上部に配置されガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部を有するバルーン20とを所定の位置関係となるように配置する組み立て工程と、バルーン20の上部が下向きになるようにバルーン20を載置した状態で、下向きとなった開口からバルーン20に、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスを封入する封入工程と、を含む。【選択図】図8

Description

本開示は、ロータユニットを備えた飛行体の製造方法および飛行体に関する。
特許文献1には、プロペラを有する1つのロータユニットと、ヘリウムガスが充填された浮力体とを備えた飛行体が開示されている。この文献の飛行体では、ドーナツ状に形成された浮力体が、1つのロータユニットの周囲を囲うように配置されている。
特開平04−022386号公報
特許文献1の飛行体では、飛行制御を効果的に行うことができないおそれがある。
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、安定した飛行制御を行うことができる飛行体を提供する。
本開示の一態様に係る飛行体の製造方法は、プロペラ、および、前記プロペラを駆動するモータを有するロータユニットと、上下方向に貫通し、内部に前記ロータユニットが配置される通気孔、および、上部に配置されガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部を有するバルーンとを所定の位置関係となるように配置する組み立て工程と、前記バルーンの上部が下向きになるように前記バルーンを載置した状態で、下向きとなった前記開口から前記バルーンに、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスを封入する封入工程と、を含む。
また、本開示の一態様に係る飛行体は、プロペラ、および、前記プロペラを駆動するモータを有するロータユニットと、前記ロータユニットの高さ方向に亘って、前記ロータユニットの側方を覆い、かつ、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスが封入されるバルーンと、を備え、前記バルーンは、前記バルーンを上下方向に貫通し、内部に前記ロータユニットが配置される通気孔と、前記バルーンの上部に配置され前記ガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部と、を有する。
本開示における飛行体などによれば、安定した飛行制御を行うことができる。
図1は、実施の形態の飛行体の斜め上方から見た斜視図である。 図2は、実施の形態の飛行体の平面図である。 図3は、図2におけるIII−III断面を示す飛行体の断面図である。 図4は、図2におけるIV−IV断面を示す飛行体の断面図である。 図5は、実施の形態のバルーンの平面図である。 図6は、図5におけるVI−VI断面を示すバルーンの断面図である。 図7は、通気孔の断面の拡大図である。 図8は、実施の形態に係る飛行体の製造方法の流れを示す図である。 図9は、実施の形態に係る飛行体の製造方法の流れを示す図である。 図10は、実施の形態に係る飛行体の製造方法の流れを示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、飛行体に関し、以下の問題が生じることを見出した。
ガスが充填されているバルーンを有する飛行体は、製造時に、バルーンの開口(封入口)から、例えばノズルなど介してバルーンの内方にガスが注入される。そして、ガスの注入後にノズルを開口から抜いて蓋を閉める作業が行われる。このとき、バルーンの内部には、一定の圧力以上(例えば大気圧以上)のガスが注入されるため、ノズルを開口から抜いて蓋を閉める作業が完了するまでの間に、バルーンに注入したガスが一定量抜けてしまう。
これにより、バルーンを構成しているシート状の生地に皺が生じてしまい、ロータユニットがバルーンから受ける圧力が低下する。よって、ロータユニットは、バルーンから支持されにくくなり、ロータユニットの軸が鉛直方向から傾くおそれがある。また、バルーンの生地に皺が生じてしまうと、ロータユニットが配置されている通気孔では、生地が張っている状態ではなく弛んでいる状態となる。このため、弛んでいるバルーンの生地がロータユニットによる気流に巻き込まれ、通気孔を狭めてしまうおそれがある。
このように、ロータユニットの軸が傾いたり、バルーンの生地が通気孔を狭めたりすることで、ロータユニットによる気流の流れ方向または気流の風量が安定しないため、飛行体は、安定した飛行制御を行うことが難しいという課題があった。
また、ガスがバルーンから抜ける量は、バルーンのサイズにかかわらず同程度であるため、バルーンのサイズが小さいほど、バルーンの容積当たりの減少率が大きくなる。このため、上記の課題はバルーンのサイズが小さい飛行体ほど顕著となり、飛行体を小型化にするほど飛行制御が不安定になりやすいという課題があった。
上記のようにガスが抜けることで飛行体の飛行制御に及ぼす悪影響を軽減するために、ガスの注入作業の際に、できるだけガスが漏れることを低減することが有効であることを本発明者は見出した。
このような問題を解決するために、本開示の一態様に係る飛行体の製造方法は、プロペラ、および、前記プロペラを駆動するモータを有するロータユニットと、上下方向に貫通し、内部に前記ロータユニットが配置される通気孔、および、上部に配置されガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部を有するバルーンとを所定の位置関係となるように配置する組み立て工程と、前記バルーンの上部が下向きになるように前記バルーンを載置した状態で、下向きとなった前記開口から前記バルーンに、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスを封入する封入工程と、を含む。
これによれば、バルーンを上下反転させた状態で、バルーンにガスを封入する作業を行うことで、バルーンの下側からガスを封入することができる。よって、空気中で上昇しやすい空気よりも密度の小さいガスが漏れることを効果的に低減することができる。
また、さらに、前記ガスが封入された前記バルーンの上部が上向きになるように前記飛行体の向きを上下反転させた後に、前記バルーンの上方にカメラを固定する固定工程を含んでもよい。
このように、バルーンを上下反転させた状態で床面に飛行体を載置することを難しくする構造物である、バルーンの上方に配置されるカメラを後から固定するため、バルーンへのガスの封入作業を容易に行うことができる。
