JP2024048325A - 廃水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】気体供給体を使用した好気性微生物廃水処理装置において、曝気攪拌時に発生するエアが気体供給体に付着した微生物に接触することにより微生物が剥離し、廃水処理性能が低下する課題がある。【解決手段】廃水処理システム(50)は、廃水処理槽(51)内に設置された廃水中に酸素を含む気体を供給する気体供給体(10)を含む供給体ユニット(52)と、廃水処理槽(51)内に設置され、気体供給体(10)とは別に気体を廃水中に供給する散気管(71)と、を備え、散気管(71)は、管の内部から廃水中に曝気させるエアを吐出させるエアー吐出部(71a)を含み、エアー吐出部(71a)は、平面視において、供給体ユニット(52)の外側に配置され、かつ、気体供給体(10)の深さ方向の長さの中央(L1)より下方に配置されている。【選択図】図1A

Description

好気性微生物の働きを活用して水中の有機物を分解して廃水を浄化する廃水処理システムに関する。
好気性微生物廃水処理装置は、有機性廃水の処理方法として広く利用されている。一方、散気管を用いた曝気は酸素溶解効率が低く、散気管にかかる水圧以上の圧力での曝気を必要とする為、ブロアの電力費がかかる。
気体を透過し液体を透過しない気体供給体に微生物を付着させて廃水処理を行う、Membrane aerated biofilm reactor (MABR)型廃水処理装置が検討されている。この装置では送気にかかる圧力を抑えることが出来る為、電力費削減が可能である。当該気体供給体の例が特許文献1,2に開示されている。
特許第3743771号公報 特許第4680504号公報
気体供給体を使用した好気性微生物廃水処理装置においては、気体供給体に微生物を安定的に付着させることが廃水処理性能の発現に重要である。一方、一般的な好気性微生物廃水処理装置おいては、廃水処理槽内で廃水均一化する為に連続もしくは間欠曝気により攪拌が行われる。この曝気攪拌時に発生するエアが気体供給体に付着した微生物に接触することにより微生物が剥離し、廃水処理性能が低下する課題がある。
第1観点の廃水処理システムは、微生物の働きを利用して廃水を浄化する廃水処理システムであって、
廃水処理槽内に設置され、廃水中に酸素を含む気体を供給する気体供給体を含む供給体ユニットと、
前記廃水処理槽内に設置され、前記気体供給体とは別に気体を廃水中に供給する散気管と、
を備え、
前記散気管は、管の内部から廃水中に曝気させるエアを吐出させるエアー吐出部を含み、
前記エアー吐出部は、平面視において、前記供給体ユニットの外側に配置され、かつ、前記気体供給体の深さ方向の長さの中央より下方に配置されている。
第2観点の廃水処理システムは、第1観点の廃水処理システムであって、前記エアー吐出部は、複数であり、複数の前記エアー吐出部は、平面視において、前記気体供給体の長手方向に対して直交方向に並べられている。
第3観点の廃水処理システムは、第1観点又は第2観点の廃水処理システムであって、前記散気管の前記エアー吐出部を備えた部分が、前記廃水処理槽の底部に設置される。
第4観点の廃水処理システムは、第1観点又は第2観点の廃水処理システムであって、前記気体供給体が気体を廃水中に供給する供給速度である曝気強度が0.1m/m/h以上3.0m/m/h以下である。
第5観点の廃水処理システムは、第1観点又は第2観点の廃水処理システムであって、前記散気管が曝気を実施するサイクル数が1回/日以上、かつ、1回/分以下であり、かつ1回あたりの曝気時間は1分以上、60分以下である。
本開示の廃水処理システムによれば、曝気攪拌時に発生するエアが気体供給体に付着した微生物に接触せず、微生物が剥離することによる廃水処理性能が低下を抑制できる。
第1実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に垂直な方向に切断した鉛直断面図である。 第1実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に沿って切断した鉛直断面図である。 第1実施形態の廃水処理装置100の上面図である。 第2実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に垂直な方向に切断した鉛直断面図である。 第2実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に沿って切断した鉛直断面図である。 第2実施形態の廃水処理装置100の上面図である。 第3実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に垂直な方向に切断した鉛直断面図である。 第3実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に沿って切断した鉛直断面図である。 第3実施形態の廃水処理装置100の上面図である。 第4実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に垂直な方向に切断した鉛直断面図である。 第4実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に沿って切断した鉛直断面図である。 第4実施形態の廃水処理装置100の上面図である。 第5実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に垂直な方向に切断した鉛直断面図である。 第5実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に沿って切断した鉛直断面図である。 第5実施形態の廃水処理装置100の上面図である。 第6実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に垂直な方向に切断した鉛直断面図である。 第6実施形態の廃水処理装置100を、気体供給体10の長手方向に沿って切断した鉛直断面図である。 第6実施形態の廃水処理装置100の上面図である。 