JP2020028872A - イオン交換樹脂再生システム - Google Patents

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康成 前田
朋弘 穐田
Tomohiro Akita
朋弘 穐田
綾音 木原
Ayane Kihara
綾音 木原
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Abstract

【課題】メンテナンス性と環境性に優れたイオン交換樹脂再生システムを提供する。【解決手段】イオン交換樹脂再生システムは、イオン交換樹脂を収納する容器の中に塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水する塩水通水手段と、塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水後のイオン交換樹脂からの排水から金属イオンを含む硬水成分を結晶化して除去する硬水成分結晶化手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、イオン交換樹脂を再生するためのイオン交換樹脂再生システムに関する。
従来より、硬水中の金属イオンを除去するためにイオン交換樹脂を用いたイオン除去装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1のイオン除去装置は、硬水中の金属イオン(カルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)をイオン交換樹脂により除去するものである。具体的には、ナトリウムイオンを表面に付着させたイオン交換樹脂を含む処理槽に硬水を流すことにより、硬水中の金属イオンをナトリウムイオンと置換し、硬水中から金属イオンを除去する。これにより、硬水の硬度を低下させて軟水を生成する。硬水中に存在していた金属イオンは、イオン交換樹脂の表面に捕捉される。
特開2000−140840号公報
しかしながら、特許文献1のイオン除去装置では、金属イオンを捕捉したイオン交換樹脂を再生するには大量の塩水が必要であり、メンテナンスに手間が掛かるという課題がある。また、再生処理を行うと、塩水にカルシウムイオンを含む排水が生じ、土壌汚染や下水処理の負荷が増大するという課題もある。
このように、イオン交換樹脂の再生には、メンテナンス性および環境性という観点で改善の余地があった。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、メンテナンス性および環境性に優れたイオン交換樹脂再生システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るイオン交換樹脂再生システムは、イオン交換樹脂を収納する容器の中に塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水する塩水通水手段と、
塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水後の前記イオン交換樹脂からの排水から金属イオンを含む硬水成分を結晶化して除去する硬水成分結晶化手段と、
を備える。
本発明によれば、メンテナンス性および環境性に優れたイオン交換樹脂再生システムを提供することができる。
実施の形態1に係るイオン交換樹脂再生システムの構成を示す概略図である。 イオン交換樹脂における軟水化処理を示す概略図である。 イオン交換樹脂に塩水を通水する再生処理を示す概略図である。 硬水成分結晶化手段が薬剤投入手段を含むことを示す概略図である。 硬水成分結晶化手段がイオン除去装置を含むことを示す概略図である。 実施の形態1に係るイオン交換樹脂再生システムにおけるイオン除去装置2の概略図である。 実施の形態1のイオン除去装置2による金属イオンの吸着の仮説原理を説明するための模式図である。 実施の形態1のイオン除去装置2による金属成分の結晶化の仮説原理を説明するための模式図である。 実施の形態1のイオン除去装置2による再生処理の仮説原理を説明するための模式図である。 実施の形態1の実施例1における微細気泡発生を発生させてから所定時間経過後の状態を示す図である。 実施の形態1の実施例1における図8Aに示す状態からさらに所定時間経過後の状態を示す図である。 実施の形態1の実施例1の結果を示す図である。 実施の形態2のイオン除去装置による金属イオンの吸着の仮説原理を説明するための模式図である。 実施の形態2のイオン除去装置による金属成分の結晶化の仮説原理を説明するための模式図である。 実施の形態3のイオン除去装置による金属イオンの吸着の仮説原理を説明するための模式図である。 実施の形態3のイオン除去装置による金属イオンの吸着および結晶化の仮説原理を説明するための模式図である。 実施の形態3の実施例2−4で用いる装置の概略構成を示す図である。 金属成分が硬水中で結晶化している状態を示す図である。 実施の形態3の実施例2の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例2の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例3の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例3の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例3の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例4の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例4の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例4の結果を示す図である。 実施の形態3の実施例4の結果を示す図である。
<イオン交換樹脂の再生処理における課題>
図2Aは、イオン交換樹脂17における軟水化処理を示す概略図である。図2Bは、イオン交換樹脂17に塩水を通水する再生処理を示す概略図である。
以下に、イオン交換樹脂の再生処理における課題について説明する。
(軟水化処理)
図2A(a)に示すように、軟水化処理の際には、イオン交換樹脂17が収納されたイオン交換樹脂収納容器18内に硬水85が導入される。イオン交換樹脂17に硬水85が接すると、図2A(b)の上に示すように、イオン交換樹脂17の表面のナトリウムイオン88が硬水85中のカルシウムイオン87と置換される。その結果、図2A(b)の下に示すように、イオン交換樹脂17の表面にカルシウムイオン87が吸着され、イオン交換樹脂17からは硬度の低下した軟水86が取り出される。このようにイオン交換樹脂17では、その表面のナトリウムイオン88をカルシウムイオン87に置換することによって軟水化が行われる。このため、置換がすすむとイオン交換性能が低下する。そのため、図2Bに示す再生処理が必要となる。
(再生処理)
図2B(a)に示すように、再生処理の際には、イオン交換樹脂17が収納されたイオン交換樹脂収納容器18内に塩水タンク5に貯めておいた塩水3、例えば、塩化ナトリウム水溶液及び/又は塩化カリウム水溶液が通水される。なお、硬水85の導入及び軟水86の取り出しの際と、塩水3の導入及び排水の排出の際の流路切替は、制御弁19によって行ってもよい。イオン交換樹脂17に塩水3が接すると、図2B(b)の上に示すように、イオン交換樹脂17の表面に吸着されていたカルシウムイオン87とナトリウムイオン88(あるいはカリウムイオン)が置換する。その結果、図2B(b)の下に示すように、イオン交換樹脂17の表面に吸着されていたカルシウムイオン87が塩水中に放出され、イオン交換樹脂17の表面にはナトリウムイオン88が吸着され、イオン交換樹脂が再生される。
なお、イオン交換樹脂17から排出される排水9には、塩水中にカルシウムイオンを含む。このため、次のイオン交換樹脂の再生処理に用いることができない。また、排水9は、ナトリウムイオンを含む硬水であるため、そのまま川等に放出できないという課題があった。
本願発明者らは、鋭意検討した結果、イオン交換樹脂の再生処理後の排水等の硬水中から金属イオンを除去するイオン除去技術(軟水化技術)において、従来使用されていなかった「微細気泡」を用いることで金属イオンの除去を促進できるという知見を見出し、実施の形態の発明に至った。とりわけ、微細気泡の発生元である気体の種類を変えることで、金属イオンの除去効果をさらに促進できることを見出し、本発明に至った。