また、本開示の一態様に係る飛行体は、プロペラ、および、前記プロペラを駆動するモータを有するロータユニットと、前記ロータユニットの高さ方向に亘って、前記ロータユニットの側方を覆い、かつ、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスが封入されるバルーンと、を備え、前記バルーンは、前記バルーンを上下方向に貫通し、内部に前記ロータユニットが配置される通気孔と、前記バルーンの上部に配置され前記ガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部と、を有する。
これによれば、バルーンの上部にガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部を配置しているため、飛行している状態の飛行体を下から見る人に対して、蓋部の存在が目立たないようにすることができる。また、バルーンを上下反転させた状態で、バルーンにガスを封入する作業を行うことで、バルーンの下側からガスを封入することができる。よって、空気中で上昇しやすい空気よりも密度の小さいガスが漏れることを効果的に低減することができる。
また、さらに、前記ロータユニットよりも下方に配置され、機器を保持する保持部を備えてもよい。
これによれば、保持部は、ロータユニットよりも下方に配置されるため、ロータユニットよりも下方に突出する。このため、バルーンにガスが封入される前の状態で、保持部がロータユニットよりも下側となる向きで飛行体を床面に載置すると、安定した状態で飛行体を載置することが難しい。よって、バルーンを上下反転させた状態で、バルーンにガスを封入する作業を行うことで、飛行体を破損させることなく容易にガスを封入することができる。
また、前記蓋部は、前記バルーンの上面視において、前記ロータユニットを囲う仮想的な外接円よりも外側に配置されてもよい。
このため、バルーンを上下反転させた状態でガスを封入する作業を行う場合に、ガスを封入するためのノズルを蓋部で塞がれている開口に容易に挿入することができる。また、ガスボンベから延びるホースが通気孔の中のロータユニットに接触することを防ぎ、ホースに不具合が生じることを低減することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
[飛行体の概略構成]
実施の形態1の飛行体10について説明する。
図1は、実施の形態の飛行体の斜め上方から見た斜視図である。図2は、実施の形態の飛行体の平面図である。図3は、図2におけるIII−III断面を示す飛行体の断面図である。図4は、図2におけるIV−IV断面を示す飛行体の断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の飛行体10は、緩衝体としてのバルーン20と、4つのロータユニット30とを備えている。飛行体10は、さらに、バルーン20の上方にカメラ43が搭載機器として設けられている。
また、図3及び図4に示すように、飛行体10には、さらに、制御器41及びバッテリ42が、搭載機器として設けられている。
[バルーン]
次にバルーン20について説明する。
図5は、実施の形態のバルーンの平面図である。図6は、図5におけるVI−VI断面を示すバルーンの断面図である。つまり、図5及び図6は、飛行体10からバルーン20以外の構成要素を除いた図であり、バルーン20にガスが充填されている状態を示している。
図3、図4及び図6に示すように、バルーン20は、柔軟なシート状の材料(例えば、塩化ビニル)によって構成され、このシート状材料によって囲まれた閉空間であるガス空間21を有する。図3、図4及び図6では、バルーン20を構成するシート状材料の断面を太線で示している。バルーン20の外側面を構成するシート状材料は、光を透過させる半透明の白色などの色であってもよいし、光を透過させない黒色などの色であってもよい。シート状の材料によって形成されたガス空間21には、ヘリウムガス等の浮力を生じさせるためのガスが充填されている。このガス空間21に充填されるガスは、空気よりも密度の小さいガスである。なお、ガスは、空気よりも密度が小さくなくてもよい。
図5に示すように、バルーン20は、上下方向(図5における紙面に垂直な方向)に延びる直線を対称軸とした回転対称性を有する形状に形成されている。この対称軸が、バルーン20の中心軸Pとなる。図5に示すバルーン20の形状は、90°回転対称性を有している。つまり、バルーン20は、中心軸Pまわりに90°回転する毎に、回転する前と同じ形状となる。
図6に示すように、バルーン20は、上下に扁平な形状である。また、バルーン20は、側方から見て流線形状である。バルーン20の高さは、バルーン20の中心部から周縁部へ向かって次第に低くなる。具体的に、バルーン20は、図6に示すバルーン20の中心軸Pを通る断面の形状が、長軸が水平方向となって短軸が鉛直方向となる楕円形状である。つまり、このバルーン20の断面の形状は、実質的に上下対称である。なお、このバルーン20の断面形状は、厳密な焦点楕円である必要はなく、一見して楕円形と認識できる形状であればよい。
バルーン20には、ロータユニット30と同数(本実施の形態では4つ)の通気孔22が形成されている。図6に示すように、各通気孔22は、断面が概ね円形の通路であって、バルーン20を上下方向へ貫通している。各通気孔22の中心軸Qは、バルーン20の中心軸Pと実質的に平行である。
また、図6に示すように、各通気孔22の中心軸Qは、バルーン20の中心軸Pと周縁の中間位置よりも、バルーン20の周縁側に配置される。具体的には、バルーン20の中心軸Pから通気孔22の中心軸Qまでの距離Sが、バルーン20の中心軸Pからバルーン20の周縁までの距離Rの半分よりも長い(S>R/2)。このように、ロータユニット30は、バルーン20の周縁寄りの部分に配置される。このようにロータユニット30を配置するのは、ロータユニット30同士の間隔を十分に確保し、飛行体10の飛行を安定させるためである。
通気孔22は、上下方向の中央部において、その断面積(中心軸Qと直交する断面の面積)が最も小さい。また、通気孔22は、上下方向の中央部から上端部へ向かって次第に断面積が拡大し、且つ上下方向の中央部から下端部へ向かって次第に断面積が拡大する形状を有する。つまり、通気孔22の形状は、高さ方向の中央部が括れた柱状である。また、上述したように、バルーン20は、バルーン20の中心部から周縁部へ向かって高さが次第に低くなる形状を有する。このため、各通気孔22は、バルーン20の周縁部寄りの高さhが、バルーン20の中心部寄りの高さHよりも低い。
図5に示すように、4つの通気孔22は、バルーン20の中心軸Pまわりに90°間隔で配置されている。また、バルーン20の中心軸Pから各通気孔22の中心軸Qまでの距離は、一定である。つまり、各通気孔22の中心軸Qは、バルーン20の中心軸Pを中心とする1つのピッチ円PCと実質的に直交する。
