JP2020029821A - 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構 - Google Patents

内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 不具合が生じないようアッパリンク内部に油路を形成する。【解決手段】 アッパリンク4は、内部に、ピストンピン用ピンボス部26側から導入したオイルをアッパピン5へと導く給油通路31を有している。給油通路31は、第1油通路32と、第2油通路33と、第3油通路34と、を有している。第1油通路32は、一端がピストンピン用ピンボス部26の内周面26aに開口し、他端がアッパピン用ピンボス部27に形成された第2油通路33に接続されている。第2油通路33は、中心軸がアッパピン用ピンボス部27の周方向に沿って円弧状に湾曲している。第3油通路34は、一端が第2油通路33に接続され、他端がアッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38及び底部39を避けた位置に開口するよう形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構に関する。
ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、アッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に支持され、かつ他端がロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構が従来から広く知られている。
このような内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構にあっては、摺動部分の摩耗や焼き付きを防ぐために十分な潤滑状態に維持することが求められる。
例えば、アッパピンの軸受部分は、クランクピンの軸受部のようにクランクシャフトの内部通路から直接的にオイル(潤滑油)を供給できない。
そのため、例えば、特許文献1においては、アッパリンクの内部に給油通路を形成することによって、オイルジェットによりピストンへ噴射されたオイル(潤滑油)をこの給油通路を介してアッパピンの軸受部分に供給している。
特許文献1のアッパリンクは、ピストンピンを回転可能に支持する小径部と、アッパピンを回転可能に支持する大径部と、小径部と大径部とを接続する棒状のロッド部と、が一体的に形成された金属部品である。
特開2017−61859号公報
しかしながら、この特許文献1においては、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンクの小径部の中心とアッパリンクの大径部の中心とを通る直線に沿うように給油通路が形成されている。つまり、給油通路は、大径部の内周面のうち最も小径部側に位置する頂部にその一端が開口している。
そのため、燃焼荷重が作用した際に、上記頂部における応力が高くなり、当該頂部における変形量が大きくなる。これにより、大径部内周面に開口した給油通路開口縁に応力が集中し、アッパリンクに不具合が生じる虞がある。
つまり、内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構においては、アッパピンへ油を供給する通路をアッパリンク内に形成にするにあたって、更なる改善の余地がある。
本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結された第1リンクと、上記第1リンクの他端に第1連結ピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結された第2リンクと、一端が上記第2リンクに第2連結ピンを介して連結され、他端が機関本体側に支持された第3リンクと、を備えている。第1リンクは、ロッド部と、上記ロッド部の一端に設けられたピストンピン用ピンボス部と、上記ロッド部の他端に設けられた第1連結ピン用ピンボス部と、内部に形成された給油通路を有している。上記給油通路は、一端がピストンピン用ピンボス部の内周面に開口する第1油通路と、上記第1連結ピン用ピンボス部の周方向に沿って形成された第2油通路と、上記第1連結ピン用ピンボス部の半径方向に沿って形成され、一端が上記第2油通路に接続され、他端が上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面に開口する第3油通路と、を有している。上記第3油通路は、他端の開口位置が、クランクシャフト軸方向視で、上記ピストンピン用ピンボス部の中心と上記第1連結ピン用ピンボス部の中心を通る基準直線と上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面との交点のうち、ピストンピン用ピンボス部側の交点と重ならないように形成されている。
本発明によれば、第1リンクは、燃焼荷重や引っ張り荷重が作用した際に、第3油通路の他端開口部開口縁の応力集中を緩和することができ、第1連結ピン用ピンボス部の強度を確保することができる。
また、第1リンクは、燃焼荷重や引っ張り荷重が作用した際に、第1連結ピンとの間の油膜切れが生じないようにすることができ、第1連結ピンの焼き付きを防止できる。