なお、イオン交換樹脂の再生処理後の排水等の硬水に含まれる金属イオンと難溶性の塩を生成する陰イオンを生成する薬剤を排水に投入することによっても、上記排水から硬水成分を除去できることを見出した。
第1の態様に係るイオン交換樹脂再生システムは、イオン交換樹脂を収納する容器の中に塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水する塩水通水手段と、
塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水後の前記イオン交換樹脂からの排水から金属イオンを含む硬水成分を結晶化して除去する硬水成分結晶化手段と、
を備える。
第2の態様に係るイオン交換樹脂再生システムは、上記第1の態様において、前記硬水成分結晶化手段は、
微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記排水中に供給することで、前記排水中の金属イオンを微細気泡に吸着させる、イオン除去装置を含んでもよい。
第3の態様に係るイオン交換樹脂再生システムは、上記第1の態様において、前記硬水成分結晶化手段は、
前記硬水成分に含まれる金属イオンと難溶性の塩を生成する陰イオンを生成する薬剤を前記排水に投入する薬剤投入手段を含んでもよい。
第4の態様に係るイオン交換樹脂再生システムは、上記第1から第3のいずれかの態様において、結晶化して析出した硬水成分の結晶を分離する分離手段をさらに備えてもよい。
以下に、本発明に係る実施の形態1−3を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
<イオン交換樹脂再生システム>
図1は、実施の形態1に係るイオン交換樹脂再生システム36の構成を示す概略図である。このイオン交換樹脂再生システム36は、塩水通水手段15と、硬水成分結晶化手段1と、を備える。塩水通水手段15は、イオン交換樹脂17を収納するイオン交換樹脂収納容器18の中に塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液である塩水3を通水する。硬水成分結晶化手段1は、塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水後のイオン交換樹脂17からの排水9から金属イオンを含む硬水成分を結晶化して除去する。
これによって、イオン交換樹脂17の再生処理後の排水9から金属イオンを含む硬水成分を結晶化させて除去できるので、排水9からの再生塩水3aが得られ、あるいは処理後の排水をそのまま排出できる。
上記硬水成分結晶化手段1としては、例えば、硬水成分に含まれる金属イオンと難溶性の塩を生成する陰イオンを生成する薬剤を排水9に投入する薬剤投入手段16であってもよい。あるいは、上記硬水成分結晶化手段1としては、微細気泡を発生させ、微細気泡を排水9中に供給することで、排水9中の金属イオンを微細気泡に吸着させる、イオン除去装置2であってもよい。
なお、図1に示すように、結晶化して析出した硬水成分の結晶を分離する分離手段10をさらに備えてもよい。また、排水9からの再生塩水3aを再生塩水タンク5aに貯めておいてもよい。あるいは、再生塩水3aを塩水タンク5に戻してもよい。
<薬剤投入手段>
図3Aは、硬水成分結晶化手段1が薬剤投入手段16を含むことを示す概略図である。硬水成分に含まれる金属イオンは、カルシウムイオン(Ca2+)及びマグネシウムイオン(Mg2+)である。これらの金属イオンと難溶性の塩を生成する陰イオンを生成する薬剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO:重曹)又は炭酸水素カリウム(KHCO)である。薬剤投入手段16は、例えば、粉末状の上記薬剤、例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO:重曹)又は炭酸水素カリウム(KHCO)を排水9中に散布するものであればよい。
この薬剤投入手段16によって、炭酸水素ナトリウム(NaHCO:重曹)又は炭酸水素カリウム(KHCO)を排水9に投入すると、炭酸水素ナトリウムは、ナトリウムイオン(Na)と炭酸水素イオン(HCO )とに解離する。炭酸水素カリウムは、カリウムイオン(K)と炭酸水素イオン(HCO )とに解離する。炭酸水素ナトリウムの水溶液では、およそpH8.3となる。炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムを排水9に投入することによって、排水9中のカルシウムイオンは、不溶性の炭酸カルシウムとして析出し、分離する。
<イオン除去装置>
図3Bは、硬水成分結晶化手段1がイオン除去装置2を含むことを示す概略図である。
このイオン除去装置2によって、微細気泡を発生させ、微細気泡を排水9中に供給することで、排水9中の金属イオン、例えば、カルシウムイオンを微細気泡に吸着させる。その後、微細気泡が収縮していき、カルシウムイオンは不溶性の炭酸カルシウムとして析出し、分離する。
以下に、このイオン除去装置2の詳細について説明する。
図4は、実施の形態1に係るイオン交換樹脂再生システム36におけるイオン除去装置2の概略構成を示す図である。
<全体構成>
イオン除去装置2は、排水9等の硬水中から金属イオンを除去する装置である。ここでの金属イオンとは、カルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)である。実施の形態1におけるイオン除去装置2は、硬水中から金属イオンを除去して分離することにより、硬水中における金属イオンの濃度(硬度)を所定濃度以下まで低下させて、軟水を製造する軟水化装置である。
図4に示すように、実施の形態1におけるイオン除去装置2は、硬水供給配管4と、微細気泡発生手段6と、処理槽8と、分離手段10と、軟水取出配管12と、分離水排出配管14とを備える。
硬水供給配管4は、硬水を供給する配管である。硬水供給配管4は、硬水を供給する硬水供給手段の一例である。硬水供給配管4には、図1の排水9が供給される。
微細気泡発生手段6は、微細気泡を発生させる手段である。微細気泡とは、直径100μm以下の気泡である。微細気泡には、マイクロバブル(直径が例えば1μm以上100μm以下)と、ナノバブル(直径が例えば1μm未満)が含まれる。微細気泡は、水中での滞留時間が長いことや、接触面積が大きく化学反応が生じやすいこと等、通常の気泡とは異なった性質を有する。
実施の形態1における微細気泡発生手段6は、硬水供給配管4に隣接して形成されており、発生させた微細気泡を硬水供給配管4に直接的に供給可能な装置である。
実施の形態1における微細気泡発生手段6は、複数種類の気体の中から選択された1つの気体をもとに微細気泡を発生させる機能を有する。微細気泡発生手段6は例えば、空気と二酸化炭素の2つの気体から微細気泡の発生元を選択し、それをもとに微細気泡を発生させることができる。
実施の形態1の微細気泡発生手段6は、硬水に微細気泡を供給して軟水化する軟水化処理において、「空気」をもとに微細気泡を発生させて硬水供給配管4に供給する。さらに、軟水化処理後の再生処理においては、空気ではなく「二酸化炭素」をもとに微細気泡を発生させて硬水供給配管4に供給する。
空気の微細気泡を硬水中に供給することで、具体的な原理については後述するが、硬水中の金属イオンを微細気泡に吸着させるとともに、吸着した金属イオンを結晶化して金属成分として析出させて、硬水中から除去することができる。
処理槽8は、微細気泡が供給された硬水をさらに処理するための槽である。硬水供給配管4の先端部に処理槽8が接続されている。処理槽8には、分離手段10(端部4aおよび吸着板11)、軟水取出配管12および分離水排出配管14が設けられている。
分離手段10は、結晶化して析出した金属成分を硬水から分離するための手段である。実施の形態1における分離手段10は、硬水供給配管4の端部4aと複数の吸着板11により構成されている。
硬水供給配管4の端部4aは、処理槽8の外周部に接続されるとともに、処理槽8の中心軸から偏心した方向に吐水するように配置されている。このような偏心配置により、処置槽8に吐水される液体において旋回流を形成することができる。旋回流の形成により、比重の大きな金属成分を、処理槽8において中心軸から外側に移動させて遠心分離することができる。