廃水処理装置100を、図1Aと同じ方向から見た側面図である。供給体ユニット52の廃水処理槽51への固定方法を示している。 気体供給体10を、平面視で長手方向に垂直な方向に切断した鉛直断面図である。 気体供給体10を構成する気体送出層12の斜視図である。 気体供給体10を用いて微生物が廃水W中の有機物を分解する様子を模式的に示す図である。 第1実施形態の気体供給体10a、10bの内部空間に水が溜まり、それを排出している状態を示す図である。 第1実施形態の気体供給体10a、10bの図10Aの後の状態を示す図である。 第1実施形態の送液管41内のオリフィス部位47aを示す図である。 第1実施形態の送液管41内の複数孔のオリフィス部位47bを示す図である。 第1実施形態の送液管41内の狭窄部位47cを示す図である。 第1実施形態の送液管41内の湾曲部位47dを示す図である。 第1実施形態の送液管41内の連通多孔質部材47eが配置された部位を示す図である。
<第1実施形態>
(1)全体構成
(廃水処理装置100)
本実施形態の廃水処理装置100は、廃水に含まれる好気性微生物の働きを利用して、廃水中の少なくとも1つの有機物または窒素源を分解して廃水の浄化処理を行う。図1A~1Cに示すように、廃水処理装置100は、廃水処理槽51と、廃水処理システム50とを備えている。
(廃水処理槽51)
図1A~1Cに示すように、廃水処理槽51は、廃水Wが貯留される有底の容器である。廃水処理槽51は、図3に示すように、平面視長方形状である。廃水処理槽51は、4つの側壁511~514と、底面515とを有している。側壁511には、廃水Wの流入口51aが配置されており、側壁511と対向する側壁512には、廃水Wの流出口51bが配置されている。
本実施形態では、流入口51aと流出口51bとが常時開放されている。廃水Wは、流入口51aから、流入口51aに対向する位置に配置された流出口51bに向かって、連続的、もしくは、断続的に供給される(図1Bの一点鎖線矢印は、廃水Wの流れを示している)。
廃水処理槽の容積については、特に限定されないが、例えば、1m以上10,000m以下の容積であればよい。
(廃水処理システム50)
廃水処理システム50は、供給体ユニット52と、送気部30と、送液部40、散気装置70とを備えている。
(供給体ユニット52)
図1A~1C、7Aに示すように、供給体ユニット52は、気体供給体10がユニット化されたものであり、廃水処理槽51の内部に配置される。図1A~1C、7Aでは、供給体ユニット52は、平行に配列された複数の気体供給体10によって構成されている。供給体ユニット52は、さらに、気体供給体10を支持する支持体61を含んでもよい。気体供給体ユニット52は、全体として直方体形状、又は、円柱形状を有していてもよい。気体供給体ユニット52が直方体形状である場合、支持体61は、直方体部分の辺に配置されていてもよい。支持体61はパイプであってもよい。支持体61は金属製であってもよい。供給体ユニット52は、使用時において、各気体供給体10の上端部分を除いた部分が廃水W中に浸漬されるように配置される。
また、気体供給体10を1枚ずつ廃水処理槽51に設置することは、施工時間が掛かり設置費用も高くなる。したがって、複数の気体供給体10を並列保持する供給体ユニット52を製作して、供給体ユニット52の単数または複数を、廃水処理槽51の内部に設置するようにしてもよい。このようにすれば、短時間で多くの気体供給体10を廃水処理槽51に設置できるので、施工時間、設置費用を大幅に短縮できる。以下、図7Aを用いて供給体ユニットの固定方法について説明する。
供給体ユニット52が中空状の気体供給体10を複数有することで、供給体ユニット52を廃水処理槽51に設置した際には、供給体ユニット52に大きな浮力が働く。そこで供給体ユニット52の浮上を防止するために固定金具63や浮上防止部材62が使用される。
固定金具63は、供給体ユニット52を廃水処理槽51の底面515に固定する。固定金具63はL型の鋼材である。固定金具63は、廃水処理槽51の底面515に固定され垂直に延びる構造である。固定金具63は、例えば供給体ユニット52の4隅の4カ所を廃水処理槽51の底面515に固定する。これによって、供給体ユニット52が左右に振れることなく固定される。固定金具63の個数は4個に限定されず、供給体ユニット52が固定されれば何個でも良い。
浮上防止部材62は、供給体ユニット52を廃水処理槽51の側壁511~514に固定する。浮上防止部材62は、L型の構造であり、基板62aと基板62aから垂直に延びる垂直板62bとを有する。基板62aは廃水処理槽51の側壁511~514の上部に固定される(図7A参照)。そして、垂直板62bにより上部から抑えることで、供給体ユニット52が浮上することが防止される。
(気体供給体10)
各気体供給体10とは、廃水処理槽51の廃水W中に浸漬された状態で、開口21bから供給された気体を、廃水W中に供給する構造体である。気体供給体10は、図7Bに示すように、気体送出層12と、防水透気膜21とを含む。気体供給体10の内部空間には、送気部30の送気管31の一部が開口21bを経由して挿入されている。送気部30より、気体(空気、酸素)が気体供給体10の内部空間に供給される。また、気体供給体10の内部空間には、送液部40の送液管41の一部が配置されている。気体送出層の中で生じた凝縮水は、気体供給体10の内部空間より、送液部40を介して外部に排出される。本実施形態においては、開口21bは、送気管31、送液管41の他にも空気、気体が気体供給体10の内部空間に出入りできる。開口21bは、送気管31、送液管41の他には空気、気体が出入りできないように封止されていてもよい。
図1Bに示すように、各気体供給体10は、平板状の部材であって、上下方向(深さ方向)と横方向(水平方向)とに沿って面が展開されるように配置されている。これにより、廃水Wとの接触面積が効率的に確保される。また、流入口51aと流出口51bとを結ぶ直線に対して、各気体供給体10の側面が平行になるように各気体供給体10が配置されることで、流入口51aから廃水処理槽51内に供給される廃水Wは、流出口51bに向けて円滑に流れる。なお、供給体ユニット52を構成する気体供給体10の数は、必ずしも複数である必要はなく、単数であってもよい。
