JP2020028816A - メタン発酵排水の処理方法および処理設備 - Google Patents

メタン発酵排水の処理方法および処理設備 Download PDF

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Abstract

【課題】低ランニングコストでカルシウムやマグネシウムなどのスケール原因物質が析出することを抑制して、膜の薬液洗浄頻度を低減できるメタン発酵排水の処理方法および処理設備を提供する。【解決手段】アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水を脱水して脱水分離液を分離する脱水工程20と、脱水分離液を活性汚泥で生物処理する生物処理工程30を備え、生物処理工程30は、脱窒素槽31で槽内液を脱窒処理する脱窒工程と、硝化槽32で槽内液を硝化処理する硝化工程と、膜分離槽33で槽内液を膜分離処理して膜透過液を処理水として排出する膜分離工程を順次に行い、膜分離槽33の槽内液を脱窒素槽31および硝化槽32へ送液する。【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水の処理方法および処理設備に関する。
パーム油製造工程排水(Palm Oil Mill Effluent 以下においてはPOMEと呼称する)は、高濃度の有機物を含有しており、CODcrが約50,000〜80,000mg/Lである。窒素(N)が1,000mg/L程度、リン(P)が200mg/L程度であり、スケールの原因となるアルカリ土類金属であるカルシウム(Ca)が500mg/L程度、マグネシウム(Mg)が700mg/L程度である。さらに、アルカリ金属であるカリウム(K)が2,000〜3,000mg/L、ナトリウム(Na)が50mg/L程度である。
このPOMEをメタン発酵すると、POME中のCODcrの約80%がバイオガスに転換する。バイオガスには、容積比でメタン60%程度、二酸化炭素40%程度が含まれている。また、メタン発酵液は、アルカリ金属とアルカリ土類金属を高濃度に含み、pHも7〜8と高いことで、二酸化炭素を溶解し易い状態にある。このため、メタン発酵に伴い生成する二酸化炭素の一部はメタン発酵中に溶解し、主として重炭酸イオン(HCO )の形態で存在する。したがって、POMEをメタン発酵した後のメタン発酵排水(以下においてはPOMEメタン発酵排水と呼称する)は、重炭酸イオン、アルカリ土類金属、アルカリ金属などを高濃度に含んでいる。このため、アルカリ度が4,000〜5,000mg/Lと非常に高くなる。
従来のPOMEメタン発酵排水の処理方法としては、図11に示すものがある。ここでは、メタン発酵排水を脱水工程1で脱水し、脱水分離液を生物処理槽2において活性汚泥法により生物処理し、活性汚泥を膜分離槽3で膜分離処理して処理水を得ている。
また、特許文献1には、有機性排水の処理設備が記載されている。これは、カルシウムを含有する有機性排水を生物処理設備及び膜分離装置で処理するもので、排水を膜分離装置の上流側で脱炭酸処理設備により脱炭酸処理して排水中の炭酸イオン濃度を低減することで、排水中にカルシウムが含有されている場合にも炭酸カルシウムスラッジの生成量を低減するものである。
特開2002−292399
しかし、アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水、例えば、POMEメタン発酵排水を、図11に示す方法で処理すると、膜分離槽3において、カルシウムやマグネシウムの化合物である炭酸塩、リン酸塩、水酸化物などが析出して膜を閉塞させるので、頻繁に膜を薬液洗浄しなければならないという問題が生じる。炭酸塩は、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)等々であり、リン酸塩は、リン酸カルシウム(Ca(PO)、リン酸マグネシウム(Mg(PO)等々であり、水酸化物は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)である。
図7は、POMEメタン発酵排水から脱水分離した脱水分離液を活性汚泥中で生物処理し、活性汚泥を膜分離処理して得られた処理水のカルシウムイオン濃度の分析例を示すものである。ここで、処理水はそのものはpHが8.36であり、pHを低くするために塩酸を使用している。これによると、pHが約5.5以上の範囲では、pHが高くなるほど処理水中に溶存するカルシウムイオン濃度が低くなることが分かる。これは、処理水に含まれる重炭酸イオンの緩衝作用によるもので、不溶性のカルシウム化合物、例えば炭酸カルシウムの濃度が高くなることに因る。このような傾向は、アルカリ金属としてカルシウムと同じ性質を有するマグネシウムについても同様である。
