JP2020032416A - 透気シートを使用した廃水処理装置 - Google Patents

透気シートを使用した廃水処理装置 Download PDF

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良和 石井
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Abstract

【課題】気体供給体を保持する供給体ユニットが水槽内に設置される廃水処理装置であって、水槽の内面と供給体ユニットとの間の空間を小さく抑えることのできる廃水処理装置を提供する。【解決手段】本発明の廃水処理装置は、水槽2と、供給体ユニット3と、固定手段4とを備える。水槽2は、底壁5と、底壁5から上方へ延びる周壁6とを備える。周壁6の内側には、廃水Wが貯留されるとともに、供給体ユニット3が配置される。供給体ユニット3は、気体供給体10を1以上保持するものである。気体供給体10は、内部に気体が供給される中空の構造体であって、透気シートによって壁が構成されている。固定手段4は、供給体ユニット3の水槽2に対する固定が、水槽2の外部からの操作により行われるように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、微生物を利用した廃水処理装置に関する。
我が国では、廃水処理方法として、好気性微生物の働きを利用して、廃水中の有機物等(有機物や窒素化合物等)を分解する活性汚泥法が多く利用されている。
上記の活性汚泥法とは別の廃水を処理する装置として、廃水を貯留する水槽内に気体供給体を設置する装置が提案されている。気体供給体は、上端部に開口を有する中空の構造体であり、気体供給体の壁は、透気シートによって構成されている(例えば特許文献1)。上記の気体供給体を備える廃水処理装置によれば、開口から気体供給体の内部に供給された気体が、透気シートを透過して廃水中に供給されることで、廃水中の微生物が活性化して、当該微生物の活動により廃水が浄化される。
近年では、複数の気体供給体を短時間で水槽に設置するために、複数の気体供給体を保持する供給体ユニットを製作して、当該供給体ユニットを水槽に設置することが行われている。そして供給体ユニットを水槽に設置する際には、水槽の内部に入った作業員により、供給体ユニットを水槽の底壁にボルトで締結する作業が行われている。
特許第4680504号公報
ところで上記のように、水槽の内部に入った作業員により、供給体ユニットの固定作業を行う場合には、水槽の内面と供給体ユニットとの間に、作業員が入るための空間(以下、作業空間)を確保する必要があった。そしてこの場合には、廃水処理装置の運転時に、作業空間に存在する廃水に空気が供給されにくいことで、作業空間に存在する廃水が嫌気的に分解されることがあった。このため、臭気が発生したり、槽内のpHが不安定になったり、メタン等の温室効果ガスが発生したりするなどの問題が生じていた。また上記の作業空間が存在することで、廃水処理装置の容積負荷を高めること(水槽の面積を抑制しつつ、多くの気体供給体を水槽内に設置すること)が困難になるという問題も生じていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、気体供給体を保持する供給体ユニットが水槽内に設置される廃水処理装置であって、水槽の内面と供給体ユニットとの間の空間を小さく抑えることのできる廃水処理装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.底壁と、前記底壁から上方へ延びる周壁とを有し、微生物を含む廃水が貯留される水槽と、
前記周壁の内側に配置され、気体供給体を1以上保持する1又は複数の供給体ユニットと、
少なくとも一つの前記供給体ユニットを前記水槽に対して固定する固定手段と、
を備え、
前記気体供給体は、内部に気体が供給される中空の構造体であって、透気シートによって壁が構成されており、
前記固定手段は、前記供給体ユニットの前記水槽に対する固定が、前記水槽の外部からの操作により行われるように構成されている、
廃水処理装置。
項2.前記固定手段は、前記少なくとも一つの供給体ユニットを、当該供給体ユニットに隣接し前記水槽に固定された他の供給体ユニット又は前記水槽に対して、前記水槽の外部からの操作により接続することで固定する、
項1に記載の排水処理装置。
項3.前記供給体ユニットの質量は、前記供給体ユニットと同一の体積を有する水の質量よりも小さく、
前記固定手段による固定で、前記供給体ユニットは、浮上せず、定位置に止められる、項1又は項2に記載の廃水処理装置。
項4.前記固定手段として、締結板を備え、
前記水槽の外部からの操作で、前記供給体ユニットを前記周壁の内側に投入し、且つ、前記締結板の一端を前記周壁に締結し、前記締結板の他端を前記供給体ユニットに締結することで、前記締結板を介して前記供給体ユニットが前記周壁に固定される項1〜3のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
項5.前記固定手段は、前記水槽の外部からの操作により、或いは前記重力の作用により、動きを生じるものであり、前記水槽と前記供給体ユニットとのいずれか一方に設けられ
前記水槽の外部からの操作で、前記供給体ユニットを前記周壁の内側に投入した状態で、前記固定手段に動きが生じることで、前記固定手段の当接部が、前記水槽と前記供給体ユニットとの他方が備える被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される項1〜3のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
項6.前記固定手段として、傾動部材を備え、
前記傾動部材は、その一端側を支点にして上下に傾動可能となるように、一端側が前記供給体ユニットに取り付けられており、
前記水槽の外部からの操作で、前記傾動部材の他端が前記水槽に当接するように、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入すること、或いは、
前記水槽の外部からの操作で、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入し、且つ、前記傾動部材を傾動させることで、
前記当接部としての傾動部材の他端が、前記供給体ユニットが備える前記被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、項5に記載の廃水処理装置。
項7.前記固定手段として、傾動部材を備え、
前記傾動部材は、その一端側を支点にして上下に傾動可能となるように、一端側が前記水槽に取り付けられており、
前記水槽の外部からの操作で、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入し、且つ、前記傾動部材を傾動させることで、前記当接部としての傾動部材の他端が、前記供給体ユニットが備える前記被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される項5に記載の廃水処理装置。
項8.前記固定手段として、上下方向に延びる回転軸を備え、
前記回転軸は、軸心回りに回転可能となるように、前記供給体ユニットと前記水槽とのいずれか一方に取り付けられており、
前記回転軸の所定位置には、前記当接部としての突起が形成されており、
前記供給体ユニットと前記水槽との他方には、前記突起を当接させるための前記被当接部が設けられており、
前記水槽の外部からの操作で、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入し、且つ、前記回転軸を回転させることで、前記突起が前記被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、項5に記載の廃水処理装置。
項9.前記固定手段として、フックを備え、
前記フックは、前記供給体ユニットと前記水槽との一方に設けられ、前記供給体ユニットと前記水槽との他方には、前記フックを係止させるための係止部が設けられており、 前記水槽の外部から、以下の操作A,Bのいずれか一方もしくは両方を行うことで、前記フックが前記係止部に係止されて、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、項1〜項3のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
操作A:前記廃水が貯留された前記周壁の内側に、前記供給体ユニットを投入した後、前記廃水中の前記供給体ユニットを浮き上がらせること。
操作B:前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入した後、前記供給体ユニットの位置を水平方向にずらすこと。
項10.前記フックは、湾曲部を有しており、
前記係止部は、前記供給体ユニットが備える平板或いは棒材から構成されており、
前記平板或いは棒材が前記フックの湾曲部に嵌合することで、前記フックが前記平板或いは棒材に係止された状態になる、項9に記載の廃水処理装置。
項11.前記平板或いは棒材から前記フックが抜けることを防止するために、前記平板或いは棒材には、前記平板或いは棒材の延伸方向と直交する方向に突出する突起が形成されている、項10に記載の廃水処置装置。
項12.前記フックの材質は、ステンレス、チタン、被覆したスチール、或いは、プラスチックである、項9〜11のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
項13.前記固定手段を第一固定手段とし、
前記少なくとも一つの供給体ユニットを、前記水槽に対し、前記第一固定手段で固定された部分とは別の部分で、前記水槽に対して固定する第二固定手段を更に備え、
前記第二固定手段は、ボルト締結、溶接、接着、ワイヤー、チェーン又はロープにより、前記水槽に設置された設置部材に対して前記少なくとも一つの供給体ユニットを固定している、
項4に記載の廃水処理装置。
項14.前記供給体ユニットは、1以上の前記気体供給体と、一対の第一対向部材と、上板と、下板とを有し、
前記一対の対向部材は、間隔をあけて対向配置され、
前記上板及び前記下板は、前記一対の第一対向部材の間に配置されるものであって、前記上板を介して前記一対の第一対向部材の上端部同士が連結され、前記下板を介して前記一対の第一対向部材の下端部同士が連結され、
前記上板には、下方に開口する第一溝が形成され、
前記下板には、上方に開口する第二溝が形成され、
前記第一溝に前記気体供給体の上端部が差し込まれ、前記第二溝に前記気体供給体の下端部が差し込まれることで、前記気体供給体が前記上板及び前記下板に保持される、項1〜13のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
項15.前記供給体ユニットは、1以上の前記気体供給体と、一対の第二対向部材と、第一連結部材と、第二連結部材とを備え、
前記一対の第二対向部材は、間隔をあけて対向配置され、
前記第一連結部材及び第二連結部材は、それぞれ前記一対の第二対向部材が対向する第1方向に延びるものであって、前記第一連結部材及び前記第二連結部材を介して前記一対の第二対向部材が連結され、
前記第一連結部材と前記第二連結部材とは、前記第1方向と直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、前記第一連結部材と前記第二連結部材との間において、前記気体供給体が配置されており、
前記第一連結部材には、第一貫通孔が形成され、前記第二連結部材には、第二貫通孔が形成されており、前記気体供給体は、前記第一貫通孔に通される第一ロープを用いて前記第一連結部材に締結され、前記第二貫通孔に通した第二ロープを用いて第二連結部材に締結される、項1乃至13のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
項16.前記供給体ユニットは、1以上の前記気体供給体と、第三連結部材と、第四連結部材とを備え、
前記第三連結部材及び前記第四連結部材は、第1方向に延びるものであって、前記第三連結部材と前記第四連結部材とは、前記第1方向と直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、前記第三連結部材と前記第四連結部材との間において、前記気体供給体が配置されており、
前記気体供給体に形成された第三貫通孔に、前記第三連結部材が通され、前記気体供給体に形成された第四貫通孔に、前記第四連結部材が通されることで、前記気体供給体は、前記第三連結部材及び前記第四連結部材に保持される、項1〜13のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
項17.前記供給体ユニットは、第五連結部材を更に備え、
前記第五連結部材は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に延びるものであって、前記第3方向に間隔をあけて複数配置される前記第四連結部材が前記第五連結部材を介して連結される、項16に記載の廃水処理装置。