図5に示すように、バルーン20の上面視における周縁は、通気孔22と同数ずつ(本実施の形態では4つずつ)の基準曲線部23と小曲率半径部24とによって構成されている。バルーン20の上面視における周縁では、基準曲線部23と小曲率半径部24とが交互に配置されている。小曲率半径部24は、各通気孔22の外側(即ち、バルーン20の中心軸Pとは反対側)に1つずつ配置されている。基準曲線部23は、隣り合う2つの小曲率半径部24の間に配置されている。
基準曲線部23と小曲率半径部24とは、共に湾曲した曲線状に形成されている。各小曲率半径部24の長さ方向(周方向)の中点は、その小曲率半径部24に最も近い通気孔22の中心軸Qとバルーン20の中心軸Pの両方と直交する直線Lの上に位置している。
小曲率半径部24の曲率半径は、基準曲線部23の曲率半径よりも小さい。ただし、基準曲線部23の曲率半径は、基準曲線部23の全長に亘って一定である必要は無い。また、小曲率半径部24の曲率半径は、小曲率半径部24の全長に亘って一定である必要は無い。基準曲線部23及び小曲率半径部24の曲率半径が一定でない場合は、小曲率半径部24の曲率半径の最大値が、基準曲線部23の曲率半径の最小値よりも小さければよい。
図6に示すように、バルーン20は、筒状の連結部材25を備えている。この連結部材25は、シート状の材料で構成されており、上端部及び下端部の直径がこれらの間の部分の直径よりも若干拡大した円筒状(あるいは円管状)に形成されている。連結部材25は、その中心軸がバルーン20の中心軸Pと実質的に一致する姿勢で配置されている。この連結部材25は、バルーン20の内部において、その上端がバルーン20の上部に接合され、その下端がバルーン20の下部に接合されている。
筒状の連結部材25は、その上端面が塞がれる一方、その下端面が開口している。このため、連結部材25の内部空間は、バルーン20の外部空間と連通している。連結部材25の内部空間には空気が存在し、この内部空間の圧力は大気圧と実質的に等しい。
上述したように、バルーン20は、上下方向に延びる中心軸Pを対称軸とした回転対称性を有する形状に形成されている。また、バルーン20のガス空間21に充填されたヘリウム等のガスは、ガス空間21の全体に均一に存在する。このため、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の作用点(浮力中心)は、実質的にバルーン20の中心軸P上に位置する。
図4に示すように、バルーン20は、バルーン20の上部に配置されガスを封入するための封入口27を塞ぐ蓋部26を有する。封入口27は、蓋部26により開放されている状態(図4の拡大図の破線の状態)において、バルーン20の外部の空間と内部のガス空間21とを連通する開口である。蓋部26および封入口27は、図5に示すように、バルーン20の上面視において、ロータユニット30を囲う仮想的な外接円CCよりも外側に配置されていてもよい。なお、外接円CCは、4つの通気孔22の外接円であってもよい。
蓋部26は、封入口27に配置される筒状の受け部26aと、受け部26aに圧入することで嵌合する凸部26bとを有する。つまり、蓋部26は、受け部26aに凸部26bが嵌合した状態となることで封入口を塞ぐ栓である。また、蓋部26は、凸部26bが受け部26aから離れることで、封入口27を開放する。蓋部26は、例えば、ポリ塩化ビニルなどの弾性を有する材料により構成されていてもよい。受け部26aおよび凸部26bは、図4の拡大図のように、互いに接続された構成であってもよいし、別体の構成であってもよい。また、蓋部26は、封入口27を塞ぐことができる構成であればよく、上記の構成に限らない。
バルーン20は、複数の通気孔22を連通する複数の連通部28を有する。複数の連通部28は、具体的には、バルーン20の上面視における中央に配置される連結部材25の内方の空間と複数の通気孔22のそれぞれとを連通する筒状の部位である。複数の連通部28の内方には、それぞれ固定部材50の一部が配置されている。つまり、複数の連通部28は、固定部材50の一部が配置されるための空間を形成している。
また、バルーン20は、連結部材25の下端が開口となっており、搭載機器を収納可能な大きさの凹部29を有する。
また、バルーン20の複数の通気孔22のそれぞれの上端部及び下端部には、通気孔22の上部及び下部に物体が接触しても当該通気孔22内に設けられたロータユニット30への接触を抑制するための保護ネット62、63がそれぞれ設けられていてもよい。
バルーン20の内容積(即ち、ガス空間21の容積)は、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の大きさが、飛行体10の総重量よりも若干小さくなるように設
定されている。このため、上空でロータユニット30が停止した場合、飛行体10は、ゆっくりと下降する。
[ロータユニット]
次に、ロータユニット30について説明する。
図2、図3及び図7に示すように、ロータユニット30は、プロペラ32と、モータ33とを備えている。図7は、通気孔の断面の拡大図である。なお、図7で示す通気孔22の構成は、4つの通気孔22のそれぞれにおいて同様の構成である。
モータ33は、後述する固定部材50の複数のアーム部52のそれぞれに取付けられている。プロペラ32は、モータ33の出力軸に取付けられている。なお、ロータユニット30は、同一の回転軸において互いに逆回転する2枚のプロペラ32を有してもよい。つまり、ロータユニット30は、二重反転プロペラを有してもよい。
ロータユニット30は、各通気孔22に1つずつ配置されている。このロータユニット30は、プロペラ32の回転軸が実質的に鉛直方向となる姿勢で設置されている。プロペラ32の回転軸は、通気孔22の中心軸Qと実質的に一致している。ロータユニット30は、通気孔22の上下方向の中央部に配置されている。つまり、図3に示すように、ロータユニット30は、バルーン20の上下方向の中心とオーバーラップするように配置される。ロータユニット30の外径は、通気孔22の上下方向の中央部の内径と概ね等しい。
ロータユニット30は、通気孔22の内部にロータユニット30の全高さが収まるように配置されている。つまり、複数のロータユニット30のそれぞれは、上下方向の高さに亘って、当該ロータユニット30の側方がバルーン20によって覆われている。なお、上下方向とは、飛行体10が傾いていない水平な姿勢における上下方向である。つまり、上下方向は、ロータユニット30の回転軸方向に略平行である。
また、通気孔22には、図7に示すように、上下方向においてロータユニット30とは異なる位置に、ロータユニット30の外径以上の外径の環状部材34、35が配置されている。環状部材34、35は、例えば、通気孔22の上下方向における中心の位置Mから、ロータユニット30の上側および下側のそれぞれに通気孔22の上下方向における高さHの1/4の高さH/4までの間の範囲に配置されている。
