JP2012097242A - 廃食油の環境保護的有効活用法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用済みの食用油を直接排水口へ流すことや燃えるごみとして捨てることが、水質汚濁や大気汚染と云った環境破壊の大きな要因となっている。
【解決手段】近隣に有る廃業で使わなくなったガソリンスタンドを製造・流通拠点に転用することで、廃棄されていた廃食油の再生処理拠点への回収を促進すると共に、廃棄処分量を減らし、相対的に資源の節減、省エネルギー推進、環境保護を低コストで実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は使用済みの動植物性食用油、即ち廃食油の有効な活用方法に関する。特に大気汚染や水質汚濁と言った環境破壊に配慮しながら、十分に資源価値の残る廃食油を有効に活用するための方法に関する。
本発明は広範な分野に亘る技術課題を有機的に結び付けることに依って、廃食油の環境保護的有効活用法を実現するものである。
天婦羅やフライなど、所謂揚げ物を調理するのに食用油は欠かすことが出来ないものであるが、繰返し使用するに伴い、新油を補充するとか新油と交換する等、天婦羅油の性能を一定に保持する手段を施すものの、油の性能も回復不能な段階まで劣化することは避けられず、最終的には廃棄処分されるものである。
廃棄処分の方法としては、一部に回収して石鹸に再生活用する市民活動等も見られるものの、回収の手間等のマイナス要因が敬遠され、決して産業上の利用可能性を満足しているとは言い難く、廃油に凝固剤を添加して固めたり、吸着材に染込ませたりして、可燃ごみとして廃棄する方法が一般的には多く行われている。然し、凝固剤も吸着材も市販品であり、廃棄するのに手間と費用が掛ることが敬遠され、廃食油をそのまま排水口へ流し、排水管、排水溝、浄化槽などの排水系統の目詰まりや機能障害をもたらし兼ねない投棄処分も少なからず見受けられる。
廃食油の処理は、年間30万トンとも40万トンとも言われる一般家庭用に限らず、より大量を消費する飲食店や揚げ物食品を製造する工場などの業務用に関しても事情は同様であり、量的には家庭用に倍する消費量だけに、環境に与える影響は更に大きい状況にある。但し、一般家庭とは異なり集約されているだけに回収効率も良好で、リサイクルの実効も認識されると共に、食材屑や沈殿残渣なども含め、環境を損なわぬように処理する技術が求められ始め、特許文献1(特開平10−338888)に見るように廃食油を撹拌槽内で空気を吹き込みながら微粒細分化して培養液と混合し分解処理する処理方法及び処理装置が考案され等、廃食油の処理を業とする事業者に委ねる場合も増えるようになって来た。
大量の廃食油処理の動向から、地球温暖化防止京都会議と前後して、廃食油にエタノールとアルカリ触媒を添加し加熱混合する等の化学的処理方法をはじめ、特許文献2(特開平10−219261)に見られるような、含有される不純物やごみを除去した廃食油と鉱物性燃料油とを混合することで、ガソリン代替燃料として活用することが盛んになったが、エンジントラブル等の問題が多発したことから、廃食油の混合割合の上限を低く抑える品質基準の厳格化がなされ、廃食油の有効活用の停滞を招いている。
一方で特許文献3(特開2008−62212)に見られるように、粘性が増すと燃え難くなる知見をもとに、廃食油を20〜80℃に加温しながら重量比で0.1〜9.9倍量(好ましくは0.9〜4.0倍量)の灯油を配合し、火炎バーナーの燃料として供給することでの可燃性廃棄物の焼却処理方法を提供する工夫が示されている。然しながら、廃食油の粘性と燃焼性の相関に知見を得ながらも、灯油10量に対して60℃の廃食油が9量のケースと、灯油4量に対して50℃の廃食油が1量の僅か二点のみが、良好な結果が得られると例示されて居るに過ぎず、加えて浮遊する揚げ滓、固化したパーム油やラードなどの浮遊夾雑物、沈殿した残渣などを除去する必要性には言及しているものの、その処理方法までの記述は無い。