図8は、POMEメタン発酵排水を、上部が開放状態にある1Lの広口容器に静置したときのpHの経日変化の測定例を示すものである。これによると、pHは時間経過とともに上昇していくことがわかる。これは、前述の通りPOMEメタン発酵排水はアルカリ度が非常に高く、二酸化炭素が重炭酸イオンとして液中に高濃度で存在しているために、液中から炭酸ガスが脱気し易い状態にあり、大気と接する水面から液中の炭酸ガスが経時的に脱気していくことによる。図8においては、pHの上昇速度が、最初の5日間が大きく、その後緩やかになり、10〜15日経過するとほとんど上昇しなくなることがわかる。
特許文献1は、この膜の閉塞を防止するものである。すなわち、脱炭酸処理設備の脱炭酸槽にpH調整剤を添加し、pHを4〜5の低pHに調整することで、液中における炭酸の化学平衡状態を、炭酸イオンよりも炭酸ガスが存在し易い状態に変化させて、曝気による炭酸ガスの脱気を促進するものである。
しかし、pH調整剤を添加する方法は、POMEメタン発酵排水のようなアルカリ度が非常に高い排水に適用する場合にpH調整剤の添加量が膨大となり、経済的に成立し難いものである。
本発明は上記課題を解決するものであり、低ランニングコストでカルシウムやマグネシウムなどのスケール原因物質が析出することを抑制して、膜の薬液洗浄頻度を低減できるメタン発酵排水の処理方法および処理設備を提供すること目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のメタン発酵排水の処理方法は、アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水を脱水して脱水分離液を分離する脱水工程と、脱水分離液を活性汚泥で生物処理する生物処理工程を備え、生物処理工程は、脱窒素槽内で槽内液を脱窒処理する脱窒工程と、硝化槽内で槽内液を硝化処理する硝化工程と、膜分離槽内で槽内液を膜分離処理して膜透過液を処理水として排出する膜分離工程を順次に行い、膜分離槽内の槽内液を脱窒素槽および硝化槽へ送液することを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理方法において、脱水工程の前工程としてメタン発酵排水中に溶解する炭酸ガスを脱気する脱炭酸工程を備え、脱炭酸工程においてメタン発酵排水を開放空間下に静置することを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理方法において、脱炭酸工程は、メタン発酵排水を開放空間下に静置する工程の前工程もしくは後工程として、メタン発酵排水を曝気処理することを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理方法において、メタン発酵排水は、パーム油製造工程排水をメタン発酵させるメタン発酵工程において排出される排水であることを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理方法において、脱水分離液の原水流入量を単位量Qとして脱窒素槽から硝化槽へ単位量QのX倍の槽内液XQを送液し、膜分離槽から脱窒素槽へ単位量Qの(X−1)倍の槽内液(X−1)Qを返送し、脱窒素槽から硝化槽へ送液する槽内液XQのY倍(Yは1以上)の槽内液(XQY)を膜分離槽から硝化槽へ送液し、膜分離槽から単位量Qの膜ろ過液を取出すことを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理設備は、アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水を脱水して脱水分離液を分離する脱水装置と、脱水分離液を活性汚泥で生物処理する生物処理装置を備え、生物処理装置が、槽内液を脱窒処理する脱窒素槽と、槽内液を硝化処理する硝化槽と、槽内液を膜分離処理して膜透過液を処理水として排出する膜分離槽と、膜分離槽内の槽内液を脱窒素槽へ送液する第1汚泥返送路および膜分離槽内の槽内液を硝化槽へ送液する第2汚泥返送路を有することを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理設備において、メタン発酵排水を静置してメタン発酵排水中に溶解する炭酸ガスを脱気する上部が開放された容器を備え、前記容器を経たメタン発酵排水を脱水装置に供給することを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理設備において、前記容器を経たメタン発酵排水を曝気する曝気槽を有し、曝気槽を経たメタン発酵排水を脱水装置に供給することを特徴とする。