項18.前記気体供給体は複数設けられ、
各前記気体供給体の前記第三貫通孔及び前記第四貫通孔には、それぞれ筒状のスペーサが取り付けられ、
前記複数の気体供給体の各々において、前記第三貫通孔に取り付けられた前記スペーサの内部に前記第三連結部材が通され、前記第四貫通孔に取り付けられた前記スペーサの内部に前記第四連結部材が通されていることで、前記複数の気体供給体は、それぞれ前記第三連結部材及び前記第四連結部材に保持されて、前記第1方向に並んでおり、
隣り合う2つの前記気体供給体では、前記第三貫通孔に取り付けた前記スペーサの端面同士が突き合い、且つ、前記第四貫通孔に取り付けた前記スペーサの端面同士が突き合うことで、前記隣り合う2つの気体供給体の間隔が、所定値に維持される項16又は17に記載の廃水処理装置。
項19.前記気体供給体は複数設けられ、
前記複数の気体供給体の各々において、前記第三貫通孔に前記第三連結部材が通され、前記第四貫通孔に前記第四連結部材が通されていることで、前記複数の気体供給体は、それぞれ前記第三連結部材及び前記第四連結部材に保持されて、前記第1方向に並んでおり、
隣り合う2つの前記気体供給体では、これらの間を延びる前記第三連結部材や前記第四連結部材に、筒状のスペーサが環装されていることで、前記隣り合う2つの気体供給体の間隔は、前記スペーサの幅に維持される、項16又は17に記載の廃水処理装置。
項20.前記周壁の内側には、複数の前記供給体ユニットが配列され、
隣り合って配置される2つの前記供給体ユニットは、連結ネジ棒を介して連結される、項1〜19のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
本発明の廃水処理装置によれば、水槽の外部からの操作で、供給体ユニットを水槽に固定できる。このため、供給体ユニットを固定するために、水槽の内面と供給体ユニットとの間の空間に作業員が入ることを要しない。したがって上記の空間を小さく抑えることができるので、嫌気的に分解される廃水の量を少なく抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係る廃水処理装置の平面図である。 (a)は、図1のA−A線断面図である。(b)は、図1のB−B線断面図である。 廃水処理装置に配置される気体供給体の鉛直断面図である。 図3の気体供給体を構成する気体移動層を示す斜視図である。 図3の気体供給体の製造方法の流れを示すフローチャートである。 透気シートから形成された袋の内部に気体移動層を挿入する工程を示す模式図である。 廃水中に浸漬された気体供給体の透気シートの表面に形成される微生物集合体、および微生物による少なくとも1つの有機物質または窒素源の分解について説明する模式図である。 上板や下板を拡大して示す鉛直断面図である。 第2実施形態に係る廃水処理装置の鉛直断面図である。 第2実施形態に係る廃水処理装置が備える供給体ユニットを示す正面図である。 第2実施形体の廃水処理装置が備える固定手段を拡大して示す側面図である。 第3実施形態に係る廃水処理装置の鉛直断面図である。 第3実施形体の廃水処理装置が備える固定手段を示す断面図である。 第4実施形態に係る廃水処理装置の鉛直断面図である。 第4実施形態に係る廃水処理装置の一部を拡大して示す鉛直断面図である。 第4実施形態に係る廃水処理装置が備える供給体ユニットを示す正面図である。 第4実施形体の廃水処理装置が備える固定手段を拡大して示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 供給体ユニットの変形例を示す正面図である。 変形例の供給体ユニットが備える気体供給体を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の矢印方向Aから気体供給体を見たときの側面図であり、(c)は(a)の矢印方向Bから気体供給体を見たときの側面図である。 変形例の供給体ユニットが備えるスペーサを拡大して示す側面図である。 複数の供給体ユニットが水槽内に配列された状態を示す鉛直断面図である。 (a)〜(c)は、変形例に係る廃水処理装置の概略平面図である。 (a)は、変形例に係る廃水処理装置の側方からみた断面図である。(b)は、変形例に係る(a)のA部分拡大図である。(c)は、更なる変形例に係る(a)のA部分拡大図である。(d)は、更なる変形例に係る(a)のA部分拡大図である。(e)は、更なる変形例に係る(a)のA部分拡大図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る廃水処理装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る廃水処理装置1の平面図である。図2(a)は、図1のA−A線断面図である。図2(b)は、図1のB−B線断面図である。
(廃水処理装置1)
本実施形態の廃水処理装置1は、微生物の活動により廃水を浄化する廃水処理装置である。図1や図2に示すように、廃水処理装置1は、水槽2と、供給体ユニット3と、固定手段4とを備えている。
(水槽2)
水槽2は、上方に開口する有底の容器であり、底壁5と、底壁5から上方へ延びる環状の周壁6とを備えている(図2)。周壁6の内側には、微生物を含む廃水Wが貯留されるとともに、供給体ユニット3が設置される。
図2(a)に示すように、水槽2の周壁6には、廃水Wを流入させる流入口7aと、廃水Wを流出させる流出口7bとが形成されている。廃水Wは、流入口7aから、当該流入口7aに対向する位置に配置された流出口7bに向かって、連続的、もしくは、断続的に供給される。
上記の水槽2は、セメント、ステンレス、被覆したスチール、或いはFRP(Fiber-Reinforced Plastics)などのプラスチックから形成されることが好ましい。このようにすることで、水槽2の製造コストを安価に抑えて、水槽2を高強度なものとし、腐食による水槽2の破損を防止することができる。水槽2の容積については、特に限定されないが、例えば、1m以上10,000m以下の容積であることが好ましい。
(気体供給体10)
供給体ユニット3は、短時間で気体供給体10を水槽2に設置するために製作されるものであり、1以上の気体供給体10を保持する。なお本発明において、気体供給体10とは、廃水Wに気体を供給する構造体である。気体供給体10の形状は、ユニット化が可能であれば特に限定されず、その形状は例えば平板状、中空糸状などが挙げられ、平板状の気体供給体10が巻回されたスパイラル状であってもよい。以下、供給体ユニット3に保持される気体供給体10のある特定の形態について説明する。
図3は、気体供給体10を示す鉛直断面図である。気体供給体10は、内部に気体が供給される構造体であって、図3に示すように、例えば、上端部に開口21bを有する中空の構造体とされる。気体供給体10への気体の供給は、気体の物理拡散現象により行われてもよく、あるいは、動力を用いて行われてもよい。また、気体供給体10は、透気シート21によって壁が構成されている。当該気体供給体10は、開口21bから空気が内部に供給されて、内部の空気を、透気シート21を透過して外部へ放出する。
具体的には、気体供給体10は、気体移動層12と、透気シート21とを備えており、透気シート21によって構成される袋の中に気体移動層12が配置される。前記袋は、2枚の透気シート21を重ね合わせて、これら透気シート21の3方の端部を接着したものであり、上端部(気体移動層12における気体供給側の端部)に開口21bを有している(図3の21cは、2枚の透気シート21の接着部を示している)。開口21bから気体移動層12が袋の内部に挿入されることで、気体移動層12の外周は透気シート21で覆われる。なお開口21bの位置あるいは形状は限定されず、例えば袋の各端(袋の上辺、底辺、横辺(縦のライン)も含む)の一部が開口とされてもよい。
透気シート21の高さは、200mm以上、10m以下であることが好ましい。透気シートの高さが200mmよりも小さい場合には、必要な供給体ユニット3の数が増え、廃水処理の効率が悪くなる。透気シートの高さが10mよりも大きい場合には、水圧により透気シートが破損する虞がある。
透気シート21の幅は、200mm以上、6,000mm以下であることが好ましい。透気シート21の幅が200mmよりも小さい場合には、必要な供給体ユニット3の数が増え、効率が悪くなる。透気シート21の幅が6,000mmよりも大きい場合には、供給体ユニット3の運搬が困難になる。
透気シート21の厚さは、2mm以上、100mm以下であることが好ましい。透気シート21の厚さが2mmより小さい場合には、供給体ユニット3の内部に効率よく空気を供給できなくなる。透気シート21の厚さが100mmよりも大きい場合には、水槽2の寸法を小さく抑えることが困難になる。
(気体移動層12)
図4は、気体移動層12を示す斜視図である。気体移動層12は、中空の板状部材であり、紙、樹脂、金属のいずれかから形成される。気体移動層12は、第1端部から供給された気体がA方向(図4の2点差線で示す方向)に沿って移動する気体流路Sを有する構造体である。気体移動層12では、気体流路Sの側面に流路内に通じる気体通過孔13が形成されており、開口21bから供給された気体が気体流路Sを通ると、側面の気体通過孔13から気体が放出される。
具体的には、図4に示すように、気体移動層12は、複数の芯材12aと、表ライナ12bと、裏ライナ12cと、を有している。気体移動層12の表裏面は、板状の部材である表ライナ12bや裏ライナ12cによって構成される。
複数の芯材12aは、それぞれA方向に延びるものであって、A方向と直交しかつライナ12b,12cに沿う方向に所定の間隔をあけて配列される。これら複数の芯材12aが表ライナ12bと裏ライナ12cとの間に挟み込まれることで、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間が、芯材12aによって区画されて、複数の気体流路Sが形成される。
各芯材12aは、表ライナ12bおよび裏ライナ12c側から押圧された際に、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間が縮小しないように支持する支持部として機能する。気体供給体10が廃水W中に浸漬された状態では、芯材12aによって表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間が保持されることで、気体流路Sの断面積が水圧によって縮小することが防止される。これにより、気体移動層12(気体流路S)における気体移動量が十分に確保される。
表ライナ12bおよび裏ライナ12cには、それぞれ複数の気体通過孔13が形成されている。気体通過孔13は、表ライナ12bおよび裏ライナ12cに形成された貫通孔であり、気体流路Sを流れる気体は、当該気体通過孔13を通じて、透気シート21に向かうものとなる(図3参照)。
気体移動層12を構成する各部材の素材としては、紙、セラミック、アルミニウム、鉄、プラスチック(ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂)等が挙げられる。
なお強度面が優れることから、気体移動層12の素材は、紙、アルミニウム、鉄、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩ビ樹脂、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また材料コストを安価に抑える観点では、気体移動層12の素材として、例えば、紙、ポリオレフィン、ポリスチレン、塩ビ、ポリエステル等の樹脂、アルミニウム等の金属等を使用することが好ましい。また、気体流路Sが第1方向(図4中の2点鎖線参照)に延びるように形成された段ボールを気体移動層12として使用することでも、気体移動層12の材料コストを安価に抑えることができる。
気体移動層12における気体通過孔13の形状は、円形状、多角形状(ハニカム構造を含む)など様々な形状にすることができる。なお、気体通過孔13の形状を、多角形状にすることが好ましく、長方形もしくは正方形にすることがより好ましい。
(透気シート21)
透気シート21は、最外側層が液体(廃水W)に接触するように液体中(廃水W中)に浸漬された状態で、内側(気体移動層12側)から外側(廃水W側)へ空気を透過させ、かつ外側(廃水W側)から内側(気体移動層12側)へ廃水を透過させない特性を有する。
図3に示すように、透気シート21は、基材211と、気体透過性無孔層212と、微生物支持層213とを含む。図示の例では、透気シート21は、微生物支持層213、基材211、気体透過性無孔層212の順に積層されており、基材211が気体透過性無孔層212で覆われるとともに、廃水Wに接触する最外側層が微生物支持層213によって構成されている。なお透気シート21は、基材211、気体透過性無孔層212、微生物支持層213の順に積層されたものであってもよい(図示の例とは逆に、基材211が、気体透過性無孔層212の内側に位置してもよい)。このようにしても、基材211を気体透過性無孔層212で覆い、廃水Wに接触する最外側層を微生物支持層213によって構成できる。
(基材211)