本発明が適用される内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構の概略構成を模式的に示した説明図。 本発明が適用される内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構のロアリンクの斜視図。 本発明が適用される内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構の一部を模式的に示した説明図。 本発明が適用される内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構のアッパリンクの斜視図。 本発明の第1実施例におけるアッパリンクの断面図。 本発明の第1実施例におけるアッパリンクの要部を拡大して示す断面図。 本発明の第2実施例におけるアッパリンクの断面図。 本発明の第2実施例におけるアッパリンクの要部を拡大して示す断面図。 本発明の第3実施例におけるアッパリンクの断面図。 本発明の第3実施例におけるアッパリンクの要部を拡大して示す断面図。 本発明の第4実施例におけるアッパリンクの断面図。 本発明の第4実施例におけるアッパリンクの要部を拡大して示す断面図。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される第1実施例の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構1をクランクシャフト軸方向から見た概略構成を模式的に示した説明図である。
複リンク式ピストンクランク機構1を有する内燃機関は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
複リンク式ピストンクランク機構1は、ピストン2と、第1リンクとしてのアッパリンク4と、第2リンクとしてのロアリンク7と、第3リンクとしてのコントロールリンク9と、から大略構成されている。
ピストン2は、ピストンピン3を介してアッパリンク4の一端に回転可能に連結されている。
アッパリンク4は、他端が第1連結ピンとしてのアッパピン5を介してロアリンク7の一端側に回転可能に連結されている。
クランクシャフト6は、複数のジャーナル部6bとクランクピン6aとを備えており、シリンダブロック(図示せず)の主軸受(図示せず)に、ジャーナル部6bが回転可能に支持されている。クランクピン6aは、ジャーナル部6bから所定量偏心している。
ロアリンク7は、クランクシャフト6のクランクピン6aに回転可能に連結されている。
コントロールリンク9は、一端が第2連結ピンとしてのコントロールピン8を介してロアリンク7の他端側に回転可能に連結されている。
コントロールリンク9は、他端が機関本体側に支持されるコントロールシャフト10の偏心軸部10aに回転可能に連結されている。
コントロールシャフト10は、クランクシャフト6と平行に配置されるものであって、例えば、シリンダブロック(図示せず)に回転可能に支持される。
つまり、コントロールシャフト10の偏心軸部10aに回転可能に連結されているコントロールリンク9の他端は、機関本体側に揺動可能に支持されていることになる。偏心軸部10aの中心軸は、コントロールシャフト10の回転中心に対して所定量偏心している。
複リンク式ピストンクランク機構1は、ピストン2とクランクシャフト6のクランクピン6aとを複数のリンクで連係したものである。
複リンク式ピストンクランク機構1は、コントロールシャフト10を回転させて偏心軸部10aの位置を変更することで、上死点におけるピストン2の位置が変更可能となり、内燃機関の機械的圧縮比を変更することができる。
コントロールシャフト10は、ロアリンク7の自由度を規制するものであり、例えば、電動モータからなるアクチュエータ等によって回転駆動される。
なお、複リンク式ピストンクランク機構1は、偏心軸部10aの位置を固定することで、圧縮比を可変としない構成とすることも可能である。すなわち、複リンク式ピストンクランク機構1は、コントロールシャフト10に換えて、機関本体側に支持される支持ピンにコントロールリンク9の他端を回転可能に連結し、固定圧縮比機構として構成することも可能である。
図2は、ロアリンク7の斜視図である。ロアリンク7は、クランクピン6aに嵌合する円筒形のクランクピン軸受部11を中央に有している。また、ロアリンク7は、クランクピン軸受部11を挟んで互いにほぼ180°反対側となる位置に、一対のアッパピン軸受部12及び一対のコントロールピン軸受部13を有している。アッパピン軸受部12は、第1連結ピン軸受部に相当するものである。コントロールピン軸受部13は、第2連結ピン軸受部に相当するものである。
ロアリンク7は、全体として、菱形に近い平行四辺形をなしている。ロアリンク7は、クランクピン軸受部11の中心を通る分割面14において、アッパピン軸受部12を含むロアリンクアッパ7Aと、コントロールピン軸受部13を含むロアリンクロア7Bと、の2部品に分割して形成されている。
本実施例では、ロアリンク幅方向におけるアッパピン軸受部12側をロアリンク7の一端側とし、ロアリンク幅方向におけるコントロールピン軸受部13側をロアリンク7の他端側とする。
これらのロアリンクアッパ7A及びロアリンクロア7Bは、クランクピン軸受部11をクランクピン6aに嵌め込んだ上で、互いに逆向きに挿入される一対のボルト(図示せず)によって互いに締結されている。さらに言えば、ロアリンクアッパ7Aとロアリンクロア7Bは、クランクピン軸受部11の両側に配置した2本のボルトによって締結されている。なお、ロアリンクアッパ7Aとロアリンクロア7Bとは、2本以上のボルトで締結するようにしてもよい。
アッパピン軸受部12は、互いに離間して対向する一対の一端側突出片16の双方に形成されている。一対の一端側突出片16の間には、アッパリンク4の揺動運動を可能とする一定幅の溝部17が存在する。一対の一端側突出片16は、ロアリンク7の一端側に位置するものであって、ロアリンクアッパ7Aの一部を構成する。つまり、ロアリンク7の一端側は、一対の一端側突出片16によりアッパリンク4の他端を挟み込むように二股状に形成されている。一対の一端側突出片16は、ロアリンク7の軸方向の端面に沿うように延びている。