更に特許文献4(特開2009−208002)に見られるように、互いに混ざり合わない2種類以上の液体同士の混合工程に於いて、超音波キャビテーション効果を利用することで複数液体を効率良く超微細なエマルジョン粒子化する工夫が示され、バイオディーゼル燃料への活用が示唆されている。
特許文献5(特開平10−167866)では、これまで言及した従来の技術では触れられていない浮遊する揚げ滓、固化したパーム油やラードなどの浮遊夾雑物、沈殿した残渣などまでも、大気汚染や水質汚濁と言った悪影響なしに有効に活用が出来る、環境保護的な活用方法のヒントが示されている。即ち、有機発酵肥料とその製造方法に於いて、植物性、動物性を問わずあらゆる廃食油を、浮遊夾雑物、沈殿残渣を除去することもなく丸ごと、厩舎から排出される牛糞・豚糞・鶏糞等を含む厩舎廃棄物に、撹拌しながら均一に混ぜ込み、有用な微生物、所謂EM菌の添加により発酵熟成させることで有機発酵肥料を製造する工夫が示されている。
特許文献6(特開2003−55673)では、大型の廃プラ処理プラントを有効に活用する目的で、廃プラスチックに加えて廃食油をも効率良く回収し、船舶やディーゼル車やボイラー等の燃料としてリサイクルするシステムが示されている。該発明では、比較的回収がシステム化し易い業務用に止まらず、一般家庭をも意識して、散在する廃食油の回収にガソリンスタンドやスーパー等の人が集まる場所に廃食油の回収タンクを設置し、一般人が持参した廃食油の量に応じ、インセンティブを伴ったポイントを発行するシステムで回収効率を改善する工夫が述べられている。
特開平10−338888 特開平10−219261 特開2008−062212 特開2009−208002 特開平10−167866 特開2003−055673
資源としてまだまだ有効活用の余地が残された廃食油を、石鹸や有機肥料に再生したり、各種の燃料として再生する等々、有効活用の動きは処々に散見されるものの、前述した如く夫々に様々な要因で発展、普及しているとは言い難く、実情としてはエネルギィーを無駄に消耗することと知りながらも、大気汚染や水質汚濁と言った環境保護に反するところの投棄や焼却処分を前提とした方法で処理されているのが殆どである。
限られた資源の有効活用、化石燃料消費に伴うCOの削減効果、排水の水質改善と言った環境保護的な見地からすると、極めて有用な廃食油の再利用の普及を阻害している最大の要因は、食用油消費の場所が広範に分散している点にある。再生するための設備・施設の設置された拠点を整備するには多額な設備投資が必要であるにも係らず、当該拠点へ廃食油を回収する労力とコストが大き過ぎる故に、回収手段が整備されているごく一部の例外を除いた業務用の廃食油の大半及び一般家庭から排出される廃食油の殆ど全ては、資源価値が残存していることを承知で投棄或いは焼却処分するしか選択肢が無い、と言う課題を解決する必要がある。
また、ディーゼル車の燃料とする場合は、軽油に添加出来る廃食油の上限量が低く制限されている。言い換えると再生資源として活用される廃食油の量が抑制されることになり、折角回収した廃食油を有効活用出来ず、環境保護に対する寄与率が思ったほど向上しないことになる。仮に前述の回収の阻害要因が取り除かれたとしても、有効活用する物量が伸びなければ、廃食油の環境保護的有効活用の目標到達には遠く及ばない。従って、ディーゼル車用燃料に拘らず、より使用量が見込める発電用ディーゼルエンジンや暖房用ボイラーなどの燃焼機器にも用途拡大する等、再生・活用の量的な拡大を図る必要がある。
