JP2020029898A - ギヤ装置の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ギヤケース底部の潤滑油に浸漬していない部位の潤滑性を効果的に向上する。【解決手段】底部に潤滑油が貯留されたギヤケース30と、ギヤケース30内に収容されると共に、少なくともその一部を潤滑油に浸漬させた下側ギヤ61と、ギヤケース30内の下側ギヤ61よりも上方に設けられて下側ギヤ61と噛合する上側ギヤ60と、ギヤケース30の内周面から上側ギヤ30の外周に向けて突出すると共に、上側ギヤ60の軸方向に並行に延びる平面部を含み、下側ギヤ61によって掻き上げられる潤滑油を平面部に当接させて軸方向へと導くガイド部材90とを備えた。【選択図】図3
Description
本開示は、ギヤ装置の潤滑構造に関する。
一般的に、変速機等のギヤ装置のケース底部には、噛合要素や摺動要素等に発生する摩耗を低減するための潤滑油が貯留されている。
この種の減速機の一例として、例えば、特許文献1には、潤滑油を貯留した変速機ケース内にメインシャフト及び、カウンタシャフトを並行に設け、メインシャフトの下方にカウンタシャフトを配置した構造が開示されている。
ところで、上記文献記載の構造のように、メインシャフトを上方、カウンタシャフトを下方に配置すると、カウンタシャフトに設けられたカウンタギヤ等は、少なくともその一部が変速機ケース底部の潤滑油に浸漬した状態となるが、メインシャフトを軸支するベアリングやシール部材等は、潤滑油に浸漬していない状態となる。このため、これらベアリングやシール部材に対する潤滑油の供給が不足することで、潤滑性を十分に確保できないといった課題がある。
本開示の技術は、ギヤケース底部の潤滑油に浸漬していない部位の潤滑性を効果的に向上することを目的とする。
本開示の技術は、底部に潤滑油が貯留されたギヤケースと、前記ギヤケース内に収容されると共に、少なくともその一部を前記潤滑油に浸漬させた下側ギヤと、前記ギヤケース内の前記下側ギヤよりも上方に設けられて該下側ギヤと噛合する上側ギヤと、前記ギヤケースの内周面から前記上側ギヤの外周に向けて突出すると共に、前記上側ギヤの軸方向に並行に延びる平面部を含み、前記下側ギヤによって掻き上げられる潤滑油を前記平面部に当接させて前記軸方向へと導くガイド部材と、を備えることを特徴とする。
また、前記上側ギヤが前記ギヤケースに軸受を介して回転可能に軸支されたシャフトに設けられており、前記ギヤケースには、一端側開口を前記ガイド部材の軸方向端部に臨ませると共に、他端側開口を前記軸受に隣接させており、前記ガイド部材の軸方向端部から導入した潤滑油を前記軸受側に供給する油供給路が設けられていることが好ましい。
また、前記下側ギヤの前記潤滑油に浸漬する外周の少なくとも一部を所定のクリアランスを隔てて覆うオイルセパレータをさらに備えてもよい。
また、前記下側ギヤの前記潤滑油に浸漬する外周の一部が、前記ギヤケースの内周面に近接して配置されると共に、前記オイルセパレータが、前記下側ギヤの前記潤滑油に浸漬する外周のうち、前記内周面に近接していない部分を覆うことが好ましい。
また、前記オイルセパレータの上端が、前記潤滑油の液面よりも上方に突出することが好ましい。
また、前記オイルセパレータの下端と前記ギヤケースの底面との間に、潤滑油の流通を許容させる所定の空隙が確保されていることが好ましい。
本開示の技術によれば、ギヤケース底部の潤滑油に浸漬していない部位の潤滑性を効果的に向上することがきる。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係るギヤ装置の潤滑構造について説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るギヤ装置を示す模式的な断面図である。車両1には、駆動力源の一例として電動モータMが搭載されている。電動モータMのモータ出力軸MSは、減速機10(ギヤ装置の一例)のインプットシャフト11に、スプライン嵌合等により一体回転可能に接続されている。