基材211は、熱可塑性樹脂から形成される微多孔膜である(前記微多孔膜とは、微細な貫通孔を多数設けた膜である)。基材211の素材として、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリフッ化ビニリデンを含めたフッ素樹脂、ポリブタジエン、ポリ(ジメチルシロキサン)を含めたシリコーンベースのポリマー、およびこれらの材料のコポリマーから選ばれるポリマー材料等を含んでもよい。
微多孔膜である基材211の製造方法は、特に限定されないが、例えば、相分離法、延伸開孔法、溶解再結晶法、粉末焼結法、発泡法、溶剤抽出のいずれかによって、基材211を製造できる。また基材211は、自己組織化ハニカム微多孔膜であってもよい。
基材211の厚みは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。基材211の厚さは、JIS1913:2010一般不織布試験方法6.1厚さの測定方法で測定される値である。
基材211の細孔径は、透気シート21の欠陥を防止する観点から、0.01μm以上50μm以下であることが好ましく、高い強度と気体透過性を保持する観点から、0.1μm以上30μm以下であることがより好ましい。前記細孔径は、表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、その観察像から以下に示す方法により求めた細孔径である。観察倍率は、観察する対象物の細孔径が適切に算出できる倍率であれば、任意の倍率で観察することができる。
<細孔径を求める方法>
SEM観察で得られた像について、2値化処理を行い、画像解析的に、細孔径を算出する。算出の際には、細孔径は楕円近似を行い、楕円の長軸の長さを細孔径として、画像内に包含されるすべての細孔の平均値を評価する。
(気体透過性無孔層212)
気体透過性無孔層212とは、前記基材211の孔より径の小さい細孔径の孔を有するか、もしくは、孔の径を検出できず、かつ、気体を透過可能な層である。気体透過性無孔層212の細孔径は、基材211の細孔径と同様の方法で測定できる。
気体透過性無孔層212は、空気、二酸化炭素、窒素、水素、メタノール、エタノール等のアルコール類や有機溶剤、もしくはそれらの混合ガスを、透過可能な層である。当該層212の気体透過性はJIS K 7126に定めた方法で測定できる。
気体透過性無孔層212は、熱可塑性樹脂でもよく、熱硬化性樹脂でもよい。当該熱硬化性樹脂は、熱硬化する樹脂であってもよく、紫外線の照射で硬化する樹脂であってもよい。また、有機過酸化物架橋、付加反応架橋、縮合架橋により硬化する樹脂であってもよい。
気体透過性無孔層212の素材としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂および、これらの材料のコポリマーから選ばれる熱硬化性ポリマーを含んでもよい。また、(Si−O−Si)n(n=整数)のシロキサン骨格を有するポリマー(ジメチルシロキサン)などのシリコン樹脂を用いることができる。これらの中でも、特に、ウレタン樹脂、シリコン樹脂を用いることが好ましい。
上記のポリウレタン樹脂としては、「アサフレックス 825」(旭化成社製)、「ペレセン 2363−80A」、「ペレセン 2363−80AE」、「ペレセン 2363−90A」、「ペレセン 2363−90AE」、(以上、ダウ・ケミカル社製)、「ハイムレンY−237NS」(大日精化工業社製)を用いることができる。
上記のシリコン樹脂としては、「DC3145」、及び「DC3140」(以上、ダウコーニング社製)、「ELASTOSIL RT707W」、「ELASTOSIL EL4300」、「SD4584PSA」、「KS−847T」、「KF−2005」、「X−40−3237」、「KNS−3002」(信越化学社製)を、シリコーン樹脂としては「シラシール3FW」、「シラシールDC738RTV」、「NC1910」(旭化成ワッカーシリコーン社製)を用いることができる。シリコン樹脂にはさらに、触媒を添加してもよい。触媒としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄、コバルト、錫などの有機酸塩、アミン系の触媒を用いることができる。また、有機錫化合物、有機チタン化合物、白金化合物も用いることができる。触媒としては、例えば、「CAT−PL−50T」(信越化学社製)を用いることができる。また、塗布の際には、トルエンやキシレン等の溶剤を添加してもよい。
気体透過性無孔層212の製造方法は、特に限定されず、リバースロールコーター、正回転ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ロッドコーター、スロットオリフィスコーター、エアドクタコーター、キスコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スプレーコーター、スピンコーター、押出コーター、ホットメルトコーター等を用いる方法で気体透過性無孔層212を製造できる。また、粉体コーティング、電着コーティング等の方法でも気体透過性無孔層212を製造できる。基材を透気シート21の原料液に浸漬することでコーティングしてもよい。基材はシート状でも中空糸状でもよい。塗布の前工程において、プライマー塗布、コロナ処理等の前処理を行ってもよい。
気体透過性無孔層212の目付量は、10g/m以上、500g/m以下であることが好ましく、20g/m以上200g/m以下であることがより好ましい。気体透過性無孔層212の目付量は、気体透過性無孔層212が積層される前の基材の目付量E(g/m)と、透気シート21が積層された後の気体透過性無孔層212と基材の目付量F(g/m)の差であるD(g/m)として、以下の関係式(1)により求められる。
[式1]
D=F−E (1)
気体透過性無孔層212や基材の目付量はJIS1913:2010一般不織布試験方法6.2単位面積当たりの質量で測定される値である。
気体透過性無孔層212の厚みは、10μm以上、500μm以下であることが好ましく、20μm以上200μm以下であることがより好ましい。上記の気体透過性無孔層212の厚さはJIS1913:2010一般不織布試験方法6.1厚さの測定方法で測定される値である。
(微生物支持層213)
微生物支持層213は、その表面もしくは内部に微生物を保持する層であり、内部に微生物が生育可能な空間を有し、水中の有機物が通過可能である。微生物支持層213の素材としては、例えば、メッシュ、織布、不織布、発泡体、又は微多孔膜等の多孔性シートが挙げられる。多孔性シートの素材は、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、パラ系およびメタ系アラミド、ポリアリレート、炭素繊維、ガラス繊維、アルミニウム繊維、スチール繊維、セラミック等が挙げられる。微生物付着性と加工性を考慮すると、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、炭素繊維が好ましい。
微生物支持層213の目付量は2g/m以上、500g/m以下であることが好ましく、10g/m以上200g/m以下であることがより好ましい。微生物支持層213の目付量はJIS1913:2010一般不織布試験方法6.2単位面積当たりの質量で測定される値である。
微生物支持層213の厚みは、5μm以上、2000μm以下であることが好ましく、20μm以上500μm以下であることがより好ましい。微生物支持層213の厚さはJIS1913:2010一般不織布試験方法6.1厚さの測定方法で測定される値である。
なお、基材211の表面処理によって微生物支持層213が形成されてもよい。このようにすれば、上記の表面処理で基材211表面の粗さと膜電位を上げられるので、微生物付着性が向上する。例えば上記の表面処理として、グリシジルメタクリレートをグラフト重合し、さらに、ジエチルアミン、もしくは、亜硫酸ナトリウムを反応させることが行われ得る。或いは上記の表面処理として、グリシジルメタクリレートをグラフト重合した後に、アンモニア、もしくは、エチルアミンを反応させることが行われてもよい。
<気体供給体10の製造方法>
本実施形態の気体供給体10の製造方法は、図5に示すフローチャートに従って行われる。以下、図5を参照して、気体供給体10の製造方法を説明する。
まず図5のステップS11において、気体移動層12を構成する段ボール等の部材が所定の位置へ配置される。
次に図5のステップS12では、気体移動層12の表ライナ12bや裏ライナ12cに、それぞれ針材を用いて気体通過孔13としての貫通孔を複数形成する。
次に図5のステップS13では、2枚の略四角形の透気シート21,21を重ね合わせて、透気シート21,21の基材211,211の3方の端部同士を熱融着で接着することで、透気シート21,21からなる袋を形成する(図3の21cは、透気シート21,21の接着部を示している)。
次に図5のステップS14では、図6に示すように、透気シート21からなる袋の開口21bから、気体通過孔13が形成された気体移動層12を袋内部21dに挿入する。この際、気体移動層12を開口21bから挿入する方向は、芯材12a等によって形成される気体流路Sの向きに沿うものとされる。
以上により気体供給体10の製造が完了する。なおステップS13で、透気シート21から袋を形成する方法は、上述した方法に限定されない。例えば、筒状に成形された透気シート21の一方の開口部のみを接着することで袋を形成してもよい。あるいは、1枚の透気シート21を半分に折りたたんで、左右の端部を接着して袋状に形成してもよい。もしくは、インフレーション成型などで、透気シート21からなる袋を成形してもよい。
また、連続成型によって得られる中空糸状の透気シート21が使用されてもよい。例えば、基材を連続的に気体透過性無孔層212の原料液に浸漬し、必要に応じて熱処理や冷却等で固定し透気シート21を得てもよい。或いは、中空形状の基材上に連続的に気体透過性無孔層212の原料液を金型を利用して配置し、必要に応じて熱処理や冷却等で固定し透気シート21を得てもよい。なお上記熱融着の温度としては、熱可塑性樹脂から形成される基材211の融点以上、熱分解温度以下が好ましい。透気シート21を中空糸状とする場合には、透気シート21の径は、0.05mm以上、60mm以下にすることが好ましい。透気シート21の径が0.05mmよりも小さい場合には、気体供給体10の内部に効率よく空気を供給することが困難になる。また透気シート21の径が60mmよりも大きい場合には、水槽2の寸法を小さく抑えることが困難になる。
(供給体ユニット3)
供給体ユニット3は、上記構成を有する気体供給体10を1以上保持するものである。以下、気体供給体10以外の供給体ユニット3の構成について説明する。なお以下の説明では、特許請求の範囲の構成要素との対応関係を明確にするために、「第一」や「第二」などの「番号」が特許請求の範囲で付記された構成要素については、以下の説明においても、特許請求の範囲に示される「番号」を付記する。
図1〜図3に示すように、供給体ユニット3は、上記の気体供給体10に加えて、一対の第一対向部材30A,30Bと、上板31(図2)と、下板32と、一対の連結部材33A,33Bとを備えている(図1では、上板31の図示を省略して、上板31の下側に配置される構成を示している)。
一対の第一対向部材30A,30Bは、水平方向に間隔をあけて対向配置される。以下、「一対の第一対向部材30A,30Bが対向する水平な方向」を「第1方向」と記す。
上板31や下板32や連結部材33A,33Bは、第一対向部材30A,30Bの間に配置される。上板31は、第一対向部材30A,30Bの上端部同士を連結する。下板32は、第一対向部材30A,30Bの下端部同士を連結する。連結部材33Aと連結部材33Bとは、第1方向と直交する第2方向に間隔をあけて配置される。これら連結部材33A,33Bは、第一対向部材30A,30Bの側縁同士を連結する。
図8は、上板31や下板32を拡大して示す断面図である。図8に示すように、上板31には、下方に開口する第一溝34が形成される。下板32には、上方に開口する第二溝35が形成される。第一溝34や第二溝35は第1方向に間隔をあけて複数形成されるものであって、第一溝34や第二溝35の各々は、第1方向と直交する水平な第2方向に延びている。より具体的には、上板31や下板32は、平板状の本体36と、本体36の表面に接合される複数の突条37とを有しており、隣り合う2つの突条37,37の間の空間によって溝34,35が構成されている。
そして図示例では、一の第一溝34に一の気体供給体10の上端部が差し込まれ、一の第二溝35に一の気体供給体10の下端部が差し込まれることで、複数の気体供給体10が、それぞれ上板31及び下板32に保持されて、第1方向に間隔をあけて並んだ状態とされる。なお、上板31や下板32の構造は、図8に示す例に限定されない。例えば、上板31や下板32は、溝34,35が表面に切削加工された板材であってもよい。
また必ずしも、第一溝34や第二溝35が第2方向に延びている必要はない。例えば、第2方向に延びる第一溝34や第二溝35を第1方向に間隔をあけて複数形成してもよい。また必ずしも、溝34,35の全てに気体供給体10を差し込む必要はなく、溝34,35に1以上の気体供給体10を差し込めばよい。