また、寒冷地や冬期には、温度依存性が高い廃食油は粘度が上がり流動性が低下するため、燃料の供給が円滑に行かないケースが発生するなど、様々な障害を起し易くなり、各種の燃料としての再生・活用の妨げとなっている問題点があるが、廃食油は年間を通じてコンスタントに発生するものであり、これを再生・活用するのであるから冬場だけ休止する訳にも行かず、量的にも質的にも年間を通じて安定的に供給する工夫が求められる。
更に、回収したばかりの廃食油は、浮遊する揚げ滓、固化したパーム油やラードなどの浮遊夾雑物、比重の大きい沈殿残渣などが混和した状態で搬入される。以後の再生処理工程を円滑に進め、生産性を上げ、品質を維持するために先ずこれらの夾雑物を除去するが、従来の考えでは、これらの夾雑物を燃えるごみとして廃棄処分することが多かった、これら夾雑物をもまた有効活用する工夫を行う必要がある。
更にまた、消費地点が広範に分散している点が、廃食油の回収の最大の弱点で解決を要する課題との説明は既に記述したが、分散して集約が難しい他にも、廃食油の拠出者が便益を受け難い点が挙げられる。即ち、排水口へ流してしまえば終わる後始末を、態々再生処理の拠点まで運んで処理する人は少ない訳で、例えば自社事業所に於けるボイラー等の燃料として、再生燃料の供給を受けられる業務用を除けば、実効ある回収システムを構築する為には、何らかのインセンティブを伴った、廃食油の拠出者に若干なりとも便益を還元出来る工夫が必要である。
以上の解決を要する諸々の課題に鑑み、本発明では、前述した廃食油を有効活用する様々な工夫を新規かつ有機的に組合せ、廃食油の真に有効かつ無駄の無い再生・活用を実現し、以って廃食油の環境保護的有効活用法を提供しようとするものである。
本発明の第一の手段は、廃食油の拠出者の利便性だけを考え地域毎に製造・流通拠点を莫大な投資を伴って設置する無謀さを回避し、近年の経済状況を反映し人手に依存する部分を極力抑えたセルフ方式への転換と共に、特に地域的に偏りが見られることも無く、全国的に従来方式のガソリンスタンドの廃業が目立つ事実に着目し、使用されずに野晒し状態のガソリンスタンドを、付随する各種設備諸共活用しながら、道路沿いにあり車の乗り入れが楽で、然も人家の集中している場所にあるガソリンスタンドの立地条件を最大限に活かし、スタンド自体を廃食油の有効活用のための製造・流通拠点に、設備の変更、追加、改造を最少限に抑え整備して転用することで、廃食油の環境保護的有効活用法を提供するものである。
本発明の第二の手段は、廃食油の軽油に対する混入率が5%に制限されるディーゼル車燃料に拘ることを止め、廃食油を半量(50%)程度まで混合し、コージェネレーション発電におけるディーゼルエンジン燃料や暖房用ボイラー燃料等に使用される灯油や重油の代替燃料として供給することで、廃食油トータルの再生・活用の量的な拡大を実現するものである。
本発明の第三の手段は、回収車で回収したものや地域住民が廃食油容器やペットボトルなどで持参した廃食油を、一次フィルターにより粗目の夾雑物を濾過しながら回収タンクに収容する。回収タンクから貯留タンクへ移し約一週間溜めて置くが、この間に遠心分離機などを使用することなしに、自然沈殿により一次フィルターでは除去しきれなかった沈殿残渣物は分離され沈殿する。次に上澄油を燃料混合精製装置へ送り、同量の灯油と混合するのであるが、超音波を加えながらエアコンプレッサーで高圧の空気を吹込み、発生する気泡を含む撹拌エアーで、両液体を微粒子化して混合することで長時間分離せずに安定して流動性が良好に保たれた代替燃料に生まれ変わる。更に、微粒子化工程が完了したものは、燃料混合精製装置からギアポンプで送られ、同様に超音波を加えながら二次フィルターで最終濾過した後に貯蔵タンクへ移される。更に安定剤や水抜剤を若干添加し、出荷まで貯蔵されるが、直接200リットルのドラム缶に詰められ保管される場合もある。この時点で廃食油は夾雑物や沈殿物が完全に除去され、灯油若しくは重油と微粒子状態で均一に混合され、低温時の流動性や安定性が向上した、農業用ハウスや各種製造業やホテル・旅館などのボイラー用に好適な代替燃料として再生されるのである。