吸着板11は、結晶化して析出した金属成分を吸着する機能を有する板である。
軟水取出配管12は、処理槽8の処理によって硬度が所定以下まで低下された軟水を取り出すための部材である。軟水取出配管12は、例えば、図1の再生塩水タンク5aに接続してもよい。軟水取出配管12は、軟水を取り出す軟水取出手段の一例である。硬水および軟水の定義としては例えば、WHOの定義を用いてもよい。すなわち、硬度120mg/L未満を軟水と定義し、硬度120mg/L以上を硬水と定義してもよい。
図4に示すように、軟水取出配管12は、処理槽8内の水を吸い上げるように、処理槽8の中心軸と略重なる位置に上流側端部が配置されている。このような配置により、軟水取出配管12は旋回流によって遠心分離された金属成分を含まない処理水(例えば軟水)を取り出すことができる。
分離水排出配管14は、金属イオンから結晶化した金属成分が濃縮された分離水を排出するための部材である。分離水排出配管14は、分離水を排出する分離水排出手段の一例である。分離水排出配管14は、処理槽8の上方端部において処理槽8の外周部に接続されている。このような配置により、分離水排出配管14は旋回流によって遠心分離された金属成分を含む分離水を取り出すことができる。
<軟水化処理>
このような構成において、微細気泡発生手段6は「空気」をもとに微細気泡を発生させて、空気の微細気泡を硬水中に供給することにより、軟水化処理を行う。
空気の微細気泡が硬水供給配管4に供給されることで、硬水中の金属イオンに対して以下の(1)、(2)の欄に記載するような作用が生じると推測される。具体的には、硬水中の金属イオンを微細気泡に吸着させるとともに、吸着した金属イオンを結晶化させて、硬水中から金属イオンを除去することができると推測される。具体的には、以下の通りである。なお、以下の(1)、(2)の欄に記載する特定の原理に拘束される訳ではない。
(1)金属イオンの吸着
図5に示すように、空気の微細気泡が硬水中に供給されると、微細気泡の表面にはH(水素イオン)とOH(水酸化物イオン)が混在し、Hは正の電荷に帯電し、OHは負の電荷に帯電する(図5ではOHのみを図示)。一方で、硬水中には、正の電荷に帯電した金属イオンとして、Ca2+およびMg2+が存在する。以降の説明では、金属イオンとしてCa2+を例として説明する。なお、イオン交換樹脂の再生処理による排水の場合には、ナトリウムイオン(Na)を含む場合がある。
正の電荷を持つCa2+は、分子間力の作用(イオン間相互作用)によって、微細気泡の表面に存在するOHに吸着される。このようにしてCa2+を微細気泡に吸着させることができる。なお、微細気泡の表面にはCa2+に反発するHが存在するが、HよりもOHが優先的に作用してCa2+を吸着すると考えられる。なお、イオン交換樹脂の再生処理による排水の場合には、排水中のナトリウムイオンによって微細気泡の合体が抑制され、微細気泡の表面積を小さいままに維持できる。
(2)金属成分の結晶化
図5で示した反応に加えて、空気の微細気泡を硬水中に供給することにより、図6で示す反応が促進される。具体的には、硬水中に供給された空気の微細気泡は通常の気泡とは異なり浮上しにくく、硬水中に溶け出していくため、表面張力が増加して、図6に示すように徐々に収縮していく。前述したように、微細気泡の表面にはCa2+が吸着されている。より具体的には、可溶性のCa(HCO(炭酸水素カルシウム)のカルシウムイオンとして存在している。ここで、微細気泡が徐々に収縮していくと、微細気泡の表面におけるCa2+の溶解濃度が上昇する。溶解濃度の上昇により、ある時点で過飽和の状態となり、Ca2+が結晶化して析出する。具体的な化学式で表すと、以下の式1の通りである。
(式1)
Ca(HCO→CaCO+CO+H
CaCO(炭酸カルシウム)は不溶性(非水溶性)であるため、結晶として析出する。これにより、Ca(HCOのCa2+として溶解していたものが、結晶として析出される。このような反応が促進されることにより、硬水中から金属イオンのCa2+を除去することができる。
なお、同じ水の中で式1とは逆向きの反応も生じうるが、微細気泡を継続的に供給することにより、当該平衡関係において式1の向きの反応が優先的に行われるものと推測される。
その後、微細気泡が添加された水は、硬水供給配管4の端部4aから処理槽8の中心軸から偏心した方向に吐出されることにより、周方向の旋回流を生じさせる。その後、端部4aから処理水が継続的に吐出されることにより、処理水は周方向に旋回しながら上昇していく。上記「(1)金属イオンの吸着」および「(2)金属成分の結晶化」の反応は、硬水供給配管4および処理槽8において生じる。
前述したように、処理槽8の内部には複数の吸着板11が設けられている。よって、(2)金属成分の結晶化」の欄で説明した、結晶化して析出したCaCOが、旋回流によって遠心分離される途中に吸着板11に吸着される。これにより、Ca2+に由来する金属成分を分離して除去することができる。
一方で、吸着板11によって吸着されなかった残りのCaCOは、処理槽8においてさらに外側に移動される。その後、処理槽8の上端部に設けられた分離水排出配管14から、分離水に含まれる形で外部に排出される。
金属イオンおよび金属成分が分離されて軟水化された水は、軟水取出配管12から取り出される。このようにして、硬水を軟水化することができる。
<再生処理>
軟水化処理を行うことで、結晶化して析出したCaCOが吸着板11や処理槽8の内壁に付着する。このCaCOをCa(HCOに戻すための処理として、再生処理を行う。具体的には、微細気泡発生手段6が軟水化処理時とは異なる気体をもとに微細気泡を発生させて、硬水供給配管4に供給する。
実施の形態1における微細気泡発生手段6は、再生処理用の気体として「二酸化炭素」を用いる。
図7に示すように、処理槽8の内壁や吸着板11に付着したCaCOに対して二酸化炭素の微細気泡を供給することで、以下の反応が促進される。
(式2)
CaCO+CO+HO→Ca(HCO
当該反応により、不溶性のCaCOから可溶性(水溶性)のCa(HCOが生成される。Ca(HCOは水の中に溶け出していき、前述したように分離水排出配管14から排出される。これにより、処理槽8内に存在していた不溶性のCaCOを外部に排出し、元の状態に戻すことができる。その後、前述した軟水化処理を改めて実施することができる。
なお、上記説明では、金属イオンとしてCa2+を例として説明したが、Mg2+についても同様の反応が起こると推測される。
上述したように、実施の形態1のイオン除去装置2は、微細気泡を用いて軟水化処理と再生処理を行うものである。特に、軟水化処理において、空気の微細気泡を硬水中に供給することにより、金属イオンを微細気泡に吸着させるとともに、吸着した金属イオンを結晶化して金属成分として析出させることができる。これらの金属イオンおよび金属成分を硬水から分離することで、軟水を生成することができる。
このような方法によれば、イオン交換樹脂を用いた場合と異なり、空気や二酸化炭素という気体を利用して行う処理であるため、イオン交換樹脂の場合のようにナトリウムイオンを再吸着させるための大量の塩水などが不要となる。これにより、再生処理が簡単であり、メンテナンスが容易になる。
またイオン交換樹脂の場合のように、塩水を含む再生排水も生じないため、土壌汚染や下水処理の増大といった課題もなくなり、環境性に優れている。
さらにイオン交換樹脂の場合のように、処理水におけるナトリウムイオンの濃度も高くならないため、飲用水としても推奨される。
このようにして、メンテナンス性と環境性に優れたイオン除去装置2を提供することができる。
上述したように、実施の形態1のイオン除去装置2は、微細気泡を発生させる微細気泡発生手段6を備え、微細気泡発生手段6が発生させた微細気泡を硬水中に供給することで、硬水中の金属イオンを微細気泡に吸着させて、硬水中から金属イオンを除去する。すなわち、実施の形態1のイオン除去方法は、微細気泡を発生させるステップと、発生させた微細気泡を硬水中に供給するステップとを含み、硬水中の金属イオンを微細気泡に吸着させて硬水中から金属イオンを除去する。
このような構成・方法によれば、イオン交換樹脂を用いた場合と比較して、メンテナンス性および環境性に優れたイオン除去装置2を提供することができる。
さらに実施の形態1のイオン除去装置2は、微細気泡に吸着させた金属イオンを(微細気泡の収縮に伴って)結晶化させる。すなわち、実施の形態1のイオン除去方法は、微細気泡に吸着させた金属イオンを(微細気泡の収縮に伴って)結晶化させるステップをさらに含む。