本実施形態では、周壁6の内側に供給体ユニット3が投入され、周壁6の内側に廃水Wが貯留されることで、図7に示すように、気体供給体10の各々は、上端部分を除いた部分が廃水W中に浸漬された状態とされる(図7は、供給体ユニット3に設けられる気体供給体10のうち、一つの気体供給体10のみを示している)。この状態では、開口21bから気体流路Sに空気が供給されることで、空気は、気体流路S(図3,図4)を流れて、気体通過孔13を通過する。そして気体通過孔13を通過した空気が、透気シート21を介して廃水W中に供給される。これにより、廃水W中の好気性微生物は、継続的に空気が供給される透気シート21の表面21aに集まってきて、透気シート21の表面21aに微生物が付着する。そして、廃水Wに含まれるか、もしくは表面21aに保持されている微生物の働きによって、水中に溶解、もしくは分散している汚泥物質が分解されて、廃水Wが浄化される。上記汚泥物質は、微小個体状の有機物や、酢酸等の液体状の有機物や、窒素化合物である。なお供給体ユニットが備える各気体供給体10では、基材211や気体透過性無孔層212は、必ずしも必要ではなく、透気シート21から省略されてもよい(つまり、透気シート21は、少なくとも微生物支持層213を備えるものであればよい)。この場合でも、上記の作用により、廃水Wを浄化することができる。
(固定手段)
ところで水槽2の内面(周壁6の内面)と供給体ユニット3との間の空間K(図1)が大きい場合には、当該空間Kに空気が供給されにくいことで、上記空間Kに存在する廃水Wが嫌気的に分解される。これにより、臭気が発生したり、水槽2内のpHが不安定になったり、メタン等の温室効果ガスが発生するなどの問題が生じ得る。このような問題を回避するために、本実施形態の廃水処理装置1では、供給体ユニット3を固定する手段として、締結板4が設けられる。この締結板4によれば、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニット3を固定できる。つまり水槽2の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット3を投入し、且つ、締結板4の一端を周壁6に締結し、締結板4の他端を供給体ユニット3の上板31に締結することで、締結板4を介して供給体ユニット3を周壁6に固定できる(図1,図2(a))。このため、供給体ユニット3を固定するために、水槽2の内面(周壁6の内面)と供給体ユニット3との間の空間Kに作業員が入ることを要しない。したがって上記の空間Kを小さく抑えることができるので、嫌気的に分解される廃水Wの量を少なく抑えることができる。これにより、臭気の発生量が少なく抑えられて、水槽2内のpHが安定し、温室効果ガスの発生量を少なく抑えることができる。なお、締結板4は複数の部材から構成されていてもよい。例えば、周壁6の内側に投入される供給体ユニット3が複数とされることで、周壁6に接しない供給体ユニット3が存在する場合には、連結された複数の締結板4を用いて、供給体ユニット3が周壁6に固定されてもよい。
また本実施形態によれば、上記のように水槽2の内面と供給体ユニット3との間の空間Kを小さく抑えることができるので、廃水処理装置1の容積負荷を高めること(つまり、水槽2の面積を抑制しつつ、多くの気体供給体10を水槽2内に設置すること)が可能となる。
なお必ずしも、締結板4の他端の締結箇所を、供給体ユニット3の上板31とする必要はなく、水槽2の外部からの操作で、締結板4の他端を、対向部材30A,30Bや連結部材33A,33Bに締結してもよい。
また供給体ユニット3を周壁6の内側に投入する際には、周壁6の内側に、廃水Wが貯留されていてもよいし、廃水Wが貯留されていなくてもよい。
また、供給体ユニット3を軽量とする観点から、供給体ユニット3の質量は、供給体ユニット3と同一の体積を有する水の質量よりも小さくされてもよい(つまり、供給体ユニット3を、水に浮く性質を有するものとしてよい)。この場合には、廃水Wが貯留されている周壁6の内側に、供給体ユニット3を投入する際に、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニット3を下方に押さえ付けて、供給体ユニット3を廃水W中に沈めることが行われる(周壁6の内側に廃水Wが貯留されていない場合には、上記押さえ付けは不要である)。そして、締結板4(固定手段)で供給体ユニット3を固定することで、供給体ユニット3の浮上が防止されて、供給体ユニット3は定位置に止められる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお以下では、第1実施形態と相違する点を説明し、共通する点については図面に同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係る廃水処理装置40の鉛直断面図である。図10は、第2実施形態に係る廃水処理装置40が備える供給体ユニット41を示す正面図である。図11は、第2実施形体の廃水処理装置40が備える固定手段42を拡大して示す側面図である。
第2実施形態の廃水処理装置40では、供給体ユニット41と、固定手段42(供給体ユニット41を水槽2に固定する手段)とが、第1実施形態に示すものと異なる。
(供給体ユニット41)
図9や図10に示すように、廃水処理装置40に設けられる供給体ユニット41は、複数の気体供給体10と、一対の第二対向部材43A,43Bと、第一連結部材44と、第二連結部材45(図10)とを備えている。
一対の第二対向部材43A,43Bは、水平方向に間隔をあけて対向配置される。以下、「第二対向部材43A,43Bが対向する水平な方向」を「第1方向」と記す。
第一連結部材44や第二連結部材45は、それぞれ第1方向に延びるものであって、第一連結部材44や第二連結部材45を介して一対の第二対向部材43A,43Bが連結される。
第一連結部材44と第二連結部材45とは、第1方向と直交する水平な第2方向に間隔をあけて配置されており(図10参照)、第一連結部材44と第二連結部材45との間において、複数の気体供給体10が、第1方向に並ぶように、配置されている(図9,図10参照)。
図9に示すように、第一連結部材44には、第1方向に並ぶ複数の第一貫通孔46が形成されている。また第二連結部材45にも、第一連結部材44と同様に、第1方向に並ぶ複数の第二貫通孔47(図10)が形成されている。図10に示すように、各気体供給体10では、第三貫通孔51が幅一方側に形成され、第四貫通孔52が幅他方側に形成されている。そして、第一貫通孔46と第三貫通孔51とに通される第一ロープ48によって、各気体供給体10は、第一連結部材44に締結される。また第二貫通孔47と第四貫通孔52とに通される第二ロープ49によって、各気体供給体10は、第二連結部材45に締結される。また各気体供給体10では、貫通孔51,52が接着部21cに形成されていることで、気体流路S(図3)を流れる気体が、貫通孔51,52から漏れないようになっている。
上記の供給体ユニット41によれば、第一連結部材44と第二連結部材45の間に複数の気体供給体10を第1方向に並ぶように配置して、ロープ48,49を用いて気体供給体10の各々を連結部材44,45に締結することで、複数の気体供給体10が第1方向に並んだ状態で保持される。なお必ずしも複数の気体供給体10を供給体ユニット41に保持させる必要はなく、1以上の気体供給体10が保持されればよい。
なお、第一ロープ48や第二ロープ49の材質は、ステンレス、チタン、被覆したスチール、炭素繊維、或いは、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂やFRP(Fiber-Reinforced Plastics)などのプラスチックであることが好ましい。このようにすることで、腐食によるロープ48,49の破損を防止できる。
また、第一ロープ48や第二ロープ49の外径は、0.5mm以上50mm以下であることが好ましい。ロープ48,49の外径が0.5mmよりも小さい場合には、ロープ48,49の強度を十分確保できなくなる。ロープ48,49の外径が50mmよりも大きい場合には、透気シート21の有効面積を十分確保できなくなる。
また、上記の第一ロープ48の外径や第二ロープ49の外径との関係により、第一貫通孔46や第二貫通孔47の径は、0.5mm以上50mm以下にすることが好ましい。
また、第一貫通孔46の数や第二貫通孔47の数の合計は、4以上300以下とすることが好ましい。貫通孔46,47の数の合計が4よりも小さい場合には、気体供給体10を安定して保持することが困難になる。貫通孔46,47の数の合計が300よりも大きい場合には、連結部材44,45の加工が困難になる。なお、気体供給体10の幅一方側を保持するロープ48の数と、気体供給体10の幅他方側を保持するロープ49の数とを等しくするために、第一貫通孔46の数と第二貫通孔47の数とを均一にすることが好ましい。
(固定手段)
第2実施形態の廃水処理装置40では、供給体ユニット41を水槽2に固定する手段として、傾動部材42A,42Bが設けられる(図9、図11)。
傾動部材42Aは、一端側が供給体ユニット41の第二対向部材43Aに対し回転可能に取り付けられる。傾動部材42Bは、一端側が第二対向部材43Bに対し回転可能に取り付けられる。傾動部材42A,42Bの回転軸は第2方向に略平行である。上記第二対向部材43A,43Bへの傾動部材42A,42Bの取り付けは、傾動部材42A,42Bが、一端側を支点にして上下に傾動可能となるように行われる。なお図示の例では、第二対向部材43A,43Bの下端に傾動部材42A,42Bが取り付けられているが、第二対向部材43A,43Bの下端以外の位置に傾動部材42A,42Bの一端側が取り付けられてもよい。また、第一連結部材44や第二連結部材45に傾動部材42の一端側が取り付けられてもよい。
傾動部材42A,42Bの他端側には、それぞれロープ50A,50Bが取り付けられている。これらロープ50A,50Bは、傾動部材42A,42Bから上方へ延ばされるものであり、ロープ50A,50Bの上端部50Aa,50Baは、水槽2の外部に配置される。
第2実施形態では、供給体ユニット41を水槽2に固定するために、水槽2の外部からの操作で、傾動部材42の他端が周壁6の内面6aに当接するように、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入する投入工程が実施される。
上記の投入工程において、供給体ユニット41が底壁5に着地するまでの間では、傾動部材42の他端が周壁6の内面6aに当接することで、傾動部材42は、他端側が高くなるように上向きに傾動する。これにより傾動部材42は、供給体ユニット41の下降に対して大きな抵抗にならない。したがって、供給体ユニット41を円滑に下降させることができる。
供給体ユニット41が底壁5に着地した後では、傾動部材42が上向きに傾斜したまま、当接部としての傾動部材42の他端42aが、周壁6の内面6aに当接する。これにより、傾動部材42の一端側から供給体ユニット41に下向きの力が加えられるので、供給体ユニット41を確実に固定できる。なお上記の「傾動部材42が、他端側が高くなるように上向きに傾斜すること」は、「傾動部材42の一端側の傾動支点42bから周壁6の内面6aまでの水平方向の長さL1が、傾動部材42の傾動支点42bから他端42aまでの長さL2よりも大きくなるように、傾動部材42の長さL2や、傾動部材42の設置位置等が調整されること」で実現され得る。
第2実施形態によれば、上述のように、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニット41を周壁6の内側に投入することで、傾動部材42が、他端側が高くなるように上向きに傾斜した状態で、傾動部材42の他端42aが周壁6の内面6aに当接して、供給体ユニット41が水槽2に固定される。このため第2実施形態でも、水槽2の内面6aと供給体ユニット41との間の空間K(図9)に作業員が入ることを要しない。したがって上記空間Kを小さく抑えることができる。
また第2実施形態によれば、ロープ50A,50Bの上端50Aa,50Baを把持して、ロープ50A,50Bを上方に引き上げることで、傾動部材42A,42Bを上方に傾動させて、傾動部材42A,42Bの他端を周壁6の内面6aから離すことができる(傾動部材42A,42Bを、図11の破線で示す状態にすることができる)。これにより、供給体ユニット41の固定が解除されるので、供給体ユニット41を、上方へ引き上げて、水槽2の外部に取り出すことができる。
なお第2実施形態では、傾動部材42の数(傾動部材42A,42Bの合計数)は4以上20以下であることが好ましい。傾動部材42の数が3以下の場合には、供給体ユニット41を安定して固定することが困難になる。傾動部材42の数が20よりも大きい場合には、供給体ユニット41の加工が困難になる。
また、供給体ユニット41を周壁6の内側に投入する際には、周壁6の内側に、廃水Wが貯留されていてもよく、廃水Wが貯留されていなくてもよい。
また第2実施形態では、供給体ユニット41を水槽2に固定するために、以下の工程が実施されてもよい。