各々のアッパピン軸受部12は、同一軸線上に配置された断面円形の貫通穴である。アッパピン軸受部12には、アッパピン5が圧入保持される。
コントロールピン軸受部13は、互いに離間して対向する一対の他端側突出片18の双方に形成されている。一対の他端側突出片18の間には、コントロールリンク9の揺動運動を可能とする一定幅の溝部19(図3を参照)が存在する。一対の他端側突出片18は、ロアリンク7の他端側に位置するものであって、ロアリンクロア7Bの一部を構成する。つまり、ロアリンク7の他端側は、一対の他端側突出片18によりコントロールリンク9の一端を挟み込むように二股状に形成されている。一対の他端側突出片18は、ロアリンク7の軸方向の端面に沿うように延びている。
各々のコントロールピン軸受部13は、同一軸線上に配置された断面円形の貫通穴である。コントロールピン軸受部13には、コントロールピン8が圧入保持される。
また、ロアリンクアッパ7Aには、図3に示すように、ロアリンク油路21が形成されている。
ロアリンク油路21は、第2リンク油路に相当するものであって、ロアリンクアッパ7Aを貫通する直線状の貫通穴であり、一端が溝部17の底面17aに開口し、他端がクランクピン軸受部11に開口している。換言すれば、ロアリンク油路21は、一端がアッパピン用ピンボス部27の外周面と対向するロアリンク7の外周面に開口し、他端がクランクピン6aを支持するクランクピン軸受面に開口している。
そして、クランクピン6aには、ロアリンク油路21にオイル(潤滑油)を供給するクランクピン径方向油路22が形成されている。
クランクピン径方向油路22は、クランクシャフト軸方向視で、クランクピン中心を通り、クランクピン6a内部を径方向に直線状に延在するものであり、本実施例では、その両端が、それぞれクランクピン6aの外周面に開口している。このクランクピン径方向油路22には、クランクシャフト6の軸方向に沿って延びるクランクピン軸方向油路23を経由して、図示せぬオイルポンプにより加圧されたオイル(潤滑油)が供給されている。
クランクピン径方向油路22は、所定のクランク角(例えば下死点)のときに、ロアリンク油路21と連通する。その際に、ロアリンク油路21は、その一端側からオイル(潤滑油)が噴出する。
ロアリンク油路21から噴射されてオイル(潤滑油)は、アッパリンク4のアッパピン用ピンボス部27の端面28に沿って、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aに供給される。つまり、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aには、クランクシャフト軸方向視で、アッパピン用ピンボス部27のクランクピン6a側からロアリンク油路21を介してオイル(潤滑油)が供給可能となっている。
図4〜図6は、ロアリンク7とピストン2とを連結する第1実施例のアッパリンク4を示している。このアッパリンク4は、例えば、炭素鋼等からなっている。アッパリンク4は、例えば、遠心鋳造等によって一部品として構成されているものであり、直線的に延びた矩形断面の棒状をなすロッド部25と、このロッド部25の一端に設けられた円環状のピストンピン用ピンボス部26と、ロッド部25の他端に設けられた円環状のアッパピン用ピンボス部27と、を有している。アッパピン用ピンボス部27は、第1連結ピン用ピンボス部に相当するものである。
ピストンピン用ピンボス部26は、アッパリンク4の一端を構成するものであり、ピストン2に両端部が支持されたピストンピン3の中央部に回転可能に嵌合する。なお、ピストンピン3は、ピストン2に圧入して固定してもよく、あるいは、いわゆるフルフロート形式としてピストン2に回転可能に支持するようにしてもよい。
アッパピン用ピンボス部27は、アッパリンク4の他端を構成するものであり、ロアリンク7のアッパピン軸受部12に両端が支持されたアッパピン5の中央部に回転可能に嵌合する。
アッパピン用ピンボス部27は、ロアリンク7の6一対の一端側突出片16の内側面に対向する一対の円環状の端面28を有している。
一対の端面28の各々には、凹部29が周方向の一部に形成されている。図示の実施例では、1つの端面28に一対の凹部29が設けられており、これら2つの凹部29は、クランクシャフト軸方向視で、アッパピン用ピンボス部27の中心CP1を通りかつロッド部25の長手方向に沿ったアッパリンク中心線CL1(換言すれば、アッパピン用ピンボス部27の中心CP1とピストンピン用ピンボス部26の中心CP2を通る中心線)を挟んで互いに対称に形成されている。アッパリンク中心線CL1は、クランクシャフト軸方向視で、ピストンピン用ピンボス部26の中心CP2とアッパピン用ピンボス部27の中心CP1を通る基準直線に相当するものである。
そして、アッパリンク4は、ピストンピン用ピンボス部26側から導入したオイル(潤滑油)をアッパピン5へと導く給油通路31を有している。給油通路31は、アッパリンク4の内部に形成されている。
給油通路31は、図5に示すように、第1油通路32と、第2油通路33と、第3油通路34と、第4油通路35と、を有している。
ここで、説明の便宜のために、図4〜図6に示すように、アッパリンク4が運動する平面上でアッパリンク中心線CL1に沿った方向を「y方向」、これと直交する方向を「x方向」とし、さらに、図4に示すように、xy平面と直交する方向(つまりアッパピン5の軸方向)を「z方向」と呼ぶこととする。給油通路31は、全体として、z方向でアッパリンク4の中央位置に形成される。