また、気体供給体はスパイラル形状や中空糸形状でもよい。スパイラル形状の場合は平板状のように内部に気体送出層が配置され、気体供給体に送気部、送液部が挿入されている。中空糸形状の場合は、中空糸自体の強度で内部空間を保持することができる場合、気体送出層がなくてもよい。送気部、送液部は複数の中空糸を束ねるヘッダ内部に送気部、送液部が挿入される。
気体供給体10の間隔を、「気体供給体10の厚みを含まない、隣り合う2つの気体供給体10の外面の間隔」と定義すると、気体供給体10の間隔は、5mm以上200mm以下であることが好ましい。気体供給体10の間隔が5mm未満である場合には、防水透気膜21上に増殖する微生物によって目詰まりを起こす虞がある。気体供給体10の間隔が200mmを超える場合には、廃水との接触効率が悪くなり、廃水処理性能が向上しにくくなる可能性がある。なお上記問題を確実に回避するために、気体供給体10の間隔を15mm以上50mm以下とすることがより好ましい。
図7Bは、気体供給体10の鉛直断面図である。図7Bに示すように、気体供給体10は、気体送出層12と、防水透気膜21とを備えており、防水透気膜21によって構成される袋の中に気体送出層12が配置される。前記袋は、2枚の防水透気膜21,21を重ね合わせて、これら防水透気膜21,21の3方の端部を接着したものであり、上端部(気体送出層12における気体供給側の端部)に開口21b(図7B参照)を有している。そして開口21bから気体送出層12が袋の内部に挿入されることで、気体送出層12の外周は防水透気膜21によって覆われている。なお開口21bの位置あるいは形状は限定されず、例えば各端部(袋の上辺、底辺、横辺(縦のライン)も含む)の一部が開口とされてもよい。
(送気部30)
送気部30は、気体供給体10の内部空間に気体を供給する。送気部30は、ブロア36、マニホールド35、送気管31を含む。送気管31は、ブロア36より送り込まれた空気(酸素)を気体供給体10の内部に送り込む配管である。マニホールド35は、一方をブロア36に接続され、一方を複数の送気管31に接続されている。送気部30は、その一部が、水Wが貯留される処理槽51の水面下に設置されてもよい。水面下に設置される部分は、マニホールド35、送気管31、あるいは送気部30を構成する部材を接続する配管経路のいずれであっても良い。送気部30の水面下に設置される部分の材質と形状は限定されないが、熱伝導性の良いものが好ましい。送気部30の材質は、金属、樹脂であってもよい。金属としては、銅、アルミニウム、鉄、ステンレスであってもよい。
気体供給体10を介して廃水W中に供給される気体としては、廃水W中の好気性微生物の活性化を促すために、酸素を含む気体である。具体的には、空気であってもよいし、純酸素であってもよい。図示の例では、ブロア36からの気体が開口21bに供給されるようになっている。なお製造コストを安価に抑える観点から、ブロア36を使用せずに、開口21bから大気中の空気をそのまま気体供給体10に取り入れてもよい。
(防水透気膜21)
防水透気膜21は、最外側層が液体(廃水)に接触するように液体中(廃水中)に浸漬された状態で、内側(気体送出層12側)に供給される酸素を外側へ透過させることで、酸素を液体中(廃水中)に供給する。当該防水透気膜21は、気体供給体10が廃水処理槽51内に浸漬された状態において、内側(気体送出層12)から外側(廃水W)へ空気を透過させ、かつ外側(廃水W)から内側(気体送出層12)へ廃水を透過させない特性を有する。これにより、廃水W中の好気性微生物は、図9に示すように、継続的に空気(酸素)が供給される防水透気膜21の表面21aに集まってくる。よって、防水透気膜21の表面21aに微生物が付着して、バイオフィルム214が形成される。そして、廃水Wに含まれるか、もしくは表面21aに保持されている微生物の働きによって、水中に溶解、もしくは分散している微小個体状の有機物、もしくは窒素化合物が分解されて、廃水が浄化される。
具体的には図7Bに示すように、防水透気膜21は、基材211と、気体透過性無孔層212と、微生物支持層213とを含む。図示の例では、防水透気膜21は、基材211、気体透過性無孔層212、微生物支持層213の順に積層されている。微生物支持層213は、廃水Wに接触する最外側層である。なお図示の例とは異なり、防水透気膜21は、気体透過性無孔層212、基材211、微生物支持層213の順に積層されたものであってもよい。
(基材211)
基材211は、熱可塑性樹脂から形成される微多孔膜である。前記微多孔膜とは、微細な貫通孔を多数設けた膜である。基材211の素材として、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリフッ化ビニリデンを含めたフッ素樹脂、ポリブタジエン、ポリ(ジメチルシロキサン)を含めたシリコーンベースのポリマー、およびこれらの材料のコポリマーから選ばれるポリマー材料を含む等を含んでもよい。
微多孔膜である基材211の製造方法は、特に限定されないが、例えば、相分離法、延伸開孔法、溶解再結晶法、粉末焼結法、発泡法、溶剤抽出のいずれかによって、基材211を製造できる。また基材211は、自己組織化ハニカム微多孔膜であってもよい。
基材211の厚みは、10μm~500μmであることが好ましく、50μm~200μmであることがより好ましい。基材211の厚さは、JIS1913:2010一般不織布試験方法6.1厚さの測定方法で測定される値である。
基材211の細孔径は、気体透過性無孔層の欠陥を防止する観点から、0.01μm~50μmであることが好ましく、高い強度と気体透過性を保持する観点から、0.1μm~30μmであることがより好ましい。前記細孔径は、表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、その観察像から以下に示す方法により求めた細孔径である。観察倍率は、観察する対象物の細孔径が適切に算出できる倍率であれば、任意の倍率で観察することができる。