本発明の第四の手段は、従来は焼却処分するか可燃ごみとして廃棄処分するしか方法が無かった浮遊する揚げ滓、固化したパーム油やラードなどの浮遊夾雑物、ドレンとして回収される沈殿した残渣、使用済みのフィルターなど工程の諸所で除去される廃棄物を一旦残渣収容器へ保管し、満杯になったところで、製造・流通拠点に隣接する畑地などが確保出来る場合は土と均一に混ぜ合せながら有用な微生物、所謂EM菌を添加するなどの方法により、また地面が確保できない場合は、製造・流通拠点のフィールド内にコンポスト容器を設置し、近隣から生ごみを調達して混ぜ合わせることにより有機肥料化することが出来る。
本発明の第五の手段は、製造・流通拠点の近隣に居住する、特に一般家庭の廃食油の拠出者に対して、ポイントカード制を導入し、拠出した廃食油の量或いは回数に応じてポイントを加算し、希望により前述の有機肥料を景品としたり、ちり紙交換の様なインセンティブを提供することで実効ある回収システムを構築し、廃食油を大気汚染や水質汚濁と言った環境破壊に配慮し、かつ有効に活用するための方法を提供するものである。
本発明によれば、莫大な設備投資が必要となるため実現性が全く無かった、廃食油の製造・流通拠点を全国各地に万遍無く配置する企画が、一般家庭の廃食油も容易に持込み易い立地条件を備えた、廃業したガソリンスタンドを僅かな設備投資で廃食油の製造・流通拠点として転用することが容易に実現できるものである。然も、廃食油といえども燃料に再生するのであるから危険物に変わりはなく、その製造・配送拠点は、建築基準法や消防法と云った法規制の適用を受ける。幸い廃業したガソリンスタンドは元来、危険物製造所、危険物貯蔵所、危険物取扱所として認可を受けて操業していたものであるから、極めて容易に認可が受けられる効果がある。
本発明によれば、化学反応によらず物理的変化に基づく製造方法となるので消費されるエネルギーも少なく、有害無益な副産物を生成することもない。更に上限が5%しか活用出来ないディーゼル車用の燃料に較べ、化石燃料である灯油(重油)と同量の廃食油が有効活用されるので、およそ50%のCOの削減効果があり、更にコージェネレーションの場合は省エネ効果も有って、環境保護の上では極めて大きく寄与する効果がある。
本発明によれば、廃業したガソリンスタンドで使用していた地下に埋設されたタンク群は言うに及ばず、計量機や送油ポンプやエアコンプレッサーといった設備機器類が殆どそのまま転用出来るので、極めて少ない設備投資で済む上に極めて短期間に操業が出来る等、新規に操業するには最も早く効果が上がるものである。
本発明によれば、これまでは環境保護に悪影響がある焼却処分を承知で燃えるごみとして処理していた廃棄物を、EM菌の力を利用して有機肥料化することで、環境へ負荷を掛けること無く、廃食油を有効活用する効果が上げられるものである。
本発明によれば、如何に近隣で操業する製造・流通拠点であるといえども、態々廃食油を持参して環境に優しい処理に協力しようという動機付けとしては、ポイントを貯めて例えば家庭菜園に施肥する有機肥料が貰えるとか、真に環境保護的な廃食油の有効活用に寄与できるとなれば、協力する都度カードを提出し、製造・流通拠点に置かれた端末からインセンティブを伴ったポイントを貯める行動で、実効の有る回収システムに積極参加する効果は十分に期待出来る。
本発明の基本的な構成概念を示す模式図である。
本発明の好ましい実施形態では、発明を実施する最適の拠点として、従来方式の廃業したガソリンスタンドを挙げているが、最初に本発明の説明には欠かすことが出来ない従来方式のガソリンスタンドの設備について説明する。