このような構成・方法によれば、金属イオンの吸着に加えて金属イオンの結晶化を行うことで、金属イオンの除去を促進することができる。
さらに実施の形態1のイオン除去装置2は、結晶化された結晶を分離する分離手段10をさらに備える。すなわち、実施の形態1のイオン除去方法は、結晶化された結晶を分離するステップをさらに含む。
このような構成・方法によれば、軟水の生成を促進することができる。
さらに実施の形態1のイオン除去装置2によれば、微細気泡発生手段6は、軟水化処理において、空気を取り込んで微細気泡として発生させる。同様に、実施の形態1のイオン除去方法は、微細気泡を発生させるステップにおいて、空気を取り込んで微細気泡として発生させる。
このような構成・方法によれば、空気を用いるため、微細気泡の発生にかかるコストを極めて低く抑えることができる。
さらに実施の形態1のイオン除去装置2は、硬水中から金属イオンを除去した後に、二酸化炭素の微細気泡を供給することで、再生処理を行う。同様に、実施の形態1のイオン除去方法は、硬水中から金属イオンを除去した後に、二酸化炭素の微細気泡を供給することで、再生処理を行うステップをさらに含む。
このような構成・方法によれば、不溶性のCaCOから可溶性のCa(HCOを生成する反応を促進することができ、再生処理を促進することができる。
(実施例1)
次に、実施の形態1の実施例1について説明する。
当該実施例1は、本発明者らが、実施の形態1の<軟水化処理>の欄で説明した内容に関する実験を行ったものである。具体的には、図8A、8Bに示す装置20を用いて実験を行った。その結果、図9に示す結果が得られた。
図8A、8Bは、本実施例1で用いる装置20の概略構成を示す図である。図8Aは、微細気泡を発生させてから所定時間経過後(具体的には15秒経過後)の状態を示し、図8Bは、図8Aに示す状態からさらに所定時間経過後(具体的には45秒経過後)の状態を示す。図8Aの状態は、図9における微細気泡発生からの経過時間が15秒の状態に対応し、図8Bの状態は、図9における微細気泡発生からの経過時間が60秒の状態に対応する。
図8A、8Bに示す装置20は、硬水21を収容する水槽22において底面側から微細気泡23を供給可能とする実験装置である。装置20では、硬水21中における金属イオンの濃度を底面側と水面側の2箇所で測定することができる。このような装置20を用いて水槽22内に微細気泡23を供給し、底面側と水面側の金属イオンの濃度推移を検出した結果、図9に示す結果が得られた。
図9に示す結果によれば、実施の形態1の<軟水化処理>の欄で説明した「微細気泡による金属イオンの吸着」の効果を実証することができた。具体的な結果については後述する。
図8A、8Bに示すように、装置20は、水槽22と、ガス供給部24と、第1配管25と、微細気泡発生部26と、第2配管27と、ポンプ28と、第1取水部30と、第2取水部32と、金属イオン濃度検出器34とを備える。
水槽22は、硬水21を収容する水槽である。図8A、8Bに示す例では、水槽22は上下方向に長い槽として構成されている。ガス供給部24は、第1配管25を介して微細気泡発生部26にガスを供給する部材である。微細気泡発生部26は、ガス供給部24から供給されるガスをもとに微細気泡23を発生させる装置である。微細気泡発生部26は、前述した実施の形態1の微細気泡発生手段6に対応する。ガス供給部24から微細気泡発生部26へのガスの供給は、ポンプ28による第2配管27を介した負圧作用により行われる。
第1取水部30は、水槽22の底面22a付近から硬水21のサンプル水を取水する部材である。第2取水部32は、水槽22の水面22b付近からサンプル水を取水する部材である。第1取水部30および第2取水部32の高さ位置は任意の位置に設定してもよく、第1取水部30から第2取水部32までの距離D1を所望の値に調整することができる。
図8A、8Bに示す例では、第1取水部30の高さ位置は、微細気泡発生部26が微細気泡23を発生させる高さ位置と略同じ位置に設定されている。
金属イオン濃度検出器34は、第1取水部30および第2取水部32から取水されたサンプル水における金属イオンの濃度を検出する部材である。
上記構成において微細気泡発生部26およびポンプ28を運転すると、ポンプ28による第2配管27を介した負圧作用により、ガス供給部24から第1配管25を介して微細気泡発生部26へガスが送られる。このガスを原料として微細気泡発生部26は微細気泡23を発生させ、水槽22へ供給する(図8Aの矢印A1)。
微細気泡発生部26およびポンプ28を所定期間運転させて(本実施例1では15秒)、微細気泡23を継続的に発生させる。
その後、微細気泡発生部26およびポンプ28の運転を停止する。運転停止後、所定の休止期間を設ける(本実施例1では45秒)。
図8Aに示すように、運転期間の終了時(微細気泡発生から15秒後)には、水槽22内に供給された微細気泡23が硬水21内を上昇して(矢印A2)、水槽22の下方部分に滞留していることが目視により確認された。
図8Bに示すように、休止期間の終了時(微細気泡発生から60秒後)には、硬水21中に供給された微細気泡23がさらに上昇して水面22bまで到達し(矢印A3)、水槽22の上方部分に滞留していることが目視により確認された。
上記運転中における所定のタイミングで第1取水部30および第2取水部32からサンプル水を取り出し、金属イオン濃度検出器34により金属イオンの濃度を測定した結果を図9に示す。
図9の結果に関する具体的な実験条件を以下に記載する。
(実験条件)
ガス供給部24が供給するガスの種類: 空気
硬水21の硬度: 約300mg/L
硬水21の温度: 25℃
第1取水部30から第2取水部32までの距離D1: 約1m
微細気泡発生部26およびポンプ28の運転期間: 15秒
微細気泡発生部26およびポンプ28の休止期間: 45秒
金属イオン濃度検出器34: 堀場製作所製・LAQUA F-70
測定対象の金属イオン: Ca2+
サンプル水の取出タイミング:運転開始から0秒後、15秒後、30秒後、60秒後
図9は、横軸に微細気泡発生からの経過時間(秒)を表し、縦軸に金属イオン濃度検出器34で検出した金属イオン(Ca2+)濃度の変化率(%)を表す。金属イオン濃度の変化率は、運転開始時に測定した金属イオン濃度を100%としたときの金属イオン濃度の推移を表すものである。
図9に示すように、水槽22の底面22a付近で第1取水部30から抽出されたサンプル水の濃度は、15秒経過時には約108%まで上昇している。その後の休止期間では徐々に減少し、最終的には約97%まで漸減している。
一方、水槽22の水面22b付近で第2取水部32から抽出されたサンプル水の濃度は、15秒経過時までほぼ100%を維持した後、その後の休止期間では徐々に増加し、最終的には約115%まで漸増している。
上記金属イオン濃度推移の結果と、微細気泡23の挙動とを関連付けると、以下の通りである。
図8Aに示す15秒経過時においては、微細気泡23が滞留している第1取水部30のサンプル水では金属イオン濃度が上昇している。一方で、微細気泡23が滞留していない第2取水部32のサンプル水では金属イオン濃度がほとんど変化していない。
図8Bに示す60秒経過時においては、微細気泡23が滞留していない第1取水部30のサンプル水では金属イオン濃度が100%弱まで減少している。一方で、微細気泡23が滞留している第2取水部32のサンプル水では金属イオン濃度が大幅に上昇している。
このような結果によれば、硬水21中の金属イオンであるCa2+は微細気泡23によって吸着され、微細気泡23の上昇に伴ってともに上昇していると推測される。
上記推測に基づき、実施の形態1の<軟水化処理>の欄で説明した「微細気泡による金属イオンの吸着」の効果を実証することができた。
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2のイオン除去装置について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態2では、軟水化処理における微細気泡の気体として、空気ではなく窒素を用いる点が、実施の形態1と異なる。
微細気泡発生手段6から窒素の微細気泡を発生させて硬水中に供給することで、上述した「(1)金属イオンの吸着」、「(2)金属成分の結晶化」の作用に加えて、以下の(3)、(4)の欄に記載するような作用が促進されると推測される。なお、以下の(3)、(4)の欄に記載する特定の原理に拘束される訳ではない。