(細孔径を求める方法)
SEM観察で得られた像について、2値化処理を行い、画像解析的に、細孔径を算出する。算出の際には、細孔径は楕円近似を行い、楕円の長軸の長さを細孔径として、その平均値を評価する。
或いは、基材211の細孔径は、毛管凝縮法による細孔径分布測定(パームポロシメトリ)から求められる平均細孔径であると定義される。パームポロシメトリでは、試料にかける気体の測定圧力を徐々に増加させていく際に測定される気体の透過流量から、大気圧と測定圧力との差圧と、気体透過流量との関係を求める、細孔径を求めるには、試料を表面張力が既知の湿潤液に浸漬した後の湿潤サンプルにて測定されるウェットカーブと、乾燥した資料で測定されるドライカーブを求める。それぞれ、所定の圧力範囲で徐々に圧力を増加させていくことにより、試料内の貫通細孔径に関する情報を得ることができる。平均細孔径はウェットカーブと、ドライカーブの1/2の傾きの曲線(ハーフドライカーブ)が交わる点Xを求め、これを方程式、d=2860×γ/DPに代入して求める。前記方程式において、dは平均細孔径(mm)、γは湿潤液の表面張力(dynes/cm)、DPは点Xにおける大気圧と気体圧力との差圧(Pa)である。測定は、Porous Materials社製、パームポロメーター(CFP-1500-AEC)を用いることができる。試験条件としては例えば、試験温度は室温(20℃±5℃)、湿潤液はGalwick(表面張力15.7dynes/cm)、加圧気体は圧縮空気、用いる試料の直径は33mm、供給圧力最大値は250psi、差圧の上昇速度は4psi/分で測定することができる。湿潤サンプル作成の際には、サンプルが浸漬されている湿潤液をデシケータに入れ、脱気することでサンプルを十分に湿潤させることができる。
(気体透過性無孔層212)
気体透過性無孔層212とは、前記基材の孔より径の小さい細孔径の孔を有するか、もしくは、孔の径を検出できず、かつ、気体を透過可能な層である。気体透過性無孔層212の細孔径は、基材211の細孔径と同様の方法で測定できる。
気体透過性無孔層212を透過する前記気体としては、酸素、二酸化炭素、窒素、水素、メタノール、エタノール等のアルコール類や有機溶剤、もしくはそれらの混合ガスが挙げられる。微生物を効果的に育成、活動させる観点から、前記気体は、酸素か、酸素を含む混合ガスであることが好ましい。気体透過性はJIS K 7126に定めた方法で測定できる。
気体透過性無孔層212は、熱可塑性樹脂でもよく、熱硬化性樹脂でもよい。当該熱硬化性樹脂は、熱硬化する樹脂であってもよく、紫外線の照射で硬化する樹脂であってもよい。また、有機過酸化物架橋、付加反応架橋、縮合架橋により硬化する樹脂であってもよい。
気体透過性無孔層212の素材としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂および、これらの材料のコポリマーから選ばれる熱硬化性ポリマーを含んでもよい。また、(Si-O-Si)n(n=整数)のシロキサン骨格を有するポリ(ジメチルシロキサン)などのシリコーンベースのシリコーン樹脂を用いることができる。これらの中でも、特に、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。
上記のポリウレタン樹脂としては、「アサフレックス825」(旭化成社製)、「ペレセン 2363-80A」、「ペレセン2363-80AE」、「ペレセン2363-90A」、「ペレセン2363-90AE」、(以上、ダウ・ケミカル社製)、「ハイムレンY-237NS」(大日精化工業社製)を用いることができる。
シリコーン系樹脂やシリコーンポリマー、またはそれらを得るためのシリコーン系樹脂組成物の配合、組成は特に限定されない。シリコーン系樹脂組成物に用いられるモノマーは1官能基、2官能基、3官能基、4官能基のいずれでもよく、単独で用いても、2種類以上を用いてもよい。モノマーとしてハロゲン化アルキルシラン、不飽和基含有シラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン等を用いてもよい。用いられるモノマーとしては、例えば次の化学式で表されるモノマーが挙げられる。HSiCl、SiCl、MeSiHCl、MeSiCl、MeSiCl、MeSiCl、MeHSiCl、PhSiCl、PhSiCl、MePhSiCl、PhMeSiCl、CH=CHSiCl、Me(CH=CH)SiCl、Me(CH=CH)SiCl、(CFCHCH)MeSiCl2、(CFCHCH)SiCl、CH1837SiCl(化学式中で「=」は二重結合を、「Me」はメチル基を、「Ph」はフェニル基を表す)。前記モノマーは単独で用いても、2種類以上を用いてもよい。他の有機基としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基等のアラルキル基等を用いてもよい。これらの中でも、メチル基、フェニル基またはこれら両者の組み合わせが好ましい。メチル基、フェニル基またはこれら両者の組み合わせである成分は、合成が容易であり、化学的安定性が良好であるからである。また、特に耐溶剤性が良好なポリオルガノシロキサンを用いようとする場合には、更にメチル基、フェニル基またはこれら両者の組み合わせと3,3,3-トリフルオロプロピル基との組み合わせであることが好ましい。また、前記シリコーン系樹脂組成物には、オルガノアルコキシシランが含まれていてもよい。オルガノアルコキシシランとしては、例えば次の化学式で表される化合物が挙げられ、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。MeSiOCH、MeSi(OCH、MeSi(OCH、Si(OCH、Me(C)Si(OCH、CSi(OCH、C1021Si(OCH、PhSi(OCH、PhSi(OCH、MeSiOC、MeSi(OC、Si(OC、CSi(OC、PhSi(OC、PhSi(OC