環状部材34は、ロータユニット30よりもロータユニット30が発生させる気流の上流側に配置される。つまり、環状部材34は、通気孔22の内方において、ロータユニット30よりも上方に配置される。また、環状部材35は、ロータユニット30よりもロータユニット30が発生させる気流の下流側に配置される。つまり、環状部材35は、通気孔22の内方において、ロータユニット30よりも下方に配置される。環状部材34は、上流側環状部材の一例であり、環状部材35は、下流側環状部材の一例である。
環状部材34、35のそれぞれは、円環状で高さ方向に幅を有する筒状の部材である。環状部材34、35の外径d11は、ロータユニット30の外径d21以上である。なお、ロータユニット30の外径d21は、例えば、プロペラ32の直径(つまり、プロペラ32が回転したときのプロペラ32の回転面の直径)である。環状部材34、35の外径d11は、通気孔22の内径(例えば、バルーン20を所定の気圧になるまで膨らませた状態での通気孔22の内径)よりも大きくてもよい。環状部材34、35は、第1環状部材の一例である。
また、通気孔22には、プロペラ32の側方を覆う環状部材36が配置されている。環状部材36は、円環状で高さ方向に幅を有する筒状の部材である。つまり、環状部材36は、プロペラ32の軸方向に直交する全方向を覆う部材である。環状部材36は、第2環状部材の一例である。
なお、環状部材34〜36は、例えば、ロータユニット30を支持するアーム部52よりも比重が小さい、軽量で所定の強度を有する材料により構成される。環状部材34〜36は、例えば、発泡スチロール、マイクロラティス、グラフェンエアロゲルなどの材料により構成される。
また、環状部材34、35の内径d12は、環状部材36の内径d22以上である。
環状部材34、35は、通気孔22に対して着脱自在に配置されている。
通気孔22は、ロータユニット30の上下方向の中心の位置から、上下方向のそれぞれにおいて、ロータユニット30の半径以上の高さを有することがより好ましい。これにより、ロータユニット30に対して衝撃が加えられたり、ロータユニット30が故障したりすることで、ロータユニット30のプロペラ32の回転軸が飛行体10に対して90度回転した状態となったとしても、ロータユニット30が通気孔22の外に飛び出すことを低減できる。よって、バルーン20は、ロータユニット30の側方を、ロータユニット30が物体に接触し難い程度に覆うことができる。
[搭載機器]
上述したように、飛行体10には、制御器41、バッテリ42及びカメラ43が、搭載機器として設けられている。
撮影用のカメラ43は、固定部材50の本体部51の上面に支持部材44を介して取付けられている。カメラ43は、例えば、全天球カメラであり、飛行体10の上方の周囲を撮像する。このため、飛行体10は、例えば、マンション、映画館、劇場、体育館、ドーム球場などの屋内の構造物または設備を、カメラ43を用いて撮像することで、高所に人が移動することなく、当該構造物または当該設備を点検することに利用することができる。
制御器41及びバッテリ42は、保持部54に保持されている。制御器41は、複数のロータユニット30の動作を制御する装置である。本実施の形態では、制御器41は、操作者が操作している操作端末としての無線操作装置から発信された指示信号を受信する図示しない受信機を有していてもよい。制御器41は、受信機が受信した指示信号に基づいて、ロータユニット30及びカメラ43の制御を行う。また、制御器41は、カメラ43が撮影した映像の送信等も行う。
なお、上記機能を有する制御器41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、通信インタフェース、及び、I/Oポート等を備えるコンピュータによって実現される。
バッテリ42は、ロータユニット30、制御器41、及びカメラ43へ電力を供給する。
また、飛行体10は、カメラ43備えていなくてもよい。また、スピーカ、またはディスプレイパネルなど、他の種類の機器が飛行体10に備えられてもよい。つまり飛行体10は、ロータユニット30等の、基本的な飛行機能を実現するための機器を備えていればよく、カメラ43等の、実質的には飛行に関与しない機器については、例えばユーザの要望に応じて適宜備えられればよい。
[固定部材]
固定部材50は、複数のロータユニット30を、上面視における所定の位置、かつ、複数のロータユニット30の回転軸が上下方向に略平行になる姿勢で固定する部材である。固定部材50は、具体的には、本体部51と、4本のアーム部52と、保持部54とを有する。固定部材50は、所定の剛性を有する剛体であり、例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)により構成される。固定部材50は、CFRPに限らずに、金属、樹脂などにより構成されていてもよい。
本体部51は、連結部材25の内方の空間に設けられ、上部に底が形成された有底円筒形状の部材である。つまり本体部51は、内方に空間を有する。
4本のアーム部52は、本体部51の側面に固定されており、本体部51の側面から互いに異なる4つの方向に向かって延びる筒状部材である。ここで、異なる4つの方向とは、連結部材25の内方の空間から複数の通気孔22に向かう方向と同じ方向である。4本のアーム部52は、それぞれ、バルーン20における複数の連通部28の内方に配置されている。ここで、複数の連通部28の内方とは、連通部28が有する筒状の形状の内方であり、ガス空間21の外方である。
4本のアーム部52は、それぞれ4つのロータユニット30の回転軸が上下方向に略平行な姿勢で、4つのロータユニット30を固定する先端部52aを有する。具体的には、先端部52aには、ロータユニット30のモータ33の下部が固定されている。つまり、先端部52aは、ロータユニット30のプロペラ32およびモータ33を支持する支持部材の一例である。
保持部54は、制御器41、バッテリ42などの搭載機器を保持する部材である。保持部54は、本体部51の下部に固定されており、本体部51の下方に配置されている。つまり、保持部54は、ロータユニット30よりも下方に配置されている。
なお、本体部51には、4本のアーム部52が固定されている部分に内方の空間と連通する貫通孔が設けられており、本体部51の内方の空間と、4本のアーム部52の内方の
空間とは、互いに連通している。4本のアーム部52の内方の空間には、バッテリ42からの電力を複数のロータユニット30に供給するための電気配線(図示せず)が収納されている。つまり、4本のアーム部52は、電気配線を収納するための配管としても機能する。
なお、固定部材50は、複数の連通部28において複数のアーム部52がガス空間21からの圧力を受けることにより、バルーン20に支持される構成であってもよいし、本体部51が連結部材25の所定の位置で固定されている構成であってもよい。つまり、固定部材50は、バルーン20に対して所定の位置で固定されていれば、どのような方式で固定されていてもよい。