図1は、本実施形態に係るギヤ装置を示す模式的な断面図である。車両1には、駆動力源の一例として電動モータMが搭載されている。電動モータMのモータ出力軸MSは、減速機10(ギヤ装置の一例)のインプットシャフト11に、スプライン嵌合等により一体回転可能に接続されている。
減速機10は、インプットシャフト11、アウトプットシャフト12及び、カウンタシャフト13を備えている。カウンタシャフト13は、インプットシャフト11及びアウトプットシャフト12の下方に、これらのシャフト11,12に対して並行に設けられている。
インプットシャフト11及び、カウンタシャフト13には、一次減速ギヤ対G1が設けられている。また、カウンタシャフト13及び、アウトプットシャフト12には、二次減速ギヤ対G2が設けられている。
アウトプットシャフト12には、プロペラシャフトPSが接続され、プロペラシャフトPSには、不図示のデファレンシャルギヤ装置が接続されている。さらに、デファレンシャルギヤ装置には、何れも不図示の左右の駆動輪が左右の駆動軸を介してそれぞれ接続されている。
すなわち、電動モータMの駆動力が、一次減速ギヤ対G1及び二次減速ギヤ対G2にて、これらのギヤ比に応じて減速された後、プロペラシャフトPSからデファレンシャルギヤ装置、左右の駆動軸を介して左右の駆動輪にそれぞれ伝達されるように構成されている。
また、減速機10は、その底部に潤滑油が貯留されたギヤケース20を備えている。ギヤケース20は、入力側の第1ギヤケース30と、出力側の第2ギヤケース40とを有する。これら第1ギヤケース30及び、第2ギヤケース40は、互いにフランジ部30F,40Fを不図示のボルト等で締結することにより接合されている。
なお、図中において、破線OLは、各ギヤケース30,40の底部に貯留された潤滑油の液面レベルを模式的に示している。潤滑油は、各ギヤケース30,40内に、好ましくは、その液面レベルOLが側方視でカウンタシャフト13の軸心位置に達するように貯留されている。
第2ギヤケース40には、ギヤケース20内を入力側の第1ギヤ収容室R1と、出力側の第2ギヤ収容室R2とに仕切る仕切壁50が設けられている。すなわち、仕切壁50によって、ギヤケース20内に互いに隣接する第1ギヤ収容室R1及び、第2ギヤ収容室R2が区画形成されている。なお、仕切壁50は、第1ギヤケース30側に設けられてもよい。
第1ギヤ収容室R1内には、一次減速ギヤ対G1が収容されている。一次減速ギヤ対G1は、インプットシャフト11に一体回転可能に設けられた入力ギヤ60(上側ギヤの一例)と、カウンタシャフト13に一体回転可能に設けられて、入力ギヤ60と常時噛合する第1カウンタギヤ61(下側ギヤの一例)とを有する。第1カウンタギヤ61のギヤ歯数は、入力ギヤ60のギヤ歯数よりも多く設定されている。これら入力ギヤ60と第1カウンタギヤ61とのギヤ比は、電動モータMの出力特性等に応じた所望の減速比が得られるように適宜に設定すればよい。
第2ギヤ収容室R2内には、二次減速ギヤ対G2が収容されている。二次減速ギヤ対G2は、カウンタシャフト13に一体回転可能に設けられた第2カウンタギヤ62と、アウトプットシャフト12に一体回転可能に設けられて、第2カウンタギヤ62と常時噛合する出力ギヤ63とを有する。出力ギヤ63のギヤ歯数は、第2カウンタギヤ62のギヤ歯数よりも多く設定されている。これら第2カウンタギヤ62と出力ギヤ63とのギヤ比は、電動モータMの出力特性等に応じた所望の減速比が得られるように適宜に設定すればよい。
第1ギヤケース30は、一次減速ギヤ対G1を周方向に覆う略筒状の第1周壁部31と、第1周壁部31の入力側開口を塞ぐ第1側壁部32とを有する。第1周壁部31の筒内径は、各ギヤ対60,61の直径を加算した値よりも長く形成されている。
第1側壁部32には、インプットシャフト11を挿通させる第1貫通孔33が設けられている。第1貫通孔33には、入力側から順に、リング状の第1オイルシール70及び、第1ベアリングB1が設けられている。第1オイルシール70は、インプットシャフト11の外周面と第1貫通孔33の内周面との隙間を封止する。第1ベアリングB1は、インプットシャフト11の入力ギヤ60よりも入力側の部位を回転可能に軸支する。