さらに、前記シリコーン系樹脂組成物には、オルガノシラノールが含まれていてもよい。オルガノシラノールとしては、例えば次の化学式で表される化合物が挙げられ、単独で用いても2種類以上を用いてもよい。MeSiOH、MeSi(OH)、MePhSi(OH)、(CSiOH、PhSi(OH)、PhSiOH。
シリコーン系樹脂に用いられるシリコーンポリマーを得るための反応方法としては例えば、クロロシランの加水分解、環状ジメチルシロキサンオリゴマーの開環重合等の過程を経てもよい。用いるポリマーとしては例えば、ジメチル系ポリマー、メチルビニル系ポリマー、メチルフェニルビニル系ポリマー、メチルフロロアルキル系ポリマー当が挙げられる。
シリコーンポリマーを硬化させる方法、すなわち反応(加硫)させてシリコーン系樹脂を得る方法は特に限定されない。加熱加硫、室温加硫でもよい。反応前の状態として、ミラブル型シリコーン系樹脂組成物、液状ゴム型シリコーン系樹脂組成物のどちらを用いてもよい。ミラブル型シリコーン系樹脂組成物に使用されるポリマーは重合度が4000~10000程度のポリマーが好適に使用される。また、1液型でも2液型でもよい。反応方法としては例えば、シラノール基(Si-OH)間の脱水縮合反応、シラノール基と加水分解性基間の縮合反応、メチルシリル基(Si-CH)、ビニルシリル基(Si-CH=CH)の有機過酸化物による反応、ビニルシリル基とヒドロシリル基(Si-H)との付加反応、紫外線による反応、電子線による反応等を用いてもよい。
(微生物支持層213)
微生物支持層213は、その表面もしくは内部に微生物を保持する層であり、内部に微生物が生育可能な空間を有し、水中の有機物が通過可能である。微生物支持層213の素材としては、例えば、メッシュ、織布、不織布、発泡体、又は微多孔膜等の多孔性材料が挙げられる。多孔性材料の素材は、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、パラ系およびメタ系アラミド、ポリアリレート、炭素繊維、ガラス繊維、アルミニウム繊維、スチール繊維、セラミック等が挙げられる。微生物付着性と加工性を考慮すると、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、炭素繊維が好ましい。
微生物支持層213の目付量は2g/m2以上、500g/m2以下であることが好ましく、10g/m2以上200g/m2以下であることがより好ましい。微生物支持層213の目付量はJIS1913:2010一般不織布試験方法6.2単位面積当たりの質量で測定される値である。微生物支持層213の目付量が2g/m以上であることにより、表面に凹凸が生じるため微生物支持層213に微生物が保持しやすくなるという効果を得ることができる。また、微生物支持層213の目付量が500g/m以下であることにより、微生物支持層213の内部に微生物が育成可能な空間が生じるため微生物が保持しやすくなり、前記空間により酸素を微生物に供給しやすくなるという効果を得ることができる。
微生物支持層213の厚みは、5μm以上、2000μm以下であることが好ましく、20μm以上500μm以下であることがより好ましい。微生物支持層213の厚さはJIS1913:2010一般不織布試験方法6.1厚さの測定方法で測定される値である。
なお、基材211の表面処理によって微生物支持層213が形成されてもよい。このようにすれば、上記の表面処理で基材211表面の粗さと膜電位を上げられるので、微生物付着性が向上する。例えば上記の表面処理として、グリシジルメタクリレートをグラフト重合し、さらに、ジエチルアミン、もしくは、亜硫酸ナトリウムを反応させることが行われ得る。或いは上記の表面処理として、グリシジルメタクリレートをグラフト重合した後に、アンモニア、もしくは、エチルアミンを反応させることが行われてもよい。
(気体送出層12)
図8は、気体送出層12を示す斜視図である。気体送出層12は、中空板状部材であり、紙、樹脂、金属のいずれかから形成される。気体送出層12とは、第1端側から供給された気体を第1方向に沿って送出する気体流路Sを有する構造体である。送気部30(送気管31、図1A~1B参照)からの気体は、送気部31aを経由して気体送出層12の下端部に供給される。気体送出層12は、供給された気体を第1方向(図8中の一点鎖線参照)に送出する気体流路Sを有しており、側面の気体通過孔13から気体を放出する。
より具体的には図8に示すように、気体送出層12は、複数の芯材12aと、表ライナ12bと、裏ライナ12cと、を有している。気体送出層12の表裏面は、板状の部材である表ライナ12bや裏ライナ12cによって構成される。
複数の芯材12aは、それぞれ第1方向に延びるものであって、第1方向と直交する方向に所定の間隔をあけて配列される。これら複数の芯材12aが表ライナ12bと裏ライナ12cとの間に挟み込まれることで、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間に、芯材12aによって区画された複数の気体流路Sが形成される。
また各芯材12aは、表ライナ12bおよび裏ライナ12c側から押圧された際に、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間が縮小しないように支持する支持部として機能する。気体供給体10が廃水W中に浸漬された状態では、芯材12aは、気体流路Sの断面積が水圧によって縮小しないように、表ライナ12bと裏ライナ12cとの間の空間を保持する。これにより、気体送出層12(気体流路S)における気体送出量を十分に確保できる。
表ライナ12bおよび裏ライナ12cには、それぞれ複数の気体通過孔13が形成されている。気体通過孔13は、表ライナ12bおよび裏ライナ12cに形成された貫通孔であり、当該気体通過孔13が気体流路Sと防水透気膜21とを連通させることで、気体流路Sを流れる気体は、防水透気膜21を介して液体中に供給される。
なお例えば、気体通過孔13は、気体送出層12の成形時に形成される。或いは気体送出層12の成形後に表ライナ12bや裏ライナ12cの加工が行われることで、気体通過孔13が形成されてもよい。表ライナや裏ライナには多孔性材料が用いられてもよい。また、十分な気体供給性能が得られれば、気体送出層に多孔性材料を用いてもよい。