まず、水槽2の外部からの操作で、ロープ50を上方に引き上げて、傾動部材42を、その他端側が高くなるように上向きに傾斜させた状態で、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入する投入工程が実施される。
ついで、水槽2の外部からの操作で、傾動部材42を下方へ傾動させて、傾動部材42の上向きの傾斜を緩くする(水平面に対する傾斜角度を小さくする)ことで、傾動部材42の他端42a(当接部)を周壁6の内面6a(被当接部)に当接させる傾動工程が実施される。
上記の方法においても、傾動部材42が上向きに傾斜した状態で、傾動部材42の他端42aが周壁6の内面6aに当接する。このため、傾動部材42の他端から供給体ユニット41に下向きの力が加えられて、供給体ユニット41が水槽2に固定される。
また上記の方法によれば、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入する際に、傾動部材42の他端42aが周壁6の内面6aに当たらないように、傾動部材42を上向きに傾斜させることで、傾動部材42が、供給体ユニット41の下降に対して抵抗にならない。このため、供給体ユニット41を円滑に下降させることができる。
また、供給体ユニット41を軽量とする観点から、供給体ユニット41の質量は、供給体ユニット41と同一の体積を有する水の質量よりも小さくてもよい(供給体ユニット41を、水に浮く性質を有するものとしてもよい)。この場合には、廃水Wが貯留される周壁6の内側に、供給体ユニット41を投入する際に、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニット41を下方に押さえ付けて、供給体ユニット41を沈めることが行われる。そして、傾動部材42A,42B(固定手段)により供給体ユニット41を固定することで、供給体ユニット41の浮上が防止されて、供給体ユニット41は定位置に止められる。なお、固定手段の当接部(傾動部材42の他端42a)が接する部位は周壁6の内面6aに限定されない。例えば、周壁6の内側に投入される供給体ユニット3が複数とされて、周壁6に隣接しない供給体ユニット3が存在する場合には、底壁5から鉛直上方に伸びる壁状部材や柱状部材などの被当接部材が水槽2の内部に設置され得る。そしてこの場合には、固定手段の当接部を前記被当接部材に当接させることで、供給体ユニット3を固定することが行われる。
また図示を省略するが、第2実施形態の変形例として、傾動部材42の一端側を水槽2の周壁6或いは底壁5に取り付けてもよい。この場合、周壁6或いは底壁5への傾動部材42の取り付けは、傾動部材42が一端側を支点にして上下に傾動可能となるように行われる。そして、供給体ユニット41を固定するための工程として、まず、周壁6の内側に廃水Wが貯留されている状態で、或いは周壁6の内側に廃水Wが貯留されていない状態で、水槽2の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入する投入工程が実施される。上記投入工程の間、傾動部材42は、重力の作用により、他端側が低くなるように下向きに傾斜した状態になる。
ついで、傾動部材42の他端側に取り付けたロープ50を水槽2の外部から操作することで、傾動部材42を上方へ傾動させて、傾動部材42の下向きの傾斜を緩くする傾動工程が実施される。これにより、傾動部材42の他端が供給体ユニット41の外面(例えば対向部材43や連結部材44,45の外面)に当接して、供給体ユニット41が水槽2に固定された状態になる。
上記の変形例によれば、水槽2の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入し、且つ、傾動部材42(固定手段)を上方へ傾動させることで、傾動部材42の他端(固定手段の当接部)が、供給体ユニット41の外面(被当接部)に当接して、供給体ユニット41が水槽2に固定される。このため、水槽2の内面と供給体ユニット41との間に作業員が入ることを要しないので、水槽2の内面と供給体ユニット41との間の空間Kを小さく抑えることができる。
なお、上記変形例において、傾動部材42の他端が供給体ユニット41の外面に当接した状態では、傾動部材42は、他端側が低くなるように下向きに傾斜していることが好ましい。この場合には、傾動部材42の他端から供給体ユニット41に下向きの力が加えられるので、供給体ユニット41を確実に固定できる。上記の「傾動部材42の他端が供給体ユニット41に当接した状態で、傾動部材42が下向きに傾斜すること」は、「傾動部材42の一端側の傾動支点から供給体ユニット41の外面までの水平方向の長さが、傾動部材42の傾動支点から傾動部材42の他端までの長さよりも大きくなるように、傾動部材42の長さや、傾動部材42の設置位置等が調整されること」で実現され得る。また傾動部材42の取り付け箇所は周壁6や底壁5に限定されない。例えば、周壁6の内側に投入される供給体ユニット3が複数とされて、周壁6に隣接しない供給体ユニット3が存在する場合には、底壁5から鉛直上方に延びる壁状部材や柱状部材などに、傾動部材42を取り付けてもよい。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお以下では、第1実施形態や第2実施形態と相違する点を説明する。
図12は、第3実施形態に係る廃水処理装置60の鉛直断面図である。図13は、第3実施形体の廃水処理装置60が備える固定手段61を示す断面図である。
第3実施形態の廃水処理装置60は、第2実施形態の廃水処理装置40(図9)から、固定手段(供給体ユニット41を水槽2に固定する手段)を変更したものであり、水槽2や供給体ユニット41については第2実施形態と同様である。
(固定手段)
第3実施形態の廃水処理装置60は、固定手段として、上下方向に延びる回転軸61A,61Bを備えている。
回転軸61Aは、第二対向部材43Aに取り付けられる。回転軸61Bは、第二対向部材43Bに取り付けられる。上記第二対向部材43A,43Bへの回転軸61A,61Bの取り付けは、回転軸61A,61Bが軸心回りに回転可能となるように行われる。
図示例では、第二対向部材43は、上下方向に延びる筒体であり(図13参照)、第二対向部材43の内部に回転軸61が通されている。そして回転軸61の外面61aと対向部材43の内面43aとが当接することで、回転軸61は第二対向部材43に支持されており、外面61aと内面43aとの間の静止摩擦力よりも大きな回転力を回転軸61に加えることで、回転軸61を回転させることができる。
回転軸61の上端部61bは、第二対向部材43から上方へ延び出ており、水槽2の外部に位置している。回転軸61の上端部61bには、回転軸61の回転操作を行うためのハンドル62が取り付けられる。
回転軸61の下端部61cは、第二対向部材43から下方へ延び出ており、回転軸61の下端部61cには、突起63が設けられている。突起63は、回転軸61の径外側に突出する。
水槽2には、突起63を当接させる被当接部として、固定板64が設けられている。固定板64は、上下方向に延びるボルト65を介して底壁5に固定されており、底壁5と固定板64との間には、突起63を挿入可能な隙間Sが形成されている。
第3実施形態の廃水処理装置60では、供給体ユニット41を水槽2に固定するために、まず、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニット41を周壁6の内側に投入して、供給体ユニット41を底壁5に着地させることが行われる。この際には、隙間Sの側方に突起63が位置するように、供給体ユニット41の位置が調整される。
そして、水槽2の外部からハンドル62を操作することで、回転軸61を回転させて、突起63を隙間Sに入れることが行われる。これにより図13に示すように、突起63の上面63aが固定板64の下面64aに当接して、供給体ユニット41が水槽2に固定された状態になる。
第3実施形態によれば、水槽2の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入し、且つ、回転軸61を回転させて、回転軸61の突起63(固定手段の当接部)を水槽2の固定板64(被当接部)に当接させることで、供給体ユニット41を水槽2に固定できる。このため第3実施形態でも、水槽2の内面と供給体ユニット41との間の空間K(図12)に作業員が入ることを要しないので、上記空間Kを小さく抑えることができる。
なお供給体ユニット41を周壁6の内側に投入する際には、周壁6の内側に、廃水Wが貯留されていてもよく、廃水Wが貯留されていなくてもよい。
また、供給体ユニット41を軽量にする観点から、供給体ユニット41の質量は、供給体ユニット41と同一の体積を有する水の質量よりも小さくされてもよい(つまり、供給体ユニット41を、水に浮く性質を有するものにしてもよい)。この場合には、廃水Wが貯留する周壁6の内側に、供給体ユニット41を投入する際に、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニット41を下方に押さえ付けて、供給体ユニット41を沈めることが行われる(周壁6の内側に廃水Wが貯留されていない場合には、上記押さえ付けは不要である)。そして、回転軸61(固定手段)により供給体ユニット41を固定することで、供給体ユニット41の浮上が防止されて、供給体ユニット41は定位置に止められる。
なお、図12や図13では、供給体ユニット41が底壁5に着地された状態で供給体ユニットを固定する例を示しているが、必ずしも、供給体ユニット41を底壁5に着地させる必要はない。つまり、底壁5から延び出るボルト65の長さを大きくして、固定板64の位置を高くすることで、供給体ユニット41が廃水W中に浮いた状態で、回転軸61A,61Bの突起63(固定手段の当接部)を固定板64(被当接部)に当接させることができる。このようにしても、供給体ユニット41を固定できる。
また、突起63の形成位置は、回転軸61の下端部61cに限定されない。つまり、固定板64に突起63を当接可能な限りにおいて、突起63は、回転軸61の任意の位置に形成され得る。
また、突起63を当接させる被当接部は、固定板64に限定されない。例えば、水槽2の周壁6や、底壁5から鉛直上方に延びる壁状部材や柱状部材に、水平方向に窪む凹部を形成して、凹部の内面に突起63を当接させるようにしてもよい(つまり凹部の内面を被当接部としてよい)。この場合、供給体ユニット41を固定するために、以下の工程が実施される。
まず、水槽の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入する投入工程が実施される。この際には、回転軸61の突起63が凹部の側方に位置するように、供給体ユニット41の位置が調整される。
ついで、水槽2の外部からハンドル62を操作することで、回転軸61を回転させて、突起63を凹部に入れることが行われる。これにより、突起63の上面が凹部の内面に当接して、供給体ユニット41が水槽2に固定された状態になる。
また、水槽2の外部からの操作で、回転軸61を回転できれば、ハンドル62は省略されてもよい。また回転軸61の回転操作を行うための手段として、ハンドル62以外の公知の手段が、回転軸61に設けられてもよい。
また、回転軸61を取り付ける対象は、第二対向部材43に限定されない。例えば、公知の手段を用いて、回転軸61が軸心回りに回転可能となるように、回転軸61を第一連結部材44や第二連結部材45に取り付けてもよい(第二連結部材45については第2実施形態の図10を参照)。なお、図13の例のように、筒状の第二対向部材43の内部に回転軸61を通すようにすれば、回転軸61に廃水Wが接触しないので、腐食による回転軸61の破損を防止できる。
また、図示を省略するが、回転軸61が軸心回りに回転可能となるように、回転軸61を、周壁6、底壁5、或いは底壁5から鉛直上方に延びる壁状部材や柱状部材に、取り付けてもよい。この場合には、回転軸61の突起63を当接させるための被当接部が、供給体ユニット41に設けられる。当該被当接部は、例えば、第二対向部材43A,43Bや第一連結部材44や第二連結部材45から突出する板材とされる。或いは、被当接部は、対向部材43A,43Bや連結部材44,45に形成される凹部の内面とされる。上記変形例によれば、水槽2の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット41を投入し、且つ、回転軸61を回転させることで、固定手段61の当接部(回転軸61の突起63)を供給体ユニット41の被当接部に当接させることが行われる。これにより、供給体ユニット41が水槽2に固定される。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。以下、第1〜第3実施形態と相違する点を説明する。
図14は、第4実施形態に係る廃水処理装置70の鉛直断面図である。図15は、第4実施形態に係る廃水処理装置70の一部を拡大して示す鉛直断面図である。図16は、第4実施形態に係る廃水処理装置70が備える供給体ユニット71を示す正面図である。図17は、第4実施形体の廃水処理装置70が備える固定手段80を拡大して示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