本発明のメタン発酵排水の処理設備において、メタン発酵排水を曝気する曝気槽を有し、曝気槽を経たメタン発酵排水を前記容器に供給することを特徴とする。
以上の本発明において、炭酸(HCO)の化学平衡状態は酸性において炭酸ガス(CO)の存在比が高いものとなって二酸化炭素を放出し易くなり、アルカリ性において炭酸イオン(CO )の存在比が高いものとなって、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)等々の炭酸塩が析出し易くなる。
アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水、例えばPOMEメタン発酵排水は、重炭酸イオン(HCO )濃度が高いものである。炭酸の化学平衡状態において、重炭酸イオンは、酸性溶液中において炭酸を経て炭酸ガスになり、アルカリ性において炭酸イオンとなる。
生物処理工程では、メタン発酵排水の脱水分離液を脱窒素槽と硝化槽とで硝化脱窒処理し、更に膜分離槽で膜分離処理する。硝化槽では硝酸を生成してpHが低下し、炭酸カルシウム等の炭酸塩の析出が抑えられる。膜分離槽では、膜洗浄のために曝気する空気がキャリアガスとして作用して、キャリアガス中に二酸化炭素が放出される。膜分離槽内の炭酸ガスの減少にともなって脱炭酸が進行し、膜分離槽内のpHが上昇してアルカリ性となり、不溶性の炭酸カルシウム等の炭酸塩が膜面上に析出し、膜を閉塞する事態が懸念される。
このため、膜分離槽の槽内液を硝化槽へ送液することで、硝化槽と膜分離槽とにおけるpHの均一化を図り、膜分離槽おけるpHの上昇を抑制し、膜の膜面上に炭酸カルシウム等の炭酸塩が析出することを抑制し、膜の閉塞を防止する。
本発明の実施の形態におけるメタン発酵排水の処理設備を示す模式図 本発明の他の実施の形態におけるメタン発酵排水の処理設備を示す模式図 本発明の他の実施の形態におけるメタン発酵排水の処理設備を示す模式図 本発明の他の実施の形態におけるメタン発酵排水の処理設備を示す模式図 本発明の実施の形態における各工程間の流量を示す模式図 同実施の形態おける膜分離槽から硝化槽への返送量の倍率と硝化槽内のpHの関係を示すグラフ図 POMEメタン発酵排水を生物処理した処理水のpHとカルシウムイオン濃度の関係を示すグラフ図 POMEメタン発酵排水を静置した場合のpHの経日変化を示すグラフ図 POMEメタン発酵排水を曝気した場合のpHの経時変化を示すグラフ図 貯溜池の構造を示す(a)断面図および(b)平面図 従来の処理設備を示す模式図
以下、本発明の実施の形態に係るメタン発酵排水の処理方法を図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は、アルカリ金属とアルカリ同類金属を含有するメタン発酵排水10に好適な処理設備の一例を示すものである。ここでは、メタン発酵排水10としてPOMEメタン発酵排水を処理する場合について説明するが、本発明の対象はPOMEメタン発酵排水に限るものではない。
脱水工程20は、メタン発酵排水10に含まれる有機固形物および無機固形物を分離して脱水するもので、遠心脱水機、スクリュープレス、多重円盤スクリュープレス、多重円盤型脱水機、フィルタープレス等などの脱水装置からなり、メタン発酵排水を供給する供給ポンプ、メタン発酵排水にポリマーや無機凝集剤などの調質剤を注入して混合する調質装置なども含まれる。
生物処理工程30は、脱水工程20から排出される脱水分離液に含まれる有機物を活性汚泥により生物処理し、更に活性汚泥を膜分離処理するものであり、ここでは硝化脱窒処理を行うための脱窒素槽31と硝化槽32と膜分離処理を行うための膜分離槽33を備えている。
脱窒素槽31は、脱窒菌の代謝作用によって脱水分離液に含まれるBOD成分を除去し、かつ硝化槽32から第1汚泥返送路41を通して返送される硝酸塩を窒素ガスに還元して除去するものである。ここで、脱窒槽31は、撹拌ポンプ、機械式撹拌機等々の撹拌装置を備えている。