広くて油汚れに強い表面処理が施されたコンクリート床のフィールドの下には、ガソリンや軽油を貯蔵する鋼鉄製の頑丈な地下タンクが複数個埋設されている。地下タンクへローリーからガソリンや軽油を注入する注油口がフィールド上に開口している。フィールドには降雨・降雪に備え広くフィールドを覆うキャノピー(天井屋根)が有る。キャノピーから吊下げる懸垂式もあるが、車の乗り上げを防ぐ目的のアイランドに設置された固定式の計量機は、ポンプで燃料を地下タンクから吸上げ給油し計量する機能を有する。車の点検や整備に使われる油の取り扱いに適したピットには、油圧ジャッキ、エアコンプレッサー等が備えられ、オイル交換やタイヤの空気注入に使用される。料金の精算窓口や物品販売に使われた接客・事務処理スペースには、金銭登録機やパソコンが備えられ、計量機とも連動している。敷地境界には万一の火災に備え、法律の規制を満たす防火壁等々、まだ十二分に耐用年数を残す諸施設・設備を殆どそのままの形で放置されているのが廃業したガソリンスタンドの実態である。これを廃食油の回収、再生処理、貯蔵、配送拠点として活用し、若干の改造と設備の追加で済ますことにより極めて軽微なコストで、廃食油の環境保護的活用方法を実現することが可能になる。
次に図1を使って本発明の実施形態を説明するに、大量に食用油を使用する飲食店や揚げ物食品を製造する工場などを巡回し、回収車1で集めて来た廃食油は計量の後、投入口21から、例えばオイル交換などに使用され油汚れに強いピットなど、フィールド上の適宜な場所に設置された回収タンク2に投入される。同様に地域住民がペットボトル3などで持参し拠出した廃食油も計量の後投入口21から回収タンク2に投入するが、携行するカード4にポイントが加算される。なお、回収タンク2は図示に限るものではなく、例えばフィールドに置かれたドラム缶でも構わない。
投入口21には、ポリオレフィン、ポリススチレン等の繊維質からなる一次フィルター5が着脱自在に取り付けられ、廃食油は一次フィルター5で浮遊する揚げ滓、固化したパーム油やラードなどの浮遊夾雑物や粗目の沈殿残渣が除去され、下の回収タンク2へ滴下し収容される。なお、フィルターの繊維質は生分解繊維が好ましい。
回収タンク2は仕切版22で投入口21のある入側室と汲出管23が設けられた出側室の二室に区分されていて、二室は仕切板22の下方連通口で連通し、廃食油はポンプ手段(図示せず)を使って、回収タンク2の出側室の汲出管23を通して汲出され、貯留タンク6へ送られ一週間程静置される。なお、貯留タンク6はフィールドの下に埋設された地下タンクが好適であるが、例えばフィールドに置かれたドラム缶でも構わない。
回収タンク2の下部にはドレン口7が設けられ、比重が大きい沈殿した残渣をドレンとして排出する。排出された沈殿残渣はフィールドの適宜な場所に設置された残渣収容器8へ、交換した一次フィルター5共々一旦保管する。これは貯留タンク6に於いても同様で、一週間程静置され自然沈降で沈殿した残渣はドレンとして排出し、残渣収容器8へ一旦保管する。
一週間程静置され廃食油が安定したところで、上澄油はポンプ手段によって貯留タンク6の送油管9を通して燃料混合精製装置10へ送られる。該燃料混合精製装置10では、廃食油と同量の灯油若しくは重油を加え、超音波を印加しながらコンプレッサー11で高圧の空気を吹込み、発生する気泡を含む撹拌エアーで、両液体を微粒子化して混合する。この時点で廃食油は代替燃料に再生されることになる。
混合が済んだ代替燃料をポンプ手段によって移送するが、移送管12の中間乃至は出口に設けられた二次フィルター13で最終濾過を行い、微量の安定剤と水抜剤を添加し、貯蔵タンク14へ貯蔵される。これで有害な副産物を発生しない物理的な再生処理の全工程が終了する。なお、貯蔵タンク14の下部には他のタンク同様ドレン口7が設けられていて、ドレンとして排出された残渣を残渣収容器8へ保管するのは同様である。