第4実施形態の廃水処理装置70は、供給体ユニット71と、固定手段80(供給体ユニット41を水槽2に固定する手段)とが、第1〜第3実施形態に示すものと異なる。
(供給体ユニット71)
図14〜図16に示すように、供給体ユニット71は、複数の気体供給体10と、第三連結部材74と、第四連結部材75と、第五連結部材76と、を備えている。
第三連結部材74や第四連結部材75は、水平な第1方向に延びるものであって、第三連結部材74と第四連結部材75とは、第1方向と直交する鉛直な第2方向に間隔をあけて配置されている。そして気体供給体10に形成された第三貫通孔77に第三連結部材74が通され、気体供給体10に形成された第四貫通孔78に第四連結部材75が通されることで、気体供給体10は、第三連結部材74及び第四連結部材75に保持されている。
より具体的には、図16に示すように、各気体供給体10の上端部における幅中央に第三貫通孔77が形成され、各気体供給体10の下端部における幅中央や幅両端に第四貫通孔78が形成されている。そして、各気体供給体10の第三貫通孔77に第三連結部材74が通され、各気体供給体10の3つの第四貫通孔78にそれぞれ第四連結部材75が通されることで、複数の気体供給体10が、第三連結部材74や3本の第四連結部材75に保持されて、第1方向に並んでいる。また、隣り合う2つの気体供給体10,10では、図15に示すように、これらの間を延びる第三・第四連結部材74,75に筒状のスペーサ72が嵌挿されていることで、2つの気体供給体10,10の間隔が、スペーサ72の幅に維持されている。
第五連結部材76は、第1方向及び第2方向と直交する水平な第3方向に延びる。当該第五連結部材76は、第3方向に間隔をあけて複数配置される第四連結部材75を連結する(図示例では、3本の第四連結部材75が第五連結部材76を介して連結されている)。
第五連結部材76は、フラットバーと称される平板から構成される。第五連結部材76には、第3方向に間隔をあけて複数の貫通孔79が形成されており、これら貫通孔79にそれぞれ第四連結部材75が通されることで、複数の第四連結部材75が第五連結部材76を介して連結されている(図16の例では、3つの貫通孔79にそれぞれ第四連結部材75が通されることで、3本の第四連結部材75が第五連結部材76を介して連結されている)。なお、貫通孔79は、第四貫通孔78と対応する位置(具体的には第1方向に延びる同一直線上の位置)に形成されるものであって、第四連結部材75は、第四貫通孔78と貫通孔79とを通過するものとされる。
そして供給体ユニット71が組み立てられた状態では、第五連結部材76は、気体供給体10よりも外側(第3方向の外側)に延び出る延出部76aを有している。この延出部76aは、供給体ユニットを固定するために使用される(詳しくは後述する)。
なお、第三連結部材74の数は、1以上10以下であることが好ましい。第三連結部材74が設けられない場合には、気体供給体10を安定的に保持することが困難になる。第三連結部材74の数が10よりも大きい場合には、供給体ユニット71の加工が困難になる。
また、第四連結部材75の数は、2以上20以下であることが好ましい。第四連結部材75の数が1である場合には、気体供給体10を安定的に保持することが困難になる。第四連結部材75の数が20よりも大きい場合には、供給体ユニット71の加工が困難になる。
また、第三連結部材74や第四連結部材75の外径は、5mm以上、100mm以下にすることが好ましい。連結部材74,75の外径が5mmよりも小さい場合には、供給体ユニット71の強度を十分確保できなくなる。連結部材74,75の外径が100mmよりも大きい場合には、気体供給体10の透気シート21の有効面積を十分確保できなくなる。
また、供給体ユニット71では、スペーサ72の材質を、ステンレス、チタン、被覆したスチール、或いはFRPなどのプラスチックにすることが好ましい。このようにすることで、腐食によるスペーサ72の破損を防止することができる。
また、上記の連結部材74,75の外径との関係から、スペーサ72の内径は、5mm以上100mm以下にすることが好ましい。
また、第4実施形態では、供給体ユニット71を軽量にするため、且つ、供給体ユニット71の浮上を利用して供給体ユニット71を固定するために、供給体ユニット71の質量は、供給体ユニット71と同一の体積を有する水の質量よりも小さくされる(つまり供給体ユニット71は水に浮く性質を有するものとされる)。
(固定手段)
第4実施形態の廃水処理装置70では、供給体ユニット71を水槽2に固定する手段として、フック80が水槽2に設けられる。
フック80は、高さ調整手段81(図16,図17)を介して水槽2の底壁5に固定されてもよい。高さ調整手段81は、ボルト82と、支持板83と、溝形鋼84とから構成される。ボルト82は、上下方向に延びるものであって、ボルト82の下端部は底壁5に締結される。支持板83は、第3方向に延びるものであって、両端部がボルト82に締結される。溝形鋼84は、第1方向に延びるものであって、平板状の本体84aと、本体84aの両側縁から突出する一対の側板84b,84bとを有している。側板84b,84bの先端(下端)は支持板83の上面に接合され、本体84aの中央にフック80の下端が締結されている。フック80は、湾曲部を有するものであり、具体的には、溝形鋼84から上方に延びた後、湾曲して、下方に延びる形状を呈している。以上の構成によれば、底壁5からボルト82が延び出る長さを変更することで、フック80の高さを変更できる。
第4実施形態の廃水処理装置70では、第五連結部材76の延出部76a(図16)にフック80の湾曲部80a(図17(c))を係止させることで、供給体ユニット71を水槽2に固定できる。
また、フック80が第五連結部材76から抜けることを防止するために、第五連結部材76の端には、突起87が形成されていることが好ましい。突起87は、平板である第五連結部材76の延伸方向(第3方向)と直交する方向に突出するものであり、図示例では、突起87は上方へ突出するものとされている。なお、突起87の形成位置は、第五連結部材76の端に限定されず、フック80が外れることを防止可能な第五連結部材76の任意の位置とされ得る。
第4実施形態では、供給体ユニット71を水槽2に固定するために、水槽2の外部から、以下の操作A,Bのいずれか一方もしくは両方を行うことで、第五連結部材76の延出部76a(図16)にフック80の湾曲部80a(図17(c))が係止された状態とされる。
操作A:廃水Wが貯留された周壁6の内側に、供給体ユニット71を投入した後、廃水W中の供給体ユニット71を浮き上がらせること。
操作B:周壁6の内側に供給体ユニット71を投入した後、供給体ユニット71の位置を水平方向にずらすこと。
例えば、供給体ユニット71が水に浮く性質を有する場合には、周壁6の内側に廃水Wが貯留された状態で、水槽2の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット71を投入する投入工程が実施される。
上記の投入工程では、まず、供給体ユニット71を下方に押さえ付けて供給体ユニット71を廃水W中に沈めることが行われる。この際には、フック80の湾曲部80aの直下に、平板である第五連結部材76の延出部76aが位置するように、供給体ユニット71の位置が調整される。この後、供給体ユニット71への押さえ付けを解除することで、供給体ユニット71を浮上させて、第五連結部材76の延出部76aをフック80の湾曲部80a内に入れることが行われる。これにより、フック80が第五連結部材76(平板)の延出部76aに係止されて、供給体ユニット71が水槽2に固定された状態になる。
第4実施形態によれば、水槽2の外部から上記の操作A,Bの一方もしくは両方を行うことで、フック80が第五連結部材76の延出部76a(係止部)に係止されて、供給体ユニット71が水槽2に固定される。このため第4実施形態でも、水槽2の内面と供給体ユニット71との間の空間K(図14)に作業員が入ることを要しないので、上記空間Kを小さく抑えることができる。
また、第4実施形態では、第五連結部材76に突起87が設けられることで、フック80が第五連結部材76から抜けることが防止される。このため、供給体ユニット71が固定された状態が維持される。
なお、第4実施形態では、供給体ユニット71を確実に固定するために、図14〜図16に示すように、第1方向に間隔をあけて複数のフック80を配置するとともに、当該複数のフック80からなる組を、第3方向に複数組配置することが好ましい(図14や図16に示す例では、第1方向に間隔をあけて3つのフック80が設置されるとともに、当該3つのフック80の組が第3方向に間隔をあけて2組配置されている)。そして上記のようにする場合には、第1方向に並ぶ複数のフック80を、同一の溝形鋼84に締結させることが好ましい。このようにすることで、第1方向に並ぶ複数のフック80を同等の高さに位置づけることができるので、供給体ユニット71を安定且つ確実に固定できる。なお、第1方向に配置するフック80の数や、第3方向に配置するフック80の組の数は、上記の3や2に限定されず、任意の複数とすることができる。
なお、フック80の材質は、ステンレス、チタン、被覆したスチール、或いは、FRPなどのプラスチックにすることが好ましい。このようにすることで、腐食によるフック80の破損を防止できる。
また、フック80の数は4以上20以下であることが好ましい。フック80の数が4よりも小さい場合には、供給体ユニット71を安定的に固定することが困難になる。フック80の数が20よりも大きい場合には、廃水処理装置70の加工が困難になる。
また、フック80を係止させる第五連結部材76の延出部76aの長さは、3mm以上600mm以下にすることが好ましい。延出部76aの長さが3mmよりも小さい場合には、供給体ユニット71を安定的に固定できなくなる虞がある。延出部76aの長さが600mmよりも大きい場合には、水槽2と供給体ユニット41との間隔が広がり、水槽2内に嫌気的に分解される廃水Wが生じてしまう。
また、フック80を係止させる第五連結部材76を、必ずしも平板(フラットバー)にする必要はなく、第五連結部材76は棒材であってもよい。そしてこの場合には、棒材(第五連結部材76)からフック80が抜けることを防止するために、棒材(第五連結部材76)には、その延伸方向と直交する方向に突出する突起が形成される。
なお、第五連結部材76を平板にする場合には、第五連結部材76の厚さは、2mm以上100mm以下とすることが好ましい。厚さが2mmよりも小さい場合には、第五連結部材76の強度を十分確保できなくなる。厚さが100mmよりも小さい場合には、供給体ユニット71に保持可能な気体供給体10の数が少なくなる。
第4実施形態の供給体ユニット71では、第三連結部材74を支持するための柱部材が設けられてもよい。当該柱部材は、上下方向に延びるものであって、下端が第四連結部材75に締結され、上端が第三連結部材74に締結される。上記の柱部材は、例えば、平板、Lアングル、Cチャンネル、丸棒、角棒、中空円管、中空角管であり、当該柱部材が使用されることで、供給体ユニット71の強度を高めることができる。
また、必ずしも、フック80の固定箇所を水槽2の底壁5にする必要はない。水槽2の外部から操作で、供給体ユニット71を固定可能な限りにおいて、フック80は、水槽2の周壁6に固定されてもよい。或いは、フック80を供給体ユニット71に設け、フック80を係止させる係止部を水槽2に設けてもよい。
また、周壁6の内側に供給体ユニット71を投入する際に、周壁6の内側に廃水Wが貯留されていなくてもよく、また、供給体ユニット71は水に浮かないものであってもよい。上記の場合には、例えば、水槽2の外部からの操作で、周壁6の内側に供給体ユニット71を投入して、供給体ユニット71を底壁5に着地させることが行われる。そして、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニット71の位置を水平方向にずらすことで、フック80の湾曲部に、供給体ユニット71の平板或いは棒材を嵌合させる。これにより、フック80に平板或いは棒材が係止された状態となって、供給体ユニット71が水槽2に固定される。なお、供給体ユニット71を水に浮くものとすれば、供給体ユニット71の浮上を利用して、フック80を平板或いは棒材に係止できるので、上記変形例のように供給体ユニット71の位置をずらすことを要しない。一方、供給体ユニット71を水に浮かないものとすれば、供給体ユニット71を周壁6の内側に投入する際に、供給体ユニット71を下方に押さえ付けることを要さず、供給体ユニット71を廃水W中に沈めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明に係る廃水処理装置では、供給体ユニット3は、一の水槽2に対して、一つ配置されるのみであってもよいし、複数配置されてもよい。このとき、供給体ユニット3の水平方向を向く面(側面)に対して対向する面(水槽2の周壁6、又は隣接する他の供給体ユニット3)との距離は、全ての側面において、小さく抑えることが好ましいが、例えば、図22(a)〜(c)に示すように、少なくとも一つの側面301について、対向する面との距離が小さく抑えられればよい。