硝化槽32は、亜硝酸菌および硝酸菌の代謝作用によって、脱窒素槽31から流入する槽内液に含まれるアンモニア態窒素を亜硝酸から硝酸にまで酸化するものである。ここで、硝化槽32は、曝気用のブロワ、散気管等々の曝気装置を備える。また、硝化は発熱反応であるので、水温の上昇を抑えるために、硝化槽32に冷却装置を備えることが望ましい。
膜分離槽33は、硝化槽32から流入する硝酸を含む活性汚泥を平膜や中空糸膜などからなる浸漬型の膜分離装置で膜分離し、膜透過液を処理水50として取出すものである。膜分離槽33は膜分離装置に膜面洗浄用の空気を供給するブロワを備える。また、膜分離槽33は、膜分離槽33から脱窒素槽31へ硝酸塩を含む活性汚泥を第1返送汚泥ポンプによって返送する第1汚泥返送路41と、膜分離槽33から硝化槽32へ硝酸塩を含む活性汚泥を第2返送汚泥ポンプによって返送する第2汚泥返送路42を備えている。
以下、上記した構成の作用を説明する。炭酸(HCO)の化学平衡状態は酸性において炭酸ガス(CO)の存在比が高いものとなって二酸化炭素を放出し易くなり、アルカリ性において炭酸イオン(CO )の存在比が高いものとなって、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)等々の炭酸塩が析出し易くなる。
アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水、ここではPOMEメタン発酵排水は、重炭酸イオン(HCO )濃度が高いものである。炭酸の化学平衡状態において、重炭酸イオンは、酸性溶液中において炭酸を経て炭酸ガスになり、アルカリ性において炭酸イオンとなる。
脱水工程20では、メタン発酵排水10に含まれる有機固形物および無機固形物を分離して脱水する。
生物処理工程30では、メタン発酵排水10の脱水分離液を脱窒素槽31と硝化槽32とで硝化脱窒処理する過程で、硝化槽32において硝酸を生成してpHが低下し、炭酸カルシウム等の炭酸塩の析出が抑えられる。
一方、膜分離槽33では、膜洗浄のために曝気する空気がキャリアガスとして作用して、キャリアガス中に二酸化炭素が放出される。膜分離槽内の炭酸ガスの減少にともなって脱炭酸が進行し、膜分離槽33の槽内のpHが上昇してアルカリ性となり、炭酸カルシウム等の炭酸塩が析出し易い環境となる。
しかし、第2汚泥返送路42を通して膜分離槽33の槽内液である活性汚泥を硝化槽32へ送液することで、硝化槽32と膜分離槽33とにおけるpHの均一化を図り、膜分離槽33おけるpHの上昇を抑制できる。
この結果、膜分離槽33において不溶性の炭酸カルシウム等の炭酸塩が膜の膜面上に析出することを抑制でき、膜の閉塞を防止できる。
以下に、各工程間の送液量について説明する。図5は、脱水分離液の原水流入量を単位量Qとすると、第1汚泥返送経路41を通して膜分離槽33から脱窒素槽31へ単位量Qの6倍の槽内液6Qを返送する場合、つまり6Q/(1Q+6Q)として脱窒素率を85%に設定する場合である。
この場合、脱窒素槽31から硝化槽32へ単位量Qの7倍の槽内液7Qを送液し、第2汚泥返送路42を通して膜分離槽33から硝化槽32へ単位量Qの7〜21倍の範囲で槽内液7Q〜21Qを返送し、膜分離槽33から単位量Qの膜ろ過液を取出す。
図6は、膜分離槽33から硝化槽32への返送量の返送倍率と硝化槽32の槽内のpHとの関係を示すものであり、脱窒素槽31から硝化槽32への送液量に対する膜分離槽33から硝化槽32への送液量の返送倍率を横軸に示し、縦軸に硝化槽32の槽内のpHを示している。
ここでは、返送倍率が1倍以上、好ましくは2倍以上の範囲、すなわち、膜分離槽33から硝化槽32への送液量が単位量Qの7倍の7Q以上、好ましくは14倍の14Q以上の範囲において硝化槽32の槽内のpHが膜分離槽33の槽内のpHとほぼ同じとなる。つまり、第2汚泥返送経路42を通して行う膜分離槽33から硝化槽32へ供給する送液量を、脱窒素槽31から硝化槽32へ供給する送液量に対して1倍以上、好ましくは2倍以上とすることで、硝化槽32と膜分離槽33の槽内のpHがほぼ均一化される。
(実施例2)
図2は本発明の他の実施の形態を示すものである。図2において、図1に示した実施例1と同様の構成については同一番号を付してその説明を省略する。
ここでは、脱水工程20の前工程としてメタン発酵排水10に溶解する炭酸ガスを脱気する脱炭酸工程60を備えている。この脱炭酸工程60はメタン発酵排水10を静置する静置工程61からなる。