気体送出層12を構成する各部材の素材としては、紙、セラミック、アルミニウム、鉄、プラスチック(ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂)等が挙げられる。
なお強度面が優れることから、気体送出層12の素材は、紙、アルミニウム、鉄、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩ビ樹脂、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また材料コストを安価に抑える観点では、気体送出層12の素材として、例えば、紙、ポリオレフィン、ポリスチレン、塩ビ、ポリエステル等の樹脂、アルミニウム等の金属等を使用することが好ましい。また、気体流路Sが第1方向(図8中の一点鎖線参照)に延びるように形成された段ボールを気体送出層12として使用することでも、気体送出層12の材料コストを安価に抑えることができる。
当該気体送出層12の気体透過孔を形成する孔形状は、円形状、多角形状(ハニカム構造を含む)など様々な形状の孔形状とすることができる。孔形状は特に限定は無いが、多角形状が好ましく、具体的には長方形もしくは正方形が好ましい。
(送液部40)
送液部40は、水などの液体、および/または、空気などの気体である流体を、気体供給体10の内部空間から外部へ排出する機能を有する。送液部40は、送液管41と、マニホールド45と、吸引ポンプ46とを有する。複数の送液管41は、複数の気体供給体の内部空間にそれぞれ接続されている。マニホールド45は、1本の管から複数本の管が分岐する構造を持った管である。マニホールド45には、複数の送液管41と吸引ポンプ46とが接続されている。吸引ポンプ46は、マニホールド45に接続されている。吸引ポンプ46は、液体、気体のいずれか、もしくは気液混合流体を吸引することが可能である。
送液管41の断面形状は特に限定されず、例えば、円形、四角形等の任意の多角形、D形状断面のように円の一部と多角形の一部を組み合わせたものであってもよい。内径の断面積は0.1mm以上100mm以下が好ましく、吸引ポンプの自由度を高める観点から、0.5mm以上、10mm以下がより好ましく、必要な圧損を少ない空気流量で生じさせ、且つ十分な排液流量を得る観点から、1mm以上4mm以下がさらに好ましい。
(圧力損失の発生、圧力損失発生部47)
送液管41は、圧力損失を発生させる機能を有している。送液管41全体が狭い流路を有することで圧力損失を発生させてもよいし、送液管41の中に一部特に高い圧力損失が発生する部位として、圧力損失発生部47を有していてもよい。
圧力損失発生部47は、気体の流動により、流動圧力損失が発生する部位である。圧力損失発生部47は、種々の形態であり得る。圧力損失発生部47は、送液管内のオリフィス部位47a、47b(図11A、11B)であっても、送液管41内の狭窄部位47c(図11C)であっても、送液管41の湾曲部位47d(図11D)であっても、もしくは、送液管41内の連通多孔質部材47e(図11E)が配置された部位であってもよい。オリフィス部位47a、47bとは、送液管内部に穴を開けた薄い壁を有する形状である。穴を開けた板が送液管41内部に設置されていてもよい。オリフィス部位の穴の数は1つ(図11A)であっても、多数(図11B)であってもよい。
(送液部の動作)
本実施形態の廃水処理システム50においては、気体供給体10の内部空間に凝縮水が生成し、これを取り除かないと、送気ガス流路の一部が閉塞し送気効率が低下するおそれがある。
図10A、図10Bは、本開示の廃水処理システム50の一部を開示している。すなわち、気体供給体10a、10bと、送液部40が開示されている。図10Aは、気体供給体10a、10bの内部空間に液体(水)が溜まっている状態を示している。気体供給体10a、10bの内部空間に溜まっている水の量は、図10Aに示すように異なっている。本実施形態の廃水処理システム50は、このような場合に、送液部40により、気体供給体10a、10bの内部空間の排水を行う。つまり、吸引ポンプ46作動により、マニホールド45内が負圧となり、気体供給体10a、10bから排液される。
このように、送液部40により廃液を継続すると、図10Bに示すように、当初蓄積されていた水量が少なかった気体供給体10bは、液(水)が全て排出される。このような状態では、気体供給体10aからは内部空間の気体が排出され、その気体の流れ(液体の排出より高速)により、流動圧力損失が発生する。その圧力損失により、マニホールド45内の負圧が維持され、液が残っている気体供給体10bからの液の排出が継続される。なお、予め設計段階において、液の水頭圧差以上の負圧が発生するように、吸引ポンプ46の能力の調整、および送液部40の構造の調整(発生する圧力損失の調整)が行われている。
なお、本実施形態において、送気管31により気体供給体10の内部空間に供給される気体の量は、送液管41により排気される気体の量よりも多いことが好ましい。その場合、吸引ポンプ46が作動しているときであっても、気体供給体10の内部空間の圧力は、大気圧程度である。また、廃水処理システム50は、気体供給体10の内部空間の圧力が大気圧から大きく変動しないようにする機構を有している。本実施形態においては、廃水処理システム50は、送液管41の他にも気体供給体10の内部空間を排気する機構(開口21bからの排気を含む)を有していることが好ましい。
気体供給体10が3本以上の場合も同様にして、当初蓄積されていた水量が少なかった気体供給体10から順次、液の排出が行われて、全体の水の排出が完了する。
本実施形態の廃水処理システム50は、圧力損失発生部47があるからこそ、マニホールド45内の圧力が低下する。圧力損失発生部47がなかった場合、図10Bの状態において、排液が終了した気体供給体10bから優先的に空気が吸われ、マニホールド45内の負圧が保たれなくなり、液が残っている気体供給体10aからは排液ができなくなる。本開示は、圧力損失を生じさせることで、気体供給体10bの排液が終了しても、引き続き他の気体供給体10aの排液が可能となる。