また、保持部54は、搭載機器の他に、重りを収容する収容部55を支持していてもよい。つまり、飛行体10は、さらに、収容部55を備えていてもよい。収容部55は、箱状の形状を有しており、金属製(例えば鉛、銅、合金など)の重りを収容することができる空間を有している。なお、重りは金属製に限らずに、非金属製の重り(砂など)であってもよい。重りは、所定の重量単位(例えば、1〜10gなど)で飛行体10の総重量を調整ができるようなものである。
バルーン20は、伸縮性がある素材で構成されるため、ガス空間21に充填されるガスの量(つまりガス空間21の容積)の設定が難しい。このため、バルーン20のガス空間21にガスを充填するまで、ガスによって得られる浮力の大きさを誤差なく推測することは困難である。
よって、収容部55を設けることにより、バルーン20のガス空間21にガスを充填した後に、収容部55に重りを追加したり、収容部55から重りを取り除いたりすることで飛行体10の総重量を調整することができる。これにより、実施の形態1で述べたように、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の大きさが飛行体10の総重量よりも若干大きくなるように、飛行体10の総重量を調整することが容易にできる。なお、バルーン20は、充填されたガスによって得られる浮力の大きさが、バルーン20のガス空間21の容積のばらつきがあったとしても、飛行体10の重りが収容部55に収容されていない状態の総重量よりも常に大きくなるように設定されている。
また、4本のアーム部52には、それぞれ、複数の電圧調整部53が設けられている。複数の電圧調整部53のそれぞれは、対応するアーム部52に配置されたロータユニット30が有するモータ33を駆動させる電力の電圧を調整するアンプである。複数の電圧調整部53は、それぞれ、複数の通気孔22の中に配置されている。
[飛行体の飛行姿勢]
上述したように、飛行体10では、制御器41及びバッテリ42等の搭載機器が、連結部材25の内部空間の下端部に配置されている。つまり、比較的重量の大きな搭載機器が、飛行体10の下部に集中して設置されている。その結果、飛行体10全体の重心は、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の作用点よりも下方に位置する。このため、ロータユニット30が停止した状態でも、飛行体10は、横転または上下反転等することなく、カメラ43が上方を向いた姿勢に維持される。
また、比較的重量の大きな搭載機器は、ロータユニット30よりも下方に配置されている。その結果、飛行体10全体の重心は、ロータユニット30の動作によって得られる浮力の作用点よりも下方に位置する。このため、ロータユニット30の作動中においても、飛行体10は、カメラ43が上方を向いた姿勢に維持される。
飛行体10は、複数のロータユニット30を備えている。このため、飛行体10を概ね水平方向へ移動させる場合は、移動方向とは反対側に位置するロータユニット30の回転速度を、移動方向に位置するロータユニット30の回転速度よりも高くすることによって、水平方向への推進力を高めることができる。
なお、「ロータユニット30の回転速度」とは、ロータユニット30が有するプロペラ32の回転速度(単位時間当たりのプロペラ32の回転数)のことを意味する。
[飛行体の製造方法]
次に、飛行体10の製造方法について説明する。
図8〜図10は、実施の形態に係る飛行体の製造方法の流れを示す図である。
製造方法は、組み立て工程と、封入工程と、固定工程と、挿入工程とを含む。以下、図8〜図10を用いて、各工程について説明する。
組み立て工程では、図8の(a)に示すように、バルーン20と、ロータユニット30と、搭載機器のうちの制御器41及びバッテリ42と、固定部材50とを所定の位置関係となるように配置する。組み立て工程では、例えば、バルーン20の連結部材25および連通部28に、それぞれ、固定部材50の本体部51および4つのアーム部52を配置した状態で、4つのロータユニット30を4つのアーム部52に固定する。なお、組み立て工程では、バルーン20のガス空間21の内方にはガスが封入されていない。
また、組み立て工程において、バルーン20、ロータユニット30および固定部材50は、上下反転された状態で組み立てられてもよいし、組み立て工程が終わった後に、バルーン20にガスが封入前の飛行体10が上下反転された状態で床などに配置されてもよい。つまり、封入工程の前の段階では、バルーン20にガスが封入されていない上下反転された飛行体10が上下反転された状態で床などに載置される。
次に、封入工程では、図8の(b)に示すように、バルーン20に、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスを封入する。より具体的には、バルーン20の上部が下向きになるようにバルーン20を配置した状態で、下向きとなった封入口27からバルーン20にガスを封入する。例えば、ヘリウムガスが充填されているガスボンベ70から延びるホース71の先のノズル72からバルーン20にガスが封入される。ガスの封入が終えると、バルーン20の封入口27は、蓋部26により塞がれる。
次に、固定工程では、図9の(a)に示すように、ガスが封入されたバルーン20は、バルーン20の上部が上向きになるように飛行体の向きを上下反転させる。そして、図9の(b)に示すように、バルーン20の上方にカメラ43が配置されるように、カメラ43を固定部材50に固定する。
最後に、挿入工程では、図10の(a)に示すように、各通気孔22に環状部材34、35を挿入する。具体的には、ガスが封入された後のバルーン20の通気孔22に、上下方向においてロータユニット30とは異なる位置に、環状部材34、35を挿入する。これにより、図10の(b)に示すように、飛行体10が完成する。
[実施の形態1の効果等]
本実施の形態における飛行体10は、プロペラ32、および、プロペラを駆動するモータを有するロータユニット30と、ロータユニット30の高さ方向に亘って、ロータユニット30の側方を覆い、かつ、ガスが封入されるバルーン20と、を備え、バルーン20は、バルーン20を上下方向に貫通し、内部にロータユニット30が配置される通気孔22を有し、通気孔22には、上下方向においてロータユニット30とは異なる位置に、ロータユニット30の外径d21以上の外径d11の環状部材34、35が配置されている。
これによれば、通気孔22の上下方向においてロータユニット30とは異なる位置に、ロータユニット30の外径d21以上の外径d11の環状部材34、35が配置されているため、ロータユニット30の上方または下方において、通気孔22を構成する生地が弛むことを抑制することができる。このため、バルーン20の生地が通気孔22を狭めることを低減でき、ロータユニット30による気流を安定させることができる。よって、安定した飛行制御を行うことができる。
また、本実施の形態において、通気孔22には、プロペラ32の側方を覆う環状部材36が配置されており、環状部材34、35の内径d12は、環状部材36の内径d22以上である。