この静置工程61は、メタン発酵排水10を一定日数にわたって貯溜するものであり、上部が開放された容器であればよく、例えば素掘りの貯溜池、コンクリート製または鋼板製タンクなどを使用できる。貯溜する容量は、静置に因る脱炭酸を効率よく行うことができる容量が必要である。この容量は、先に図8で説明したように、日流入水量の5〜20日分程度であり、より望ましくは10〜15日分である。なお、後段の生物処理工程30で発生する余剰汚泥を導入する場合は、容器の容量を算定する基準となる日流入水量には余剰汚泥の導入量を加えたものとする。水面の面積が大きい方が大気と水面との接触面積が大きくなり、脱炭酸効果が上がるので、使用する貯溜池またはタンクは水深2〜4mの浅いものが望ましい。
この構成により、メタン発酵排水10は、脱水処理工程20に先立て静置工程61に流入する。前述したように、アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水、ここではPOMEメタン発酵排水は、アルカリ度が非常に高く、二酸化炭素が重炭酸イオン(HCO )として液中に高濃度に存在しており、液中から炭酸ガスが脱気しやすい状態にある。
このため、静置工程61において一定日数貯溜することで、液中に溶存する炭酸ガスが大気と接する水面から放出されて、メタン発酵排水10に含まれた炭酸ガスの脱気が進行し、図8に示すように、pHが上昇する。このpHの上昇によって、図7に示すように、メタン発酵排水10の液中に溶存するカルシムやマグネシウムの不溶化が進む。
そして、脱水工程20では、静置工程61で不溶化したカルシムやマグネシウムの化合物が、もともとメタン発酵排水中に含まれていた無機固形物および有機性固形物とともに、脱水ケーキとしてメタン発酵排水中から除去される。その結果、脱水工程20から生物処理工程30に送られるメタン発酵排水の脱水分離液中のカルシウムやマグネシウムのイオン濃度が低下する。結果として膜分離槽33の膜がカルシムやマグネシウムの化合物で閉塞することを、実施例1よりもさらに抑制できる。
(実施例3)
図3は本発明の他の実施の形態を示すものである。図3において、図1、図2に示した実施例1、2と同様の構成については同一番号を付してその説明を省略する。
ここでは、脱水工程20の前工程としてメタン発酵排水10に溶解する炭酸ガスを脱気する脱炭酸工程60を備え、脱炭酸工程60において静置工程61の後工程としてメタン発酵排水を曝気する曝気工程62を有している。曝気工程62は、曝気槽からなり、曝気槽内に配置した散気管および散気管に空気を送るブロワを備えている。
この構成において、静置工程61における作用は実施例2と同様であり、その説明を省略する。曝気工程62では、静置工程61から曝気槽に流入するメタン発酵排水を曝気する。曝気した空気がキャリアガスとして作用して、キャリアガス中に二酸化炭素が放出される。膜分離槽内の炭酸ガスの減少にともなって脱炭酸が進行し、曝気槽の槽内のpHが上昇する。
図9は曝気によるメタン発酵排水のpHの経時変化を示すものである。図9に示すように、6時間前後の曝気によってメタン発酵排水のpHが8.8を超える。
このため、曝気槽においてメタン発酵排水中のカルシウムやマグネシウムが不溶性の炭酸カルシウム等の炭酸塩として析出する。
脱水工程20では、静置工程61および曝気工程62で不溶化したカルシムやマグネシウムの化合物が、もともとメタン発酵排水中に含まれていた無機固形物および有機性固形物とともに、脱水ケーキとしてメタン発酵排水中から除去される。その結果、脱水工程20から生物処理工程30に送られるメタン発酵排水の脱水分離液中のカルシウムやマグネシウムのイオン濃度が低下する。結果として膜分離槽33において膜がカルシムやマグネシウムの化合物で閉塞することを、実施例1、2よりもさらに抑制できる。
(実施例4)
図4は本発明の他の実施の形態を示すものである。図4において、図1〜図3に示した実施例1、2、3と同様の構成については同一番号を付してその説明を省略する。
ここでは、脱水工程20の前工程としてメタン発酵排水10に溶解する炭酸ガスを脱気する脱炭酸工程60を備え、脱炭酸工程60において静置工程61の前工程としてメタン発酵排水を曝気処理する曝気工程62を有している。
この構成においても、実施例3と同様にして、静置工程61および曝気工程62において、メタン発酵排水中のカルシムやマグネシウムを不溶性の化合物として析出させる。
脱水工程20では、静置工程61および曝気工程62で不溶化したカルシムやマグネシウムの化合物が、もともとメタン発酵排水中に含まれていた無機固形物および有機性固形物とともに、脱水ケーキとしてメタン発酵排水中から除去される。その結果、脱水工程20から生物処理工程30に送られるメタン発酵排水の脱水分離液中のカルシウムやマグネシウムのイオン濃度が低下する。結果として膜分離槽33において膜がカルシムやマグネシウムの化合物で閉塞することを、実施例1、2よりもさらに抑制できる。