第1油通路32は、断面円形で、中心軸がアッパリンク中心線CL1に沿った直線状のオイル通路である。第1油通路32は、一端がピストンピン用ピンボス部26の内周面26aに開口し、他端がアッパピン用ピンボス部27に形成された第2油通路33に接続されている。つまり、第1油通路32は、ピストンピン用ピンボス部26からロッド部25経てアッパピン用ピンボス部27まで連続している。
第2油通路33は、断面円形で、中心軸がアッパピン用ピンボス部27の周方向に沿って円弧状に湾曲したオイル通路であり、アッパピン用ピンボス部27の内部に形成されている。第2油通路33は、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1を横切り、アッパリンク中心線CL1のクランクピン側(図5及び図6における右側)から反クランクピン側(図5及び図6における左側)に連続するよう形成されている。第2油通路33は、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1を挟んで対称に形成されている。第2油通路33は、全長に亙って通路断面積が一定となるよう形成されている。つまり、第2油通路33のクランクピン側に位置する部分33aは、第2油通路33の反クランクピン側に位置する部分33bと同一の通路断面積となるよう形成されている。また。第2油通路33の通路断面積は、第1油通路32の通路断面積と同一となるよう形成されている。第2油通路33の両端には、それぞれ同一寸法形状の第3油通路34が接続されている。
第3油通路34は、断面円形で、中心軸がアッパピン用ピンボス部27の半径方向に沿った直線状のオイル通路である。第3油通路34は、アッパピン用ピンボス部27に形成されている。第3油通路34は、一端が第2油通路33に接続され、他端がアッパピン用ピンボス部27の内周面27aに開口している。
第3油通路34の他端開口部36は、機械加工により、アッパピン用ピンボス部27の周方向に沿った長穴状に形成され、通路断面積が第3油通路34の断面円形の他の部分(一般部37)よりも相対に大きくなっている。詳述すると、他端開口部36の通路断面積は、一般部37の通路断面積に対して所定の割合で大きくなるよう設定されている。第3油通路34の一般部37の通路断面積は、第2油通路33の通路断面積と同一となるよう形成されている。
そして、第3油通路34は、他端開口部36の開口位置が、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1とアッパピン用ピンボス部27の内周面27aとの交点と重ならないように形成されている。すなわち、第3油通路34は、他端開口部36の開口位置が、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38及び底部39と重ならないように形成されている。
頂部38は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aのうち最もピストンピン用ピンボス部26側に位置する部分であり、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1と重なる部分でもある。
底部39は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aのうち最もアッパリンク4の他端側に位置する部分であり、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1と重なる部分でもある。
詳述すると、第3油通路34は、他端開口部36の開口位置が、クランクシャフト軸方向視で、アッパピン用ピンボス中心線CL2よりもピストンピン用ピンボス部26側に位置している。また、第3油通路34は、アッパピン5とアッパピン用ピンボス部27との間で焼き付きの発生することない位置の中で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置するよう形成されている。アッパピン用ピンボス中心線CL2は、第2基準直線に相当するものであって、アッパピン用ピンボス部27の中心CP1を通りアッパリンク中心線CL1と直交している。
第4油通路35は、ピストンピン用ピンボス部26に、ピストンピン用ピンボス部26の半径方向に沿って形成されている。第4油通路35は、断面円形で、アッパリンク中心線CL1に沿った直線状のオイル通路であり、第1油通路32と同軸上に形成されている。第4油通路35は、一端がピストンピン用ピンボス部26の外周面26bに開口し、他端がピストンピン用ピンボス部26の内周面26aに開口している。第4油通路35には、例えば、ピストン2のクーリングチャンネル(図示せず)を流れたオイル(潤滑油)が導入される。第4油通路35の通路断面積は、第1油通路32の通路断面積よりも大きくなるよう形成されている。
なお、図4〜図6における40は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aに形成されて環状の凹溝である。凹溝40は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aのz方向における中央位置に形成されている。凹溝40のz方向に沿った幅は、例えば、第3油通路34の一般部37の直径と略同一に形成される。そして、第3油通路34の他端開口部36は、厳密には、この凹溝40に開口している。つまり、第3油通路34の他端開口部36の短径は、凹溝40の幅と略同じ長さに設定されている。
アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38は、燃焼荷重が作用した際に面圧が最大となる位置である。また、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの底部39は、引っ張り荷重が作用した際に面圧が相対的に高くなる位置である。
アッパリンク4は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aに第3油通路34の他端開口部36が位置していると、内周面27aの周方向で他端開口部36を設けた位置の荷重受け面積が減り、当該位置での面圧が大きくなる。
そのため、アッパリンク4は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38または底部39に第3油通路34の他端開口部36が位置していると、内周面27aの他の部分に他端開口部36を開口させた場合に比べて、内周面27aの周方向で他端開口部36を設けた位置における変形量が大きくなり、他端開口部36開口縁に応力が集中することになる。
また、アッパリンク4は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38または底部39に第3油通路34の他端開口部36が位置していると、内周面27aの他の部分に他端開口部36を開口させた場合に比べて、内周面27aの周方向で他端開口部36を設けた位置にてアッパピン5との間に油膜を維持しにくくなる。
つまり、アッパリンク4は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38または底部39に第3油通路34の他端開口部36を開口すると、他端開口部36開口縁に応力が集中して破損してしまう虞や、アッパピン5との間の油膜切れによるアッパピン5の焼き付きが生じる虞がある。
そこで、第3油通路34の他端開口部36は、他端開口部36開口縁に過大な応力が集中せず、かつアッパピン5に焼き付きが生じないような位置に設定することが望ましい。
図6における範囲A1は、燃焼荷重が作用した際に面圧が高くなる内周面27aの周方向に沿った範囲を示している。図6における範囲A2は、引っ張り荷重が作用した際に面圧が高くなる内周面27aの周方向に沿った範囲を示している。つまり、範囲A1及び範囲A2は、第3油通路34の他端開口部36を開口させると、他端開口部36開口縁に過大な応力が集中し、かつ当該位置でアッパピン5との間の油膜切れが生じる虞のある範囲を示したものである。
範囲A1は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38を含み、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1を挟んで対称となっている。範囲A2は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの底部39を含み、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1を挟んで対称となっている。範囲A1は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの周方向に沿った範囲(長さ)が、範囲A2よりも長くなっている。
範囲A1及び範囲A2は、内燃機関や複リンク式ピストンクランク機構1の仕様に応じて設定される。
そして、第3油通路34は、他端開口部36の開口位置が、範囲A1及び範囲A2の外側で、かつ最もピストンピン用ピンボス部26側に位置するよう形成されている。つまり、第3油通路34は、他端開口部36の長穴状の開口の全体が範囲A1及び範囲A2と重ならない範囲で最も頂部38に近づくように形成されている。
上述した第1実施例の複リンク式ピストンクランク機構1は、図5及び図6に示すように、アッパリンク4の第3油通路34がアッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38及び底部39を避けた位置に他端開口部36が開口するよう形成されている。
これによって、アッパリンク4は、燃焼荷重や引っ張り荷重が作用した際に、第3油通路34の他端開口部36開口縁の応力集中を緩和することができ、アッパピン用ピンボス部27の強度を確保することができる。
また、アッパリンク4は、燃焼荷重や引っ張り荷重が作用した際に、アッパピン5との間の油膜切れが生じないようにすることができ、アッパピン5の焼き付きを防止できる。
つまり、アッパリンク4は、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの頂部38及び底部39を避けた位置に第3油通路34の他端開口部36を開口させることで、アッパリンク4に生じる不具合を回避できる。
特に、アッパピン用ピンボス部27の内周面27aの範囲A1及び範囲A2を避けた位置の中で最もピストンピン用ピンボス部26側に第3油通路34の他端開口部36を形成することで、他端開口部36開口縁の応力集中の緩和やアッパピン5の焼き付きを防止しつつ、燃焼荷重が作用した際に面圧が最大となる頂部38に十分な量のオイル(潤滑油)を供給することができ、頂部38における潤滑の効果を最大限奏することができる。
以下、本発明の他の実施例について説明する。なお、上述した第1実施例と同一の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図7及び図8を用いて、本発明の第2実施例の複リンク式ピストンクランク機構1について説明する。
図7は、本発明の第2実施例におけるアッパリンク51の断面図である。図8は本発明の第2実施例におけるアッパリンク51の要部を拡大して示す断面図である。