廃食油から再生された代替燃料は製品として貯蔵タンク14に貯蔵されているが、需要に応じて貯蔵タンク14から給油管15を通して計量機16内臓のポンプ手段で吸上げ、計量機16で計量するが、この時管理データは事務処理スペースに置かれたパソコン17に連動して入力され、配送車18に搭載した代替燃料の種類や量が自動的に管理されるものである。
残渣収容器8に保管された、ドレンとして排出された沈殿残渣やフィルターで除去された夾雑物やフィルターそのものの再生処理について説明する。沈殿残渣は衣として使用された小麦粉やパン粉や食材の欠片が炭化したものであり、浮遊夾雑物は揚げ滓、パーム油やラードが固化して浮遊したものが殆どであり有機物でもあるから、土に均一に混ぜ込み有機肥料化することで有効活用がされるものである。
つまり、製造・流通拠点に隣接して畑地などが確保出来る場合は、土壌中の有用な微生物所謂EM菌が活発に作用し、更にミミズの繁殖が有機肥料化を助長し、環境を汚染すること無く廃食油の再生処理に寄与する。製造・流通拠点に於いて畑地が確保出来ない場合は、フィールドの適宜な場所にコンポスト容器を設置し、近隣から生ごみを調達して混ぜ合わせることにより有機肥料化することで有効活用が出来るものである。
本発明の好ましい実施形態では、製造・流通拠点の近隣に居住する、特に一般家庭の廃食油の拠出者の協力が、排水口への廃食油の直接投棄を減らし、環境を汚染すること無く廃食油の有効活用を進展させる鍵となる。そこで、事務処理スペースに置かれたパソコン17に連動させたポイントカード制を導入し、一般家庭の廃食油の拠出者に協力して貰えた廃食油の量或いは回数に応じてポイントを加算し、希望により前述の有機肥料を景品として提供したり、ちり紙交換の様な還元を行い、実効ある回収システムを構築出来るものである。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
2 回収タンク
4 ポイントカード
5 一次フィルター
6 貯留タンク
10 燃料混合精製装置
11 コンプレッサー
13 二次フィルター
14 貯蔵タンク
16 計量機

Claims (5)

  1. 廃食油を複数の回収手法に依って製造・流通拠点へ回収し、計量して一次フィルターで夾雑物を除去した後回収タンクへ収容し、次にポンプ手段を使い貯留タンクへ移して約一週間静置し、夾雑物を自然沈殿させ、上澄油を燃料混合精製装置へポンプ手段を使い移し、同量の灯油若しくは重油と混合して微粒子化して精製し、二次フィルターで最終濾過した後に安定剤及び水抜剤を加え、全ての再生処理工程を終了してボイラー用の代替燃料に生まれ変わった廃食油を製品として貯蔵タンクへ移し、該製品を顧客からの需要に応じて貯蔵タンクからポンプ手段を使い計量して配送手段へ移し、顧客へ配達してボイラーの代替燃料として使用する廃食油の環境保護的有効活用法において、
    前記の製造・流通拠点として、廃業したガソリンスタンドを付随する各種設備諸共、活用することを特徴とする廃食油の環境保護的有効活用法。
  2. 廃食油の再生商品をコージェネレーション発電におけるディーゼルエンジン燃料や暖房用・燃焼用ボイラー燃料に絞ったことを特徴とする請求項1記載の廃食油の環境保護的有効活用法。
  3. 燃料混合精製装置において、コンプレッサーで高圧の空気を吹込み発生する気泡を含む撹拌エアーで微粒子化して混合させることを特徴とする請求項1記載の廃食油の環境保護的有効活用法。
  4. 再生処理工程で除去される夾雑物や残渣や使用済みのフィルターなどを土に混ぜ合せ、土壌中の有用な微生物やミミズの助けを借りて、有機肥料として再生することを特徴とする請求項1記載の廃食油の環境保護的有効活用法。
  5. ポイントカードを発行し、廃食油の拠出者に対してインセンティブを付与することを特徴とする請求項1記載の廃食油の環境保護的有効活用法。
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