(3)金属イオンの吸着の促進
図10(a)に示すように、微細気泡の周囲には、HとOHが帯電している。前述したように、負の電荷に帯電したOHには、正の電荷に帯電したCa2+が吸着される。このような状況下で、微細気泡として窒素を用いた場合、以下の式3の反応が促進される。
(式3)
+6H+6e-→2NH
NH+HO→NH +OH
式3の反応が促進されることにより、図10(b)に示すように、OHイオンの数に対してHイオンの数が減少する。これにより、微細気泡としては負の電荷が強くなり、正の電荷をもつCa2+が吸着されやすくなる。
実施の形態2のように窒素を用いた場合では、実施の形態1のように空気を用いた場合と比較して、上記式3のイオン吸着反応を促進できるため、金属イオンの吸着がより促進される。これにより、硬水中からより多くの金属イオンを分離して除去することができる。
なお、上記原理は窒素に限らず、Hイオンと反応し、OHイオンの数に対してHイオンの数を減少させることができる気体であれば、同様に当てはまると推測される。
(4)金属成分の結晶化の促進
窒素は、空気とは異なる不活性ガスであるため、硬水中に供給されたときに、硬水中に含まれる気体の分圧のバランスが崩れた状態となる。これより、図11に示すような反応が促進される。
図11に示すように、窒素で構成される微細気泡に対して、硬水中に溶けた他の気体成分が置き換わろうと作用する。図11に示す例では、微細気泡の周囲に存在するCa(HCOにCOが含まれており、このCOが抽出されて窒素に置き換わろうと作用する。すなわち、以下の反応が促進される。
(式4)
Ca(HCO→CaCO+CO+H
このように、可溶性のCa(HCOから不溶性のCaCOが生じる反応が生じる。このとき、COとHOが生じる。CaCOは不溶性であるため、結晶として析出する。
上記反応により、硬水中にCa(HCOのCa2+として含まれていた金属成分を結晶化して析出させることができる。これにより、硬水中から金属イオンを除去することができる。
なお、上記原理は窒素に限らず、硬水中に溶けている気体の分圧のバランスを崩れさせる空気以外の気体であれば、同様に当てはまると推測される。
上述したように、実施の形態2では、窒素を取り込んで微細気泡を発生させて硬水中に供給することで、空気を用いた場合に比べて、「(3)金属イオン吸着の促進」、「(4)金属成分の結晶化の促進」の欄で説明した反応を促進することができる。これにより、硬水中から金属イオンを除去する精度を向上させることができる。
(実施の形態3)
本発明に係る実施の形態3のイオン除去装置による金属イオンの除去方法について説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態1、2と異なる点について説明し、実施の形態1、2と重複する記載は省略する。
実施の形態1、2では、微細気泡発生手段6が複数種類の中から選択した1つの気体をもとに微細気泡を発生させるのに対して、実施の形態3では、複数種類の気体を混合した混合ガスをもとに微細気泡を発生させる点が、実施の形態1、2と異なる。
実施の形態3では特に、微細気泡を発生させるための混合ガスとして、塩基性ガスである第1のガスと、第1のガスに比べて溶解速度が遅い性質のガスである第2のガスの2種類のガスを混合したものを用いる。すなわち、図4に示す微細気泡発生手段6に代わり、第1のガスと第2のガスを混合した混合ガスによる微細気泡を発生させる微細気泡発生手段(図示せず)を用いる。
第1のガスと第2のガスを含む混合ガスにより微細気泡を発生させることで、上述した「(1)金属イオンの吸着」、「(2)金属成分の結晶化」の作用に加えて、以下の(5)、(6)の欄に記載するような作用が促進されると推測される。なお、以下の(5)、(6)の欄に記載する特定の原理に拘束される訳ではない。
(5)第1のガスによる微細気泡表面の電位変化
混合ガスに含まれる第1のガスは、酸塩基反応でHを受け取る塩基性ガスである。第1のガスは水に溶けることで、OHを生じさせる。具体的には、以下の式5の反応を生じさせる。
(式5)
X+HO→XH+OH
式5では、第1のガスを化学式Xで表している。式5の反応が生じることで、図12に示すように、微細気泡40の周囲に存在するOHの割合が、Hの割合に比べて増加する(図12ではHの図示を省略している)。これにより、微細気泡40としては負の電荷が強くなり、正の電荷をもつCa2+が吸着されやすくなる。このようにして、微細気泡40による金属イオンの吸着効果を向上させることができる。
さらに実施の形態3では特に、第1のガスとして塩基性ガスのアンモニアを用いている。アンモニアを用いた場合、上述した式5は以下の式6に具体化される。
(式6)
NH+HO→NH +OH
水への溶解度が高く汎用的な気体であるアンモニアを用いて微細気泡40を発生させることで、上述した金属イオンの吸着効果を向上させながら微細気泡40の発生コストを低減することができる。
なお、上記原理はアンモニアに限らず、塩基性ガスであれば、同様に当てはまると推測される。このような塩基性ガスとしては例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、エタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N.N−ジメチルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピレンイミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンが挙げられる。
(6)第2のガスによる微細気泡の維持
上記「(5)第1のガスによる微細気泡表面の電位変化」の欄で説明したように、混合ガスに含まれる塩基性ガスである第1のガスは水に溶解して、微細気泡40表面におけるOHの割合を増加させる。このような第1のガスに対して、第1のガスに比べて溶解速度が遅い性質のガスである第2のガスを混合している。このような第2のガスを混合することで、第1のガスが水に溶けた状態でも微細気泡40全体が水に溶けることが防止され、微細気泡40の状態を維持することができる。微細気泡40の状態を維持することで、上述した実施の形態1、2で説明した微細気泡に由来するCa2+イオンの吸着効果を維持することができる。
実施の形態3では特に、第2のガスとして窒素を用いている。人体に無害で汎用的な気体である窒素を用いて微細気泡40を発生させることで、安全性を担保しながら微細気泡40の発生コストを低減することができる。また窒素は非水溶性ガスであるため、微細気泡40の状態を維持する効果をより効果的に発揮することができる。
上記原理は窒素に限らず、塩基性ガスである第1のガスに比べて溶解速度が遅い性質のガスであれば、同様に当てはまると推測される。なお、第2のガスを選択する際には、温度および圧力を含む条件が同一条件下で水への溶解速度(溶解度)が第1のガスよりも遅い(低い)ものを選択してもよい。このような第2のガスとしては例えば、溶解度が低い順に、窒素、水素、一酸化炭素、ブタン、酸素、メタン、プロパン、エタン、一酸化窒素、エチレン、プロペン、アセチレン、二酸化炭素が挙げられる。この中でも特に、一酸化窒素、酸素、水素などの非水溶性ガスを用いた場合、微細気泡40の状態を維持する効果をより効果的に発揮することができる。
なお、実施の形態2の「(3)金属イオンの吸着の促進」、「(4)金属成分の結晶化の促進」の欄では、図10、図11を用いて、窒素が硬水中に溶けていくことについて説明したが、この反応も同時に起こっているものと考えられる。窒素は非水溶性であるために水に溶けにくく、微細気泡40の状態を維持する作用を強く発揮するが、水に溶ける分も少なからず存在する。よって、「(3)金属イオンの吸着の促進」、「(4)金属成分の結晶化の促進」の欄で説明した窒素が水に溶ける現象も少なからず、「(6)第2のガスによる微細気泡の維持」の欄で説明した窒素が微細気泡を維持する現象と同時に起こるものと考えられる。
上述したように、本実施の形態3の微細気泡発生手段は、塩基性ガスである第1のガスと、第1のガスに比べて溶解速度が遅い性質の第2のガスを混合した混合ガスによる微細気泡40を発生させる。塩基性ガスである第1のガスは水に溶けて、水からHを受け取るものであるため、微細気泡40の表面におけるOHの割合を増加させる。これにより、Ca2+などの金属イオンを微細気泡40に吸着させる効果を増加させることができる。さらに第1のガスに比べて溶解速度が遅い性質の第2のガスを混合することで、微細気泡40が完全に水に溶けてしまうことを防止し、微細気泡40の状態を維持することができる。