また、第1側壁部32の第1貫通孔33よりも下方の内側面には、第3ベアリングB3を収容保持する有底円筒状の第1円筒穴34が凹設されている。第3ベアリングB3は、カウンタシャフト13の入力端を回転可能に軸支する。
第2ギヤケース40は、二次減速ギヤ対G2を周方向に覆う略筒状の第2周壁部41と、第2周壁部41の出力側開口を塞ぐ第2側壁部42と、第2周壁部41の入力側開口を塞ぐ仕切壁50とを有する。第2周壁部41の筒内径は、各ギヤ対62,63の直径を加算した値よりも長く形成されている。
第2側壁部42には、アウトプットシャフト12を挿通させる第2貫通孔43が設けられている。第2貫通孔43には、入力側から順に、第8ベアリングB8及び、リング状の第2オイルシール71が設けられている。第2オイルシール71は、アウトプットシャフト12の外周面と第2貫通孔43の内周面との隙間を封止する。第8ベアリングB8は、アウトプットシャフト12の出力ギヤ63よりも出力側の部位を回転可能に軸支する。
また、第2側壁部42の第2貫通孔43よりも下方の内側面には、第6ベアリングB6を収容保持する有底円筒状の第2円筒穴44が凹設されている。第2円筒穴44は、その軸心が第1円筒穴34の軸心と略一致するように設けられている。第6ベアリングB6は、カウンタシャフト13の出力端を回転可能に軸支する。
仕切壁50には、カウンタシャフト13を挿通させる第3貫通孔51が設けられている。第3貫通孔51は、その軸心が第1円筒穴34及び、第2円筒穴44の軸心と略一致するように設けられている。第3貫通孔51には、一対の第4及び第5ベアリングB4,B5が収容保持されている。これらベアリングB4,B5は、カウンタシャフト13の第1カウンタギヤ61と第2カウンタギヤ62との間の部位を回転可能に軸支する。
また、仕切壁50の第3貫通孔51よりも上方の部位には、有底円筒状の第3円筒穴52及び、第4円筒穴53が凹設されている。第3円筒穴52は、第1側壁部32と対向する仕切壁50に、第1貫通孔33と略同軸上に位置して設けられている。第3円筒穴52には、インプットシャフト11の出力端を回転可能に軸支する第2ベアリングB2が収容保持されている。第4円筒穴53は、第2側壁部42と対向する仕切壁50に、第2貫通孔43と略同軸上に位置して設けられている。第4円筒穴53には、アウトプットシャフト12の入力端を回転可能に軸支する第7ベアリングB7が収容保持されている。
本実施形態において、第1ギヤ収容室R1内には、オイルセパレータ80及び、ガイド部材90が設けられている。さらに、第1ギヤケース30には、第1油供給溝95(油供給路)が設けられ、仕切壁50には第2油供給溝96(油供給路)が設けられている。以下、オイルセパレータ80、ガイド部材90及び、油供給溝95,96の詳細について説明する。
[オイルセパレータ]
図2は、第1ギヤケース30を径方向に切り欠いて示す模式的な縦断面図である。同図に示すように、第1ギヤケース30内には、互いに噛合する入力ギヤ60及び第1カウンタギヤ61が上下にオフセットして設けられている。より詳しくは、第1カウンタギヤ61は、入力ギヤ60に対して斜め下方(図示例では左斜め下方)に配置されており、これら噛合ギヤ60,61を収容する第1ギヤケース30の上下方向の高さが低く抑えられるようになっている。
図2は、第1ギヤケース30を径方向に切り欠いて示す模式的な縦断面図である。同図に示すように、第1ギヤケース30内には、互いに噛合する入力ギヤ60及び第1カウンタギヤ61が上下にオフセットして設けられている。より詳しくは、第1カウンタギヤ61は、入力ギヤ60に対して斜め下方(図示例では左斜め下方)に配置されており、これら噛合ギヤ60,61を収容する第1ギヤケース30の上下方向の高さが低く抑えられるようになっている。
なお、以下では、入力ギヤ60の回転軸心A1に対して、第1カウンタギヤ61の回転軸心A2が水平方向(潤滑油の液面OL方向)にオフセットしている方向を左側、反対方向を右側として説明する。