このため、ロータユニット30を通過する風路の断面積以上の断面積を、通気孔22のロータユニット30とは異なる位置で確保することができる。これにより、通気孔22を流れる気流の風量をより大きくすることができ、ロータユニット30による気流を安定させることができる。
また、本実施の形態において、環状部材34、35は、ロータユニット30よりもロータユニット30が発生させる気流の上流側に配置される上流側環状部材である環状部材34を有する。
このため、バルーン20の弛んだ生地が気流に巻き込まれやすい、通気孔22におけるロータユニット30よりも上流側の位置で、通気孔22を構成する生地が弛むことを抑制することができる。このため、バルーン20の生地が通気孔22を狭めることを低減でき、ロータユニット30による気流を安定させることができる。
また、本実施の形態において、環状部材34、35は、さらに、ロータユニット30よりも気流の下流側に配置される下流側環状部材である環状部材35を有する。
このため、通気孔22におけるロータユニット30よりも上流側の位置だけでなく下流側の位置でも、通気孔22を構成する生地が弛むことを抑制することができる。このため、バルーン20の生地が通気孔22を狭めることを低減でき、ロータユニット30による気流をより安定させることができる。
また、本実施の形態において、環状部材34、35は、通気孔22に対して着脱自在に配置されている。
このため、バルーン20にガスを封入する作業において、一定量のガスがバルーンの中から放出されてしまった後に環状部材34、35を通気孔22のロータユニット30とは異なる位置に配置することができる。よって、通気孔22を構成する生地の弛みを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態において、環状部材34、35は、通気孔22の上下方向における中心から、ロータユニット30の上側または下側に通気孔22の上下方向における高さHの1/4の高さH/4までの間の範囲に配置されている。
これによれば、環状部材34、35は、通気孔22の端部よりもロータユニット30に近い位置に配置されるため、ロータユニット30の近い位置における通気孔22を構成する生地の弛みを抑制することができる。このため、気流による影響が大きいロータユニット30に近い位置において生地が巻き込まれることにより通気孔22が狭まることを抑制することができ、通気孔22が狭まることを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態において、ロータユニット30は、さらに、プロペラ32およびモータ33を支持する支持部材としての固定部材50のアーム部52を有し、環状部材34、35は、アーム部52よりも比重が小さい材料により構成されている。
これによれば、軽い材料で環状部材34、35を構成するため、飛行体10の飛行制御を効果的に安定させることができる。
また、本実施の形態において、環状部材34、35は、発泡スチロール、マイクロラティス、グラフェンエアロゲルのいずれかにより構成されている。
これによれば、軽く、かつ、所定の強度を有する材料で環状部材34、35を構成するため、飛行体10の飛行制御を効果的に安定させることができる。
また、本実施の形態において、ガスは、空気よりも密度の軽い物質で構成されている。
このため、飛行体10の重量を軽くすることができ、飛行体10の飛行に要するロータユニット30により得られる推力を小さくすることができる。よって、ロータユニット30による消費エネルギーを低減することができる。
本実施の形態における飛行体10は、プロペラ32、および、プロペラ32を駆動するモータ33を有するロータユニット30と、ロータユニット30の高さ方向に亘って、ロータユニット30の側方を覆い、かつ、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスが封入されるバルーン20と、を備え、バルーン20は、バルーン20を上下方向に貫通し、内部にロータユニット30が配置される通気孔22と、バルーン20の上部に配置されガスを封入するための開口としての封入口27を塞ぐ蓋部26と、を有する。
これによれば、バルーン20の上部にガスを封入するための封入口27を塞ぐ蓋部26を配置しているため、飛行している状態の飛行体10を下から見る人に対して、蓋部26の存在が目立たないようにすることができる。また、バルーン20を上下反転させた状態で、バルーン20にガスを封入する作業を行うことで、バルーン20の下側からガスを封入することができる。よって、空気中で上昇しやすい空気よりも密度の小さいガスが漏れることを効果的に低減することができる。
また、本実施の形態において、さらに、ロータユニット30よりも下方に配置され、機器を保持する保持部54を備える。
これによれば、保持部54は、ロータユニット30よりも下方に配置されるため、ロータユニット30よりも下方に突出する。このため、バルーン20にガスが封入される前の状態で、保持部54がロータユニット30よりも下側となる向きで飛行体を床面に載置すると、安定した状態で飛行体を載置することが難しい。よって、バルーン20を上下反転させた状態で、バルーン20にガスを封入する作業を行うことで、飛行体を破損させることなく容易にガスを封入することができる。
また、本実施の形態において、蓋部26は、バルーン20の上面視において、ロータユニット30を囲う仮想的な外接円CCよりも外側に配置される。
このため、バルーン20を上下反転させた状態でガスを封入する作業を行う場合に、ガスを封入するためのノズルを蓋部26で塞がれている封入口27に容易に挿入することができる。また、ガスボンベ70から延びるホース71が通気孔22の中のロータユニット30に接触することを防ぎ、ホース71に不具合が生じることを低減することができる。
また、本実施の形態において、バルーン20は、上下に扁平である。
このため、飛行中の飛行体10がバルーン20の対称軸(中心軸P)に対して傾きにくくなり、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。
また、本実施の形態において、ロータユニット30と、ロータユニット30が設けられた通気孔22とは、バルーン20の周縁寄りの部分に配置されている。
このため、飛行体10では、複数のロータユニット30の間隔を確保することができる。従って、本実施の形態によれば、複数のロータユニット30の間隔を確保することによって、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。
また、本実施の形態において、バルーン20は、中心部から周縁部へ向かうに従ってバルーン20の高さが次第に低くなっている。