(散気装置70)
本開示の廃水処理システム50は、更に、散気装置70を含んでいる。
散気装置70は、廃水処理槽51の外部から廃水処理槽51に気体(空気)を供給して、廃水を攪拌する(曝気する)装置である。気体は、送気管31から、気体供給体10の内部に供給される気体とは別途供給される。散気装置70によって供給される気体は、気体供給体10の内部に供給される気体と共通の供給源から供給されてもよい。散気装置70は、散気管71、散気用ブロワ72とを備えている。
(散気管71)
散気管71は廃水処理槽51に空気を供給し、廃水処理槽51に貯留される廃水Wを流動させ、廃水Wの有機物または窒素源の濃度を均一にする。散気管71の空気を廃水に吐出する部分をエアー吐出部71aとする。本実施形態の散気管71の配置を、図1A~1Cに示す。本実施形態の散気管71及びエアー吐出部71aは、平面的には、図1Cに示すように、気体供給体10の平面視長手方向端部(図1Cでは、線L2、L3)から、供給体ユニット52の無い側に配置されている。また、深さ方向では、図1Aに示すように、気体供給体10の深さ方向長さの中央部分を示す水平面L1よりも深い位置にエアー吐出部71aが配置されている。なお、本実施形態においては、複数のエアー吐出部71aは、水面から略同一の深さに配置されている。複数のエアー吐出部71aの水面からの深さは、異なっていてもよい。このような位置にエアー吐出部71aを配置することによって、曝気攪拌時に発生するエアが気体供給体10に付着した微生物膜に接触せず、微生物が剥離しないようにすることができる。この条件において、エアー吐出部71aの孔は、1つでも複数でもよい。
本実施形態においては、エアー吐出部71aは、散気管71に形成された孔(又は開口)である。1000mmピッチに対し、孔の数は、複数の場合、たとえば、2以上100以下である。水流が起こればよいので、孔の数を101以上にする必要は無い。エアー吐出部71aの複数の孔の間隔は、10mm以上500mm以下である。より好ましくは、20mm以上100mm以下である。また、エアー吐出部71aの孔の径は、1mm以上10mm以下である。より好ましくは、3mm以上7mm以下である。孔の径は、1mm未満とする必要は無い。酸素の供給が目的ではないからである。エアー吐出部71aの孔の向きは、上、下、横、いずれの向きであってもよい。汚泥による孔の閉塞を防ぐために横向き又は下向きが好ましい。エアー吐出部71aの孔が複数である場合、孔の並び方は、特に限定されない。千鳥格子状であってもよい。
また、散気管71は1本でも複数本でもよい。特に気体供給体10が平板形状の場合、図1Cに示すように、平面視において、廃水流入口51aを平板(気体供給体10)の長手方向に対し垂直方向に設けることが一般的であることから、エアー吐出部71aを気体供給体10の長手方向に対して垂直方向に配置する(図1Cの線L2、L3の外側に配置する)ことで、廃水流路を妨げない点からとくに好ましい。
散気管71の形状に特に制限はなく、円形、筒状、板状、エアレータ型等、いずれの形状であっても良い。散気管71の材質に特に制限はなく、ステンレス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、PTFEゴム、EPDMゴム、シリコーンゴム等、いずれの材質であっても良い。
(散気用ブロワ72)
散気用ブロワ72は散気管71に空気を供給する。散気用ブロワ72は水圧以上の吐出圧であれば種類に制限はなく、ルーツ式、ターボ式、ラジアル式、等いずれの種別でも良い。散気用ブロワ72と散気管71とは配管で接続されており、必要に応じて、バルブ、流量計などが設置される。散気用ブロワ72からの吐出速度の制御方法は特に限定されず、インバーター、バイパス配管、等いずれの方法でも良い。
散気管71から吐出される空気量は曝気強度(m/m/h)として表現される。曝気強度は散気管71から単位時間あたりに吐出される空気量(m/h)を廃水処理槽51の水容積(m)で割った値である。曝気強度が高いと散気管から吐出される空気により廃水W中に酸素が供給され、溶存酸素濃度が上昇する。本実施形態では気体供給体10から酸素が供給される為、散気管71からの積極的な酸素供給は不要である。その為、曝気強度は3(m/m/h)以下であることが好ましい。曝気強度が低いと廃水Wの攪拌が不十分となる懸念がある。曝気強度の下限値は廃水Wに含まれる固形分濃度、廃水Wの粘度等を総合的に決定されるが、少なくとも0.1(m/m/h)以上であることが好ましい。
曝気は、連続的であっても間欠的であってもよい。間欠的な曝気が好ましい。曝気は、酸素供給が目的では無いため連続的に行う必要性が無く、電力消費量削減の観点から、間欠的に行うのが好ましい。間欠頻度は、処理水量、処理槽51の容積、曝気強度等から総合的に判断される。曝気を実施するサイクル数が1回/日以上であることが好ましい。酸素供給が目的でないため、1回/分以下であることが好ましい。また、1回あたりの曝気時間は1分以上、60分以下であることが好ましい。より好ましくは、1分以上10分以下である。
1の廃水処理槽51に複数の供給体ユニット52が設置されている場合には、各供給体ユニットのみに曝気用の散気管71を配置してもよいし、隣接する供給体ユニット52の間にも散気管71を配置してもよい。複数の供給体ユニット52に散気管71を配置する場合は、共通の散気用ブロワ72から分岐させて、複数の供給体ユニット52に空気を供給してもよいし、それぞれの供給体ユニット52に複数の散気用ブロワ72から空気を供給してもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50は、散気装置70の配置が第1実施形態と異なり、その他の構成は、第1実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50と同じである。