(実施例5)
上述した実施例では、静置工程61と曝気工程62を別途のものとして説明したが、図10に示すように、静置工程61の中に曝気工程62を組み合わせることも可能である。
図10では貯溜池71を仕切壁72で上流域73と下流域74に仕切り、仕切壁72の一部に越流堰75を形成する。
メタン発酵排水10は貯溜池71の上流域73と下流域74とで一定日数滞留し、静置による炭酸ガスの脱気が進行し、メタン発酵排水10の液中に溶存するカルシムやマグネシウムの不溶化が進む。
また、メタン発酵排水10は、越流堰75を通って上流域73から下流域74に流れる。このとき、越流堰75の上端部においてメタン発酵排水10が水深の浅い層状に流れるので、大気と接する面積が増加し、炭酸ガスの脱気が促進される。
このため、貯溜池71では静置の効果に加えて曝気の効果によってメタン発酵排水10の液中に溶存するカルシムやマグネシウムの不溶化が進む。
10 メタン発酵排水
20 脱水工程
30 生物処理工程
31 脱窒素槽
32 硝化槽
33 膜分離槽
41 第1汚泥返送路
42 第2汚泥返送路
50 処理水
60 脱炭酸工程
61 静置工程
62 曝気工程
71 貯溜池
72 仕切壁
73 上流域
74 下流域
75 越流堰

Claims (9)

  1. アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水を脱水して脱水分離液を分離する脱水工程と、脱水分離液を活性汚泥で生物処理する生物処理工程を備え、
    生物処理工程は、脱窒素槽内で槽内液を脱窒処理する脱窒工程と、硝化槽内で槽内液を硝化処理する硝化工程と、膜分離槽内で槽内液を膜分離処理して膜透過液を処理水として排出する膜分離工程を順次に行い、膜分離槽内の槽内液を脱窒素槽および硝化槽へ送液することを特徴とするメタン発酵排水の処理方法。
  2. 脱水工程の前工程としてメタン発酵排水中に溶解する炭酸ガスを脱気する脱炭酸工程を備え、脱炭酸工程においてメタン発酵排水を開放空間下に静置することを特徴とする請求項1に記載のメタン発酵排水の処理方法。
  3. 脱炭酸工程は、メタン発酵排水を開放空間下に静置する工程の前工程もしくは後工程として、メタン発酵排水を曝気処理することを特徴とする請求項2に記載のメタン発酵排水の処理方法。
  4. メタン発酵排水は、パーム油製造工程排水をメタン発酵させるメタン発酵工程において排出される排水であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のメタン発酵排水の処理方法。
  5. 脱水分離液の原水流入量を単位量Qとして脱窒素槽から硝化槽へ単位量QのX倍の槽内液XQを送液し、膜分離槽から脱窒素槽へ単位量Qの(X−1)倍の槽内液(X−1)Qを返送し、脱窒素槽から硝化槽へ送液する槽内液XQのY倍(Yは1以上)の槽内液(XQY)を膜分離槽から硝化槽へ送液し、膜分離槽から単位量Qの膜ろ過液を取出すことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のメタン発酵排水の処理方法。
  6. アルカリ金属とアルカリ土類金属を含有するメタン発酵排水を脱水して脱水分離液を分離する脱水装置と、脱水分離液を活性汚泥で生物処理する生物処理装置を備え、
    生物処理装置が、槽内液を脱窒処理する脱窒素槽と、槽内液を硝化処理する硝化槽と、槽内液を膜分離処理して膜透過液を処理水として排出する膜分離槽と、膜分離槽内の槽内液を脱窒素槽へ送液する第1汚泥返送路および膜分離槽内の槽内液を硝化槽へ送液する第2汚泥返送路を有することを特徴とするメタン発酵排水の処理設備。
  7. メタン発酵排水を静置してメタン発酵排水中に溶解する炭酸ガスを脱気する上部が開放された容器を備え、前記容器を経たメタン発酵排水を脱水装置に供給することを特徴とする請求項6に記載のメタン発酵排水の処理設備。
  8. 前記容器を経たメタン発酵排水を曝気する曝気槽を有し、曝気槽を経たメタン発酵排水を脱水装置に供給することを特徴とする請求項7に記載のメタン発酵排水の処理設備。
  9. メタン発酵排水を曝気する曝気槽を有し、曝気槽を経たメタン発酵排水を前記容器に供給することを特徴とする請求項7に記載のメタン発酵排水の処理設備。
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