ここでいう「側面」は、供給体ユニット3の平面視における外周から鉛直方向に延びる鉛直面であり、仮想的な平面も含む。
供給体ユニット3の側面301,302のうち、水槽2の周壁6又は隣接する他の供給体ユニット3に対して近接した側面301は、上述の第1実施形態から第4実施形態のいずれかの固定手段42によって、水槽2の底壁5又は周壁6又は隣接する他の供給体ユニット3に対して接続されて、水槽2に固定されている。この固定手段を「第一固定手段401」とする。
供給体ユニット3の側面301,302のうち、第一固定手段401で固定された面以外の側面302は、図23(b)〜(e)に示す構造によって、水槽2に対して固定されている。この第一固定手段401とは別の部分で固定する固定手段を「第二固定手段402」という。
ここでいう「側面が水槽2に固定されている」とは、当該側面と、これに対向する水槽2の周壁6又は隣接する他の供給体ユニット3との間に配置された固定手段402によって、水槽2に対して当該側面302が動かない状態になっていることを意味する。
図23(b)〜(e)は、図23(a)のA部分の拡大図である。図23(b)に示すように、第二固定手段402は、水槽2に固定的に設置された設置部材403に対して、供給体ユニット3の下板32から延びた固定板321をねじ止めするためのボルトであり、ボルト締結によって、供給体ユニット3の側面302を固定している。
ここで、設置部材403は、供給体ユニット3の一側面302を水槽2内で固定するための部材であり、水槽2の内面に固定されている。設置部材403の形状及び材質には特に制限はなく、例えば、形状としては、ブロック状、溝形状、板状等、材質としては、例えば、金属、合成樹脂、ゴム、セメント、FRP等、第二固定手段402の態様によって適宜選択される。設置部材403の水槽2の底壁5に対する固定は、特に制限はなく、例えば、接着、溶着、溶接、ねじ止め、リベット止め、嵌め込み等で実現される。なお、設置部材403の設置箇所は底壁5に限らず、水槽2の周壁6に設置されてもよい。
また、第二固定手段402としては、図23(c)に示すように、設置部材403に対する供給体ユニット3の固定を、溶接又は接着によって実現したものであってもよいし、図23(d)に示すように、固定板321と設置部材403とを巻き回す長尺部材(例えば、ワイヤー、ロープ、チェーン等)であってもよいし、図23(e)に示すように、水槽2の底壁5に埋め込まれたアンカーボルト500に対して締結したナットであってもよい。供給体ユニット3を順次設置していく過程においては、側面301については第一固定手段401を採用することで対向する面との距離を小さく抑えることができる一方、側面302については、水槽2内に作業員が入り供給体ユニット3を水槽2の底壁5又は周壁6に対して固定する作業が可能な作業空間があるので、固定の確実性、簡便さ、使用する部材の入手容易さという観点から、第二固定手段402を採用することが好ましい。
ボルトはネジ部を有していれば、形状には制限はなく、例えば、Jアンカー、キャップスクリュー等であってもよい。ボルトや長尺部材の素材は特に限定されず、炭素鋼、ステンレス等の金属類やプラスチック、樹脂コーティングを施した金属類、樹脂系の繊維、ガラス繊維、炭素繊維、繊維強化プラスチック等であってもよい。
また、第1実施形態の固定手段である締結板4(図1,図2,図8)を用いて、第2〜第4実施形態に示した供給体ユニット41、71(図9,図10,図12,図14〜図16)が、水槽2に固定されてもよい。
また、第2実施形態の固定手段である傾動部材42(図9,図11)を用いて、第1及び第4実施形態に示した供給体ユニット3、71(図1,図2,図14〜図16)が水槽2に固定されてもよい。
また、第3実施形態の固定手段である回転軸61(図12,図13)を用いて、第1及び第4実施形態に示した供給体ユニット3、71(図1,図2,図14〜図16)が水槽2に固定されてもよい。
また、第4実施形態の固定手段であるフック80(図16,図17)を用いて、第1〜第3実施形態に示した供給体ユニット3、41(図1,図9,図10,図12)が水槽2に固定されてもよい。
また、第1実施形態〜第4実施形態の固定手段(締結板4・傾動部材42・回転軸61・フック80)を用いて、図18に示す供給体ユニット90が水槽2に固定されてもよい。以下、供給体ユニット90について説明する。
(供給体ユニット90)
図18は、供給体ユニット90を示す正面図である。図19は、供給体ユニット90が備える気体供給体10を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の矢印方向Aから気体供給体を見たときの側面図であり、(C)は(a)の矢印方向Bから気体供給体を見たときの側面図である。図20は、供給体ユニット90が備えるスペーサ96,97を拡大して示す側面図である。
図18や図19に示すように、供給体ユニット90は、複数の気体供給体10と、一対の第三対向部材91A,91Bと、第三連結部材92と、第四連結部材93(図19)とを備えている。
一対の第三対向部材91A,91Bは、水平方向に間隔をあけて対向配置される。以下、「第三対向部材91A,91Bが対向する水平な方向」を「第1方向」と記す。
第三連結部材92や第四連結部材93は、第1方向に延びるものであって、第三連結部材92や第四連結部材93を介して第三対向部材91A,91Bが連結される。
第三連結部材92と第四連結部材93とは、第1方向と直交する水平な第2方向に間隔をあけて配置されている。そして気体供給体10に形成された第三貫通孔94に第三連結部材92が通され、気体供給体10に形成された第四貫通孔95に第四連結部材93が通されることで、気体供給体10は、第三連結部材92及び第四連結部材93に保持されている。
より具体的には、図19に示すように、各気体供給体10では、幅一方側における上端部・中央部・下端部に第三貫通孔94が形成され、幅他方側の上端部・中央部・下端部に第四貫通孔95が形成されている。各気体供給体10では、第三貫通孔94に筒状のスペーサ96が取り付けられ、第四貫通孔95に筒状のスペーサ97が取り付けられており、スペーサ96の内部に第三連結部材92が通され、スペーサ97の内部に第四連結部材93が通されている。これにより、各気体供給体10は、それぞれスペーサ96,97を介して連結部材92,93に保持されている。そして図20に示すように、隣り合う2つの気体供給体10では、第三貫通孔94に取り付けたスペーサ96の端面同士が突き合い、且つ、第四貫通孔95に取り付けたスペーサ97の端面同士が突き合うことで、上記隣り合う2つの気体供給体10の間隔Pが、所定値に維持されている(図20では、第三貫通孔94の位置の構造と、第四貫通孔95の位置の構造とが、同様の構造であることで、上記2つの位置をまとめて示している)。
なお、第三連結部材92の数は、1以上10以下であることが好ましい。第三連結部材92が設けられない場合には、気体供給体10を安定的に保持することが困難になる。第三連結部材92の数が10よりも大きい場合には、供給体ユニット90の加工が困難になる。
また第四連結部材93の数は、2以上20以下であることが好ましい。第四連結部材93の数が1とされる場合には、気体供給体10を安定的に保持することが困難になる。第四連結部材93の数が20よりも大きい場合には、廃水処理装置70の加工が困難になる。
また供給体ユニット90を軽量にする観点から、供給体ユニット90の質量は、供給体ユニット90と同一の体積を有する水の質量よりも小さくされてもよい(つまり供給体ユニット90は水に浮く性質を有するものとされてもよい)。
なお供給体ユニット90では、第三連結部材92や第四連結部材93の本数の合計は4本以上30本以下にすることが好ましい。上記本数の合計が4本よりも少ない場合には、第三連結部材92や第四連結部材93により気体供給体10を安定して保持できなくなる虞がある。上記本数の合計が30本よりも多い場合には、第三連結部材92や第四連結部材93の加工が困難になる虞がある。
また、第三連結部材92や第四連結部材93の外径は5mm以上100mm以下にすることが好ましい。第三連結部材92や第四連結部材93の外径が5mmよりも小さい場合には、第三連結部材92や第四連結部材93の強度を十分確保できなくなる虞がある。第三連結部材92や第四連結部材93の外径が100mmよりも大きい場合には、気体供給体10の透気シート21の有効面積を十分確保できなくなる虞がある。
また、上記の連結部材92,93の外径との関係から、スペーサ96,97の内径は、5mm以上100mm以下にすることが好ましい。
また、スペーサ96,97の材質を、ステンレス、チタン、被覆したスチール、或いはポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、FRPなどのプラスチックにすることが好ましい。このようにすることで、腐食によるスペーサ96の破損を防止することができる。
また、第三連結部材92と第四連結部材93とは、水平な第1方向と直交する鉛直な第2方向に間隔をあけて配置されるものであってもよい。この場合、例えば、各気体供給体10の上端部に形成された第三貫通孔94にスペーサ96が取り付けられ、各気体供給体10の下端部に形成される第四貫通孔95にスペーサ97が取り付けられる。そして各気体供給体10のスペーサ96の内部に第三連結部材92が通され、各気体供給体10のスペーサ97の内部に第四連結部材93が通されることで、各気体供給体10は、それぞれスペーサ96,97を介して連結部材92,93に保持される。そして隣り合う2つの気体供給体10では、第三貫通孔94に取り付けたスペーサ96の端面同士が突き合い、且つ、第四貫通孔95に取り付けたスペーサ97の端面同士が突き合うことで、上記隣り合う2つの気体供給体10の間隔が、所定値に維持される。
また、必ずしも、複数の気体供給体10が供給体ユニット90に保持される必要はなく、1つの気体供給体10を供給体ユニット90に保持させてもよい。この場合、スペーサ96,97は省略される。
また、上述した全ての実施形態では、供給体ユニット3,41,71,90と水槽2との接合部の材質は、ステンレス、チタン、被覆したスチール、或いは、FRPなどのプラスチックにすることが好ましい。このようにすることで、腐食による接合部の破損を防止できる。
また、上述した全ての実施形態では、水槽2の内面(周壁6の内面6a)と供給体ユニット3,41,71,90との間隔は、1mm以上600mm以下とすることが好ましい。上記の間隔が1mmよりも小さい場合には、水槽2の内部に供給体ユニット90を設置することが困難になる。またさらには供給体ユニット3,41,71,90や水槽2の寸法許容誤差が厳しくなり、製造コストが増大する事態を招く。また上記の間隔が600mmよりも大きい場合には、嫌気的に分解される廃水Wが生じてしまう。
また、上述した全ての実施形態では、複数の供給体ユニット3,41,71,90が水槽2内に配列されてもよい(図14は、2つの供給体ユニット71,71を水槽2内に配列する例を示し、図21は、3つの供給体ユニット71,71,71を水槽2内に配列する例を示している)。
また、上記のように複数の供給体ユニット3,41,71,90を水槽2内に配列する場合には、隣り合う2つの供給体ユニットの間隔を1mm以上600mm以下にすることが好ましい。上記の間隔が1mmよりも小さい場合には、供給体ユニット3,41,71,90を水槽2内に投入することが困難になる。またさらには供給体ユニット3,41,71,90や水槽2の寸法許容誤差が厳しくなり、製造コストの増大を招く。また上記の間隔が600mmよりも大きい場合には、嫌気的に分解される廃水Wが生じてしまう。
また、複数の供給体ユニット3,41,71,90が水槽2内に配列される場合には、図14や図21に示すように、隣り合う2つの供給体ユニットは、連結ネジ棒98を介して連結することが好ましい。このようにすることで、隣り合う2つの供給体ユニットの一方が他方の動きを規制するので、隣り合う2つの供給体ユニットの間の間隔が一定値に維持される。このため2つの供給体ユニットの間の廃水Wが嫌気的に分解されることを防止できる。なお、腐食による連結ネジ棒98の破損を防止するために、連結ネジ棒98の材質は、ステンレス、チタン、被覆したスチール、或いは、FRPなどのプラスチックにすることが好ましい。
さらに、上記のように複数の供給体ユニット90が水槽2内に配列される場合には、図14や図21に示すように、周壁6の近傍に位置する供給体ユニットを、サイドブラケット99を用いて周壁6に固定することが好ましい。このようにすることで、周壁6と供給体ユニットとの間の間隔を一定値に維持できるので、周壁6と供給体ユニットとの間の廃水Wが嫌気的に分解されることを防止できる。なお図14や図21に示す例では、サイドブラケット99として山形鋼が使用されている。この山形鋼のサイドブラケット99によれば、水槽2の外部からの操作で、一辺99aを供給体ユニットに締結し、他辺99bを水槽2の周壁6に締結することで、供給体ユニットを周壁6に固定できる。なお、サイドブラケット99として使用可能な器具は、上記の山形鋼に限定されず、水槽2の外部からの操作で、供給体ユニットを固定可能な様々な器具を、サイドブラケット99に使用できる。