第2実施形態の散気装置70の配置を図2A~2Cに示す。第2実施形態の散気装置70のエアー吐出部71aは、平面的には、図2Cに示すように、第1実施形態と同様に、気体供給体10の水平面長手方向端部(図2Cでは、線L2、L3)から、供給体ユニット52の無い側に配置されている。また、深さ方向では、図2Aに示すように、エアー吐出部71a(又は散気管71のエアー吐出部71aを備えた部分)は、廃水処理槽51の底部に配置されている。ここで底部に配置されているとは、処理槽51の底面515に取り付けられている場合、又は、底面515の近傍に配置されている場合、を含む。
第2実施形態の散気装置70は、エアー吐出部71aが、第1実施形態よりも深い位置に配置されているので、曝気による廃液の攪拌がより十分に行える。
<第3実施形態>
第3実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50は、散気装置70の配置が第1実施形態と異なり、その他の構成は、第1実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50と同じである。
第3実施形態の散気装置70の配置を図3A~3Cに示す。第3実施形態の散気装置70のエアー吐出部71aの配置は、平面的にも、深さ方向も、第2実施形態と同じである。ただし、第2実施形態の場合は、図2Cに示すように、供給体ユニット52の流出口51b側にのみエアー吐出部71aが配置されていたのに対し、第3実施形態の場合は、図3Cに示すように、流入口51a側及び流出口51b側に、エアー吐出部71aが配置されている。
第3実施形態の散気装置70は、エアー吐出部71aが、エアー吐出部71aが供給体ユニット52の両側に配置されているので、曝気による廃液の攪拌がより十分に行える。
<第4実施形態>
第4実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50は、散気装置70の配置が第1実施形態と異なり、その他の構成は、第1実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50と同じである。
第4実施形態の散気装置70の配置を図4A~4Cに示す。第4実施形態の散気装置70のエアー吐出部71aの配置は、深さ方向では、第2実施形態と同様に、図4Bに示すように、廃水処理槽51の底部にエアー吐出部71aが配置されている。また、平面的には、図4Cに示すように、平面視において、供給体ユニット52の外側に、気体供給体10の長手方向に沿って配置されている。
<第5実施形態>
第5実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50は、散気装置70の配置が第1実施形態と異なり、その他の構成は、第1実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50と同じである。
第5実施形態の散気装置70の配置を図5A~5Cに示す。第5実施形態の散気装置70のエアー吐出部71aの配置は、深さ方向では、第1実施形態と同様に、図5Bに示すように、気体供給体10の深さ方向長さの中央部分を示す水平面L1よりも深い位置に配置されている。なお、本実施形態においては、複数のエアー吐出部71aは、水面から略同一の深さに配置されている。複数のエアー吐出部71aの水面からの深さは、異なっていてもよい。また、平面的には、第4実施形態と同様に、図5Cに示すように、供給体ユニット52の外側に、気体供給体10の長手方向に沿って配置されている。
<第6実施形態>
第6実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50は、散気装置70の構成が第1実施形態と異なり、その他の構成は、第1実施形態の廃水処理装置100又は廃水処理システム50と同じである。
第6実施形態の散気装置70の配置を図6A~6Cに示す。第6実施形態のエアー吐出部71bの構成は、図6Cよりわかるように、複数のエアー吐出用開口から構成されている。図6Cでは、エアー吐出部71bは、5つの開口より構成されている。
第6実施形態のエアー吐出部71bの配置は、平面的にも、深さ方向も、第2実施形態のエアー吐出部71aの配置と同じである。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10 気体供給体
12 気体送気層
21 防水透気膜
30 送気部
31 送気管
35 (送気部の)マニホールド
36 送気ポンプ
40 送液部
41 送液管
45 (送液部の)マニホールド
46 吸引ポンプ
50 廃水処理システム
51 廃水処理槽
52 供給体ユニット
70 散気装置
71 散気管
71a、71b エアー吐出部
72 散気用ブロワ
100、100a 廃水処理装置

Claims (5)

  1. 微生物の働きを利用して廃水を浄化する廃水処理システムであって、
    廃水処理槽内に設置され、廃水中に酸素を含む気体を供給する気体供給体を含む供給体ユニットと、
    前記廃水処理槽内に設置され、前記気体供給体とは別に気体を廃水中に供給する散気管と、
    を備え、
    前記散気管は、管の内部から廃水中に曝気させるエアを吐出させるエアー吐出部を含み、
    前記エアー吐出部は、平面視において、前記供給体ユニットの外側に配置され、かつ、前記気体供給体の深さ方向の長さの中央より下方に配置されている、廃水処理システム。
  2. 前記エアー吐出部は、複数であり、複数の前記エアー吐出部は、平面視において、前記気体供給体の長手方向に対して直交方向に並べられている、請求項1に記載の廃水処理システム。
  3. 前記散気管の前記エアー吐出部を備えた部分が、前記廃水処理槽の底部に設置されている、請求項1又は2に記載の廃水処理システム。
  4. 前記気体供給体が気体を廃水中に供給する供給速度である曝気強度が0.1m/m/h以上3.0m/m/h以下である、請求項1又は2に記載の廃水処理システム。
  5. 前記散気管が曝気を実施するサイクル数が1回/日以上、かつ、1回/分以下であり、かつ1回あたりの曝気時間は1分以上、60分以下である、請求項1又は2に記載の廃水処理システム。
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