このため、バルーン20は、側方から見た形状が流線形状となる。従って、本実施の形態によれば、飛行体10が飛行中に受ける空気抵抗を抑えることができる。更に、バルーン20の上下方向に延びる中心軸まわりに複数の通気孔22が互いに所定の角度間隔で配置されている場合は、バルーン20の比較的高さの低い位置に通気孔22が形成されるため、通気孔22の長さを比較的短く抑えることができる。通気孔22の長さが短くなるほど、通気孔22を通過する際の空気の圧力損失は小さくなる。従って、この場合には、通気孔22を通過する空気の流量を充分に確保することができ、その結果、ロータユニット30によって得られる推進力を充分に確保することができる。
また、本実施の形態において、バルーン20の中心部には、一端がバルーン20の上部に接合され、他端がバルーン20の下部に接合される連結部材25が設けられる。
つまり、バルーン20の中心部において、バルーン20の上部と下部とが連結部材25を介して連結される。このため、バルーン20を所望の形状、例えば、扁平形状に維持しやすくなる。バルーン20の形状が安定すると、バルーン20に形成された通気孔22の形状も安定し、実際の通気孔22の形状を設計時に想定した形状に近づけることが容易にできる。このため、通気孔22を通過する空気の流量を充分に確保することができ、その結果、ロータユニット30によって得られる推進力を充分に確保することができる。また、バルーン20に形成された通気孔22の形状を安定させることによって、各通気孔22の形状を実質的に一致させ易くなる。このため、各通気孔22を通過する空気の流量の均一化が図られ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。
また、本実施の形態において、連結部材25は、筒状に形成されている。
このため、バルーン20の上部と下部とは、それぞれの中心部の領域(即ち、バルーン20の中心軸Pを囲う領域)が、当該中心部の領域の全周に亘って筒状の連結部材25を介して連結される。従って、本実施の形態によれば、バルーン20を、所望の形状に維持することが一層容易にできる。
また、本実施の形態において、連結部材25は、その内部空間がバルーン20の外部と連通している。
このため、連結部材25の内部空間には、ヘリウムガス等の浮力を生じさせるためのガスではなく、空気が存在する。
また、本実施の形態において、通気孔22は、上下方向の中央部から上端部へ向かうに従い次第に断面積が拡大し、且つ上下方向の中央部から下端部へ向かうに従い次第に断面積が拡大する形状とである。
通気孔22をこのような形状に形成すると、空気が通気孔22へ流入する際の圧力損失と、空気が通気孔22から流出する際の圧力損失とを低く抑えることができる。このため、ロータユニット30による風量が小さくても、通気孔22を通過する空気の流量を充分に確保することができ、その結果、ロータユニット30によって得られる推進力を充分に確保することができる。よって、同じ推進力をえるためにロータユニット30により消費されるエネルギーを低減することができる。
また、本実施の形態において、バルーン20は、中心部から周縁部へ向かうに従い高さが次第に低くなる形状であり、通気孔22は、バルーン20の周縁部寄りの高さhが、バルーン20の中心部寄りの高さHよりも低い。
このため、バルーン20の各通気孔22では、バルーン20の周縁部寄りの方向から通気孔22へ向かって空気が流入すると共に、通気孔22からバルーン20の周縁部寄りの方向へ空気が吹き出される。その結果、各通気孔22へ流入する空気の流れが互いに干渉しにくくすることができ、かつ、各通気孔22から流出した空気の流れが互いに干渉しにくくすることができる。従って、本実施の形態によれば、各通気孔22へ出入りする空気流が干渉することによる乱流の発生を抑えることができ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。
また、本実施の形態において、ロータユニット30は、通気孔22の上下方向の中央部に配置される。即ち、ロータユニット30は、バルーン20の上下方向の中央面とオーバーラップするように配置される。
このため、通気孔22の上端からロータユニット30へ向かう気流と、ロータユニット30から通気孔22の下端へ向かう気流とのそれぞれを安定させることができ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。
また、本実施の形態において、通気孔22は、バルーン20の上下方向に延びる中心軸Pまわりに互いに所定の角度間隔で配置されている。
このように、バルーン20の中心軸Pまわりに所定の角度間隔をおいて配置された複数のロータユニット30が下方へ空気を吹き出すため、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。
また、本実施の形態において、バルーン20は、上下方向に延びる直線を対称軸とした回転対称性を有する形状に形成されている。
このため、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の作用点を、バルーン20の対称軸(即ち、中心軸P)上に位置させることができる。このため、飛行中における飛行体10の傾き(バルーン20の中心軸Pの上下(鉛直)方向に対する傾き)を抑えることができ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることが可能となる。
また、本実施の形態において、バルーン20の上面視における周縁は、通気孔22と同数ずつの基準曲線部23と基準曲線部23よりも曲率半径の小さい小曲率半径部24とが交互に配置された形状を有し、小曲率半径部24は、各通気孔22の外側に1つずつ配置
されている。
ここで、バルーン20の上面視における周縁部では、通気孔22に近い領域に作用する張力が、通気孔22から離れた領域に作用する張力よりも小さくなる傾向がある。これは、バルーン20のうち通気孔22の壁面を構成する部分に張力が作用するからだと推測される。バルーン20に作用する張力が局部的に小さくなると、作用する張力の小さい部分に皺が形成され易くなる。
これに対し、本実施の形態では、バルーン20の上面視における周縁を、通気孔22に近い領域の曲率半径が通気孔22から離れた領域の曲率半径よりも小さくなる形状としている。このため、バルーン20の上面視における周縁部において、通気孔22に近い領域に作用する張力と通気孔22から離れた領域に作用する張力との差を縮小できる。従って、本実施の形態によれば、バルーン20の皺を未然に防ぐことができ、バルーン20の美観を保つことが可能となる。
また、本実施の形態において、連結部材25の内部空間には、ロータユニット30を制御する制御器41とロータユニット30へ電力を供給するバッテリ42とを少なくとも含む搭載機器が収容される。
連結部材25の内部空間は、バルーン20の外部空間と連通している。このため、ヘリウムガス等の浮力を生じさせるためのガスをバルーン20から排出することなく、連結部材25の内部空間に配置されたバッテリ42の交換等の保守作業を行うことができる。