このように塩基性ガスである第1のガスを先に水に溶かし、塩基性ガスに比べて溶解速度が遅い性質の第2のガスをマイナスに帯電させており、2つのガスの溶解速度の差を利用して上記効果を奏することができる。
微細気泡40におけるアンモニアと窒素の混合割合は任意の値に設定してもよいが、例えば、アンモニアに対する窒素の混合割合が大きくなるように設定してもよい(例えば、アンモニア:窒素の物質量(体積比)が1:99)。このような設定によれば、アンモニアの溶解によってOHが増加する領域が微細気泡40の表面近傍のみに留まり、微細気泡40から離れた位置ではOHの割合が変化しにくくなる。このようにして、微細気泡40の表面近傍のみを変化させながら、水全体の水質を変えないようにすることができる。一方で、窒素の割合を多くすることで、微細気泡40の状態をより長く維持することができる。このように、混合ガスにおいて、塩基性ガスである第1のガスの物質量よりも、塩基性ガスよりも溶解速度が遅い第2のガスの物質量を多く設定することで、上記効果を奏することができる。なお、同温、同圧の条件下では、物質量と体積は比例するものであるため、物質量と体積のいずれを用いて第1のガスと第2のガスの混合割合を設定してもよい。
あるいは、窒素に対するアンモニアの混合割合が大きくなるように設定してもよい。このような設定によれば、硬水中に含まれる金属成分をより結晶化して除去することができる。このような結晶化促進の原理については、後述する実施例2−4で説明する。
また実施の形態3の微細気泡発生手段は、アンモニアと窒素を別々に微細気泡化してそれらを混合せずに別々に硬水に供給する供給形態とは異なり、アンモニアと窒素を混合した混合ガスによる微細気泡40を硬水に供給するものである。このような供給方法によれば、アンモニアが微細気泡40から離れた位置で単体で溶解することが防止されるため、微細気泡40の表面近傍のみでOHを増加させるという機能を十分に発揮することができる。
次に、上述した第1のガスのアンモニアと第2のガスの窒素を混合した混合ガスによる微細気泡40の金属イオンの吸着効果、特に、金属イオンを最終的に結晶化させるまでの仮説原理について、図13の模式図を用いて説明する。
図13に示すように、微細気泡40を硬水中に供給すると、微細気泡40を構成するアンモニアと窒素のうち、水溶性のアンモニアが周囲の水に溶解していく(アンモニアガス溶解)。これにより、上記「(5)第1のガスによる微細気泡表面の電位変化」の欄で説明したように、微細気泡40の表面にNH が生じるとともに、OHの割合が増加する(表面濃縮)。このとき、Ca2+イオンの吸着効果が増大している。
表面濃縮がさらに進むと、微細気泡40の表面におけるOHの濃度が最大になる。すなわち、微細気泡40の表面におけるpHが最大となり、微細気泡40のゼータ電位が最大となる(局所pH大、ゼータ電位大)。
上述した「アンモニアガス溶解」、「表面濃縮」、「局所pH大、ゼータ電位大」の状態では、Ca2+は微細気泡40に吸着された状態にある。このとき、Ca2+を吸着した微細気泡40を硬水から分離すれば、硬水中から金属イオンを除去することができる。
上記分離を行わなかった場合あるいは分離を行ったものの微細気泡40として残ったものについて、微細気泡40の表面で吸着されていたCa2+の結晶化が始まる。具体的には、Ca2+が結晶化して結晶42として析出される。さらに結晶42の析出に伴って、微細気泡40の消滅が始まる(消滅)。
Ca2+の結晶化および微細気泡40の消滅が進むと、微細気泡40の状態を維持していた非水溶性の窒素が溶存ガスとして水の中に拡散していく(溶存ガス拡散)。
上述した「消滅」、「溶存ガス拡散」の状態では、硬水中に金属イオンとして含まれていたものが結晶42として析出している。このように析出した結晶42を硬水から分離することで、硬水中の金属イオンを結晶化して除去することができる。
(実施例2−4)
次に、実施の形態3の実施例2−4について説明する。
当該実施例2−4は、本発明者らが、前述した微細気泡40におけるアンモニアと窒素の混合割合による金属成分の結晶化への影響に関する実験を行ったものである。具体的には、図14に示す装置50を用いて実験を行った。
図14は、実施例2−4で用いる装置50の概略構成を示す図である。図14に示す装置50は、混合ガス供給部52と、処理槽54と、第1の配管56と、第2の配管58と、採水バルブ60と、採水器62と、貯水タンク64と、ポンプ66と、流量調整バルブ68と、流量計70とを備える。
混合ガス供給部52は、処理槽54に混合ガスを供給する部材である。混合ガス供給部52は、アンモニア供給源72と、窒素供給源74と、混合比調整バルブ76と、供給用配管78と、微細気泡供給部80とを備える。
混合ガス供給部52は、アンモニア供給源72と窒素供給源74を用いて、アンモニア(第1のガス)と窒素(第2のガス)を混合した混合ガスを生成する。アンモニアと窒素の混合割合は、混合比調整バルブ76によって任意の比率に設定可能である。混合ガスは供給用配管78を通じて、処理槽54の底部に設けられた微細気泡供給部80に供給される。微細気泡供給部80は混合ガスを微細気泡化する部材である。
処理槽54は、処理対象の処理水として硬水を収容する槽である。処理槽54の硬水中に混合ガスによる微細気泡を供給することにより、実施の形態3で説明した原理によって、硬水中から金属成分の除去、特に結晶化が行われる。処理後の処理水は第1の配管56に送られる。第1の配管56の途中には採水バルブ60が設けられている。採水バルブ60の開閉によって、第1の配管56内を通る処理水の採水が行われる。採水された処理水は採水器62に入れられる。
第1の配管56は貯水タンク64に接続されている。貯水タンク64は処理水を貯留するタンクである。貯水タンク64に貯留される処理水は、第2の配管58を通じて処理槽54に戻される。これにより処理水が循環する。
第2の配管58には、ポンプ66、流量調整バルブ68および流量計70が取り付けられている。ポンプ66は、貯水タンク64内の処理水を第2の配管58に流す推進力を発生させる部材である。流量調整バルブ68は、第2の配管58を通る処理水の流量を調整するバルブである。流量計70は、第2の配管58に流れる処理水の流量を測定する機器である。
このような装置50を用いて、ポンプ66を連続運転しながら処理槽54において硬水中の金属成分の除去処理を行うとともに、処理後の処理水を採水器62から採取して、各種パラメータを測定した。実施例2−4では特に、処理水に含まれていた金属成分が結晶化する割合(結晶化率)について調査した。
実施例2−4で実際に処理した処理水を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果の例を図15に示す。図15に示すように、処理水82の中に多数の結晶84が析出している。
実施例2、3では、処理対象の処理水として硬水1を用いた。硬水1はエビアン(登録商標)・硬度約300mg/Lである。実施例4では、硬水1、硬水2の2種類を用いた。硬水2はコントレックス(登録商標)・硬度約1400mg/Lである。
(実施例2)
実施例2は上述した装置50を用いて、ポンプ66を動作させて硬水を処理槽54に流入させながら、所定時間経過後の処理水を採水器62にてサンプル水として採取したものである。実施例2では、混合ガスにおけるアンモニアと窒素の混合割合を変化させて、それぞれの混合割合における結晶化率の違いについて調査した。実施例2の具体的な実験条件を以下に示す。実施例2では、処理槽54から第1の配管56に供給される処理水は、採水器62で採取されるもの以外は全て廃棄し、貯水タンク64には供給しないようにした。
(実験条件)
処理水の種類: 硬水1
混合ガスにおけるアンモニアの混合比率: 0%(窒素のみ)、30%、40%
、50%、60%、70%、80%
、90%、100%(アンモニアの
み)
処理水の流量: 2.6L/分
混合ガスの流量: 0.03L/分
ポンプを動作させてから採取するまでの時間: 3分
サンプル水の測定項目: pH、Ca硬度(mg/L)、全炭
酸濃度(mg/L)