第2実施例の複リンク式ピストンクランク機構は、上述した第1実施例の複リンク式ピストンクランク機構1と略同一構成となっているが、アッパリンク51に形成される給油通路31の形状が一部で異なっている。
この第2実施例において、各第3油通路34は、他端開口部36の開口位置が、範囲A1及び範囲A2の外側に形成されているものの、範囲A1及び範囲A2の外側で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置してはいない。
そして、この第2実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、第2油通路33のクランクピン側(図7及び図8における右側)に位置する部分33aの通路断面積が、第2油通路33の反クランクピン側(図7及び図8における左側)に位置する部分33bの通路断面積よりも小さくなるよう設定されている。
第2油通路33の部分33aの通路断面積は、第1油通路32の通路断面積よりも小さくなるよう設定されている。第2油通路33の部分33bの通路断面積は、第1油通路32の通路断面積と同一となるよう設定されている。
また、この第2実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に位置する第3油通路34aの通路断面積が、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に位置する第3油通路34bの通路断面積よりも小さくなるよう設定されている。
すなわち、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に位置する第3油通路34aの他端開口部36の開口面積がアッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に位置する第3油通路34bの他端開口部36の開口面積よりも小さくなるよう設定されている。
換言すれば、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に位置する反クランクピン側第3油通路34bの他端開口部36の開口面積の総和がアッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に位置するクランクピン側第3油通路36aの他端開口部36の開口面積の総和よりも大きくなるよう設定されている。
なお、第3油通路34aの一般部37の通路断面積は、第2油通路33の部分33aの通路断面積と同一となるよう設定されている。第3油通路34bの一般部37の通路断面積は、第2油通路33の部分33bの通路断面積と同一となるよう設定されている。
アッパリンク51のアッパピン用ピンボス部27には、クランクピン6a側からロアリンク油路21を介してオイル(潤滑油)が供給可能となっている。そこで、給油通路31は、この第2実施例のようにアッパピン用ピンボス部27の反クランクピン側にオイル(潤滑油)が相対的に多く流れるように設定してもよい。
このような第2実施例においても、上述した第1実施例と略同様の作用効果を奏することができる。
なお、この第2実施例においては、第3油通路34の他端開口部36の開口位置を、範囲A1及び範囲A2の外側で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置するように設定してもよい。
また、この第2実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に複数の第3油通路34aを設けるとともに、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に複数の第3油通路34bを設けるようにしてもよい。この場合、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に位置する第3油通路34aの他端開口部36の開口面積の総和が、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に位置する第3油通路34bの他端開口部36の開口面積の総和よりも小さくなるように設定される。
図9及び図10を用いて、本発明の第3実施例の複リンク式ピストンクランク機構について説明する。
図9は、本発明の第3実施例におけるアッパリンク61の断面図である。図10は本発明の第3実施例におけるアッパリンク61の要部を拡大して示す断面図である。
第3実施例の複リンク式ピストンクランク機構1は、上述した第1実施例の複リンク式ピストンクランク機構1と略同一構成となっているが、アッパリンク61に形成される給油通路31の形状が異なっている。
この第3実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側(図9及び図10における右側)に第3油通路34aが1つ形成され、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側(図9及び図10における左側)に第3油通路34bが2つ形成されている。
すなわち、第3油通路34は、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に位置する第3油通路34aの数がアッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に位置する第3油通路34bの数よりも少なくなるよう設定されている。