1,40,60,70 廃水処理装置、
2 水槽、
3,41,71,90 供給体ユニット、
4 締結板(固定手段)、
5 底壁、
6 周壁、
6a 周壁の内面、
10 気体供給体、
21 透気シート、
30A,30B 第一対向部材、
31 上板、
32 下板、
34 第一溝、
35 第二溝、
42A,42B 傾動部材(固定手段)
43A,43B 第二対向部材、
42a 傾動部材の他端、
42b 傾動部材の傾動支点、
44 第一連結部材、
45 第二連結部材、
46 第一貫通孔、
47 第二貫通孔、
48 第一ロープ、
49 第二ロープ、
50A,50B ロープ、
50Aa,50Ab ロープの上端部、
51 第三貫通孔、
52 第四貫通孔、
61A,61B 回転軸(固定手段)、
61b 上端部、
61c 回転軸の下端部、
62 ハンドル、
63,87 突起、
63a 突起の上面、
64 固定板、
64a 固定板の下面、
65 ボルト、
72,96,97 スペーサ、
74 第三連結部材、
75 第四連結部材、
76 第五連結部材、
76a 延出部、
77 第三貫通孔、
78 第四貫通孔、
80 フック(固定手段)、
80a フックの湾曲部、
91A,91B 第三対向部材、
92 第三連結部材、
93 第四連結部材、
94 第三貫通孔、
95 第四貫通孔、
98 連結ネジ棒、
99 サイドブラケット

Claims (20)

  1. 底壁と、前記底壁から上方へ延びる周壁とを有し、微生物を含む廃水が貯留される水槽と、
    前記周壁の内側に配置され、気体供給体を1以上保持する1又は複数の供給体ユニットと、
    少なくとも一つの前記供給体ユニットを前記水槽に対して固定する固定手段と、
    を備え、
    前記気体供給体は、内部に気体が供給される中空の構造体であって、透気シートによって壁が構成されており、
    前記固定手段は、前記供給体ユニットの前記水槽に対する固定が、前記水槽の外部からの操作により行われるように構成されている、
    廃水処理装置。
  2. 前記固定手段は、前記少なくとも一つの供給体ユニットを、当該供給体ユニットに隣接し前記水槽に設置された他の供給体ユニット又は前記水槽に対して、前記水槽の外部からの操作により固定する、
    請求項1記載の排水処理装置。
  3. 前記供給体ユニットの質量は、前記供給体ユニットと同一の体積を有する水の質量よりも小さく、
    前記固定手段による固定で、前記供給体ユニットは、浮上せず、定位置に止められる、請求項1又は請求項2に記載の廃水処理装置。
  4. 前記固定手段として、締結板を備え、
    前記水槽の外部からの操作で、前記供給体ユニットを前記周壁の内側に投入し、且つ、前記締結板の一端を前記周壁に締結し、前記締結板の他端を前記供給体ユニットに締結することで、前記締結板を介して前記供給体ユニットが前記周壁に固定される、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
  5. 前記固定手段は、前記水槽の外部からの操作により、或いは前記重力の作用により、動きを生じるものであり、前記水槽と前記供給体ユニットとのいずれか一方に設けられ、
    前記水槽の外部からの操作で、前記供給体ユニットを前記周壁の内側に投入した状態で、前記固定手段に動きが生じることで、前記固定手段の当接部が、前記水槽と前記供給体ユニットとの他方が備える被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
  6. 前記固定手段として、傾動部材を備え、
    前記傾動部材は、その一端側を支点にして上下に傾動可能となるように、一端側が前記供給体ユニットに取り付けられており、
    前記水槽の外部からの操作で、前記傾動部材の他端が前記水槽に当接するように、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入すること、或いは、
    前記水槽の外部からの操作で、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入し、且つ、前記傾動部材を傾動させることで、
    前記当接部としての傾動部材の他端が、前記供給体ユニットが備える前記被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、
    請求項5に記載の廃水処理装置。
  7. 前記固定手段として、傾動部材を備え、
    前記傾動部材は、その一端側を支点にして上下に傾動可能となるように、一端側が前記水槽に取り付けられており、
    前記水槽の外部からの操作で、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入し、且つ、前記傾動部材を傾動させることで、前記当接部としての傾動部材の他端が、前記供給体ユニットが備える前記被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、
    請求項5に記載の廃水処理装置。
  8. 前記固定手段として、上下方向に延びる回転軸を備え、
    前記回転軸は、軸心回りに回転可能となるように、前記供給体ユニットと前記水槽とのいずれか一方に取り付けられており、
    前記回転軸の所定位置には、前記当接部としての突起が形成されており、
    前記供給体ユニットと前記水槽との他方には、前記突起を当接させるための前記被当接部が設けられており、
    前記水槽の外部からの操作で、前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入し、且つ、前記回転軸を回転させることで、前記突起が前記被当接部に当接して、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、
    請求項5に記載の廃水処理装置。
  9. 前記固定手段として、フックを備え、
    前記フックは、前記供給体ユニットと前記水槽との一方に設けられ、前記供給体ユニットと前記水槽との他方には、前記フックを係止させるための係止部が設けられており、
    前記水槽の外部から、以下の操作A,Bのいずれか一方もしくは両方を行うことで、前記フックが前記係止部に係止されて、前記供給体ユニットが前記水槽に固定される、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
    操作A:前記廃水が貯留された前記周壁の内側に、前記供給体ユニットを投入した後、前記廃水中の前記供給体ユニットを浮き上がらせること。
    操作B:前記周壁の内側に前記供給体ユニットを投入した後、前記供給体ユニットの位置を水平方向にずらすこと。
  10. 前記フックは、湾曲部を有しており、
    前記係止部は、前記供給体ユニットが備える平板或いは棒材から構成されており、
    前記平板或いは棒材が前記フックの湾曲部に嵌合することで、前記フックが前記平板或いは棒材に係止された状態になる、
    請求項9に記載の廃水処理装置。
  11. 前記平板或いは棒材から前記フックが抜けることを防止するために、前記平板或いは棒材には、前記平板或いは棒材の延伸方向と直交する方向に突出する突起が形成されている、
    請求項10に記載の廃水処置装置。
  12. 前記フックの材質は、ステンレス、チタン、被覆したスチール、或いは、プラスチックである、
    請求項9〜11のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
  13. 前記固定手段を第一固定手段とし、
    前記少なくとも一つの供給体ユニットを、前記水槽に対し、前記第一固定手段で固定された部分とは別の部分で、前記水槽に対して固定する第二固定手段を更に備え、
    前記第二固定手段は、ボルト締結、溶接、接着、ワイヤー、チェーン又はロープにより、前記水槽に設置された設置部材に対して前記少なくとも一つの供給体ユニットを固定している、
    請求項4に記載の廃水処理装置。
  14. 前記供給体ユニットは、1以上の前記気体供給体と、一対の第一対向部材と、上板と、下板とを有し、
    前記一対の対向部材は、間隔をあけて対向配置され、
    前記上板及び前記下板は、前記一対の第一対向部材の間に配置されるものであって、前記上板を介して前記一対の第一対向部材の上端部同士が連結され、前記下板を介して前記一対の第一対向部材の下端部同士が連結され、
    前記上板には、下方に開口する第一溝が形成され、
    前記下板には、上方に開口する第二溝が形成され、
    前記第一溝に前記気体供給体の上端部が差し込まれ、前記第二溝に前記気体供給体の下端部が差し込まれることで、前記気体供給体が前記上板及び前記下板に保持されている、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
  15. 前記供給体ユニットは、1以上の前記気体供給体と、一対の第二対向部材と、第一連結部材と、第二連結部材とを備え、
    前記一対の第二対向部材は、間隔をあけて対向配置され、
    前記第一連結部材及び第二連結部材は、それぞれ前記一対の第二対向部材が対向する第1方向に延びるものであって、前記第一連結部材及び前記第二連結部材を介して前記一対の第二対向部材が連結され、
    前記第一連結部材と前記第二連結部材とは、前記第1方向と直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、前記第一連結部材と前記第二連結部材との間において、前記気体供給体が配置されており、
    前記第一連結部材には、第一貫通孔が形成され、前記第二連結部材には、第二貫通孔が形成されており、
    前記気体供給体は、前記第一貫通孔に通される第一ロープを用いて前記第一連結部材に締結され、前記第二貫通孔に通した第二ロープを用いて第二連結部材に締結されている、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
  16. 前記供給体ユニットは、1以上の前記気体供給体と、第三連結部材と、第四連結部材とを備え、
    前記第三連結部材及び前記第四連結部材は、第1方向に延びるものであって、前記第三連結部材と前記第四連結部材とは、前記第1方向と直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、前記第三連結部材と前記第四連結部材との間において、前記気体供給体が配置されており、
    前記気体供給体に形成された第三貫通孔に、前記第三連結部材が通され、前記気体供給体に形成された第四貫通孔に、前記第四連結部材が通されることで、前記気体供給体は、前記第三連結部材及び前記第四連結部材に保持されている、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
  17. 前記供給体ユニットは、第五連結部材を更に備え、
    前記第五連結部材は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に延びるものであって、前記第3方向に間隔をあけて複数配置される前記第四連結部材が前記第五連結部材を介して連結される、
    請求項16に記載の廃水処理装置。
  18. 前記気体供給体は複数設けられ、
    各前記気体供給体の前記第三貫通孔及び前記第四貫通孔には、それぞれ筒状のスペーサが取り付けられ、
    前記複数の気体供給体の各々において、前記第三貫通孔に取り付けられた前記スペーサの内部に前記第三連結部材が通され、前記第四貫通孔に取り付けられた前記スペーサの内部に前記第四連結部材が通されていることで、前記複数の気体供給体は、それぞれ前記第三連結部材及び前記第四連結部材に保持されて、前記第1方向に並んでおり、
    隣り合う2つの前記気体供給体では、前記第三貫通孔に取り付けた前記スペーサの端面同士が突き合い、且つ、前記第四貫通孔に取り付けた前記スペーサの端面同士が突き合うことで、前記隣り合う2つの気体供給体の間隔が、所定値に維持される、
    請求項16又は17に記載の廃水処理装置。
  19. 前記気体供給体は複数設けられ、
    前記複数の気体供給体の各々において、前記第三貫通孔に前記第三連結部材が通され、前記第四貫通孔に前記第四連結部材が通されていることで、前記複数の気体供給体は、それぞれ前記第三連結部材及び前記第四連結部材に保持されて、前記第1方向に並んでおり、
    隣り合う2つの前記気体供給体では、これらの間を延びる前記第三連結部材や前記第四連結部材に、筒状のスペーサが環装されていることで、前記隣り合う2つの気体供給体の間隔は、前記スペーサの幅に維持される、
    請求項16又は17に記載の廃水処理装置。
  20. 前記周壁の内側には、複数の前記供給体ユニットが配列され、
    隣り合って配置される2つの前記供給体ユニットは、連結ネジ棒を介して連結される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の廃水処理装置。
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