サンプル水の測定項目については、採取したサンプル水をろ過することにより、サンプル水中に析出した金属成分の結晶を取り除いたもので測定を行った。Ca硬度は、単位体積当たりの処理水に含まれるCa2+の含有量を炭酸カルシウム(CaCO3)に換算した値である。pH、Ca硬度、全炭酸濃度の測定には、それぞれ市販の計測器を用いた。
実施例2による実験結果を図16A、図16Bに示す。
図16Aは、横軸に混合ガスにおけるアンモニアの混合比率(%)を表し、縦軸にサンプル水の結晶化率(%)を表す。図16Bは、横軸にサンプル水のpHを表し、縦軸にサンプル水の結晶化率(%)を表す。
「結晶化率」は、(運転前の処理水のCa硬度−運転後のサンプル水のCa硬度)/運転前の処理水のCa硬度、により計算した。このように計算される結晶化率は、単位体積当たりの処理水においてどれだけの金属成分が結晶化したかを表す。結晶化率が高いほど、処理水からより多くの金属成分が結晶化したことを示す。
図16A、16Bに示すように、アンモニアの混合比率が高くなるほど、結晶化率が上昇している。特にアンモニアの混合比率が70%以上になると、結晶化率が飛躍的に上昇している。
図16A、16Bに示すように、アンモニアの混合比率が高くなるほど、pHも上昇していることがわかる。ただしpHは上昇しているが、最大でも8.5〜9の間の値である。厚生労働省が定めている上水のpH基準は5.8〜8.6の範囲であり、アンモニアの混合比率が高い場合でもその範囲に近い値で推移していることがわかる。また薬機等法で規定されているアルカリイオン水の望ましい飲用範囲はpH9〜10である。この範囲よりもpHの値を低く抑えることができているため、飲用水としても適していることがわかる。
アンモニアの混合比率が高い場合でもpHの上昇が過度に大きくならない要因としては、前述の図13を用いて説明したように、処理水全体のpHを上昇させるのではなく、微細気泡40周辺の局所pHを主に上昇させている点にあると考えられる。
(実施例3)
実施例3は実施例2と同様に、上述した装置50を用いて、ポンプ66を動作させて硬水を処理槽54に流入させながら、所定時間経過後の処理水を採水器62にてサンプル水として採取したものである。実施例3では、混合ガスにおけるアンモニアの混合比率を70%と100%の2パターンのみ用いた。また実施例2とは異なり、ポンプ66の運転から所定間隔ごとにサンプル水を採取して各種パラメータを測定した。さらに実施例2とは異なり、処理槽54から第1の配管56に供給される処理水は、採水器62で採取されるもの以外は全て貯水タンク64に戻して処理水を循環させた。実施例3の具体的な実験条件を以下に示す。
(実験条件)
処理水の種類: 硬水1
混合ガスにおけるアンモニアの混合比率: 70%、100%(アンモニアのみ

処理水の流量: 2.6L/分
混合ガスの流量: 0.03L/分
サンプル水の測定項目: pH、Ca硬度(mg/L)、全炭
酸濃度(mg/L)
実施例3による実験結果を図17A、図17B、図17Cに示す。
図17Aは、横軸にポンプ66の運転時間(分)を表し、縦軸にサンプル水の結晶化率(%)を表す。図17Bは、横軸にポンプ66の運転時間(分)を表し、縦軸にサンプル水のCa硬度(mg/L)を表す。図17Cは、横軸にポンプ66の運転時間(分)を表し、縦軸にサンプル水のpHを表す。
図17Aに示すように、アンモニアの混合比率が70%、100%のいずれの場合でも、運転時間が経過するにつれて結晶化率が上昇している。また図17Bに示すように、運転時間が経過するにつれてCa硬度は低下している。これより、混合ガスによる微細気泡の投入によって、硬水中に溶けていた金属成分のCa2+がCaCOとして結晶化していることが分かる。
一方で、アンモニアの混合比率が70%の場合よりも100%の場合の方が、結晶化率の上昇速度およびCa硬度の低下速度は早くなっている。これより、Ca2+をCaCOに結晶化させることに関してアンモニアが大きく寄与していることが分かる。
図17Cに示すように、運転時間が経過するにつれて、アンモニアの混合比率が70%、100%のいずれの場合でもpHがゆるやかに上昇している。アンモニアの混合比率が70%の場合と100%の場合とではpHの値にそれほど大きな違いは見られない。また運転時間が50分を経過したときでも、pHは9〜10の間であり、過度には上昇していない。このようにpHの上昇速度がそれほど早くならない要因としては、前述の図13を用いて説明したように、処理水全体のpHを上昇させるのではなく、微細気泡40周辺の局所pHを主に上昇させている点にあると考えられる。
(実施例4)
実施例4は実施例2、3と同様に、上述した装置50を用いて、ポンプ66を動作させて硬水を処理槽54に流入させながら、所定時間経過後の処理水を採水器62にてサンプル水として採取したものである。実施例3と同様に、ポンプ66の運転から所定間隔ごとにサンプル水を採取して各種パラメータを測定した。また実施例3と同様に、処理槽54から第1の配管56に供給される処理水は、採水器62で採取されるもの以外は全て貯水タンク64に戻して処理水を循環させるようにした。一方で、実施例4では、混合ガスにおけるアンモニアの混合比率を70%の1パターンのみ用いた。また実施例2、3とは異なり、処理水として、硬水1(硬度約300mg/L)、硬水2(硬度約1400mg/L)の2種類の硬水を用いた。実施例4の具体的な実験条件を以下に示す。
(実験条件)
処理水の種類: 硬水1、硬水2
混合ガスにおけるアンモニアの混合比率: 70%
処理水の流量: 2.6L/分
混合ガスの流量: 0.03L/分
サンプル水の測定項目: pH、Ca硬度(mg/L)、全炭
酸濃度(mg/L)
実施例4による実験結果を図18A、図18B、図18C、図18Dに示す。
図18Aは、横軸にポンプ66の運転時間(分)を表し、縦軸にサンプル水の結晶化率(%)を表す。図18Bは、横軸にポンプ66の運転時間(分)を表し、縦軸にサンプル水のCa硬度(mg/L)を表す。図18Cは、横軸にポンプ66の運転時間(分)を表し、縦軸にサンプル水のpHを表す。図18Dは、図18Bのグラフで、縦軸に全炭酸濃度(mg/L)を追加したものである。
図18A、図18Bに示すように、硬水1、硬水2ともに、運転時間が経過するにつれて結晶化率が上昇するとともに、Ca硬度が低下している。これより、混合ガスによる微細気泡の投入によって、硬水中に溶けていた金属成分のCa2+がCaCOとして結晶化していることが分かる。
また図18A、図18Cに示すように、硬水1と硬水2では、結晶化率の上昇速度およびpHの上昇速度が大きく異なっていることがわかる。具体的には、硬水1の方が硬水2よりも、結晶化率の上昇速度およびpHの上昇速度が速いことがわかる。この点に関して本願発明者らは「全炭酸濃度」に着目し、図18Dに示すデータをもとに考察した。
図18Dに示すように、硬水1の全炭酸濃度に関して、運転時間が50分のときの値は150〜200mg/Lである。すなわち、硬水1にはHCO およびCO 2−が多く含まれている。なお運転時間が50分のときの硬水1の結晶化率は、図18Aに示すように70〜80%に到達している。これに対して、硬水2の全炭酸濃度については、運転時間が70分のときの値は約20mg/Lとなっている。硬水1と比較すると、硬水2ではHCO およびCO 2−の含有量が大幅に少ないことがわかる。なお運転時間が70分のときの硬水2の結晶化率は、図18Aに示すデータによれば約40%と見込まれる。
HCO およびCO 2−は、実施の形態1−3の原理で説明したようにCa2+をCaCOとして結晶化するための成分として機能する。このようなHCO およびCO 2−を多く含むため、硬水1の方が硬水2よりも結晶化率の上昇速度が早いものと考えられる。
硬水1、2に含まれる金属成分の含有量および全炭酸濃度に関して次の表1に示す。
Figure 2020028872
表1に示すように、硬水1であるエビアン(登録商標)に含まれる単位体積当たりのCa、Mg、CO 2−の含有量はそれぞれ80mg/L、26mg/L、357mg/Lである。硬水2であるコントレックス(登録商標)に含まれる単位体積当たりのCa、Mg、CO 2−の含有量はそれぞれ468mg/L、74.8mg/L、372mg/Lである。このように硬水1、硬水2に含まれる単位体積当たりのCO 2−の含有量は357mg/Lと372mg/Lでほぼ同じである。これに対して、硬水中に含まれるCaおよびMgの含有量に対するCaおよびMgの溶解に必要なCO 2−の量は、硬水1で約184mg/L、硬水2で約887mg/Lである。すなわち、硬水1では、CaおよびMgの溶解に必要なCO 2−の量に対して、実際に含まれるCO 2−の量が約173mg/L余っている。これは、微細気泡による混合ガスを投入したときに、Ca2+を結晶化させるためのCO 2−が豊富に存在していることを意味する。これに対して、硬水2では、CaおよびMgの溶解に必要なCO 2−の量に対して、実際に含まれるCO 2−の量が約515mg/L不足している。これは、微細気泡による混合ガスを投入したときに、Ca2+を結晶化させるためのCO 2−が少なく、結晶化が促進されないと考えられる。