換言すれば、第3油通路34は、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に位置する反クランクピン側第3油通路34bの数がアッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に位置するクランクピン側第3油通路34aの数よりも多くなるよう設定されている。
なお、第3油通路34aは、他端開口部36の開口位置が、範囲A1及び範囲A2の外側に形成されているものの、範囲A1及び範囲A2の外側で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置してはいない。また、2つある第3油通路34bのうちの1つは、他端開口部36の開口位置が、範囲A1及び範囲A2の外側に形成されているものの、範囲A1及び範囲A2の外側で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置してはいない。
アッパリンク61のアッパピン用ピンボス部27には、クランクピン6a側からロアリンク油路21を介してオイル(潤滑油)が供給可能となっている。そこで、給油通路31は、この第3実施例のようにアッパピン用ピンボス部27の反クランクピン側にオイル(潤滑油)が相対的に多く流れるように設定してもよい。
このような第3実施例においても、上述した第1実施例と略同様の作用効果を奏することができる。
なお、この第3実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、クランクピン側の第3油通路34aの他端開口部36の開口位置を、範囲A1及び範囲A2の外側で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置するように設定してもよい。
また、この第3実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりもクランクピン側に複数の第3油通路34aを設けるとともに、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に、クランクピン側よりも多くの第3油通路34bを設けるようにしてもよい。
図11及び図12を用いて、本発明の第4実施例の複リンク式ピストンクランク機構について説明する。
図11は、本発明の第4実施例におけるアッパリンク71の断面図である。図11は本発明の第4実施例におけるアッパリンク71の要部を拡大して示す断面図である。
第4実施例の複リンク式ピストンクランク機構1は、上述した第1実施例の複リンク式ピストンクランク機構1と略同一構成となっているが、アッパリンク71に形成される給油通路31の形状が異なっている。
この第4実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、第2油通路33がアッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側(図11及び図12における左側)にのみ形成されている。つまり、第2油通路33は、反クランクピン側の部分33bのみからなっている。また、第3油通路34は、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に1つ形成されている。
換言すると、この第4実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、第2油通路33と1つの第3油通路34bがアッパリンク中心線CL1の反クランクピン側に形成されている。
なお、第3油通路34は、他端開口部36の開口位置が、範囲A1及び範囲A2の外側に形成されているものの、範囲A1及び範囲A2の外側で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置してはいない。
アッパリンク71のアッパピン用ピンボス部27には、クランクピン6a側からロアリンク油路21を介してオイル(潤滑油)が供給可能となっている。そこで、給油通路31は、この第4実施例のようにアッパピン用ピンボス部27の反クランクピン側にオイル(潤滑油)が流れるように設定してもよい。
このような第4実施例においても、上述した第1実施例と略同様の作用効果を奏することができる。
なお、この第4実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、反クランクピン側の第3油通路34bの他端開口部36の開口位置を、範囲A1及び範囲A2の外側で最もピストンピン用ピンボス部26側に位置するように設定してもよい。
また、この第4実施例においては、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク中心線CL1よりも反クランクピン側に複数の第3油通路34bを設けるようにしてもよい。
1…複リンク式ピストンクランク機構
2…ピストン
3…ピストンピン
4…アッパリンク(第1リンク)
5…アッパピン(第1連結ピン)
6…クランクシャフト
6a…クランクピン
6b…ジャーナル部
7…ロアリンク(第2リンク)
7A…ロアリンクアッパ
7B…ロアリンクロア
8…コントロールピン(第2連結ピン)
9…コントロールリンク(第3リンク)
10…コントロールシャフト
11…クランクピン軸受部
12…アッパピン軸受部
13…コントロールピン軸受部
21…ロアリンク油路
25…ロッド部
26…ピストンピン用ピンボス部
27…アッパピン用ピンボス部
31…給油通路
32…第1油通路
33…第2油通路
34…第3油通路
35…第4油通路
36…他端開口部
38…頂部
39…底部