第1周壁部31は、下方に向けて半円弧状に凸となる下側周壁部31Aと、上方に向けて半円弧状に凸となる上側周壁部31Bと、これら上下の周壁部31A,31Bの両端を繋ぐ左側周壁部31C及び右側周壁部31Dとを有する。下側周壁部31Aの曲率半径は、上側周壁部21Bの曲率半径よりも大きく形成されている。左側周壁部31C及び、右側周壁部31Dは、上方に向かうに従い対向距離が縮まるように斜めに延設されている。
第1ギヤケース30内には、下側周壁部31Aの内周面(左側及び右側周壁部31C,31Dの下端側の一部を含んでもよい)と、第1側壁部32の下端側と、仕切壁50(図1参照)の下端側とにより、潤滑油を貯留する油貯留部39が区画形成されている。油貯留部39内の潤滑油には、カウンタシャフト13及び、第1カウンタギヤ61の一部(図示例では、下半分)が常時浸漬されている。
第1カウンタギヤ61は、下側周壁部31Aの左側内周面に近接して配置されている。すなわち、第1カウンタギヤ61の外周と、下側周壁部31Aの左側内周面とのクリアランスC1(正回転時の油掻き出し側)は狭く形成されており、第1カウンタギヤ61よりも右側の油貯留部39内に潤滑油が多く貯留されるようになっている。
本実施形態において、オイルセパレータ80は、油貯留部39内のうち、潤滑油が多く貯留された第1カウンタギヤ61よりも右側の領域に、第1カウンタギヤ61と隣接して設けられている。より詳しくは、オイルセパレータ80は、第1カウンタギヤ61の潤滑油に浸漬する右側外周を微小なクリアランスC2を隔てて覆う略円弧状に形成されている。
このように、第1カウンタギヤ61の右側に半円弧状のオイルセパレータ80を隣接配置すると、油貯留部39内は、主として第1カウンタギヤ61を浸漬させてオイルセパレータ80の円弧の内周面よりも左側の領域である左側領域39Lと、オイルセパレータ80の円弧の外周面よりも右側の領域である右側領域39Rとに区画されるようになる。すなわち、第1カウンタギヤ61により潤滑油を撹拌させる領域が、潤滑油量の少ない左側領域39Lに限定されるようになっている。
オイルセパレータ80の上端部81は、潤滑油の液面OLよりも上方に突出するように形成されている。すなわち、潤滑油を多く貯留した右側領域39Rから、第1カウンタギヤ61とオイルセパレータ80との間のクリアランスC2(正回転時の油掻き入れ側)に、潤滑油が流れ込むことを効果的に防止できるようになっている。
また、オイルセパレータ80の下端部82と、下側周壁部31Aの内周面(第1ギヤケース30の底部)との間には、潤滑油の流通を許容させる所定の空隙C3が確保されている。すなわち、油貯留部39内の潤滑油が空隙C3を介して左側領域39Lと右側領域39Rとを相互に流通することで、液面OLの安定化が図られるようになっている。
以上詳述した本実施形態のオイルセパレータ80によれば、第1カウンタギヤ61を下側周壁部31Aの左側内周面に近接配置すると共に、第1カウンタギヤ61の右側外周に略円弧状のオイルセパレータ80を隣接配置することで、第1カウンタギヤ61の潤滑油に浸漬する外周面が、下側周壁部31Aの左側内周面とオイルセパレータ80の円弧内周面とにより微小クリアランスC1,C2を隔てて覆われるように構成されている。これにより、第1カウンタギヤ61の回転により掻き上げられる潤滑油の油量を確実に減少させることが可能となり、油掻き上げによる撹拌抵抗を効果的に低減することができる。
なお、オイルセパレータ80は、第1カウンタギヤ61の右側外周を覆うものとして説明したが、例えば、図4に示すように、第1カウンタギヤ61の左側のクリアランスC1が大きい場合には、オイルセパレータ80Aを第1カウンタギヤ61の左側まで延長してもよい。
[ガイド部材及び、油供給溝]
図2に示すように、ガイド部材90は、上側周壁部31Bの内周面から入力ギヤ60の外周に向けて突出すると共に、入力ギヤ60の軸方向に並行に延びて油掻き上げ方向に臨む平面部91を有する板状部材で形成されている。ガイド部材90の突出端と、入力ギヤ60の歯先との間には、これらの干渉を防止するための微小クリアランスが確保されている。