上記結果より、処理される硬水にHCO およびCO 2−などの炭酸が豊富に含まれていれば、結晶化の上昇速度を向上できると考えられる。これに基づいて硬水の全炭酸量を増加させるために、微細気泡を投入する前に硬水中に炭酸ガスを投入するようにしてもよい。具体的には、炭酸ガスを発生させる炭酸ガス発生手段をさらに備えてもよい。そして、微細気泡発生手段が発生させた微細気泡を硬水に供給する前に、炭酸ガス発生手段により炭酸ガスを発生させて硬水中に供給してもよい。これにより、硬水中の金属成分の結晶化を促進することができると考えられる。
上述したように、本実施の形態3の実施例2−4によれば、混合ガスにおける窒素の物質量よりもアンモニアの物質量が多くなるように設定することで、金属成分の結晶化を促進することができる。さらに、混合ガスにおけるアンモニアの混合比率を70%以上に設定することで、金属成分の結晶化を大幅に促進することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。例えば、上記実施の形態1、2では、微細気泡発生装置2が図4に示す構成を備える場合について説明したが、このような場合に限らない。微細気泡を発生させる微細気泡発生手段6を備え、発生させた微細気泡を硬水中に供給可能な構成であれば、任意の構成を採用してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、処理槽8において、微細気泡の表面に付着した金属イオンを結晶化させて析出した金属成分を遠心分離により分離する場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、金属イオンを微細気泡に吸着させた状態で、処理槽8の上方へと浮上した微細気泡を排出することで、金属イオンの状態で硬水中から除去してもよい。あるいは、金属イオンを微細気泡に吸着させた状態で遠心分離を行うことにより、比重の小さい気泡を中央側に集め、それを回収することで、金属イオンの状態で硬水中から除去してもよい。このように、金属イオンを吸着した微細気泡を硬水から排出することにより、硬水中から金属イオンを除去する方法であっても、硬水中の硬度を減少させて軟水を製造することができる。金属イオンを結晶として析出させて分離する場合に比べて、金属イオンを短時間で硬水中から除去することができる。
また、上記実施の形態1、2では、イオン除去装置2が硬水を軟水化させる軟水化装置である場合について説明したが、このような場合に限らない。硬水中の金属イオンの数を減少させて、硬水の硬度を低下させることができれば、必ずしも軟水化まで行う必要はない。
また、上記実施の形態1、2では、イオン除去装置2が分離手段10を備える場合について説明したが、このような場合に限らず、分離手段10を備えない場合であってもよい。また分離手段10が、硬水供給配管4の端部4aおよび吸着板11で構成される場合について説明したが、このような場合に限らず、硬水中から金属イオンおよび金属成分を分離するものであれば、任意の構成を採用してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、硬水供給配管4の端部4aが処理槽8の中心軸から偏心した方向に吐水することで、処置槽8に吐水される液体において旋回流を形成する場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、処理槽8の下方に、モータで駆動する回転バネを設け、回転バネを回転させることにより処理槽8内に旋回流を強制的に生じさせる等、任意の旋回流発生手段を採用してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、軟水化処理において空気又は窒素を用いて微細気泡を発生させる場合について説明したが、このような場合に限らず、空気、窒素以外の気体を用いて微細気泡を発生させてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、再生処理において二酸化炭素を用いて微細気泡を発生させる場合について説明したが、このような場合に限らず、二酸化炭素以外の気体を用いて微細気泡を発生させてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、硬水中に微細気泡のみを供給する場合について説明したが、このような場合に限らず、微細気泡に加えて別の気体をさらに添加してもよい。別の気体は微細気泡として供給してもよく、あるいは微細気泡でない通常の気泡として供給してもよい。
また、上記実施の形態3では、塩基性ガスである第1のガスと、第1のガスに比べて溶解速度が遅い性質の第2のガスの2種類のガスを混合した微細気泡を用いる場合について説明したが、これら2種類のガスに加えて別のガスを混合してもよい。すなわち、第1のガスと第2のガスを含む2種類以上のガスを混合した混合ガスによる微細気泡を用いてもよい。
なお、上記様々な実施の形態および変形例のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
本発明に係るイオン交換樹脂再生装置によれば、再生時の排水から金属イオンを含む硬水成分を除去でき、排水から塩水を再生でき、あるいは、そのまま排出できる。そこで、イオン交換樹脂を効率的に再生できる。
1 硬水成分結晶化手段
2 イオン除去装置
3 塩水
3a 再生塩水
4 硬水供給配管
4a 端部
5 塩水タンク
5a 再生塩水タンク
6 微細気泡発生手段
8 処理槽
9 排水(塩水+カルシウムイオン)
10 分離手段
11 吸着板
12 軟水取出配管
14 分離水排出配管
15 塩水通水手段
16 薬剤投入手段
17 イオン交換樹脂
18 イオン交換樹脂収納容器
19 制御弁
20 装置
21 硬水
22 水槽
22a 底面
22b 水面
23 微細気泡
24 ガス供給部
25 第1配管
26 微細気泡発生部
27 第2配管
28 ポンプ
30 第1取水部
32 第2取水部
34 金属イオン濃度検出器
36 イオン交換樹脂再生システム
40 微細気泡
42 結晶
D1 第1取水部から第2取水部までの距離
50 装置
52 混合ガス供給部
54 処理槽
56 第1の配管
58 第2の配管
60 採水バルブ
62 採水器
64 貯水タンク
66 ポンプ
68 流量調整バルブ
70 流量計
72 アンモニア供給源
74 窒素供給源
76 混合比調整バルブ
78 供給用配管
80 微細気泡供給部
82 処理水
84 結晶
85 硬水
86 軟水
87 カルシウムイオン
88 ナトリウムイオン

Claims (4)

  1. イオン交換樹脂を収納する容器の中に塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水する塩水通水手段と、
    塩化ナトリウム水溶液又は塩化カリウム水溶液を通水後の前記イオン交換樹脂からの排水から金属イオンを含む硬水成分を結晶化して除去する硬水成分結晶化手段と、
    を備えた、イオン交換樹脂再生システム。
  2. 前記硬水成分結晶化手段は、
    微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記排水中に供給することで、前記排水中の金属イオンを微細気泡に吸着させる、イオン除去装置を含む、請求項1に記載のイオン交換樹脂再生システム。
  3. 前記硬水成分結晶化手段は、
    前記硬水成分に含まれる金属イオンと難溶性の塩を生成する陰イオンを生成する薬剤を前記排水に投入する薬剤投入手段を含む、請求項1に記載のイオン交換樹脂再生システム。
  4. 結晶化して析出した硬水成分の結晶を分離する分離手段をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のイオン交換樹脂再生システム。
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