Claims (6)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結された第1リンクと、上記第1リンクの他端に第1連結ピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結された第2リンクと、一端が上記第2リンクに第2連結ピンを介して連結され、他端が機関本体側に支持された第3リンクと、を備え、
    上記第1リンクは、ロッド部と、上記ロッド部の一端に設けられて上記ピストンピンが回転可能に嵌合する円環状のピストンピン用ピンボス部と、上記ロッド部の他端に設けられて上記第1連結ピンが回転可能に嵌合する円環状の第1連結ピン用ピンボス部と、ピストンピン用ピンボス部側から導入したオイルを上記第1連結ピンへと導く当該第1リンクの内部に形成された給油通路と、を有し、
    上記給油通路は、上記ロッド部の長手方向に沿って形成され、一端がピストンピン用ピンボス部の内周面に開口する第1油通路と、上記第1連結ピン用ピンボス部の周方向に沿って形成され、上記第1油通路の他端に接続された第2油通路と、上記第1連結ピン用ピンボス部の半径方向に沿って形成され、一端が上記第2油通路に接続され、他端が上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面に開口する第3油通路と、を有し、
    上記第3油通路は、他端の開口位置が、クランクシャフト軸方向視で、上記ピストンピン用ピンボス部の中心と上記第1連結ピン用ピンボス部の中心を通る基準直線と上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面との交点のうち、ピストンピン用ピンボス部側の交点と重ならないように形成されていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  2. 上記第3油通路は、他端の開口位置が、クランクシャフト軸方向視で、上記基準直線と重ならないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  3. 上記第3油通路は、他端の開口位置が、クランクシャフト軸方向視で、上記第1連結ピン用ピンボス部の中心を通り上記基準直線と直交する第2基準直線よりもピストンピン用ピンボス部側に位置するとともに、上記第1連結ピンと上記第1連結ピン用ピンボス部との間で焼き付きの発生することない位置の中で最もピストンピン用ピンボス部側に位置するよう形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  4. 上記第2リンクは、一端が上記第1連結ピン用ピンボス部の外周面と対向する上記第2リンクの外周面に開口し、他端がクランクピンを支持するクランクピン軸受面に開口する第2リンク油路を有し、
    上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面には、クランクシャフト軸方向視で、当該第1連結ピン用ピンボス部のクランクピン側から上記第2リンク油路を介してオイルが供給可能となっており、
    上記第2油通路は、クランクシャフト軸方向視で、上記基準直線を横切り、上記基準直線のクランクピン側から反クランクピン側に連続するよう形成され、
    上記第3油通路は、クランクシャフト軸方向視で、上記基準直線の両側にそれぞれ少なくとも1つ以上形成され、上記基準直線よりも反クランクピン側に位置する反クランクピン側第3油通路の他端の開口面積の総和が上記基準直線よりもクランクピン側に位置するクランクピン側第3油通路の他端の開口面積の総和よりも大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  5. 上記第2リンクは、一端が上記第1連結ピン用ピンボス部の外周面と対向する上記第2リンクの外周面に開口し、他端がクランクピンを支持するクランクピン軸受面に開口する第2リンク油路を有し、
    上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面には、クランクシャフト軸方向視で、当該第1連結ピン用ピンボス部のクランクピン側から上記第2リンク油路を介してオイルが供給可能となっており、
    上記第2油通路は、クランクシャフト軸方向視で、上記基準直線を横切り、上記基準直線のクランクピン側から反クランクピン側に連続するよう形成され、
    上記第3油通路は、クランクシャフト軸方向視で、上記基準直線の両側にそれぞれ少なくとも1つ以上形成され、上記基準直線よりも反クランクピン側に位置する反クランクピン側第3油通路の数が上記基準直線よりもクランクピン側に位置するクランクピン側第3油通路の数よりも多くなるよう設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  6. 上記第2リンクは、一端が上記第1連結ピン用ピンボス部の外周面と対向する上記第2リンクの外周面に開口し、他端がクランクピンを支持するクランクピン軸受面に開口する第2リンク油路を有し、
    上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面には、クランクシャフト軸方向視で、当該第1連結ピン用ピンボス部のクランクピン側から上記第2リンク油路を介してオイルが供給可能となっており、
    上記第2油通路は、クランクシャフト軸方向視で、上記基準直線の反クランクピン側に形成され、
    上記第3油通路は、クランクシャフト軸方向視で、上記基準直線よりも反クランクピン側に少なくとも1つ以上形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
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