図2に示すように、ガイド部材90は、上側周壁部31Bの内周面から入力ギヤ60の外周に向けて突出すると共に、入力ギヤ60の軸方向に並行に延びて油掻き上げ方向に臨む平面部91を有する板状部材で形成されている。ガイド部材90の突出端と、入力ギヤ60の歯先との間には、これらの干渉を防止するための微小クリアランスが確保されている。
このように、上側周壁部31Bの内周面から入力ギヤ60の外周面に向けて突出し、且つ、その平面部91を油掻き上げ方向に臨ませた板状のガイド部材90を配置すると、第1カウンタギヤ61により掻き上げられて左側周壁部31Cの内周面に沿って上昇する潤滑油の飛沫は、平面部91に勢いよく当てられ、平面部91を軸方向に流されるようになる。すなわち、ガイド部材90が、その平面部91で潤滑油の飛沫を受け止めて拡散させる邪魔板として機能しつつ、受け止めた潤滑油を軸方向へと導くガイド板として機能するようになっている。
図3は、本実施形態の油供給溝95,96を主として示す模式的な断面図である。同図に示すように、第1油供給溝95は、第1ギヤケース30の第1ベアリングB1を収容保持する第1貫通孔33の周囲のうち、上端側の部位を部分的に切り欠くことにより形成されている。
より詳しくは、第1油供給溝95は、一端側開口をガイド部材90の軸方向端部(入力側端部)に臨ませると共に、他端側開口を第1ベアリングB1と第1オイルシール70との間の第1貫通孔33に臨ませるように形成されている。すなわち、ガイド部材90によって軸方向の入力側に導かれた潤滑油が、第1油供給溝95内を流れて第1貫通孔33内に流れ込み、第1ベアリングB1及び、第1オイルシール70に供給されるように構成されている。
第2油供給溝96は、仕切壁50の第2ベアリングB2を収容保持する第3円筒穴52の周囲のうち、上端側の部位を部分的に切り欠くことにより形成されている。
より詳しくは、第2油供給溝96は、一端側開口をガイド部材90の軸方向端部(出力側端部)に臨ませると共に、他端側開口を第2ベアリングB2の背面側の第3円筒穴52に臨ませるように形成されている。すなわち、ガイド部材90によって軸方向の出力側に導かれた潤滑油が、第2油供給溝96内を流れて第3円筒穴52内に流れ込み、第2ベアリングB2に供給されるように構成されている。
以上詳述した本実施形態のガイド部材90及び、油供給溝95,96によると、第1カウンタギヤ61によって掻き上げられてガイド部材90の平面部91に当てられた潤滑油は、平面部91を軸方向に導かれ、油供給溝95,96を介してベアリングB1,B2やオイルシール70に供給されるようになる。これにより、第1ギヤケース30底部の潤滑油に浸漬していないベアリングB1,B2やオイルシール70に潤滑油を効果的に供給することが可能となり、これらの潤滑性を確実に向上することができる。
また、オイルセパレータ80及び、ガイド部材90を、第1ギヤケース30と仕切壁50とで区画された第1ギヤ収容室R1内に一体的に設けて、これらにより閉空間を構成することで、油供給溝95,96に導かれずに飛散する潤滑油を第1ギヤケース30底部の油貯留部39に効果的に回収することが可能になる。
なお、ガイド部材90は、図示例の平板部材に限定されず、図5に示すように、下端側にフランジFを有する断面略L字状の板材で形成してもよい。また、図6に示すように、ガイド部材90の平面部91に、軸方向に延びる凸条92(又は、凹溝)を設けてもよい。また、図7に示すように、油供給溝95,96を、第1ギヤケース30及び仕切壁50に貫通形成された油穴として構成してもよい。
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変形して実施することが可能である。
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態において、オイルセパレータ80、ガイド部材90及び、油供給溝95,96は第1ギヤケース30側に設けられるものとして説明したが、第2ギヤケース40側に設けられてもよい。
また、車両1に搭載される駆動力源は電動モータMに限定されず、内燃機関等の他の駆動力源であってもよい。