また、本実施の形態において、搭載機器は、連結部材25の内部空間の下端部に配置されている。
このため、飛行体10の重心の位置を低くすることが可能となり、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。
また、本実施の形態における飛行体10の製造方法は、(i)プロペラ32、および、プロペラ32を駆動するモータ33を有するロータユニット30と、(ii)上下方向に貫通し、内部にロータユニット30が配置される通気孔22を有するバルーン20とを、ロータユニット30およびバルーン20が所定の位置関係となるように配置する組み立て工程と、バルーン20に、ガスを封入する封入工程と、ガスが封入された後のバルーン20の通気孔22に、上下方向においてロータユニット30とは異なる位置に、ロータユニット30の外径d21以上の外径d11の環状部材34、35を挿入する挿入工程と、を含む。
このため、バルーン20にガスを封入する封入工程の後に、環状部材34、35を挿入する挿入工程が行われるため、一定量のガスがバルーン20の中から放出されてしまった後に環状部材34、35を通気孔22のロータユニット30とは異なる位置に配置することができる。つまり、バルーン20の生地が通気孔22において弛んだ状態であっても、ロータユニット30の外径d21以上の外径d11の環状部材34、35を挿入するため、生地が弛んだ通気孔22を環状部材34、35によって内側に狭まらないように外側に押し広げることができる。よって、通気孔22を構成する生地の弛みを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態における飛行体10の製造方法は、プロペラ32、および、プロペラ32を駆動するモータ33を有するロータユニット30と、上下方向に貫通し、内部にロータユニット30が配置される通気孔22、および、バルーン20の上部に配置されガスを封入するための開口である封入口27を塞ぐ蓋部26を有するバルーン20とを所定の位置関係となるように配置する組み立て工程と、バルーン20の上部が下向きになるようにバルーン20を載置した状態で、下向きとなった封入口27からバルーン20に、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスを封入する封入工程と、を含む。
これによれば、バルーン20を上下反転させた状態で、バルーン20にガスを封入する作業を行うことで、バルーン20の下側からガスを封入することができる。よって、空気中で上昇しやすい空気よりも密度の小さいガスが漏れることを効果的に低減することができる。
また、本実施の形態において、さらに、ガスが封入されたバルーン20の上部が上向きになるように飛行体の向きを上下反転させた後に、バルーン20の上方にカメラ43を固定する固定工程を含む。
このように、バルーン20を上下反転させた状態で床面に飛行体を載置することを難しくする構造物である、バルーン20の上方に配置されるカメラ43を後から固定するため、バルーン20へのガスの封入作業を容易に行うことができる。
[変形例]
上記実施の形態に係る飛行体10は、4つのロータユニット30を備えており、バルーン20は、4つのロータユニット30に対応する4つの通気孔22を有するとしたが、ロータユニット30の数および通気孔の数はこれに限らない。例えば、1以上のロータユニット30と、1以上のロータユニット30を収容する1以上の通気孔22を有するバルーンとにより構成される飛行体を採用してもよい。
また、上記実施の形態では、固定部材50を備える構成であったが、固定部材50を備えていない構成としてもよい。この場合、複数のロータユニット30は、通気孔22に直接固定される。また、バルーンには、複数の連通部28が形成されていない構成となる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、複数のロータユニットと緩衝体とを備えた飛行体について有用である。
10 飛行体
20 バルーン
21 ガス空間
22 通気孔
23 基準曲線部
24 小曲率半径部
25 連結部材
26 蓋部
26a 受け部
26b 凸部
27 封入口
28 連通部
29 凹部
30 ロータユニット
32 プロペラ
33 モータ
41 制御器
42 バッテリ
43 カメラ
50 固定部材
51 本体部
52 アーム部
52a 先端部
53 電圧調整部
54 保持部
55 収容部
62、63 保護ネット
70 ガスボンベ
71 ホース
72 ノズル
d11 外径
d12 内径
d21 外径
d22 内径

Claims (5)

  1. プロペラ、および、前記プロペラを駆動するモータを有するロータユニットと、上下方向に貫通し、内部に前記ロータユニットが配置される通気孔、および、上部に配置されガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部を有するバルーンとを所定の位置関係となるように配置する組み立て工程と、
    前記バルーンの上部が下向きになるように前記バルーンを載置した状態で、下向きとなった前記開口から前記バルーンに、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスを封入する封入工程と、を含む
    飛行体の製造方法。
  2. さらに、
    前記ガスが封入された前記バルーンの上部が上向きになるように前記飛行体の向きを上下反転させた後に、前記バルーンの上方にカメラを固定する固定工程を含む
    請求項1に記載の飛行体の製造方法。
  3. プロペラ、および、前記プロペラを駆動するモータを有するロータユニットと、
    前記ロータユニットの高さ方向に亘って、前記ロータユニットの側方を覆い、かつ、空気よりも密度の小さい物質で構成されるガスが封入されるバルーンと、を備え、
    前記バルーンは、
    前記バルーンを上下方向に貫通し、内部に前記ロータユニットが配置される通気孔と、
    前記バルーンの上部に配置され前記ガスを封入するための開口を塞ぐ蓋部と、を有する
    飛行体。
  4. さらに、
    前記ロータユニットよりも下方に配置され、機器を保持する保持部を備える
    請求項3に記載の飛行体。
  5. 前記蓋部は、前記バルーンの上面視において、前記ロータユニットを囲う仮想的な外接円よりも外側に配置される
    請求項3または4に記載の飛行体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021133040A (ja) * 2020-02-28 2021-09-13 株式会社大一商会 遊技機
WO2022034681A1 (ja) * 2020-08-14 2022-02-17 イームズロボティクス株式会社 水上離発着可能な無人飛行体

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