また、本実施形態の適用は、減速機10に限定されず、例えば、デファレンシャル装置等、潤滑油を封入するギヤケースを備える他のギヤ装置にも広く適用することが可能である。
1 車両
M 電動モータ(駆動力源)
10 減速機(ギヤ装置)
11 インプットシャフト
12 アウトプットシャフト
13 カウンタシャフト
20 ギヤケース
30 第1ギヤケース
31 第1周壁部
31A 下側周壁部
31B 上側周壁部
31C 左側縦周壁部
31D 右側縦周壁部
40 第2ギヤケース
50 仕切壁
R1 第1ギヤ収容室
R2 第2ギヤ収容室
G1 一次減速ギヤ対
G2 二次減速ギヤ対
60 入力ギヤ(上側ギヤ)
61 第1カウンタギヤ(下側ギヤ)
80 オイルセパレータ
90 ガイド部材
95 第1油供給溝(油供給路)
96 第2油供給溝(油供給路)
M 電動モータ(駆動力源)
10 減速機(ギヤ装置)
11 インプットシャフト
12 アウトプットシャフト
13 カウンタシャフト
20 ギヤケース
30 第1ギヤケース
31 第1周壁部
31A 下側周壁部
31B 上側周壁部
31C 左側縦周壁部
31D 右側縦周壁部
40 第2ギヤケース
50 仕切壁
R1 第1ギヤ収容室
R2 第2ギヤ収容室
G1 一次減速ギヤ対
G2 二次減速ギヤ対
60 入力ギヤ(上側ギヤ)
61 第1カウンタギヤ(下側ギヤ)
80 オイルセパレータ
90 ガイド部材
95 第1油供給溝(油供給路)
96 第2油供給溝(油供給路)
Claims (6)
- 底部に潤滑油が貯留されたギヤケースと、
前記ギヤケース内に収容されると共に、少なくともその一部を前記潤滑油に浸漬させた下側ギヤと、
前記ギヤケース内の前記下側ギヤよりも上方に設けられて該下側ギヤと噛合する上側ギヤと、
前記ギヤケースの内周面から前記上側ギヤの外周に向けて突出すると共に、前記上側ギヤの軸方向に並行に延びる平面部を含み、前記下側ギヤによって掻き上げられる潤滑油を前記平面部に当接させて前記軸方向へと導くガイド部材と、を備える
ことを特徴とするギヤ装置の潤滑構造。 - 前記上側ギヤが前記ギヤケースに軸受を介して回転可能に軸支されたシャフトに設けられており、
前記ギヤケースには、一端側開口を前記ガイド部材の軸方向端部に臨ませると共に、他端側開口を前記軸受に隣接させており、前記ガイド部材の軸方向端部から導入した潤滑油を前記軸受側に供給する油供給路が設けられている
請求項1に記載のギヤ装置の潤滑構造。 - 前記下側ギヤの前記潤滑油に浸漬する外周の少なくとも一部を所定のクリアランスを隔てて覆うオイルセパレータをさらに備える
請求項1又は2に記載のギヤ装置の潤滑構造。 - 前記下側ギヤの前記潤滑油に浸漬する外周の一部が、前記ギヤケースの内周面に近接して配置されると共に、前記オイルセパレータが、前記下側ギヤの前記潤滑油に浸漬する外周のうち、前記内周面に近接していない部分を覆う
請求項3に記載のギヤ装置の潤滑構造。 - 前記オイルセパレータの上端が、前記潤滑油の液面よりも上方に突出する
請求項3又は4に記載のギヤ装置の潤滑構造。 - 前記オイルセパレータの下端と前記ギヤケースの底面との間に、潤滑油の流通を許容させる所定の空隙が確保されている
請求項3から5の何れか一項に記載のギヤ装置の潤滑構造。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018155048A Pending JP2020029898A (ja) | 2018-08-21 | 2018-08-21 | ギヤ装置の潤滑構造 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2020029898A (ja) |
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2018
- 2018-08-21 JP JP2018155048A patent/JP2020029898A/ja active Pending
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